JP3458002B2 - 共焦点顕微鏡 - Google Patents

共焦点顕微鏡

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JP3458002B2
JP3458002B2 JP15490894A JP15490894A JP3458002B2 JP 3458002 B2 JP3458002 B2 JP 3458002B2 JP 15490894 A JP15490894 A JP 15490894A JP 15490894 A JP15490894 A JP 15490894A JP 3458002 B2 JP3458002 B2 JP 3458002B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料に対して点光源を走
査して画像を観察する共焦点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】光学顕微鏡においては、ステージ上に載
置したプレパラート上の試料を、対物レンズで拡大して
観察する構造であり、一般に、試料の照明はランプなど
の光源からの光をコンデンサレンズを用いて試料の観察
領域全体に、均等になるようにして行う構造をとってい
た。
【0003】しかしながら、照明系としてこのような構
造を採用した場合、フレア等の問題があり、また、低コ
ントラストの試料を観察するにあたって見ずらいと云う
問題があり、これを改善するものとして点状光投射型
(スポット光投射型)の光学顕微鏡が提案された。この
光学顕微鏡は点光源によって観察試料を点状に照射し、
これにより観察試料を透過した光(透過光)を再び点状
に結像し、これをピンホール開口を有する検出器で検出
して像の濃度情報を得るようにしたものである。但し、
これだけでは点状光源が照射された点の濃度しか得られ
ないので、試料をX軸およびY軸の方向に移動して二次
元面内で機械的に移動させるX‐Y走査方式を採用し、
このX‐Y走査に同期してX‐Y走査させながらCRT
ディスプレイなどの画像表示装置に、前記濃度情報の信
号対応に輝度表示して画像として観察できるようにして
いる。
【0004】しかし、この装置の場合、フレアなどの問
題は解消でき、かつ、高解像度の画像が観察できるよう
になるが、その反面、試料をX軸およびY軸の方向に移
動して二次元面内で機械的に移動させる走査方式を採用
しているために、試料は軽いものしか対象とすることが
できず、シャーレ等に入った培養標本のような非固定の
試料は観察できなかった。
【0005】そこで、このような走査方式の顕微鏡装置
(走査型光学顕微鏡)のつぎの段階として、試料に照射
するスポット状の光を試料の表面についてX軸およびY
軸の方向に走査する構成としたものが提案された。この
構成により従来の走査方式の顕微鏡装置の問題としてい
た点は解消されることとなったが、新たにつぎのような
問題が生じた。
【0006】つまり、走査型光学顕微鏡はスポット光を
試料の表面に対してX‐Y走査することで濃度情報を得
るものであるが、原理的には光学顕微鏡そのものであ
り、倍率の調整は対物レンズの切り替えによって行う。
そして、光学レンズはその開口角、透過率および焦点距
離等により透過光量が変わることとなるので、対物レン
ズを切り替えると画像の明るさが変わることになる。
【0007】そこで、このような対物レンズの切り替え
に伴う画像の明るさの変化を調整する必要が生じるが、
従来の走査型光学顕微鏡においては、得られる画像の明
るさの調整を前記濃度情報の信号のレベル調整を行うこ
とで実施するようにしている。例えば、手動調整型の可
変利得増幅器を通して濃度情報の信号を画像表示装置に
与えるように構成し、対物レンズの切り替えに伴って画
像の明るさが変化した時は、可変利得増幅器の利得を手
動調整することにより、最適な明るさの画像に調整する
ようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】走査型光学顕微鏡は試
料に対向する対物レンズを介してスポット光を試料の表
面に当てると共に、この試料に対して当該スポット光を
X‐Y走査することで試料表面の濃度情報を得、この濃
度情報を輝度情報として画像表示装置に与えるようにす
ることにより、画像として表示し、試料の顕微鏡像を観
察するようにしたものであるが、原理的には光学顕微鏡
そのものであるから、試料の観察にあたっては、必要に
応じて対物レンズの倍率を変えることになる。
【0009】ところが、光学レンズはその開口角、透過
率および焦点距離等により透過光量が変わることとなる
ので、対物レンズを切り替えると画像の明るさが変わる
ことになる。
【0010】そのため、従来の走査型光学顕微鏡では、
得られる画像の明るさを決定する感度の調整は、手動調
整形の可変利得増幅器を用いて前記濃度情報の信号のレ
ベル調整を行うことで実施すると云った観察者の手動調
整方式であった。
【0011】このように、従来は得られた画像の明るさ
から観察者が手動にて最適な明るさになるように調整す
る方式を用いていたため、対物レンズを交換するなど、
急激な明るさの変化が生じた場合に、手動調整では適切
な明るさが得られるようになるまでに時間がかかると云
う問題があり、しかも、対物レンズの切り替えに伴って
必要となる調整は明るさばかりでなく、ピントなどもあ
るので対物レンズの切り替え毎に幾つもの調整を手動で
行わねばならないことは、大変煩わしく、操作性が悪い
と云った問題を招いている。
【0012】そこで、この発明の目的とするところは、
対物レンズの切り替えに伴う画像の明るさの変化に対す
る調整を自動化できるようにし、しかも、対物レンズの
切り替えに時間差なく追従できるようにした共焦点顕微
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はつぎのように構成する。すなわち、レーザ
光源と、前記レーザ光源から発せられた光を集光して試
料に照射する対物レンズと、前記対物レンズを複数保持
する対物レンズ保持レボルバと、前記対物レンズを介し
て集光された光により得られる前記試料からの光を前記
対物レンズの集光位置と共役な位置に配置されたピンホ
ールを介して検出する光検出手段と、を備え、前記光検
出手段で検出された光の輝度情報を取得する共焦点顕微
鏡において、光軸上に介在される対物レンズの種類情報
を検出する対物情報検出手段と、各対物レンズの光学特
性情報を対物レンズの種類情報に対応して記憶する記憶
手段と、前記対物情報検出手段で検出した対物レンズの
交換前と交換後の種類情報と前記記憶手段に記憶されて
いる前記対物レンズの種類情報に対応した光学特性情報
とに基づいて対物レンズの交換前後の光量差を算出する
演算手段と、前記演算手段の出力により前記光検出手段
の感度を調整する検出感度調整手段、前記演算手段の出
力により前記レーザ光源から発せられる光の光量を調整
する光量調整手段、又は、前記演算手段の出力により前
記光検出手段の感度又は前記レーザ光源から発せられる
光の光量を調整する調整手段と、を具備することを特徴
とする。
【0014】また、本発明の光検出手段は、前記試料か
らの光を受光し、受光した光を電気信号に変換する受光
素子と、この受光素子からの信号を増幅する増幅手段
と、からなることを特徴とする。 また、本発明の対物レ
ンズの交換時には、光軸上に介在されている交換前の対
物レンズと交換後の対物レンズの種類情報とを前記演算
手段に与えることを特徴とする。 また、本発明の演算手
段は、前記対物レンズ交換前の対物レンズの種類情報を
保持する機能を有し、前記対物レンズの交換時には、交
換後の対物レンズの種類情報を前記演算手段に与えるこ
とを特徴とする。 また、本発明の対物レンズ保持レボル
バは、電動駆動式であることを特徴とする。 また、本発
明の光量調整手段は、偏光板の組合わせからなることを
特徴とする。 また、本発明の対物情報検出手段は、前記
対物レンズ保持レボルバで検出を行なうことを特徴とす
る。 また、本発明の記憶手段に記憶されている対物レン
ズの光学特性情報は、レンズの開口角、使用する光の波
長における対物レンズの焦点距離を少なくとも記憶して
おくことを特徴とする。 また、本発明の記憶手段に記憶
されている対物レンズの光学特性情報は、さらに、標準
的な試料の情報も記憶しておくことを特徴とする。
た、本発明の共焦点顕微鏡は、前記対物レンズを介して
試料に照射される光を走査する走査手段を備えているこ
とを特徴とする。
【0015】
【作用】 このように、対物レンズの交換とともに感度調
整が行われ、交換前後で同等の明るさの画像を得ること
ができる。従って、本発明によれば、対物レンズの切り
替えに伴う画像の明るさの変化に対する調整を自動化で
きるようになり、しかも、対物レンズの切り替えに時間
差なく追従できて短時間のうちに観察に入ることができ
るようにした共焦点顕微鏡を提供することができる。
【0016】
【実施例】以下本発明の共焦点顕微鏡を図面に基づいて
説明する。 (第1の実施例)図1は第1の実施例である走査型光学
顕微鏡のブロック図を示したものである
【0017】図1において、1は光源、2は光量調整素
子、3はビームスプリッタ(光路分岐素子)、4a,4
bはミラー、5は走査光学系、6は対物レンズ保持レボ
ルバ(以下、レボルバと呼ぶ)、7は対物レンズ、8は
試料、9はピンホール部材、10は光検出器、11はデ
ータ入力装置、12は演算装置、13はメモリである。
【0018】これらのうち、試料8は顕微鏡での観察対
象物であり、光源1はこの試料8を照明するための発光
源であって、例えば、レーザ光源を使用している。光量
調整素子2は光源1の出射光路L1上に設けられ、光源
1からの光量を調節するためのものである。光量調整素
子2は光源1の出射光を可変調整できる例えば、液晶シ
ャッタや偏光フィルタ、絞り羽根による絞り装置等を利
用して構成できる。光量調整素子2は光源1からの出射
光を調整するおおもとの調整機構であるから、最適出射
光量に調整した後は、固定とする。
【0019】ビームスプリッタ3は光源1の出射光路L
1上に設けられ、光量調整素子2を介して光量調整され
た光を通すと共に、当該光路を逆行して来る光を所定方
向に反射させるための素子であって、光源1からビーム
スプリッタ3に入射した光はこのビームスプリッタ3を
透過し、これと逆の経路でビームスプリッタ3に入射し
た光はビームスプリッタ3によって所定方向に反射され
るように配置してある。
【0020】ミラー4aはビームスプリッタ3を介して
光源1に対向して定位置に固定配置され、光源1からの
出射光を所定方向に反射させる反射鏡である。また、ミ
ラー4bはビームスプリッタ3の反射光路L2上に対向
し、定位置に固定して設けられると共に、ビームスプリ
ッタ3にて反射された光を光検出器10に導くべく反射
させる反射鏡である。
【0021】走査光学系5は例えば、X軸方向走査用の
ガルバノミラー5aとY軸方向走査用のガルバノミラー
5bとから構成されており、Y軸方向走査用のガルバノ
ミラー5bはミラー4aの入反射光路L上にその入反射
光軸を一致させて配され、X軸方向走査用のガルバノミ
ラー5aはレボルバ6に保持された対物レンズ7の一つ
を介して試料8にその入反射光軸が来るように配置され
る共に、X軸方向走査用のガルバノミラー5aとY軸方
向走査用のガルバノミラー5bは互いの入反射光軸が相
手側ミラーの入反射光軸と一致する位置関係を以て対向
させてあり、各々のガルバノミラーを首振り操作するこ
とで試料8に対してのガルバノミラー5aの入反射光軸
をX‐Yスキャンさせることができるようにしてある。
【0022】レボルバ6は、複数の対物レンズ7を保持
した円盤状の対物レンズ保持部材であり、回転自在に保
持されていて、このレボルバ6を手動にて回転操作する
ことにより、複数の対物レンズ7のうちの所望の一つを
試料8の対向位置(光路位置)に移動させることがで
き、これによって、走査光学系5の試料8対向側の光路
をこの選択された対物レンズを介して試料8に対向させ
ることができる。
【0023】レボルバ6に保持された複数の対物レンズ
7はそれぞれ倍率が異なるレンズであり、観察に供する
対物レンズ7を選択することで所望の倍率で試料8を観
察することができるようにしてある。
【0024】光検出器10は入射光量を検出して電気信
号に変換する検出手段(光電変換素子)と、この変換さ
れた電気信号を増幅して出力する増幅回路とを有してい
る。そして、光検出器10はミラー4bの反射光軸にそ
の光入射側を対峙させて配置され、ミラー4bを介して
入射される試料8からの光量(輝度)を検出手段により
検出してその光量に対応した電気信号に変換し、これを
内蔵する増幅回路により増幅して出力するものである。
【0025】また、この光検出器10は演算装置12か
らの感度制御情報(感度調整信号)に従って感度制御さ
れてその感度制御済みの光量(輝度)検出値を出力する
構成となっている。感度調整は例えば、検出手段自体を
その感度調整可能な構成とする方式としたり、あるい
は、光検出器10の内蔵する増幅回路として可変増幅回
路を使用し、その増幅率を感度制御情報に従って調整す
る方式にすることなどにより行うことができる。
【0026】ピンホール部材9は光遮蔽材による例えば
板状の部材に、微細な1個の貫通孔を穿設したものであ
り、光検出器10とミラー4bとの間に挿抜可能に配さ
れる。ピンホール部材9が光検出器10とミラー4bと
の間に挿入されている状態のときは、当然のことながら
ピンホール部材9の貫通孔は、ミラー4bから光検出器
10への入射光路を確保できる位置におくようにする。
また、ピンホール部材9が光検出器10とミラー4bと
の間に挿入されている状態のときは、このピンホール部
材9は走査光学系5による光路走査により移動するミラ
ー4bから光検出器10への入射光路の移動に追従して
移動するように走査光学系5と同期関係を以て駆動移動
制御される構成としてある。
【0027】データ入力装置11はレボルバ6の回転操
作に連動して新たに試料観察に供される対物レンズへの
切り替えを検知すると共にその種別情報およびその切り
替え前の時点での使用した対物レンズの情報を提供する
装置である。
【0028】メモリ13はレボルバ6に保持されている
各対物レンズ7の特性情報を記憶した記憶手段であり、
演算装置12はレボルバ6の回転操作による対物レンズ
の変換に先立ってデータ入力装置11より入力される光
路に変更前に挿入されている対物レンズの種類と、レボ
ルバ6移動後に光路に挿入される対物レンズの種類のデ
ータ(種別データ)から、それぞれの対物レンズの特性
を前記メモリ13より読出して、これに基づいて演算を
行い、光検出器10の感度が最適になるように、前記変
更された対物レンズの特性対応に光検出器10の感度を
制御するための制御情報を得る装置である。
【0029】つぎにこのような構成の本装置の作用を説
明する。図1の本装置において、光源1を出た光は、光
量調節用の光量調整素子2により光量調節され、ビーム
スプリッタ3を通過してから、ミラー4aにより反射さ
れて走査光学系5に入射し、この走査光学系5によって
X‐Y軸方向に操作されるべく操作されて2次元空間を
走査するスポット状の照明光となる。そして、走査光学
系5を出射した照明光は、レボルバ6に保持された対物
レンズ7に入射し、測定対象である試料8上に結像す
る。
【0030】この光を受けた試料8からは、この光によ
る反射光または、蛍光が発生する。そして、この試料8
からの反射光または、蛍光は照明光と同じ光路を逆に辿
ってビームスプリッタ3に到達し、このビームスプリッ
タ3により測光光路へ偏向され、試料像面と共役な位置
に配置されたピンホール部材9により、結像面からの反
射光または蛍光のみを光検出器10の受光素子に導く。
【0031】ここでピンホール部材9を光路内に挿入し
ているとコンフォーカル効果により3次元像を得ること
ができるが、ピンホール部材9を挿入せずにノンコンフ
ォーカル像を取得することも可能である。
【0032】光検出器10に入射した光はこの光検出器
10により、その光量(輝度)に対応した電気信号に変
換され、増幅されてから図示しないデータ処置装置に入
力され、当該データ処置装置によって映像化される。
【0033】本装置においては、光検出器10の感度は
演算装置12からの指示により可変できるようになって
いる。すなわち、演算装置12にはデータ入力装置11
からの種別情報が入力される。そして、この種別情報は
レボルバ6の回転操作による対物レンズ7の切り替えに
伴って例えば、レボルバ6の回転位置検出情報からデー
タ入力装置11が光路中にセットされた対物レンズの種
別を認識する等の手法により、種別を知ってこれを種別
情報として出力し、また、切り替え前の対物レンズの種
別情報も合わせて出力する。
【0034】つまり、データ入力装置11は対物レンズ
の切り替え前においてはその時点で光路に挿入されてい
る対物レンズの種別情報を得ており、また、レボルバ6
の回転操作を行うとこの回転操作により新たに光路位置
に移動された対物レンズの種別情報が得られるので、こ
の両対物レンズの種別情報をレボルバ6の回転操作によ
るレンズ切替え時に発生して演算装置12に与える。
(なお、演算装置12にレボルバ回転操作前の対物レン
ズの種別情報を保持する機能を持たせてあれば、データ
入力装置11は両対物レンズの種別情報を同時に与える
構成でなくとも良く、現在の対物レンズの種別情報を与
える構成で済む。)そして、演算装置12はこれらデー
タ(対物レンズの種別情報)を元に、それぞれの対物レ
ンズの特性をメモリ13より得て、これに基づいて対物
レンズの変更に基づく対物レンズ特性変化に応じた最適
検出感度となるような補正量を得るための演算を行い、
得た補正量対応の補正が成された感度となる制御値を得
てこれを光検出器10に対して与え、光検出器10の感
度を指示、制御する。
【0035】この結果、光検出器10の感度は自動制御
されて、光源1の出力光量を変更せずに、また、光量調
整素子2のさらなる調整を要することなく、試料8から
入射した光に対する光検出器10の検出出力は最適レベ
ルに調整されることになり、対物レンズの交換後におい
ても交換前と同等の明るさの画像を自動的に得ることが
できるようになる。また、対物レンズの交換に伴い、こ
のような調整が自動的に成されるので、操作性が飛躍的
に向上し、ピント調整を行えばすぐに観察に入ることが
できて、能率向上に役立つ。
【0036】以上は、点状光を所望の対物レンズを介し
て観察対象の試料に照射すると共に、前記点状光を2次
元的に走査することにより得られる前記試料からの光を
検出手段により検出して光量に対応した電気信号を得、
この電気信号を輝度信号として前記点状光の2次元的走
査に対応に画像化するようにした走査型光学顕微鏡にお
いて、前記検出手段は感度調整信号に対応する感度に調
整可能であって、入力された光を検出して信号として出
力する検出感度制御可能な検出手段を用いる構成とする
と共に、また、対物レンズを交換する際に、現在光路中
にある対物レンズと交換後の対物レンズの種類の情報を
入力する手段と、各対物レンズの特性情報を記憶する記
憶手段と、対物レンズの種類の情報に基づき前記記憶手
段より得た対物レンズの特性情報を元に、交換前の対物
レンズと交換後の対物レンズの光量差を算出して感度調
整情報を得ると共にこの感度調整情報を感度調整信号と
して前記検出手段に与える演算手段とより構成したもの
であり、対物レンズを交換することにより、演算手段は
交換前および交換後の対物レンズの特性情報をもとに、
交換前の対物レンズと交換後の対物レンズの光量差を算
出してこれより感度調整情報を得ると共に、この感度調
整情報を感度調整信号として前記検出手段に与え、これ
により、検出手段の検出感度を対物レンズの交換前と交
換後の光量差を補うレベルに自動調整するようにした。
【0037】そのため、対物レンズの交換とともにその
交換された対物レンズの特性対応に検出手段の感度が最
適調整され、交換前後で明るさの変わりのない画像を得
ることができるようになるものである。
【0038】なお、この実施例ではレボルバ6を手動操
作で回転駆動操作して対物レンズの切り替える構成に適
用した例を示したが、電動駆動式のレボルバとした顕微
鏡装置もあるので、この場合の適用例を第2の実施例と
してつぎに説明する。
【0039】(第2の実施例)本発明の第2の実施例に
ついて図2を参照して説明する。図2において、1は光
源、2は光量調整素子、3はビームスプリッタ、4a,
4bはミラー、5は走査光学系、6aは対物レンズ保持
電動レボルバ(以下、電動レボルバと呼ぶ)、7は対物
レンズ、8は試料、9はピンホール部材、10は光検出
器、11aはデータ入力装置、12は演算装置、13は
メモリである。また、20は操作部である。
【0040】この装置では第1の実施例における対物レ
ンズ7を保持するレボルバ6を電動レボルバ6aとし、
対物レンズ制御信号を受けるとその信号に対応した対物
レンズが光路位置に来るようにモータMを駆動制御し
て、レボルバの回転駆動を実施し、対物レンズ7を自動
操作で切り替えることができる構成としてある。
【0041】操作部20は対物レンズ切り替えの指令な
どを与えるための装置で、オペレータ(観察者)が操作
することにより、所望倍率の対物レンズに切り替える指
令(対物レンズ切替指令)発令のための入力操作を行う
ことができる。
【0042】データ入力装置11aは操作部20の入力
操作による当該操作部20からの対物レンズ切替指令発
令操作入力を受けて、その指令に基づき観察者の選択指
定した対物レンズが光路位置に来るような駆動制御信号
を出力して電動レボルバ6aに与える共に、この観察者
の選択指定した対物レンズの種別情報を演算装置12へ
出力する機能を有している。
【0043】試料8は顕微鏡での観察対象物であり、光
源1はこの試料8を照明するための発光源であって、例
えば、レーザ光源を使用している。光量調整素子2は光
源1の出射光路L1上に設けられ、光源1からの光量を
調節するためのものである。光量調整素子2は光源1の
出射光を可変調整できる例えば、液晶シャッタや偏光フ
ィルタ、絞り羽根による絞り装置等を利用して構成でき
る。光量調整素子2は光源1からの出射光を調整するお
おもとの調整機構であるから、この実施例においても最
適出射光量に調整した後は、固定とする。
【0044】ビームスプリッタ3は光源1の出射光路L
1上に設けられ、光量調整素子2を介して光量調整され
た光を通すと共に、当該光路を逆行して来る光を所定方
向に反射させるための素子であって、光源1からビーム
スプリッタ3に入射した光はこのビームスプリッタ3を
透過し、これと逆の経路でビームスプリッタ3に入射し
た光はビームスプリッタ3によって所定方向に反射され
るように配置してある。
【0045】ミラー4aはビームスプリッタ3を介して
光源1に対向して定位置に固定配置され、光源1からの
出射光を所定方向に反射させる反射鏡である。また、ミ
ラー4bはビームスプリッタ3の反射光路L2上に対向
し、定位置に固定して設けられると共に、ビームスプリ
ッタ3にて反射された光を光検出器10に導くべく反射
させる反射鏡である。
【0046】走査光学系5は例えば、X軸方向走査用の
ガルバノミラー5aとY軸方向走査用のガルバノミラー
5bとから構成されており、Y軸方向走査用のガルバノ
ミラー5bはミラー4aの入反射光路L上にその入反射
光軸を一致させて配され、X軸方向走査用のガルバノミ
ラー5aは電動レボルバ6aに保持された対物レンズ7
の一つを介して試料8にその入反射光軸が来るように配
置される共に、X軸方向走査用のガルバノミラー5aと
Y軸方向走査用のガルバノミラー5bは互いの入反射光
軸が相手側ミラーの入反射光軸と一致する位置関係を以
て対向させてあり、各々のガルバノミラーを首振り操作
することで試料8に対してのガルバノミラー5aの入反
射光軸をX‐Yスキャンさせることができるようにして
ある。
【0047】電動レボルバ6aは、複数の対物レンズ7
を保持した円盤状の対物レンズ保持部材であり、回転自
在に保持されていて、この電動レボルバ6aをデータ入
力装置11aからの信号に応じてモータにて回転駆動操
作することにより、複数の対物レンズ7のうちの所望の
一つを試料8の対向位置に移動させることができ、これ
によって、走査光学系5の試料8対向側の光路をこの選
択された対物レンズを介して試料8に対向させることが
できる。
【0048】電動レボルバ6aに保持された複数の対物
レンズ7はそれぞれ倍率が異なるレンズであり、観察に
供する対物レンズ7を選択することで所望の倍率で試料
8を観察することができるようにしてある。
【0049】光検出器10は入射光量を検出して電気信
号に変換する検出手段(光電変換素子)と、この変換さ
れた電気信号を増幅して出力する増幅回路とを有してい
る。そして、光検出器10はミラー4bの反射光軸にそ
の光入射側を対峙させて配置され、ミラー4bを介して
入射される試料8からの光量(輝度)を検出手段により
検出してその光量に対応した電気信号に変換し、これを
内蔵する増幅回路により増幅して出力するものである。
【0050】また、この光検出器10は演算装置12か
らの感度制御情報に従って感度制御されてその感度制御
済みの光量(輝度)検出値を出力する構成となってい
る。感度調整は例えば、検出手段自体をその感度調整可
能な構成とする方式としたり、あるいは、光検出器10
の内蔵する増幅回路として可変増幅回路を使用し、その
増幅率を感度制御情報に従って調整する方式にすること
などにより行うことができる。
【0051】ピンホール部材9は光遮蔽材による例えば
板状の部材に、微細な1個の貫通孔を穿設したものであ
り、光検出器10とミラー4bとの間に挿抜可能に配さ
れる。ピンホール部材9が光検出器10とミラー4bと
の間に挿入されている状態のときは、当然のことながら
ピンホール部材9の貫通孔は、ミラー4bから光検出器
10への入射光路を確保できる位置におくようにする。
また、ピンホール部材9が光検出器10とミラー4bと
の間に挿入されている状態のときは、このピンホール部
材9は走査光学系5による光路走査により移動するミラ
ー4bから光検出器10への入射光路の移動に追従して
移動するように走査光学系5と同期関係を以て駆動移動
制御される構成としてある。
【0052】データ入力装置11aは電動レボルバ6a
の回転操作に連動して現在の試料観察に供されている対
物レンズを検知すると共にその種別情報およびその前の
時点での使用した対物レンズの情報を提供する装置であ
る。
【0053】メモリ13は電動レボルバ6aに保持され
ている各対物レンズ7の特性情報を記憶した記憶手段で
あり、演算装置12は電動レボルバ6aの回転操作によ
る対物レンズの変換に先立ってデータ入力装置11aよ
り入力される光路に変更前に挿入されている対物レンズ
の種類と、レボルバ移動後に光路に挿入される対物レン
ズの種類のデータ(種別データ)から、それぞれの対物
レンズの特性を前記メモリ13より読出して、これに基
づいて演算を行い、光検出器10の感度が最適になるよ
うに、前記変更された対物レンズの特性対応に光検出器
10の感度を制御するための制御情報を得る装置であ
る。
【0054】このような構成の本装置は基本的動作は第
1の実施例と同じである。すなわち、光源1を出た光
は、光量調節用の光量調整素子2により光量調節され、
ビームスプリッタ3を通過してから、ミラー4aにより
反射されて走査光学系5に入射し、この走査光学系5に
よってX‐Y軸方向に操作されるべく操作されて2次元
空間を走査するスポット状の照明光となる。そして、走
査光学系5を出射した照明光は、電動レボルバ6aに保
持された対物レンズ7に入射し、測定対象である試料8
上に結像する。
【0055】この光を受けた試料8からは、この光によ
る反射光または、蛍光が発生する。そして、この試料8
からの反射光または、蛍光は照明光と同じ光路を逆に辿
ってビームスプリッタ3に到達し、このビームスプリッ
タ3により測光光路へ偏向され、試料像面と共役な位置
に配置されたピンホール部材9により、結像面からの反
射光または蛍光のみを光検出器10の受光素子に導く。
【0056】ここでピンホール部材9を光路内に挿入し
ているとコンフォーカル効果により3次元像を得ること
ができるが、ピンホール部材9を挿入せずにノンコンフ
ォーカル像を取得することも可能である。
【0057】光検出器10に入射した光はこの光検出器
10により、その光量(輝度)に対応した電気信号に変
換され、増幅されてから図示しないデータ処置装置に入
力され、当該データ処置装置によって映像化される。
【0058】本装置においては、対物レンズ7の切り替
えは観察者が操作部20を操作して所望の倍率を設定す
ることにより、データ入力装置11aが電動レボルバ6
aに制御信号を与え、これによりその指定倍率の対物レ
ンズが光路中に来るように電動レボルバ6aが回転駆動
して行う。
【0059】またこれと共に、データ入力装置11aは
対物レンズ7の切り替えに伴って光路中にセットされる
新旧対物レンズの種別情報を出力する。つまり、データ
入力装置11aは対物レンズの切り替え前における光路
挿入されている対物レンズの種別情報と、電動レボルバ
6aの回転駆動操作により新たに選択されて光路位置に
移動される対物レンズの種別情報を発生して演算装置1
2に与える。(なお、演算装置12にレボルバ回転駆動
操作前の対物レンズの種別情報を保持する機能を持たせ
てあれば、データ入力装置11aは両対物レンズの種別
情報を同時に与える構成でなくとも良く、現在の対物レ
ンズの種別情報を与える構成で済む。)そして、演算装
置12はこれらデータ(対物レンズの種別情報)を元
に、それぞれの対物レンズの特性をメモリ13より得
て、これに基づいて対物レンズの変更に基づく対物レン
ズ特性変化に応じた最適検出感度となるような補正量を
得るための演算を行い、得た補正量対応の補正が成され
た感度となる制御値を得てこれを光検出器10に対して
与え、光検出器10の感度を指示、制御する。
【0060】光検出器10はその感度を演算装置12か
らの指示により制御値対応に可変されるので、対物レン
ズが切り替わっても今までと明るさの変わらない画像が
観察できるようになる。
【0061】以上は、レボルバにはレンズ切り替えを電
動で行う電動レボルバを用いると共に、検出手段には感
度調整制御可能なものを用い、操作部よりレンズの種類
情報が入力されると、電動レボルバに対しても変換先の
対物レンズの位置が光路位置になるような制御信号を出
力し、電動レボルバ自身においてそのレンズが光路位置
に来るように自動切り換えすると共に、演算手段にはレ
ンズの切り替えに伴い、そのレンズの特性に対応して明
るさが所定値に維持される如き感度を得る感度調整信号
を発生して検出手段に与える機能を付加して構成したも
のであり、操作部よりレンズの種類情報を与えると、こ
れにより電動レボルバは指定された対物レンズに自動的
に変換を行うと共に、演算手段はレンズの切り替えに伴
い、そのレンズの特性に対応して明るさが所定値に維持
される如き感度を得る感度調整信号を発生し、検出手段
はこの感度調整信号により切り替えられたレンズの特性
に対応して明るさが所定値(すなわち、切り替え前の明
るさと同じ明るさ)に維持される如き感度を得るように
調整されるようにしたものである。
【0062】従って、対物レンズの交換を自動的に行う
ことができると共に、対物レンズの交換に伴い必要とな
る明るさの調整が自動的に成されるので、操作性が飛躍
的に向上し、ピント調整を行えばすぐに観察に入ること
ができて、能率向上に役立つ。
【0063】以上、第1および第2の実施例により、レ
ボルバにより対物レンズを切り替えることで変わる画像
の明るさを一定に自動調整する走査型光学顕微鏡の実施
例を説明した。この画像の明るさを一定に自動調整する
機能は本発明で採用した光検出器10の内蔵する機能で
ある。
【0064】従って次にこの光検出器10の具体的な構
成例を中心に本発明の実施例を第3および第4の実施例
として説明する。初めに第3の実施例を説明する。
【0065】(第3の実施例)図3に第3の実施例のブ
ロック図を示す。図に示す如く、第3の実施例は光検出
器10を、フォトダイオードやフォトトランジスタ、P
SDなどの光電変換素子14と、この光電変換素子14
から出力される電流を電圧信号に変換し、さらにその振
幅を増幅する増幅率可変型の増幅器である可変利得増幅
器15とより構成したものである。
【0066】この構成の場合、演算装置12からの感度
制御情報(感度調整信号)対応に、可変利得増幅器15
の増幅率を変化させることにより、感度の調整を行う。
従って、本実施例では光検出器10では、ミラー4bか
ら反射されて入射した光を光電変換素子14でその入射
光量対応の電気信号(電流信号)に変換し、この光電変
換素子14から出力される電気信号(電流信号)を可変
利得増幅器15に与えることで、この可変利得増幅器1
5は電流信号を電圧信号に変換し、さらにその電圧信号
の振幅を演算装置12からの感度制御情報(感度調整信
号)対応の利得で増幅して出力する。
【0067】このようにして、演算装置12からの指示
により、所要の増幅率で信号増幅することができ、所定
の明るさの画像となるように自動的に感度調整すること
ができるようになる。
【0068】(第4の実施例)次に第4の実施例を図4
を用いて説明する。図4の例では光検出器10として入
射する光子の量に応じて電気信号を出力すると共に、電
気信号の出力レベルを印加する高電圧のレベル値により
調整できるようした例えば、フォトマルチプライヤの如
き光電変換素子14aを用いるとともに、光電変換素子
14aの検出感度を制御する回路として可変高電圧回路
16を設けて構成する。そして、可変高電圧回路16に
演算装置12からの感度制御信号を入力する構成として
いる。また光電変換素子14aからの出力信号を、増幅
率一定の増幅器17を介して図示しないデータ処理装置
へ出力する。
【0069】このような構成によっても演算装置12か
らの指示により、所定の明るさの画像となるように自動
的に感度調整することができるようになる。以上は、い
ずれの実施例も対物レンズの切り替えによって生じる画
像の明るさの変化を、光検出器10により補正し、変動
しないようにしたものであった。しかし、このような光
検出器10による補正の代わりに、光源1からの出射光
量を調整することにより、対物レンズの切り替えによっ
て画像の明るさの変化が生じないようにする構成とする
こともできる。つぎにこのような実施例を第5の実施例
として説明する。
【0070】(第5の実施例)第5の実施例を図5およ
び図6に基づいて説明する。図5は第5の実施例の全体
的構成を示すブロック図であり、図6はこの実施例で用
いる光量調整装置の具体的構成を示す斜視図である。
【0071】図5において、1は光源、2Aは本発明に
かかる光量調整素子、3はビームスプリッタ、4a,4
bはミラー、5は走査光学系、6はレボルバ、7は対物
レンズ、8は試料、9はピンホール部材、10Aは光検
出器、11はデータ入力装置、12Aは演算装置、13
はメモリである。
【0072】これらのうち、試料8は顕微鏡での観察対
象物であり、光源1はこの試料8を照明するための発光
源であり、光量調整素子2Aは光源1の出射光路L1上
に設けられ、光源1からの光量を調節するためのもので
ある。光量調整素子2Aは光源1の出射光を連続可変調
整できるNDフィルタを用いて構成してあり、また、N
Dフィルタは光源1からの出射光路中にその一部が挿入
された状態に配され、かつ、NDフィルタは当該出射光
路に対して回転移動できる構成である。この回転移動の
ために駆動装置を有しており、この駆動装置は演算装置
12Aの制御出力により回転駆動される仕組みとなって
いる。
【0073】先の実施例では光量調整素子2は透過光量
を最適値に設定した後は固定にしてあるが、本実施例で
は光量調整素子2Aは演算装置12Aの制御出力により
何時でも可変調整できる構成である。
【0074】ビームスプリッタ3は光源1の出射光路L
1上に設けられ、光量調整素子2Aを介して光量調整さ
れた光を通すと共に、当該光路を逆行して来る光を所定
方向に反射させるための素子であって、光源1からビー
ムスプリッタ3に入射した光はこのビームスプリッタ3
を透過し、これと逆の経路でビームスプリッタ3に入射
した光はビームスプリッタ3によって所定方向に反射さ
れるように配置してある。
【0075】ミラー4aはビームスプリッタ3を介して
光源1に対向して定位置に固定配置され、光源1からの
出射光を所定方向に反射させる反射鏡である。また、ミ
ラー4bはビームスプリッタ3の反射光路L2上に対向
し、定位置に固定して設けられると共に、ビームスプリ
ッタ3にて反射された光を光検出器10Aに導くべく反
射させる反射鏡である。
【0076】走査光学系5は例えば、X軸方向走査用の
ガルバノミラー5aとY軸方向走査用のガルバノミラー
5bとから構成されており、Y軸方向走査用のガルバノ
ミラー5bはミラー4aの入反射光路L上にその入反射
光軸を一致させて配され、X軸方向走査用のガルバノミ
ラー5aはレボルバ6に保持された対物レンズ7の一つ
を介して試料8にその入反射光軸が来るように配置され
る共に、X軸方向走査用のガルバノミラー5aとY軸方
向走査用のガルバノミラー5bは互いの入反射光軸が相
手側ミラーの入反射光軸と一致する位置関係を以て対向
させてあり、各々のガルバノミラーを首振り操作するこ
とで試料8に対してのガルバノミラー5aの入反射光軸
をX‐Yスキャンさせることができるようにしてある。
【0077】レボルバ6は、複数の対物レンズ7を保持
した対物レンズ保持部材であり、回転自在に保持されて
いて、このレボルバ6を手動にて回転操作することによ
り、複数の対物レンズ7のうちの所望の一つを試料8の
対向位置(光路位置)に移動させることができ、これに
よって、走査光学系5の試料8対向側の光路をこの選択
された対物レンズを介して試料8に対向させることがで
きる。
【0078】レボルバ6に保持された複数の対物レンズ
7はそれぞれ倍率が異なるレンズであり、観察に供する
対物レンズ7を選択することで所望の倍率で試料8を観
察することができるようにしてある。
【0079】光検出器10Aは入射光量を検出して電気
信号に変換する検出手段(光電変換素子)と、この変換
された電気信号を増幅して出力する増幅回路とを有して
いる。そして、光検出器10Aはミラー4bの反射光軸
にその光入射側を対峙させて配置され、ミラー4bを介
して入射される試料8からの光量(輝度)を検出手段に
より検出してその光量に対応した電気信号に変換し、こ
れを内蔵する増幅回路により増幅して出力するものであ
る。
【0080】また、先の実施例と異なり、この光検出器
10Aは感度固定(増幅率固定)で使用するようにす
る。ピンホール部材9は光遮蔽材による例えば板状の部
材に、微細な1個の貫通孔を穿設したものであり、光検
出器10Aとミラー4bとの間に挿抜可能に配される。
ピンホール部材9が光検出器10Aとミラー4bとの間
に挿入されている状態のときは、当然のことながらピン
ホール部材9の貫通孔は、ミラー4bから光検出器10
Aへの入射光路を確保できる位置におくようにする。ま
た、ピンホール部材9が光検出器10Aとミラー4bと
の間に挿入されている状態のときは、このピンホール部
材9は走査光学系5による光路走査により移動するミラ
ー4bから光検出器10Aへの入射光路の移動に追従し
て移動するように走査光学系5と同期関係を以て駆動移
動制御される構成としてある。
【0081】データ入力装置11はレボルバ6の回転操
作に連動して新たに試料観察に供される対物レンズへの
切り替えを検知すると共にその種別情報およびその切り
替え前の時点での使用した対物レンズの情報を提供する
装置である。
【0082】メモリ13はレボルバ6に保持されている
各対物レンズ7の特性情報を記憶した記憶手段であり、
演算装置12Aはレボルバ6の回転操作による対物レン
ズの変換に先立ってデータ入力装置11より入力される
光路に変更前に挿入されている対物レンズの種類と、レ
ボルバ6移動後に光路に挿入される対物レンズの種類の
データ(種別データ)から、それぞれの対物レンズの特
性を前記メモリ13より読出して、これに基づいて演算
を行い、感度固定としてある光検出器10Aの出力信号
レベルが最適になるように、光量調整素子2Aの光透過
量を調整する制御出力を発生する構成である。
【0083】従って、前記変更された対物レンズの特性
対応に、光量調整素子2AのNDフィルタの光透過位置
が選択される(光源1からの出射光路位置に来るNDフ
ィルタの位置が調整される)ことにより、光源1からの
出射光量が光検出器10Aでの検出出力の信号による画
像の明るさが対物レンズ切替え前のときと変わらないよ
うな入射光量となるように、光量制御することができ
る。
【0084】本実施例においては、光源1の光出射側に
設けられて光源1からの出射光量を調整する光量調整素
子2Aとして、その具体的構成例を示すと図6に示す如
きである。
【0085】図に示すように、光量調整装置2Aはグラ
ディーション(ぼかし)をかけたように光透過量が連続
的に変わってゆくように作成したNDフィルタ(透過量
連続変化NDフィルタ)22を用いる。この透過量連続
変化NDフィルタ22は円板状のものであり、その中心
を回転中心として回転操作可能に構成されている。透過
量連続変化NDフィルタ22は円板の中心を中心として
その外側の領域が例えば、光透過量100%から次第に
所定%まで低下するような透過光量変化を呈するべく、
調製された光学フィルタであり、光源1の出射光路(出
射光軸)に対してその中心軸線を偏心して配してある。
【0086】この偏心により、透過量連続変化NDフィ
ルタ22は光源1の出射光路L1に、その透過量を連続
的変化可能に調整することができる構造となる。透過量
連続変化NDフィルタ22は周囲が歯車状になってお
り、これと回転軸に歯車を取り付けたモータ19の歯車
と噛合させることにより、当該モータ19の回転を歯車
伝達機構によって伝達して透過光量を無段階調整できる
ようにしてある。
【0087】また、光量調整装置2Aにはモータ19の
回転駆動制御のための制御装置18が設けてあり、さら
には透過量連続変化NDフィルタ22の回転位置を検出
するために位置検出用センサ21が設けてある。この位
置検出用センサ21は例えば、発光素子と受光素子を透
過量連続変化NDフィルタ22を介して対峙して配した
構成の光電検出素子で構成してあり、透過量連続変化N
Dフィルタ22の周囲には光学的位置検出用のスリット
を形成しておく。
【0088】制御装置18はこの位置検出用センサ21
の出力を受けて透過量連続変化NDフィルタ22のどの
透過量の位置が、光源1の出射光路上に来ているかを知
ると共に、演算装置12からの感度制御情報に基づいた
所望の光透過量の位置が光源1の出射光路上に来るよう
に制御する機能を有する。
【0089】このような構成において、演算装置12A
により演算されて求められた感度調整量は、光源1の光
量を調整する透過量連続変化NDフィルタ22の制御装
置18に入力され、透過量連続変化NDフィルタ22を
回転駆動するためのモータ19を回転制御して、透過量
連続変化NDフィルタ22が所望の光量を与える位置ま
で回転させる。
【0090】透過量連続変化NDフィルタ22の位置は
位置検出用センサ21により検出され、その検出出力は
制御装置18に入力され、位置情報のフィードバック情
報としてこれを利用しながらモータ19を回転制御し
て、透過量連続変化NDフィルタ22が所要の透過量を
呈するように位置制御する。
【0091】もう少し詳しく作用を説明する。図5およ
び図6の本装置において、光源1を出た光は、光量調節
用の光量調整素子2Aにより光量調節され、ビームスプ
リッタ3を通過してから、ミラー4aにより反射されて
走査光学系5に入射し、この走査光学系5によってX‐
Y軸方向に操作されるべく操作されて2次元空間を走査
するスポット状の照明光となる。そして、走査光学系5
を出射した照明光は、レボルバ6に保持された対物レン
ズ7に入射し、測定対象である試料8上に結像する。
【0092】この光を受けた試料8からは、この光によ
る反射光または、蛍光が発生する。そして、この試料8
からの反射光または、蛍光は照明光と同じ光路を逆に辿
ってビームスプリッタ3に到達し、このビームスプリッ
タ3により測光光路へ偏向され、試料像面と共役な位置
に配置されたピンホール部材9により、結像面からの反
射光または蛍光のみを光検出器10Aの受光素子に導
く。
【0093】ここでピンホール部材9を光路内に挿入し
ているとコンフォーカル効果により3次元像を得ること
ができるが、ピンホール部材9を挿入せずにノンコンフ
ォーカル像を取得することも可能である。
【0094】光検出器10Aに入射した光はこの光検出
器10により、その光量(輝度)に対応した電気信号に
変換され、増幅されてから図示しないデータ処置装置に
入力され、当該データ処置装置によって映像化される。
【0095】本装置においては、光検出器10Aの感度
は固定であり、代わりに光量調整素子2Aの透過光量を
可変して対物レンズの切替えに伴う画像の明るさの変動
をなくすようにしている。すなわち、光量調整素子2A
は演算装置12Aからの指示により透過光量を可変でき
るようになっている。
【0096】演算装置12Aにはデータ入力装置11か
らの種別情報が入力される。そして、この種別情報はレ
ボルバ6の回転操作による対物レンズ7の切り替えに伴
って例えば、レボルバ6の回転位置検出情報からデータ
入力装置11が光路中にセットされた対物レンズの種別
を認識する等の手法により、種別を知ってこれを種別情
報として出力し、また、切り替え前の対物レンズの種別
情報も合わせて出力する。
【0097】つまり、データ入力装置11は対物レンズ
の切り替え前においてはその時点で光路に挿入されてい
る対物レンズの種別情報を得ており、また、レボルバ6
の回転操作を行うとこの回転操作により新たに光路位置
に移動された対物レンズの種別情報が得られるので、こ
の両対物レンズの種別情報をレボルバ6の回転操作によ
るレンズ切替え時に発生して演算装置12Aに与える。
(なお、演算装置12にレボルバ回転操作前の対物レン
ズの種別情報を保持する機能を持たせてあれば、データ
入力装置11は両対物レンズの種別情報を同時に与える
構成でなくとも良く、現在の対物レンズの種別情報を与
える構成で済む。)そして、演算装置12Aはこれらデ
ータ(対物レンズの種別情報)を元に、それぞれの対物
レンズの特性をメモリ13より得て、これに基づいて対
物レンズの変更に基づく対物レンズ特性変化に応じた最
適検出感度となるような補正量を得るための演算を行
い、得た補正量対応の補正が成された感度となる制御値
を得てこれを光量調整素子2Aに対して与え、光源1か
ら出射光量を、光検出器10Aの検出出力が最適なレベ
ルとなるような光量に制御する。
【0098】この結果、試料8に照射されるスポット光
の光量は対物レンズ特性に合わせて最適に自動制御さ
れ、これによって感度固定の光検出器10Aの検出信号
のレベルも最適なものとなる。
【0099】そのため、光検出器10Aの感度を固定と
し、光源1からの出射光量を対物レンズの特性に合わせ
て調整する構成で、試料8から入射した光に対する光検
出器10Aの検出出力は最適レベルに調整されることに
なり、対物レンズの交換後においても交換前と同等の明
るさの画像を自動的に得ることができるようになる。ま
た、対物レンズの交換に伴い、このような調整が自動的
に成されるので、操作性が飛躍的に向上し、ピント調整
を行えばすぐに観察に入ることができて、能率向上に役
立つ。
【0100】なお、本実施例では透過量連続変化NDフ
ィルタ22を用いた構成を示したが、これに限らず例え
ば、2つの偏光素子の偏光軸方向を回転により変化させ
るようにして透過光量を調整する構成としても良い。ま
た、位置検出用センサ21については光量調節機構を通
過した光源光をビームスプリッタ3を利用して光量を受
光素子により検出するようにしても良い。
【0101】また、本実施例の考え方は図7に示すよう
に、第2の実施例の構成にもそのまま適用できる。その
場合、第2の実施例での光量調整素子2は前記光量調整
素子2Aと置き換え、光検出器10は前記光検出器10
Aと置き換え、演算装置12は前記演算装置12Aと置
き換えると共に、演算装置12Aにて光量調整素子2A
を制御する構成とする。
【0102】このような構成において、光源1を出た光
は、光量調節用の光量調整素子2Aにより光量調節さ
れ、ビームスプリッタ3を通過してから、ミラー4aに
より反射されて走査光学系5に入射し、この走査光学系
5によってX‐Y軸方向に操作されるべく操作されて2
次元空間を走査するスポット状の照明光となる。そし
て、走査光学系5を出射した照明光は、電動レボルバ6
aに保持された対物レンズ7に入射し、測定対象である
試料8上に結像する。
【0103】この光を受けた試料8からは、この光によ
る反射光または、蛍光が発生する。そして、この試料8
からの反射光または、蛍光は照明光と同じ光路を逆に辿
ってビームスプリッタ3に到達し、このビームスプリッ
タ3により測光光路へ偏向され、試料像面と共役な位置
に配置されたピンホール部材9により、結像面からの反
射光または蛍光のみを光検出器10Aの受光素子に導
く。
【0104】ここでピンホール部材9を光路内に挿入し
ているとコンフォーカル効果により3次元像を得ること
ができるが、ピンホール部材9を挿入せずにノンコンフ
ォーカル像を取得することも可能である。
【0105】光検出器10Aに入射した光はこの光検出
器10Aにより、その光量(輝度)に対応した電気信号
に変換され、増幅されてから図示しないデータ処置装置
に入力され、当該データ処置装置によって映像化され
る。
【0106】本装置においては、対物レンズ7の切り替
えは観察者が操作部20を操作して所望の倍率を設定す
ることにより、データ入力装置11aが電動レボルバ6
aに制御信号を与え、これによりその指定倍率の対物レ
ンズが光路中に来るように電動レボルバ6aが回転駆動
して行う。
【0107】またこれと共に、データ入力装置11aは
対物レンズ7の切り替えに伴って光路中にセットされる
新旧対物レンズの種別情報を出力する。つまり、データ
入力装置11aは対物レンズの切り替え前における光路
挿入されている対物レンズの種別情報と、電動レボルバ
6aの回転駆動操作により新たに選択されて光路位置に
移動される対物レンズの種別情報を発生して演算装置1
2Aに与える。(なお、演算装置12Aにレボルバ回転
駆動操作前の対物レンズの種別情報を保持する機能を持
たせてあれば、データ入力装置11aは両対物レンズの
種別情報を同時に与える構成でなくとも良く、現在の対
物レンズの種別情報を与える構成で済む。)そして、演
算装置12Aはこれらデータ(対物レンズの種別情報)
を元に、それぞれの対物レンズの特性をメモリ13より
得て、これに基づいて対物レンズの変更に基づく対物レ
ンズ特性変化に応じた最適検出感度となるような補正量
を得るための演算を行い、得た補正量対応の補正が成さ
れた感度となる制御値を得てこれを光量調整素子2Aに
対して与え、光源1から出射光量を、光検出器10Aの
検出出力が最適なレベルとなるような光量に制御する。
【0108】この結果、試料8に照射されるスポット光
の光量は対物レンズ特性に合わせて最適に自動制御さ
れ、これによって感度固定の光検出器10Aの検出信号
のレベルも最適なものとなる。
【0109】そのため、光検出器10Aの感度を固定と
し、光源1からの出射光量を対物レンズの特性に合わせ
て調整する構成で、試料8から入射した光に対する光検
出器10Aの検出出力は最適レベルに調整されることに
なり、対物レンズの交換後においても交換前と同等の明
るさの画像を自動的に得ることができるようになる。ま
た、対物レンズの交換に伴い、このような調整が自動的
に成されるので、操作性が飛躍的に向上し、ピント調整
を行えばすぐに観察に入ることができて、能率向上に役
立つ。
【0110】(第6の実施例)次に演算装置12,演算
装置12Aにおいて制御に必須となる光量差の演算方法
について第の6実施例としてこれを説明する。
【0111】本実施例においては図1乃至図3を初めと
する前記各実施例において使用しているメモリ13に記
憶させておくデータとして、レボルバ6もしくは電動レ
ボルバ6aに取り付けた対物レンズ7の種別に応じて、
それぞれそのレンズの開口角、使用する光の波長におけ
る当該対物レンズの透過率および当該対物レンズの焦点
距離を用意する。そしてこれらデ−タをメモリ13に記
憶させておき、対物レンズの種別情報対応にこれらデー
タを読出すことができる構成としておく。
【0112】ここで、レンズの開口角をθ、使用する光
の波長における当該対物レンズの透過率をT、そして、
当該対物レンズの焦点距離をfとする。演算装置12,
演算装置12Aにおいては、これらを対物レンズの種別
情報対応にメモリ13から読出して以下の手順により光
量差を算出する。
【0113】演算装置12もしくは12Aは、データ入
力装置11(もしくは11a)より変換後(切り替え
後)の対物レンズの種類情報が入力されると、該対物レ
ンズ7の種別情報に対応するデータとしてその開口角θ
2 、透過率T2 および焦点距離f2 をメモリ13より読
み出し、同じくデータ入力装置11(もしくは11a)
より入力されている現在の対物レンズ(切り替え前の対
物レンズ)の種類情報から当該種類情報に対応するデー
タとしてその該対物レンズの開口角θ1 ,透過率T1
よび焦点距離f1 をメモリ13より読み出す。そして、
メモリ13から得られたこれらのデータより以下の式
(1) に基づいて明るさの比を算出する。
【0114】すなわち、切り替え後の対物レンズの明る
さをI2 、切り替え前の対物レンズ(現在の対物レン
ズ)の明るさをI1 とすると、I1 はT1 (f1 tan θ
12 、I2 はT2 (f2 tan θ22 と表わされるの
で、対物レンズの切り替え前と切り替え後の明るさの比
2 /I1 は I2 /I1 =T2 (f2 tan θ22 /T1 (f1 tan θ12 …(1) を演算することで求めることができる。これにより求め
られた対物レンズの切り替え前と切り替え後の明るさの
比I2 /I1 に応じて画像の明るさが、対物レンズの切
り替え前と切り替え後で同じになるような感度制御情報
を発生して光検出器10(第1の実施例乃至第3の実施
例の場合)もしくは光量調整素子2A(第5実施例の場
合)に与える。これによって、対物レンズの切り替え前
と切り替え後の明るさの変化を光検出器10もしくは光
量調整素子2Aで吸収して明るさ一定の画像を観察する
ことが可能になる。
【0115】(第7の実施例)次に光量差の演算方法の
別の例を第7の実施例として説明する。第7の実施例と
しての光量差の演算は、図1乃至図3を初めとする前記
各実施例において使用しているメモリ13に記憶するデ
ータを工夫することにより、レボルバの回転操作により
選択可能な対物レンズ間での明るさの比を求め易くする
ものである。
【0116】例えば、メモリ13に記憶するデータとし
ては、各対物レンズにより標準的な試料8Sを測定した
画像の明るさの平均値または任意に指定した部位の明る
さとする。そして、これらのデータより、異なる対物レ
ンズ間での明るさの比を求めることができると共に、演
算処理が簡素化できる。
【0117】以上述べてきた第6および第7の実施例で
の演算方法は単独で使用する他に、それぞれを組み合わ
せて使用しても良い。また上述の各実施例では試料から
の反射光、蛍光などの光量を光検出器で測定(検出)す
ることについて説明したが、その他、試料からの透過光
を光検出器で測定(検出)するようにすることもできる
など、種々変形して実施できる。
【0118】以上、種々の実施例を述べたが、要するに
本発明は、走査型光学顕微鏡において、光検出器の検出
感度を観察に供する対物レンズ対応に制御するか、もし
くは試料の走査に使用する点光源の光量の調整を行う行
うようにしたものであり、対物レンズの切り替えに伴う
画像の明るさの変化に対する調整を自動化できるように
し、しかも、対物レンズの切り替えに時間差なく追従で
きるようにしたものである。そして、本発明を纏めてみ
ると、 [1] 本発明は、顕微鏡に取り付けて試料からの反射
光、透過光、蛍光などの光量を測定する走査型光学顕微
鏡において、対物レンズを交換する際に、現在光路中に
ある対物レンズと交換後の対物レンズの種類を入力する
手段と、各対物レンズの特性を記憶するメモリと、該メ
モリの情報から交換される前の対物レンズと交換後の対
物レンズの光量差を算出する演算手段と、該演算手段の
出力により感度を調整する手段とを具備する構成とし
た。
【0119】このような構成の共焦点顕微鏡によれば、
対物レンズを交換する際に、対物レンズの種類を入力す
る手段が、現在光路中にある対物レンズと交換後の対物
レンズの種類情報を演算手段に与え、これにより、演算
手段は各対物レンズの特性を記憶する記憶手段より、当
該対物レンズの種類情報対応の特性情報を得てこれを元
に交換前の対物レンズと交換後の対物レンズの光量差を
算出する。そして、該演算手段の求めた光量差出力対応
に感度調整手段により感度が調整される
【0120】このように、対物レンズの交換とともに
度調整が行われ、交換前後で同等の明るさの画像を得る
ことができる。従って、本発明によれば、対物レンズの
切り替えに伴う画像の明るさの変化に対する調整を自動
化できるようになり、しかも、対物レンズの切り替えに
時間差なく追従できて短時間のうちに観察に入ることが
できるようにした共焦点顕微鏡を提供することができ
る。
【0121】[2] また、[1]の構成において、入
力された種類の対物レンズに自動的に交換する対物レン
ズ交換手段を有する構成とした。これにより、対物レン
ズの種類を指定するだけで、自動的に指定の対物レンズ
に交換することができ、しかも、対物レンズの切り替え
に伴う画像の明るさの変化に対する調整を自動化できる
ようになる。
【0122】[3] 更には[2]の構成において、前
記感度調整手段を、受光素子からの信号を増幅するアン
プのゲインを調整する手段で構成するようにした。 [4] また、[2]もしくは[3]の構成において、
前記感度調整手段が、受光素子の感度を調整する手段で
構成するようにした。
【0123】[5] また、[2]の構成において、前
記感度調整手段が、照明光の光量を調整する手段で構成
するようにした。 この[3]〜[5]の如き構成とすることにより、対物
レンズの切り替えに伴う画像の明るさの変化に対する調
整を自動化できるようになり、しかも、対物レンズの切
り替えに時間差なく追従できるようになる。
【0124】[6] また、[1]乃至[5]の構成に
おいて、前記メモリに記憶される対物レンズの情報が、
開口角、透過率、焦点距離などの対物レンズの基本特性
とした。
【0125】そして、これらのデータより、現在使用し
ている対物レンズとつぎに切り替えて使用しようとする
対物レンズとの間での明るさの比を求めて感度調整制御
に使用することにより、対物レンズの切り替えに伴う画
像の明るさの変化に対する調整量を得ることができる。
【0126】[7] また、[1]乃至[5]の構成に
おいて、前記メモリに記憶される対物レンズの特性が、
予め標準試料を測定した測光値に基づく値とした。そし
て、これらのデータより、現在使用している対物レンズ
とつぎに切り替えて使用しようとする対物レンズとの間
での明るさの比を求めて感度調整制御に使用することに
より、対物レンズの切り替えに伴う画像の明るさの変化
に対する調整量を得ることができると共に、演算処理が
簡素化できる。
【0127】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
対物レンズの交換前後における画像の明るさ変化を最小
限に抑えられるとともに、すでに取得しているデータを
基に感度を調整するため対物レンズの交換と時間差なく
調整することができ、操作性良くしかも、迅速な観察を
進めることができるうようなる共焦点顕微鏡を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例にかかる走査型光学顕微鏡の構成
例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第2の実施例にかかる走査型光学顕微鏡の構成
例を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第3の実施例にかかる走査型光学顕微鏡の構成
例を示すブロック図。
【図4】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第4の実施例にかかる走査型光学顕微鏡の構成
例を示すブロック図。
【図5】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第5の実施例にかかる走査型光学顕微鏡の構成
例を示すブロック図。
【図6】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第5の実施例に用いるの光量調整素子2Aの構
成例を示す図。
【図7】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第5の実施例を電動レボルバを用いた構成に適
用した走査型光学顕微鏡の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…光源(レーザ光源) 2,2A…光量調整素子 3…ビームスプリッタ(光路分岐素子) 5…走査光学系 6…対物レンズ保持レボルバ(レボルバ) 6A…対物レンズ保持電動レボルバ(電動レボルバ) 7…対物レンズ 8…試料 10,10A…光検出器 11,11a…データ入力装置 12,12A…演算装置 13…メモリ 20…操作部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 21/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源と、 前記レーザ光源から発せられた光を集光して試料に照射
    する対物レンズと、 前記対物レンズを複数保持する対物レンズ保持レボルバ
    と、 前記対物レンズを介して集光された光により得られる前
    記試料からの光を前記対物レンズの集光位置と共役な位
    置に配置されたピンホールを介して検出する光検出手段
    と、を備え、 前記光検出手段で検出された光の輝度情報を取得する共
    焦点顕微鏡において、 光軸上に介在される対物レンズの種類情報を検出する対
    物情報検出手段と、 各対物レンズの光学特性情報を対物レンズの種類情報に
    対応して記憶する記憶手段と、 前記対物情報検出手段で検出した対物レンズの交換前と
    交換後の種類情報と前記記憶手段に記憶されている前記
    対物レンズの種類情報に対応した光学特性情報とに基づ
    いて対物レンズの交換前後の光量差を算出する演算手段
    と、 前記演算手段の出力により前記光検出手段の感度を調整
    する検出感度調整手段と、を具備することを特徴とする
    共焦点顕微鏡。
  2. 【請求項2】 レーザ光源と、 前記レーザ光源から発せられた光を集光して試料に照射
    する対物レンズと、 前記対物レンズを複数保持する対物レンズ保持レボルバ
    と、 前記対物レンズを介して集光された光により得られる前
    記試料からの光を前記対物レンズの集光位置と共役な位
    置に配置されたピンホールを介して検出する光検出手段
    と、を備え、 前記光検出手段で検出された光の輝度情報を取得する共
    焦点顕微鏡において、 光軸上に介在される対物レンズの種類情報を検出する対
    物情報検出手段と、 各対物レンズの光学特性情報を対物レンズの種類情報に
    対応して記憶する記憶手段と、 前記対物情報検出手段で検出した対物レンズの交換前と
    交換後の種類情報と前記記憶手段に記憶されている前記
    対物レンズの種類情報に対応した光学特性情報とに基づ
    いて対物レンズの交換前後の光量差を算出する演算手段
    と、 前記演算手段の出力により前記レーザ光源から発せられ
    る光の光量を調整する光量調整手段と、を具備すること
    を特徴とする共焦点顕微鏡。
  3. 【請求項3】 レーザ光源と、 前記レーザ光源から発せられた光を集光して試料に照射
    する対物レンズと、 前記対物レンズを複数保持する対物レンズ保持レボルバ
    と、 前記対物レンズを介して集光された光により得られる前
    記試料からの光を前記対物レンズの集光位置と共役な位
    置に配置されたピンホールを介して検出する光検出手段
    と、を備え、 前記光検出手段で検出された光の輝度情報を取得する共
    焦点顕微鏡において、 光軸上に介在される対物レンズの種類情報を検出する対
    物情報検出手段と、 各対物レンズの光学特性情報を対物レンズの種類情報に
    対応して記憶する記憶手段と、 前記対物情報検出手段で検出した対物レンズの交換前と
    交換後の種類情報と前記記憶手段に記憶されている前記
    対物レンズの種類情報に対応した光学特性情報とに基づ
    いて対物レンズの交換前後の光量差を算出する演算手段
    と、 前記演算手段の出力により前記光検出手段の感度又は前
    記レーザ光源から発せられる光の光量を調整する調整手
    段と、を具備することを特徴とする共焦点顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記光検出手段は、 前記試料からの光を受光し、受光した光を電気信号に変
    換する受光素子と、 この受光素子からの信号を増幅する増幅手段と、からな
    ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の共焦点顕
    微鏡。
  5. 【請求項5】 前記対物レンズの交換時には、 光軸上に介在されている交換前の対物レンズと交換後の
    対物レンズの種類情報とを前記演算手段に与えることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の共焦点顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記演算手段は、 前記対物レンズ交換前の対物レンズの種類情報を保持す
    る機能を有し、 前記対物レンズの交換時には、 交換後の対物レンズの種類情報を前記演算手段に与える
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の共焦点顕微
    鏡。
  7. 【請求項7】 前記対物レンズ保持レボルバは、 電動駆動式であることを特徴とする請求項1、2又は3
    記載の共焦点顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記光量調整手段は、 偏光板の組合わせからなることを特徴とする請求項2又
    は3記載の共焦点顕微鏡。
  9. 【請求項9】 前記対物情報検出手段は、 前記対物レンズ保持レボルバで検出を行なうことを特徴
    とする請求項1、2又は3記載の共焦点顕微鏡。
  10. 【請求項10】 前記記憶手段に記憶されている対物レ
    ンズの光学特性情報は、 レンズの開口角、使用する光の波長における対物レンズ
    の焦点距離を少なくとも記憶しておくことを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の共焦点顕微鏡。
  11. 【請求項11】 前記記憶手段に記憶されている対物レ
    ンズの光学特性情報は、 さらに、標準的な試料の情報も記憶しておくことを特徴
    とする請求項1、2又は3記載の共焦点顕微鏡。
  12. 【請求項12】 前記共焦点顕微鏡は、 前記対物レンズを介して試料に照射される光を走査する
    走査手段を備えていることを特徴とする請求項1、2又
    は3記載の共焦点顕微鏡。
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