JP3716631B2 - トランスミッションステー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下部にオイルパンを装着されたシリンダブロックとシリンダブロックの一端側に結合されたトランスミッションとの結合剛性を高める、トランスミッションステーに関する。
【0002】
【従来の技術】
図10に示すように、自動車に備えられるエンジン30は、シリンダヘッド31,シリンダブロック32を備えて構成され、シリンダブロック32の下部にはオイルパン33が装着されている。
また、オイルパン33をカバーしうるようにオイルパンカバー34が取り付けられており、このオイルパンカバー34によってオイルパン33からの放射音(即ち、エンジン振動がオイルパン33から下方の路面に向けて放射され路面で反射する音)を吸収しうるようになっている。このようにオイルパン33からの放射音を吸収することで、車外騒音が低減される。
【0003】
オイルパンカバー34は、図11に示すように、浅底部33Aと深底部33Bとを備えるオイルパン33全体をカバーしうるように、浅底部34Aと深底部34Bとを備えて構成される。また、オイルパンカバー34をシリンダブロック32に取り付ける際には、その取付部にインシュレータが介装される。
このオイルパンカバー34は、一般に樹脂製であり、その内側に吸音材としての発泡ゴム35が接着剤で貼り付けられている。
【0004】
ところで、シリンダブロック32の一端側(車両後方側)には、図12に示すように、トランスミッション36が結合されている。
しかしながら、シリンダブロック32とトランスミッション36との間において、トランスミッション36の上部はシリンダブロック32と結合されているが、トランスミッション36の下部はシリンダブロック32と結合されていないので、上部に比べて剛性が低く、パワープラントの構成するエンジン30とトランスミッション36との結合部分における曲げ剛性が低く、この部分で、図12中に二点鎖線で示すように、上下方向や左右方向等への振動が生じて、特に高速時にこもり音が発生してしまう。
【0005】
このため、シリンダブロック32の下端部とトランスミッション36のケース(トランスミッションケース)36Aの前端部とにトランスミッションステー37が結合されている。
つまり、トランスミッションステー37には、図13に示すように、シリンダブロック結合部37Aと、トランスミッション結合部37Bとが備えられており、このシリンダブロック結合部37Aがシリンダブロック32に剛結合されるとともに、トランスミッション結合部37Bがトランスミッションケース36Aに剛結合されており、シリンダブロック32とシリンダブロック32の一端側に結合されたトランスミッションケース36Aとの結合剛性、即ちパワープラントの曲げ剛性を向上させている。なお、図13中、符号37a,37bはボルト穴を示している。
【0006】
なお、トランスミッションステー37は、製造のしやすさからアルミニウム製のものがほとんどである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように従来の技術では、オイルパン33からの放射音を防止し、且つ、エンジン30とトランスミッション36との結合部分における振動に起因した高速時のこもり音を防止しようとすると、オイルパンカバー33とトランスミッションステー37とをエンジン下部に装着することが必要になり、部品点数が増加して、コスト増や組付作業工程の増加を招くという不具合がある。
【0008】
つまり、従来のオイルパンカバー33では、オイルパン33からの放射音を防止することはできるが、エンジン30とトランスミッション36との結合部分の剛性を高めることはできないため、かかる結合部分における振動を防止することはできない。また、トランスミッションステー37は、エンジン30とトランスミッション36との結合部分の剛性を高めることはできるが、オイルパン33からの放射音を抑えることができず、車外騒音に対する効果が小さい。
【0009】
また、従来のオイルパンカバー33は一般に樹脂製であり、シリンダブロック32からの振動が伝わらないようにするためには、シリンダブロック32への取付部にインシュレータ等を介装する必要があり、その分、コスト増や組付作業性の低下を招くことになる。
さらに、従来のオイルパンカバー33は、オイルパン33全体、特にオイルパン33の深底部33Bもカバーするようになっているが、オイルパン33の深底部33Bの下方はスペースが狭いため、オイルパンカバー33の組み付け時には、この狭いスペースで作業を行なわなければならず、組付作業性が悪いという課題もある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、シリンダブロックとトランスミッションとの結合剛性を高めながら、オイルパンからの放射音を確実かつ効率的に吸収できるようにした、トランスミッションステーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のトランスミッションステーは、下部にオイルパンを装着されたシリンダブロックにシリンダブロック結合部を介して第1結合部材によって剛結合されるとともに、シリンダブロックの一端側に結合されたトランスミッションのケースにトランスミッション結合部を介して第2結合部材によって剛結合される。これにより、シリンダブロックとトランスミッションとの結合剛性が高まる。
【0012】
また、このトランスミッションステーには、オイルパンの浅底部に対応するように吸音材取付部が形成されており、この吸音材取付部にオイルパンの浅底部の外表面を覆うように吸音材が装備されている。この吸音材によってオイルパンからの放射音が吸収されるようになっており、吸音材取付部及び吸音材がオイルパンカバーとして機能する。
特に、吸音材は、オイルパンの浅底部の外表面を覆うように浅底部に対応する部分と、段差を付けてオイルパンの浅底部の外表面から離された部分とを有し、オイルパンの浅底部の外表面から離された部分の厚さが、オイルパンの浅底部の外表面に対応する部分の厚さよりも厚くなるように構成される。
また、吸音材取付部の下面に突設されるひれ部を備えるものとするのも好ましい。
さらに、吸音材取付部及び吸音材は、エンジン振動がオイルパンから下方の路面に向けて放射され、路面で反射する音を吸収するように機能するように構成するのも好ましい。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図8は本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーについて示すもので、これらの図1〜図8を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるトランスミッションステーは、上述の従来技術(図12,図13参照)で説明したように、自動車等の車両に備えられるエンジン30のシリンダブロック32の下端部とトランスミッション36のケース(以下、トランスミッションケースという)36Aの前端部とに剛結合されている。
【0014】
これは、シリンダブロック32とシリンダブロック32の一端側に結合されたトランスミッションケース36Aとの結合剛性、即ちパワープラントの曲げ剛性を向上させるためであり、上述の従来技術(図12参照)で説明したように、図12中に二点鎖線で示すように、上下方向や左右方向等への振動が生じてしまうのを抑制し、高速時にこもり音が発生するのを抑制しているのである。
【0015】
このトランスミッションステー1は、具体的には以下のように構成されている。
図1,図2に示すように、トランスミッションステー1には、シリンダブロック32に剛結合されるシリンダブロック結合部2と、トランスミッションケース36Aに剛結合されるトランスミッション結合部3とが備えられている。なお、図1,図2中、符号2A,3Aはボルト穴を示している。
【0016】
そして、図3に示すように、シリンダブロック結合部2をシリンダブロック32の下端部に第1結合部材を成す複数のボルト6A,6Bにより剛結合するとともに、トランスミッション結合部3をトランスミッションケース36Aの前端部に第2結合部材を成す複数のボルト6Cにより剛結合することによって、トランスミッションステー1は、エンジン30のシリンダブロック32の下端部とトランスミッションケース36Aの前端部とに剛結合される。なお、図3では、濃いトーンの模様(スマッジング)を付して吸音材5の端面を示しており、薄いトーンの模様(スマッジング)を付して吸音材5の存在位置を示している。
【0017】
ここで、ボルト6A,6Bの取付位置は、トランスミッションステーの取付剛性を向上するために、シリンダブロック32のベアリングキャップ位置7A,7Bに合わせるようにするのが好ましい。なお、図3では、ボルト6Bの取付位置は、他の部材との配置関係からベアリングキャップ位置7Bに対して少しずれた位置になっているが、この場合でもトランスミッションステーの取付剛性を向上させるために、なるべくベアリングキャップ位置7A,7Bに接近した位置にするのが好ましい。
【0018】
ところで、本実施形態にかかるトランスミッションステー1は、上述のようなシリンダブロック32とトランスミッションケース36Aとの結合剛性を高めるという通常の機能のほかに、上述の従来技術(図11,図12参照)で説明したオイルパンカバーとしての機能をも併せ持つものとして構成される。
このため、本トランスミッションステー1には、図1に示すように、シリンダブロック結合部2,2間の上面に吸音材取付部4が形成されており、この吸音材取付部4上にオイルパン33からの放射音を吸収する吸音材5が装備されている。
【0019】
図3に示すように、このトランスミッションステー1の一端側(図3中、左側)は、図3中に二点鎖線の円で示すパイプを迂回するように段差を付けた形状になっているが、パイプがなければ、直線状にしても良い。これについては、本実施形態の変形例として後述する。
ここで、吸音材5は、例えば発泡ゴムにより構成され、図3に示すように、オイルパン33の浅底部33Aに対応するように設けられ、詳細にはオイルパン33の浅底部33Aの外表面(下面)に対応しているが、オイルパン33の深底部33B側の底面には対応していない。これは、オイルパン33の深底部33B側は内部にオイルが貯留されており、このオイルが吸音材5と同様にオイルパン33の深底部33Bの振動を減衰させるように機能するため、この部分に吸音材5を装着する必要はなく、吸音材5はオイルのダンピング効果のないオイルパン33の浅底部33Aのみを覆えばよいという考えに基づいている。
【0020】
この吸音材5は、図4に示すように、その断面形状が略U字形状になっており、その上面がオイルパン33の浅底部33Aの外表面(下面)に整合するように形成されている。なお、図4では、スクリーントーンで吸音材5の断面を示している。また、図3に示すように、吸音材5は、パイプを迂回するように段差を付けた部分は、レイアウト上の制約が少ないため、オイルパン33の浅底部33Aに対応する部分よりも厚みを大きくすることにより吸音効率を向上させている。
【0021】
また、図4に示すように、トランスミッションステー1の下面には、トランスミッションステー1の剛性を高めるためのひれ部8が突設されている。なお、図4中、二点鎖線は、トランスミッションステー1のトランスミッションケース36Aへの取付ボルト位置を示している。
ところで、トランスミッションステー1は、製造のしやすさから、アルミニウム製としており、このアルミニウム製のトランスミッションステー1ではその表面に酸化膜ができてしまうため、トランスミッションステー1には接着剤が貼り付き難く、トランスミッションステー1に吸音材としての発泡ゴム35を接着剤で貼り付けることは難しい。
【0022】
このため、吸音材5のトランスミッションステー1への取り付けは、以下のようにして行なわれる。
つまり、本実施形態では、吸音材5をトランスミッションステー1へ接着剤で貼り付けることは行なわず、トランスミッションステー1に対する位置決めのみを行ない、吸音材5をトランスミッションステー1とオイルパン33との間で挟持することにより固定するようにしている。
【0023】
吸音材5をトランスミッションステー1へ取り付ける際の位置決めのために、図5〜図7に示すように、トランスミッションステー1の吸音材取付部4には複数の凸部4A,4Bが形成され、吸音材5には吸音材取付部4の凸部4A,4Bに対応する位置に複数の凹部5A,5Bが形成されており、吸音材取付部4の凸部4A,4Bが対応する吸音材5の凹部5A,5Bに嵌合することで、吸音材5の吸音材取付部4に対する位置決めが行なわれるようになっている。
【0024】
なお、吸音材5のうち、パイプを迂回する部分に設けられた凹部5B及びこれに嵌合する吸音材取付部4側の凸部4Bは、オイルパン33の浅底部33Aに対応する部分に設けられた凹部5A及びこれに嵌合する吸音材取付部4側の凸部4Aよりも大きくなっているが、これは、吸音材5の厚みに応じたものである。ここでは、より小型の凹部5A及び凸部4Aは複数(ここでは2つ)設けて、嵌合部の負担を分散させている。
【0025】
そして、トランスミッションステー1をシリンダブロック32に剛結合すると吸音材取付部4により位置決めされた吸音材が少なくともオイルパン33とトランスミッションステー1の剛結合部分近傍において挟持されてその位置が固定されるようになっている。
本発明の一実施形態としてのトランスミッションステーは、上述のように構成されるため、以下のような作用,効果がある。
【0026】
つまリ、本実施形態にかかるトランスミッションステー1によれば、オイルパン33の浅底部33Aのみに装着させた吸音材5により、オイルパン33からの放射音を十分に低減することができる。
図8は本実施形態にかかるトランスミッションステー1による騒音低減効果を説明する図であり、図8はオイルパン直下の騒音レベルを示し、一点鎖線はオイルパンカバーを備えない場合を、破線は浅底部33A及び深底部33Bを共に覆うオイルパンカバー(全面オイルパンカバー)を備えた場合を、実線は前半部(深底部33B)のみを覆うオイルパンカバー(前半分オイルパンカバー)を備えた場合を、二点鎖線は後半部(浅底部33A)のみを覆うオイルパンカバー(後半分オイルパンカバー)を備えた場合を、それぞれ示している。
【0027】
図8に示すように、当然ながらオイルパンカバーを備えない場合(一点鎖線)に比べて、オイルパンカバーを備えた場合(破線,実線,二点鎖線)の方が騒音レベルが低減されているが、中でも、二点鎖線で示す後半部(浅底部33A)のみを覆うオイルパンカバーを備えた場合が、機関回転数のほぼ全域に亘って騒音レベルが最も低減され、次いで、破線で示すオイルパンの全面を覆うオイルパンカバーを備えた場合が、低減効果が高い。
【0028】
つまり、オイルパン33の浅底部33Aのみを覆うオイルパンカバー(即ち、浅底部33Aのみに吸音材5を装着した本実施形態にかかるトランスミッションステー1)の方が、オイルパン33の全面を覆うオイルパンカバー(即ち、図10,図11に示すような従来のオイルパンカバー34)よりも騒音低減効果が大きいのである。これは、以下の理由によるものと考えられる。
【0029】
つまり、オイルパン33の底部からの放射音は、オイルパン33の浅底部33Aと深底部33Bとで同等に放出されるのではなく、主として浅底部33Aから放出されるもので、深底部33Bからの放出は少ない。これは、深底部33Bには内部にオイルが貯留されているので、このオイルが吸音材のように機能するためと考えられる。即ち、オイルパン33の深底部33Bでは、内部のオイルによるダンピング効果によって振動が低減され放射音の放出が抑制され、オイルパン33の底部からの放射音は、このようなオイルのダンピング効果を得られない浅底部33Aから主として放出される。
【0030】
したがって、本実施形態にかかるトランスミッションステー1のように、オイルパン33の浅底部33Aのみに吸音材5を装着すれば、オイルパン33の底部からの放射音レベルを十分に低減することができる。
オイルパン33の全面を覆う従来のオイルパンカバーの場合も、オイルパン33の浅底部33Aに吸音材を装着しているので、オイルパン33の底部からの放射音レベルを低減することができるが、この場合、オイルパン33の全面を覆っているため、エンジンの振動がオイルパンカバー全体に伝わって、オイルパンカバー全体が新たな振動源となって騒音を発生させてしまうため、この分だけ騒音低減効果が小さくなると考えられる。また、全面を覆うオイルパンカバーは、樹脂製であり剛性が低いため、より一層振動しやすいものと考えられる。
【0031】
一方、本実施形態にかかるトランスミッションステー1のように、オイルパン33の浅底部33Aのみに吸音材5を装着する構造では、オイルパン33の全面を覆う場合よりもエンジンの振動がオイルパンカバーとして機能するトランスミッションステー1に伝わりにくく、しかも、本実施形態にかかるトランスミッションステー1の場合、剛性の高い金属製のため、エンジンの振動がたとえトランスミッションステー1側に伝わっても、トランスミッションステー1自体は振動しにくい。このため、浅底部33Aのみに吸音材5を装着した本実施形態にかかるトランスミッションステー1の方が、オイルパン33の全面を覆う従来のオイルパンカバーよりも騒音低減効果が大きいのである。
【0032】
したがって、本トランスミッションステーによれば、シリンダブロック32とトランスミッション36との結合剛性が高められて、特に高速時のこもり音の発生を抑制することができるとともに、吸音材5がオイルパン33の浅底部33Aにのみ装備されるため、オイルパン33の放射音を効率的に吸収できるという利点がある。
【0033】
つまり、本トランスミッションステーによれば、吸音材5を取り付けるだけであるため、その剛性を損なうことなく、その本来の機能に基づき、パワープラントの曲げ剛性を向上させることができ、これにより、特に高速時のこもり音の発生を抑えることもでき、また、トランスミッションステー1に吸音材5を取り付けて、オイルパンカバーとしての機能を有するものとして構成し、オイルパン33の浅底部33Aのみに取り付けているため、オイルパン33からの放射音を効率的に抑えることができるという利点もある。
【0034】
このようにトランスミッションステー1をオイルのダンピング効果のないオイルパン33の浅底部33Aのみ取り付けるので、組み付けの際のスペースを確保できるため、その組付性が改善されるという利点もある。
トランスミッションステー1をオイルパンカバーの機能をも有するものとして構成しているので、トランスミッションステーとオイルパンカバーとを別体で備えるものに比べて、コンパクトに構成することができる。また、オイルパンカバーとして機能する部分についても、オイルパン33の浅底部33Aのみに吸音材5を装着する構成なので、従来のようにオイルパン33全体をカバーするオイルパンカバーに比べてもコンパクトにすることができる。
【0035】
これにより、コストを低減することができるともに組付性を向上させることができるという利点もある。
さらに、トランスミッションステー1はアルミ製であるため、従来のように取付部にインシュレータを設ける必要がなく、コスト面や組付性の面でより有利になるという利点もある。
【0036】
次に、本発明の一実施形態の変形例にかかるトランスミッションステーについて説明する。
本変形例にかかるトランスミッションステーは、上述の実施形態のものがオイルパン33の浅底部33Aの深底部33B側の下部にパイプを備えたものを対象としているのに対し、図9に示すように、オイルパン33の浅底部33Aの下部にパイプを備えていないものを対象としている。したがって、本変形例にかかるトランスミッションステーは、実施形態のものがその一端側をパイプを迂回するように段差を付けて形成されているのに対し、図9に示すように、オイルパン33の浅底部33Aの全長に亘って直線状に形成されている点が異なる。
【0037】
このため、図9に示すように、吸音材取付部4の凸部4Bに代えて凸部4Aとほぼ同様な大きさの凸部4Cが設けられるとともに、吸音材5の凹部5Bに代えて凹部5Aとほぼ同様な大きさの凹部5Cが設けられている。また、シリンダブロック32への取付箇所も追加されており、トランスミッションステー1は、ボルト6A,6B,6Cによりシリンダブロック32へ取り付けられるようになっている。なお、その他の構成については、上述の実施形態のものと同様である。
【0038】
このような構成により、本変形例のトランスミッションステーでは、上述の実施形態と同様の作用,効果を奏する。
つまり、シリンダブロック32とトランスミッション36との結合剛性が高められて、特に高速時のこもり音の発生を抑制することができるとともに、吸音材5がオイルパン33の浅底部33Aにのみ装備されるため、オイルパン33の放射音を効率的に吸収できるという利点がある。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のトランスミッションステーによれば、一体の部品により、シリンダブロックとトランスミッションとの結合剛性が高められて、特に高速時のこもり音の発生を抑制することができるとともに、吸音材がオイルパンの浅底部にのみ装備されるため、オイルパンの放射音を確実かつ効率的に吸収できるという利点があり、コスト低減や組付性向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーを示す模式的斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーを示す模式的端面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーを示す模式的側面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーを示す模式的断面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーを示す模式的側面図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーを示す模式的平面図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーを示す模式的端面図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかるトランスミッションステーの効果を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態の変形例にかかるトランスミッションステーを示す模式的側面図である。
【図10】従来のオイルパンカバーを示す模式的側面図である。
【図11】従来のオイルパンカバーを示す模式的斜視図である。
【図12】従来のトランスミッションステーを示す模式的側面図である。
【図13】従来のトランスミッションステーを示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 トランスミッションステー
2 シリンダブロック結合部
3 トランスミッション結合部
4 吸音材取付部
4A,4B,4C 凸部
5 吸音材
5A,5B,5C 凹部
32 シリンダブロック
33 オイルパン
33A 浅底部
33B 深底部
36 トランスミッション
36A ケース(トランスミッションケース)

Claims (3)

  1. 下部にオイルパンを装着されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの一端側に結合されたトランスミッションとの結合剛性を高めるトランスミッションステーであって、
    該シリンダブロックに第1結合部材によって剛結合されるシリンダブロック結合部と、
    該トランスミッションのケースに第2結合部材によって剛結合されるトランスミッション結合部と、
    該オイルパンの浅底部に対応して形成される吸音材取付部と、
    該オイルパンの浅底部の外表面を覆うように該吸音材取付部に装備され、該オイルパンからの放射音を吸収する吸音材とを備え、
    該吸音材取付部及び該吸音材が、オイルパンカバーとして機能し、
    前記吸音材は、該オイルパンの浅底部の外表面を覆うように該浅底部に対応する部分と、段差を付けて該オイルパンの浅底部の外表面から離された部分とを有し、該オイルパンの浅底部の外表面から離された部分の厚さが、該オイルパンの浅底部の外表面に対応する部分の厚さよりも厚くなるように構成されることを特徴とする、トランスミッションステー。
  2. 前記吸音材取付部の下面に突設されるひれ部を備えることを特徴とする、請求項1記載のトランスミッションステー。
  3. 前記吸音材取付部及び前記吸音材は、エンジン振動が前記オイルパンから下方の路面に向けて放射され、路面で反射する音を吸収するように機能することを特徴とする、請求項1又は2記載のトランスミッションステー。
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