JP3714527B2 - プラテンギャップ調整装置及び記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させる一対の第1ガイド部材と第2ガイド部材とをプリンタ本体の左右のサイドフレームの軸受部に偏心軸部を介して回動自在に取り付け、前記一対の第1ガイド部材及び第2ガイド部材の前記偏心軸部に同一の回動変位量を付与するプラテンギャップ調整手段を結合させて、印刷基準面に対して前記キャリッジと共に記録ヘッドを平行に接離させるように構成したプラテンギャップ調整装置及び該調整装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種調整装置の従来技術として、特開平10−211748号公報に記載されたプラテンギャップ調整装置が挙げられる。このプラテンギャップ調整装置は、キャリッジ走行用の一対のガイド部材をプリンタ本体に偏心軸部を介して回動自在に取り付けると共に、前記両案内部材の偏心軸部に同一の回動変位量を付与する調整手段を結合させて、印字基準面に対して前記キャリッジを平行に離間接近させるように構成したものである。これにより、キャリッジを一対のガイド部材でガイドして主走査方向に移動させる構造のプリンタにおいて、記録媒体と記録ヘッドとのギャップを確定することになるプラテンと記録ヘッドとのギャップを調整するに際し、記録ヘッドを、その移動の前後において、平行状態を変えずに最適なギャップ位置に移動させることができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のプラテンギャップ調整装置は、一対のガイド部材の内、記録ヘッドに近い方のメインガイド部材は、サイドフレームの軸受部に軸支される前記偏心軸部自体が前記印字基準面に対して独立に接近離間できるように構成されていて、該印字基準面に対するメインガイド部材の平行度ひいては記録ヘッドの平行度を向上することができるようになっている。しかしながら、もう一つのガイド部材すなわち前記記録ヘッドから遠い方のサブガイド部材は、サイドフレームの軸受部に軸支される前記偏心軸部自体は前記印字基準面に対して固定構造である。
【0004】
従って、製造公差やその他の原因でサブガイド部材が最適な平行度の状態からずれた場合には、それを修正することができないのは勿論として、前記メインガイド部材の平行度の調整において、当該サブガイド部材の前記ずれの影響を受けやすいという問題があった。また、このような影響を受けて不十分な平行度状態のまま、メインガイド部材とサブガイド部材の両偏心軸部に前記調整手段によって同一の回動変位量を付与して、印字基準面に対して前記キャリッジを平行に離間接近させた場合、前記不十分な平行度状態はその移動前と変わらないばかりか、離間させた場合にはギャップが大きくなった分、却って印刷位置のずれが拡大するといった問題があった。
【0005】
本発明の目的は、全ガイド部材の平行度調整を十分に行うことができ、もって印刷位置のずれ等に起因した印刷品質の低下を防止して、プラテンギャップの調整の前後において、ほとんど変わることなく一定の印刷品質を維持できるプラテンギャップ調整装置及びそれを備えた記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載のプラテンギャップ調整装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させる一対の第1ガイド部材と第2ガイド部材とをプリンタ本体の左右のサイドフレームの軸受部に偏心軸部を介して回動自在に取り付け、前記一対の第1ガイド部材及び第2ガイド部材の前記偏心軸部に同一の回動変位量を付与するプラテンギャップ調整手段を結合させて、印刷基準面に対して前記キャリッジと共に記録ヘッドを平行に接離させるように構成すると共に、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材の両方の前記偏心軸部を前記左右のサイドフレームの軸受部に4点独立で且つ前記接離方向に位置可変に軸支させたことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材の両方の前記偏心軸部を前記左右のサイドフレームの軸受部に4点独立で且つ前記接離方向に位置可変に軸支させたので、全ガイド部材の平行度調整を十分に行うことができる。従って、印刷位置のずれ等に起因した印刷品質の低下を防止して、プラテンギャップの調整の前後において、ほとんど変わることなく一定の印刷品質を維持した印刷を実行することができる。
【0008】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたプラテンギャップ調整装置において、前記第1ガイド部材は前記記録ヘッドに近い方のメインガイド部材であり、前記第2ガイド部材は前記記録ヘッドから遠い方のサブガイド部材であり、前記プラテンギャップ調整手段のある側のサイドフレームであって前記サブガイド部材用の前記軸受部に、前記接離方向に長尺な長孔を有するブッシングが回動可能に設けられ、前記サブガイド部材の前記偏心軸部は、前記ブッシングの前記長孔に長手方向に移動可能に挿入され、且つ固定手段によって前記長手方向の適宜の位置に固定されて当該ブッシングと連結され、前記プラテンギャップ調整手段は、前記ブッシングに一体的に回転可能に連結されていることを特徴とする。
【0009】
従来、メインガイド部材は、それ単独で平行度調整が可能なものもあったが、サブガイド部材は平行度調整ができないため、却って、上記の如く印字ずれを来す場合があったが、本発明によれば、このサブガイド部材を平行度調整可能な構成にしたので、記録ヘッドの印刷基準面に対する平行度を充分に高めることができる。また、サイドフレームであって前記サブガイド部材用の前記軸受部に、前記接離方向に長尺な長孔を有するブッシングが回動可能に設けられ、前記サブガイド部材の前記偏心軸部は、前記ブッシングの前記長孔に長手方向に移動可能に挿入され、且つ固定手段によって前記長手方向の適宜の位置に固定されて当該ブッシングと連結されるので、構造簡単にしてサブガイド部材の単独平行度調整を行うことができる。
【0010】
また、本願請求項3に記載の発明は、請求項2に記載されたプラテンギャップ調整装置において、前記ブッシングは、前記軸受部に軸支される大径部と、該大径部と段差を介して連なる小径部とを備え、前記大径部内の長孔は大長孔に形成され、前記小径部内の長孔は前記大長孔より短い小長孔に形成され、前記大長孔内にサブガイド部材の偏心軸部が挿入されると共に該偏心軸部の先端端面には軸心線に沿う被螺合孔が設けられており、前記プラテンギャップ調整手段の位置する側から前記小長孔に、前記偏心軸部が前記大長孔内で長手方向に移動可能な量と同程度以上に同じく長手方向に移動可能な形状の螺子を挿入し、更に前記被螺合部にねじ込むことにより当該ブッシングと偏心軸部が連結固定されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、前記ブッシングは、前記大径部と小径部とを備え、対応する大長孔と小長孔を備え、前記大長孔内にサブガイド部材の偏心軸部が挿入されると共に、前記プラテンギャップ調整手段の位置する側から前記小長孔に長手方向に移動可能な形状の螺子を挿入し、更に前記偏心軸部の被螺合部にねじ込むことにより当該ブッシングと偏心軸部が連結固定されるので、当該ブッシングと偏心軸部との強固な連結固定状態を構造簡単にして実現することができる。
【0012】
また、本願請求項4に記載に発明は、請求項2または3に記載されたプラテンギャップ調整装置において、前記サブガイド部材の前記ブッシングのある側と反対側の偏心軸部は、サイドフレームに支点の回りに一定範囲で回動可能で且つ適宜位置に固定可能な軸受部材に、軸心回りに回動可能に軸支されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記プラテンギャップ調整手段のない方のサブガイド部材の偏心軸部は、前記印刷基準面に対する離間接近を構造簡単にして実現することができる。
【0013】
また、本願請求項5記載の記録装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載されたプラテンギャップ調整装置を備えたものである。
本発明によれば、請求項1から4のいずれかに記載された発明の作用効果と同様の作用効果が得られると共に、記録装置として高い印刷品質を維持することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプラテンギャップ調整装置の一実施の形態を説明する。図1は本発明に係るプラテンギャップ調整装置を備えたインクジェットプリンタの要部概略側面図で、プラテンギャップが通常時である状態を示し、図2は同インクジェットプリンタの要部概略側面図で、プラテンギャップを大きくした調整状態を示している。図3はサブガイド部材の軸受部を示し、(A)は要部側面図で図1において螺子5を外した状態を示し、(B)は偏心軸部の軸芯線を通る縦断面図を示し、(C)は偏心軸部の軸芯線を通る横断面図を示し、図4は軸受部を図3(A)と反対側から見た側面図であり、サブガイド部材及びサイドフレームを省いて示してある。図5はサブガイド部材の他端側の軸受部を示し、(A)は要部側面図、(B)は(A)を横方向から見た状態である。
【0015】
先ず図1及び図2を中心にして、本発明のプラテンギャップ調整装置の一実施の形態を搭載したプリンタの概略構成を説明する。図において符号1は、担持した記録ヘッドを桁方向に走行させるキャリッジで、該キャリッジ1をガイドする前後2本の、すなわち一対の第1ガイド部材ド4と第2ガイド部材3は、同一方向に偏らせてその両端に設けた偏心軸部2、40(図3)を介して、プラテンギャップ調整手段(後述する)の在る側においては、サイドフレーム50(図3)に回動自在に取り付けられている。前記第1ガイド部材4は前記記録ヘッドに近い方のメインガイド部材4であり、前記第2ガイド部材3は前記記録ヘッドから遠い方のサブガイド部材3である。
【0016】
更に、後述するギャップ調整ユニット22により同一方向に回動操作されて、支持したキャリッジ1を、プラテン、あるいはプラテンがない場合には印刷基準面に対して平行に離間接近させるように構成されている。なお、図1及び図2中で符号8は紙送りローラ、符号6、7は図示しない排紙ローラの軸をそれぞれ示している。即ち本実施の形態では、排紙ローラは用紙搬送方向に離間して2列設けられているが、これに限定されるものではない。
【0017】
ギャップ調整ユニット22は、図示しないユニットフレームを介してプリンタ本体の一方のサイドフレーム50に取り付けられ、ここに移動してきたキャリッジ1によって操作された上、図示しない紙送りモータに駆動されて、一対のメインガイド部材4とサブガイド部材3を同じ量だけ回動操作するように構成されている。
【0018】
前記ギャップ調整ユニット22を詳しく説明する。図示しない紙送りモータに駆動されて図示しない排紙ローラと一体的に回転する排紙ローラ軸6、7には、その端部に、キャリッジ1に押圧されて後述する中間歯車13との噛合い位置へ変位する切換えレバー9が、該切換えレバー9の図1における紙面後方側に配設した図示しないバネの付勢力により常時非噛合い位置に保持された状態で軸方向に摺動自在に、かつ回動自在に枢支されている。
【0019】
この切換えレバー9には、その中央に、太陽歯車10が排紙ローラ軸7の角軸部に摺動自在に取付けられ、また、この切換えレバー9の両端には、太陽歯車10と常時噛合っている2つの遊星歯車11,12が段違い状に支持されていて、キャリッジ1により押圧されて変位した際には、紙送りモータの回転方向に応じて、中間歯車13にギャップ調整のためのいずれか一方の回転を伝えるように構成されている。
【0020】
一方、上記した中間歯車13は、2つの遊星歯車11,12のそれぞれと選択的に噛合うよう位相差を持たせた2つの段違い状の欠歯歯車部14,15と、後述する扇形歯車18と係脱する変形ジェネバ歯車部16とによって構成されていて、遊星歯車11,12の回転量の如何に拘わりなく一定量回転して、扇形歯車18を一定角度回転させるように構成されている。
【0021】
また扇形歯車18は、サブガイド部材3と一体的に回転するよう、該サブガイド部材3の偏心軸部40(図3)と、後述するブッシング31(図3)を介して連結固定されている。また、この扇形歯車18と一体をなす小扇形歯車19は、両ガイド部材4,3間に配設された翼形のセクタ歯車20と噛合っていて、このセクタ歯車20を介して他方のメインガイド部材4の偏心軸部2に固定した小扇形歯車21に同一方向の回転を伝えるように構成されている。なお、切換えレバー9は、常時は非噛合い位置に保持されるように該切換えレバー9の背面に図示しない爪片が設けられている。
【0022】
このように構成された実施例において、いま、普通紙に記録書込みを行なう通常の使用状態においては、図1に示したように、翼形のセクタ歯車20と噛合う小扇形歯車19,21を介して偏心軸部40,2を回動させ、もってメインガイド部材4とサブガイド部材3を回転変位させて、記録ヘッド2に普通紙の厚みに適したギャップを保持させている。この状態のもとでは、切換えレバー9の背面に突出した前記爪片は、ユニットフレームの係合孔と係合して該切換えレバー9を非噛合い位置に保持している。
【0023】
次に、この状態のもとで、カラー専用紙やはがき等の厚手の記録紙に記録書込みを行なうべく図示しないパネル上の操作ボタンを押すか、もしくは、パソコンから送られるプラテンギャップ変更指示により、記録書込みの始めにプラテンギャップ切換えポジションへ移動してきたキャリッジ1は、図示しない突出端部により切換えレバー9の一部を押圧して、これを噛合い位置へ変位させる。
【0024】
一方、これと共に図示しない紙送りモータは、排紙ローラ軸7を図2の反時計方向へ回転させ、その軸端の太陽歯車10と噛合う遊星歯車11,12を介して切換えレバー9を反時計方向に回動し、一方の遊星歯車11を中間歯車13に噛合わせてこれを図中矢印方向に回転させ、さらに、この中間歯車13の変形ジェネバ歯車部16に噛合う扇形歯車18をストッパ17と当接する位置まで一定量回動させて、これと一体をなす一方のサブガイド部材3を図中時計方向に回動させると共に、この扇形歯車18と一体の小扇形歯車19を介して翼形のセクタ歯車20を図中矢印方向に回動させて、これと噛合う他方の小扇形歯車21を介してメインガイド部材4を同一方向に回動させ、これら両ガイド部材4,3によりキャリッジ1を印刷基準面に対して平行に引上げる。
【0025】
なお、薄手の記録紙に対応させるには、紙送りモータを前記と逆に回転させてプラテンギャップを調整すればよいことは言うまでもない。
【0026】
次に、図3乃至図5に基づいて、本発明の特徴的な部分を説明する。
第1ガイド部材であるメインガイド部材4と第2ガイド部材であるサブガイド部材3の両方の前記偏心軸部2、40、60は、前記左右のサイドフレーム50,61の軸受部に4点独立で且つ前記印刷基準面に対して接離方向に位置可変に軸支されている。
【0027】
詳しくは図3に示したように、前記プラテンギャップ調整手段の一構成要素である扇形歯車18のある側のサイドフレーム50であって、前記サブガイド部材3用の前記軸受部51に、印刷基準面に対する接離方向に長尺な長孔34,35を有するブッシング31が回動可能に設けられている。前記サブガイド部材3の偏心軸部40は、前記ブッシング31の前記長孔35に長手方向に移動可能に挿入され、且つ前記もう一方の長孔34側から挿入される固定手段によって前記長手方向における所望の位置に固定されて当該ブッシング31と連結固定されるようになっている。ここで長手方向に移動可能な長孔とは、長手方向以外には移動が規制されていることが好ましい。また、前記プラテンギャップ調整手段の一構成要素である扇形歯車18は、前記ブッシング31に一体的に且つ回転可能に連結されている。
【0028】
以下、前記固定手段による固定の具体的説明を次に行う。
前記ブッシング31は、前記軸受部51に軸支される大径部33と、該大径部33と段差を介して連なる小径部32とを備え、前記大径部33内の長孔35は大長孔に形成され、前記小径部32内の長孔34は前記大長孔より短い小長孔に形成されている。前記大長孔35内にサブガイド部材3の偏心軸部40が挿入されると共に、該偏心軸部40の先端端面には軸心線に沿う被螺合孔41が設けられている。
【0029】
前記プラテンギャップ調整手段の位置する側から前記小長孔34に、前記偏心軸部40が前記大長孔35内で長手方向に移動可能な量と同程度以上に同じく長手方向に移動可能な形状の螺子5を挿入し、更に該螺子5を前記被螺合部41にねじ込むことにより当該ブッシング31と偏心軸部40が連結固定される。
【0030】
扇形歯車18は、前記ブッシング31に一体的に回転するように連結されているが、具体的には、大径部33の大長孔35と、前記小径部32の小長孔34はいずれも細長い形状であるため、この細長い形状に整合する孔を前記扇形歯車18に形成し、前記ブッシング31の小径部32を前記細長形状の孔に嵌合することによって扇形歯車18と当該ブッシッング31とは一体的に回転するように構成されている。符号30は扇形歯車18に螺子5を締結するときの凹状受け部を示す。
【0031】
また、図5に示したように、前記サブガイド部材3の前記ブッシング31のある側と反対側の偏心軸部60は、サイドフレーム61に支点64の回りに一定範囲で回動可能で且つ適宜位置に固定可能な軸受部65に、軸心回りに回動可能に軸支されている。図5において、符号62は弾性ワッシャ、符号63はEリング、符号66、67は支点64の回りに回動可能な軸受部65の回動を規制して固定する螺子である。
【0032】
メインガイド部材4の両端の偏心軸部2も、それ自体単独で平行度が調整可能に構成されているが、具体的には特開平8−300769号公報に記載されている従来公知の構造である。すなわち、偏心軸部2は印刷面に対して直交する方向に伸びる直線上の当接辺を有する穴に回動可能に嵌り込んでいる軸受部材で支持され、該軸受部材は弾性部材からなり、前記当接辺に偏心軸部2を押し付けた状態で軸受部材を前記穴の中で回動させることによって、当該偏心軸部2が前記接離方向に移動し、所定量移動後にその位置に固定できるように構成されている。公知の構造なので、これ以上の詳しい説明は特開平8−300769号公報に譲る。尚、図3に示したブッシング31を用いた偏心軸部40の調整構造を、当該偏心軸部2の調整構造に採用することも可能である。
【0033】
次に、上記実施の形態の作用を説明する。本実施の形態によれば、前記第1ガイド部材4と第2ガイド部材3の両方の前記偏心軸部2,40,60を前記左右のサイドフレーム50、61の軸受部に4点独立で且つ前記接離方向に位置可変に軸支させたので、全ガイド部材4と3の平行度調整を十分に行うことができる。この平行度調整は、専用治具を用いて、前記偏心軸部2,40,60を前記左右のサイドフレーム50、61の軸受部に独立で前記接離方向に少しずつ位置を変えつつ印刷してその位置の平行度を確認し、適切な位置に移動したところで、偏心軸部40の部分については、前記螺子5で締め付け固定することで実行される。偏心軸部60の部分については、螺子66,67を締め付けることで実行される。
このように両ガイド部材4,3に対して、4点独立の平行度調整を行えることによって、印刷位置のずれ等に起因した印刷品質の低下を防止して、プラテンギャップの調整の前後において、ほとんど変わることなく一定の印刷品質を維持した印刷を実行することができる。
【0034】
また、従来、メインガイド部材4は、それ単独で平行度調整が可能なものもあったが、サブガイド部材3は平行度調整ができないため、却って、上記の如く印字ずれを来す場合があったが、本実施の形態によれば、このサブガイド部材3を平行度調整可能な構成にしたので、記録ヘッドの印刷基準面に対する平行度を充分に高めることができる。また、サイドフレームであって前記サブガイド部材用の前記軸受部51に、前記接離方向に長尺な長孔34,35を有するブッシングが31回動可能に設けられ、前記サブガイド部材3の前記偏心軸部40は、前記ブッシング31の前記長孔35に長手方向に移動可能に挿入され、且つ固定手段によって前記長手方向の適宜の位置に固定されて当該ブッシング31と連結されるので、構造簡単にしてサブガイド部材3の単独平行度調整を行うことができる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、前記ブッシング31は、前記大径部33と小径部32とを備え、対応する大長孔35と小長孔34を備え、前記大長孔35内にサブガイド部材3の偏心軸部40が挿入されると共に、前記プラテンギャップ調整手段の位置する側から前記小長孔34に長手方向に移動可能な形状の螺子5を挿入し、更に前記偏心軸部40の被螺合部41にねじ込むことにより当該ブッシング31と偏心軸部40が連結固定されるので、当該ブッシング31と偏心軸部40との強固な連結固定状態を構造簡単にして実現することができる。
【0036】
また、前記サブガイド部材3の前記ブッシング31のある側と反対側の偏心軸部60は、サイドフレーム61に支点64の回りに一定範囲で回動可能で且つ適宜位置に固定可能な軸受部材65に、軸心回りに回動可能に軸支されているので、前記プラテンギャップ調整手段のない方のサブガイド部材3の偏心軸部60は、前記印刷基準面に対する離間接近を構造簡単にして実現することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、全ガイド部材の平行度調整を十分に行うことができ、もって印刷位置のずれ等に起因した印刷品質の低下を防止して、プラテンギャップの調整の前後において、ほとんど変わることなく一定の印刷品質を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラテンギャップ調整装置を備えたインクジェットプリンタの要部概略側面図で、プラテンギャップが通常時である状態を示す。
【図2】同インクジェットプリンタの要部概略側面図で、プラテンギャップを大きくした調整状態を示している。
【図3】サブガイド部材の軸受部を示し、(A)は要部側面図で図1において螺子5を外した状態を示し、(B)は偏心軸部の軸芯線を通る縦断面図を示し、(C)は偏心軸部の軸芯線を通る横断面図を示す。
【図4】軸受部を図3(A)と反対側から見た側面図であり、サブガイド部材及びサイドフレームを省いて示してある。
【図5】サブガイド部材の他端側の軸受部を示し、(A)は要部側面図、(B)は(A)を横方向から見た状態である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 偏心軸部
3 サブガイド部材
4 メインガイド部材
5 螺子
18 扇形歯車
31 ブッシング
32 小径部
33 大径部
34 小長孔
35 大長孔
40 偏心軸部
41 被螺合部
60 偏心軸部
Claims (5)
- 記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させる一対の第1ガイド部材と第2ガイド部材とをプリンタ本体の左右のサイドフレームの軸受部に偏心軸部を介して回動自在に取り付け、
前記一対の第1ガイド部材及び第2ガイド部材の前記偏心軸部に同一の回動変位量を付与するプラテンギャップ調整手段を結合させて、印刷基準面に対して前記キャリッジと共に記録ヘッドを平行に接離させるように構成すると共に、
前記第1ガイド部材と第2ガイド部材の両方の前記偏心軸部を前記左右のサイドフレームの軸受部に4点独立で且つ前記接離方向に位置可変に軸支させたことを特徴とするプラテンギャップ調整装置。 - 請求項1において、前記第1ガイド部材は前記記録ヘッドに近い方のメインガイド部材であり、前記第2ガイド部材は前記記録ヘッドから遠い方のサブガイド部材であり、
前記プラテンギャップ調整手段のある側のサイドフレームであって前記サブガイド部材用の前記軸受部に、前記接離方向に長尺な長孔を有するブッシングが回動可能に設けられ、
前記サブガイド部材の前記偏心軸部は、前記ブッシングの前記長孔に長手方向に移動可能に挿入され、且つ固定手段によって前記長手方向の適宜の位置に固定されて当該ブッシングと連結され、
前記プラテンギャップ調整手段は、前記ブッシングに一体的に回転可能に連結されていることを特徴とするプラテンギャップ調整装置。 - 請求項2において、前記ブッシングは、前記軸受部に軸支される大径部と、該大径部と段差を介して連なる小径部とを備え、前記大径部内の長孔は大長孔に形成され、前記小径部内の長孔は前記大長孔より短い小長孔に形成され、
前記大長孔内にサブガイド部材の偏心軸部が挿入されると共に該偏心軸部の先端端面には軸心線に沿う被螺合孔が設けられており、
前記プラテンギャップ調整手段の位置する側から前記小長孔に、前記偏心軸部が前記大長孔内で長手方向に移動可能な量と同程度以上に同じく長手方向に移動可能な形状の螺子を挿入し、更に前記被螺合部にねじ込むことにより当該ブッシングと偏心軸部が連結固定されることを特徴とするプラテンギャップ調整装置。 - 請求項2または3において、前記サブガイド部材の前記ブッシングのある側と反対側の偏心軸部は、サイドフレームに支点の回りに一定範囲で回動可能で且つ適宜位置に固定可能な軸受部材に、軸心回りに回動可能に軸支されていることを特徴とするプラテンギャップ調整装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載されたプラテンギャップ調整装置を備えた記録装置。
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