JP3720142B2 - ウェット処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば液晶表示パネルの基板や、半導体ウエハとしての基板、各種エレクトロニクス製品の基板にウェットエッチングを行うのに適したウェット処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の基板のウェットエッチングを行う際、基板をエッチング液の中に沈めてしまってエッチングを行う方法と、エッチング液を基板の表面に滴下させながらエッチングを行う方法とがある。さらに、後者の場合、基板を回転させながらエッチング液を基板の表面に滴下させる方法と、アクアナイフを使用してエッチング液を基板の表面にカーテン状に吐出する方法とがある。
【0003】
基板を回転させながらエッチング液を基板の表面に滴下させてエッチングを行う方法は、例えば、特開平2─73633号公報や特開平4─257223号公報に記載されている。後者の特開平4─257223号公報では、被処理物である基板を支持するスピナーチャックを斜めに傾けて配置し、処理用の薬液を傾いた基板の上方部において基板の周縁部に吐出させるようにすることを開示している。
【0004】
アクアナイフを使用してエッチング液を基板の表面にカーテン状に吐出する方法では、基板は回転せず、エッチング液を基板の表面に沿って基板の一端側から他端側へ流してエッチングを行う。この方法によれば、基板をエッチング液の中に沈めてしまってエッチングを行う方法と比べると、エッチングの開始時及び終了時にエッチング液をエッチング槽に入れたり、エッチング槽から抜いたりする必要がないために、スループットを向上させることができる。そして、アクアナイフが基板の真上にこないのでアクアナイフから基板へのゴミの落下等がなくなり、清浄な環境でエッチングを行うことができる利点がある。しかも、この方法によるエッチング装置は構造が簡単である。
【0005】
アクアナイフは基板の幅と同等な幅を有し、アクアナイフの前部にはスリットが開口している。アクアナイフは基板の一端側に基板に対して斜め方向に配置され、エッチング液がスリットからカーテン状に吐出するようになっている。スリットから吐出したエッチング液は、アクアナイフからの流出速度に従って基板の一端側から基板の他端側へ基板の表面に沿って流れる。このようにして、エッチング液が基板の表面に全面的に分布するようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エッチング液が基板の表面に一様に分布するためには、エッチング液の流量を増加してエッチング液の一様な流れを作ることが必要である。ところが、エッチング液の流量を増加すると、エッチング液が基板に落下する部分において基板に大きな物理的な力が働くようになる。そのため、落下部分のレジストパターンが剥がれたり、あるいはレジストと基板上の膜との間に隙間が生じたりしてしまうという問題が生じた。従って、レジストへの影響をなくすためにはアクアナイフから流出するエッチング液の流量をあまり大きくできない。
【0007】
しかしながら、エッチング液の流量が小さいと、アクアナイフから流出したエッチング液が基板上を流れていく際、途中で流速が低下し、表面張力により部分的にまとまり、基板の中央部分のみ流れたり、あるいは基板の外縁側へ逸れて流れたりすることがある。そのために、エッチング液が基板の表面に一様に流れないという問題点があった。
【0008】
本発明の目的は、アクアナイフを備え、アクアナイフから流出したエッチング液等の処理液が基板等の被処理物上を均一に流れるようにしたウェット処理装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるウェット処理装置は、被処理物を支持する支持手段と、該支持手段に支持された被処理物の一端側に該被処理物に対して斜め方向に処理液をカーテン状に吐出する第1のアクアナイフと、該支持手段に支持された被処理物の反対端部側に該被処理物に対して斜め方向に処理液をカーテン状に吐出する第2のアクアナイフとを備え、該第1及び第2のアクアナイフは、交互に使用されながら処理液を交互に流すようになっており、該支持手段は、使用されるアクアナイフ側の該被処理物の端部がその反対側の端部よりも高位置となるように該被処理物を支持するように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記ウェット処理装置において、被処理物が半導体装置の基板であり、該基板にウェットエッチングを行う。また、該支持手段は被処理物の裏面及び外周部を支持する支持ピンからなる。
【0012】
このような構成においては、例えば基板をエッチングする際、第1及び第2のアクアナイフを交互に使用しながら、エッチング液を交互の方向から流すことで、流れ方向によるエッチングの不均一性が緩和される。また、基板の位置を、アクアナイフから処理液が流出される側を高位置とすることで、流出された処理液は基板上を最初の流速及び重力効果により流れるため、途中で流速が低下することがなくなる。そのため、処理液の流れが部分的に偏在したり、途切れたりすることがなくなり、処理液は基板面上を均一に流れるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるウェット処理装置の第1実施例を示す図である。ウェット処理装置10はエッチング装置を例として説明する。ウェット処理装置10は、エッチング槽12を有し、支持手段14がエッチング槽12内に配置される。支持手段14は被処理物である半導体の基板16を支持するものである。
【0014】
図1及び図2に示されるように、支持手段14はベースプレート18と、このベースプレート18に取りつけられた支持ピン20、22とからなる。支持ピン20は基板16の裏面を支持し、支持ピン22は基板16の外周部を支持する。これらの支持ピン20、22はベースプレート18に設けたねじ穴に螺着されるようになっている。ベースプレート18のねじ穴は種々の基板16に対応できるように多数設けられており、例えば図2の左上部に示されるように、基板16の大きさに応じて位置を変えることができるようになっている。
【0015】
アクアナイフ24が、エッチング槽12の一端側に配置される。アクアナイフ24はスリット26を有し、スリット26はエッチングすべき基板16の幅と同等の幅を有する。アクアナイフ24には図示しないエッチング液供給装置からエッチング液が供給され、エッチング液28はスリット26から基板16の全幅に沿ってカーテン状に吐出する。こうして、アクアナイフ24は、支持手段14に支持された被処理物である基板16の一端側に基板16に対して斜め方向にエッチング液28をカーテン状に吐出する。
【0016】
支持手段14は、支持ピン20の先端がエッチング槽12の底部に対して斜めの平面内にあるように構成される。すなわち、支持手段14は、基板16のアクアナイフ24側の端部がその反対側の端部よりも高位置となるように基板16を支持するように構成されている。このようにしてエッチング液28を流しながら、エッチングが行われる。
【0017】
このような構成により、図3に示されるように、基板16の位置を、アクアナイフ24からエッチング液28が流出される側を高位置とすることで、流出されたエッチング液28は基板16上を最初の流速及び重力効果により流れるため、途中で流速が低下することがなくなる。基板16上のエッチング液28の流れが矢印で示される。そのため、エッチングの流れが図3に破線で示されるように部分的に偏在したり、途切れたりすることがなくなり、エッチング液は基板16上を均一に流れるようになる。従って、基板16上に形成されているレジスト膜を損傷させたりすることなしに、良好なエッチンクを行うことができる。
【0018】
図4は本発明によるウェット処理装置の第2実施例を示す図である。ウェット処理装置10は、エッチング槽12を有し、支持手段14がエッチング槽12内に配置される。支持手段14は被処理物である半導体の基板16を支持するものである。支持手段14はベースプレート18と、このベースプレート18に取りつけられた支持ピン20、22とからなる。支持ピン20は基板16の裏面を支持し、支持ピン22は基板16の外周部を支持する。これらの支持ピン20、22はベースプレート18に設けたねじ穴に螺着されるようになっている。
【0019】
この実施例では、第1のアクアナイフ24が、エッチング槽12の一端側に配置される。第1のアクアナイフ24はスリット26を有し、スリット26はエッチングすべき基板16の幅と同等の幅を有する。第2のアクアナイフ30が、エッチング槽12の他端側に配置される。第2のアクアナイフ30はスリット32を有し、スリット32はエッチングすべき基板16の幅と同等の幅を有する。第1及び第2のアクアナイフ24、30は基本的には同様の構成である。
【0020】
第1及び第2のアクアナイフ24、30には図示しないエッチング液供給装置からエッチング液28が供給され、エッチング液28はスリット26、32から基板16に対して斜め方向に基板16の全幅に沿ってカーテン状に吐出する。第1及び第2のアクアナイフ24、30は交互に使用されるようになっている。図4においては、第1のアクアナイフ24が使用されている。
【0021】
さらに、エッチング槽12は、ベースフレーム34及び回動支持軸36を介して床または構造部材38に支持されている。エッチング槽12は油圧シリンダ等のアクチュエータ40によって動かされるようになっている。従って、エッチング槽12は、第1のアクアナイフ24側が高位置になる、あるいは第2のアクアナイフ30側が高位置になるように回動可能である。
【0022】
支持手段14は、支持ピン20の先端がエッチング槽12の底部に対して平行な平面内にあるように構成される。そして、支持手段14は、使用されるアクアナイフ24、30側の基板16の端部がその反対側の端部よりも高位置となるように基板16を支持するように構成されている。すなわち、図4では、第1のアクアナイフ24が使用され、第1のアクアナイフ24側の基板16の端部が高位置になる。第2のアクアナイフ30が使用される場合には、エッチング槽12が回動され、第2のアクアナイフ30側の基板16の端部が高位置になる。
【0023】
このようにして、第1及び第2のアクアナイフ24、30を交互に使用しながら、エッチング液28を交互の方向から流し、エッチングが行われる。エッチング液28が交互の方向から流れるため、流れ方向によるエッチングの不均一性が緩和される。そして、この場合にも、基板16の位置を、アクアナイフ24、30からエッチング液が流出される側を高位置とすることで、流出されたエッチング液は基板16上を最初の流速及び重力効果により流れるため、途中で流速が低下することがなくなり、エッチング液は基板16上を均一に流れるようになる。従って、良好なエッチンクを行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウェット処理装置において、被処理物を交互に傾斜させてウェット処理を行なうようにしたために、底流量のウェット処理においても、流れ方向によるエッチングの不均一性が緩和されるとともに、処理液が上方から下方へ均一にむらなく流れ、良好な処理を行なうことができる。その結果、信頼性及び再現性のよいエッチングを歩留りよく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエット処理装置の第1実施例を示す図である。
【図2】支持手段を示す平面図である。
【図3】処理液の流れを示す図である。
【図4】本発明のウエット処理装置の第2実施例を示す図である。
【符号の説明】
12…エッチング槽
14…支持手段
16…基板
20、22…支持ピン
24、30…アクアナイフ
36…回動支持軸
38…アクチュエータ
Claims (3)
- 被処理物を支持する支持手段と、
該支持手段に支持された被処理物の一端側に該被処理物に対して斜め方向に処理液をカーテン状に吐出する第1のアクアナイフと、
該支持手段に支持された被処理物の反対端部側に該被処理物に対して斜め方向に処理液をカーテン状に吐出する第2のアクアナイフとを備え、
該第1及び第2のアクアナイフは、交互に使用されながら処理液を交互に流すようになっており、
該支持手段は、使用されるアクアナイフ側の該被処理物の端部がその反対側の端部よりも高位置となるように該被処理物を支持するように構成されていることを特徴とするウェット処理装置。 - 被処理物が半導体装置の基板であり、該基板にウェットエッチングを行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のウェット処理装置。
- 該支持手段は被処理物の裏面及び外周部を支持する支持ピンからなることを特徴とする請求項1に記載のウェット処理装置。
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