JP3716652B2 - オートクルーズ制御装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を一定速度を保って走行するよう制御するオートクルーズ制御において、補助ブレーキの作動制御も自動的に行うようにしているオートクルーズ制御装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両におけるオートクルーズ制御は、もともとドライバーの運転操作の負担を軽減するために行われている。エンジンは、ドライバーによって設定された設定車速を保つよう制御される。車速が設定車速より大になるようであれば、エンジンはアイドル状態とされ、エンジンブレーキがかけられ、設定車速に引きもどされる。
しかし、下り坂を走行する場合などのように、エンジンブレーキだけでは設定車速に保ち得ない場合があるので、補助ブレーキを自動的に作動させて設定車速に保つようにしたものがある。
【0003】
図4は、そのような従来のオートクルーズ制御装置を示す図である。図4において、1はオートクルーズ制御スイッチ、2はアクセルセンサ、3はコントローラ、3−1は補助ブレーキ制御プログラム部、4はエンジン、5はクラッチ、6は変速機、7はプロペラシャフト、8は駆動輪、9は補助ブレーキ、10は車速センサである。
オートクルーズ制御スイッチ1には、オートクルーズ用メインスイッチ,セットスイッチ(車速の設定、あるいは車速の減少をするためのスイッチ),リジュームスイッチ(車速の増加、あるいはオートクルーズ一時解除からの復帰をするためのスイッチ),オートクルーズ解除スイッチ等が含まれる。
【0004】
アクセルセンサ2は、アクセルペダルの踏み込みによるアクセル開度を検出する。アクセル開度が、エンジンアイドル時のアクセル開度より大となった時、アクセルペダルの踏み込み有りと判断される。
コントローラ3は、例えばCPU,メモリ等でコンピュータ的に構成され、その中には当然のことながら、オートクルーズ制御用の制御プログラムが保持される。更に、補助ブレーキ制御プログラム部3−1を具え、補助ブレーキを必要に応じて自動的に作動させるための制御プログラムを保持している。
補助ブレーキ9としては、例えば、排気ブレーキやリターダがある。車両によっては、これらの一方しか具えていないものもあれば、両方とも具えているものもある。両方とも具えている場合、いずれを先に作動開始させ、いずれを先に作動解除するかは、それぞれの作動開始車速,作動解除車速をどのような値に設定するかによって決定される。次に、その例を示す。
【0005】
図7は、補助ブレーキ制御プログラムによる補助ブレーキの作動開始,作動解除を示す図であり、Kは車速の変化を表す曲線である。横軸は、いずれも時間を表している。図7(イ)は車速の変化を示し、図7(ロ)は排気ブレーキの作動状況を示し、図7(ハ)はリターダの作動状況を示している。VCRは、設定車速である。
補助ブレーキは、車速が増大して、設定車速VCRより予め定めてある車速だけ偏差した場合、作動が開始されるように制御され、予め定めてある偏差まで車速が減少した場合、作動が解除されるように制御される。
【0006】
図7では、排気ブレーキ,リターダの作動偏差車速,解除偏差車速を、次のようにしている。
排気ブレーキの作動偏差車速 Va1
排気ブレーキの解除偏差車速 Va2
リターダの作動偏差車速 Vb1
リターダの解除偏差車速 Vb2
そして、Vb1 >Va1 , Vb2 >Va2 という関係にあるとしている。
【0007】
そうすると、図7(イ)に示すように、車速が設定車速VCRより増大してゆき、時点t11において偏差車速がVa1 に達したとすると(点A1 ,車速=VCR+Va1 )、そこで排気ブレーキが作動させられる(図7(ロ)参照)。更に、偏差車速が増大し、時点t12にVb1 に達すると(点B1 )、リターダも作動させられる。つまり、排気ブレーキが先に作動させられ、なお車速が増大すればリターダも作動させられる。
車速が減少してきて、時点t13で偏差車速がVb2 まで低下すると(点B2 )、リターダの作動が解除され、更に減少して時点t14で偏差車速がVa2 まで低下すると(点A2 )、排気ブレーキの作動も解除される。つまり、リターダが先に解除され、その次に排気ブレーキが解除される。作動偏差車速や解除偏差車速を変えることにより、排気ブレーキとリターダの作動,解除の順序を変えることが出来る。
【0008】
次に、オートクルーズ制御の動作を説明する。
図6は、従来のオートクルーズ制御の動作を説明するフローチャートである。このフローチャートによる制御は、図4のコントローラ3を中心として行われる。なお、ここでは、補助ブレーキ9として、排気ブレーキとリターダとを備え、それらの作動偏差車速,解除偏差車速は、図7の如くであるとする。
【0009】
ステップ1…アクセルペダルが踏み込まれているかどうか判断する。これは、図4のアクセルセンサ2からの検出信号(アクセル開度)が、アイドリングの範囲のアクセル開度(=アイドル判定アクセル開度)よりも、大とされたかどうかによって判断される。
ステップ2…もし、アクセルペダルが踏み込まれていなければ、まず補助ブレーキ9のうちの排気ブレーキが作動中かどうか調べる。これは、排気ブレーキへ作動信号が送られているかどうかにより、調べることが出来る。
【0010】
ステップ3…排気ブレーキが作動中でない場合には、車速センサ10で検出される車速Vが、「設定車速VCR+排気ブレーキ作動偏差車速Va1 」以上になっているかどうか調べる。つまり、排気ブレーキを作動させなければならない車速になっているかどうか調べる。なっていなければ、ステップ7へ進む。
ステップ4…車速Vが、「設定車速VCR+排気ブレーキ作動偏差車速Va1 」以上になっていれば、排気ブレーキを作動させる。
ステップ5…ステップ2で排気ブレーキが作動中であれば、車速Vが、「設定車速VCR+排気ブレーキ解除偏差車速Va2 」以下になっているかどうか調べる。つまり、排気ブレーキの作動を解除してよい車速になっているかどうか調べる。なっていなければ、ステップ7へ進む。
ステップ6…車速Vが、「設定車速VCR+排気ブレーキ解除偏差車速Va2 」以下になっていれば、排気ブレーキの作動を解除する。
【0011】
ステップ7…リターダが作動中かどうか調べる。これは、リターダへ作動信号が送られているかどうかにより、調べることが出来る。
ステップ8…リターダが作動中でない場合には、車速Vが、「設定車速VCR+リターダ作動偏差車速Vb1 」以上になっているかどうか調べる。つまり、リターダを作動させなければならない車速になっているかどうか調べる。なっていなければ、エンドへ進む。
ステップ9…車速Vが、「設定車速VCR+リターダ作動偏差車速Vb1 」以上になっていれば、リターダを作動させる。
ステップ10…ステップ7でリターダが作動中であれば、車速Vが、「設定車速VCR+リターダ解除偏差車速Vb2 」以下になっているかどうか調べる。つまり、リターダの作動を解除してよい車速になっているかどうか調べる。なっていなければ、エンドへ進む。
ステップ11…車速Vが、「設定車速VCR+リターダ解除偏差車速Vb2 」以下になっていれば、リターダの作動を解除する。
【0012】
ステップ12…ステップ1で、アクセルペダルが踏み込まれたという場合には、補助ブレーキ9(排気ブレーキ,リターダ)の作動を中止する。従って、仮に車速Vが「設定車速VCR+排気ブレーキ作動偏差車速Va1 」以上となり、排気ブレーキが作動しようとしても、その作動は中止される。ドライバーの加速の意志を尊重してのことである。
なお、このように、オートクルーズ中にドライバーが加速の意志を示す場合としては、前車を追い越すために一時的に速度を上げるというような場合が挙げられる。
ステップ13…アクセルペダルが元に戻されたかどうかを監視する。戻されない間は、補助ブレーキ9の作動中止が維持される。
ステップ14…アクセルペダルが元に戻された時には、補助ブレーキ9の作動中止を解除する。即ち、補助ブレーキ9の自動作動制御が再開される。従って、例えば、排気ブレーキが作動すべき状態であれば、作動させられる。
【0013】
なお、このようなオートクルーズ制御装置に関する従来の文献としては、例えば、特開平8−183371号公報等がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)
しかしながら、前記した従来の技術には、次のような問題点があった。
即ち、一時的加速のためにアクセルペダルを踏み込んだ後、アクセルペダルを元に戻すと、直ちに補助ブレーキの自動作動制御が再開されるので(図6ステップ12〜14参照)、一時加速と補助ブレーキ作動の繰り返しによる波状運転が発生しがちであり、それに伴い、運転フィーリングの悪化,燃費の悪化,後続車との間の危険増大,登坂性能の低下等が生ずるという問題点があった。
【0015】
(問題点の説明)
図5は、従来のオートクルーズ制御において一時的に加速した場合の各要素の時間的変化を示す図である。横軸は、いずれも時間を表している。図5(イ)は車速の変化を示し、図5(ロ)は補助ブレーキの制御の状況を示し、図5(ハ)はアクセルペダルの踏み込み状況を示している。Kは車速の変化を示す車速曲線、P5 〜P10は動作点、C1 ,C2 は想定される仮想車速曲線、TX ,TY はアクセルペダル踏込時間(つまり、一時加速された時間)、VB は補助ブレーキ解除偏差車速である。
【0016】
アクセルペダルが踏み込まれていない時間t0 〜t5 の間は、オートクルーズ制御により設定車速VCRに保たれている。この間、補助ブレーキは、車速に応じて自動的に作動させられたり解除されたりするという自動作動モードとされている。一時加速したい事情があり、時点t5 でドライバーがアクセルペダルを踏み込むと、補助ブレーキは、前記のような自動作動を中止するという中止モードに切り換えられる。従って、車速は、アクセルペダルの踏み込みに応じて次第に増大してゆく(点P5 →P6 )。ただ、アクセルペダルを踏み込んでも直ちに車速は上昇するわけではなく、ある程度の時間踏み込み続けないと上昇しない(例えば、前の車両を追い越そうとする場合、一杯に踏み込んでも数秒以上継続しないと、追い越すのに必要な速度差は生じないことがしばしばある。)。
【0017】
アクセルペダルを時間TX だけ踏み込んだ後、元に戻せば、通常(つまり、補助ブレーキの作動はなく、エンジンブレーキのみが働く時には)、曲線C1 の如く車速が変化してくれるという運転感覚(運転フィーリング)をドライバーは持っているので、そう変化してくれるものと予想する。ドライバーは、そのつもりで時点t6 (点P6 )でアクセルペダルを元に戻す。
【0018】
しかし、時点t6 においてアクセルペダルが元に戻されると、補助ブレーキの制御モードは自動作動モードに戻されてしまう。一時加速された後であるから、当然、車速は「設定車速VCR+補助ブレーキ作動偏差車速」より大となっており、まだ「設定車速VCR+補助ブレーキ解除偏差車速VB 」以下とはなっていないであろうから、補助ブレーキは直ちに作動させられる。
従って、エンジンブレーキに加え補助ブレーキも作動するので、実線の如く急激に減速される(点P6 →点P7 )。このような急激な減速は、エンジンブレーキだけで自然に減速させても差し支えない程度の速度を、わざわざ補助ブレーキを作動させて無理に減少させるわけであるから、せっかく走行できる距離をわざと短くしているようなものであり、燃費の悪化にもつながる。
車速が、「設定車速VCR+補助ブレーキ解除偏差車速VB 」まで低下した点P7 で、補助ブレーキの作動はやっと解除される。
【0019】
ドライバーは仮想車速曲線C1 のように変化してくれるものと思っているのに、それに反して車速が変化するので、ドライバーの運転フィーリングは悪化する。
また、アクセルペダルを踏み込んでから、意図している車速が実現されるまでには多少の時間遅れがあるわけであるが、アクセルペダルを元に戻すと直ちに補助ブレーキが働くので、仮想車速曲線C1 よりも減速される。ドライバーは仮想車速曲線C1 の如く走行するつもりで運転しているのに、そのようには走行してくれないと、ドライバーは再度加速すべく、その後(例えば、時点t8 (点P8 )で)アクセルペダルを踏み込むことになる。その場合も、車速はやはり同様な変化をする(P8 →P9 →P10)。
【0020】
以上のようにして、一時加速する場合、加速しては補助ブレーキにより急激に減速されるというように、車速が波状に変化する運転(波状運転)となる。これは、先にも述べたように、運転フィーリングを害し、燃費の悪化をもたらすほか、後続車のドライバーが当然予想する運転(車速を急激に変化させない安定した運転)に反する運転であり、追突の危険をもたらす。更に、ドライバーが意図しないのに補助ブレーキが働くので、登坂時であれば登坂性能を低下させてしまう。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では、オートクルーズ走行中に、アクセルペダルが踏み込まれたら補助ブレーキの自動作動制御を中止し、アクセルペダルが元に戻されたら設定車速に保つために補助ブレーキを自動作動制御する補助ブレーキ制御手段が付設されたオートクルーズ制御装置において、アクセルペダルが踏み込まれてからアクセルペダルが元に戻されるまでのアクセルペダル踏込時間を計時する第1のタイマ手段と、車速がオートクルーズ設定車速に復帰したと判定される復帰判定速度に低下した時から、車速が該復帰判定速度より小に維持されている時間を計時するための第2のタイマ手段とを備え、前記第1のタイマ手段で計時したアクセルペダル踏込時間が所定の一時加速判定時間以上であった時には、前記第2のタイマ手段で計時した前記時間が所定の復帰判定時間以上となった時に、補助ブレーキの自動作動制御を再開することとした。
【0022】
また、本発明では、オートクルーズ走行中に、アクセルペダルが踏み込まれたら補助ブレーキの自動作動制御を中止し、アクセルペダルが元に戻されたら設定車速に保つために補助ブレーキを自動作動制御する補助ブレーキ制御も併せて行うオートクルーズ制御方法において、アクセルペダルが踏み込まれてからアクセルペダルが元に戻されるまでのアクセルペダル踏込時間が所定の一時加速判定時間以上であった場合には、車速がオートクルーズ設定車速に復帰したと判定される復帰判定速度より小に維持されている時間が、所定の復帰判定時間を越えた時に、補助ブレーキの自動作動制御を再開することとした。
【0023】
(解決する動作の概要)
アクセルペダルが踏み込まれたら、補助ブレーキの自動作動制御を中止するのは従来と同様であるが、アクセルペダルを元に戻してからの制御が、従来のものと相違する。
即ち、アクセルペダル踏込時間が所定の一時加速判定時間以上であるか否かにより、ドライバーの意志により一時的加速がなされたか否かを判定する。そして、一時的加速がなされた場合には、アクセルペダルが元に戻されたとしても、直ちに補助ブレーキを作動させることはしない。補助ブレーキの自動作動制御の再開は、エンジンブレーキのみにより、車速がオートクルーズ設定車速に復帰したと判定される復帰判定速度より小に維持されている時間が、所定の復帰判定時間を越えた時に行う。
これにより、運転フィーリングの悪化,燃費の悪化,あるいは登坂性能の低下等を防止することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のオートクルーズ制御装置を示す図である。符号は図4のものに対応し、3−2,3−3はタイマ手段である。図4と相違する点は、タイマ手段3−2,3−3を設けた点である(なお、タイマ手段3−2,3−3を設ける位置は、必ずしもコントローラ3内でなくとも構わない)。図4の符号と同じ符号のものは、図4のものと同様であるので、その説明は省略する。
タイマ手段3−2は、アクセルペダルが踏み込まれている時間を計時するためのものであり、タイマ手段3−3は、車速がオートクルーズの設定車速に復帰したと判定される復帰判定速度に低下した時(具体的には、「設定車速VCR+補助ブレーキ解除偏差車速VB 」より小となった時)から、車速がそれより小に維持されている時間を計時するためのものである。
【0025】
図3は、本発明のオートクルーズ制御の動作を説明するフローチャートである。ステップ1〜13の制御動作は、図6のステップ1〜13の制御動作(従来動作)と同様である。異なるのは、ステップ13の次にステップ14〜16を入れた点である。その後のステップ17(補助ブレーキの作動中止を解除)は、図6のステップ14にやはり対応している。
従って、ここでは、本発明での新規な制御ステップであるところの図3のステップ14〜16の動作、およびそれに関連する動作を説明する。
【0026】
ステップ1…アクセルペダルが踏み込まれているかどうか判断する。アクセルペダルが踏み込まれた場合、タイマ手段3−2での計時が開始される。
ステップ14…ステップ13の判定の結果、アクセルペダルが元に戻されたという場合、タイマ手段3−2による計時が一時加速判定時間T1 以上となっているかどうか調べる。もし、なっていなければ(つまり、アクセルペダルが踏み込まれていた時間が一時加速判定時間T1 より短かった場合)、ステップ17に進み、補助ブレーキの作動中止を解除する(自動作動制御を再開する)。もし、一時加速判定時間T1 以上踏み続けていたとすれば、ステップ15へ進む(加速意志ありと判断されるから、補助ブレーキの作動は中止したままとする)。
【0027】
ステップ15…補助ブレーキの作動は中止したままで、車速の変化を監視し、車速が設定車速に復帰したと判定される復帰判定速度に低下した時(「設定車速VCR+補助ブレーキ解除偏差車速VB 」より小となった時)に、タイマ手段3−3による計時を開始する。なお、車速が上記の復帰判定車速より大となれば、計時はリセットされる。
ステップ16…タイマ手段3−3による計時が復帰判定時間T2 以上継続したかどうか判定する。それ以上継続した場合、ステップ17へ進み、補助ブレーキの作動中止を解除する(自動作動を再開する)。
【0028】
図2は、本発明のオートクルーズ制御において一時加速した場合の各要素の時間的変化を示す図である。符号は図5のものに対応している。
時点t1 (点P1 )でアクセルペダルを踏み込み、所望の一時加速をした後、時点t2 (点P2 )でアクセルペダルを元に戻したとする。時点t1 からt2 までの時間が、所定の一時加速判定時間T1 より大であった場合には、アクセルペダルを元に戻したとしても、そのことだけで直ちには補助ブレーキの自動作動中止モードを解除しないようにする。従って、補助ブレーキは作動されず、エンジンブレーキが働くのみである。
なお、一時加速判定時間T1 の長さは、ドライバーが一時加速の意志をもってアクセルペダルを踏み込んだ場合、通常継続されると思われる踏み込み時間より、やや短い程度の長さに設定しておく。誤ってアクセルペダルを踏み込んだ場合の継続時間は、一時加速判定時間T1 より相当短いのが普通である。
【0029】
エンジンブレーキにより徐々に減速され、車速が「設定車速VCR+補助ブレーキ解除偏差車速VB 」まで低下したところで(時点t3 の点P3 )、設定車速に復帰したと判定される。そして、その時点よりタイマ手段3−3の計時が開始され、その状態が所定の復帰判定時間T2 だけ継続した時(時点t4 )に、ようやく補助ブレーキを自動作動モードに戻す。
なお、復帰判定時間T2 の長さは、車速が、通常この程度の時間、「設定車速VCR+補助ブレーキ解除偏差車速VB 」以下に保たれていれば、殆ど間違いなく設定車速VCRに戻るというような長さに設定しておく。
【0030】
一方、アクセルペダル踏み込み時間が一時加速判定時間T1 より短い場合は、ドライバーに一時加速する意志がなかったと判断される場合であるが、この場合には、アクセルペダルを元に戻すと従来同様、直ちに補助ブレーキが自動作動制御が再開される。例えば、誤ってアクセルペダルを短時間だけ踏み込んでしまったような場合には、直ちに再開される。
以上のような制御方法により、ドライバーの意志で一時的加速をした場合には、アクセルペダルを元に戻したからといって直ちには補助ブレーキを作動させず、運転フィーリングの悪化や波状運転の発生を防止でき、それに伴う燃費の悪化等々の不都合の発生も防止できる。
【0031】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のオートクルーズ制御装置および方法によれば、ドライバーの意志により一時的加速がなされた場合には、アクセルペダルが元に戻されたとしても、直ちに補助ブレーキを作動させることはしないようにした。そして、補助ブレーキの自動作動制御の再開は、エンジンブレーキのみにより減速され、オートクルーズ設定車速に復帰したと判定される復帰判定速度より小に維持されている時間が、所定の復帰判定時間を越えた時に行うようにした。
そのため、次のような効果を奏する。
▲1▼運転フィーリングの悪化の防止
▲2▼燃費の悪化の防止
▲3▼登坂性能の低下の防止
▲4▼波状運転(一時加速と補助ブレーキ作動の繰り返し運転)の防止
▲5▼波状運転に起因する後続車への危険の解消
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のオートクルーズ制御装置を示す図
【図2】 本発明のオートクルーズ制御において一時加速した場合の各要素の時間的変化を示す図
【図3】 本発明のオートクルーズ制御の動作を説明するフローチャート
【図4】 従来のオートクルーズ制御装置を示す図
【図5】 従来のオートクルーズ制御において一時加速した場合の各要素の時間的変化を示す図
【図6】 従来のオートクルーズ制御の動作を説明するフローチャート
【図7】 補助ブレーキの作動開始,作動解除を示す図
【符号の説明】
1…オートクルーズ制御スイッチ、2…アクセルセンサ、3…コントローラ、3−1…補助ブレーキプログラム部、3−2,3−3…タイマ手段、4…エンジン、5…クラッチ、6…変速機、7…プロペラシャフト、8…駆動輪、9…補助ブレーキ、10…車速センサ
Claims (2)
- オートクルーズ走行中に、アクセルペダルが踏み込まれたら補助ブレーキの自動作動制御を中止し、アクセルペダルが元に戻されたら設定車速に保つために補助ブレーキを自動作動制御する補助ブレーキ制御手段が付設されたオートクルーズ制御装置において、
アクセルペダルが踏み込まれてからアクセルペダルが元に戻されるまでのアクセルペダル踏込時間を計時する第1のタイマ手段と、
車速がオートクルーズ設定車速に復帰したと判定される復帰判定速度に低下した時から、車速が該復帰判定速度より小に維持されている時間を計時するための第2のタイマ手段
とを備え、
前記第1のタイマ手段で計時したアクセルペダル踏込時間が所定の一時加速判定時間以上であった時には、前記第2のタイマ手段で計時した前記時間が所定の復帰判定時間以上となった時に、補助ブレーキの自動作動制御を再開するようにした
ことを特徴とするオートクルーズ制御装置。 - オートクルーズ走行中に、アクセルペダルが踏み込まれたら補助ブレーキの自動作動制御を中止し、アクセルペダルが元に戻されたら設定車速に保つために補助ブレーキを自動作動制御する補助ブレーキ制御も併せて行うオートクルーズ制御方法において、
アクセルペダルが踏み込まれてからアクセルペダルが元に戻されるまでのアクセルペダル踏込時間が所定の一時加速判定時間以上であった場合には、
車速がオートクルーズ設定車速に復帰したと判定される復帰判定速度より小に維持されている時間が、所定の復帰判定時間を越えた時に、補助ブレーキの自動作動制御を再開するようにした
ことを特徴とするオートクルーズ制御方法。
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