JP3719480B2 - 気密性容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は気密性容器に関し、詳しくは、ウェットティッシュ等を収納する気密性に優れた容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウェットティッシュ等を収納する気密性のある容器として、例えば、頂壁中央部に取り出し口を穿設した容器本体と、取り出し口に密嵌して閉塞するシール筒を蓋板裏面より垂設するとともに、後部を容器本体後部に回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けた蓋体とを備えてなる合成樹脂製のものが知られている。
【0003】
これらは、容器本体と蓋体との軸着部にトーションバネを介在させて、蓋体前部の容器本体に対する係合を解除した際に自動的に開蓋する如く構成している。また、蓋体前部の係合解除手段として、図4に示す如く、容器本体50に嵌着した中蓋51の先端縁より折り返し係止した基板52の上面より支持突片53を一体に突設し、また、支持突片53の先端を押圧板54の裏面に一体に連結し、更に蓋体55の先端部には先端縁より内方へ切欠き部56を穿設して、この切欠き部56の下方に押圧板54を臨ませている。そして、押圧板54の外側端部を押し下げることにより、支持突片53を支点としてその内側端部が上方へ移行し、蓋体55の頂板57下面を押し上げて頂板57裏面より垂設したシール筒58と取り出し口59とに設けた係合突起60及び係止突起61の係合が外れ、トーションバネ(図示せず)の弾発力により蓋体55が開く如く構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の容器は、押圧板54を押し下げるだけで簡単に開蓋し、また、蓋体55を押し下げるだけで簡単に閉蓋するため、使勝手が良く、使用上すこぶる便利であるが、トーションバネを使用しているため、その組み付け操作が面倒であり、また、近年の合成樹脂と金属との分別廃棄が要望されている点からも樹脂単一での形成が望まれる。
【0005】
また、シール筒58の嵌合部分に係合突起60と係止突起61との係合手段を備えているので、その部分の気密性が若干劣る。
【0006】
本発明では、上記した点に鑑み、金属製のトーションバネを使用しなくても、片手操作により簡単に開蓋することができるとともに、蓋体の一部を指先で上方から押すだけて閉蓋することができ、しかも構造も簡単で安価に製造でき、気密性にも優れた合成樹脂製の容器を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の容器は上記課題を解決するため、頂壁3中央部に蓋板嵌合用の凹部aを形成するとともに、凹部a中央部に取り出し口4を形成し、且つ、凹部a内前部を揺動板押し下げ用の押し下げ空間a1に形成してなる容器本体Aと、凹部a内に収納させた蓋板5の後部を容器本体上面後部に回動可能に連結するとともに、蓋板裏面中央部より垂設したシール筒6を取り出し口4を密閉して嵌合させ、且つ、容器本体上面に開閉可能に設けた蓋体Bとを備え、蓋板5前部の押し下げ空間a1上方に指掛け用の窓孔8を穿設し、取り出し口4前縁の凹部底壁縁部より前方凹部底壁上へ嵌合基部9を折り返し嵌合させるとともに、嵌合基部9より立設した支持突片10を介して窓孔に臨ませた揺動板11を横設し、揺動板の外側端を押し下げた際に、支持突片10を支点として蓋板前部が上方に押し上げられて窓孔への指掛けが可能になる如く構成してなることを特徴とする気密性容器として構成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明の容器1は、容器本体Aと蓋体Bとを備えている。
容器本体Aは合成樹脂により形成されたもので、頂壁中央部に蓋板嵌合用の凹部を形成するとともに、凹部中央部に取り出し口を形成し、また、凹部内前部を揺動板押し下げ用の押し下げ空間に形成している。凹部は、蓋体Bの後述する蓋板を収納させるためのものであり、少なくとも蓋板が収納できる深さを備えており、蓋体の平面輪郭と略同様な平面形状とすると良い。また、前部においては後述する揺動板の押し下げ空間を形成するものであり、少なくとも取り出し口と後述シール筒との密嵌を解消する程度の揺動板の押し込みが可能な深さを備えている。
【0009】
図示例では、四角板状で周縁部に二条の突条で形成した嵌合凹溝を立設してなる底蓋A1と、該底蓋の嵌合凹溝に下端縁を密嵌して固定した四角筒状の周壁2上端縁より頂壁3を延設してなる胴部A2とから容器本体Aを構成している。
【0010】
また、凹部aは、頂壁3中央部を縦長四角形状に凹ませて形成しており、その中央部に円形状の取り出し口4を穿設している。また、凹部の前部内には、後述する嵌合基部が嵌合するとともに、肉厚程度の浅い矩形状をなす嵌合凹部bを凹設し、該嵌合凹部b上方の凹部a内を押し下げ空間a1として構成している。
【0011】
図示例の凹部aは、嵌合凹部b部分を除いて全体を同じ深さとしているが、例えば、押し下げ空間a1を形成する前部だけを深く、その他の部分を蓋板の肉厚程度に浅くすることも可能である。
【0012】
蓋体Bも合成樹脂により形成されたもので、凹部aに収納させた蓋板5後部を容器本体A上面後部に回動可能に連結するとともに、蓋板5裏面中央部より垂設したシール筒6を取り出し口4を密閉して嵌合させ、容器本体A上面に開閉可能に設けている。
【0013】
図示例では、凹部aの周壁内周上端部に外周縁を位置させて収納した矩形状の蓋板5を有し、蓋板5下面後縁部より垂設した突部7両面を、凹部の周壁内面両側後端部に軸着,枢着等の適宜手段により回動可能に連結している。また、蓋板5裏面中央部より垂設した円筒状のシール筒6を取り出し口4内面に密嵌させている。
【0014】
本発明では、蓋板5前部の押し下げ空間a1上方に指掛け用の窓孔8を穿設し、取り出し口4前縁の凹部底壁縁部より前方凹部底壁上へ嵌合基部9を折り曲げ嵌合させるとともに、嵌合基部9より立設した支持突片10を介して窓孔に臨ませた揺動板11を横設し、揺動板11の外側端を押し下げた際に、支持突片10を支点として蓋板5前部が上方に押し上げられて窓孔8への指掛けが可能になる如く構成している。この嵌合基部9,支持突片10,揺動板11は容器本体Aと一体に形成する。
【0015】
図示例では、円形の取り出し口4の前部一部を直線状に形成し、該直線状部分の縁部に薄肉ヒンジ12を介して矩形状をなす嵌合基部9の一端を連結し、この嵌合基部9を前方へ折り返して上記嵌合凹部b内に密嵌固定させる如く構成している。また、支持突片10は、折り返した嵌合基部9の上面後部より立設した矩形板状をなし、更に、揺動板11は、その前部を肉厚程度一段下げて蓋板5下面に潜らせ当接させた押し上げ部11a に構成し、その他の部分は窓孔8内に蓋板5と同レベルで位置する如く構成して、支持突片10を中心に揺動可能に設けている。
【0016】
上記の如く構成した容器を使用する場合に付いて説明すると、例えば、図1の実線の状態から指の先で揺動板11の外側端を押し下げると、シール筒6の取り出し口4との密嵌が解除されて蓋板5前部が上方へ持ち上げられ、次いで指先を二点鎖線にある如く、窓孔8の前縁部を形成する蓋板5裏面に掛けて持ち上げれば蓋体Bは容易に開き、内容物を取り出すことが出来る。この際、揺動板11は支持突片10の弾性復元力で元の水平状態にもどる。
【0017】
使用後は蓋板5上面を押して蓋体Bを閉じれば、シール筒6が取り出し口4に密嵌し、元の状態に戻る。
【0018】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明容器は、既述構成としたことにより、シール筒の取り出し口への嵌合により容器体内収納物を確実に密封することができるとともに、揺動板の押し下げによりシール筒の密嵌状態を解除し、次いで、窓孔へ掛けた指を引き上げるだけの簡単な操作で開蓋させることができるため、容器本体を固定しなくても片手での開蓋を容易に行える。
【0019】
しかもトーションバネの如き金属を部材として使用しなくても蓋体の開閉が極めて容易に行えるため、廃棄の際に金属と合成樹脂とを分離する必要もない。
【0020】
また、嵌合基部,支持突片,揺動板はいずれも容器本体と一体に形成することができるため、製造上の煩雑さをできるだけ解消することができる。
【0021】
また、嵌合基部の折り返し端部と反対側に於いて揺動板を押し下げているため、揺動板の押し下げにより嵌合基部の嵌合が外れるという様な不都合を生じる虞はない。
【0022】
更に、蓋板は凹部内に嵌合させているため、容器上面を略平坦面にすることが出来、積み重ねを容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部拡大断面図である。
【図2】同実施例の斜視図である。
【図3】同実施例の組み付け前の一部分を示す要部拡大断面図である。
【図4】従来容器を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
3…頂壁,4…取り出し口,5…蓋板,6…シール筒,8…窓孔,
9…嵌合基部,10…支持突片,11…揺動板,A…容器本体,B…蓋体,
a…凹部,a1…押し下げ空間
Claims (1)
- 頂壁3中央部に蓋板嵌合用の凹部aを形成するとともに、凹部a中央部に取り出し口4を形成し、且つ、凹部a内前部を揺動板押し下げ用の押し下げ空間a1に形成してなる容器本体Aと、凹部a内に収納させた蓋板5の後部を容器本体上面後部に回動可能に連結するとともに、蓋板裏面中央部より垂設したシール筒6を取り出し口4を密閉して嵌合させ、且つ、容器本体上面に開閉可能に設けた蓋体Bとを備え、蓋板5前部の押し下げ空間a1上方に指掛け用の窓孔8を穿設し、取り出し口4前縁の凹部底壁縁部より前方凹部底壁上へ嵌合基部9を折り返し嵌合させるとともに、嵌合基部9より立設した支持突片10を介して窓孔に臨ませた揺動板11を横設し、揺動板の外側端を押し下げた際に、支持突片10を支点として蓋板前部が上方に押し上げられて窓孔への指掛けが可能になる如く構成してなることを特徴とする気密性容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13466798A JP3719480B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 気密性容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13466798A JP3719480B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 気密性容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11310257A JPH11310257A (ja) | 1999-11-09 |
JP3719480B2 true JP3719480B2 (ja) | 2005-11-24 |
Family
ID=15133752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13466798A Expired - Fee Related JP3719480B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 気密性容器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3719480B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001225879A (ja) * | 2000-02-17 | 2001-08-21 | Crecia Corp | 密封性を改善したウエットティシュ包装容器 |
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1998
- 1998-04-27 JP JP13466798A patent/JP3719480B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH11310257A (ja) | 1999-11-09 |
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