JP2003053852A - 炭素繊維強化複合材料製管状体およびゴルフクラブシャフト - Google Patents

炭素繊維強化複合材料製管状体およびゴルフクラブシャフト

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JP2003053852A
JP2003053852A JP2001243607A JP2001243607A JP2003053852A JP 2003053852 A JP2003053852 A JP 2003053852A JP 2001243607 A JP2001243607 A JP 2001243607A JP 2001243607 A JP2001243607 A JP 2001243607A JP 2003053852 A JP2003053852 A JP 2003053852A
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tubular body
composite material
reinforced composite
fiber reinforced
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Shunsaku Noda
俊作 野田
Mutsuko Fujino
睦子 藤野
Hiroaki Fukui
裕明 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴルフクラブシャフト等に好適に使用できる、
高いねじり強さを有する繊維強化複合材料を提供するこ
と。 【解決手段】炭素繊維強化複合材料層を少なくとも一層
以上積層してなる管状体であって、炭素繊維方向が管状
体主軸に対して25°〜65°の角度で配列したバイア
ス層と、該バイアス層の外周側に積層してなる、炭素繊
維方向が管状体主軸に対して0°〜20°の角度で配列
したストレート層を含んでなり、前記バイアス層におけ
る炭素繊維の引張弾性率E(GPa)と、広角X線回折
による炭素網面の結晶サイズLc(Å)、及び炭素繊維
をエポキシ樹脂に含浸させ加熱硬化してなる炭素繊維強
化複合材料の層間剪断強度σ(MPa)が特定式を満足
する炭素繊維強化複合材料製管状体およびそれを用いて
なるゴルフクラブシャフト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化複合材料
で構成される管状体に関する。詳しくは、軽量かつねじ
り強さに優れ、ゴルフクラブシャフト、バドミントンラ
ケット等のスポーツ用具、航空宇宙構造体、トラス、マ
スト、船舶、自動車のプロペラシャフトに好適に用いら
れる管状体に関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とマトリックス樹脂とからなる
繊維強化複合材料は、軽量で力学特性に優れるために、
スポーツ用途をはじめ、航空宇宙用途、一般産業用途に
広く用いられている。
【0003】スポーツ用途において、繊維強化複合材料
は管状体に成形され、ゴルフクラブシャフト、釣り竿、
テニスやバトミントンのラケット等に使用されている。
【0004】ゴルフクラブシャフトや釣り竿等には、軽
量性能、高度の材料剛性、材料強度が要求されるため、
強化繊維には炭素繊維が、マトリックス樹脂にはエポキ
シ樹脂がそれぞれ用いられる。
【0005】昨今のゴルフクラブシャフトや釣り竿の高
性能化、高品位化に伴い、その材料である管状体に要求
される性能もますます厳しくなりつつある。かかる管状
体の軽量性能をさらに向上させ、材料剛性、材料強度を
高めるべく、実開昭62−33872号公報、特開平9
−327536号公報に、バイアス層とストレート層か
ら構成されるシャフトの外周にバイアス層を設ける方法
が開示されている。
【0006】しかし、これら技術によれば、シャフトの
軽量化に対応が不十分であるか、又は、積層数が増し
て、製造工程が煩雑になる等の問題があった。
【0007】一方、特開平4−218179号公報に
は、ねじり強さを高めるため、強化層を配する技術が開
示されており、特開平6−114131号公報には、各
層を強化繊維の方向を基準として対称に積層する技術が
開示されている。
【0008】しかし、これら技術によれば、管状体の重
量がかさみ、また、積層数が増して製造工程も煩雑とな
るため、製造コスト的にも不利になるといった問題があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した問題点を解決し、ゴルフクラブシャフト等に好適に
使用できる、高いねじり強さを有する炭素繊維強化複合
材料製管状体およびそれを用いてなるゴルフクラブシャ
フトを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次の構成を有する。即ち、炭素繊維強化複
合材料層を少なくとも一層以上積層してなる管状体であ
って、強化繊維方向が管状体主軸に対して25°〜65
°の角度で配列したバイアス層と、該バイアス層の外周
側に積層してなる、強化繊維方向が管状体主軸に対して
0°〜20°の角度で配列したストレート層を含んでな
り、前記バイアス層における炭素繊維の引張弾性率E
(GPa)と、広角X線回折による炭素網面の結晶サイ
ズLc(Å)、及び炭素繊維をエポキシ樹脂に含浸させ
加熱硬化してなる炭素繊維強化複合材料の層間剪断強度
σ(MPa)が次式(1)〜(3)を満足する炭素繊維
強化複合材料製管状体である。
【0011】 200GPa≦E≦950GPa ・・・(1) Lc≦0.125E−11 ・・・(2) σ≧−0.044E+87 ・・・(3) また、本発明は次の構成を有する。すなわち、かかる炭
素繊維強化複合材料製管状体を用いてなるゴルフクラブ
シャフトである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の管状体では、バイアス層
における炭素繊維の引張弾性率E(GPa)が次式
(1)を満足することが必要である。
【0013】 200GPa≦E≦950GPa ・・・(1) 200GPa未満であると、管状体に十分な剛性が得ら
れず、例えばゴルフクラブ用シャフトとして用いた場
合、ボールの方向安定性が得られない等の不都合が生じ
ることがあるので好ましくなく、950GPaを越える
と炭素繊維の圧縮強度が低くなり、管状体のねじり強さ
が損なわれることがあるので好ましくない。引張弾性率
Eは次式(2)を満足することが好ましい。
【0014】 300GPa≦E≦650GPa ・・・(2) また、本発明では、バイアス層における炭素繊維の広角
X線回折により求まる炭素網面の結晶サイズLc(Å)
が、次式(3)を満足することが必要である。
【0015】 Lc≦0.125E−11 ・・・(3) 式(3)を満たさない場合、バイアス層の炭素繊維の圧
縮破壊が起点となり、管状体のねじり強さが損なわれる
ことがあるので好ましくない。
【0016】さらに、本発明では、バイアス層に用いる
炭素繊維をエポキシ樹脂に含浸させ加熱硬化して得られ
る炭素繊維強化複合材料の層間剪断強度σ(MPa)が
次式(4)を満足することが必要である。
【0017】 σ≧−0.044E+87 ・・・(4) 式(4)を満たさない場合、式(3)を満足してもバイ
アス層の剪断破壊およびバイアス層とストレート層との
間の剪断応力による層間剥離が破壊の起点となり、管状
体のねじり強さが損なわれることがあるので好ましくな
い。
【0018】本発明の管状体において、バイアス層は、
管状体の主軸に対する炭素繊維方向が25°〜65°の
角度で配列していることが必要であり、好ましくは35
°〜55°であるのが良い。25°〜65°の角度範囲
から外れると、ねじり強さが損なわれることがあるので
好ましくない。
【0019】また、管状体主軸に対し炭素繊維方向が互
いに軸対称をなす、2層構造のバイアス層を備えていて
も良い。
【0020】バイアス層の繊維目付は、好ましくは50
〜200g/m2、より好ましくは70〜150g/m2
であるのが良い。また、バイアス層の繊維含有率は、好
ましくは65〜87重量%、より好ましくは70〜85
重量%であるのが良い。繊維目付が50〜200g/m
2の範囲を外れ、繊維含有率が65〜87重量%の範囲
から外れると、軽量化を高める効果や管状体の成形性が
損なわれることがあるので好ましくない。
【0021】なお、バイアス層のボイド含有率は、ねじ
り強さを維持する観点から、好ましくは5体積%未満、
より好ましくは3体積%未満、さらに好ましくは1体積
%未満であるのが良い。
【0022】本発明の管状体において、ストレート層
は、管状体の主軸に対する炭素繊維方向が0°〜20°
の角度で配列していることが必要であり、好ましくは0
°〜10°であるのが良い。0°〜20°の範囲から外
れると、曲げ応力に対する強度が不足することがあるの
で好ましくない。
【0023】ストレート層の繊維目付は、好ましくは5
0〜200g/m2、より好ましくは70〜150g/
2であるのが良い。また、ストレート層の繊維含有率
は、好ましくは65〜87重量%、より好ましくは70
〜80重量%であるのが良い。繊維目付が50〜200
g/m2の範囲を外れると、軽量化を高める効果や管状
体の成形性が損なわれることがあるので好ましくない。
【0024】なお、ストレート層のボイド含有率は、管
状体に加わる曲げ、衝撃、押し潰し(圧壊)の力に対す
る耐力を高める観点から、好ましくは5体積%未満、よ
り好ましくは3体積%未満、さらに好ましくは1体積%
未満であるのが良い。
【0025】本発明の管状体において、ストレート層の
少なくとも1層は、バイアス層の外周側に配する必要が
ある。ストレート層が、バイアス層の内周側のみに配さ
れていると、管状体のねじり強さが大きく損なわれるこ
とがあり、好ましくない。
【0026】本発明において、管状体を構成する積層構
成が、管状体のねじり強さを効率的に高めることができ
た理由を本発明者らは次のように考えている。管状体に
ねじり力が負荷された場合、バイアス層が荷重を主に負
担するが、バイアス層に用いる炭素繊維の引張弾性率に
より破壊の支配因子が変化する。引張弾性率300GP
aを越える高弾性率炭素繊維ではねじり応力が加わった
場合、繊維方向の圧縮破壊とバイアス層の剪断破壊およ
びバイアス層とストレート層との間の剪断破壊が破壊起
点となると推定される。バイアス層の剪断特性があるレ
ベル以上では、炭素繊維の繊維方向圧縮が破壊の支配因
子となるため、繊維圧縮強度と相関のある炭素繊維の結
晶サイズがある領域より小さい場合にねじり強さが効果
的に高められるものと推定される。
【0027】また、本発明の管状体では、バイアス層の
繊維方向圧縮強度およびバイアス層およびバイアス層と
ストレート層との間の剪断強度を高めることができるた
め、管状体に加わるシャルピー衝撃荷重などの耐衝撃性
ならびに側方からの押し潰しに対する耐力(圧壊力)な
どを高める効果を有する。
【0028】本発明による管状体では、上述したバイア
ス層、ストレート層の他、様々な方向の強化繊維を含む
層を配することによって、管状体に多様な性能を具備さ
せることができる。例えば、側方からの押し潰し力(圧
壊力)に抗する耐力を具備させるために、管状体の主軸
に対し強化繊維方向が75°〜90°となるフープ層
を、例えばバイアス層とストレート層との間に配するこ
とができる。
【0029】本発明では、強化繊維として炭素繊維を使
用するが、炭素繊維以外のガラス繊維、アラミド繊維、
ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等の繊維を
併用し、混在させることもできる。より軽量かつ高耐久
性の成形品を得るために、炭素繊維を用いるのが良く、
中でも引張弾性率が200〜950GPa、好ましくは
300〜650GPaの炭素繊維を用いるのが良い。2
00〜950GPaの範囲から外れると、管状体に十分
な剛性が得られないか、あるいは炭素繊維の圧縮強度が
低くなり、管状体のねじり強さが損なわれることがある
ので好ましくない。
【0030】本発明において、複合材料に用いるマトリ
ックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂等に代表される熱硬化性樹
脂、又はポリアミド等の熱可塑性樹脂が使用できるが、
力学物性、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、及び成形性
等の面から、エポキシ樹脂が好ましい。
【0031】エポキシ樹脂を用いる場合、靭性、耐衝撃
性、接着性向上又はレオロジー制御のため、マトリック
ス樹脂を形成する樹脂組成物中に、熱可塑性樹脂、有機
又は無機の粒子等の他成分を配合することもできる。
【0032】本発明による管状体は、いわゆるプリプレ
グを介して製造することができる。この場合、強化繊維
の形態及び配列は、例えば、一方向に引き揃えたもの
(長繊維)、織物(クロス)、トウ、マット、ニット等
が用いられる。中でも、積層構成によって容易に強度特
性を設計可能であることから、一方向に引き揃えられた
ものを採用するのが好ましい。
【0033】本発明による管状体は、プリプレグを介す
る場合、所定の形状に切り出したプリプレグを芯金(マ
ンドレル)に巻き付けた後、さらにラッピングテープを
巻き付け、硬化炉等で加熱して成形した後、脱芯してラ
ッピングテープを除去して管状体を得るシートワインド
法が適用できる。
【0034】本方法は、強化繊維の配向や強化繊維の含
有率の調整が容易であり、多様な特性の管状体を設計で
きること、材料の表面が平滑であり、高品位の管状体が
得られること、ボイドレス成形が容易であること等、他
の成形法にはない特長がある。
【0035】ここに、熱及び圧力を付与する方法には、
プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形
法、内圧成形法等を用いることができる。
【0036】この内圧成形法は、熱可塑性樹脂のチュー
ブ等の内圧付与体にプリプレグを巻きつけたプリフォー
ムを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体
を導入して圧力をかけると同時に金型を加熱し成形する
方法であり、ゴルフシャフト、バット、テニスやバトミ
ントン等のラケットのような複雑な形状物を成形する際
に好適に用いられる。
【0037】本発明による管状体を、ゴルフクラブシャ
フトに適用する場合、シャフトのねじり破壊が、ヘッド
側の先端部より長手方向500mmまでの領域に生じる
ことが多いことから、この領域に、いわゆる補強層を配
することによって、管状体に様々な性能を発現させるこ
とができる。ここでの補強層は、管状体の主軸に対する
強化繊維の方向が、好ましくは0°〜65°、より好ま
しくは0°〜50°であるのが良い。
【0038】本発明の管状体は、軽量でねじり強さに優
れることから、ゴルフクラブやバドミントンラケットの
シャフトとして、特に好ましく用いられる。
【0039】本発明による管状体をゴルフシャフトに使
用すると、ゴルフクラブシャフトが、その全体重量が2
0〜65g、好ましくは20〜50gの軽量品種であっ
ても、ねじり強さを充分に発現できるようになる。さら
に、本発明による管状体は、SGねじり強さが800〜
3000N・m・度、トルクが2〜7°、フレックスが
40〜90mmであると、軽量性能と耐曲げ応力、ねじ
り強さの各物性のバランスがとれたゴルフクラブシャフ
トが得られるようになり、好ましい。全体重量が20g
未満であると、シャフトに、十分なSGねじり強さ、ト
ルク及びフレックスが得られないことがあり、シャフト
折損の可能性が高まることがある。一方、全体重量が6
5gを越えると、SGねじり強さ、トルク、フレックス
の各物性値のバランス制御は容易となるが、重量がかさ
み、軽量性能が損なわれることがあるので好ましくな
い。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。各物性値の測定は、次の方法によった。なお、物性
測定は、断りのない限り温度23℃、相対湿度50%の
条件下で行った。 〈炭素繊維の引張弾性率〉JIS R 7601に従い、
含浸樹脂として脂環式エポキシ樹脂(ERL4221、
ユニオン・カーバイド日本(株)製)/三フッ化ホウ素
・モノエタノールアミン錯体(100重量部/3重量
部)の有機溶媒溶液を用いてストランドに含浸し、加熱
硬化(130℃、35分)後、ストランド引張試験機を
用いて、試長200mm、引張速度60mm/分の条件
で測定した。 〈広角X線回折による炭素網面の結晶サイズLc〉 A.測定試料の作製 炭素繊維を長さ4cmの試験片として切り出し、金型と
コロジオン・アルコール溶液を用いて固め、角柱を作り
測定試料とした。 B.測定条件 X線源:CuKα(Niフィルター使用) 出力 :40kV、20mA C.結晶サイズLcの測定 透過法により得られた面指数(002)のピークの半値
幅から、次のScherrerの式を用いて計算した。
【0041】Lc(hkl)=Kλ/β0cosθB ここで、Lc(hkl):微結晶の(hkl)面に垂直
な方向の平均の大きさ K:1.0、λ:X線の波長、β0:(βE 2−β1 21/2 βE:見かけの半値幅(測定値)、β1:1.05×10
-2rad. θB:ブラッグ角 である。 〈複合材料の作製、層間剪断強度ILSS〉金枠に炭素
繊維を巻取り、含浸樹脂としてビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(Ep828、ジャパンエポキシレジン(株)
製)/三フッ化ホウ素・モノエタノールアミン錯体(1
00重量部/3重量部)を金型に流し込み、その上に炭
素繊維を巻き付けた金枠を入れ、さらに含浸樹脂を流し
込み、炭素繊維の体積含有率Vfが60%になるよう調
整する。
【0042】炭素繊維を仕込んだ金型を真空乾燥機に入
れ、75℃で約2時間脱泡する。その後、プレス機を用
い170℃、1時間、4.9MPaの条件で加熱硬化さ
せ炭素繊維強化複合材料を作製した。次に得られた材料
をASTM D 2344に従い測定した。 〈複合材料管状体のねじり強さ〉内径10mmの管状体
から長さ400mmの試験片を切り出し、「ゴルフクラ
ブシャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協
会編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993
年)記載の方法に従い、ねじり試験を行った。試験片ゲ
ージ長は300mmとし、試験片両端の50mmを固定
治具で把持した。
【0043】この後、SGねじり強さを次式により計算
した。
【0044】SGねじり強さ(N・m・度)=破壊トルク
(N・m)×破壊時のねじれ角(度) (実施例1)次の操作により、管状体の主軸に対して
[03/±453]の積層構成を有し、内径が10mm
の管状体を作製した。芯金(マンドレル)には直径10
mm、長さ1000mmのステンレス製丸棒を使用し
た。
【0045】バイアス層として炭素繊維(CF)とエポ
キシ樹脂からなる一方向プリプレグシートA(繊維目
付:116g/m2、繊維含有率:76重量%、繊維引
張弾性率:375GPa)をCFの方向がマンドレル主
軸方向に対して45°になるように、縦800mm×横
103mmの長方形に2枚切り出した。この2枚を繊維
方向が互いに交差するように、かつ横方向に16mm
(マンドレル半周分に対応)ずらして貼り合わせた。
【0046】次に、貼り合わせたプリプレグを、外径1
0mm、長さ1000mmの、離型処理したステンレス
製マンドレルに、2枚のプリプレグシートを貼り合わせ
たプリプレグの縦方向とマンドレル主軸が一致するよう
に巻き付けた。
【0047】更にその上に、ストレート層として炭素繊
維(CF)とエポキシ樹脂からなる一方向プリプレグシ
ートB(繊維目付:125g/m2、繊維含有率:76
重量%、CF引張弾性率:295GPa)をプリプレグ
の繊維方向が縦方向になるように、縦800mm×横1
12mmの長方形に切り出した一方向プリプレグシート
をプリプレグの縦方向とマンドレル軸方向が一致するよ
うに巻き付けた。
【0048】次に、シートワインド成形用のラッピング
テープ(熱収縮フィルムテープ)を所定の方法で巻き付
けた後、硬化炉中で温度130℃、2時間加熱成形し
た。
【0049】その後、マンドレルを脱芯(抜き取り)
し、ラッピングテープを除去して管状体を得た。 (比較例1)バイアス層及びストレート層として用いる
プリプレグシートを、一方向プリプレグシートC(繊維
目付:116g/m2、繊維含有率:76重量%、CF
引張弾性率:375GPa)に変更した以外は、実施例
1と同様にして管状体を得た。 (比較例2)バイアス層及びストレート層として用いる
プリプレグシートを、一方向プリプレグシートD(繊維
目付:116g/m2、繊維含有率:76重量%、CF
引張弾性率:375GPa)に変更した以外は、実施例
1と同様にして管状体を得た。 (実施例2)バイアス層として用いるプリプレグシート
を、一方向プリプレグシートE(繊維目付:116g/
2、繊維含有率:76重量%、CF引張弾性率:43
5GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして管
状体を得た。 (比較例3)バイアス層として用いるプリプレグシート
を、一方向プリプレグシートF(繊維目付:116g/
2、繊維含有率:76重量%、CF引張弾性率:43
5GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして管
状体を得た。 (実施例3)バイアス層として用いるプリプレグシート
を、一方向プリプレグシートG(繊維目付:125g/
2、繊維含有率:76重量%、CF引張弾性率:47
5GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして管
状体を得た。 (比較例4)バイアス層として用いるプリプレグシート
を、一方向プリプレグシートH(繊維目付:125g/
2、繊維含有率:76重量%、CF引張弾性率:47
5GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして管
状体を得た。
【0050】実施例1〜3、比較例1〜4で得られた管
状体のねじり強さ及びバイアス層に用いる炭素繊維の引
張弾性率E(GPa)、結晶サイズLc(Å)及び炭素
繊維をエポキシ樹脂に含浸させ加熱硬化して得られる炭
素繊維強化複合材料の層間剪断強度σ(MPa)の測定
結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、ゴルフクラブシャフト
等に好適に使用できる、高いねじり強さを有する繊維強
化複合材料製管状体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C002 AA05 CS03 MM02 PP01 SS03 SS04 4F205 AA39 AD16 AG08 AH17 AH28 AH31 AH59 HA02 HA23 HA33 HA45 HB01 HC04 HC17 HL02 HL14 HT02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維強化複合材料層を少なくとも一層
    以上積層してなる管状体であって、炭素繊維方向が管状
    体主軸に対して25°〜65°の角度で配列したバイア
    ス層と、該バイアス層の外周側に積層してなる、炭素繊
    維方向が管状体主軸に対して0°〜20°の角度で配列
    したストレート層を含んでなり、前記バイアス層におけ
    る炭素繊維の引張弾性率E(GPa)と、広角X線回折
    による炭素網面の結晶サイズLc(Å)、及び炭素繊維
    をエポキシ樹脂に含浸させ加熱硬化してなる炭素繊維強
    化複合材料の層間剪断強度σ(MPa)が次式(1)〜
    (3)を満足することを特徴とする炭素繊維強化複合材
    料製管状体。 200GPa≦E≦950GPa ・・・(1) Lc≦0.125E−11 ・・・(2) σ≧−0.044E+87 ・・・(3)
  2. 【請求項2】炭素繊維強化複合材料層が一方向プリプレ
    グシートの硬化物より形成されてなることを特徴とする
    請求項1に記載の炭素繊維強化複合材料製管状体。
  3. 【請求項3】バイアス層及びストレート層において、各
    プリプレグシートの繊維目付が、50〜200g/m2
    であり、かつ、各プリプレグシートの繊維含有率が、6
    5〜87重量%であることを特徴とする請求項2に記載
    の炭素繊維強化複合材料製管状体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維
    強化複合材料製管状体を用いてなることを特徴とするゴ
    ルフクラブシャフト。
JP2001243607A 2001-08-10 2001-08-10 炭素繊維強化複合材料製管状体およびゴルフクラブシャフト Pending JP2003053852A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013117965A1 (zh) * 2012-02-10 2013-08-15 Li Qianghua 碳纤维管子制造方法及以此制造而成的碳纤维管子
CN114013120A (zh) * 2021-11-05 2022-02-08 深圳雷木新材料科技有限公司 一种碳纤维复合厚壁管及其生产方法

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