JP3722535B2 - 走査型共焦点顕微鏡及びこの顕微鏡を使用した測定方法 - Google Patents

走査型共焦点顕微鏡及びこの顕微鏡を使用した測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、観察試料の表面情報を測定するために使用される走査型試料測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
観察試料の表面情報を測定する走査型試料測定装置の一つに走査型共焦点顕微鏡がある。走査型共焦点顕微鏡は、点状光源によって観察試料の表面を点状に照明し、照明された試料表面からの透過光または反射光を再び点状に集光してピンホール開口を有する検出器に結像させ、この検出器により結像の濃度情報を得る顕微鏡である。
【0003】
図11に一般的な走査型共焦点顕微鏡の原理構成を示す。
同図において、点光源91から出射された点状光は、ハーフミラー92を通過したのち収差が補正された対物レンズ93によって観察試料94の表面に点状結像される。そして、この点状照明の上記試料94による反射光は、再び対物レンズ93を通過したのちハーフミラー92で反射されて所定位置に集光する。この集光位置にピンホール95が配置されており、このピンホール95を通過した上記反射光が光検出器96によって検出される。
【0004】
このような点状照明をラスタ走査等の2次元走査により試料94の表面の測定領域全体にわたって行い、その反射光の光検出器96による検出信号を画像表示することにより、試料94の表面の2次元画像が得られる。
【0005】
ところで、試料94表面は全体にわたって平坦とは限らない。例えば、図11中に破線に示すように対物レンズ93の集光位置からずれた位置にある面からの反射光は、ピンホール95上に集光することはない。従って、このような反射光はピンホール95を通過することができず光検出器96で検出されない。即ち、走査型共焦点顕微鏡では、対物レンズ93の集光位置つまり合焦位置に存在する試料面の光学像のみが測定できるので極めて高精度な画像を取得することができる。
【0006】
ここで、図12に示すように高さの異なる複数の観測面A、B、Cを有する試料94′を従来の走査型共焦点顕微鏡で観察する場合を想定する。このような試料94′を観察しようとすると、観測面Aに合焦させたときには他の観測面B、Cの光学像はぼやけてしまうことになる。このため、すべての観測面A、B、Cについての合焦画像を同時に観測することは不可能である。そこで、観測面A、B、Cに対し順次合焦させてその合焦画像を順次画像メモリに格納し、これらの合焦画像を演算処理により合成することにより全観測面A、B、Cに合焦した観測画像を得る技術がある。ところが、測定対象面に反射率の異なる部位が存在する試料に対しては前述した観察方法では良好な画像を得られない可能性がある。
【0007】
本出願人は、試料の測定対象面に反射率の異なる部位が存在する場合に、この反射率の相違の影響を受けずに測定を行うことができる走査型共焦点顕微鏡を特願平7−35474として特許出願済みである。ここに開示した走査型共焦点顕微鏡は、前記試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数の小範囲に分割し、これらの小範囲ごとに予め設定された利得情報を利得情報記憶手段に記憶する。そして、2次元走査および光軸走査のうちの少なくとも一方の走査動作に応じて、利得制御手段が走査中の小範囲に対応する利得情報を利得情報記憶手段から読み出して、この利得情報に応じて利得を可変制御するようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、最適な利得情報を小範囲ごとに記憶して利得制御する場合も次のような不具合が生じてしまう。上記した観察方法では、試料表面の反射率の異なる複数の部位ごとに予め設定された最適な利得情報が利得情報記憶手段に記憶され、試料の表面測定を行う際に、集束光の走査位置に応じて最適な利得情報が利得情報記憶手段から読み出され利得が可変制御される。このため、検出信号の信号レベルは、試料の如何なる部分において得られたとしても、各部位ごとに最適な利得値により可変されることになる。
【0009】
しかし、図13(a)に示すように試料の表面に反射率の低いガラス面と反射率の高い鏡面が混在したときには、反射率の異なる複数の部位ごとに最適な利得設定後の検出信号レベルは図13(b)のようになる。低利得設定となる鏡面において得られた検出信号には問題ないとしても、ガラス面において得られた検出信号には鏡面のものに比べかなり高利得の設定となりS/Nの悪化を生じる。
【0010】
また、図14に示すように表面に段差を有し上段は鏡面で下段はガラス面となっている試料表面の高さ位置を走査型共焦点顕微鏡を使用して測定する場合にも、試料の上段(鏡面)においては鏡面のZ方向の強度分布は例えば図15(a)に示すごとく尖鋭なピーク値が問題なく得られるが、下段(ガラス面)においては高利得設定のため図15(b)に示すようにノイズが多くなり合焦位置近傍の尖鋭さに欠け、正確な合焦位置の判定が不可能となる。
【0011】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、試料の低反射率面における高利得設定により生じるS/Nの悪化の影響を軽減し、取得データの安定性を高め、常に高精度な測定を行うことができる走査型試料測定装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下のような手段を講じた。
すなわち、請求項1に対応する本発明は、試料に対し集束光を照射する対物光学系と、集束光と試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、集束光の試料による反射光又は透過光を受光してその受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数に分割してこれら分割範囲ごとに設定された利得情報を記憶した利得情報記憶手段と、分割範囲ごとに設定された積算情報を記憶した積算情報記憶手段と、2次元走査手段による走査動作に応じて、走査中の分割範囲に対応する利得情報を利得情報記憶手段から読み出し、この利得情報に応じて可変利得型レベル可変手段の利得を制御する利得制御手段と、2次元走査手段による走査動作に応じて、走査中の分割範囲に対応する積算情報を積算情報記憶手段から読み出し、この積算情報に応じて可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段とを具備した走査型共焦点顕微鏡である
【0013】
請求項2に対応する本発明は、試料に対し集束光を照射する対物光学系と、集束光と試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、対物光学系の焦点位置と試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、集東光の試料による反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、試料の測定対象範囲を当該試料において高さの異なる各面が属する光軸方向の複数の領域に分割してこれら各高さ領域に対応した利得情報を記憶した利得情報記憶手段と、各高さ領域に対応した積算情報を記憶した積算情報記憶手段と、光軸走査手段による走査動作に応じて、走査中の各高さ領域に対応する利得情報を利得情報記憶手段から読み出し、この利得情報に応じて可変利得型レベル可変手段の利得を制御する利得制御手段と、光軸走査手段による走査動作に応じて、走査中の高さ領域に対応する積算情報を積算情報記憶手段から読み出し、この積算情報に応じて可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段とを具備した走査型共焦点顕微鏡である。
【0014】
請求項3に対応する本発明は、試料に対し集束光を照射する対物光学系と、集束光と試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、試料に照射する光の光量を調整する光量調整手段と、集束光の試料による反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数に分割してこれら分割範囲ごとに設定された調光情報を記憶した調光情報記憶手段と、各分割範囲ごとに設定された積算情報を記憶した積算情報記憶手段と、2次元走査手段による走査動作に応じて、走査中の分割範囲に対応する調光情報を調光情報記憶手段から読み出し、この調光情報に応じて光量調整手段を制御する光量制御手段と2次元走査手段による走査動作に応じて、走査中の分割範囲に対応する積算情報を積算情報記憶手段から読み出し、その積算情報に応じて可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段とを具備した走査型共焦点顕微鏡である
【0015】
請求項4に対応する本発明は、試料に対し集束光を照射する対物光学系と、集束光と試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、対物光学系の焦点位置と試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、試料に照射する光の光量を調整する光量調整手段と、集束光の試料による反射光又は透過光を受光してその受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、試料の測定対象範囲を当該試料において高さの異なる各面が属する光軸方向の複数の領域に分割してこれら高さ領域に対応した調光情報を記憶した調光情報記憶手段と、各高さ領域に対応した積算情報を記憶した積算情報記憶手段と、光軸走査手段による走査動作に応じて、走査中の各高さ領域に対応する調光情報を調光情報記憶手段から読み出し、この調光情報に応じて光量調整手段を制御する光量制御手段と、光軸走査手段による走査動作に応じて、走査中の各高さ領域に対応する積算情報を積算情報記憶手段から読み出し、この積算情報に応じて可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段とを具備した走査型共焦点顕微鏡である
【0016】
請求項5に対応する本発明は、試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記集束光の前記試料による反射光又は透過光を受光してその受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出カされた検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用して前記試料の表面測定を行うに際し、試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数に分割する工程と、分割された各分割範囲ごとに可変利得型レベル可変手段の利得を制御するための利得情報を設定する工程と、分割された分割範囲ごとに可変利得型レベル可変手段からの出力信号の積算を制御するための積算情報を設定する工程と、2次元走査手段による走査動作に応じて、設定された利得情報の中から走査中の分割範囲に対応する利得情報を選択して可変利得型レベル可変手段の利得を可変制御する工程と、2次元走査手段による走査動作に応じて、設定された積算情報の中から走査中の分割範囲に対応する積算情報を選択して可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算制御する工程とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用した測定方法である
【0017】
請求項6に対応する本発明は、試料に対し集束光を照射する対物光学系と、集束光と試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、対物光学系の焦点位置と試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、集束光の試料による反射光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用して試料の表面測定を行うに際し、試料の測定対象範囲を当該試料の高さの異なる各面が属する光軸方向の複数の領域に分割する工程と、分割された各高さ領域ごとに可変利得型レベル可変手段の利得を制御するための利得情報を設定する工程と、分割された各高さ領域ごとに可変利得型レベル可変手段からの出力信号の積算を制御するための積算情報を設定する工程と、光軸走査手段による走査動作に応じて、設定された利得情報の中から走査中の高さ領域に対応する利得情報を選択して可変利得型レベル可変手段の利得を可変制御する工程と、光軸走査手段による走査動作に応じて、設定された積算情報の中から走査中の高さ領域に対応する積算情報を選択して可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算制御する工程とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用した測定方法である。
請求項7に対応する本発明は、試料に対し集束光を照射する対物光学系と、集束光と試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、試料に照射する光の光量を調整する光量調整手段と、集束光の試料による反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用して試料の表面測定を行うに際し、試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数に分割する工程と、分割された各分割範囲ごとに光量調整手段の調光を制御するための調光情報を設定する工程と、分割された各分割範囲ごとに可変利得型レベル可変手段からの出力信号の積算を制御するための積算情報を設定する工程と、2次元走査手段による走査動作に応じて、設定された調光情報の中から走査中の分割範囲に対応する調光情報を選択して、この調光情報に応じて光量調整を制御する工程と、2次元走査手段による走査動作に応じて、設定された積算情報の中から走査中の分割範囲に対応する積算情報を選択して、この積算情報に応じて可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算制御する工程とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用した測定方法である。
請求項8に対応する本発明は、試料に対し集束光を照射する対物光学系と、集束光と試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、対物光学系の焦点位置と試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、試料に照射する光の光量を調整する光量調整手段と、集束光の試料による反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用して試料の表面測定を行うに際し、試料の測定対象範囲を当該試料の高さの異なる各面が属する光軸方向の複数の領域に分割する工程と、分割された各高さ領域ごとに対応した光量調整手段の調光を制御するための調光情報を設定する工程と、分割された各高さ領域ごとに対応した可変利得型レベル可変手段からの出力信号の積算を制御するための積算情報を設定する工程と、光軸走査手段による走査動作に応じて、設定された調光情報の中から走査中の各高さ領域に対応する調光情報を選択してその調光情報に応じて光量制御手段を制御する工程と、光軸走査手段による走査動作に応じて、設定された積算情報の中から走査中の各高さ領域に対応する積算情報を選択して、その積算情報に応じて可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算制御する工程とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用した測定方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1に実施の形態に係る走査型共焦点顕微鏡のシステム構成を示している。 この走査型共焦点顕微鏡は、顕微鏡本体1、制御処理部2、コンピュータ3及びモニタ4を主な構成要素としている。顕微鏡本体1は、X軸方向走査用のガルバノミラーとY軸方向走査用のガルバノミラーとを有する2次元走査機構5を観察光路上に備えている。レーザー光源6からのレーザー光は光強度調整用の光学素子7、ミラー8及びハーフミラー9を介して2次元走査機構5に入射する。2次元走査機構5はレーザー光源6からのレーザー光を2次元走査するための機構であり、ガルバノミラーをX軸方向、Y軸方向に振ることで対物レンズ10に対するスポット光の光路をXY方向に振らせることができる。また、光学素子7は、レーザー光源6からのレーザー光の強度を調整する素子であり、透過率が連続的に変化する円盤状のNDフィルタや、透過率が異なる複数個のNDフィルタをターレット上に配置したもので構成することができる。これらは、図示しないモータによって回転し、レーザー光の強度をコンピュータ3から電動式で調整することができる。対物レンズ10はレボルバ11に取り付けられている。レボルバ11は、倍率の異なる複数の対物レンズ10を同時に保持可能であり任意の対物レンズを観察光路上に挿入するための機構である。試料Sが載置されているステージ12は、ハンドル28に連結された昇降機構により光軸方向に上下移動可能になっている。
【0019】
複数の対物レンズ10のうちの所望の倍率を持つものを、レボルバ11を切り替えることにより顕微鏡の観察光路中に設定することができる。この設定された対物レンズ10を介して2次元走査機構5からのスポット光をステージS上の試料11に2次元走査しながら照射することができる。
【0020】
試料Sからの反射光は対物レンズ10を通り2次元走査機構5に戻り、2次元走査機構5からハーフミラー9へと戻される。ハーフミラー9は、上記したように2次元走査機構5に対するレーザー光源6の出射光路上に設けられているので、2次元走査機構5を介して得られる試料Sから反射光が検出系に導かれることとなる。この検出系に設けたレンズ13は、このハーフミラー9を介して2次元走査機構5からの反射光を集光するレンズである。ピンホール板14は所要の径のピンホールを開けたもので、光検出器15の受光面の前面であってレンズ13の焦点位置にそのピンホールを位置させて配されている。光検出器15は、ピンホールを介して得られる光をその光量対応の電気信号に変換する。
【0021】
制御処理部2は、2次元走査機構5を制御する2次元走査駆動制御回路16と、ステージ12を上下させる焦準機構を制御するZ走査駆動制御回路17と、光検出器15からの信号を処理する画像処理ユニット18とから構成される。
【0022】
Z走査駆動制御回路17は、コンピュータ3により制御され、ステージ12をその高さ方向、即ちZ軸方向に基準幅単位で移動させるべく制御を行う回路である。画像処理ユニット18は、カウンタ回路19、可変利得増幅回路20、D/A変換器21、利得データメモリ22、A/D変換器23、積算制御回路24、積算枚数データメモリ25、表示用メモリ26を備えている。カウンタ回路19は、2次元走査駆動回路16からのタイミング信号を受け、例えば512×512×8ビット構成で1フレーム分とした利得データメモリ22と積算枚数データメモリ25からそれぞれ現在のスポット光の位置に対応する利得データ及び積算枚数データの読み出しを制御する。利得データメモリ22から読み出された利得データはD/A変換器21によりアナログ電圧に変換された後、可変利得増幅回路20に与えられる。可変利得増幅回路20は、光検出器15から出力された検出信号レベル、つまりアナログ画像信号の信号レベルを可変制御するものである。積算制御回路24は、A/D変換器23によりデジタル化された画像信号を、積算枚数データメモリ25から読み出された積算枚数データをもとに積算し、例えば512×512×8ビット構成で1フレーム分とした後段の表示用メモリ26に記憶する。
【0023】
コンピュータ3は、2次元走査駆動制御回路16と、Z走査駆動制御回路17と、画像処理ユニット18の制御を行うと共に、画像データの保存、再生、編集などを行う制御処理の中枢を担うものである。モニタ4は、コンピュータ3の画像表示端末であり、必要な情報の表示や画像の表示などに使用される。
【0024】
以上のように構成された実施の形態の動作をコンピュータ3の制御手順に従って説明する。
測定に先立ち、コンピュータ3はオペレータによる測定用パラメータの初期設定操作を支援するための制御を実行する。コンピュータ3はモニタ4に制御画面を表示させる。
【0025】
図2は制御画面の一例である。同図に示すように、制御画面には走査開始スイッチ31、走査停止スイッチ32、測定開始スイッチ33及び各種パラメータの設定スイッチが設けられている。測定用パラメータとして、利得、オフセット、調光、積算の各値を設定できるようにしている。測定用パラメータの設定スイッチは、パラメータ項目表示領域34と、設定値表示領域35と、増加減スイッチ36a,36bの3つの表示領域からそれぞれ構成されている。
【0026】
試料Sの画像を表示させるための第1回目のレーザー走査では、試料Sの反射率が不明であるため、利得、オフセット、調光、積算等のパラメータは予め決められた値又は最後に使用したときの値に設定される。図2に示す例では、利得1倍、オフセット0%、調光100%、積算なしという設定になっている。
【0027】
観察者は、走査開始スイッチ31を選択して第1回目のレーザー走査を行う。コンピュータ3は、走査開始スイッチ31が選択されたことを検出すると、図2の設定値表示領域35に表示されている測定用パラメータに基づいて画像の取り込みを実行する。すなわち、走査開始の信号によりコンピュータ3は2次元走査駆動制御回路16に対し駆動指示を与える。その結果、2次元走査駆動制御回路16から2次元走査機構5へ駆動信号が出力され、これにより試料Sに対しレーザー光の2次元走査が行われる。この2次元走査中に光検出器15で検出された試料Sのアナログ画像信号は、可変利得増幅回路20でレベル調整された後、A/D変換器23でデジタル化され積算制御回路24を素通りして表示用メモリ26に一旦記憶される。試料Sの1画面分の2次元画像が表示用メモリ26に記憶されると、この2次元画像はコンピュータ3により読み出されてモニタ4に表示される。走査開始スイッチ31が選択されている間は、レーザ走査が繰り返し実行されて試料Sの画像がモニタ4に表示される。
【0028】
なお、ピントの合った試料の画像が得られない場合は、顕微鏡本体1のハンドル28を回転させステージ12を上下させてピント位置の調整を行う。
ピント位置の調整が終了後、画像の輝度の調整を行う。
この輝度調整は、利得、オフセット、調光の各パラメータ数値をそれぞれ変化させて行う。パラメータ数値の変更は図2に示す制御画面を使用して行う。それぞれのパラメータに対して増減スイッチ(三角マークの部分)36a又は36bをクリックすることで数値を変える事ができる。例えば、右三角の増減スイッチ36bを1回クリックすると数値が大きくなり、左三角の増減スイッチ36aを1回クリックすると数値が小さくなるように制御する。他の増減スイッチに対しても同様である。コンピュータ3は、制御画面上で設定されているパラメータの値を該当する部分(利得データメモリ22、積算枚数データメモリ、図示していない光量データメモリ等)に逐次与えて表示画像に反映させる。
【0029】
ここで、利得は、光検出器15からの電気信号を増幅する割合を示し、数値が大きくなるほど電気信号が大きく増幅される。オフセットは、光検出器15からの電気信号の直流成分を調整する割合を示し、数値が大きくなるほど電気信号の直流成分が減少する。調光は、試料11に照射するレーザーの光量を調整する割合を示し、数値が大きくなるほどレーザー光量が大きくなる。
【0030】
パラメータの調整順序は様々であるが、画像が暗い場合は調光の値を最大にする。すなわちレーザーの光量を最大にする。それでも画像が暗い場合は利得の値を大きくしていく。逆に利得が最小でも画像が明るい場合には、調光の数値を小さくしていく。そして、本来黒である部分が白っぽくなった場合は、オフセットを大きくして黒になるように調整する。積算は積算回数が増えるほど画像表示に時間がかかるため、反射率が高い試料に対してはあまり使用されない。ただし反射率の低い試料であまりにもノイズが多いようであれば使用し、積算によるノイズ低減効果のある回数を確認する。いずれにせよ、積算を使用するかどうかの判断はオペレータが行う。
【0031】
以上の処理によって試料Sの画像全体に対する画質調整のパラメータが決まった。次に、試料Sの画像を小範囲に分割して個々の範囲について画質調整の各種パラメータを決めていく。
【0032】
図4は試料Sの画像を小範囲に分割して個々の範囲について画質調整の各種パラメータを決めるための処理の流れを示している。
試料Sの最適な2次元走査画像を得るため、パラメータ情報の初期設定を行う初期設定制御として試料Sの2次元走査画像モニタ4に表示した状態で、試料Sの反射率の異なる部位ごとに領域指定を行う制御と、指定された領域ごとに最適な利得、調光、オフセット、積算の有無及び枚数を設定する制御とを実行する。
【0033】
先ず、試料Sの反射率の異なる部位ごとに領域指定を行う制御を実行する。モニタ4に、図5に示す如く2次元画像IMに重ねて領域指定用の枠PMを表示し、かつ制御情報欄CMを表示させる。図6に制御情報欄CMの具体的な表示内容を示している。図6に示す如く、制御情報欄CMには、複数の分割領域の各々に対応して,指定利得値と、積算の有無(および積算枚数)と、オフセット値と、調光値とを、それぞれ表示する領域41及びそれらの値を入力するスイッチ42a,42bが設けられている。
【0034】
ここでは、図13に示すように試料Sがガラス面と鏡面を有しており、図5に示すごとくその2次元画像がモニタ4に表示されているとする。オペレータが領域指定を行うために、図示しない入力部により操作し、枠PMの左上端P1をガラス面画像の左上端に合わせ、右下端P2をガラス面画像の右下端に合わせて確定する。コンピュータ3は、座標値P1、P2で指定された領域に領域番号(第1の領域)を付し、第1の領域の座標値P1、P2を表すデータとして領域番号と共に記憶する。同様に続けてオペレータは枠PMの左上端P1を鏡面画像の左上端に合わせ、右下端P2を鏡面画像の右下端に合わせて確定する。すると、コンピュータ3はP1、P2の座標値を第2の領域を表すデータとして記憶する。なお、枠PMの大きさはオペレータが任意に設定可能となっているので、領域の大きさに合わせて枠の大きさを変更することができる。
【0035】
以上のようにして試料Sの反射率に応じて領域を分割する処理が終了したら、各分割領域に対するパラメータの設定を受け付ける。図6に示す制御情報欄CMが表示されている表示画面を使用してパラメータの数値を入力するのは上記した場合と同じである。すなわち、制御情報欄CMに上記処理で分割した各領域番号に対応させて各パラメータ項目のスイッチ36a,36bが表示されるので、その中からパラメータ入力を行うべき領域の選択を受け付ける。選択された領域についてパラメータの入力を受け付ける。これは該当するパラメータのスイッチ36a又は36bをクリックして数値の入力を行うことにより行われる。
【0036】
ある領域について全てのパラメータ項目について入力が終了すれば、次の領域について同様の処理を実行し、最終的に全ての領域について全てのパラメータ項目について数値の入力を受け付ける。その結果、図3に示すようなデータセットが取得されることになる。コンピュータ3は、このパラメータを利得データメモリ22と積算枚数データメモリ25と光量データメモリ、オフセットデータメモリの2次元画像IMの各画素と対応する画素位置へ転送し記憶させる。
【0037】
なお、調光情報については光学素子7をコントロールしている制御ユニット(不図示)に設けた光量データメモリに転送し、オフセット情報については光検出器15の出力段に設けた画質調整ユニットに配置したオフセットデータメモリに転送する。
【0038】
以上のような初期設定が完了してから実際の測定が実行される。
図2の制御画面において測定開始ボタン33が選択されると、コンピュータ3は2次元走査駆動制御回路16に対し駆動指示を与える。その結果、試料11の2次元走査が開始される。2次元走査中に光検出器15で検出されたアナログ画像信号は、可変利得増幅回路20でレベル調整された後、A/D変換器23でデジタル化され、積算制御回路で処理され、表示用メモリ26の現在のスポット光の位置に対応する画素位置に記憶される。
【0039】
このとき、カウンタ回路19は、2次元走査駆動制御回路16からのタイミング信号を受け、利得データメモリ22と積算枚数データメモリ25からそれぞれ現在のスポット光の位置に対応する利得データと積算枚数データの読み出しを行っている。利得データの変化に応じてD/A変換器21で変換されたアナログ電圧にて可変利得増幅回路20の利得が可変設定される。例えば、X方向への走査開始当初では可変利得増幅回路20に利得値「5」が設定される。ガラス面において得られたアナログ画像信号はこの利得値「5」に従ってレベル制御される。そして、X方向の走査位置がガラス面から鏡面に達すると、読み出される利得データが変化して可変利得増幅回路20に利得値「1」が設定される。鏡面において得られたアナログ画像信号はこの利得値「1」に従ってレベル制御される。そして、X方向の走査位置が鏡面の終端部に達してガラス面の始端部に戻ると、読み出される利得データが変化して再び可変利得増幅回路20に利得値「5」が設定される。
【0040】
以後、同様に走査位置の移動に伴い指定された領域に対する利得値に可変利得増幅回路20の利得が変更される。従って、ガラス面にて得られたアナログ画像信号にはこのガラス面にとって最適な利得値「5」に従ってレベル制御され、一方鏡面において得られたアナログ画像信号にはこの鏡面にとって最適な利得値「1」に従ってレベル制御される。
【0041】
利得と同様に、積算枚数データも指定された領域に対応する値が読み出されるが、これを受けて積算制御回路24は次のようにして画像を生成する。まず、ある画素について積算枚数データを受けると、当該画素に対する積算枚数データとそのとき内部でカウントしている現在のフレーム枚数とを比較をする。積算枚数データ≧現在のフレーム枚数であるならば、表示用メモリ26の1フレーム前の現在のスポット光の位置に対応する画素位置データとA/D変換器23でデジタル化された現在のデータを平均し、表示用メモリ26の現在のスポット光の位置に対応する画素位置に記憶する。一方、積算枚数データ<現在のフレーム枚数であるならば、演算はせず、A/D変換器23でデジタル化された現在のデータはその画素位置において不要であるので表示用メモリ26に書き込まない。
【0042】
例えば、図6に示す設定例では、ガラス面を走査中に読み出されてくる積算枚数データは「3」なので、1フレーム目から3フレーム目の走査の平均値が表示用メモリ26に記憶される。一方、鏡面においては、走査中に読み出されてくる積算枚数データは「1」なので、1フレーム目のデータのみがそのまま表示用メモリ26に記憶される(走査開始直前に表示用メモリ26のデータは0に初期化される)。そして、2フレーム目以降のデータは破棄される。
【0043】
このようにすることで積算枚数を指定した領域の画素については、指定枚数積算された画像データが表示用メモリ26に残ることになる。積算を施すことによって、例えばガラス面の走査時のように高利得に設定されていたとしてもS/Nの悪化の影響を軽減し、取得データの安定性を高められる。
【0044】
また、光量及びオフセットについても光量データメモリ及びオフセットデータメモリに格納したデータに基づいて同様の処理が実行される。
このように本実施の形態によれば、試料Sの表面測定に先立つ初期設定において、反射率の異なる複数の部位を有する試料Sの各部位に対し領域設定を行い、これらの領域ごとに最適な利得値を設定すると共に積算回数の指定をしておき、2次元走査中に走査位置に対応した制御データ(利得値,積算回数、光量値、オフセット値)を発生することにより可変利得増幅回路20の利得値を変更し、光学素子7における光量制御値を変更し、検出信号のオフセット値を変更し、さらに任意の領域に積算効果を与えるようにしている。
【0045】
従って、本実施の形態によれば、反射率の異なる複数の部位を有する試料Sの表面を2次元走査してその測定をする場合に、画像信号は試料Sのどの部位においても常に最適な利得値により可変制御され、かつ、高利得設定となる領域のS/Nの悪化の影響も積算により軽減され、取得データの安定性を高め、常に高精度の測定結果を得ることが可能となる。
【0046】
(第2の実施の形態)
図7に第2の実施の形態に係る走査型共焦点顕微鏡のシステム構成を示している。なお、同図において図1と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0047】
この実施の形態は、Z走査駆動制御回路17′がレボルバ11を光軸方向に駆動するようにしている。Z走査駆動制御回路17′はコンピュータ3から制御を受けてレボルバ11を光軸方向、即ちZ軸方向に基準幅単位で移動させるべく駆動を行う回路である。また、Z走査駆動制御回路17′には、レボルバ11をZ軸方向に基準幅分移動制御する毎にカウントを1つずつ進める機能と、このカウント値を画像処理ユニット18′に与える機能とを持たせている。
【0048】
画像処理ユニット18′は、可変利得増幅回路20、D/A変換器21、利得データメモリ22、A/D変換器23、積算制御回路24′、積算枚数データメモリ25、表示用メモリ26を備え、さらに高さデータメモリ27を備える。
【0049】
積算制御回路24′は、A/D変換器23からの画像信号を積算枚数データに基づいて積算処理する。また、積算制御回路24′の積算処理結果は、1フレーム前の現在のスポット光の位置での画像信号よりも現在のフレームにおけるスポット光の位置での画像信号の方がレベルが高い場合に、その画素位置の記憶情報として表示用メモリ26に記憶される。コンピュータ3が画像信号レベルのフレーム間の比較及び書込み制御を実行する。このような積算制御回路24′の出力の書込み制御により高さ位置の異なる画像の足し込みができることになる。
【0050】
高さデータメモリ27は、現在のスポット光の位置に対応した画素位置にZ走査方向の情報、具体的にはZ走査駆動制御回路17′からレボルバ11が何回移動したかを数えた回数の値が与えられ、1フレーム前の現在のスポット光の位置での画像信号より現在のスポット光の位置での画像信号の方がレベルが高い場合に、そのときの回数値が当該画素位置の記憶情報として更新・記憶される。即ち、個々の画素位置においてその画素位置で最大輝度のデータを示すときのレボルバ移動回数値がその画素位置におけるZ走査方向の情報(この情報は高さ位置を示すことになる)として記憶される。
【0051】
以上のように構成された第2の実施の形態の作用についてコンピュータ3の制御手順に従って説明する。
測定に先立ち、コンピュータ3はオペレータによる測定用パラメータの初期設定操作を支援するための制御を実行する。図8はかかる初期設定操作支援制御のための制御画面の構成例を示している。同図には必要な機能のみが表示されており、図2の制御画面と同じ機能については同一番号を付している。
【0052】
三角マークで表示される移動スイッチ41a,41bをクリックすることによりレボルバ11を光軸方向に移動させてピント調整を行うことができるように構成している。移動スイッチ41a,41b及びクリック回数を検知したコンピュータ3がZ走査駆動制御回路17′に駆動指示を出すことにより実現される機能である。移動スイッチ41a,41bの間に挟まれた表示領域42にレボルバ11の位置を示す数字が表示される。ここでは、数値=0の時はレボルバ11が試料から一番離れた位置になるように設定されている。移動スイッチ41a,41bをクリックすることにより表示領域42の数値を変化させることになる。
【0053】
試料S′の反射率及び高さが不明であるため、制御画面に設定された利得、オフセット、調光、積算、レボ駆動等のパラメータは、予め決められた初期値もしくは最後に使用したときの値になっている。具体的には、利得=1倍、オフセット=0%、調光=100%、積算枚数=なし、レボ駆動=1200という設定になっている。
【0054】
走査開始ボタン31が選択されると、このようなパラメータに基づいて試料S′がレーザ走査されて、第1の実施の形態と同じ動作により試料′の画像がモニタ4に表示される。なお、ピントの合った試料画像が得られない場合は、顕微鏡本体1のハンドル28を回転させステージ12を上下させてピント位置の調整を行う。
【0055】
本実施の形態で想定している試料S′は、図10のように、段差があり各段差面の反射率が異なるような試料である。段差により形成された2つの段差面のうち下段面はガラス面により構成され、上段面は鏡面により構成されている。したがって、第1の実施の形態のように1画面のなかで領域設定をするのではなく、光軸方向の各領域について領域設定を行う。
【0056】
試料S′のある段差面にピントのあった2次元走査画像をモニタ4に表示した状態で、試料S′の反射率の異なる部位ごとに光軸方向の領域設定を行い、かつ設定領域ごとに最適な利得値と積算の有無及び枚数を設定し、さらに調光、オフセットのパラメータを設定する制御を実行する。
【0057】
このとき、モニタ4に2次元走査画像に重ねて表示させた制御情報欄CM′を使用する。図9は制御情報欄CM′の構成例を示している。図9に示すごとくZ方向の複数の領域の各々に対応してレボルバ11の移動範囲を入力及び表示、各領域の指定利得値と積算の有無および積算枚数を入力及び表示、さらに他のパラメータを入力及び表示する各ボタン及び表示領域が設けられている。
【0058】
図10の試料S′に対しての操作について説明する。
まず、試料S′の鏡面部を表示するために、鏡面部に対して対物レンズ10の焦点を合わせる。ピントが合うまでレボ駆動の数値を変化させてレボルバ11を移動させる。対物レンズ10の焦点を合わせるときは、図8に示す制御画面を使用してレボルバ駆動用の移動スイッチ41a又は41bでレボルバ11の昇降移動操作することになる。
【0059】
コンピュータ3は、移動スイッチ41a又は41bのクリック回数に基づいてZ走査駆動制御回路17′に駆動指示を与えて、Z走査駆動制御回路17′にてレボルバ11をその高さ方向、即ちZ軸方向に基準幅単位で移動させる。このとき、2次元走査は行ったままであるのでモニタ4にはそのときのZ軸方向位置に対応した試料S′の2次元画像が表示される。
【0060】
オペレータは、試料S′の鏡面部に対してピントがあった位置にきたところで、第1の実施の形態と同じようにパラメータ(利得、積算枚数、オフセット、調光)の数値を設定する。この実施の形態では、図8の制御画面を使って設定した数値が制御情報欄CM′に反映されるようになっている。たとえば、制御情報欄CM′の第1の領域という部分をクリックし、さらに利得や積算枚数の入力部をクリックすると、図8の制御画面で設定した各パラメータの数値が設定され表示される。
【0061】
Z範囲の設定について説明する。
測定する試料S′は高さが異なる測定面が複数あるため、試料全体の測定範囲の設定と、その測定範囲内でパラメータの数値を切り換える位置の設定が必要となる。測定開始位置の一番高い位置は鏡面部であるから、理想的にはこの位置から測定を開始すればよい。しかしながら、実際はレボルバの駆動位置再現性のばらつき等の誤差を考慮する必要がある。したがって、一般的にはマージンをもたせて、鏡面部よりも若干高い位置から測定する。
【0062】
鏡面部での各パラメータの数値を設定したのち、レボルバ11の位置を若干上に上げる。この位置(200)が測定開始位置(上限)になるため、図8でレボ上限のセットボタン43をクリックする。この位置は同時に第1の領域のZ範囲の開始位置になるため、制御情報欄CM′のZ範囲の左側の入力部(開始位置入力部)をクリックする。
【0063】
コンピュータ3は、このような操作入力を受けて、第1領域についてZ範囲の開始位置=200のデータを記憶し、かつ制御情報欄CM′における第1の領域に対応したZ範囲の開始位置入力部にレボ駆動の数値として「200」の文字を表示させる。
【0064】
次に、オペレータは、再び図8の制御画面を使用して移動スイッチ41a,41bを操作してレボルバ11を試料S′に近づけていくが、ガラス面にピントが合う前にパラメータの数値を変更しなければならない。この変更は鏡面とガラス面の間であればいずれの高さでも良い。ガラス面では積算回数が増えるため時間がかかることが予想される。したがって、ここではガラス面付近で切換を行うこととする。すなわち、レボルバ11を移動させガラス面の画像が表示されはじめたところで、レボルバ11を若干逆方向に移動させて当該位置を切換位置とする。このため制御情報欄CM′において第1の領域に対応したZ範囲の右側の入力部(終了位置入力部)をクリックする。この位置ではレボ駆動の数値は400になっていたとする。
【0065】
コンピュータ3は、第1の領域のZ範囲の終了位置入力部がクリックされたことを検出して、第1の領域についてZ範囲の終了位置=400のデータを記憶し、かつ制御情報欄CM′の第1の領域のZ範囲の終了位置入力部にレボ駆動の数値として「400」の数値を表示させる。
【0066】
さらに、この位置(数値=400)は第2の領域のZ範囲の開始位置に相当するため、コンピュータ3は同様にして第2の領域のZ範囲の開始位置データとして400を記憶し、かつ制御情報欄CM′の第2の領域のZ範囲の開始位置入力部にレボ駆動の数値として「400」の数値を表示させる。
【0067】
再び、上記同様の操作によりレボルバ11をガラス面に近づけていく。ガラス面に対物レンズ10のピントが合ったところで、鏡面部と同じように各パラメータ(利得、積算枚数、オフセット、調光)の設定を行う。そして、ガラス面を若干行き過ぎたところで、レボ下限ボタン44を選択してこの位置を測定終了位置(下限)に設定する。この位置(450)は第2の領域の終了位置でもあるからである。
【0068】
以上で測定用パラメータの初期設定が終了し、このように設定されたZ方向の各領域に先に設定した利得値と積算情報を対応させて、コンピュータ3はこのパラメータを利得データメモリ22と積算枚数データメモリ25へ転送し記憶させると共に、Z範囲データを各領域のアドレスデータと共に記憶する。
【0069】
以上のようにして各領域に最適にパラメータが設定された後に実際の測定が行われる。測定は測定開始ボタン33を選択することにより開始される。コンピュータ3は、制御画面において測定開始ボタン33が選択されたことを検出すると、Z走査駆動制御回路17′に駆動指示を与えレボルバ11を第1の領域の開始位置(=200)に設定する。また、2次元走査駆動制御回路16に対し駆動指示を与え、2次元走査駆動制御回路16から2次元走査機構5へ駆動信号が出力され、これにより試料S′に対しレーザー光の2次元走査が行われる。
【0070】
この2次元走査中に光検出器15で検出された試料S′のアナログ画像信号は、可変利得増幅回路20でレベル調整された後、A/D変換器23でデジタル化され、積算制御回路で処理され、表示用メモリ26の現在のスポット光の位置に対応する画素位置に記憶される。2次元画像はモニタ4に表示され、2次元画像が得られたら引き続きコンピュータ3は、Z走査駆動制御回路17′に駆動指示を与えレボルバ11を1ステップずつ下降させる。
【0071】
2次元画像を得るにあたり、Z走査駆動制御回路17′から与えられるZ方向のカウント値をもとに利得データメモリ22と積算枚数データメモリ25から制御データが読み出されるが、第1の領域においては、利得値「1」と積算枚数「1」が読み出され、第1の領域の終了位置(=400)まで同じ値が出力され続ける。即ち、第1の領域において得られたアナログ画像信号はこの領域にとって最適な利得値「1」に従ってレベル制御される。
【0072】
レボルバ11が第2の領域の開始位置に達すると、第2の領域においては、利得データメモリ22と積算枚数データメモリ25から利得値「5」と積算枚数「3」が読み出され、第2の領域の終了位置(=450)まで同じ値が出力され続ける。即ち、第2の領域において得られたアナログ画像信号はこの領域にとって最適な利得値「5」に従ってレベル制御される。
【0073】
そしてZ方向の全領域にわたって、積算制御回路24により、積算枚数データメモリ25からの制御データをもとに積算処理をしながら、1フレーム前の現在のスポット光の位置での画像信号より現在のスポット光の位置での画像信号の方がレベルが高い場合にその画素位置の記憶情報として表示用メモリ26に記憶する。このようにすることで、高さ位置の異なる画像の足し込みができることになる。高さデータメモリ27は、現在のスポット光の位置に対応した画素位置にZ走査方向の情報、具体的にはZ走査駆動制御回路17′からレボルバ11が何回移動したかを数えた回数の値が与えられ、1フレーム前の現在のスポット光の位置での画像信号より現在のスポット光の位置での画像信号の方がレベルが高い場合にその画素位置の記憶情報として前記回数の値が更新、記憶保存される。即ち、各画素位置においてその画素位置で最大輝度を示すデータがあるときのレボルバ移動回数値がZ走査方向の情報(この情報は高さ位置を示すことになる)として記憶される。
【0074】
そして、レボルバ11が第2の領域の終了位置(=450)に達すると、コンピュータ3は測定制御を終了して待機状態に復帰する。
このようにすることで最終的に得られる画像は、異なる高さ位置でピントがあった各画像の足し込みがなされたものであり、積算を指定したZ方向領域での画素については指定枚数積算された画像データが表示用メモリ26に残ることになる。積算を施すことによって、例えばガラス面の走査時のように高利得に設定されていたとしてもS/Nの悪化の影響を軽減し、取得データの安定性を高められる。高さデータとしては、各画素位置においてその画素位置で最大輝度を示すデータに対応したレボルバ移動回数値がZ走査方向の情報として記憶されるので、同様にガラス面の走査時のように高利得に設定されていたとしてもS/Nの悪化の影響が軽減されていれば、画像データのレベル比較を行う際の判定エラーが軽減されデータの安定性を高められる。
【0075】
以上のようにこの実施の形態によれば、測定に先立つ初期設定において、反射率の異なる複数の部位と段差を有する試料S′の各段差部に対しZ軸方向に領域設定を行って、これらの領域ごとに最適な利得値を設定すると共に積算の指定をしておき、レボルバ11をZ軸方向に移動させながら2次元走査し、Z走査位置に対応した制御データを発生することにより可変利得増幅回路20の利得値を変更し、任意の領域に積算効果を与えられるようにしている。
【0076】
従って、反射率の異なる複数の部位と段差を有する試料S′の測定をする場合に、画像信号は試料Sのどの部位と段差においても常に利得値により可変制御され、かつ、高利得設定となる部位のS/Nの悪化の影響も積算により軽減され、取得データの安定性を高め、常に高精度の測定結果を得ることが可能となる。
【0077】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では試料のZ方向の移動をレボルバ11の昇降により行ったが、ステージ12側を上下移動させることにより行っても良い。また、レボルバ11およびステージ12の双方を同時に上下移動させることにより行っても良い。また、上記実施形態では、初期設定操作をオペレータが行い、この設定操作のための支援をコンピュータ3が行う場合について述べたが、すべての初期設定制御をコンピュータ3が自動的に行うようにしても良い。その他、コンピュータ3による初期設定制御手段およびその制御内容や、測定制御手順およびその制御内容、顕微鏡本体の構成、制御処理部の構成などについても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形して実施できる。
【0078】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、以下の発明を含む。
(1)試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記対物光学系の焦点位置と前記試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、前記検出信号のオフセットを調整するオフセット調整手段と、前記試料の反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段と、試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数の小範囲に分割してこれら各小範囲に対応してそれぞれの反射率に応じたオフセット情報が記憶されたオフセット情報記憶手段と、前記各小範囲に対応してそれぞれの反射率に応じた積算情報が記憶された積算情報記憶手段と、前記2次元走査手段又は前記光軸走査手段の少なくとも一方の走査動作に同期して走査中の小範囲に対応するオフセット情報を前記オフセット情報記憶手段から読み出し、かつそのオフセット情報に応じて前記オフセット調整手段を制御するオフセット制御手段と、前記2次元走査手段又は前記光軸走査手段の少なくとも一方の走査動作に同期して走査中の小範囲に対応する積算情報を前記積算情報記憶手段から読み出し、かつその積算情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段とを具備した走査型試料測定装置である。
(2)走査型試料測定装置の利得、積算枚数、調光、オフセット等の制御データを設定する方法であり、
試料を2次元走査して試料画像を表示する工程と、
表示された試料画像を反射率に応じて小範囲に分割する工程と、
分割した小範囲の画素アドレスを記憶する工程と、
前記小範囲について反射率に応じて前記制御データを設定する工程と、
設定した制御データを記憶する工程と、を含んでなる。
(3)走査型試料測定装置の利得、積算枚数、調光、オフセット等の制御データを設定する方法であり、
対物光学系の焦点位置と試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動して該試料の高さ位置の異なる各測定面にピントを合わせる工程と、
前記各測定面にピントを合わせた試料画像をそれぞれ表示して個々の試料画像について反射率に応じて制御データを設定する工程と、
前記各測定面を含む高さ領域をそれぞれ設定する工程と、
前記各高さ領域のデータに対応して当該領域に含まれた測定面の制御データを記憶する工程と、を含んでなる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、試料の測定対象面に反射率の異なる部位が存在する場合でも、試料の低反射率面における高利得設定により生じるS/Nの悪化の影響を軽減し、取得データの安定性を高め、常に高精度な測定を行うことのできる走査型共焦点顕微鏡及びこの顕微鏡を使用した測定方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る走査型共焦点顕微鏡のシステム構成図である。
【図2】第1の実施の形態における制御画面の構成例を示す図である。
【図3】各種パラメータの設定状態を示す図である。
【図4】第1の実施の形態におけるパラメータの初期設定動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示したシステムにおけるモニタへの表示例を示す図である。
【図6】制御情報の表示内容の一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る走査型共焦点顕微鏡のシステム構成図である。
【図8】第2の実施の形態における制御画面の構成例を示す図である。
【図9】Z方向への領域の設定例を示す図である。
【図10】段差および反射率の異なる面を有する試料の一例を示す図である。
【図11】一般的な走査型共焦点顕微鏡の概略構成図である。
【図12】段差の異なる面を有する試料の一例を示す図である。
【図13】反射率の異なる面を有する試料の例及びその検出信号レベルを示す図である。
【図14】段差および反射率の異なる面を有する試料の一例を示す図である。
【図15】反射率の異なる面をレーザ走査した画像の検出信号レベルを示す図である。
【符号の説明】
1…顕微鏡本体
2…制御処理部
3…コンピュータ
4…モニタ
5…2次元走査機構
16…2次元走査駆動制御回路
17…Z走査駆動制御回路
18…画像処理ユニット
20…可変利得増幅回路
22…利得データメモリ
24…積算制御回路
25積算枚数データメモリ
26…表示用メモリ。

Claims (8)

  1. 試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記集束光の前記試料による反射光又は透過光を受光してその受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、
    前記試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数に分割してこれら分割範囲ごとに設定された利得情報を記憶した利得情報記憶手段と、
    前記分割範囲ごとに設定された積算情報を記憶した積算情報記憶手段と、
    前記2次元走査手段による走査動作に応じて、走査中の前記分割範囲に対応する前記利得情報を前記利得情報記憶手段から読み出し、この利得情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段の利得を制御する利得制御手段と、
    前記2次元走査手段による走査動作に応じて、走査中の前記分割範囲に対応する前記積算情報を前記積算情報記憶手段から読み出し、この積算情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段と、
    を具備したことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡。
  2. 試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記対物光学系の焦点位置と前記試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、前記集東光の前記試料による反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、
    前記試料の測定対象範囲を当該試料において高さの異なる各面が属する前記光軸方向の複数の領域に分割してこれら各高さ領域に対応した利得情報を記憶した利得情報記憶手段と、
    前記各高さ領域に対応した積算情報を記憶した積算情報記憶手段と、
    前記光軸走査手段による走査動作に応じて、走査中の前記各高さ領域に対応する前記利得情報を前記利得情報記憶手段から読み出し、この利得情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段の利得を制御する利得制御手段と、
    前記光軸走査手段による走査動作に応じて、走査中の前記高さ領域に対応する前記積算情報を前記積算情報記憶手段から読み出し、この積算情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段と、
    を具備したことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡。
  3. 試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記試料に照射する光の光量を調整する光量調整手段と、前記集束光の前記試料による反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、
    前記試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数に分割してこれら分割範囲ごとに設定された各調光情報を記憶した調光情報記憶手段と、
    前記分割範囲ごとに設定された積算情報を記憶した積算情報記憶手段と、
    前記2次元走査手段による走査動作に応じて、走査中の前記分割範囲に対応する前記調光情報を前記調光情報記憶手段から読み出し、この調光情報に応じて前記光量調整手段を制御する光量制御手段と、
    前記2次元走査手段による走査動作に応じて、走査中の前記分割範囲に対応する前記積算情報を前記積算情報記憶手段から読み出し、その積算情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段と、
    を具備したことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡。
  4. 試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記対物光学系の焦点位置と前記試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、前記試料に照射する光の光量を調整する光量調整手段と、前記集束光の前記試料による反射光又は透過光を受光してその受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡において
    前記試料の測定対象範囲を当該試料において高さの異なる各面が属する前記光軸方向の複数の領域に分割してこれら高さ領域に対応した調光情報を記憶した調光情報記憶手段と、
    前記各高さ領域に対応した積算情報を記憶した積算情報記憶手段と、
    前記光軸走査手段による走査動作に応じて、走査中の前記各高さ領域に対応する前記調光情報を前記調光情報記憶手段から読み出し、この調光情報に応じて前記光量調整手段を制御する光量制御手段と、
    前記光軸走査手段による走査動作に応じて、走査中の前記各高さ領域に対応する前記積算情報を前記積算情報記憶手段から読み出し、この積算情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算する積算制御手段と、
    を具備したことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡
  5. 試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記集束光の前記試料による反射光又は透過光を受光してその受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出カされた検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用して前記試料の表面測定を行うに際し、
    前記試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数に分割する工程と、
    前記分割された各分割範囲ごとに前記可変利得型レベル可変手段の利得を制御するための利得情報を設定する工程と、
    前記分割された前記分割範囲ごとに前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号の積算を制御するための積算情報を設定する工程と、
    前記2次元走査手段による走査動作に応じて、前記設定された前記利得情報の中から走査中の前記分割範囲に対応する前記利得情報を選択して前記可変利得型レベル可変手段の利得を可変制御する工程と、
    前記2次元走査手段による走査動作に応じて、前記設定された前記積算情報の中から走査中の前記分割範囲に対応する前記積算情報を選択して前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡を使用した測定方法。
  6. 試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記対物光学系の焦点位置と前記試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、前記集束光の前記試料による反射光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用して前記試料の表面測定を行うに際し、
    前記試料の測定対象範囲を当該試料の高さの異なる各面が属する前記光軸方向の複数の領域に分割する工程と、
    前記分割された各高さ領域ごとに前記可変利得型レベル可変手段の利得を制御するための利得情報を設定する工程と、
    前記分割された前記各高さ領域ごとに前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号の積算を制御するための積算情報を設定する工程と、
    前記光軸走査手段による走査動作に応じて、前記設定された前記利得情報の中から走査中の高さ領域に対応する前記利得情報を選択して前記可変利得型レベル可変手段の利得を可変制御する工程と、
    前記光軸走査手段による走査動作に応じて、前記設定された前記積算情報の中から走査 中の高さ領域に対応する前記積算情報を選択して前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡を使用した測定方法。
  7. 試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記試料に照射する光の光量を調整する光量調整手段と、前記集束光の前記試料による反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用して前記試料の表面測定を行うに際し、
    前記試料の測定対象範囲を当該試料の反射率に応じて複数に分割する工程と、
    前記分割された各分割範囲ごとに前記光量調整手段の調光を制御するための調光情報を設定する工程と、
    前記分割された前記各分割範囲ごとに前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号の積算を制御するための積算情報を設定する工程と、
    前記2次元走査手段による走査動作に応じて、前記設定された前記調光情報の中から走査中の前記分割範囲に対応する前記調光情報を選択して、この調光情報に応じて前記光量調整を制御する工程と、
    前記2次元走査手段による走査動作に応じて、前記設定された前記積算情報の中から走査中の前記分割範囲に対応する前記積算情報を選択して、この積算情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡を使用した測定方法。
  8. 試料に対し集束光を照射する対物光学系と、前記集束光と前記試料とを相対的に2次元方向へ移動走査する2次元走査手段と、前記対物光学系の焦点位置と前記試料の位置とを相対的に光軸方向へ移動走査する光軸走査手段と、前記試料に照射する光の光量を調整する光量調整手段と、前記集束光の前記試料による反射光又は透過光を受光して受光強度に応じた検出信号を出力する光検出手段と、この光検出手段から出力された検出信号の信号レベルを可変する可変利得型レベル可変手段とを備えた走査型共焦点顕微鏡を使用して前記試料の表面測定を行うに際し、
    前記試料の測定対象範囲を当該試料の高さの異なる各面が属する光軸方向の複数の領域に分割する工程と、
    前記分割された各高さ領域ごとに対応した前記光量調整手段の調光を制御するための調光情報を設定する工程と、
    前記分割された前記各高さ領域ごとに対応した前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号の積算を制御するための積算情報を設定する工程と、
    前記光軸走査手段による走査動作に応じて、前記設定された前記調光情報の中から走査中の前記各高さ領域に対応する前記調光情報を選択してその調光情報に応じて前記光量制御手段を制御する工程と、
    前記光軸走査手段による走査動作に応じて、前記設定された前記積算情報の中から走査中の前記各高さ領域に対応する前記積算情報を選択して、その積算情報に応じて前記可変利得型レベル可変手段からの出力信号を積算制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡を使用した測定方法。
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