JP3715386B2 - スキーストック用シャフトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキーストック用シャフトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近におけるスキーストック用のシャフトとして、炭素繊維により強化されたカーボンシャフトが実用化されている。
斯かるカーボンシャフトの製造方法としては、一方向に配列された炭素繊維に半硬化状態の熱硬化性樹脂を含浸させた複合シート体(プリプレグシート)を芯棒(マンドレル)に巻き付けて積層し、得られたシート積層体を加熱処理することにより、前記熱硬化性樹脂を完全に硬化させてシャフト基材を得、このシャフト基材を研磨処理する方法(シートラッピング法)が知られている。
このシートラッピング法においては、炭素繊維の含有割合、炭素繊維の引張強度および弾性率、並びにマンドレルの軸線に対する炭素繊維の配向角等を調整することにより、スキーストックに要求される機械的強度(曲げ剛性・捩り剛性)を発揮させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにして得られるカーボンシャフトは、下記のような問題を有している。
(1)衝撃を受けることによってクラック等の損傷が発生しやすい。
(2)衝撃を受けることによって折れやすく、しかも、折れた箇所から分断されやすい。これは、炭素繊維の伸びが極めて小さいこと(0.7〜2.1%程度)に起因するものと考えられる。
(3)炭素繊維の破断部分において、ささくれ状の繊維片が露出し、この繊維片が飛散することがある。
(4)スキーストック用シャフトには、その軸方向に対して付加される荷重を、自らが撓むことによって吸収できるよう、ある程度の可撓性が要求される。しかしながら、カーボンシャフトの可撓性は極めて低く、軸方向に対する荷重(衝撃荷重を含む)が吸収されることなくスキーヤーに伝達されやすい。
【0004】
上記のような問題を解決するため、本発明者らは、炭素繊維を含有するプリプレグシートをマンドレルに巻き付けた後、有機高分子繊維を含有するプリプレグシートをさらに巻き付けてシート積層体を作製し、このシート積層体を加熱処理して、有機高分子繊維補強樹脂層を最外層とするシャフト基材を得、このシャフト基材を、前記有機高分子繊維補強樹脂層の一部を研磨代として研磨処理することによりシャフトの製造を行った。
このようにして得られたシャフトによれば、炭素繊維よりも伸びの大きい有機高分子繊維が最外層に存在するので、衝撃時におけるクラックや折損等の発生をある程度防止できることが確認された。
【0005】
しかしながら、このような方法においては、シャフト基材の最外層である有機高分子繊維補強樹脂層を研磨処理すると、その表面がささくれ状となり、平滑性の良好な仕上面(シャフト表面)が得られない、という新たな問題が発生した。
さらに、このようにして得られたシャフトにおける可撓性は依然として低く、当該シャフトによっても、軸方向に付加される荷重を十分に吸収することはできなかった。
【0006】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、折れた場合であっても、折れた箇所から分断したり、当該箇所においてささくれ状の繊維片が露出したりすることのないスキーストック用シャフトを製造するための方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、平滑性に優れた表面を有するスキーストック用シャフトを製造するための方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、軸方向に対して付加される荷重の吸収性(可撓性)に優れたスキーストック用シャフトを製造するための方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のスキーストック用シャフトの製造方法は、マンドレルに炭素繊維含有プリプレグシート(1A)を巻き付け、この炭素繊維含有プリプレグシート(1A)の外周面にアラミド繊維含有プリプレグシート(2A)を、マンドレルの軸線に対するアラミド繊維の配向角が0°となるように巻き付け、このアラミド繊維含有プリプレグシート(2A)の外周面にガラス繊維含有プリプレグシート(3A)を、マンドレルの軸線に対するガラス繊維の配向角が0°となるように巻き付けてシート積層体(4A)を得、このシート積層体(4A)を加熱処理して、各プリプレグシートに含浸された半硬化状態の樹脂を完全に硬化させることにより、炭素繊維補強樹脂層(1B)と、アラミド繊維補強樹脂層(2B)と、ガラス繊維補強樹脂層(3B)とが積層されたシャフト基材(4B)を得、このシャフト基材(4B)を、ガラス繊維補強樹脂層(3B)の一部を研磨代として研磨処理する工程を含むことを特徴とする。
【0009】
【作用】
(1)アラミド繊維補強樹脂層を構成するアラミド繊維は炭素繊維に比べて大きな伸び(2.4〜4.0%程度)を有する。これにより、シャフトに与えられる衝撃力は、アラミド繊維により吸収されて緩和される。従って、シャフトの耐衝撃性が向上し、衝撃時におけるシャフトの折損やクラック等の発生を有効に防止することができる。
(2)過大な衝撃力によってシャフトが折れ、当該シャフトを構成する炭素繊維補強樹脂層が破断した場合であっても、炭素繊維補強樹脂層の外層に、破断されにくいアラミド繊維補強樹脂層およびガラス繊維補強樹脂層が存在するので、当該シャフトの分断を防止することができる(以下、この作用効果を「分断防止効果」ともいう。)。
(3)過大な衝撃力によってシャフトが折れ、当該シャフトを構成する炭素繊維補強樹脂層が破断した場合であっても、当該炭素繊維補強樹脂層の破断面は、アラミド繊維補強樹脂層およびガラス繊維補強樹脂層によって覆われた状態であるため、炭素繊維片の露出および飛散を防止することができる(以下、この作用効果を「炭素繊維の破断面の被覆効果」ともいう。)。
(4)研磨加工性の良好なガラス繊維補強樹脂層の一部を研磨代として研磨処理することにより、平滑性に優れた仕上面(シャフトの表面)を形成することができる。
(5)後述する実施例の結果から明らかなように、研磨処理後に残存するガラス繊維補強樹脂層は、得られるシャフトに好適な可撓性を付与し、シャフトの軸方向に対して付加される荷重の吸収性を向上させるものである。この結果、スキーヤーに伝達される荷重(衝撃荷重を含む)を減少させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法には、プリプレグシートの積層工程と、シート積層体の硬化工程と、シャフト基材の研磨工程とが含まれる。
【0011】
<プリプレグシートの積層工程>
この工程は、炭素繊維含有プリプレグシートと、アラミド繊維含有プリプレグシートと、ガラス繊維含有プリプレグシートとを、マンドレルに巻き付けてシート積層体を形成する工程である。
【0012】
図1は、この工程によって得られるシート積層体の構成を模式的に示す説明図である。このシート積層体4Aは、炭素繊維含有プリプレグシート1A(5層)と、アラミド繊維含有プリプレグシート2A(2層)と、ガラス繊維含有プリプレグシート3A(2層)とが、マンドレルMの外周面に巻き付けられて構成されている。
【0013】
シート積層体4Aを構成するプリプレグシート(1A〜3A)は、それぞれ、一方向に配列された補強繊維(炭素繊維,アラミド繊維,ガラス繊維)に熱硬化性樹脂(マトリクス樹脂)を含浸させ後、当該熱硬化性樹脂を半硬化させて得られる複合化シート体である。
プリプレグシート(1A〜3A)を構成する熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができ、寸法安定性の観点からエポキシ樹脂が好ましい。
【0014】
炭素繊維含有プリプレグシート1Aには、直径が7〜8μm程度の炭素繊維が一方向に配列されている。ここに、当該炭素繊維の物性の一例を示せば、引張強度が400〜600kg/mm2 、弾性率が20〜30t/mm2 、伸びが0.7〜2.1%、比重が1.7〜2.0とされる。
【0015】
図1に示すように、炭素繊維含有プリプレグシート1Aは、マンドレルMの外周面に5層にわたって巻き付けられている。なお、炭素繊維含有プリプレグシート1Aの積層回数、各シートを構成する炭素繊維のマンドレルMの軸線に対する配向角は、シャフトに要求される機械的強度(特に曲げ剛性・捩り剛性)に応じて適宜変更することができ、例えば、炭素繊維の配向角が0°となるプリプレグシート(ストレート層)と、炭素繊維の配向角が25〜90°となるプリプレグシート(アングル層)とが交互に積層されていてもよい。
【0016】
また、先端側(tip端)から手元側(butt端)にかけてシートの積層回数を連続的に変化させてもよい。このようなプリプレグシートの積層構成の一例として、先端側が15層(これらのうち3層が配向角90°のアングル層)であり、手元側が9層(これらのうち2層が配向角90°のアングル層)である構成を挙げることができる。
【0017】
アラミド繊維含有プリプレグシート2Aには、直径が11〜12μm程度のアラミド(芳香族ポリアミド)繊維が一方向に配列されている。ここに、当該アラミド繊維の物性の一例を示せば、引張強度が200〜400kg/mm2 、弾性率が6〜13t/mm2 、伸びが2.4〜4.0%、比重が1.4〜1.5とされる。
【0018】
このアラミド繊維は、軽量で、伸びが大きく、耐摩耗性が良好であるとともに、衝撃吸収性に優れており、得られるシャフトに良好な耐衝撃性を付与することができる。斯かるアラミド繊維の具体的としては「ケブラ(Kevler)」(DuPont社登録商標)を挙げることができる。
【0019】
図1に示すように、アラミド繊維含有プリプレグシート2Aは、炭素繊維含有プリプレグシート1Aの外周面に2層にわたって巻き付けられている。
アラミド繊維含有プリプレグシート2Aの積層回数、各シートを構成するアラミド繊維のマンドレルMの軸線に対する配向角は、特に限定されるものではないが、アラミド繊維含有プリプレグシート2Aを、マンドレルMの軸線に対するアラミド繊維の配向角が0°となるように巻き付けること(アラミド繊維を軸方向に配列させること)が好ましい。アラミド繊維の配向角を0°とすることにより、得られるシャフトが折れた場合に、当該シャフトの分断防止効果、およびアラミド繊維による炭素繊維の破断面の被覆効果を確実に発揮することができる。
【0020】
ガラス繊維含有プリプレグシート3Aには、直径が5〜7μm程度のガラス繊維が一方向に配列されている。ここに、当該ガラス繊維の物性の一例を示せば、引張強度が200〜300kg/mm2 、弾性率が7〜8t/mm2 、伸びが3〜5%、比重が2〜3とされる。
【0021】
図1に示すように、ガラス繊維含有プリプレグシート3Aは、アラミド繊維含有プリプレグシート2Aの外周面に2層にわたって巻き付けられている。
ガラス繊維含有プリプレグシート3Aの積層回数、各シートを構成するガラス繊維のマンドレルMの軸線に対する配向角は、特に限定されるものではなく、その内層(プリプレグシート1Aおよびアラミド繊維含有プリプレグシート2A)の積層構成および形状に応じて適宜変更することができる。
【0022】
<シート積層体の硬化工程>
この工程は、図1に示したようなシート積層体4Aを加熱処理することにより、これを構成するプリプレグシート(1A〜3A)に含浸されている半硬化状態の熱硬化性樹脂を完全に硬化させる工程である。ここに、加熱処理条件としては、例えば140℃で1〜4時間とされる。この工程により、図2に示すようなシャフト基材4Bが形成される。同図において、1Bは炭素繊維補強樹脂層、2Bはアラミド繊維補強樹脂層、3Bはガラス繊維補強樹脂層であり、炭素繊維補強樹脂層1Bとアラミド繊維補強樹脂層2B、およびアラミド繊維補強樹脂層2Bとガラス繊維補強樹脂層3Bは、熱硬化樹脂を介して強固に接着されている。
図2に示すシャフト基材4Bにおいて、炭素繊維補強樹脂層1B(5層分)による膜厚t1 は0.5〜1.5mm、アラミド繊維補強樹脂層2B(2層分)による膜厚t2 は0.1〜0.5mm、ガラス繊維補強樹脂層3B(2層分)による膜厚t3 は0.1〜0.5mmとされる。
【0023】
<シャフト基材の研磨工程>
この工程は、図2に示したようなシャフト基材4Bを、ガラス繊維補強樹脂層3Bの一部を研磨代として研磨処理することにより、表面に存在するバリなどを除去して外観状態の向上(シャフト表面の平滑化)を図るとともに、外径寸法の微調整を行う工程である。
本発明の製造方法においては、ガラス繊維補強樹脂層の一部を研磨代とする点に特徴を有するものである。ここで、研磨代となる「ガラス繊維補強樹脂層の一部」とは、ガラス繊維補強樹脂層の膜厚(例えば図2における膜厚t3 )の10〜90%の厚さの範囲とされ、好ましくは20〜80%の厚さの範囲とされる。研磨代が過小である場合には、平滑な表面状態のシャフトを形成することが困難となる。一方、研磨代が過大である場合には、ガラス繊維補強樹脂層の残存量が過小となり、軸方向に対して付加される荷重の吸収性の向上効果を十分に発揮させることができない。
上記の研磨工程を経て製造されるシャフトの表面(ガラス繊維補強樹脂による表面)は平滑性に優れたものであり、研磨処理後の面がささくれ状となるようなことはない。
【0024】
上記の各工程を含む本発明の方法により製造されるシャフトは、炭素繊維補強樹脂層と、アラミド繊維補強樹脂層と、ガラス繊維補強樹脂層とがこの順に積層されてなるものである。
【0025】
本発明の方法により製造されたシャフトに対して衝撃力が与えられた場合には、その衝撃力がアラミド繊維補強樹脂層により吸収される。この結果、炭素繊維補強樹脂層を構成する炭素繊維が受ける衝撃力が緩和され、当該シャフトの折損やクラック等の発生が有効に防止される。
【0026】
また、過大な衝撃力が与えられたことによってシャフトが折れ、これを構成する炭素繊維が破断した場合であっても、図3に示すように、炭素繊維補強樹脂層1Bの外層(アラミド繊維補強樹脂層2Bおよび残存するガラス繊維補強樹脂層3B)には、伸びが大きくて破断されにくい繊維(アラミド繊維およびガラス繊維)が存在することにより、当該シャフトの分断を防止することができる。しかも、炭素繊維の破断部分は、アラミド繊維補強樹脂層2Bおよびガラス繊維補強樹脂層3Bにより覆われた状態となるため、炭素繊維片の露出および飛散を防止することができる。
【0027】
【実施例】
<実施例1>
下記表1に示すプリプレグシートを、マンドレル(外径10mm)に順次巻き付けてシート積層体を形成した。次いで、得られたシート積層体を140℃で4時間加熱し、各プリプレグシートを構成する熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を完全に硬化させてシャフト基材(膜厚t1 =0.6mm,膜厚t2 =0.28mm,膜厚t3 =0.24mm)を形成した。次いで、得られたシャフト基材を研磨処理(研磨代0.2mm厚)することにより、スキーストック用シャフトを製造した。
【0028】
<比較例1〜3>
下記表1に従って、プレグシートの積層構成を変更したこと以外は実施例1と同様にしてスキーストック用シャフトを製造した。
【0029】
【表1】
【0030】
<シャフトの評価>
実施例および比較例により製造されたシャフトの各々において、▲1▼ 研磨処理後の表面状態(表面平滑性)、▲2▼ 押し曲げ特性(可撓性)および▲3▼ 分断防止効果・炭素繊維の破断面の被覆効果について評価した。評価方法は下記のとおりである。
【0031】
(1)研磨処理後の表面状態:
実施例および比較例により製造されたシャフトの各々の表面を目視により観察し、平滑性に優れている場合を「○」、ささくれ状となって平滑性に劣る場合を「×」とした。評価結果を下記表2に示す。
【0032】
(2)押し曲げ特性(可撓性):
図4に示すように、シャフト5に対して圧縮荷重Wを加え、破壊(折損)時におけるストローク量S(Sb)および荷重W(Wb)を測定した。ここに、測定長(シャフト5の長さL)を41.5インチ(105.4mm)、圧縮速度を50mm/minとした。同図において、6はキャップ、7はゴムシートである。
ここで、軸方向への圧縮荷重を効率よく吸収させる観点から、破壊時におけるストローク量(Sb)の好ましい範囲としては100〜200mmとされ、更に好ましい範囲としては80〜150mmとされる。
また、破壊荷重(Wb)の好ましい範囲としては40〜120kgfとされ、更に好ましい範囲としては60〜100kgfとされる。
また、ストローク量と破壊荷重の積(Sb・Wb)の好ましい範囲としては6,000〜17,000kgf・mmとされ、更に好ましい範囲としては8,000〜11,000kgf・mmとされる。
なお、参考のため、軸方向の圧縮荷重を効率よく吸収できるとされるアルミニウム製シャフトについて、同様にしてストローク量Sb(mm)および破壊荷重(Wb)を測定した。以上の評価結果を下記表2に示す。
【0033】
(3)分断防止効果・炭素繊維の破断面の被覆効果:
上記(2)の押し曲げ特性の測定後、シャフトの折れた部分を目視により観察し、当該部分から分断されず、炭素繊維片の露出などが認められない場合を「○」、当該部分から分断され、または、当該部分において、ささくれ状の繊維片が露出している場合を「×」とした。評価結果を下記表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
表2の結果から、実施例1に係るシャフトにおいては、研磨処理後の表面状態(残存するガラス繊維補強樹脂層の表面状態)、押し曲げ特性(可撓性)および分断防止効果・炭素繊維の破断面の被覆効果の全てに良好な結果が得られた。
これに対して、比較例1に係るシャフトは、最外層が炭素繊維補強樹脂層よりなるので、ストローク量(Sb)が小さくて押し曲げ特性に劣るとともに、分断防止効果・炭素繊維の破断面の被覆効果にも劣るものであった。
また、比較例2に係るシャフトは、最外層がアラミド繊維補強樹脂層よりなるので、その表面(残存するアラミド繊維補強樹脂層の表面)がささくれ状となって平滑性に劣るものであった。また、ストローク量(Sb)も小さくて押し曲げ特性に劣るものであった。
また、比較例3に係るシャフトは、アラミド繊維補強樹脂層を有していないので、分断防止効果・炭素繊維の破断面の被覆効果において劣るものであった。
【0036】
<三点曲げ強度の測定>
実施例1に係るシャフトおよび上記アルミニウム製シャフトの各々について、SGマーク認定基準(製品安全協会)の三点曲げ試験法に準拠して三点曲げ強度(kgf)を測定した。測定結果は、下記表3のとおりであり、実施例1に係るシャフトは、荷重吸収性の良好なアルミニウム製シャフトと同等以上の曲げ強度を有するものであることが確認された。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、平滑性に優れた表面を有するとともに、軸方向に対して付加される荷重の吸収性に優れ、折れたときにおいても分断および炭素繊維片の露出・飛散を発生させにくいスキーストック用シャフトを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリプレグシートの積層工程によって得られるシート積層体の構成を模式的に示す説明図である。
【図2】シート積層体の硬化工程によって得られるシャフト基材の構成を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の方法により製造されたシャフトが折れた場合の状態を模式的に示す説明図である。
【図4】押し曲げ特性の測定方法を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1A 炭素繊維含有プリプレグシート
2A アラミド繊維含有プリプレグシート
3A ガラス繊維含有プリプレグシート
4A シート積層体
1B 炭素繊維補強樹脂層
2B アラミド繊維補強樹脂層
3B ガラス繊維補強樹脂層
4B シャフト基材
Claims (1)
- マンドレルに炭素繊維含有プリプレグシート(1A)を巻き付け、この炭素繊維含有プリプレグシート(1A)の外周面にアラミド繊維含有プリプレグシート(2A)を、マンドレルの軸線に対するアラミド繊維の配向角が0°となるように巻き付け、このアラミド繊維含有プリプレグシート(2A)の外周面にガラス繊維含有プリプレグシート(3A)を、マンドレルの軸線に対するガラス繊維の配向角が0°となるように巻き付けてシート積層体(4A)を得、
このシート積層体(4A)を加熱処理して、各プリプレグシートに含浸された半硬化状態の樹脂を完全に硬化させることにより、炭素繊維補強樹脂層(1B)と、アラミド繊維補強樹脂層(2B)と、ガラス繊維補強樹脂層(3B)とが積層されたシャフト基材(4B)を得、
このシャフト基材(4B)を、ガラス繊維補強樹脂層(3B)の一部を研磨代として研磨処理する工程を含むことを特徴とするスキーストック用シャフトの製造方法。
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