JP3715398B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
誘導加熱調理器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3715398B2 JP3715398B2 JP1905197A JP1905197A JP3715398B2 JP 3715398 B2 JP3715398 B2 JP 3715398B2 JP 1905197 A JP1905197 A JP 1905197A JP 1905197 A JP1905197 A JP 1905197A JP 3715398 B2 JP3715398 B2 JP 3715398B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- plate
- coil
- temperature sensor
- induction heating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トッププレートの下面の温度を検出するための温度検出部を設けた誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば卓上タイプの誘導加熱調理器(電磁調理器)においては、本体の上面部に、鍋等の被加熱物が載置されるトッププレートを備えると共に、本体内に、加熱コイルやその駆動回路を備えて構成されている。この場合、近年では、天ぷら等の揚げ物や鉄板焼きなどの被加熱物の温度コントロールが要求される調理に対応したり、空焼き防止機能を実現するために、被加熱物の温度をトッププレートを介して検出する温度センサを設けたものが供されてきている。
【0003】
図8及び図9は、従来のコイルユニット1の構成を示しており、このコイルユニット1は、図示しないトッププレートの下面側に設けられ、ほぼ円板状をなす耐熱樹脂製のコイル保持台2の上面部に、中央部を除いてリング状に加熱コイル3(一部のみ図示)を設けて構成されている。そして、前記コイル保持台2の中央部(加熱コイル3の存在しない部分)に位置して、トッププレートの下面の温度を検出するための温度検出部4が設けられる。
【0004】
前記温度検出部4は、図9,図10に示すように、サーミスタ5を例えばアルミニウム製のホルダ6に保持させると共に、そのホルダ6を上方に付勢するための例えば非磁性SUS製の板ばね7を設けて構成されている。前記ホルダ6は、図9で左右方向に横長に構成された主部6aの両端に、下方に延びる一対の脚部6bを一体に有し、その脚部6bによって保持台2に支持されるようになっている。
【0005】
また、図10に示すように、前記主部6aは、トッププレートに接する平板な上板部と、幅方向中間部が下方に膨出する形態をなす下板部とを有してなり、それらの間に前記サーミスタ5を挟んだ形態で保持するようになっている。前記サーミスタ5のリード線5aは、下板部の長手方向中間部に形成された切欠部6cから下方(図10では上方)に導出され、さらに前記板ばね7に形成された穴部及びコイル保持台2に形成された穴部を通して導出され、図示しないコネクタを介して回路基板に接続されるようになっている。
【0006】
この場合、前記ホルダ6は、所定形状(展開形状)に切断された1枚のアルミ板を、主部6aの長手方向両端部分で直角に折曲げて脚部6bを形成し、また長手方向に延びる辺部にて折返して上板部の下面側に下板部を形成する等の折曲加工により形成される。そして、その折曲加工時(下板部の折返し形成時)に、サーミスタ5を挟んでかしめることにより、サーミスタ5を保持した形態とされるようになっている。
【0007】
尚、図8に示すように、前記コイルユニット1には、故障等による異常高温時に電源を遮断するために、前記コイル保持台2(加熱コイル3)の上面に位置して、半径方向に長いアルミニウム製の伝熱板8が絶縁紙9を介して設けられると共に、コイル保持台2の外周部に、異常高温を検知すると動作するバイメタルからなるサーマルスイッチ10が、前記伝熱板8の外周側端部に熱的に接続された状態に設けられている。
【0008】
しかしながら、上記構成の温度検出部4にあっては、ホルダ6の折曲加工時におけるかしめにより、サーミスタ5をホルダ6に保持させるのであるが、このとき、サーミスタ5は表面がガラスコーティングされているため、それほど強い力でかしめることはできない。このため、ホルダ6とサーミスタ5との熱的接触状態が不安定となり、検出温度の温度リップルが大きくなる欠点があった。また、ホルダ6のトッププレートに対する接触面が比較的小さいことも、感度に劣る要因となっていた。
【0009】
そして、サーミスタ5を保持するためのホルダ6は、アルミ板を複雑な形状に折曲加工して構成されるため、製造に手間がかかり比較的高価となる不具合があった。この場合、ホルダ6を大形化すれば、上記した感度の点は若干改善されるが、コストアップを招いてしまうことになる。なお、前記板ばね7は、高価な非磁性SUSから比較的複雑な形状に加工されるため、この板ばね7についてもコストアップの要因の一部となっていた。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、トッププレートの下面の温度を検出する温度検出部を備えるものにあって、温度検出部を安価な構成としながらも、温度検出の感度を高めることができる誘導加熱調理器を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の誘導加熱調理器は、コイル保持台の加熱コイルの内側部に、トッププレートの温度を検出する温度検出部を設けたものにあって、その温度検出部を、トッププレートの下面に面接触する非磁性材製の感熱板と、この感熱板の下面側に配置され非磁性材製のケース内にサーミスタを封入してなる温度センサと、この温度センサを上方へ付勢する付勢部材とを備えて構成すると共に、前記付勢部材を、弾性を有するクッション材から構成し、上面に該クッション材よりも硬質で且つ断熱性の高い座板を配した状態で設けるようにし、さらに、前記付勢部材に、弾性変形により前記温度センサが通過可能な貫通穴を設け、前記座板に、前記温度センサを下方への抜止め状態とするための円形孔、及び、前記温度センサから導出されるリード線が通過可能で前記円形孔を外部に開放させるスリットを形成したところに特徴を有する。
【0012】
これによれば、トッププレートの温度が、感熱板及びケースを介してサーミスタにより検出される。このとき、感熱板は、トッププレートに面接触する平板状とすれば良いので、単純な形状で済ませながら大きな接触面積を得ることができ、また、サーミスタはケースに封入されるので、サーミスタとケースひいては感熱板との熱的接触状態が安定する。さらにこのとき、感熱板及びケースは、さほど面倒な加工を行わずに済むので、比較的安価に済ませることができる。
【0013】
しかも、上記付勢部材を、弾性を有するクッション材から構成し、上面に該クッション材よりも硬質で且つ断熱性の高い座板を配した状態で設ける構成としたので、座板を設けたことにより、クッション材の一部がたわんで温度センサが落込んでしまうことがなく、クッション材からの押圧力を均等に温度センサに作用させることができる。また、温度センサの熱がクッション材に伝わることを極力防止することができる。そして、クッション材を用いているので、板ばねを用いる場合に比較して付勢部材自体を安価に済ませることができる。さらに、温度検出部の組付けにあたっては、付勢部材を弾性変形させながら、温度センサを貫通穴を通すようにし、その後、座板を、スリットを通すようにしながら温度センサのリード線に対して差し込むことができ、組付作業が簡単となる。
【0014】
また、上記感熱板に下方に延びる脚部を設けて、その脚部がコイル保持台に形成されたスリットに差込まれて係止される構成としても良い(請求項2の発明)。これによれば、感熱板の取付けが簡単に行え、しかも感熱板がずれ動くといったことがなくなる。下方に延びる脚部を設けるだけなので、感熱板全体としての構成がさほど複雑となることもない。
【0015】
そして、上記温度センサのケースを、サーミスタを収容する胴部と、感熱板に面接触する径大な頭部とを一体に有した断面ほぼT字状に構成することもできる(請求項3の発明)。これによれば、径大な頭部によって感熱板に対して広い面積にて接触することができる。
【0016】
さらにこのとき、付勢部材の貫通穴及び座板の円形孔を、ケースの頭部よりも小さく形成する構成としても良い(請求項4の発明)。これによれば、リード線の引出し構造を簡単とすることができ、予め付勢部材とケースとを組付けたものを、コイル保持台に取付けることにより取付作業が簡単となる。また、ケースの頭部を、温度センサの下方への抜止めとして機能させることができるようになる。
【0017】
ところで、誘導加熱調理器においては、故障等による異常高温時に電源を遮断するための手段を設けることが望ましい。そこで、コイル保持台のうち加熱コイルの内側部に、異常高温を感知したときに溶断して該加熱コイルの電源を遮断する温度ヒューズを設ける構成とすることができる(請求項5の発明)。これによれば、伝熱板やサーマルスイッチを用いる場合と比べて、部品数が少なく安価に済み、また、コイルユニットがコンパクトになる。
【0018】
この場合、温度ヒューズを、温度検知部の感熱板から外れた位置に設けることが望ましく(請求項6の発明)、これによれば、温度ヒューズが、感熱板から熱的及び電気的な悪影響を受けることを未然に防止することができる。さらに、温度ヒューズを、一対のリード脚をコイル保持台に形成された穴に差込んで該コイル保持台の下面側にて折曲げることにより取付けられるような構成とすることもでき(請求項7の発明)、これによれば、温度ヒューズの取付構造やリード線の引出構造を簡単とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例(請求項1〜7に対応)について、図1ないし図7を参照して説明する。図3は、本実施例に係る卓上形の誘導加熱調理器の要部の縦断面構成を概略的に示しており、ここで、誘導加熱調理器の本体ケース11は、角部に丸みを付けた薄形のほぼ矩形箱状に構成され、その上面には、図示しない被加熱物(磁性材製の鍋や鉄板等)が載置されるトッププレート12が設けられている。
【0020】
そして、前記本体ケース11内には、前記トッププレート12の下面側に位置して、詳しくは後述するように、加熱コイル13(一部のみ図示)を有するコイルユニット14が配設されている。また、詳しく図示はしないが、本体ケース11内には、前記加熱コイル13を駆動する駆動回路やマイコンを含む制御回路等を備える制御部15(図7にのみ図示)が設けられていると共に、図示しない冷却ファン装置等が配設されている。
【0021】
さらに、本体ケース11の上面の前辺部には、操作パネル16(図7にのみ図示)が設けられている。図示は省略するが、本実施例においては、この操作パネル16には、前記加熱コイル13のオン,オフキーが設けられていると共に、一般加熱調理用の出力調節キー、及び、揚げ物等調理用の温度設定キーなどが設けられている。揚げ物等の調理が選択された場合には、後述する温度検出部の検出に基づいて、被加熱物(天ぷら鍋や鉄板等)の温度コントロールが行われるようになっている。
【0022】
さて、上記コイルユニット14について、以下詳述する。図1及び図2などに示すように、コイルユニット14は、コイル保持台17の上面に前記加熱コイル13を備えて構成される。前記コイル保持台17は、例えば耐熱樹脂(人工大理石など)から成り、ほぼ円板状に構成されており、その上面には、図4,図6にも示すように、中心部の所定領域を囲むように上方に若干長さだけ立上がるリング状の立上り壁部17aが形成されている。
【0023】
前記加熱コイル13は、この立上り壁部17aの外周側に円環状をなすように装着され、これにより、コイル保持台17の中心部の円形領域つまり加熱コイル13の内側部が、部品組付部18とされる。尚、前記コイル保持台17の外周部には、例えば3個の舌片部17bが設けられており、コイルユニット14は、それら舌片部17bによって本体ケース11内に組付けられるようになっている。この組付け状態では、加熱コイル13が、前記トッププレート12の下面に対して僅かな隙間を存して対向する形態とされる。
【0024】
そして、前記部品組付部18には、前記トッププレート12の温度を検出する(被加熱物の底部の温度を間接的に検出する)ための温度検出部19が設けられる。図1,図4に示すように、この温度検出部19は、前記トッププレート12の下面に接触する感熱板20、この感熱板20の下面に接触する温度センサ21、この温度センサ21の下側に位置される座板22、この座板22の下面側に位置され前記温度センサ21を上方に付勢する付勢部材たるクッション材23を備えて構成されている。
【0025】
このうち、感熱板20は、良熱伝導性を有する非磁性材例えばアルミ板からなり、トッププレート12に比較的広い面積で面接触する平板な矩形板状の主部20aと,その主部20aの一辺側から下方に延びる脚部20bとを一体に有するL字状に形成されている。また、前記脚部20bの下端部の両側部には、下端からやや上部に位置して切込みが形成されることにより、折曲部20cが設けられている。この感熱板20は、前記脚部20bが、前記部品組付部18に形成されたスリット18aに上方から差込まれた上で、前記折曲部20cがほぼ直角に折曲げられることにより、該部品組付部18に、上方への抜止め状態で且つ若干量の上下動が可能に係止されるようになっている。
【0026】
前記温度センサ21は、図5に示すように、感熱素子であるサーミスタ24を、非磁性材例えばアルミの切削品であるケース25内に封入して構成される。前記ケース25は、円筒状(管状)の胴部25aの上端部に、径大な円板状の頭部25bを一体に有する断面T字状(いわば茸状)に構成されている。前記サーミスタ24は、胴部25a内に下方から挿入された状態で、該胴部25a内にモールド樹脂26が充填されて封止され、ケース25との熱的接触状態に固定されている。
【0027】
また、前記サーミスタ24の2本の端子24aは、その先端部が胴部25aの外部に位置され、それら各端子24aにリード線27の基端部がかしめ接続され、さらに、図1に示すように、そのリード線27の先端部に、前記制御部15との接続用のコネクタ28が取付けられている。図1及び図4に示すように、前記リード線27は、部品組付部18(コイル保持台17)の中心部に形成された円形の導出孔18bを通してコイル保持台17の下面側に導出されるようになっている。このとき、前記導出孔18bは、前記ケース25の頭部25bよりも径大に形成されている。
【0028】
前記クッション材23は、図1に示すように、弾性を有し且つ比較的耐熱性の高い例えばシリコンゴムから、ある程度の厚みのある矩形板状に構成され、その中心部に、貫通穴23aが形成されている。この貫通穴23aは、前記ケース25の胴部25aの外径にほぼ対応した径にて形成されているのであるが、弾性変形により前記ケース25の頭部25bを通すことも可能とされている。このクッション材23は、図4に示すように、前記部品組付部18の中央部に前記導出孔18bを囲むようにして矩形凸状に形成された載置台部18cに、位置決め状態に載置されるようになっている。
【0029】
そして、前記座板22は、前記クッション材23よりも硬質で且つ断熱性の高い例えばマイカ板から該クッション材23の上面と同等の大きさの矩形板状に構成されている。この座板22には、中心部に位置して貫通穴23aと同等の径の円形孔22aが形成されていると共に、その円形孔22aを外部に開放させるようなスリット22bが形成されている。
【0030】
このような部品からなる温度検出部19は、次のようにして部品組付部18に組付けられる。即ち、まず、リード線27(及びコネクタ28)が接続された温度センサ21を、部品組付部18の中央部の導出孔18bを下から通して、コイル保持台17の上面側に位置させておく(図1参照)。そして、クッション材23を弾性変形させながら、前記温度センサ21を貫通穴23aを通すようにすることにより、クッション材23が温度センサ21の下方にあってその貫通穴23a中をリード線27が挿通された状態とする。
【0031】
さらに、温度センサ21とクッション材23との間に位置して、座板22をスリット22bを通すようにしながら、リード線27に対して差込むようにする。これにて、図1に示すように、温度センサ21の下方で且つコイル保持台17の上面側に位置して、座板22及びクッション材23が、上から順にリード線27に通された形態とされる。
【0032】
そして、この状態で、クッション材23を部品組付部18の載置台部18cに載置し、そのクッション材23の上面に座板22を重ね合せるようにし、温度センサ21のリード線27を、コイル保持台17の下面側に一杯まで引出すようにする。すると、図4に示すように、温度センサ21(ケース25)の頭部25bが、座板22の上面に下方への抜止め状態に位置されると共に、温度センサ21の胴部25aが、クッション材23の貫通穴23a内に位置された状態とされるのである。
【0033】
この後、感熱板20の脚部20b(折曲部20cが未だ折曲げられていない状態)を、部品組付部18のスリット18aに挿入し、コイル保持台17の下面側にて折曲部28cをほぼ直角に折曲げる。これにて、感熱板20の主部20aが、温度センサ21の頭部25bの上面に面接触して、それら温度センサ21やクッション材23等を覆うように位置されるのである。コイルユニット14の本体ケース11への組付け状態では、トッププレート12によりクッション材23が圧縮される寸法関係とされ、そのクッション材23の弾性変形により、温度センサ21が上方に押圧力を受け、感熱板20に圧接すると共に、その感熱板20がトッププレート12の下面に圧接するのである。
【0034】
前記温度センサ21の検出信号は、図7に示すように、制御部15(マイコン)に入力されるようになっている。上述のように、制御部15は、操作パネル16にて揚げ物調理等の被加熱物(天ぷら鍋や鉄板等)の温度コントロールが必要な調理が選択された場合には、前記温度センサ21の検出信号に基づいて加熱コイル13を制御し、もって被加熱物を設定温度に維持するようになっている。
【0035】
さらに、本実施例では、前記部品組付部18には、図2,図4等に示すように、前記温度検出部19からやや離れた位置つまり前記感熱板20から外れた位置に、温度ヒューズ29が設けられている。この温度ヒューズ29は、図7に示すように、交流電源30からの電源供給路に挿設され、例えば前記温度センサ21の故障等の原因でコイルユニット14部分が異常高温となったときに所定温度にて溶断し、加熱コイル13への電源供給を遮断するようになっている。
【0036】
この場合、図6に示すように、部品組付部18には、前記載置台部18cに隣り合って温度ヒューズ29が位置決めされる取付部18dが設けられており、その取付部18dの両側に夫々穴18eが形成されている。温度ヒューズ29は、取付部18dに位置された状態で、その一対のリード脚29aが夫々穴18eに差込まれ、そのリード脚29aがコイル支持台17の下面部にて折曲げられることにより取付けられるようになっている。また、各リード脚29aには、コイル支持台17の下面部にてリード線31がかしめ接続され、それらリード線31により電源供給路に接続されている。
【0037】
上記構成においては、コイルユニット14の中央部に設けられた温度検出部19において、サーミスタ24を有した温度センサ21がクッション材23により上方への押圧力を受けて感熱板20に圧接し、感熱板20がトッププレート12の下面に面接触することにより、サーミスタ24がトッププレート12の温度を検出する。
【0038】
このとき、感熱板20は、従来のホルダ6と異なり、大きな接触面積にてトッププレート12に面接触することになり、また、温度センサ21の外殻を構成するケース25は、頭部25bを径大に形成されているので、感熱板20に対して広い面積にて安定して接触することになり、さらには、ケース25内にサーミスタ24を封入したことにより、従来のようなホルダ6内にサーミスタ5をかしめ固定するものと異なり、ケース25とサーミスタ24との安定した熱的接触状態が得られる。この結果、本実施例によれば、検出温度の温度リップルが大きくなり感度に劣っていた従来のものと異なり、リップルの小さい安定した温度検出を行うことができ、温度検出の感度を高めることができるものである。
【0039】
しかも、本実施例においては、従来のようなアルミ板を複雑に折曲形成して構成されるホルダ6に代えて、単純な形状の感熱板20や、加工が比較的容易なケース25を用いたので、安価な構成で済ませることができる。しかも、付勢部材として、従来の非磁性SUS製の板ばね7に代えて、クッション材23を採用したので、付勢部材自体も安価に済ませることができるものである。
【0040】
また、特に本実施例では、クッション材23の上面にマイカ板製の座板22を設けたので、温度センサ21がクッション材23に落込んでしまうことなく、クッション材23からの押圧力を均等に温度センサ21に作用させることができ、また、温度センサ21からの熱がクッション材23に伝わって悪影響を与えることを極力防止することができるものである。座板22は温度センサ21の頭部25bよりも径小な円形孔22aを有するので、例えば組付時等にリード線27が引張られるようなことがあっても、温度センサ21が座板22の円形穴22aから下方へ抜けることがないという利点も得ることができる。
【0041】
さらには、感熱板20に折曲により脚部20bを一体に設けて、その脚部20bにてコイル保持台17に係止させる構成としたので、感熱板20の取付けが簡単に行え、しかも感熱板20がずれ動くといったことがなくなる。このとき、脚部20bの下端の折曲部20cを折曲げることにより、感熱板20の取付けを行うことができるので、別部品等を要することなく簡単な構成で、組付作業も容易となるものである。
【0042】
その他にも、特に本実施例では、クッション材23の弾性変形により温度センサ21の頭部25bが貫通穴23aを通るようにし、また、座板22にスリット22bを設けてリード線27を側方から通すことができるようにし、さらには、コイル保持台17のリード線27を通す導出孔18bを温度センサ21の頭部25bよりも径大に形成して温度センサ21を下方から通すことができるようにしたといった各種の工夫を施したので、温度センサ21,リード線27,コネクタ28を予め組付けた部品を用いることができるなど、組付作業を簡単に済ませることができるといった利点を得ることができるものである。
【0043】
そして、特に本実施例によれば、故障等による異常高温発生時の安全対策として、従来のような伝熱板8やサーマルスイッチ10を用いたものに代えて、部品組付部18に温度ヒューズ29を設ける構成としたので、従来構成に比べて部品数が少なく安価に済み、また、コイルユニット14のコンパクト化を図ることができるものである。
【0044】
このとき、温度ヒューズ29を、温度検知部19の感熱板20から外れた位置に設けたので、温度ヒューズ29が感熱板20から熱的及び電気的な悪影響を受けることを未然に防止することができる。さらには、温度ヒューズ29を、そのリード脚29aを用いてコイル保持台17に取付ける構成としたので、温度ヒューズ29の取付構造やそのリード線31の引出構造を簡単とすることができるものである。
【0045】
尚、上記実施例では、クッション材23と座板22とを別々に設けるようにしたが、クッション材自体に座板に相当する部分を一体的に設けたりしても良い。そして、上記実施例では、感熱板20に1個の脚部20bを一体に設けるようにしたが、脚部を2個以上設けたり、あるいは感熱板を温度センサに支持させるように構成しても良い。
【0046】
また、上記実施例では、温度センサ21(サーミスタ24)の検出に基づいて被加熱物の温度コントロールを行う構成としたが、温度コントロール機能を有しないものや、あるいは温度コントロールとは異なるモードの調理を行っている場合でも、温度センサによっていわゆる空焼きを検出して空焼き防止機能を実現することができる。さらには、温度ヒューズ29についても、必要に応じて設ければ良く、従来例で述べたようなサーマルスイッチを用いるようにしても良い。
【0047】
その他、サーミスタを封止するケースの形状は単純な箱形であっても良いなど、各部品の形状や材質としても、種々の変形が可能である。また、本発明は、卓上形の誘導加熱調理器に限らず、ビルトイン形や、複数の調理器の組合せ装置にも適用することができる等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明の誘導加熱調理器によれば、トッププレートの下面の温度を検出する温度検出部を備えるものにあって、その温度検出部を、トッププレートの下面に面接触する非磁性材製の感熱板と、この感熱板の下面側に配置され非磁性材製のケース内にサーミスタを封入してなる温度センサと、この温度センサを上方へ付勢する付勢部材とを備えて構成すると共に、前記付勢部材を、弾性を有するクッション材から構成し、上面に該クッション材よりも硬質で且つ断熱性の高い座板を配した状態で設けるようにしたので、温度検出部を安価な構成としながらも、温度検出の感度を高めることができ、さらに温度検出部の組立作業を簡単に済ませることができるという優れた実用的効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、要部の分解斜視図
【図2】コイルユニットの平面図
【図3】誘導加熱調理器の縦断右側面図
【図4】要部の拡大縦断右側面図
【図5】温度センサの拡大縦断面図
【図6】要部の拡大縦断正面図
【図7】要部の電気的構成を概略的に示すブロック図
【図8】従来例を示すもので、コイルユニットの平面図
【図9】温度検出部部分の縦断側面図
【図10】ホルダを上下反転し且つ一部を破断して示す斜視図
【符号の説明】
図面中、11は本体ケース、12はトッププレート、13は加熱コイル、14はコイルユニット、15は制御部、17はコイル保持台、18は部品組付部、18aはスリット、18bは導出孔、18eは穴、19は温度検出部、20は感熱板、20bは脚部、21は温度センサ、22は座板、22aは円形孔、22bはスリット、23はクッション材(付勢部材)、23aは貫通穴、24はサーミスタ、25はケース、25aは胴部、25bは頭部、27はリード線、29は温度ヒューズ、29aはリード脚を示す。
Claims (7)
- 磁性材製の被加熱物が載置されるトッププレートと、このトッププレートの下面側に設けられコイル保持台に環状に加熱コイルを備えてなるコイルユニットと、前記コイル保持台のうち前記加熱コイルの内側部に設けられ前記トッププレートの温度を検出する温度検出部とを具備し、
前記温度検出部は、前記トッププレートの下面に面接触する非磁性材製の感熱板と、この感熱板の下面側に配置され非磁性材製のケース内にサーミスタを封入してなる温度センサと、この温度センサを上方へ付勢する付勢部材とを備えて構成されていると共に、
前記付勢部材は、弾性を有するクッション材からなり、上面に該クッション材よりも硬質で且つ断熱性の高い座板を配した状態で設けられ、
前記付勢部材には、弾性変形により前記温度センサが通過可能な貫通穴が設けられ、前記座板には、前記温度センサを下方への抜止め状態とするための円形孔、及び、前記温度センサから導出されるリード線が通過可能で前記円形孔を外部に開放させるスリットが形成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。 - 感熱板は、下方に延びる脚部を有し、その脚部がコイル保持台に形成されたスリットに差込まれて係止されていることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
- 温度センサのケースは、サーミスタを収容する胴部と、感熱板に面接触する径大な頭部とを一体に有した断面ほぼT字状に構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱調理器。
- 付勢部材の貫通穴及び座板の円形孔は、ケースの頭部よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項3記載の誘導加熱調理器。
- コイル保持台のうち加熱コイルの内側部には、異常高温を感知したときに溶断して該加熱コイルの電源を遮断する温度ヒューズが設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
- 温度ヒューズは、温度検知部の感熱板から外れた位置に設けられていることを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理器。
- 温度ヒューズは、一対のリード脚がコイル保持台に形成された穴に差込まれて該コイル保持台の下面側にて折曲げられることにより取付けられることを特徴とする請求項5又は6記載の誘導加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1905197A JP3715398B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 誘導加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1905197A JP3715398B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 誘導加熱調理器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10214680A JPH10214680A (ja) | 1998-08-11 |
JP3715398B2 true JP3715398B2 (ja) | 2005-11-09 |
Family
ID=11988640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1905197A Expired - Lifetime JP3715398B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 誘導加熱調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3715398B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100527927B1 (ko) * | 2002-12-11 | 2005-11-09 | 현대자동차주식회사 | 차량 에어컨의 증발기용 서미스터를 이용한 압축기 온/오프 제어방법 |
JP4346508B2 (ja) * | 2004-06-11 | 2009-10-21 | 株式会社東芝 | 加熱調理器 |
CN106576401B (zh) | 2014-06-23 | 2020-03-27 | 布瑞威利私人有限公司 | 多功能炊具 |
KR20210105217A (ko) * | 2020-02-18 | 2021-08-26 | 엘지전자 주식회사 | 박막 온도를 추정하는 유도 가열 방식의 쿡탑 |
KR20210105690A (ko) * | 2020-02-19 | 2021-08-27 | 엘지전자 주식회사 | 유도 가열 방식의 쿡탑 |
KR20210105694A (ko) * | 2020-02-19 | 2021-08-27 | 엘지전자 주식회사 | 유도 가열 방식의 쿡탑 |
KR20230131716A (ko) * | 2022-03-07 | 2023-09-14 | 삼성전자주식회사 | 자동 조리를 위해 무선 전력 전송 장치를 제어하는 방법 및 이를 위한 조리 기기 |
-
1997
- 1997-01-31 JP JP1905197A patent/JP3715398B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10214680A (ja) | 1998-08-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5001328A (en) | Cooking unit with radiant heaters | |
JP3174371U (ja) | 電磁加熱型焼肉用装置 | |
JPH09507153A (ja) | 液体加熱装置 | |
WO2012046267A1 (ja) | 加熱調理器 | |
JP3715398B2 (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP2007287536A (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP4315168B2 (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP2870955B2 (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP2685408B2 (ja) | 電子調理器の温度感知素子取付装置 | |
JPH04101384A (ja) | 電磁誘導加熱調理器 | |
US11929220B2 (en) | Dual coil electric heating element | |
CN216147864U (zh) | 一种煎烤机 | |
JPH059832Y2 (ja) | ||
JP5302657B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP2864807B2 (ja) | 調理器 | |
JP2005102997A (ja) | 炊飯器 | |
JPH043051B2 (ja) | ||
JPH0520255Y2 (ja) | ||
JP2625999B2 (ja) | 調理器 | |
JP2792237B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP3108229U (ja) | ガスコンロ | |
JPS636985Y2 (ja) | ||
JPH0520253Y2 (ja) | ||
CA3065273A1 (en) | Dual coil electric heating element | |
JP3304496B2 (ja) | 調理器用温度センサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050322 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050329 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050825 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080902 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130902 Year of fee payment: 8 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |