JP3720866B2 - 低離漿性グリースの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、低離漿性グリースの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種の産業機械、その他の装置の可動部における摺動個所には潤滑剤を適用することが必要であり、特に注油することが困難な個所には、一般にグリースが潤滑剤として用いられている。かかるグリースは、基本的に、基油と増稠剤とよりなるものである。
【0003】
このようなグリースにおいては、長時間の使用、保存によって、グリースから油分が分離する離漿という現象が生ずるという問題があった。
従来、離漿性を改良したグリースとしては、
(イ)アルキレンオキサイド−アルコール付加重合オリゴマーおよび鎖状炭化水素オリゴマーよりなる基油と、有機親油性の第4級アンモニウム塩含有粘土鉱物と、高級脂肪酸のリチウム塩と、アルキレンビス脂肪族モノカルボン酸アマイドとを含有してなるグリース(特開平3−84096号公報参照)、
(ロ)特定のシリコーンゲル架橋物を剪断力により液状化させてなるシリコーンと、増稠剤とからなるグリース(特開平4−268376号公報参照)
が提案されている。
【0004】
然るに、上記のグリースにおいては、特定の種類の基油を用いる必要があってその選択の自由度が小さく、必要な特性を得ることが困難である。また、(ロ)のグリースを製造するためには、シリコーンゲル架橋物を剪断力により液状化する必要があって複雑な工程が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、長時間の使用または保存を経ても、低レベルの離漿率を示し、しかも、基油の選択の自由度が大きく、簡単な工程により容易に製造することのできる低離漿性グリースの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の低離漿性グリースの製造方法は、有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油または鉱油から選ばれる1種以上の基油よりなる(A)成分と、増稠剤の酸成分を形成するための炭素数が10〜20の脂肪酸またはそのエステルよりなる(B1)成分と、ベヘニン酸またはそのエステルよりなる(C1)成分と、前記(B1)成分および前記(C1)成分をケン化させるための、リチウム、カルシウム、バリウム、カリウム、ストロンチウム、ナトリウムおよびアルミニウムから選ばれる金属成分を含有する化合物よりなる(D)成分とを混合し、前記(D)成分により、前記(B1)成分および前記(C1)成分をケン化する工程を含み、
前記(A)成分と、前記(D)成分により前記(B1)成分がケン化されて形成される石けん系の増稠剤よりなる(B)成分と、前記(D)成分により前記(C1)成分がケン化されて形成される離漿抑制剤としてベヘニン酸の金属塩よりなる(C)成分とが含有されてなり、前記(B)成分と前記(C)成分との割合が、重量比で100:1〜100:230の範囲にあり、かつ、(C)成分が、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部の割合で含有されている低離漿性グリースを得ることを特徴とする
【0010】
【作用】
本発明のグリースにおいては、(C)成分であるベヘニン酸の金属塩が特定の割合で含有されることにより離漿性が抑制されたものとなる。
【0011】
以下、本発明の低離漿性グリースについて詳細に説明する。
本発明の低離漿性グリースは、基本的に、基油よりなる(A)成分と、石けん系の増稠剤よりなる(B)成分とにより構成されるグリース組成物に、ベヘニン酸の金属塩よりなる(C)成分が含有されてなるものである。
【0012】
(A)成分である基油としては、有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油または鉱油から選ばれる1種以上のものが用いられる。
有機合成潤滑油としては、エステル油、アルキルベンゼン油、ポリオレフィン油、ポリアルファオレフィン、フッ素化物、ポリフェニルエーテル、ポリグリコール、ポリブテンなどが挙げられる。
シリコーン系潤滑油としては、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
鉱油としては、石油系鉱油などが挙げられる。
これらの基油は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
(B)成分である増稠剤としては、脂肪酸と金属とによる塩が用いられる。
脂肪酸としては、炭素数が10〜20の脂肪酸が好ましく用いられ、通常、ヒマシ油脂肪酸や水添ヒマシ油脂肪酸が使用される。その他の脂肪酸の具体例としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。これらは単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
金属の具体例としては、リチウム、カルシウム、バリウム、カリウム、ストロンチウム、ナトリウム、アルミニウムなどが挙げられる。
このような増稠剤は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分は、得られるグリースの稠度がJIS K2220に規定される稠度番号で1号または2号の範囲となるよう含有されていることが好ましい。
具体的には、(B)成分は、用いられる(A)成分および(B)成分の種類またはその組み合わせによって異なるが、例えば(A)成分100重量部に対して5〜20重量部となる割合で使用される。
【0014】
本発明のグリースにおいては、(C)成分であるベヘニン酸の金属塩が離漿抑制剤として含有されている。
このベヘニン酸の金属塩を形成する金属の具体例としては、(B)成分において例示した金属と同様のものが挙げられる。
(B)成分と(C)成分との割合は、(B)成分:(C)成分が重量比で100:1〜100:230の範囲とされ、好ましくは100:1〜100:100、より好ましくは100:5〜100:80、さらに好ましくは100:10〜100:60の範囲である。
(C)成分の割合が過小である場合には、離漿を抑止する効果が不十分なものとなる。一方、(C)成分の割合が過大である場合においても、離漿を抑止する効果が不十分なものとなる。
また、(C)成分の使用割合は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.5〜8重量部であることが好ましい。
【0015】
本発明の低離漿性グリースにおいては、必要に応じて、適宜の添加剤を加えることができる。この添加剤としては、酸化防止剤、固体潤滑剤、防錆剤、油性向上剤、極圧剤、増粘剤、分散剤などが挙げられる。
【0016】
上記のグリース組成物は、(A)成分と、(B)成分を形成するための脂肪酸またはそのエステルよりなる(B1)成分と、ベヘニン酸またはそのエステルよりなる(C1)成分と、(B1)成分および(C1)成分をケン化させるための金属成分を含有する化合物よりなる(D)成分と混合し、この(D)成分により(B1)成分および(C1)成分をケン化することにより製造することができる。
【0017】
先ず、用いる(A)成分を例えば1/2量ずつに分割し、その一方の(A)成分に、(B1)成分および(C1)成分を添加し、加熱処理することにより(B1)成分および(C1)成分を溶解する。次いで、(D)成分を添加混合して加熱することによりケン化処理を行う。
【0018】
以上において、(D)成分である金属成分を含有する化合物としては、前述の(B)成分を形成する金属の水酸化物、アルコラートなどが用いられる。
ケン化処理の温度は、例えば90〜105℃であり、処理時間は例えば60〜180分である。
【0019】
ケン化処理が完了した後、必要に応じて、ケン化処理により生じた水分などの脱水処理を行った後、分割した他方の(A)成分の全量を添加して混合し、ロールミルなどで混練することにより、本発明の低離漿性グリースが得られる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、以下の実施例および比較例において、グリースの離漿率、稠度および滴点は次の方法により測定した。
【0022】
(1)離漿率
JIS K2220の離油度測定用ビーカー(内容積300cc)および円錐金網を用い、図1に示すように、約250gのグリースをビーカー10内に充填し、このグリースの上から円錐金網20をその頂部が下向きとなるようにかぶせ、10℃で8時間および40℃で16時間の冷熱処理を1サイクルとして連続して合計5サイクル行った後、円錐金網20上に分離した油分をスポイトで吸い取ってその重量を測定し、下記数1に従って算出した。
【0023】
【数1】
Figure 0003720866
【0024】
(2)稠度
製造直後におけるグリースについて、「JIS K2220」の「5.3 稠度試験方法」に規定される方法に基づいて、同試験方法に規定される「不混和稠度」および「多回混和稠度」を測定した。
(3)滴点
製造直後におけるグリースについて、「JIS K2220」の「5.4 滴点試験方法」に規定される方法に基づいて、滴点を求めた。
【0025】
〔実施例1〕
基油として40℃における動粘度が28.8cStのポリアルファオレフィン(以下、「ポリアルファオレフィンa」という。)68重量部を用意し、このポリアルファオレフィンaの1/2量(34重量部)と、12−ヒドロキシステアリン酸8.6重量部と、ベヘニン酸0.46重量部とを製造釜に仕込み、90℃まで昇温して加熱溶解した。次いで、水酸化リチウム1.25重量部を16重量%水溶液とした状態で加えて混合し、95〜105℃、120分間でケン化処理を行い、その後、105〜178℃、90分間で脱水処理を行った。
さらに、ポリアルファオレフィンaの残りの1/2量(34重量部)と、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(以下、「DOA」という。)8.7重量部と、メラミンイソシアヌレート(以下、「MCA」という。)6.0重量部と、ポリテトラフルオロエチレン「TF9202(ヘキストジャパン社製)」(以下、「ポリテトラフルオロエチレンa」という。)4.0重量部と、ジアルキルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン「アデカサクラルーブ600(アデカアーガス社製)」3.0重量部と、トリアゾール誘導体「Inganet39(チバガイギー社製)」0.05重量部とを加え、189℃、35分間で加熱処理した後、室温まで冷却し、ロールミルで混練することにより、本発明の低離漿性グリースを製造した。
得られたグリースにおける(B)成分と(C)成分との割合は、重量比で(B)成分:(C)成分が約100:5.4である。このグリースの離漿率、稠度および滴点を表1に示す。
【0026】
〔実施例2〜4〕
12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸および水酸化リチウムを表1に示す量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の低離漿性グリースを製造した。
得られた各グリースにおける(B)成分と(C)成分との割合は、それぞれ重量比で(B)成分:(C)成分が、約100:11.1(実施例2)、約100:24.9(実施例3)、約100:100(実施例4)である。これらのグリースの離漿率、稠度および滴点を表1に示す。
【0027】
〔比較例1〕
実施例1において、ベヘニン酸の代わりにラノリン酸を用いたこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表2に示す。
【0028】
〔比較例2〕
実施例1において、ベヘニン酸の代わりに9,10−ジヒドロキシステアリン酸を用いたこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表2に示す。
【0029】
〔比較例3〕
実施例1において、ベヘニン酸の代わりに魚油を用いたこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表2に示す。
【0030】
〔比較例4〕
実施例1において、ポリアルファオレフィンaの添加量を、それぞれ30.6重量部で合計61.2重量部、12−ヒドロキシステアリン酸の添加量を8.1重量部、水酸化リチウムの添加量を1.1重量部に変更し、ベヘニン酸の代わりにエステルワックス7.8重量部を用いたこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表2に示す。
【0031】
〔比較例5〕
実施例1において、ポリアルファオレフィンaの添加量を、それぞれ32.3重量部で合計64.6重量部、12−ヒドロキシステアリン酸の添加量を8.6重量部に変更し、ベヘニン酸の代わりにポリエチレン3.9重量部を用いたこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表2に示す。
【0032】
〔比較例6〕
ポリアルファオレフィンa70重量部と、オレフィンジカルボン酸7.8重量部と、ジ−2−エチルヘキシルアジペート8.7重量部と、メラミンイソシアヌレート6.0重量部と、ポリテトラフルオロエチレンa4.0重量部と、ジアルキルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン3.0重量部と、トリアゾール誘導体0.05重量部とを混合することにより、比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表2に示す。
【0033】
〔比較例7,8〕
実施例1において、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸および水酸化リチウムの添加量をそれぞれ表1に示す量に変更したこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率、稠度および滴点を表2に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003720866
【0035】
【表2】
Figure 0003720866
【0036】
以上の結果から明らかなように、(C)成分が含有された実施例1〜5に係るグリースは、十分な稠度を有し、(C)成分が含有されていない比較例1〜8に係るグリースに比較して離漿率が小さいものであった。
また、(B)成分を含有していない比較例9に係るグリースにおいては、その離漿の程度が(C)成分が含有されていないグリースと同じ程度であった。
【0037】
〔実施例5〕
基油として流動パラフィン74.2重量部を用意し、この流動パラフィンの1/2量(37.1重量部)と、12−ヒドロキシステアリン酸1.2重量部と、ヒマシ硬化油4.7重量部と、ベヘニン酸1.4重量部とを製造釜に仕込み、90℃まで昇温して加熱溶解した。次いで、水酸化リチウム1.0重量部を16重量%水溶液とした状態で加えて混合し、90〜105℃、120分間でケン化処理を行い、その後、105〜178℃、90分間で脱水処理を行った。
さらに、流動パラフィンの残りの1/2量(37.1重量部)と、MCA12.0重量部と、ポリテトラフルオロエチレンa5.0重量部と、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−ブチルフェニル)テトラ(トリデシル)−ジ−ホスファイト「アデカスタブQL」0.5重量部とを加え、189℃、35分間で加熱処理した後、室温まで冷却し、ロールミルで混練することにより、本発明の低離漿性グリースを製造した。
得られたグリースにおける(B)成分と(C)成分との割合は、重量比で(B)成分:(C)成分が約100:24.4である。このグリースの離漿率を表3に示す。
【0038】
〔比較例9〕
実施例5において、流動パラフィンの添加量を、それぞれ37.3重量部で合計74.6重量部、ヒマシ硬化油の添加量を5.8重量部に変更し、ベヘニン酸を用いなかったこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表3に示す。
【0039】
〔実施例6〕
基油としてポリ−α−オレフィン「リボルーブ60(ライオン油脂社製)」70.5重量部を用意し、このポリ−α−オレフィン「リボルーブ60」の1/2量(35.25重量部)と、12−ヒドロキシステアリン酸6.6重量部と、ベヘニン酸1.7重量部とを製造釜に仕込み、90℃まで昇温して加熱溶解した。次いで、水酸化リチウム1.15重量部を16重量%水溶液とした状態で加えて混合し、90〜105℃、120分間でケン化処理を行い、その後、105〜178℃、90分間で脱水処理を行った。
さらに、ポリ−α−オレフィン「リボルーブ60」の残りの1/2量(35.25重量部)と、MCA6.0重量部と、ポリテトラフルオロエチレンa4.0重量部と、ジアルキルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン「アデカサクラルーブ600」3.0重量部と、ポリブテン「2000H(出光石油社製)」5.0重量部と、パーフロロアルキルアルコキシレート「フロラードFC−171(住友スリーエム社製)」2.0重量部と、トリアゾール誘導体「Irganet39」0.05重量部とを加え、189℃、35分間で加熱処理した後、室温まで冷却し、ロールミルで混練することにより、本発明の低離漿性グリースを製造した。
得られたグリースにおける(B)成分と(C)成分との割合は、重量比で(B)成分:(C)成分が約100:25.7である。このグリースの離漿率を表3に示す。
【0040】
〔比較例10〕
実施例6において、12−ヒドロキシステアリン酸の添加量を8.3重量部、水酸化リチウムの添加量を1.15重量部に変更し、ベヘニン酸を用いなかったこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表3に示す。
【0041】
〔実施例7〕
基油としてポリ−α−オレフィン「リボルーブ60」81.3重量部を用意し、このポリ−α−オレフィン「リボルーブ60」の1/2量(40.65重量部)と、12−ヒドロキシステアリン酸7.0重量部と、ベヘニン酸1.8重量部とを製造釜に仕込み、90℃まで昇温して加熱溶解した。次いで、水酸化リチウム1.20重量部を16重量%水溶液とした状態で加えて混合し、90〜105℃、120分間でケン化処理を行い、その後、105〜178℃、90分間で脱水処理を行った。
さらに、ポリ−α−オレフィン「リボルーブ60」の残りの1/2量(40.65重量部)と、MCA3.0重量部と、ポリテトラフルオロエチレン「ルブロンL2(ダイキン工業社製)」(以下、「ポリテトラフルオロエチレンb」という。)」3.0重量部と、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−ブチルフェニル)テトラ(トリデシル)−ジ−ホスファイト「アデカスタブQL」0.1重量部と、3−サリチロイルアミド−1,2,4−トリアゾール「アデカスタブCDA−1M」0.1重量部と、2(2−ハイドロキシ−3,5−ジターシャリーアミルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール「チヌビン328」0.5重量部と、パーフロロアルキルアルコキシレート「フロラードFC−171」2.0重量部とを加え、189℃、35分間で加熱処理した後、室温まで冷却し、ロールミルで混練することにより、本発明の低離漿性グリースを製造した。
得られたグリースにおける(B)成分と(C)成分との割合は、重量比で(B)成分:(C)成分が約100:25.6である。このグリースの離漿率を表3に示す。
【0042】
〔比較例11〕
実施例7において、12−ヒドロキシステアリン酸の添加量を8.8重量部、水酸化リチウムの添加量を1.22重量部に変更し、ベヘニン酸を用いなかったこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率、稠度および滴点を表3に示す。
【0043】
【表3】
Figure 0003720866
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、長時間の使用または保存を経ても、離漿率が0.3%以下という低いレベルにあり、しかも、基油の選択の自由度が大きく、簡単な工程により容易に製造することのできる低離漿性グリースの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリースの離漿率を測定する手段を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ビーカー 20 円錐金網

Claims (1)

  1. 有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油または鉱油から選ばれる1種以上の基油よりなる(A)成分と、増稠剤の酸成分を形成するための炭素数が10〜20の脂肪酸またはそのエステルよりなる(B1)成分と、ベヘニン酸またはそのエステルよりなる(C1)成分と、前記(B1)成分および前記(C1)成分をケン化させるための、リチウム、カルシウム、バリウム、カリウム、ストロンチウム、ナトリウムおよびアルミニウムから選ばれる金属成分を含有する化合物よりなる(D)成分とを混合し、前記(D)成分により、前記(B1)成分および前記(C1)成分をケン化する工程を含み、
    前記(A)成分と、前記(D)成分により前記(B1)成分がケン化されて形成される石けん系の増稠剤よりなる(B)成分と、前記(D)成分により前記(C1)成分がケン化されて形成される離漿抑制剤としてベヘニン酸の金属塩よりなる(C)成分とが含有されてなり、前記(B)成分と前記(C)成分との割合が、重量比で100:1〜100:230の範囲にあり、かつ、(C)成分が、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部の割合で含有されている低離漿性グリースを得ることを特徴とする低離漿性グリースの製造方法。
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