JP3714428B2 - 鉛蓄電池用端子 - Google Patents
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- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は鉛蓄電池の端子に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から用いられている鉛蓄電池用端子部の一実施例を図１に示す。図に示すように、電槽を密閉する蓋１に鉛または鉛合金からなるブッシング２がモールドされており、このブッシング２の上面にボルト３の下部が埋設されている。該ボルト３は一般に黄銅に半田めっきされたものであり、ブッシング２上面に突出した部分にねじ山３ａが形成され、外部端子（図示せず）と連結される。なお、ボルト３の代わりにナットを埋設した端子も用いられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた端子は、ボルト３またはナットに外部端子が繰り返し着脱されると、ねじ山３ａが変形したり破損して電池と外部機器とが接続できなくなるという不具合が生じた。この不具合を解消するために、ボルト３やナットをステンレス製にして強度を持たせているが、ステンレスと鉛合金との接着状態が悪いため、外部端子をボルト３に強固に締め付けると、接着面が外れたり導電性が悪くなるという問題点を有していた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、繰り返し着脱されてもねじ山が変形したり破損することがなく、外部端子を強固に取り付けることができる鉛蓄電池用端子を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、鉛または鉛合金からなるブッシング２上面にボルト３またはナットが埋設された鉛蓄電池用端子において、前記ボルト３またはナットはステンレスにニッケルと半田のめっきが施されていることを特徴とするものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細につき図面に基づいて説明する。
本発明の鉛蓄電池用端子は、図１の従来の端子の形状と同様であり、ブッシング２の上部にボルト３またはナット（図示せず）が埋設されている。ブッシング２は鉛−カルシウム系合金からなり、ボルト３またはナットはステンレスの母材にニッケルと半田のめっきが施されたものである。ブッシング２は、円柱形であり、中間部の周壁に４条の鍔２ａが形成され、蓋１と一体化されたときに気密が保たれるようになっている。なお、ボルト３またはナットは、締め付け時にブッシング２との間で回転しないように埋設された部分の少なくとも一部が円柱形でないことが好ましい。
【０００６】
次に、上記端子の製造方法について説明する。
先ず、ステンレス（ＳＵＳ３１６）棒を加工してボルトを作製し、このボルトを電解脱脂した後、水と塩酸の洗浄工程を経てからボルト表面に約５μｍ厚のニッケルめっきを施す。次に、水洗してニッケルめっきの上に鉛と錫の比率が１対９の半田めっきを施して本発明に係るボルト３を作製した。
次に、このボルト３を鋳型に設置して、Ｐｂ−Ｃａ系合金の溶湯を流し込み図１のような本発明の端子Ａを得た。
また、ステンレスからなるボルトにめっきを施さずにＰｂ−Ｃａ系合金製のブッシングに埋設した図１のような従来の端子Ｂを作製した。
さらに、黄銅製のボルトに半田めっきを施し、Ｐｂ−Ｃａ系合金製のブッシングに埋設した図１のような従来の端子Ｃを作製した。
【０００７】
次に、上記端子Ａ，Ｂ，Ｃのブッシング２とボルト３との密着度、端子締め付け強度、繰り返し締め付け可能回数を調査した。その結果を表１に示す。
なお、密着度は、端子を縦方向に切断してブッシング２とボルト３との接触面を観察し、接触面に占める接合面の割合で示し、端子締め付け強度はブッシング２を固定してボルト３を回転した時に回転しはじめる強度とし、繰り返し締め付け可能回数は、ボルトにリード線端子を繰り返し取り付け、ボルトのねじ山が変形するまでの回数で示した。
【０００８】
【表１】
【０００９】
表１より本発明の端子Ａは、従来の端子Ｂに比べ、ボルトとブッシングとの密着度が強固であるので、締め付け強度が優れることが分かる。また、従来の端子Ｃは、本発明の端子Ａと密着度が同等であるが、ボルトの強度が劣り、変形するので、締め付け強度が端子Ａより劣る。さらに、本発明の端子Ａは、従来の端子Ｃに比べボルトの強度が優れるので、ねじ山が潰れるまでの回数（締付け可能回数）が多いことが分かる。
また、本発明の端子Ａは、従来の端子Ｂに比べ密着度が優れるため、ボルトとブッシングとの接触抵抗が低く導電性に優れる。
なお、本実施形態のボルトは、ステンレスにニッケルと半田をめっきしたものであるが、半田の代わりに錫や鉛を用いても同様な効果がある。また、ステンレスはＳＵＳ３１６の代わりにＳＵＳ３０４等でも同様な効果がある。さらに、ブッシングは、締め付け時に回転しないように、少なくとも一部が円柱形でないことが好ましく、強度や作業性を考慮してＰｂ−Ｓｂ系等の鉛合金も可能である。
【００１０】
【発明の効果】
本発明は上述の通り構成されているので、締め付け強度に優れると共に、外部端子を繰り返し取り付けてもねじ山が変形したり破損しにくい、導電性に優れた鉛蓄電池用端子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明および従来に係る鉛蓄電池の端子部分を示す断面図である。
【符号の説明】
２ ブッシング
３ ボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は鉛蓄電池の端子に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から用いられている鉛蓄電池用端子部の一実施例を図１に示す。図に示すように、電槽を密閉する蓋１に鉛または鉛合金からなるブッシング２がモールドされており、このブッシング２の上面にボルト３の下部が埋設されている。該ボルト３は一般に黄銅に半田めっきされたものであり、ブッシング２上面に突出した部分にねじ山３ａが形成され、外部端子（図示せず）と連結される。なお、ボルト３の代わりにナットを埋設した端子も用いられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた端子は、ボルト３またはナットに外部端子が繰り返し着脱されると、ねじ山３ａが変形したり破損して電池と外部機器とが接続できなくなるという不具合が生じた。この不具合を解消するために、ボルト３やナットをステンレス製にして強度を持たせているが、ステンレスと鉛合金との接着状態が悪いため、外部端子をボルト３に強固に締め付けると、接着面が外れたり導電性が悪くなるという問題点を有していた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、繰り返し着脱されてもねじ山が変形したり破損することがなく、外部端子を強固に取り付けることができる鉛蓄電池用端子を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、鉛または鉛合金からなるブッシング２上面にボルト３またはナットが埋設された鉛蓄電池用端子において、前記ボルト３またはナットはステンレスにニッケルと半田のめっきが施されていることを特徴とするものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細につき図面に基づいて説明する。
本発明の鉛蓄電池用端子は、図１の従来の端子の形状と同様であり、ブッシング２の上部にボルト３またはナット（図示せず）が埋設されている。ブッシング２は鉛−カルシウム系合金からなり、ボルト３またはナットはステンレスの母材にニッケルと半田のめっきが施されたものである。ブッシング２は、円柱形であり、中間部の周壁に４条の鍔２ａが形成され、蓋１と一体化されたときに気密が保たれるようになっている。なお、ボルト３またはナットは、締め付け時にブッシング２との間で回転しないように埋設された部分の少なくとも一部が円柱形でないことが好ましい。
【０００６】
次に、上記端子の製造方法について説明する。
先ず、ステンレス（ＳＵＳ３１６）棒を加工してボルトを作製し、このボルトを電解脱脂した後、水と塩酸の洗浄工程を経てからボルト表面に約５μｍ厚のニッケルめっきを施す。次に、水洗してニッケルめっきの上に鉛と錫の比率が１対９の半田めっきを施して本発明に係るボルト３を作製した。
次に、このボルト３を鋳型に設置して、Ｐｂ−Ｃａ系合金の溶湯を流し込み図１のような本発明の端子Ａを得た。
また、ステンレスからなるボルトにめっきを施さずにＰｂ−Ｃａ系合金製のブッシングに埋設した図１のような従来の端子Ｂを作製した。
さらに、黄銅製のボルトに半田めっきを施し、Ｐｂ−Ｃａ系合金製のブッシングに埋設した図１のような従来の端子Ｃを作製した。
【０００７】
次に、上記端子Ａ，Ｂ，Ｃのブッシング２とボルト３との密着度、端子締め付け強度、繰り返し締め付け可能回数を調査した。その結果を表１に示す。
なお、密着度は、端子を縦方向に切断してブッシング２とボルト３との接触面を観察し、接触面に占める接合面の割合で示し、端子締め付け強度はブッシング２を固定してボルト３を回転した時に回転しはじめる強度とし、繰り返し締め付け可能回数は、ボルトにリード線端子を繰り返し取り付け、ボルトのねじ山が変形するまでの回数で示した。
【０００８】
【表１】
表１より本発明の端子Ａは、従来の端子Ｂに比べ、ボルトとブッシングとの密着度が強固であるので、締め付け強度が優れることが分かる。また、従来の端子Ｃは、本発明の端子Ａと密着度が同等であるが、ボルトの強度が劣り、変形するので、締め付け強度が端子Ａより劣る。さらに、本発明の端子Ａは、従来の端子Ｃに比べボルトの強度が優れるので、ねじ山が潰れるまでの回数（締付け可能回数）が多いことが分かる。
また、本発明の端子Ａは、従来の端子Ｂに比べ密着度が優れるため、ボルトとブッシングとの接触抵抗が低く導電性に優れる。
なお、本実施形態のボルトは、ステンレスにニッケルと半田をめっきしたものであるが、半田の代わりに錫や鉛を用いても同様な効果がある。また、ステンレスはＳＵＳ３１６の代わりにＳＵＳ３０４等でも同様な効果がある。さらに、ブッシングは、締め付け時に回転しないように、少なくとも一部が円柱形でないことが好ましく、強度や作業性を考慮してＰｂ−Ｓｂ系等の鉛合金も可能である。
【００１０】
【発明の効果】
本発明は上述の通り構成されているので、締め付け強度に優れると共に、外部端子を繰り返し取り付けてもねじ山が変形したり破損しにくい、導電性に優れた鉛蓄電池用端子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明および従来に係る鉛蓄電池の端子部分を示す断面図である。
【符号の説明】
２ ブッシング
３ ボルト
Claims (1)
- ブッシング（２）上面にボルト（３）またはナットが埋設された鉛蓄電池用端子において、前記ボルト（３）またはナットはステンレスにニッケルと半田のめっきが施されていることを特徴とする鉛蓄電池用端子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32662995A JP3714428B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 鉛蓄電池用端子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32662995A JP3714428B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 鉛蓄電池用端子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09167610A JPH09167610A (ja) | 1997-06-24 |
| JP3714428B2 true JP3714428B2 (ja) | 2005-11-09 |
Family
ID=18189935
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32662995A Expired - Fee Related JP3714428B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 鉛蓄電池用端子 |
Country Status (1)
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| US9954214B2 (en) | 2013-03-15 | 2018-04-24 | Water Gremlin Company | Systems and methods for manufacturing battery parts |
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| MX2021006454A (es) | 2018-12-07 | 2021-07-02 | Water Gremlin Co | Partes de bateria que tienen barreras contra acidos sin solventes y sistemas y metodos asociados. |
-
1995
- 1995-12-15 JP JP32662995A patent/JP3714428B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09167610A (ja) | 1997-06-24 |
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