JP3480505B2 - 複合材料 - Google Patents

複合材料

Info

Publication number
JP3480505B2
JP3480505B2 JP31695293A JP31695293A JP3480505B2 JP 3480505 B2 JP3480505 B2 JP 3480505B2 JP 31695293 A JP31695293 A JP 31695293A JP 31695293 A JP31695293 A JP 31695293A JP 3480505 B2 JP3480505 B2 JP 3480505B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
composite material
strength
bending
gpa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31695293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07164441A (ja
Inventor
勝也 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP31695293A priority Critical patent/JP3480505B2/ja
Publication of JPH07164441A publication Critical patent/JPH07164441A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3480505B2 publication Critical patent/JP3480505B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は釣竿、ゴルフシャフト、
テニスラケット等のスポーツ用品や自転車、車椅子、ロ
ボット等の各種構造材に使用される複合材料に関するも
のである。さらに詳しくは引張特性と曲げ特性に優れ且
つ破壊を時に分裂を生じにくい複合材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】高強度炭素繊維(例えば引張強度が2.
0GPaより大きい炭素繊維)を強化材とした複合材料
は引張強度と曲げ強度に優れ且つ軽量であることから釣
竿、ゴルフシャフト、テニスラケット等のスポーツ用品
分野では広く使用さている。近年ではその特性を活かし
て自転車や車椅子及びロボット等の各種構造材に需要が
広がってきた。しかし高強度炭素繊維を強化材にした複
合材料は、(1)脆性破壊を生じ易い、(2)曲げ荷重
負荷時に分裂破壊を生じ易い等、力学特性上の欠点があ
るため製品を設計するに際して安全率を極度に大きくす
る必要がある。他方、合成繊維を強化材にした複合材料
は炭素繊維を用いた場合に比して、(1)引張強度が高
い、(2)耐衝撃性に優れる、(3)曲げ荷重負荷時に
殆ど分裂破壊を生じない、(4)軽量である等の特性を
有しているため製品を設計するに際して安全率を大きく
する必要がない。しかし、合成繊維を強化材に用いた複
合材料は、(1)曲げ荷重負荷時に圧縮力の作用する部
分が局所的に破壊され易い、剛性を要する用途分野への
展開には制限がある。このように炭素繊維及び合成繊維
を強化材として用いる際の欠点を解消する方策として両
繊維のハイブリッド物を強化材にした複合材料が検討さ
れてきた。例えば特開平3−42242号公報は高強度
・高弾性率ポリエチレン繊維から成る強化材を芯部と
し、引張強度が20GPa以下の炭素繊維から成る強化
材を鞘部とした複合材料を提案している。しかし、係る
複合材料では、(1)曲げ荷重負荷時に殆ど分裂破壊を
生じない、(2)曲げ荷重負荷時に圧縮力による局所的
な破壊は起こりにくい、等の効果があるものの、(1)
曲げ強度は高強度炭素繊維のみを強化材にした複合材料
にはは遥かに及ばない、(2)曲げ強度も1.0GPa
以下である等のため高い曲げ特性が要求される用途分野
に適用するには制限がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした実情
に鑑みてなされたものであり、その目的は複合効果によ
り(1)曲げ荷重負荷時に分裂破壊が起こりにくい性能
を有し、(2)曲げ強度の著しく高い複合材料を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、高強度・高弾性率の合成
繊維から成る強化材を内層部又は芯部に配し、あるレベ
ル以上の引張特性を有する炭素繊維を外層又は鞘部に配
することにより、(1)曲げ荷重負荷時の分裂破壊が抑
制され、(2)曲げ強度が顕著に高くなるこを見い出し
て本発明に至った。即ち、本発明は引張強度が4.0G
Pa以上のポリベンザゾール繊維が内層部に、引張強度
1.0GPa以上の炭素繊維が外層部に配された繊維強
化プラスチックからなり1.0GPa以上の曲げ強度を
有する複合材料及び引張強度が4.0GPa以上のポリ
ベンザゾール繊維が芯部に、引張強度が1.0GPa以
上の炭素繊維が鞘部に配された繊維強化プラスチックか
らなり曲げ強度が1.0GPa以上であることを特徴と
する複合材料を主旨とするものである。
【0005】本発明における複合材料は破壊時に破片の
飛散がなく、また高い強度と引張弾性率並に曲げ強度を
保障するために該複合材料の内層部又は芯部は高強度の
合成繊維で強化したプラスチック材料で構成される。こ
こで所望の力学特性、特に1.0GPa以上の曲げ強度
を有する複合材料を得るには強化材に用いる合成繊維は
少なくとも4.0GPa以上の強度を有することが好ま
しい。強度が4.0GPa未満の合成繊維を強化材とし
た場合、複合材料の高強度と1.0GPa以上の曲げ特
性は保障されない。また後述するように係る合成繊維は
マトリックス合成樹脂を用いてプラスチック材料前駆体
の形態に成形される。従って耐熱性に優れた合成繊維を
用いることはマトリックス合成樹脂の種類の選択幅や加
工温度の制御のしやすさの面で有利である。またプラス
チック材料前駆体の形態に成形するに際してマトリック
ス合成樹脂と合成繊維の接着性も重要である。係る諸要
件を満たす合成繊維としてはポリベンザゾール繊維(P
BZ繊維)が最も好適である。ここでポリベンザゾール
繊維はポリベンズオキサゾール(PBO)若しくはポリ
ベンズチアゾール重合体(PBT)又はそれらのランダ
ム若しくはブロック共重合体からなるドープを紡糸して
得られる繊維をいう。
【0006】本発明の発明の複合材料の強化材に用いる
ポリベンザゾール繊維の単糸断面の形状は円形であって
もよいが非円形断面、所謂異形断面糸で構成されている
ことが好ましい。繊維の断面を異形化することでポリベ
ンザゾール繊維の断面周長/断面積の比が大きくなり繊
維とマトリックス合成樹脂との接着面が増大する。形断
面形状および断面周長/断面積比率で定義した異形度は
特に限定されないが例えば三角断面や八角断面等で異形
度が1.10以上で且つ強度4.0GPaを下回らない
ことが好ましい。
【0007】本発明における複合材料は高い強度と優れ
た曲げ強度を保障するために該複合材料の外層部又は鞘
部は炭素繊維で強化したプラスチック材料で構成され
る。ここで所望の力学特性を有する複合材料を得るには
強化材に用いる炭素繊維は少なくとも強度1.0GPa
以上の引張弾性率を有することが好ましい。強度が1.
0GPa未満の炭素繊維を強化材とした場合、曲げ強度
は低レベルのものしか得られない。また外層部又は鞘部
にポリベンザゾール繊維、内層部又は芯部に炭素繊維を
配した複合材料も複合効果が小さいものとなる。即ち、
曲げ荷重負荷時に圧縮力が作用する部分が強度の低い炭
素繊維で強化したプラスチック材料、又はポリベンザゾ
ール繊維で強化したプラスチック材料から成る複合材料
は曲げ荷重負荷時に圧縮力によって塑性変形を生じ易く
なる。またポリベンザゾール繊維と炭素繊維を層状配列
でなく混繊させたハイブリッド物を強化材にした複合材
料でも同様に曲げ荷重負荷時に圧縮力がかかる部分での
塑性変形の抑制効果は小さく、曲げ特性の改善効果は期
待できない。さらに、本発明の複合材料では短繊維より
も長繊維状の炭素繊維を用いた場合、曲げ強度に及ぼす
複合効果が大きい。
【0008】本発明の複合材料の曲げ強度に於ける複合
効果をより増大させるには次式で定義したハイブリッド
比〔Ac/(Ac+Ao)〕を0.2から0.8とする
ことが好ましい。 ここでAc/(Ac+Ao)=Fc×Dc/(9000
0×SGc)/(Fc×Dc/(90000×SGc)
+Fo×Do/(90000×SGo)) Ac;炭素繊維の総断面積 Ao;合成繊維の総断面積 Fc;炭素繊維の仕込糸条本数 Fo;合成繊維の仕込糸条本数 SGc;炭素繊維の比重 SGo;合成繊維の比重
【0009】ハイブリッド比が0.2未満又は0.8以
上であると曲げ特性、つまり曲げ強度向上と及び分裂破
壊の抑制に及ぼす複合効果は小さい。
【0010】本発明の複合材料の曲げ強度における複合
効果は複合材料中におけるポリベンザゾール繊維と炭素
繊維とを合計した繊維含有率にも影響される。複合効果
の点から次式で定義した繊維体積含有率(Vf)は20
から80容積%が好ましい。 Vf=1/(H×W)×(Ac+Ao) Vf:繊維体積含有率、H:複合材料の幅(cm) W:複合材料の厚み(cm)
【0011】またポリベンザゾール繊維で強化したプラ
スチック材料中ののポリベンザゾール繊維の含有率及び
炭素繊維で強化されたプラスチック材料中の炭素繊維の
含有率は複合材料の曲げ強度の点から重要な因子であ
り、それぞれの含有比率は0.78〜0.16、0.2
〜0.64とするのが好ましい。
【0012】又、本発明で用いるポリベンザゾール繊維
並びに炭素繊維の形態は糸条(ヤーン)、ストランド、
織物、(平織、朱子織、綾織)等があり、用途及び成形
法に応じて使い分けることが出来る。
【0013】本発明の複合材料のマトリックスに用いる
樹脂はポリベンザゾール繊維の分解開始温度より20℃
以上低い温度で硬化又は脱溶媒により固化する合成樹脂
若しくは該ポリベンザゾール繊維の分解開始温度より2
0℃以上低い温度の融点を有する合成樹脂が好ましい。
ポリベンザゾール繊維の分解開始温度とマトリックス合
成樹脂の硬化又は固化温度若しくはマトリックス合成樹
脂の融点との温度差が20℃以上の場合、加熱や加圧し
て複合材料を成形するに際してポリベンザゾール繊維の
熱劣化による力学特性例えば強度の低下を抑制できるた
め複合材料の高い曲げ強度が保障できる。他方、ポリベ
ンザゾール繊維の分解開始温度とマトリックス合成樹脂
の硬化又は固化温度若しくはポリベンザゾール繊維の分
解開始温度とマトリックス合成樹脂の融点との温度差が
20℃未満の場合、又はポリベンザゾール繊維の分解開
始温度よりもマトリックス合成樹脂の硬化又は固化若し
くは融点が高い場合、ポリベンザゾール繊維の熱劣化に
よる力学特性例えば強度の低下が大きく所望の曲げ強度
の複合材料は得にくい。ポリベンザゾール繊維の分解開
始温度は670℃であり、耐熱性の面でき広範囲の合成
樹脂がをマトリックスに適用ができる。
【0014】かくして、本発明の複合材料の製造にあた
っては(1)予め樹脂を含浸せしめた繊維シート材料を
積層し、加熱、加圧する方法、(2)内層又は芯部に合
成繊維を、また外層又は鞘部に炭素繊維材料をそれぞれ
積層構造又は芯鞘構造に配置した後に樹脂を含浸せしめ
てから加熱、加圧する方法等、適当な方法を採ることが
できる。
【0015】本発明で用いた各評価尺度は下記の方法で
求めた。 <繊維の比重>JIS−K6760及びJIS−E76
01に基づいて測定した。 <異形度>単糸の横断面をダイヤモンドナイフでカット
し、切断面を写真に撮影した。次にパソコンを用いて該
写真の画像処理を行なって外周長及び断面積を算出し
た。単糸30本につき同様の測定を行なって平均異形度
(=外周長/断面積)を求めた。 <繊度>試料を標準状態(温度22+2℃、相対湿度6
5+2%の状態)の試験室で24時間静置した後、ラッ
プリールを用いて試料90mを採取し、その重量を測定
して9000mの重量に換算して繊度とした。 <引張強度・弾性率>JISL1013(1981)の
7.5.1に準じ、標準状態の試験室でオリエンテック
(株)製のテンシロン型試験機を使用して、把み間隔2
0cm、引張速度100%/分、n=10で糸条の強伸
度を測定した。 <曲げ強度>複合材料から長さ約60cmの試験片を切
り出し、オリエンテック(株)製のテンシロン型試験機
を用いて支点間距離32mm、圧子半径5mm、支点半
径2mm、炭素繊維で強化されたプラスチック層を圧子
側に配した以外はJISK7203に基づいて曲げ強度
(n=10)を求めた。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが勿
論本発明はこれに限定されるものではない。 <実施例1、比較例1〜3>単糸の断面形状が三角形で
異形度が1.24、強度が5.9GPaである繊度10
0デニールであり、示差熱重量計を用い窒素雰囲気中で
測定した分解開始温度が670度であるポリベンズオキ
サゾール繊維(PBO繊維)にビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(シェルケミカル(株)製、エピコート827
100重量部に対し硬化剤としてトリエチレンテトラ
ミン10重量部を添加したエポキシ樹脂、比重が1.1
6)を含浸させてポリベンズオキサゾール繊維強化プラ
スチック材料前駆体を得た。他方、引張強度3.7GP
aであり、繊度3000デニールである炭素繊維(HT
A−W03K 東邦レーヨン(株)製)に前記エポキシ
樹脂を含浸させて炭素繊維強化プラスチック材料前駆体
を得た。次に両端開放の雄雌金型を用い、炭素繊維強化
プラスチック材料前駆体とポリベンズオキサゾール繊維
強化プラスチック材料前駆体を層状に重畳し、室温、初
期面圧200Kg/mm2 の条件で硬化成形した。次い
で120℃、2時間の条件でアフターキュアし、幅が7
mm、厚みが2mmであり、ハイブリッド比が0.5、
繊維体積含有率(Vf)が0.5である複合材料を得
た。これを実施例1とした。なお、実施例1で用いたポ
リベンズオキサゾール繊維強化ブラスチック材料前駆体
のみを実施例1の条件で成形して、繊維体積含有率(V
f)が0.5であり、幅7mm、厚み2mmの複合材料
を得た。これを比較例2とした。なお、実施例1におい
てポリベンズオキサゾール繊維強化プラスチック材料側
に圧子押し付けて曲げ特性の測定した場合を比較例3と
した。これらの試料の力学特性の評価結果を表1に示し
た。
【0017】
【表1】
【0018】表1より本発明に属する実施例1は曲げ破
壊時に試験片の分断は発生せず、ポリベンズオキサゾー
ル繊維強化プラスチック材料前駆体のみを成形して得た
複合材料(比較例1)と比較して曲げ強度は極めて高
く、また炭素繊維強化プラスチック材料前駆体のみを成
形して得た複合材料(比較例2)に近い水準に達するこ
とが分かる。なお、炭素繊維強化プラスチック材料前駆
体のみを成形して得た複合材料(比較例2)は曲げ破壊
時に試験片の分断を生じた。ポリベンズオキサゾール繊
維強化プラスチック材料を外層側に配した比較例3の曲
げ強度は極めて比較例1よりも低く複合効果は全く見ら
れなかった。
【0019】<実施例2−3>実施例1において断面形
状が円形で異形度1.00のポリベンズオキサゾール繊
維(実施例2)及び四星型で異形度1.24のポリベン
ズオキサゾール繊維(実施例3)を用いた以外は実施例
1に準じた条件でプラスチック前駆体を作成し、これを
複合材料に成形した。得られた複合材料の評価結果を表
1に示した。
【0020】表1より本発明に属する実施例2、3はと
もに曲げ破壊時に試験片の分断は発生しなかった。曲げ
強度はポリベンズオキサゾール繊維強化プラスチック材
料前駆体のみを成形して得た複合材料(比較例1)に近
く、且つ異形度の高いポリベンズオキサゾール繊維を用
いた場合には曲げ特性における複合効果の高いことが分
かる。
【0021】<実施例4−5、比較例4>実施例1にお
いてハイブリッド比率を0.1と0.3及び0.6に変
更した以外は実施例1記載した方法・条件により成形
し、それぞれ比較例4、実施例4、5とした。得られた
複合材料の評価結果を表1に示した。
【0022】表1より本発明に属する実施例4、5はと
もに曲げ破壊時に試験片の分断は発生しなかった。曲げ
強度はポリベンズオキサゾール繊維強化プラスチック材
料前駆体のみを成形して得た複合材料(比較例1)に近
いことが分かる。一方、ハイブリッド比率が0.1の複
合材料は曲げ破壊時に試験片の分断は発生しないものの
曲げ特性における複合効果は小さいことが分かる。
【0023】<実施例6、比較例4−6>実施例1にお
いて引張強度が0.9GPa(比較例5)及び1.5G
Pa(実施例6)である炭素繊維を用いて実施例1に準
じた方法と条件で成形して複合材料を得た。一方、ポリ
ベンズオキサゾール繊維を組み合わせることなく前記し
た強度0.9GPa及び1.5GPaの炭素繊維をそれ
ぞれ用いて実施例1に準じた方法と条件で成形して複合
材料を得た。これを比較例6、7とした。得られた複合
材料の評価結果を表1に示した。
【0024】表1より本発明に属する実施例6は曲げ破
壊時に試験片の分断は発生することなく、また曲げ特性
も高いものであった。一方、引張強度が0.9GPaと
低い炭素繊維を用いた比較例5は曲げ強度は低いもので
あった。ポリベンズオキサゾール繊維を組み合わせるこ
となく炭素繊維強化プラスチック材料前駆体のみを成形
して得た複合材料(比較例5、6)はともに曲げ破壊時
に試験片の分断を発じた。
【0025】<比較例7−8>合成繊維として引張強度
が2.7GPaの強強度・高弾性率ポリエチレン繊維
(比較例7)及び引張強度2.7GPaのアラミド繊維
(比較例9)を用いた以外は実施例1に記載の方法と条
件に準じてハイブリッド比率0.5、繊維含有率0.5
の複合材料を得た。得られた複合材料の評価結果を表1
に示した。
【0026】表1より本発明に属さない比較例8、9と
もに曲げ破壊時に試験片の分断は発生しなかったが、曲
げ特性は本発明の複合材料に比して劣ることが分かる。
【0027】<実施例7>融点が265℃のポリエチレ
ンテレフタレート繊維と実施例1で記載したポリベンズ
オキサゾール繊維を混合して混繊糸とし、該混繊糸を経
糸とし、混繊糸に用いたものと同一のポリエチレンテレ
フタレート繊維を緯糸として平織織物を製織した。一
方、前記ポリエチレンテレフタレート繊維と実施例1で
記載した炭素繊維を混合して混繊糸とし、該混繊糸を経
糸とし、混繊糸に用いたものと同一のポリエチレンテレ
フタレート繊維を緯糸として平織織物を製織した。各平
織織物より20×20cmの寸法で切り出したシートを
試料とし、温度120℃で16時間、0.1mmHg以
下の条件で真空乾燥を行ない、3枚のシートを、各層の
混繊糸が同一方向に成るように並べて積層した。これを
275℃に加熱した両端開放の雄雌金型に充填して軽荷
重で3から5分予熱溶融し、次いで50から70Kg/
cm2 の圧力で加熱圧縮成形を行なった。金型から採り
だす前に加圧下で60℃まで冷却した。得られた複合材
料の評価結果を表1に示した。
【0028】表1より明らかなように熱可塑性合成繊維
の中でも比較的融点の高いポリエチレンテレフタレート
繊維を用いても成形時にポリベンズオキサゾール繊維が
熱劣化することなく高い強度と優れた曲げ特性を示し
た。
【0029】
【発明の効果】本発明の複合材料はあるレベル以上の引
張強度のポリベンズオキサゾール繊維により強化された
プラスチック材料が内層部又は芯部に配され、炭素繊維
により強化されたプラスチック材料が外層部又は鞘部
(曲げ荷重負荷時に圧縮力が作用する部分)に配されて
いるため1.0GPa以上の曲げ強度を有する。また、
ポリベンズオキサゾール繊維を強化材として使用するこ
とにより耐熱性の面で多種多様のマトリックス樹脂を使
用することができる。したがって高い曲げ強度若しくは
耐熱性の要求される用途の需要に対応することが可能に
なる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張強度が4.0GPa以上のポリベン
    ザゾール繊維が内層部に、引張強度が1.0GPa以上
    の炭素繊維が外層部に配された繊維強化プラスチックか
    らなり曲げ強度が1.0GPa以上であることを特徴と
    する複合材料。
  2. 【請求項2】 引張強度が4.0GPa以上のポリベン
    ザゾール繊維が芯部に、引張強度が1.0GPa以上の
    炭素繊維が鞘部に配された繊維強化プラスチックからな
    り曲げ強度が1.0GPa以上であることを特徴とする
    複合材料。
JP31695293A 1993-12-16 1993-12-16 複合材料 Expired - Lifetime JP3480505B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31695293A JP3480505B2 (ja) 1993-12-16 1993-12-16 複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31695293A JP3480505B2 (ja) 1993-12-16 1993-12-16 複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07164441A JPH07164441A (ja) 1995-06-27
JP3480505B2 true JP3480505B2 (ja) 2003-12-22

Family

ID=18082770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31695293A Expired - Lifetime JP3480505B2 (ja) 1993-12-16 1993-12-16 複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3480505B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07164441A (ja) 1995-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0541795B1 (en) New prepreg and composite molding, and production of composite molding
JP5158778B2 (ja) エポキシ樹脂含浸ヤーンおよび予備成形物を製造するためのその使用
JP4360233B2 (ja) ゴルフシャフト
JPH05247761A (ja) ポリアミド繊維と補強繊維から成るハイブリッドヤーン
JPS6378734A (ja) 中実若しくは中空状の繊維強化プラスチツク
JP2001064406A (ja) 繊維強化複合材用プリフォームおよびこれを用いてなる繊維強化複合材ならびにこれらの製造方法
US6306474B1 (en) Hybrid fiber-reinforced plastic
JP3771360B2 (ja) 繊維強化複合材料製管状体
JPH093777A (ja) 炭素繊維用サイジング剤及び炭素繊維
JP3480505B2 (ja) 複合材料
JPH07144371A (ja) 高減衰能炭素繊維強化樹脂複合材料
JP4157357B2 (ja) ゴルフクラブシャフト
JP3314826B2 (ja) 熱可塑性コンポジット用シート
JP3715386B2 (ja) スキーストック用シャフトの製造方法
JP3539577B2 (ja) 繊維強化複合材料
JP2002347148A (ja) 繊維強化複合材料製管状体およびそれを用いてなるゴルフクラブシャフト
JPH0342242A (ja) 軽量複合材料
JP2003053852A (ja) 炭素繊維強化複合材料製管状体およびゴルフクラブシャフト
JP2004232133A (ja) 炭素繊維糸条およびその製造方法
JPH0939125A (ja) 繊維強化プラスチック製管状体
JPH01148545A (ja) 層間ハイブリッド積層材
TW205053B (ja)
JP2805633B2 (ja) 積層成形体
JP2002282398A (ja) 繊維強化複合材料管状体
JP3480504B2 (ja) 成形用熱可塑性樹脂複合材料

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101010

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131010

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term