JP3720465B2 - 排水性床の施工方法及び排水性床構造 - Google Patents

排水性床の施工方法及び排水性床構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湧水や結露水等の排水路を確保するように施工される建物地下室の排水性床構造及びその施工方法、更にはかかる排水性床構造に用いられる合成樹脂発泡板製の排水パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の地下室においては、湧水や結露水を排出するために基礎スラブと床スラブの間に排水ピットを設け、この排水ピットで集水した湧水や結露水を排水ポンプで地上に排出できるようにするのが一般的である。
【0003】
ところで、上記排水ピットのスペースを確保するためには、地下を深く掘り下げるか地下室のスペースを犠牲にしなければならない。
【0004】
そこで、排水ピットのようにスペースをとらずに床面下に集水用の排水路を確保するために、基礎スラブとの間で排水路を構成する排水溝が形成された合成樹脂発泡板からなる排水パネルを、基礎スラブ上に敷き並べ、この排水パネル上に床スラブを構築した排水性床構造並びにその施工方法が提案されている(本出願人による特開平8−68065号公報)。
【0005】
即ち、この工法によると、排水パネルの下面に形成された排水溝が床スラブの構築後も排水路として残されるので、この排水溝を介して水を所定の集水部に導くことができ、しかも床面下のわずかなスペースで排水路を確保することができる。
【0006】
また、上記の排水性床構造が適用される建物地下室は、駐車場として利用されることが多く、床スラブ上に大きな荷重が加わることが多い。そこで、このような大きな加重に耐えられるようにするために、基礎スラブと床スラブを連結するコンクリート製の柱状部分を部分的に形成することがある。具体的には、図9に示すように、コーナー部分を切り欠いた排水パネル101を基礎スラブ上に敷き並べ、そのコーナー部分に空所102を形成し、その上にコンクリートを打設して床スラブを構築することにより、かかる空所102部分に柱状部分を部分的に形成するものである(特公昭63−16537号公報)。また、図10に示すように、排水パネル101に上下に貫通する連通穴103を設け、かかる連通穴103部分に柱状部分を部分的に形成するものである(特開平5−239838号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の排水性床構造に適用される排水パネルにおいては、隣接して敷設されるパネル相互で排水溝が連続する必要があるため、かかる排水溝はパネル側面に開口している必要がある。また、充分な排水能力とスムーズな排水性を確保するためには、上記排水溝は、十分な面積(容積)でバランス良く密に形成する必要がある。
【0008】
しかしながら、前記従来の方法により基礎スラブと床スラブを連結する柱状部分を施工する場合、パネルコーナーの切り欠き部分(図9)若しくは連通穴(図10)と排水溝が連通していると、コンクリート打設時に排水溝内にコンクリートが流れ込み、排水機能が損なわれる問題があった。
【0009】
また、パネルコーナーの切り欠き部分若しくは連通穴と排水溝との連通を防ごうとすると、排水溝及び柱状部分の形成位置が限定され、これらを密に配置することができず、充分な排水能力とスムーズな排水性を確保すると同時に、床スラブにかかる荷重を効率良く分散させることは甚だ困難であるという問題があった。特に、図9に示した従来例では、上記柱状部分の形成位置は各排水パネルのコーナー部分に限定されるため、大判パネルを用いた場合には柱状部分の間隔が広くなり、床スラブにかかる荷重を効率良く分散させることができず、パネルの大きさが限定されるという問題もあった。
【0010】
また、図9及び図10に示した従来例では、コンクリートを打設して床スラブを構築する際に、パネルコーナーの切り欠き部分若しくは連通穴を介してパネルと基礎スラブの間にコンクリートが廻り込むことにより、パネルが浮き上がることも予想され、施工上問題がある。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、基礎スラブと床スラブを連結する柱状部分を有する排水性床構造において、柱状部分の施工をより確実に良好に行い得るようにすると共に、かかる柱状部分により排水機能が損なわれないようにすることを目的とする。また、本発明の目的は、柱状部分が、排水機能上邪魔にならず、充分な排水能力とスムーズな排水性を容易に確保し得る排水性床構造を提供することを目的とする。更に、本発明の目的は、パネル寸法に拘束されることなく柱状部分を任意の位置に形成し得る排水性床構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく成された本発明の構成は、以下の通りである。
【0013】
即ち、本発明の第一は、基礎スラブ上に、該基礎スラブとの間で排水路を構成する少なくとも1本の排水溝が形成された合成樹脂発泡板からなる排水パネルが敷設され、この排水パネル上に床スラブが構築される排水性床の施工方法において、
前記排水パネルは、その高さ方向に、前記排水溝の少なくとも一部と交差する貫通孔が設けられたものであって、
該排水パネルを基礎スラブ上に敷設する前若しくは敷設した後、前記貫通孔にコップ状の容器を嵌め込み、
基礎スラブ上に敷設された該排水パネル上にコンクリートを打設して、床スラブを構築すると同時に、該コップ状の容器内にコンクリートの支柱を形成することを特徴とする排水性床の施工方法にある。
【0014】
また、本発明の第二は、基礎スラブ上に、該基礎スラブとの間で排水路を構成する少なくとも1本の排水溝が形成された合成樹脂発泡板からなる排水パネルが敷設され、この排水パネル上に床スラブが構築される排水性床構造において、
前記排水パネルは、その高さ方向に、前記排水溝の少なくとも一部と交差する貫通孔が設けられているものであって、該貫通孔にはコップ状の容器が嵌め込まれており、
該容器内に、前記床スラブと一体に形成されたコンクリートの支柱が形成されていることを特徴とする排水性床構造にある。
【0015】
更に、本発明の第三は、合成樹脂発泡板の下面に少なくとも1本の排水溝が形成された排水パネルにおいて、
該パネルの高さ方向に、前記排水溝の少なくとも一部と交差する貫通孔が設けられていて、且つ、パネル上面から見える貫通孔内の領域を塞いだ場合に分断される排水溝を連通させる空間が、該貫通孔の周りの少なくとも一部に形成されていることを特徴とする上記本発明の第二の排水性床構造に用いられる排水パネルにある。
【0016】
本発明の施工方法によれば、基礎スラブ上に敷設された排水パネル上にコンクリートを打設して、基礎スラブと床スラブを連結する支柱(柱状部分)と床スラブとを同時に構築するに際し、かかる支柱の元となる排水パネルに形成された貫通孔に、予めコップ状の容器を嵌め込んでおくため、当該貫通孔を介してパネルと基礎スラブの間にコンクリートが廻り込むことがない。したがって、パネルが浮き上がる心配が無く、床スラブを容易に良好な状態で施行することができる。
【0017】
また、当該貫通孔と排水溝が交差しても当該貫通孔から排水溝内にコンクリートが流れ込むことがないため、排水パネルに設ける貫通孔と排水溝はその形成位置及び形状・大きさ等に制約が無い。したがって、本発明においては、排水パネルの寸法に拘らず基礎スラブと床スラブを連結する支柱を任意の位置に形成することができ、床スラブにかかる荷重を効率よく基礎スラブに分散して伝達させることができると共に、排水溝を十分な面積(容積)でバランス良く密に形成することができ、充分な排水能力とスムーズな排水性を容易に確保することができる。
【0018】
また、本発明の施工方法によれば、排水パネルに形成された貫通孔に嵌め込むコップ状の容器の形状を、貫通孔の形状に応じて適宜設計することにより、前記支柱の周りに、該支柱により分断された排水溝を連通させる空間を形成することができる。具体的には(詳しくは後述する)、例えば前記貫通孔が円柱状若しくは角柱状の場合には、円錐台若しくは角錐台の形状を有するコップ状の容器を嵌め込むことにより、支柱の周りに排水溝を連通させる前記空間を形成することができ、支柱が排水機能上邪魔にならず、充分な排水能力とスムーズな排水性をより一層容易に確保することができる。
【0019】
また、本発明の施工方法及び排水性床構造において、排水パネルとして本発明の排水パネルを用いた場合には、支柱の周りに排水溝を連通させる空間を所望の大きさで形成することができ、充分な排水能力とスムーズな排水性をより一層容易に確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の排水性床構造に用いることができる排水パネルAの一実施形態を示すもので、図1(a)はパネル下面側の斜視図、図1(b)はパネル上面側の斜視図である。本排水パネルAは、合成樹脂発泡板で構成されているもので、その下面全周縁に亙ってコーナーを切り欠くようにすることで、外側方が開放された排水溝1aが形成されている。また、やはり下面に、端部が周縁の排水溝1aに連なる排水溝1bが縦横に形成されている。さらに、その中心部に、排水溝1bと交差する貫通孔2が設けられている。
【0021】
図2は、図1に示した排水パネルAを縦横に敷き詰めた様子を示した上面であり、各排水パネルAには、外側方が開放された排水溝1aが全周縁に形成されているので、相隣接して敷設される排水パネルA間の平面位置関係に拘らず、相隣接する排水パネルAの排水溝1a同志は必ず連結されることになる。また、周縁の排水溝1aに連通している各排水パネルAの縦横の排水溝1bも相互に連通したものとなる。
【0022】
図3は、図1に示した排水パネルAを用いた本発明の排水性床構造の一実施形態を模式的に示した縦断面図であり、基礎スラブ11上に図2に示したように敷設された複数の排水パネルA上に床スラブ12が構築されたものである。本排水性床構造において、基礎スラブ11上に相隣接して敷設された排水パネルAの排水溝1aは、排水路13aを構成しており、排水溝1bは、排水路13bを構成している。そして、外壁部17の壁面に生じた結露水や湧水は、排水ダクト18によって排水路13cへと導かれ、さらに相互に連通する排水路13a及び排水路13bを通して集水部(図示されていない)へと導かれ、ポンプ等によって地上へ排出されることになる。
【0023】
本発明の排水性床構造においては、排水パネルAに設けられた貫通孔2には、コップ状の容器14が嵌め込まれ、この容器14内に、床スラブ12と一体に形成されたコンクリートの支柱15が形成される。
【0024】
次に、本排水性床構造の施工手順を説明する。
【0025】
まず、基礎スラブ11上に排水パネルAを敷設する。排水パネルAの並べ方は、縦横一直線状が一般的であるが、図1に示したように下面全周縁に亙ってコーナーを切り欠いて外側方が開放された排水溝1aが形成されているパネルを用いる場合には、相隣接する排水パネルA間の平面位置関係に拘らず、相隣接する排水パネルAの排水溝1a(及び排水溝1b)同志は必ず連結されるので、例えば千鳥状等の並べ方も可能である。また、相隣接して敷設された排水パネルAの周辺部においても、排水ダクト18の開口高ささえ排水溝1aの高さ内に調整しておけば、上記と同様に、排水ダクト18と排水パネルAの平面位置関係に拘らず、排水ダクト18を確実に排水溝1aに連結することができる
排水パネルAを敷設した後、排水パネルA間の継ぎ目を粘着テープ16で覆う。これは、図1に示した排水パネルAを用いた本排水性床構造においては、排水パネルA間の継ぎ目の全長に亙って、その直下が排水溝1aによる排水路13aとなることから、後述するコンクリートの打設時にこの継ぎ目からノロが排水溝1a内に流れ込むと、形成される排水路13aが分断され、排水が不完全になるためである。また、内壁部19等の周囲の建物構造部と排水パネルA間の継ぎ目も、同様の理由から粘着テープ16で覆う。
【0026】
次いで、排水パネルAに設けられた貫通孔2に、コップ状の容器14を嵌め込む。容器14の高さは、少なくとも排水溝の高さよりも高いことが必要である。容器14の高さが排水溝の高さよりも低いと、容器14の底部が基礎スラブ11上に接した状態で、貫通孔2と排水溝13bが連通し、後述するコンクリートの打設時に、排水溝1b内にノロが流れ込んでしまう。
【0027】
図3には容器14と排水パネルの高さが略同じ場合を示している。このような場合には、容器14の上端部を鍔状に折り曲げておくことが好ましい。これにより、貫通孔2と容器14との間に隙間が生じないように、容器14を容易に装着することができる。
【0028】
容器14の材質は、コンクリートの打設時にノロが排水溝1b内に流れ込むのを防止できる強度を有するものであれば特に限定されず、貫通孔2のサイズが比較的小さく、且つ円柱状の場合には、厚手の紙コップを用いることもできる。
【0029】
容器14の形状は、貫通孔2の形状に応じて適宜設計される。図3に示した例では、円柱状の貫通孔2に円錐台状の容器14(一般的な紙コップと同様のもの)が嵌め込まれており、容器14の周りには、排水溝1bを連通させる空間20が形成されている。
【0030】
尚、貫通孔2への容器14の嵌め込みは、排水パネルAを敷設する前であっても、排水パネルAを敷設した後であって排水パネルA間の継ぎ目を粘着テープ16で覆う前であっても構わない。
【0031】
次いで、敷設した排水パネルA上に配筋(不図示)を施した後、排水パネルA上にコンクリートを打設し、床スラブ12を構築すると共に、容器14内に床スラブ12と一体に形成されたコンクリートの支柱15を形成し、本排水性床の施工を完了する。
【0032】
上記のように本発明によれば、基礎スラブ11と床スラブ12を連結する支柱15の形成に際し、支柱15の元となる貫通孔2に予めコップ状の容器14を嵌め込んでおくため、貫通孔2からこれと交差する排水溝1b内にコンクリートが流れ込むことがない。
【0033】
このため、本発明で用いる排水パネルには、任意な位置に貫通孔及び排水溝を形成することができる。即ち、本発明においては、基礎スラブと床スラブを連結する支柱を任意の位置に形成することができ、床スラブにかかる荷重を効率よく基礎スラブに分散して伝達させるように設計することが容易であると共に、排水溝を十分な面積(容積)でバランス良く密に形成することができ、充分な排水能力とスムーズな排水性を容易に確保することができるものである。
【0034】
また、図3に示した例では、円錐台状の容器14の周りに形成された空間20が支柱15を形成した後にもそのまま残るため、支柱15が排水機能上全く邪魔にならない。一方、容器14として円柱状のものを用いた場合には、支柱15によって図2中に斜線で示した領域が排水路として機能しなくなるが、このような場合には、上記の領域が極力狭くなるように排水溝の形成位置を設計すれば良い。
【0035】
また、本発明で用いる排水パネルには、例えば、図4に示すように複数の貫通孔2を設けておくこともできる。尚、床スラブ12にかかる荷重をバランスよく基礎スラブ11に分散して伝達させる点を考慮すると、複数のパネルを相隣接して敷設した場合に貫通孔2が一定の間隔で配置されるのが好ましい。即ち、支柱15が一定の間隔で形成されるのが好ましい。
【0036】
また、本発明においては、排水パネルとして、複数のパネルを相隣接して敷設した場合にその継ぎ目部分に貫通孔が形成されるものを用いることもできる。その一例を図5に示す。図5に示したパネルでは、中央部に貫通孔2を有すると共に、そのコーナー部に貫通孔を形成するための1/4円柱状の切欠加工が施されている。即ち、このパネルは、図9に示した場合と同様に、4枚のパネルの突き合わせ部分にも貫通孔が形成されるものである。
【0037】
次に、本発明の施工方法及び排水性床構造に用いることのできる本発明の排水パネルについて説明する。
【0038】
図6及び図7は、本発明の排水パネルBの一実施形態を示した上面図であり、図6は貫通孔2を1つ設けた例、図7は貫通孔2を4つ設けた例である。本排水パネルBにおいても、図1の排水パネルAと同様、排水溝1a及び排水溝1bが形成されており、貫通孔2は排水溝1bと交差している。そして、本発明の排水パネルBには、更に、パネル上面から見える貫通孔2内の領域を塞いだ場合に分断される排水溝を連通させる空間3が、貫通孔2の周りに形成されている。
【0039】
上述の本発明の排水パネルB(図6)を用いて構築した本発明の排水性床構造の一実施形態を図8に示す。本排水性床構造においても、貫通孔2にはコップ状の容器14が嵌め込まれ、この容器14内に、床スラブ12と一体に形成されたコンクリートの支柱15が形成される。一方、支柱15の周りには前記空間3がそのまま残り、かかる空間3は当該支柱15によって分断された排水溝を連通させることができる。即ち、本発明の排水パネルBを用いれば、排水性を考慮して空間3を所望の広さで形成することができる。
【0040】
前述のように本発明の排水性床構造によれば、床スラブにかかる荷重を効率よく基礎スラブに分散して伝達させるように支柱15の設計が可能であるが、床スラブ12上に特に大きな荷重が加わる場合を考慮すると、本発明に係る排水パネルは押し出し発泡成形体が好ましく、特に発泡倍率が20倍〜40倍のポリスチレンの押し出し発泡成形体であることが好ましい。
【0041】
排水パネルを構成する合成樹脂発泡体としては、例えばポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂等の発泡体が使用できるが、耐圧強度的に優れ、吸湿性も小さいことから、独立気泡の押し出し発泡成形体が好ましい。特に、吸水率が0.01以下であり、圧縮強さが2.5〜10kgf/cm2 である、発泡倍率が20倍〜40倍のポリスチレンの押し出し発泡成形体が好ましい。
【0042】
排水パネルの平面形状は、一般的には方形で、特に正方形が好ましいが、敷設場所によってはその他の形状とすることもできる。
【0043】
本発明においては、排水パネルの大きさに拘らず所望の位置に支柱を形成することができるため、排水パネルの大きさは特に限定されないが、敷設時の作業性を考慮すると、例えば平面正方形とした場合、一辺が500〜1500mmであることが好ましく、更に好ましくは700〜1200mmである。
【0044】
排水パネルの厚さtは、20〜200mmであることが好ましく、更に好ましくは50〜150mmである。薄過ぎると排水溝1a,1bの深さを充分とりにくく、また厚くし過ぎるとスペース上の無駄を生じる。
【0045】
周縁及び縦横の排水溝1a,1bは、どちらか一方のみとすることもできるが、前述したように排水溝の連通容易性による施工性と、充分な排水能力とスムーズな排水性の確保の面から、図1,図7及び図8に示したように双方の排水溝を形成するのが好ましい。
【0046】
周縁及び縦横の排水溝1a,1bの深さhは、排水パネルの厚さtの1/4〜3/4であることが好ましく、更に好ましくは1/3〜2/3である。深くし過ぎると排水パネルが割れやすくなり、また浅過ぎると充分な排水量を得にくくなる。尚、これら排水溝の断面形状は、方形に限らず、三角形、半円形等とすることもできる。
【0047】
縦横の排水溝1bの幅wb は、10〜50mm程度が好ましく、更に好ましくは20〜30mm程度である。周縁の排水溝1aの幅wa をこの縦横の排水溝1bの幅と等しくしておいてもよいが、排水溝1aの幅wa を排水溝1bの幅wb の1/2としておくと、排水パネルを敷設後に排水溝1a,1bによって形成される全排水路の幅をほぼ等しくすることができる。
【0048】
貫通孔2の大きさは、前述の例のように例えば円柱状である場合には、その直径は通常50〜200mm程度である。尚、本発明の排水パネルを用いる場合には、貫通孔2に形成される支柱15は排水機能上邪魔にならないため、場合によってはこれよりも大きくすることもできる。また、貫通孔2の周囲に形成する空間3の深さは、周縁及び縦横の排水溝1a,1bの深さhと同じにすることができ、その幅は排水性を考慮して設計される。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した通りのものであり、次の効果を奏するものである。
(1)床スラブを構築する際に、貫通孔を介してパネルと基礎スラブの間にコンクリートが廻り込むことがないため、パネルが浮き上がる心配が無く、床スラブを容易に良好な状態で施行することができる。
(2)排水パネルに設けた貫通孔と排水溝が交差していても、床スラブを構築する際に当該貫通孔から排水溝内にコンクリートが流れ込むことがないため、貫通孔と排水溝の位置及び形状・大きさ等を自由に設計できる。従って、基礎スラブと床スラブを連結する支柱を任意の位置に形成することができ、床スラブにかかる荷重を効率よく基礎スラブに分散して伝達させることができると共に、排水溝を十分な面積(容積)でバランス良く密に形成することができ、充分な排水能力とスムーズな排水性を容易に確保することができる。
(3)コップ状の容器の形状を貫通孔の形状に応じて適宜設計することにより、支柱の周りに排水溝を連通させる空間を形成することができ、支柱による排水の妨げを防止することができる。
(4)排水パネルとして本発明の排水パネルを用いた場合には、支柱の周りに排水溝を連通させる空間を任意の大きさで形成することができるため、充分な排水能力とスムーズな排水性をより一層容易に確保することができる。
(5)排水パネルの大きさに拘らず、支柱を任意の位置に形成することができるため、作業性に応じて所望の大きさの排水パネルを選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排水パネルの一実施例を示す下面側及び上面側からの斜視図である。
【図2】図1の排水パネルを敷設した状態の上面図である。
【図3】本発明に係る排水性床構造及び施工方法の説明図である。
【図4】本発明に係る排水パネルの他の実施例を示す上面図である。
【図5】本発明に係る排水パネルの他の実施例を示す上面図である。
【図6】本発明の排水パネルの一実施例を示す上面図である。
【図7】本発明の排水パネルの他の実施例を示す上面図である。
【図8】図6の排水パネルを用いた本発明に係る排水性床構造の説明図である。
【図9】従来技術を説明するための図である。
【図10】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
A,B 排水パネル
1a,1b 排水溝
2 貫通孔
3 貫通孔の周囲に設けた空間
11 基礎スラブ
12 床スラブ
14 コップ状の容器
15 支柱
16 粘着テープ
17 外壁部
18 排水ダクト
19 内壁部
20 空間
101 排水パネル
102 空所
103 連通穴

Claims (7)

  1. 基礎スラブ上に、該基礎スラブとの間で排水路を構成する少なくとも1本の排水溝が形成された合成樹脂発泡板からなる排水パネルが敷設され、この排水パネル上に床スラブが構築される排水性床の施工方法において、
    前記排水パネルは、その高さ方向に、前記排水溝の少なくとも一部と交差する貫通孔が設けられたものであって、
    該排水パネルを基礎スラブ上に敷設する前若しくは敷設した後、前記貫通孔にコップ状の容器を嵌め込み、
    基礎スラブ上に敷設された該排水パネル上にコンクリートを打設して、床スラブを構築すると同時に、該コップ状の容器内にコンクリートの支柱を形成することを特徴とする排水性床の施工方法。
  2. 前記排水パネルは、前記貫通孔が複数設けられたパネルであることを特徴とする請求項1に記載の排水性床の施工方法。
  3. 基礎スラブ上に、該基礎スラブとの間で排水路を構成する少なくとも1本の排水溝が形成された合成樹脂発泡板からなる排水パネルが敷設され、この排水パネル上に床スラブが構築される排水性床構造において、
    前記排水パネルは、その高さ方向に、前記排水溝の少なくとも一部と交差する貫通孔が設けられているものであって、該貫通孔にはコップ状の容器が嵌め込まれており、
    該容器内に、前記床スラブと一体に形成されたコンクリートの支柱が形成されていることを特徴とする排水性床構造。
  4. 前記支柱の周りの少なくとも一部に、該支柱により分断された排水溝を連通させる空間が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の排水性床構造。
  5. 前記排水パネルは、前記貫通孔が複数設けられたパネルであることを特徴とする請求項3又は4に記載の排水性床構造。
  6. 合成樹脂発泡板の下面に少なくとも1本の排水溝が形成された排水パネルにおいて、
    該パネルの高さ方向に、前記排水溝の少なくとも一部と交差する貫通孔が設けられていて、且つ、パネル上面から見える貫通孔内の領域を塞いだ場合に分断される排水溝を連通させる空間が、該貫通孔の周りの少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の排水性床構造に用いられる排水パネル。
  7. 前記貫通孔が複数設けられていることを特徴とする請求項6に記載の排水パネル。
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