JP4283209B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
また、車両には、ブレーキペダル操作とは無関係にブレーキ力を保持し、アクセルペダル操作やクラッチ状態に応じて前記ブレーキ力を低下させるブレーキ保持機能を備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。
この場合に、駆動力が発生するまでにかかる時間に対してブレーキ力を保持している期間(換言すると、ブレーキ力を開放するタイミング)が適切でないと、発進時に運転者が期待する加速感が得られず、違和感を覚える。
そこで、この発明は、エンジンを自動再始動しブレーキ力を開放して発進する際に運転者に違和感を生じさせないようにした車両の制御装置を提供するものである。
このように構成することにより、エンジン自動停止後に発進する際に、アクセルペダルの踏み込み量に応じてブレーキ力保持の終了タイミングを変更することが可能になる。
また、アクセルペダルの踏み込み量が大きいときほど、ブレーキ力保持の終了タイミングを早めることが可能になるので、エンジン自動停止後に発進する際に、アクセルペダルの踏み込み量が大きいときほど素速く発進させることができ、運転者の期待する加速感を得ることができる。
さらに、通信速度を確保することができるとともに、通信異常時の補償が容易になる。
また、通信異常のときに、ブレーキ力保持の終了タイミングが異常に早くなったり遅くなったりするのを防止することが可能になるので、通信異常時における発進の信頼性が向上する。
図1は、本発明に係る制御装置を備えた車両1のブロック図である。
車両1は、多気筒レシプロタイプのエンジン2と、このエンジン2の動力を駆動輪3に伝達する多段自動変速機(以下、変速機と略す)4と、駆動輪3にブレーキ力を付与して制動するディスクブレーキ装置(以下、ブレーキ装置と略す)5と、を備えている。
エンジン2に対する燃料噴射および点火は、出力要求に応じてエンジンECU(エンジン電子制御装置)10によって制御される。また、この車両1では電子制御スロットルシステム(いわゆるドライブ・バイ・ワイヤ・システム、略してDBWシステム)が採用されており、エンジン2のスロットルバルブ(図示せず)の作動は、アクセルペダルの踏み込み量に基づいてエンジンECU10により電子制御される。
変速機4のギヤポジションは、車両の運転状態に応じて変速機ECU(変速機電子制御装置)11により、図示しない油圧回路を介して制御される。変速機ECU11にはアクセルペダルセンサ7の出力信号などが入力される。
また、この車両においては、エンジンECU10と変速機ECU11とブレーキECU12は、それぞれのECUにおける制御を実行する上で必要な情報を相互に通信可能に接続されている。例えば、車両の運転状態情報がエンジンECU10から変速機ECU11およびブレーキECU12に送信され、変速機4のギヤポジション情報などが変速機ECU11からエンジンECU10およびブレーキECU12に送信され、ブレーキ装置5のブレーキ状態情報などがブレーキECU12からエンジンECU10および変速機ECU11に送信される。
エンジン2の自動停止はエンジン停止条件が成立したときに実行される。エンジン停止条件は、例えば、ブレーキスイッチ6が「ON」、アクセルペダルの踏み込み量が「0」、車速がエンジン停止許可車速(例えば、15km/hr)以下などである。
エンジン2の自動始動はエンジン再始動条件が成立したときに実行される。エンジン再始動条件は、ブレーキスイッチ6が「OFF」、アクセルペダルの踏み込み量が所定値以上などである。
ステップS101において、エンジン自動停止中か否かを判定する。ステップS101における判定結果が「YES」(自動停止中)である場合は、ステップS102に進み、エンジン再始動条件が成立したか否かを判定する。ステップS102における判定結果が「YES」(再始動条件成立)である場合は、ステップS103に進み、エンジン2の自動再始動処理(始動モータによるエンジン始動、および、燃料噴射、点火制御等)を実行する。ステップS101およびステップS102における判定結果が「NO」である場合は、エンジン2の自動再始動処理を実行しない。
なお、この実施例において、エンジンECU10がステップS101〜ステップS103の処理を実行することにより、エンジン始動手段が実現される。
まず、ステップS201において、エンジン自動停止中か否かを判定する。ここで、エンジン自動停止中とは、図4のタイムチャートに示すように、エンジン2の自動再始動開始前までの状態をいう。ステップS201における判定結果が「YES」(自動停止中)である場合は、ステップS208に進み、「ブレーキ力保持要求あり」の制御信号をエンジンECU10からブレーキECU12に通信し、ブレーキECU12を介して、ブレーキ力の保持を継続するようにブレーキ装置5を制御して、本ルーチンの実行を一旦終了する。すなわち、エンジン自動停止中はブレーキ力が一定に保持される。
ステップS202における判定結果が「YES」(エンジン自動再始動中)である場合は、ステップS203に進み、ブレーキスイッチ6の出力信号に基づいてブレーキペダルが解放されたか否かを判定する。この場合、ブレーキスイッチ6が「OFF」のときにブレーキペダルが解放されたと判定される。
ステップS203における判定結果が「YES」(ブレーキペダル解放)である場合は、ステップS204に進み、タイマセットフラグFが「1」か否か判定する。
この実施例におけるブレーキ保持時間テーブルは、アクセルペダルの踏み込み量が所定値以下ではブレーキ保持時間がt0で一定であり、前記所定値を超えると、アクセルペダルの踏み込み量が大きくなるにしたがってブレーキ保持時間が短くなるように設定されている。
ステップS207における判定結果が「NO」(タイマー値≠0)である場合は、ステップS208に進み、「ブレーキ力保持要求あり」の制御信号をエンジンECU10からブレーキECU12に通信し、ブレーキECU12を介して、ブレーキ力の保持を継続するようにブレーキ装置5を制御して、本ルーチンの実行を一旦終了する。これにより、エンジン自動再始動開始からブレーキ保持時間が経過するまでの間はブレーキ力が一定に保持される。
そして、ステップS207における判定結果が「YES」(タイマー値=0)である場合は、ステップS209に進み「ブレーキ力保持要求なし」の制御信号をエンジンECU10からブレーキECU12に通信し、ブレーキECU12を介して、ブレーキ力の保持を終了するようにブレーキ装置5を制御する。ブレーキ力保持を終了すると、ブレーキ装置5のブレーキ力は、ブレーキペダルの踏み込み量に応じたブレーキ力に制御される。したがって、ステップS207でYES判定されるときは必ずステップS203でYES判定(ブレーキペダル解放)されているので、この場合にはブレーキ力は発生しない。
この後、ステップS210に進み、タイマセットフラグFを「0」にして、本ルーチンの実行を一旦終了する。
この実施例においては、エンジンECU10がステップS201〜S210の一連の処理を実行することにより、ブレーキ開放タイミング制御手段が実現される。
このように通信異常時には基準タイミングでブレーキ力を開放すると、通信異常時にブレーキ力保持の終了タイミングが異常に早くなったり遅くなったりするのを防止することができ、通信異常時における車両発進の信頼性が向上する。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、エンジンECU10がブレーキ力保持終了制御を実行し、エンジンECU10からブレーキECU12に「ブレーキ力保持要求あり」、「ブレーキ力保持要求なし」の制御信号を通信したが、変速機ECU11がブレーキ力保持終了制御を実行し、変速機ECU11からブレーキECU12に前記制御信号を通信してもよい。
2 エンジン
3 駆動輪
4 変速機
5 ブレーキ装置(ブレーキ保持手段)
7 アクセルペダルセンサ(アクセルペダル踏み込み量検出手段)
10 エンジンECU(エンジン制御手段)
11 変速機ECU(変速機制御手段)
12 ブレーキECU(ブレーキ制御手段)
Claims (1)
- 所定の条件下で自動停止始動可能なエンジンと、
前記エンジンの動力を駆動輪に伝達する変速機と、
エンジン自動停止中の車両に対しブレーキ力を保持するブレーキ保持手段と、
アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダル踏み込み量検出手段と、
前記アクセルペダル踏み込み量検出手段によりアクセルペダルの踏み込みを検出したときに前記エンジンを始動するエンジン始動手段と、
前記アクセルペダル踏み込み量検出手段により検出される踏み込み量に基づいて前記ブレーキ保持手段によるブレーキ力の保持を終了するタイミングを制御するブレーキ開放タイミング制御手段と、
を備え、
前記ブレーキ開放タイミング制御手段は、前記アクセルペダル踏み込み量検出手段により検出される踏み込み量が大きいほど前記ブレーキ力保持の終了タイミングを早く設定する制御を行い、
前記ブレーキ力保持の終了タイミングの情報は、前記エンジンを制御するエンジン制御手段と前記変速機を制御する変速機制御手段の少なくともいずれか一方から、前記ブレーキ保持手段を制御するブレーキ制御手段に通信されるように構成され、
前記通信の異常時には、前記ブレーキ力保持の終了タイミングを、前記ブレーキ開放タイミング制御手段が通信正常時に設定可能な終了タイミングのうち最も遅い終了タイミングに設定することを特徴とする車両の制御装置。
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