JP3714001B2 - 便蓋装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋式便器の開口部を開閉する便蓋と、洋式便器の上面後部に配設され便蓋を支持する本体とを有する便蓋装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、洋式便器には、その開口部を開閉する便蓋を備え付けることが一般的であり、この便蓋は、便器上面後部に配設された本体に回転自在に支持されている。そして、この便蓋と本体を有する便蓋装置は、便蓋を閉じることにより便器ボール部を閉鎖し、ボール部内の悪臭を外部に漏れないようにしている。また、便蓋を開けることにより便器ボール部の開口部を開放し、通常の用便行為を可能とする。
【0003】
ところで、このような便蓋装置にあっては、便蓋の回転(開閉)に支障が起きないよう、本体と対向する便蓋側部分に大きく窪んだいわゆる削り部分を設け、本体と便蓋との干渉を回避していた。あるいは、本体側の便蓋支持部分を傾斜させたりして、本体側に削り部分を設けることもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この削り部分の形成に当たっては、便蓋との干渉回避しか考慮されることがなかったため、便蓋を閉じた際、本体と便蓋との間に大きな隙間が残されたままであった。このため、この隙間部分に汚れが溜まって清掃性が悪いばかりでなく、本体と便蓋の形状的な統一性がなく意匠性を損ねていた。
【0005】
つまり、従来の装置は、回転する便蓋と本体との干渉を防止し、便蓋の回転機能性は確保していたものの、閉じた便蓋と本体との隙間に関する清掃性・意匠性に欠けていた。
【0006】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、便蓋の回転機能性と清掃性・意匠性との両方を満足する便蓋装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の便蓋装置は、
洋式便器の開口部を開閉する便蓋と、前記洋式便器の上面後部に配設され前記便蓋を支持する本体とを有する便蓋装置であって、
前記便蓋は、前記開口部の蓋部分から延出形成され、前記本体に支持される便蓋側支持部を有し、
前記本体は、前記便蓋が前記開口部を開閉するよう前記便蓋側支持部を回転自在に支持し、前記便蓋を上下回転可能とする本体側支持部と、
前記本体は、洋式便器に着座した使用者の局部洗浄に関与する機能部品とを有し、
前記本体側支持部は、その上部形状が前記便蓋側支持部の回転中心軸と同心の円弧形状とされていると共に、前記円弧形状とされた前記上部形状部分において、前記便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域に、前記機能部品の状態を表示する表示部を有することを特徴とする。
【0008】
上記構成を有する本発明の便蓋装置では、本体の本体側支持部で便蓋側支持部を回転自在に支持することで、本体を介して便蓋を洋式便器上面に配設する。この便蓋は、便蓋側支持部の回転中心軸を中心に上下に回転して蓋部分により洋式便器の開口部を開閉し、閉状態では洋式便器内の悪臭を閉じ込め、開状態では、通常の用便行為を可能にする。このように便蓋が回転する場合、本体側支持部に対向する便蓋部位、即ち便蓋側支持部の側の蓋部分を始めとする便蓋各部位は、上記の回転中心軸を中心とする円弧軌跡で上下に回転移動する。そして、本体側支持部の上部は、その形状が便蓋側支持部の回転中心軸と同心の円弧形状とされているので、本体側支持部に対向する便蓋部位(蓋部分)の円弧軌跡に亘って当該便蓋部位と干渉することはない。よって、本体・便蓋のいずれにも従来のような傾斜したり窪んだりした削り部分を必要としない。しかも、円弧形状をした本体側支持部の上部と上記の円弧軌跡で回転移動する便蓋部位との間には、ごく僅かな隙間が存在すればよいことから、閉状態にある便蓋の蓋部分と本体側支持部との間には隙間がほとんど発生しない。
【0009】
このため、隙間部分に汚れが溜まりにくくできるので、清掃性を向上できると共に、本体と便蓋の形状的な統一性を採ることができ意匠性を高めることもできる。つまり、回転する便蓋と本体との干渉を防止し、便蓋の回転機能性を確保しつつ、閉じた便蓋と本体との隙間に関する清掃性・意匠性も高めることができ、高い製品価値を発揮することができる。なお、本発明にいう円弧形状には、楕円形状が含まれるものとし、このような楕円形状を採る場合は、便蓋側支持部の回転中心軸を楕円の長軸上に位置させたり、便蓋の開状態と閉状態とで便蓋の蓋部分と本体側支持部との間の隙間がほぼ同じとなるよう便蓋側支持部の回転中心軸を定めればよい。
【0010】
上記の構成を有する本発明の便蓋装置は、前記本体側支持部を、前記円弧形状とされた前記上部形状部分において、前記便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域に、前記機能部品の状態を表示する表示部を有する。この円弧形状とされた本体側支持部の上部形状部分では、便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域は、便蓋が開状態であっても閉状態であってもこの便蓋によって塞がれることがなく常時外部に露出した領域となるので、使用者により常時視認され得る。よって、使用者は、この開閉合致領域の表示部により局部洗浄に関与する機能部品の状態を便蓋の開閉によらず視認することができる。そして、この表示部を光透過性の外壁部材で覆うようにすれば、当該表示部への水濡れ等を防止でき、機器損傷回避の点からも好ましい。また、この外壁部材の下方、即ち、本体側支持部の内部から光を発光させることにより、使用者にインパクトを与えたり、高級感といった光演出を図ることができる。なお、上記の開閉合致領域を便蓋の開閉範囲と合致させるに当たっては、開閉合致領域が便蓋の開閉範囲と完全に合致する場合の他、開閉合致領域が便蓋の開閉範囲に含まれる場合も含む。
【0011】
また、前記外壁部材を前記開閉合致領域に着脱自在とすることもできる。こうすれば、本体側支持部並びに本体を共通としながら、光透過性の外壁部材を有する製品シリーズとこれを有しない製品シリーズとを設定でき、購買者の選択枝を広げることができる。
【0012】
また、光透過性の前記外壁部材と前記本体とを、同等の強度を有する材料を用いて形成されているものとすることができる。こうすれば、その取り扱いにおいて破損等に関する特段の注意が不要となり好ましい。しかも、本体を外壁部材と同じ材料に着色剤を配合して不透明なものとできることから、使用材料の共通化を通して、製品コストの削減やリサイクル効率の向上を図ることができるといった製造上の利点がある。
【0013】
また、光透過性の前記外壁部材を、材料としてポリプロピレンを用いるものとすることができる。こうすれば、薬品性に優れることから、便器清掃の際に強酸性の薬剤が誤って付着・残存したままでも劣化を抑制することができる。
【0014】
また、前記本体側支持部を、前記円弧形状とされた前記上部形状部分において、前記便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域に、前記洋式便器前方での使用者の起立もしくは着座を非接触で検出する使用者検出センサを有するものとすることができる。こうすれば、便蓋の開閉状態に拘わらずこの便蓋によって塞がれることがない開閉合致領域で、使用者起立もしくは着座を検出するので、その検出精度並びに検出信頼性を高めることができる。
【0015】
この場合、前記使用者検出センサを、光電センサ、超音波センサのいずれかとすることができる。こうすれば、センサデバイスの入手や調整・保守が容易となり、好ましい。光電センサは、反射型でも透過型でもよく、透過型の場合には、センサと対向するトイレ内壁等に、センサに指向して光を発する発光器を設置すればよい。
【0019】
また、洋式便器の開口部上縁に重なる便座部分と、当該部分から延出形成された便座側支持部とを有する便座を備え、
前記本体側支持部を、前記便座側支持部を同一の回転軸で前記便蓋側支持部と共に回転自在に支持し、前記便座を前記便蓋とは別個に上下回転可能とするものとすることができる。
こうすれば、便座を含めて意匠性を高めることができる。
【0020】
この場合、前記本体側支持部を、閉状態にある前記便蓋の蓋部上面より上方に前記回転軸が位置するよう、前記本体の後端側に形成されたものとし、
前記便座は、前記便座側支持部を前記便座部分から上方に湾曲して連続傾斜するよう延出して有するものとすることができる。
こうすれば、便座部分から便座側支持部にかけての延出部分を湾曲して連続傾斜させるので、便座への着座使用者に違和感を与えないと共に、本体側支持部を本体の後端側として便座の後部側を広くできることと相俟って、着座感を高めることができる。
【0021】
また、前記本体を、洋式便器に着座した使用者の局部洗浄に関与する機能部品を有するものとすることができる。こうすれば、用便行為を補助でき好ましい。この場合、局部洗浄に関与する機能部品としては、洗浄水噴出のためのノズル装置や、そのノズルの進退駆動装置、給水された洗浄水を温水化する瞬間式の熱交換機器、局部乾燥機器、これらの電子制御装置等を挙げることができる。なお、これら機器を遠隔操作するための操作装置を本体に設けたり、トイレ壁面に設置したりすればよい。また、便器ボール内の臭気を取り除く脱臭機器や、尿酸等を検出するバイオセンサを用いた尿検査機器、便器洗浄等を内蔵したり、暖房便座を組み込むことにより機能装置となり、用便行為を種々の観点から補助でき、更によい。
【0022】
また、便蓋や便座の回転に関し、特に開状態から閉状態に回転移動する際の洋式便器上面との激しい衝突を防止するための抵抗(いわゆる「ソフト閉止機構」)を設けておくと、便蓋や便座の破損を防止でき、更によい。
【0023】
【発明の他の態様】
本発明は、以下のような他の態様を採ることも可能であり、第1の他の態様は、
洋式便器への着座部となる便座と、前記洋式便器の上面後部に配設され前記便座を支持する本体とを有する便座装置であって、
前記便座は、洋式便器の開口部上縁に重なる便座部分と、当該部分から延出形成され前記本体に支持される便座側支持部とを有し、
前記本体は、前記便座が前記開口部上縁から離間するよう前記便座側支持部を回転自在に支持し、前記便座を上下回転可能とする本体側支持部を有し、
前記本体側支持部の上部形状は、前記便座側支持部の回転中心軸と同心の円弧形状とされている。
【0024】
この第1の他の態様では、便蓋の設置を省略した洋式便器において、本体の本体側支持部で便座側支持部を回転自在に支持し、本体を介して便座を洋式便器の開口部上縁に配設する。従って、上記した便蓋装置と同様に、本体側支持部に対向する便座部位(便座部分)の円弧軌跡に亘って当該便座部位と本体側支持部を干渉させることはなく、円弧形状をした本体側支持部の上部とこの便座部位との間に隙間をほとんど発生させない。このため、回転する便座と本体との干渉を防止して便座の回転機能性を確保しつつ、清掃性・意匠性も高めることができ、高い製品価値を発揮することができる。
【0025】
第2の他の態様は、
洋式便器への着座部となる便座と、前記洋式便器の上面後部に配設され前記便座を支持する本体とを有する便座装置であって、
前記便蓋は、前記開口部の蓋部分から延出形成され、前記本体に支持される便蓋側支持部を有し、
前記本体は、前記便蓋が前記開口部を開閉するよう前記便蓋側支持部を回転自在に支持し、前記便蓋を上下回転可能とする本体側支持部を有し、
前記本体側支持部は、その上部形状部分において、前記便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域に、光透過性の外壁部材を有する。
【0026】
この第2の他の態様は、本体側支持部の上部形状部分を円弧形状とする点を除いて上記の本発明とその構成において共通し、この第2の他の態様によれば、本体側支持部の上部形状部分では、便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域を、便蓋の開状態・閉状態に拘わらず常時外部に露出した領域として、使用者により常時視認されるようにできる。よって、この開閉合致領域の光透過性の外壁部材にあっても使用者により常時視認されることから、上記の本発明と同様に、この外壁部材下方からの発光を通して、使用者にインパクトを与えたり、高級感といった光演出を図ることができる。しかも、この発光部品を外壁部材で覆うことができるので、当該部品への水濡れ等を防止でき、機器損傷回避の点からも好ましい。
【0027】
そして、この外壁部材を前記開閉合致領域に着脱自在とすることで、あるいは、前記本体側支持部を、前記上部形状部分において、前記便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域に、前記洋式便器前方での使用者の起立もしくは着座を非接触で検出する使用者検出センサを有するものとすることで、上記の本発明の奏する一部の効果を奏することができる。
【0028】
また、前記本体側支持部を、前記上部形状部分において、前記便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域に、洋式便器の着座使用者の背中を指向した開口を有するものとし、前記本体を、外部の温風源または本体内部の温風源から温風を前記開口に導く温風経路を有するものとすることで、上記の本発明の奏する一部の効果を奏することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成およびその作用・効果を一層明らかにするために、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、便蓋並びに便座を支持すると共に洗浄水による人体局部の洗浄を行う実施例の衛生洗浄装置10の外観を表わす概略斜視図である。図2と図3は、この衛生洗浄装置10の六面図であり、図2(A)はその正面図を、図2(B)は右側面図を、図2(C)は背面図を、図2(D)は左側面図を、図3(A)は上面図を、図3(B)は底面図をそれぞれ表す。
【0030】
これら図面に示すように、衛生洗浄装置10は、図示しない洋式便器の便蓋12と、洋式便器の開口部上縁に重なり用便時に着座される便座14と、洋式便器の上面後部に配設されこの便蓋12並びに便座14を回転支持する本体16とを有する。本体16は、便器への固定部分となる底部部材16aに本体壁面部材16bを固定して構成され、その内部を機器収納空間とする。そして、この本体16の機器収納空間には、人体局部に洗浄水を噴出するためのノズル装置30(図4ないし図6、図12参照)や、そのノズルを本体側の待機位置から便器ボール部内の洗浄位置に進退駆動するノズル駆動装置31(図6、図12参照)、給水された洗浄水を温水化して送り出す瞬間式の熱交換器32(図12参照)、局部乾燥のための温風や使用者への暖気感付与のための温風を発生する温風ファン33(図6、図12参照)、リモコン50(図12、図25参照)からの指示に応じてこれら機器を駆動制御する電子制御装置34(図12、図13参照)等が収納されている。これら機器を用いて局部洗浄を行うため、その指示を出す種々のボタンは、本体とは別体のリモコン50に備え付けられるが、本体側面に設けられた操作部35(図示省略)に装備することもできる。なお、これらノズル装置30やリモコン50等については後述する。
【0031】
本体16は、その概略斜視図の図4や側面図の図5、中央開略断面図の図6に示すように、便器前方側に傾斜面16cを本体壁面部材16bの一部にて形成して備え、この傾斜面16cに便座・便蓋支持体17を有する。この便座・便蓋支持体17は、傾斜面16cにて本体壁面部材16bが隆起するよう、本体16と同一の材料で一体形成される。
【0032】
便座・便蓋支持体17の左右両端面には、便蓋12並びに便座14と係合する回転軸部材40(図11参照)が嵌合固定される嵌合孔17aが空けられている。この回転軸部材40は、便蓋や便座の回転中心軸となると共に、その閉動作時の便器近傍の回転移動動作を抵抗により遅くして衝突を緩和するソフト開閉機構を内蔵している。そして、便蓋12と便座14に係合した状態でこの回転軸部材40が便座・便蓋支持体17の嵌合孔17aに嵌合・固定されると、便座・便蓋支持体17は、左右の回転軸部材40の軸心(便蓋12並びに便座14の回転中心軸)、即ち左右の嵌合孔17aの軸心を回転中心軸として、便蓋12と便座14とを回転自在に支持することになる。よって、便蓋12は、便座・便蓋支持体17により回転自在に支持され、洋式便器の開口部を開閉するよう、上下に回転可能となる。また、便座14は、便蓋12と同一の回転中心軸(左右の嵌合孔17aの軸心)で便座・便蓋支持体17により回転自在に支持されて、上下に回転可能となる。便蓋12並びに便座14と便座・便蓋支持体17の関係については後述する。
【0033】
便座・便蓋支持体17は、その頂上部に便蓋12並びに便座14の回転中心軸と同心の円弧形状とされた曲面部17bを備える。また、便座・便蓋支持体17は、この曲面部17bの中央部に、洋式便器の着座使用者の背中を指向した開口17cを有し、その左右には、人体検出センサ22aと、ノズル装置30等による局部洗浄の動作状態や設定状態を表示する表示部22bと、リモコン50から発せられた信号(例えば、赤外領域の光信号)を受光するリモコン受光部22cを有する。これら人体検出センサ22aや表示部22b、リモコン受光部22c並びに開口17cの曲面部17bにおける設置範囲Xは、図7に示すように、便蓋12が便器開口部を閉鎖した閉位置とこの開口部を開放した開位置とに亘る便蓋12の開閉範囲X0に含まれるよう、当該開閉範囲に合致した位置とされている。なお、このように上記の設置範囲Xが開閉範囲X0に含まれるのは、図示するように便蓋12が洋式便器の開口部を開閉する蓋部分12aをその回転中心軸からオフセットして備えるためであり、便蓋12が回転中心軸から水平に蓋部分12aを有するならば、上記の設置範囲Xは開閉範囲X0にほぼ一致するよう合致する。
【0034】
また、この便座・便蓋支持体17は、その曲面部17bを少なくとも人体検出センサ22a等の設置範囲Xに亘って覆うカバー18を着脱自在に有する。このカバー18は、ポリプロピレン等の光透過性の高い樹脂で形成されており、曲面部17bに倣った曲面形状、即ち、便蓋12並びに便座14の回転中心軸と同心の円弧形状とされている。よって、人体検出センサ22aや表示部22b並びにリモコン受光部22cは、曲面部17bに装着されたカバー18により覆われる。なお、カバー18には、便座・便蓋支持体17の開口17cと重なる開口18aが空けられている。
【0035】
人体検出センサ22aは、赤外領域等の光を発する発光部と反射した光を受光する受光部とが組み合わされた反射型の光電センサや、超音波を発する発信器と反射した超音波を受信する受信器とが組み合わされた超音波センサである。そして、これら発光部・受光部あるいは発信器・受信器が曲面部17bの上記設置位置に位置するよう、便座・便蓋支持体17に組み込まれてカバー18で覆われており、便器前方での使用者の起立もしくは着座を検出する。リモコン受光部22cも同様である。この場合、便器前方での使用者の起立と着座とは、センサからの距離の相違により減衰が起きるので、受光量や受信量のレベルから区別して検出される。なお、人体検出センサ22aを上記の受光部や受信器とし、人体検出センサ22aと対向するトイレ内壁等にセンサを指向した発光部や発信器を設置するように構成し、人体検出センサ22aを透過型のものとしてもよい。そして、この透過型のセンサ構成の人体検出センサ22aで便器前方での使用者の起立と着座を区別して検出するには、起立検出のための発光部・発信器と着座検出のための発光部・発信器とを別に用意し、それぞれの検出に適したトイレ内壁位置に各発光部・発信器を設置すればよい。
【0036】
表示部22bは、それぞれの表示箇所における便座・便蓋支持体17内部にLED等の発光デバイスを設置して構成することができる。また、光ファイバや透明なガラス板やアクリル板等の光伝送材をそれぞれの表示箇所に設置し、隣接する表示箇所間で光が漏れないよう遮光する。そして、各光伝送材に個別に光を入射するLED等の発光デバイスを便座・便蓋支持体17内部に設置して構成することもできる。
【0037】
また、便座・便蓋支持体17には、本体16に内蔵された温風ファン33から温風を導く温風管路17dがその内部下端に固定されている。よって、温風ファン33が温風の送り出しを開始すると、その温風は、図6に白抜き矢印で示すように、温風管路17dを経て開口17cに導かれ、便座14に着座した使用者の背中に向けて吹き出される。
【0038】
次に、便蓋12、便座14について説明する。図8は、便蓋12の要部を破断して示す要部破断図、図9は、図8の右方向矢視図であり回転軸部材40を介した便座・便蓋支持体17への回転軸支の様子を説明する説明図である。図10は、便座14の概略斜視図、図11は、便座14の要部を破断して示す要部破断図である。
【0039】
これら図面と図1ないし図3に示すように、便蓋12は、便器の開口部を塞ぐ蓋部分12aを有し、その後端側に、後述の回転軸部材40を介して便座・便蓋支持体17に回転自在に支持される便蓋支持部12bを二股状に有する。この便蓋支持部12bは、蓋部分12aから上方に湾曲傾斜した連結部12cを介在させて、この蓋部分12aから延出形成されている。連結部12cは、図8に示すように、便蓋12が便座・便蓋支持体17に回転軸支された状態において、便座・便蓋支持体17の曲面部17bにおけるカバー18と接近した端部12dを有する。連結部12cは、便蓋の両側面においても、便蓋支持部12bを蓋部分12aに連結させている。なお、図8において、曲面部17bに装着されたカバー18は省略されている。
【0040】
便蓋支持部12bは、図9に示すように、便座・便蓋支持体17の端面側に、便座14の後述の便座支持部14bを覆うよう形成された円弧状のカバー部12eと、便蓋側面まで円柱状に厚肉形成された肉厚端部12fとを有する。この肉厚端部12fに、回転軸部材40を嵌合固定するための嵌合孔12gが空けられている。回転軸部材40は、便座・便蓋支持体17の嵌合孔17aに嵌合し回転中心軸となる軸部分40aと、この軸部分40aの軸心を中心に回転自在な第1、第2外筒軸部分40b、40cを有する。そして、第1、第2外筒軸部分40b、40cが便蓋支持部12bにおける嵌合孔12gと便座14の便座支持部14bを貫通する嵌合孔14kとに嵌合固定され、軸部分40aが嵌合孔17aに嵌合するよう嵌め込まれる。これにより、便蓋12と便座14は、上記したように便座・便蓋支持体17で回転自在に支持されることになる。この場合、第1外筒軸部分40bにより、便蓋12は、便座・便蓋支持体17に支持された状態で単独回転可能となり、第2外筒軸部分40cにより、便座14は、単独および便蓋・便座一体での回転が可能となる。なお、上記したソフト開閉は、第1、第2外筒軸部分40b、40cに内部側からスプリングにより抵抗をかけ、その回転動作にブレーキをかけることで実現されている。
【0041】
便座14は、図10および図11に示すように、便器の開口部上縁に重なる便座部分14aを有し、その後端側に、回転軸部材40を介して便座・便蓋支持体17に回転自在に支持される便座支持部14bを二股状に有する。この便座支持部14bは、便座部分14aから上方に湾曲傾斜した連結部14cを介在させて、この便座部分14aから延出形成されている。連結部14cは、図11に示すように、便座14が便座・便蓋支持体17に回転軸支された状態において、便座・便蓋支持体17の曲面部17bにおけるカバー18(図示省略)と接近した端部14dを有する。連結部14cは、便座支持部14bの外側および便座両側面においても、便座部分14aから形成されている。そして、この連結部14cは、便座支持部14bの外側においてはほぼ水平に延びた鞍部14eとされており、便蓋12が単独回転するときの便蓋支持部12bとの干渉回避が図られている。
【0042】
便座支持部14bは、その略中央に嵌合孔14kを有する。そして、この嵌合孔14kに回転軸部材40の第1外筒軸部分40b(図9参照)が嵌合固定されることで、上記したように便座・便蓋支持体17で回転自在に支持されることになる。
【0043】
次に、衛生洗浄装置10が行う局部洗浄について説明する。図12は、局部洗浄に関与する概略機器構成を模式的に表したブロック図、図13は、この衛生洗浄装置10の制御系を表わしたブロック図である。
【0044】
衛生洗浄装置10は、温水を連続的に供給する熱交換器32を備え、電磁止水弁36を経由して、図示しない水道管から洗浄水の供給を受ける。この電磁止水弁36は、給水源の水圧に応じてその開度を変更することにより洗浄水流量を一定に維持する定流量弁36aを備えている。熱交換器32は、図示するように瞬間式であることから、温水を連続的に供給するとともに貯湯タンクを不要とし省スペースにできるという利点がある。そして、この熱交換器32は、給水された洗浄水を適温に温水化するためのヒータ37を備える。このヒータ37は、電子制御装置34からの制御信号を受けてオン/オフする。また、ヒータ37の上流には、入水温度を検出する入水温度センサ38が設けられ、その下流には、吐出温度を検出する吐水温度センサ39が設けられている。電子制御装置34は、CPU、ROM、RAM等を有する論理演算回路として構成され、衛生洗浄装置10における種々の制御を実行する。その一例として、電子制御装置34は、入水温度センサ38および吐水温度センサ39が検出した洗浄水温度に基づいてヒータ37をオン/オフ制御し、吐水温度を適温に維持する。
【0045】
衛生洗浄装置10は、熱交換器32からノズル装置30に至るまでの洗浄水供給系に図示しないバキュームブレーカと洗浄水流量を調整する流量調整弁32aを有する。バキュームブレーカは、管路を大気開放することで、ノズル装置30の側からの洗浄水の逆流を防止する。
【0046】
ノズル装置30を進退駆動させるためのノズル駆動装置31は、その動力源としてのノズル駆動モータ31aを有する。このノズル駆動モータ31aは、図示しないプーリ、ベルト等を有する駆動伝達機構を介してノズル装置30と係合されている。ノズル駆動モータ31aは、電子制御装置34からの制御信号により正逆回転駆動して、ノズル装置30を本体16内の待機位置からお尻洗浄位置あるいはその前方のビデ洗浄位置に進出させたり、両洗浄位置から待機位置に退避させる。
【0047】
電子制御装置34は、温風ファン33にオン/オフの制御信号を出力して、温風ファン33の温風の送り出しとその停止を行う。そして、温風ファン33の温風の吹き出し先を、便座・便蓋支持体17における開口17cに繋がった温風管路17dと、人体局部への温風吹出口33aに繋がった温風管路33bのいずれかに切り換える。この管路の切換により、温風は、開口17cから着座使用者の背中に向けて吹き出されたり、人体局部に向けて吹き出されたりする。このような温風の吹き出し並びに温風吹出先の切換は、操作部35やリモコン50における後述の背中暖気ボタン71hと乾燥ボタン71iの操作状況に応じて実行される。
【0048】
また、電子制御装置34は、便座・便蓋支持体17の曲面部17bに配設された上記の人体検出センサ22a、リモコン受光部22c、表示部22bと接続されているほか、使用者の使用意図に応じて操作される操作部35とも接続されている。操作部35は、局部洗浄に付随する種々の指令を使用者のボタン操作に伴い電子制御装置34に出力すべく、各種の操作ボタンを備える。本実施例では、局部の洗浄を開始するためのお尻洗浄ボタン71aやビデ洗浄ボタン71b、停止ボタン71c、水勢などに強弱の変化をつけた洗浄水の噴出を設定するマッサージ設定ボタン71d、ノズル装置30を揺動させた局部の洗浄を設定するムーブ設定ボタン71e、温風を背中に吹き付けて暖気する背中暖気ボタン71h、温風を局部に吹き付けて乾燥させる乾燥ボタン71i等の動作指令ボタンや、洗浄水の温度を調節する吐水温設定ボタン71g、洗浄水の水量を設定する水量設定ボタン71jなどの各設定ボタンを設けている。また、この操作部35は、出力装置として、これらの各種操作ボタンによる操作の結果や動作の設定状況(例えば、設定水温、設定水勢等)をランプや液晶によって表示する表示部(図示省略)を、上記各ボタンと共に備える。なお、リモコン50は、衛生洗浄装置10を遠隔操作して局部洗浄を行うべく、上記した操作部35と同様のボタンを備える。その詳細については、後述する。
【0049】
次に、衛生洗浄装置10の洗浄動作の概略を、お尻洗浄を例として説明する。いま、操作部35のお尻洗浄ボタン71aが操作されると、操作部35は、お尻洗浄開始信号を電子制御装置34に送信する。電子制御装置34は、この信号を受けて、種々の制御対象機器に制御信号を送る。つまり、電磁止水弁36には管路を開く旨の制御信号を、流量調整弁32aには管路開放並びに流量調整量(管路開放量)に関する制御信号を、ノズル駆動モータ31aにはノズル装置30をお尻洗浄位置まで進出させる旨の制御信号をそれぞれ送信する。電磁止水弁36等の上記の各制御対象機器は対応する制御信号に基づいて駆動する。よって、ノズル装置30は、待機位置からお尻洗浄位置まで進出する。洗浄水供給系では、電磁止水弁36内に内蔵した定流量弁36aによりその水量が一定に維持されて、熱交換器32に流れ込み、その洗浄水が所定温度まで加熱されて、バキュームブレーカを経てノズル装置30に流れ込む。なお、このような洗浄動作は、人体検出センサ22aからの信号により電子制御装置34が使用者の着座を検出したときに限り行われるようにされている。つまり、電子制御装置34が人体検出センサ22aからの信号レベルにより、使用者は便器前方に起立した姿勢にあると検出した場合は、お尻洗浄ボタン71aが操作されても上記のお尻洗浄動作は実行されない。このように便器前方での使用者起立を検出した場合は、男子小用での便器使用と判断できる。よって、便蓋12や便座14の開閉状態を別個のセンサにより検出するよう構成し、上記の使用者起立の際に便蓋12が開き便座14が閉じた状態であれば、便座14を開くよう表示部22bにて光報知したり、ブザー等の音声で報知することもできる。
【0050】
そして、操作部35の停止ボタン71cが操作されると、操作部35は、停止信号を電子制御装置34に送信するので、電子制御装置34は、上記各機器を元の状態に復帰させお尻洗浄を終了する。これにより、洗浄水の供給は停止してノズル装置30は待機位置に退避し、衛生洗浄装置10は、次回以降の局部洗浄に備える。なお、衛生洗浄装置10をその幅方向についてコンパクト化するために、あるいは、リモコンのみでの遠隔操作を所望する顧客要望に応えるために、操作部35を省略することもできる。この場合には、後述のリモコン50が衛生洗浄装置10の必須付属機器となる。
【0051】
以上説明したように、本実施例の衛生洗浄装置10によれば、次のような利点がある。
(1)図7、図8や図11に示すように、本体16に対して便蓋12と便座14を上下に回転自在に支持するに当たり、便蓋12並びに便座14を回転軸部材40を介して便座・便蓋支持体17の両端で同軸に支持し、この便座・便蓋支持体17の頂上部の曲面部17bを、便蓋・便座の回転中心軸と同心の円弧形状とした。
【0052】
このため、便蓋12や便座14が上下回転する場合、便蓋12の蓋部分12a、便蓋支持部12b、連結部12cの便蓋各部分と、便座14の便座部分14a、便座支持部14b、連結部14cの便座各部分は、便蓋・便座の回転中心軸を中心とする円弧軌跡で上下に回転移動する。このように回転移動する際に干渉を起こす便蓋・便座の部分は、便座・便蓋支持体17に近接対向した上記連結部の端部12d、14dであるところ、これら端部にあっても、便座・便蓋支持体17と端部の関係をカバー18を無視して表す図14に示すように、便蓋・便座の回転中心軸KJを中心とする円弧軌跡12hk、14hkで上下に回転移動する。そして、このように回転移動する端部12d、14dの円弧軌跡12hk、14hkの内側に位置する曲面部17bは、当該円弧軌跡、即ち便蓋・便座の回転中心軸と同心の円弧形状であることから、この円弧軌跡に亘って端部12d、14dと干渉することはない。よって、便座・便蓋支持体17はもとより便蓋・便座の端部12d、14dに従来のような傾斜したり窪んだりした削り部分を必要としない。しかも、円弧形状をした便座・便蓋支持体17の曲面部17bと円弧軌跡12hk、14hkで回転移動する端部12d、14dとの間には、ごく僅かな隙間を残せばよいので、閉状態にある便蓋12のこの端部12dと便座・便蓋支持体17との間に隙間をほとんど発生しないようにできる。また、便蓋12の装着を省略した場合では、閉状態にある便座14の端部14dと便座・便蓋支持体17との間に隙間をほとんど発生しないようにできる。
【0053】
この結果、衛生洗浄装置10によれば、隙間部分に汚れが溜まりにくくできるので、清掃性を向上できる。また、上記の隙間がほとんどないことから、便蓋12並びに便座14と本体16とを一体感を持たせてまとまりよくデザインでき、形状的な統一性の確保を通して意匠性を高めることもできる。従って、衛生洗浄装置10では、回転移動が必要な便蓋・便座の回転機能性を確保しつつ、清掃性・意匠性も高めることができ、高い製品価値を発揮することができる。なお、カバー18の厚さが無視できず、カバー装着によりカバー表面が曲面部17b表面より高い場合は、便蓋・便座の端部とこのカバー18との間に隙間をほとんど発生しないようにできることは勿論である。
【0054】
(2)本実施例の衛生洗浄装置10では、便蓋12と便座14を同軸で回転自在に支持するに当たり、便座14の便座支持部14bを便蓋12のカバー部12eで覆うようにした。これにより、便座上方からは、便座左右方向に亘り、便座・便蓋支持体17とその両端の便蓋支持部12b並びにカバー部12eしか見えないようにした。また、便蓋支持部12bとカバー部12eとは、その外観形状が連続するようにし、便蓋支持部12b並びにカバー部12eと曲面部17bの曲面形状範囲の外径をほぼ同じものとした。このため、装置上面の外観を、より高い連続感・一体感を与えたりよりシンプルで高い質感を与えることができ、意匠性はもちろん商品価値をより高めることができる。
【0055】
(3)この衛生洗浄装置10では、人体局部の洗浄に必要なノズル装置30等の機能部品を備えるようにし、便座・便蓋支持体17の曲面部17bに、人体検出センサ22aと表示部22bとリモコン受光部22cを設置した。そして、この人体検出センサ22a等の設置範囲Xを、図7に示すように、便蓋12の開閉範囲X0に含まれるようにして、当該設置範囲Xに、ポリプロピレン等の樹脂から形成した光透過性のカバー18を装着した。この設置範囲Xは、便蓋・便座が閉状態にある場合は勿論、便蓋・便座の開状態を表す図15、図16に示すように、便蓋12が単独であるいは便座14が便蓋12と共に開けられた場合であっても、塞がれることがなく常時外部に露出したままとなる。よって、人体検出センサ22aと表示部22b並びにリモコン受光部22cは、光透光性のカバー18を通して使用者により常時視認される。
【0056】
従って、人体検出センサ22aの検出部(センサ表面)は、便蓋・便座の開閉状態に拘わらず常時露出したままであるので、この人体検出センサ22aによって、便器前方で起立した使用者もしくは着座使用者を高い精度で検出でき、検出信頼性を高めることができる。リモコン受光部22cについても同様である。更に、使用者は、表示部22bの各表示部の点灯状態を便器使用に先立って確実に視認でき、この点灯状態を通して用便前にノズル装置30等による局部洗浄の動作状態や設定状態を知ることができる。この際、この表示部22bに着色された光伝送材を用いたりして光から使用者が受ける印象を多様なものとして、使用者にインパクトを与えたり、高級感といった光演出を図ることができる。しかも、人体検出センサ22aや表示部22b並びにリモコン受光部22cをカバー18で覆うので、これら部品への水濡れ等を防止でき、機器損傷回避の点からも好ましい。
【0057】
また、カバー18を曲面部17bに対して着脱自在としたので、カバー破損時の交換ができると共に、便座・便蓋支持体17並びに本体16を共通としながら、カバー18を有する製品シリーズとこれを有しない製品シリーズとを設定でき、購買者の選択枝を広げることができる。
【0058】
(4)衛生洗浄装置10では、便蓋・便座の開閉状態に拘わらず外部に露出した曲面部17bの上記設置範囲Xに、上記の人体検出センサ22a等に加えて、温風吹出のための開口17cを設け、この開口に温風ファン33から温風を導くようにした。従って、冬季や寒冷地での用便の際に、使用者の背中を開口17cからの温風にて効率よく暖めることができる。背中が暖められると暖気感を比較的早く得ることができるので、トイレ室内を暖めて使用者に暖気感を与える場合に比べて、速やかに使用者に暖気感を与えることができ好ましいと共に、電力消費量の削減、即ち省エネルギーを図ることができ好ましい。この場合、曲面部17bに開口17cを設けるに当たり、この開口17cを使用者の背中を指向して形成することに替えて、次のようにすることもできる。即ち、開口17cを曲面部17bの上記設置範囲Xの適宜箇所に開け、この開口に温風を導く管路の吹出口を着座使用者の背中に指向して配設すればよい。
【0059】
次に、上記した衛生洗浄装置10の変形例について説明する。この変形例は、本体16に収納する局部洗浄機能部品を最小限にして本体16の小型化・スリム化を図った点に特徴がある。図17は、この変形例の衛生洗浄装置10Aの概略斜視図である。
【0060】
図示するように、この衛生洗浄装置10Aにあっても、上記したとおり、本体16の便座・便蓋支持体17に便蓋12と便座14を回転自在に支持して備える。洋式便器Tは、その後端側がトイレ壁面のキャビネット100に位置するようにして設置されており、衛生洗浄装置10Aは、便蓋12並びに便座14の回転に支障がない程度にキャビネット前面から離して洋式便器Tの上面に配設されている。
【0061】
本体16は、上記したノズル装置30や熱交換器32等の局部洗浄機能部品のうちのノズル装置30とノズル駆動装置31と、背中暖気のための温風ファン33とを収納する。そして、このほかの機能部品、即ち熱交換器32や、電子制御装置34、電磁止水弁36、定流量弁36a等は、ユニット化された状態でキャビネット100内に収納されている。なお、キャビネット100には、本体16の後方位置に開閉扉101が設けられているので、熱交換器32等の設置や保守点検に何の支障はない。
【0062】
このように、衛生洗浄装置10Aは、本体16にノズル装置30とノズル駆動装置31と温風ファン33とを収納するに過ぎないので、本体16を小型化できる。よって、本体16をその高さが低いものとできるので、便蓋12や便座14と本体16の一体感が増し、意匠性を高めることができる。なお、この衛生洗浄装置10Aにあっても、既述した(1)ないし(4)に記した効果を奏することができるのは勿論である。
【0063】
また、キャビネット100の内部には、熱交換器32等の機能部品を後から設置することもできる。よって、衛生洗浄装置10Aの販売形態としては、当初から局部洗浄機能を備えた形態、即ち、熱交換器32等の機能部品をキャビネット内に設置した形態と、局部洗浄機能を有しない形態、即ち、キャビネット内には熱交換器32等の機能部品を設置しない形態とを採ることができる。この場合、ノズル装置30とノズル駆動装置31とを本体16に後付けできるようにすれば、上記の両形態の販売形態を採るに当たり、局部洗浄機能を有しない形態では、部品数低減によるコスト低下が可能となり好ましい。なお、局部洗浄機能の有無に拘わらず温風ファン33を本体16に収納しているので、当該ファンのオン/オフスイッチは、本体16の側面やリモコン50に設けられている。この場合、本体16に室温検出センサを設け、その検出温度が所定以上であるときに、人体検出センサ22aを介して使用者の着座を検出すると温風ファン33が自動起動するようにすることができる。このようにすれば、寒冷時に使用者の背中を速やかに暖機でき好ましい。なお、暖気停止については、温風ファン33の起動後所定時間が経過すると温風ファン33を停止するようにしたり、人体検出センサ22aからの着座検出が解除されると温風ファン33を停止するようにすればよい。
【0064】
図18は、洋式便器Tに配設された他の変形例の衛生洗浄装置10Bの概略斜視図、図19は、この衛生洗浄装置10Bの概略縦断面図である。図20は便蓋12を開いた状態の、図21は便蓋12並びに便座14を開いた状態の概略斜視図である。これら図面に示すように、この変形例は、便蓋・便座を回転自在に支持する便座・便蓋支持体17を本体16の後方上端に設けた点に特徴がある。
【0065】
本体16は、その縦断面が略三角形とされており、洋式便器Tに配設された場合の頂点部に、便座・便蓋支持体17を有する。この便座・便蓋支持体17は、傾斜面16cの一部分が半円形状で隆起するようにされている。この変形例であっても、便蓋12並びに便座14は、二股状に形成されたそれぞれの便蓋支持部12b、14bを便座・便蓋支持体17の左右に配置させ、回転軸部材40(図示省略)にて便座・便蓋支持体17に回転自在に支持されている。また、便座・便蓋支持体17の上部に当たる曲面部17bにあっても、便蓋・便座の回転中心軸KJと同心の円弧形状とされている。
【0066】
このため、図20、図21に示すように、便蓋・便座が上下回転して連結部12c、14cの端部12d、14dが回転中心軸KJを中心に円弧軌跡12hk、14hkで回転移動しても、端部12d、14dと曲面部17bとが干渉することはない。よって、衛生洗浄装置10と同様に、既述の(1)ないし(4)に記した効果を奏することができる。
【0067】
また、この変形例の衛生洗浄装置10Bでは、便座・便蓋支持体17を本体16の後方上端に設けて、便座14の回転支持箇所を便座部分14aから離した。これにより、便座支持部14bまでの連結部14cを広くして、この連結部14cを、便座部分14aから便座支持部14bにかけて上方に緩やかに湾曲して連続傾斜するようにした。このため、このような連結部14cを便蓋12の開状態時に露呈させるので、便座への着座使用者に違和感を与えることがない。しかも、この連結部14cを広くしたことと相俟って、便座14への着座感を高めることができる。
【0068】
更に、この変形例の衛生洗浄装置10Bでは、便座・便蓋支持体17を傾斜面16cの一部分が半円形状で隆起するようにしたので、便座・便蓋支持体17と本体16の一体感が増す。よって、質感や意匠性はもちろん商品価値をより一層高めることができる。
【0069】
図22は、局部洗浄機能を後付けする変形例の衛生洗浄装置10Cが配設された洋式便器Tの概略斜視図である。図示するように、この衛生洗浄装置10Cでは、便器洗浄水の貯留タンクSTにスチールベルト103を用いて機能部品収納ボックス104が固定されている。この機能部品収納ボックス104には、局部洗浄についてのノズル関連部品以外の熱交換器32や、電子制御装置34、電磁止水弁36、定流量弁36a等がユニット化された状態で収納されている。そして、当該ボックスには、図示しない給水源からの給水管105と温水を衛生洗浄装置の側に送る温水管106とがフレキシブル配管にて接続され、電源・信号配線107が接続されている。これにより、機能部品収納ボックス104と衛生洗浄装置10Cとで、上記した局部洗浄機能を発揮できる。そして、このような衛生洗浄装置10Cであっても、キャビネット100を用いた場合と同様、局部洗浄機能の具備・非具備の両形態を採ることができ、販売形態の多様化や部品数低減によるコスト低下が可能となる。なお、この衛生洗浄装置10Cにあっても、温風ファン33が本体16に収納されており、局部洗浄機能の有無に拘わらず背中暖気を図ることができる。
【0070】
図23は、別の変形例の衛生洗浄装置10Dの概略斜視図である。この変形例は、便蓋12の便蓋支持部12bを後端側中央に設け、この便蓋支持部12bを左右の便座・便蓋支持体17で回転自在に軸支するようにし、この左右の便座・便蓋支持体17の曲面部17bを回転中心軸KJと同心の円弧形状とした。よって、この別の変形例にあっても、この左右の便座・便蓋支持体17と便蓋12の端部12dとの間の隙間は僅かとなる。
【0071】
図24は、また別の変形例の衛生洗浄装置の要部拡大断面図である。この変形例は、便蓋12並びに便座14の端部12d、14dと便座・便蓋支持体17の曲面部17bとの間の隙間が一定であることを利用して、曲面部17bの清掃性を高めた点に特徴がある。即ち、図示するように、便蓋12並びに便座14の端部12d、14dの近傍に、ゴム、樹脂等から形成した柔らかなスイーパー13a、15aを着脱自在に装着する(図24(a))。また、この端部近傍に、柔軟である程度のいわゆる腰の強さをもった繊維、糸状物(樹脂等)を植毛したブラシ13b、15bを着脱自在に装着する(図24(b))。こうすれば、端部12d、14dが曲面部17bから一定の間隔をもって円弧軌跡12hk、14hkで回転移動する際に、スイーパー13a、15aやブラシ13b、15bにより便座・便蓋支持体17の清掃が完了するので、使用者の清掃頻度が低くない好ましい。また、便蓋12や便座14を開いた状態では、スイーパー等の装着箇所が便器前方を向くので(図14参照)、汚れたスイーパー等を容易に交換でき好ましい。
【0072】
次に、上記した各衛生洗浄装置を遠隔操作するためのリモコン50について説明する。以下の説明では、このリモコン50を衛生洗浄装置の遠隔操作するものとして説明するが、装置の遠隔操作という観点に立てば、衛生洗浄装置以外の装置、例えば、テレビやビデオの他、エアコン等の家電製品に適用できる。そして、リモコン50は、遠隔操作の対象となる装置に応じた信号、衛生洗浄装置であれば洗浄開始等の指令を、家電製品一般であれば電源のオン/オフ指令を、テレビであればチャンネル切換・音量調整等の指令を、ビデオであれば再生・早送り等の指令を光送信等により送信するよう構成される。
【0073】
図25は、上記の各衛生洗浄装置10に適用したリモコン50の正面図、図26は、蓋体52の開閉機構を説明する要部斜視図、図27は、蓋体52を開いた状態のリモコン50の正面図である。リモコン50は、トイレ壁面に直接あるいは適宜な図示しないブラケットにより固定されるリモコン本体51と、この本体の前面を上端部分を除いて覆う蓋体52とを有する。この蓋体52は、図26に示すように、リモコン本体51に対して、その下端側にてヒンジピン64により開閉自在に装着されており、閉状態では蓋体前面を操作面とし(図25)、解除謡ではリモコン本体前面を操作面とする(図26)。リモコン本体51は、この蓋体52の開閉状態を検出する後述の開閉センサを有し、当該センサの検出結果に応じて、蓋体前面あるいはリモコン本体前面の後述の各種ボタンに適合した信号(光信号)を発するよう構成されている。
【0074】
蓋体52は、その前面に、既述した操作部35と同様の各種ボタンを有する。即ち、この蓋体52は、その上端側から、停止ボタン52aと、お尻洗浄ボタン52bと、気泡を混入した洗浄水を噴出して柔らかな洗浄感を与えるやわらか洗浄ボタン52cと、ビデ洗浄ボタン52dとを一列に配置して備える。この場合、洗浄水に気泡を混入するには、衛生洗浄装置における洗浄水管路にコンプレッサ等により空気を混入する空気混入機構が衛生洗浄装置の本体に備え付けられる。そして、この気泡混入機能を有しない衛生洗浄装置についてのリモコン50であれば、やわらか洗浄ボタン52cは省略される。
【0075】
また、蓋体52は、上記のボタン列下方に、お尻洗浄時のムーブ設定ボタン52eとマッサージ設定ボタン52fとビデ洗浄時のムーブ設定ボタン52gのボタン列と、強弱ボタンに分かれた水勢設定ボタン52hと高低ボタンに分かれた温度設定ボタン52iと当該ボタンによる温度設定対象を温水温度・便座温度・温風温度のいずれかに切り替えるための切替ボタン52jと前後ボタンに別れ洗浄水ノズルの位置を前後方向へ移動するノズル位置調節ボタン52kと局部乾燥のための乾燥ボタン52mと背中暖気のための暖気ボタン52nのボタン列とを有する。
【0076】
蓋体52における停止ボタン52a等のこれら各ボタンは、図28の要部拡大断面図に示すように、外部に湾曲しその中央に指の案内となる陥没部を備える。この場合、これらボタンは、非操作時にはこの陥没部をその形状のまま維持し、押圧操作されると、陥没部が押し込まれ、押圧を解除すると元の状態に復帰するよう、可撓性をもって構成されている。そして、押圧操作時には、陥没部の裏面突起55が蓋体52の裏面から突出するようにされている。こうして突出した裏面突起55は、後述するリモコン本体51の側のボタンを押し込み、このボタン裏面の突起57を対応するスイッチ回路57aに当接するようにされている。そして、この突起57の当接によりスイッチ回路57aがオンし、リモコン50は、操作ボタンに応じた所定の信号を生成してその信号を衛生洗浄装置に送信する。つまり、蓋体52は、衛生洗浄装置の遠隔操作のためのボタンを備えながら、スイッチ回路等の電気的なスイッチ機器を一切有しない。この場合、リモコン本体51の側のボタンにあっても、非操作時には操作部をその形状のまま維持し、押圧操作されるとあるいは上記のように蓋体52の裏面突起55に押されると、操作部が押し込まれ、押圧を解除すると元の状態に復帰するよう、可撓性をもって構成されている。なお、信号の生成並びにその送信については後述する。
【0077】
上記した蓋体52における強弱・高低・前後のボタンの間は、リモコン本体51の表示部62を外部に露呈させる窓部53とされており、この表示部62の表示内容は、蓋体52の開閉に拘わらず使用者に視認可能となっている。更に、窓部53の左右領域は、所定の波長領域の光を選択的に透過させるスモーク窓部58とされており、このスモーク窓部58は、蓋体の側面に亘って設けられている。これにより、蓋体閉状態にあっては、このスモーク窓部58からリモコン本体51の発光素子56の光信号がリモコン前面あるいは側面から衛生洗浄装置のリモコン受光部22cに発せられ、蓋体開状態にあっては、発光素子56からリモコン受光部22cに直接光信号が発せられる。
【0078】
リモコン本体51は、その上端部に、蓋体52によって塞がれることのない大洗浄ボタン51aと小洗浄ボタン51bを有する。大洗浄ボタン51aは、小洗浄ボタン51bに比べて大きくされており、大便排泄後の便器洗浄の際に操作され、小洗浄ボタン51bは小便排泄後の便器洗浄の際に操作される。そして、リモコン50は、これら洗浄ボタンの操作を受けて、便器洗浄を行うための動作信号を光信号にて発光素子56からリモコン受光部22cに送信する。即ち、リモコン50は、大洗浄ボタン51aが操作されると、大流量の洗浄水で便器ボール部を洗浄する旨の動作信号をリモコン受光部22cに送信し、衛生洗浄装置ではこの信号を受けて大流量の洗浄水を便器ボール部に流し込み、便器を洗浄する。その一方、小洗浄ボタン51bが操作されると、小流量の洗浄水で便器ボール部を洗浄する旨の動作信号をリモコン受光部22cに送信し、衛生洗浄装置では小流量の洗浄水で便器を洗浄する。
【0079】
また、図27に示すように、リモコン本体51は、閉状態の蓋体52で覆われる領域に、以下のボタンとボタン操作伝達部等を有する。即ち、上記の大小洗浄ボタンの下方に、停止ボタン操作伝達部51cと、室内暖房の実行時間設定をオン/オフするための暖房タイマーボタン51dと、室内暖房が実行される時間を設定する運転時間設定ボタン51eと、室内暖房のオン/オフを設定する室内暖房ボタン51fのボタン列を有する。このボタン列の停止ボタン操作伝達部51c並びに上記各ボタンは、蓋体52が閉じられた状態では、蓋体52の停止ボタン52aが停止ボタン操作伝達部51cに、お尻洗浄ボタン52bが暖房タイマーボタン51dに、やわらか洗浄ボタン52cが運転時間設定ボタン51eに、ビデ洗浄ボタン52dが室内暖房ボタン51fに重なるようにしてそれぞれ配設されている。
【0080】
このボタン列の下方には、蓋体52の裏面に設けられた図示しない突起が蓋体閉状態で当接し蓋体の開閉状態を検出する開閉センサ51gと、便座ヒータや室内暖房ヒータへの通電時間設定をオン/オフし節電を図るための節電タイマーボタン51hと、ヒータ通電時間を設定する節電時間設定ボタン51iと、ヒータ通電時間を自動設定して節電を図るおまかせ節電ボタン51jのボタン列を有する。更にその下方には、表示部62の上下に、水勢の強弱設定ボタン操作伝達部51k、51mと、温度の高低設定ボタン操作伝達部51n、51pと、便器ボール内の臭気除去のための脱臭設定をオン/オフする脱臭ボタン51qと、ノズル掃除のために洗浄ノズルを強制的に前進させる動作をオン/オフするノズル掃除ボタン51rと、切替ボタン操作伝達部51sと、トイレ室温が約5℃以下となると室内暖房ヒータを自動的にオンさせる動作をオン/オフする冷え込み防止ボタン51tと、暖気ボタン操作伝達部51uのボタン列を有する。
【0081】
これらボタン列の各伝達部と各ボタンにあっても、蓋体52が閉じられた状態では、蓋体52のムーブ設定ボタン52eが節電タイマーボタン51hに、マッサージ設定ボタン52fが節電時間設定ボタン51iに、ムーブ設定ボタン52gがおまかせ節電ボタン51jに、水勢設定ボタン52hの強弱ボタンが強弱設定ボタン操作伝達部51k、51mに、温度設定ボタン52iの高低ボタンが高低設定ボタン操作伝達部51n、51pに、切替ボタン52jが切替ボタン操作伝達部51sに、ノズル位置調節ボタン52kの前後ボタンが脱臭ボタン51qとノズル掃除ボタン51rに、乾燥ボタン52mが冷え込み防止ボタン51tに、暖気ボタン52nが暖気ボタン操作伝達部51uに重なるようにしてそれぞれ配設されている。
【0082】
そして、リモコン本体51の上記した各スイッチ並びに各操作伝達部は、それぞれ図28に示す突起57をその裏面に備え、リモコン本体51には、各スイッチ並びに各操作伝達部ごとに、その突起57が当接するスイッチ回路57aが配設されている。よって、リモコン50は、各スイッチあるいは各操作伝達部のスイッチ回路57aのオン状況により、以下に説明するように衛生洗浄装置に種々の指令信号を送信する。
【0083】
次に、リモコン50からの信号送信の詳細について説明する。図29は、リモコン50の制御系を表すブロック図、図30は、リモコン50で実行される指令信号出力処理を表すフローチャート、図31は、当該処理の内容を説明するための説明図である。
【0084】
図29に示すように、リモコン50は、リモコン本体51内に、図示しない電池を駆動電源とする電子制御装置70を備え、リモコン本体51の上記各ボタン操作伝達部並びに各ボタンごとのスイッチ回路57a(スイッチ回路57a1〜57a16)と表示部62を、電子制御装置70に接続して備える。そして、リモコン50は、各ボタンに応じて指令信号を送信すると共に、表示部62を表示制御する。具体的には、設定された水勢を表示する水勢表示部、温度の切替対象を表示する切替表示部並びにノズル設定位置を表示するノズル位置表示部の各表示を行う。
【0085】
図30のフローチャートで示される指令信号出力処理は、所定時間ごとに繰り返し実行されるものであり、まず、スイッチ回路57aのそれぞれをスキャンしてボタン操作の有無を判断する(ステップS100)。ここで、ボタン操作がないと判断すれば、何の処理を行うことなく本ルーチンを終了する。そして、ボタン操作があったと判断した場合は、その際の開閉センサ51gのスキャン結果に基づいて、蓋体52が閉状態にあるか開状態にあるかを判断する(ステップS110)。
【0086】
ここで、蓋体52が閉状態にあると判断した場合は、使用者は、図25に示す蓋体52前面の操作面を視認して各ボタンを操作することになる。よって、この場合は、リモコン50は、蓋体52の操作されたボタンに対応する信号を生成して送信すべく、蓋体52が閉状態にあるときの操作ボタンとその指令信号を内容を対応させた図31の蓋体閉状態指令テーブルを参照しつつ、操作ボタンに対応した指令内容を次のようにして特定する(ステップS120)。リモコン50は、リモコン本体51の上記各ボタン操作伝達部と各ボタンごとにスイッチ回路57aを備え、蓋体52の各ボタンは、上記したようにリモコン本体51のボタン操作伝達部あるいはボタンと一対一に対応している。よって、このステップS120では、リモコン50は、ステップS100の実行時にスイッチ回路57aをオンとさせたボタンを、そのオンとされたスイッチ回路57aに基づき特定する。例えば、図29に示すスイッチ回路57aのうち、上から4つ目に示すスイッチ回路57a4がオンであれば、蓋体52が閉状態でこのスイッチ回路57a4をオンとさせた操作ボタンは、ビデ洗浄ボタン52dとなる。そして、このビデ洗浄ボタン52dが操作されたときに送信すべき指令内容を、蓋体閉状態指令テーブルから「ビデ洗浄開始」と特定する。蓋体52の他の洗浄ボタンが操作されたときも同様である。ムーブ、マッサージの各設定ボタンや乾燥、暖気の各ボタンの場合は、最初のボタン操作時にその機能のオンと特定し、再度のボタン操作時にオフと特定する。また、スイッチ回路57a12をオンさせる切替ボタン52jの場合は、当該ボタンが操作されるごとに、温水→便座→温風の順に温度調整の対象機器を切り替える指令とする。
【0087】
こうした指令内容の特定に続いては、操作ボタンに応じた指令内容の指令信号を生成し、当該信号を光信号にて発光素子56から衛生洗浄装置のリモコン受光部22cに送信する(ステップS130)。この信号送信により本ルーチンを抜け次の処理に備える。
【0088】
一方、ステップS110で蓋体52が開状態にあると判断した場合は、使用者は、図27に示すリモコン本体51前面の操作面を視認して各ボタンを操作することになる。よって、この場合は、リモコン50は、リモコン本体51の操作されたボタンに対応する信号を生成して送信すべく、蓋体52が開状態にあるときの蓋体開状態指令テーブルを参照しつつ、操作ボタンに対応した指令内容を上記のステップS120と同様に特定する(ステップS140)。その後、上記のステップS130に移行して、操作ボタンに応じた指令内容の指令信号を発光素子56からリモコン受光部22cに送信する。
【0089】
図27では図示の都合上、停止ボタン操作伝達部51c等の各操作伝達部を枠取りして示したが、実機では、これら操作伝達部に該当する個所は、使用者に押圧を促すような図示や操作ボタン部分であることを示す図示は何らなされていない。よって、通常の使用状態であれば、蓋体52が開状態の時に上記各ボタン操作伝達部が使用者に押圧操作されることはない。しかし、使用者が誤って蓋体52の開状態時にこのボタン操作伝達部を押圧することもあるので、本実施例では次のように対処することとした。即ち、図31に示すように、蓋体開状態指令テーブルにおいて、各ボタン操作伝達部に対応する指令内容をnullとし、この場合は何の指令を出さないようにした。つまり、指令内容がnullであれば、上記のステップS130では何の処理も行われない。なお、このような場合には、表示部62に誤操作である旨の表示をするようにすることもできる。
【0090】
以上説明したように、衛生洗浄装置に適用したリモコン50によれば、リモコン本体51並びに蓋体52の各操作ボタンに応じて、衛生洗浄装置を遠隔操作できる。そして、蓋体52には電気的な構成を必要としないことから、製造上の利点、例えばコスト低減等の利点がある。
【0091】
また、上記のリモコン50では、衛生洗浄装置への光信号送信のための発光素子56をリモコンの左右端部に有し、スモーク窓部58は、リモコン前面から側面に亘って設けられている。よって、この左右の発光素子56からは、リモコンの前面方向はもとよりその側面方向へも光信号の送信が可能であるので、リモコン50は、衛生洗浄装置を遠隔操作可能とする設置位置の制約を受けにくい。このため、衛生洗浄装置に対するリモコン設置位置の自由度が高まり、好ましい。更に、左右の発光素子56から衛生洗浄装置に信号送信可能とされていれば、ボタン操作時に使用者が一方の発光素子56を手で遮ったとしても、何の支障なく衛生洗浄装置を遠隔操作できる。なお、発光素子56は、リモコン本体上端の大小洗浄ボタンの下方に設置したりできることは勿論である。
【0092】
このリモコン50において、上記の指令テーブルは、電子制御装置70のROMに予め記憶させておけばよい、または、衛生洗浄装置の側の電子制御装置のROM等の記憶デバイスに記憶させておき、この指令テーブルを衛生洗浄装置の側から光信号にてリモコン50に送信・記憶させるようにすることもできる。このように指令テーブルをリモコン50に送信・記憶することにすれば、以下の利点がある。
【0093】
衛生洗浄装置には、お尻洗浄・ビデ洗浄に関し、例えばムーブ機能の付加・削除、ノズル位置調整機能の付加・削除等、種々の仕様がある。そして、各仕様の機能実現のために、衛生洗浄装置に種々の機器が設置され、リモコンが用意される。この際、図30のフローチャート実行のためのプログラムは、処理内容が指令信号の出力に係るものであることから、衛生洗浄装置の仕様に拘わらず共通化が可能である。これに対し、この信号出力のためにリモコンに必要とされる上記の指令テーブルは、衛生洗浄装置の仕様により個別に定まる。よって、個々のリモコンごとに、異なる上記の指令テーブルをプログラムに加えて書き込む必要がある。また、衛生洗浄装置の側にあっては、その仕様により異なる機能実現のためのプログラムが装置ごとに書き込まれる。よって、上記のように指令テーブルを衛生洗浄装置の側からリモコン50に送信・記憶するようにすれば、装置の仕様ごとの書き込みは、衛生洗浄装置の側におけるプログラムと上記の指令テーブルで済み、リモコンについては書き込み内容を共通化できる。このため、リモコン製造上の利点がある。
【0094】
また、衛生洗浄装置の仕様に応じてリモコンに必要となる操作ボタンの種類やその数も異なるので、装置仕様に応じて別々のボタン仕様のリモコンが用意されていた。しかしながら、上記したリモコン50によれば、以下の利点がある。
【0095】
まず、蓋体52にあっては、装置仕様に応じた操作ボタンを有するものとする。例えば、気泡混入のやわらか洗浄機能が不要であれば、やわらか洗浄ボタン52cを有しない蓋体52とする。暖気や温度設定等についても同様である。リモコン本体51にあっては、上記したフル仕様(図25、図29で示す仕様)と同一、より具体的には、上記各ボタン操作伝達部と各操作ボタン並びにスイッチ回路57a1〜57a16を有する機器構成のリモコン本体51とする。その一方、リモコン本体51で不要とされた機能、例えば、節電関連機能に関する操作ボタンは、マスキング、文字やボタン枠の削除等により、停止ボタン操作伝達部等と同じ機能(スイッチ回路57aの押圧機能)とする。そして、上記の指令テーブルにおいて、削除された機能に関連する操作ボタン並びにボタン操作伝達部の指令内容をnullとする。例えば、やわらか洗浄機能と冷え込み防止機能並びに節電関連機能が削除された仕様であれば、図32に示すように、これら各機能に対応する指令内容がnullとされた指令テーブルとする。なお、図32においては、図31と異なる指令内容について網掛け表示されている。
【0096】
このようにすれば、削除された上記の各機能に応じた指令信号は、その内容がnullにつき、確実に送信されることがないばかりか、リモコン本体51における機器構成を上記のように共通化できる。よって、リモコン製造の際の工程管理が簡略化してリモコン製造の上で利点がある。
【0097】
なお、リモコン本体51と蓋体52の各操作ボタンのうちで操作されたボタンに対応した指令信号と特定できれば、上記した指令テーブルを用いない手法をとってもよいことは勿論である。
【0098】
次に、他の衛生洗浄装置について説明する。図33は、操作部35を有する衛生洗浄装置10Eをリモコンと共に表した要部斜視図、図34、図35は、この衛生洗浄装置10Eの操作部35の要部斜視図である。
【0099】
これら図面に示すように、衛生洗浄装置10Eは、その操作部35の上面に、リモコンからの光信号を受けるリモコン受光部72と、洗浄装置の運転状態を表示する表示部73を備える。また、操作部35の前端に、局部洗浄水の水勢を強弱設定する水勢調整ダイヤル74を備え、操作部35内部には、装置の制御を行う電子制御装置の他、ノズル関連部品以外の熱交換器等を有する。よって、衛生洗浄装置10Eの本体16には、ノズル装置30やノズル駆動装置31を収納すればよいことから、上記したように本体16は小型化・スリム化されている。なお、既述したように本体16の便座・便蓋支持体17にリモコン受光部22cや表示部22bを設ける場合には、操作部35における上記のリモコン受光部72と表示部73を省略してもよい。
【0100】
水勢調整ダイヤル74は、図中に黒塗り矢印で示すように回転操作されることにより水勢を強弱設定するよう構成されており、その設置位置である35前端部は、便座に着座した使用者が自然に腕を降ろせば指先で触れることのできる位置である。よって、使用者は、上半身をひねったりするような無理な姿勢を採らないでも水勢調整ダイヤル74を回転操作でき、容易に水勢調整を行うことができる。しかも、この水勢調整ダイヤル74の回転操作に当たっては、自然に指先で当該ダイヤルを確認できるので、ダイヤルを見ながら回転操作する必要もなく好ましい。
【0101】
この水勢調整ダイヤル74と表示部73の間の操作部上面には、図34に示すように凹所35aが形成されており、当該凹所には、この凹所部分に嵌り込むカバー35bが装着されている。そして、この凹所35aの底部には、便座ヒータや室内暖房ヒータへの通電を夜間等の非使用時に間歇的に停止して節電を図る節電機能をオン/オフする節電ボタン75aと、上記の脱臭設定をオン/オフする脱臭ボタン75bと、上記のノズル掃除動作をオン/オフするノズル掃除ボタン75cと、装置全体の電源をオン/オフする電源ボタン75dと、ボード装着センサ76とが設置されている。これらボタンの下方には、図29に示したようなスイッチ回路がそれぞれのボタンに対応して配設されており、このスイッチ回路を介して(スイッチ回路のオンを介して)各ボタンの押圧操作が電子制御装置に送られる。ボード装着センサ76は、凹所底面から突出した検出部を有し、後述する汎用ボタンボード81が凹所35aに嵌め込み装着されると、電子制御装置にボード装着信号(オン信号)を出力する。電子制御装置は、このボード装着センサ76からのオン信号が未入力であれば、節電ボタン75a等の上記各ボタンに応じた機能を果たすよう衛生洗浄装置の各機器を駆動制御する。また、汎用ボタンボード81が凹所に装着されボード装着センサ76からオン信号を入力すると、この汎用ボタンボード81が有する後述の各ボタンに応じた機能を果たすよう衛生洗浄装置の各機器を駆動制御する。この際、汎用ボタンボード81のボタン操作により凹所35の上記各ボタンが押され、そのボタンのスイッチ回路からオン信号が電子制御装置に送られ、電子制御装置は、ボード装着センサ76のオン信号と各スイッチ回路のオン信号により、汎用ボタンボード81の各ボタンに応じた機能を実行させる。なお、カバー35bが凹所35aに装着された場合にもボード装着センサ76はオンとなるが、このカバーにより節電ボタン75a等の上記各ボタンは操作不能(押圧不能)となるので支障はない。
【0102】
汎用ボタンボード81は、操作部35の上記の凹所35とリモコン80前面の凹所に、嵌め込み装着され、操作部35並びにリモコン80から取り外し自在とされている。この場合、汎用ボタンボード81とその装着凹所には、傾斜面や異形嵌合部等を設けるといった誤装着防止処置が施されており、汎用ボタンボード81は、図33と図35に示す方向でしか操作部35とリモコン80に装着されないようになっている。この汎用ボタンボード81は、衛生洗浄装置の使用時に常用されるボタンとして、停止ボタン81aとお尻洗浄ボタン81bとビデ洗浄ボタン81cと乾燥ボタン81dを備える。これらボタンは、図28に示すように、その押圧操作により裏面突起を汎用ボタンボード81の裏面から突出させるに過ぎず、この汎用ボタンボード81にあっても電気的な構成は一切有しない。また、ボタン形成面、即ち汎用ボタンボード81の前面は、樹脂シートにて防水処置が施されている。
【0103】
リモコン80は、その前面に汎用ボタンボード81を嵌め込み装着可能に備え、その装着凹所底面に、当該ボードの上記各ボタンが押圧されると押し下げられるボタン操作伝達部を、汎用ボタンボード81の各操作ボタンに対応して有する。また、リモコン本体内に、このボタン操作伝達部の押し下げによりオンするスイッチ回路を各ボタン操作伝達部に対応して有する。そして、リモコン80は、汎用ボタンボード81の上記各操作ボタンに応じた指令信号、停止ボタン81aであれば停止指令信号、お尻・ビデの洗浄ボタンや乾燥ボタンでは洗浄開始指令信号や乾燥開始指令信号を、衛生洗浄装置のリモコン受光部に送信する。この信号を受けた衛生洗浄装置10Eでは、その有する電子制御装置により、各指令信号に応じて各機器を駆動制御し、局部洗浄等を実施する。なお、リモコン80からノズル位置調整指令等を送信するよう構成する場合には、リモコン80に汎用ボタンボード81の装着を検出するセンサを設け、リモコン80における上記のボタン操作伝達部をノズル位置調整ボタンとして表示等して使用すればよい。そして、汎用ボタンボード81が未装着の時(センサオフ)にこのノズル位置調整ボタンの操作を経てリモコン80からその指令信号(ノズル位置調整指令信号等)を送信するよう構成すればよい。
【0104】
この衛生洗浄装置10Eでは、リモコン80に装着して用いられる汎用ボタンボード81に、装置使用上の常用ボタンしか配置しない。よって、個々の操作ボタンを大きくでき、お年寄りや子供であっても使い勝手がよい。また、この汎用ボタンボード81をリモコン80と操作部35に取り外し自在としたので、以下の利点がある。
【0105】
▲1▼汎用ボタンボード81が取り外し自在であることに加えて、汎用ボタンボード81前面のボタン形成面(操作面)は防水されているので、この汎用ボタンボード81をリモコン80から取り外して念入りに水洗いできる。このため、常時操作される汎用ボタンボード81の操作面を常に清潔にでき好ましい。また、この水洗いの際に汎用ボタンボード81のボタンが押されても、リモコン80は、汎用ボタンボード81が未装着に付き何らの指令信号を送信しない。よって、無駄な信号送信がなくなりリモコン80の電源(電池)の電力消費を抑制できる。
【0106】
▲2▼衛生洗浄装置10Eが使用される一般家庭では、その家族構成は様々であり、お年寄りしかいない家族やいわゆる2世代、3世代の家族の他、一人しかいない場合もある。よって、衛生洗浄装置10Eの使用形態も家族構成等によって異なり、装置の購入当初にはリモコン80による遠隔操作を必要としないが、購入後にリモコン80による遠隔操作を所望する場合がある。このような場合、従来は、停止ボタンや洗浄ボタンを備えた操作部35を有する衛生洗浄装置とは別に、停止ボタンや洗浄ボタンを備えたリモコン80を提供していた。ところが、上記の衛生洗浄装置10Eでは、汎用ボタンボード81を有しないリモコン80を提供すればよく、汎用ボタンボード81は操作部35のものを代用できる。よって、衛生洗浄装置並びにリモコンの製造に際し、衛生洗浄装置とリモコンとも汎用ボタンボード81のない仕様、即ち部品数の少ない仕様にできるので、工程管理の簡略化が可能となり製造上の利点がある。
【0107】
上記した衛生洗浄装置10Eにおけるリモコン80のように汎用ボタンボード81を取り外し自在のものは、次のように変形することができる。図36は、変形例のリモコン80Aの概略斜視図である。
【0108】
近年では、衛生洗浄装置に限らずビデオ等の家電製品では、製品の付加価値向上のため種々の機能が追加されつつある。例えば、衛生洗浄装置では、気泡混入洗浄水を噴出して多様な洗浄感を与えることがある。また、ビデオでは、出力映像信号に輪郭強調、コントラスト調整、画面表示モード設定(ワイド表示・ノーマル表示等)等の画像信号処理を施してモニタ画面の多様化・高機能化が図らたり、内蔵チューナーでの文字放送の受信状況を設定したりして受信機能の高機能化が図られるようになってきている。しかしながら、このような高付加的な機能は、一旦設定されればそれほど変更する必要はなく、機能理解や操作方法の理解が浅い子供やお年寄りにとっては、高付加機能のリモコンによる遠隔操作は無用に近い。また、子供等にむやみに設定操作させることは、誤設定に繋がることから好ましくない。よって、これら高付加機能設定に関する操作ボタンは、図27で示したように、蓋体で通常は塞がれているリモコン本体に設けることが一般的であった。しかしながら、蓋体を開けば、リモコン本体の操作ボタンは操作可能であることから、誤設定を招くことがあった。
【0109】
図36に示すリモコン80Aは、複数の汎用ボタンボード81A、81A’・・・を常に正しい向きで装着凹所80aに取り外し自在に備える。このリモコン80Aは、当該凹所に、汎用ボタンボード装着を検出するボード装着センサ82と、汎用ボタンボードの各ボタンが押圧されると押し下げられるボタン操作伝達部83a〜83dと、装着された汎用ボタンボードを識別するボード識別センサ84とを有する。また、リモコン80Aは、その内部に、上記の各ボタン操作伝達部の押し下げによりオンするスイッチ回路(図示省略)を各ボタン操作伝達部に対応して有する。ボード識別センサ84は、ボタンボード未装着時に上記の各ボタン操作伝達部が誤って押圧されても、光信号を送信しないようにするために用いられる。ボード識別センサ84は、各ボード裏面に表示された識別記号を読み取り判読して装着されたボードを識別するためのものであり、例えばバーコードリーダ等を用いることができる。
【0110】
汎用ボタンボード81A、81A’等は、上記の各ボタン操作伝達部に対応した操作ボタンを備える。例えば、ビデオに用いるリモコンであれば、汎用ボタンボード81Aは、ビデオ操作の常用ボタンである再生ボタン、停止ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンを有する。汎用ボタンボード81A’は、常用されることがないワイド表示モード設定ボタン、標準表示モード設定ボタン、内蔵チューナーの文字放送受信設定ボタン、S−VHS対応設定ボタン(オン/オフ設定ボタン)を有する。
【0111】
そして、リモコン80Aは、次のようにして各汎用ボタンボードのボタン操作に応じた指令信号をビデオ本体に送信する。まず、リモコン80Aは、内蔵する図示しない電子制御装置により、ボード識別センサ84の検出結果から、どの汎用ボタンボードが装着されたかを判断する。そして、その判断した汎用ボタンボードの有するボタンに応じた指令信号を光送信する。例えば、装着された汎用ボタンボードが汎用ボタンボード81Aであれば、再生ボタン、停止ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンのうちで使用者に操作されたボタンに応じた指令信号(再生指令、停止指令、早送り指令、巻き戻し指令)を送信する。ビデオ本体側では、この送信を受けた指令に応じてビデオ構成機器が駆動制御される。また、汎用ボタンボード81A’であれば、ワイド表示切替指令、標準表示切替指令、文字放送受信指令、S−VHSオン指令/オフ指令等の指令信号を送信する。
【0112】
このリモコン80Aでは、汎用ボタンボード81Aを通常はリモコン80Aに装着しておくことで、ビデオ使用時に常時必要とされる遠隔操作を何の支障もなく行うことができる。また、汎用ボタンボード81A’に取り換えることで、通常は必要のない機器設定を何の支障もなく遠隔操作することができる。そして、汎用ボタンボード81A’を取り外し保管しておくことで、ビデオ機器の誤設定を有効に回避することができ好ましい。なお、ビデオに限らず、その他の家電製品や衛生洗浄装置にこのリモコン80Aを適用することができる。また、ビデオ本体や家電製品本体並びに衛生洗浄装置本体に、ボード識別センサ84を設けて複数の汎用ボタンボードを装着するように構成し、本体側での機器設定・動作指令を各汎用ボタンボードごとに行うようにすることもできる。こうすれば、本体側でも誤設定等を招くことがない。更に、汎用ボタンボードをオプションとして用意し、機能追加を図るようにすることもできる。また、衛生洗浄装置に適用した場合にあっては、各使用者ごとに汎用ボタンボードを取り換え、その使用者にカスタマイズされた様式で局部洗浄を行うようにすることもできる。例えば、男性使用者には、ビデ洗浄は不要であるので、この男性使用者の用いる汎用ボタンボードでは、お尻洗浄ボタン、乾燥ボタン、停止ボタンと、水勢を指定する水勢指定ボタンとする。そして、この汎用ボタンボードを識別して、そのボタン操作に応じた動作指令(お尻洗浄指令、乾燥指令、停止指令、水勢指定指令)を衛生洗浄装置の側に送信する。なお、水勢の指定は、図示しない水勢調整ボタン等の操作を経てリモコンが設定し、その設定値をこの汎用ボタンボードの水勢指定ボタンによる値として記憶するようにすればよい。
【0113】
また、リモコン80Aは、次のような応用も可能である。近年では、光ファイバ等のケーブルを利用して双方向送受信可能なテレビシステムが提案されている。このようなシステムでは、視聴者の側から物品購入の信号を送ることで、商品売買が可能である。しかし、蓋により通常は隠されたボタンにこの購入信号送信の機能を持たせただけでは、上記したように誤送信を起こすことがある。よって、取り外し保管が可能な特定の汎用ボタンボードに購入信号送信等の機能を持たせれば、子供等による誤送信を確実に回避でき好ましい。
【0114】
次に、上記した各衛生洗浄装置やビデオ、テレビ等の家電製品に適用可能なリモコンの変形例について説明する。図37は、衛生洗浄装置に適用した変形例のリモコン90の概略斜視図、図38は、その要部断面図である。
【0115】
近年では、お年寄りや身体機能(例えば、腕の上げ下ろし等)に麻痺がある人であってもボタン操作がしやすいよう、個々のボタンを大きくすることが行われている。図37に示すように、リモコン90は、お尻洗浄ボタン90a、乾燥ボタン90b、停止ボタン90c、ビデ洗浄ボタン90dを正面ケース92に備え、各ボタンは、リモコン正面の大部分を占めるような大きさで突出形成されている。これらボタンは、可撓性をもって形成されており、図38に示すように、押圧操作されると裏面の突起93をスプリング93aに抗して押し下げ、スイッチ回路94をオンするように構成されている。これにより、リモコン90は、そのボタンに応じた指令信号を送信する。
【0116】
また、リモコン90は、その上端に、上記したように異なる大きさとされた大洗浄ボタン95と小洗浄ボタン96を並べて備え、リモコン上端は、この両洗浄ボタンで占められている。各洗浄ボタンは、リモコン90の裏面ケース91の上端にて揺動可能に支持されており、ボタン上面あるいはボタン正面が押圧操作されると、裏面の突起97をスプリング97aに抗して押し下げ、スイッチ回路98をオンするように構成されている。これにより、リモコン90は、そのボタンに応じた指令信号を送信する。
【0117】
このように各ボタンを大きくし各ボタンでリモコン各所を占有させると、光信号の送信場所がなくなることから、従来は、リモコン下端をもう少し長く形成し、当該下端部に光信号送信部(LED)を設けていた。しかし、この実施例では、図示するように、大洗浄ボタン95と小洗浄ボタン96の内側に、送信部99a〜99cを有する。このうち、送信部99a、99cは、リモコン側面方向への信号放出を意図して外向きに内蔵されており、送信部99bは、リモコン正面方向への信号放出を意図して内蔵されている。そして、これら送信部を外部から覆う大洗浄ボタン95と小洗浄ボタン96は、LEDから構成された送信部99a〜99cの発する光を選択的に透過させるよう着色された透光性部材から形成されている。このため、上記の各ボタンが操作されたときの指令信号は、大洗浄ボタン95あるいは小洗浄ボタン96を透過して衛生洗浄装置の側に送信される。なお、この大小洗浄ボタンは、該当する送信部と対向する正面並びに側面が透光性を呈するようにされていればよく、ボタン機能を表す文字や絵柄(図では「大」、「小」の文字)の視認性を高めるため、ボタン上面を着色して非透光性とすることもできる。この場合には、二色成形等の適宜な樹脂成形手法を採って、ボタン上面を非透光性とし、側面と正面を透光性とすればよい。
【0118】
このような構成のリモコン90では、各ボタンを操作が容易となるように大きく形成しても、光信号送信部の設置のためだけのスペースを必要としないので、リモコンの小型化を図ることができる。また、リモコン正面と側面に信号を発するので、衛生洗浄装置に対するリモコンの設置場所の自由度を高めることができる。更に、送信部99a〜99cを、通常の装置使用時にあっては当時に操作され得ない大洗浄ボタン95と小洗浄ボタン96でそれぞれ覆うようにした。このため、一方の洗浄ボタン(例えば大洗浄ボタン95)の操作の際に使用者の手や指でこの洗浄ボタンが覆わせても、他方の洗浄ボタンは露出状態にあるので、光信号送信に特段の支障が無い。よって、確実に信号送信できる。なお、送信部をリモコン正面の上記各ボタンの裏面に内蔵するようにすることもできる。この場合も、通常の装置使用時にあっては当時に操作され得ないボタン(例えば、停止ボタン90cとお尻洗浄ボタン90a)の裏面に内蔵するようにすればよく、各ボタンを上記のように透光性を持たせればよい。また、停止ボタン90cと乾燥ボタン90bのように、リモコン正面で対角に位置する両ボタンの裏面に内蔵するようにすることもできる。上記した構成のリモコン90は、衛生洗浄装置に限らず、ビデオ等の家電製品にも適用できる。
【0119】
次に、衛生洗浄装置に適用した場合のようにリモコンを壁面設置する場合の実施例について説明する。図39と図40は、従来のリモコン設置方法を説明する説明図、図41は、実施例の設置方法を説明する説明図である。
【0120】
図39や図40に示すように、リモコンR(上記各実施例のリモコンでもよく、既存のリモコンでもよい)は、特に衛生洗浄装置に用いるリモコンRは、その使用形態からトイレ壁面に設置され、その際、リモコンを保持するホルダーHが用いられている。これら図面に示す従来のホルダーHは、リモコンRを上下に抜き差しできるよう、あるいは、正面から嵌め込み装着できるように形成されており、トイレ壁面に固定される。
【0121】
トイレは、その大きさが各家庭によって大きく異なるので、使用者が着座姿勢を採ったり便座から立ち上がったりする際に、肩や肘等をホルダーHの側面にぶつけることがあった。こうした事態に至ると、その衝撃によりリモコンをホルダーから落としてしまい、機器の損傷を招くことがあった。
【0122】
図41に示す実施例のホルダーHJは、リモコンRを保持した際の下端・両側面に、傾斜面KMを有する。よって、使用者が肩や肘等をホルダーHJのこの傾斜面KMにぶつけても、その際の力は傾斜面に沿って分解され、リモコンRには僅かしか伝わらない。よって、リモコンの脱落を有効に防止でき、脱落による機器損傷を回避することができる。また、壁面から連続した傾斜面KMでリモコンRが囲まれていることから、使用者に圧迫感を比較的与えることが無く好ましい。更に、この傾斜面KMをトイレ壁面に合わせて塗装したりすれば、一体感が増し意匠性も高まる。
【0123】
なお、リモコンRがリモコン50のようにその下端で蓋を開閉できる構成のものであれば、図41に示す下端の斜面領域SRKを切り欠けばよい。また、リモコン50のように、その側面からも光信号送信が可能な構成であれば、その送信場所と重なる両端の斜面領域SRHを透光性の部材としたり切り欠けばよい。更に、リモコンの蓋体が開閉のためのつまみを有するものであれば、そのつまみと干渉する位置の側面斜面領域SRTを切り欠けばよい。
【0124】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0125】
例えば、各衛生洗浄装置とも、ノズル装置30等による局部洗浄機能を有するものについて説明したが、この局部洗浄機能を有せず、温風ファン33による使用者の背中暖気を図るようにした便座装置あるいは便蓋装置とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】便蓋並びに便座を支持すると共に洗浄水による人体局部の洗浄を行う実施例の衛生洗浄装置10の外観を表わす概略斜視図である。
【図2】この衛生洗浄装置10の六面図のうち正面並びに背面と左右側面を示し、図2(A)はその正面図を、図2(B)は右側面図を、図2(C)は背面図を、図2(D)は左側面図をそれぞれ表す説明図である。
【図3】同じく衛生洗浄装置10の六面図のうち上面並びに底面を示し、図3(A)は上面図を、図3(B)は底面図をそれぞれ表す説明図である。
【図4】衛生洗浄装置10における本体16の概略斜視図である。
【図5】この本体16の側面図である。
【図6】本体16の中央概略断面図である。
【図7】曲面部17bに設ける人体検出センサ22aや表示部22b、リモコン受光部22c並びに開口17cの設置範囲Xを説明するための説明図である。
【図8】便蓋12の要部を破断して示す要部破断図である。
【図9】図8の右方向矢視図であり回転軸部材40を介した便座・便蓋支持体17への回転軸支の様子を説明する説明図である。
【図10】便座14の概略斜視図である。
【図11】便座14の要部を破断して示す要部破断図である。
【図12】局部洗浄に関与する衛生洗浄装置10の概略機器構成を模式的に表したブロック図である。
【図13】この衛生洗浄装置10の制御系を表わしたブロック図である。
【図14】便座・便蓋支持体17に近接対向した便蓋12,便座14の端部12d、14dと、この便座・便蓋支持体17との関係を説明する説明図である。
【図15】便蓋12が開状態にある場合の概略斜視図である。
【図16】便蓋12と共に便座14が開状態にある場合の概略斜視図である。
【図17】変形例の衛生洗浄装置10Aの概略斜視図である。
【図18】洋式便器Tに配設された他の変形例の衛生洗浄装置10Bの概略斜視図である。
【図19】この衛生洗浄装置10Bの概略縦断面図である。
【図20】便蓋12を開いた状態の衛生洗浄装置10Bの概略斜視図である。
【図21】便蓋12並びに便座14を開いた状態の衛生洗浄装置10Bの概略斜視図である。
【図22】局部洗浄機能を後付けする変形例の衛生洗浄装置10Cが配設された洋式便器Tの概略斜視図である。
【図23】別の変形例の衛生洗浄装置10Dの概略斜視図である。
【図24】また別の変形例の衛生洗浄装置の要部拡大断面図である。
【図25】上記の各衛生洗浄装置10に適用したリモコン50の正面図である。
【図26】蓋体52の開閉機構を説明する要部斜視図である。
【図27】蓋体52を開いた状態のリモコン50の正面図である。
【図28】蓋体52における停止ボタン52a等のボタンの要部拡大断面図である。
【図29】リモコン50の制御系を表すブロック図である。
【図30】リモコン50で実行される指令信号出力処理を表すフローチャートである。
【図31】この指令信号出力処理の内容を説明するための説明図である。
【図32】やわらか洗浄機能と冷え込み防止機能並びに節電関連機能が削除された仕様における指令信号出力処理の内容を説明するための説明図である。
【図33】操作部35を有する衛生洗浄装置10Eをリモコンと共に表した要部斜視図である。
【図34】この衛生洗浄装置10Eの操作部35の要部斜視図である。
【図35】同じく操作部35の要部斜視図である。
【図36】変形例のリモコン80Aの概略斜視図である。
【図37】衛生洗浄装置に適用した変形例のリモコン90の概略斜視図である。
【図38】その要部断面図である。
【図39】従来のリモコン設置方法を説明する説明図である。
【図40】同じく従来のリモコン設置方法を説明する説明図である。
【図41】実施例のリモコン設置方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
10,10A〜10E…衛生洗浄装置
12…便蓋
12a…蓋部分
12b…便蓋支持部
12c…連結部
12d…端部
12e…カバー部
12f…肉厚端部
12g…嵌合孔
12hk…円弧軌跡
13a,15a…スイーパー
13b,15b…ブラシ
14…便座
14a…便座部分
14b…便座支持部
14c…連結部
14d…端部
14e…鞍部
14k…嵌合孔
16…本体
16a…底部部材
16b…本体壁面部材
16c…傾斜面
17…便蓋支持体
17a…嵌合孔
17b…曲面部
17c…開口
17d…温風管路
18…カバー
18a…開口
22a…人体検出センサ
22b…表示部
22c…リモコン受光部
30…ノズル装置
31…ノズル駆動装置
31a…ノズル駆動モータ
32…熱交換器
32a…流量調整弁
33…温風ファン
33a…温風吹出口
33b…温風管路
34…電子制御装置
35…凹所
35…操作部
35a…凹所
35b…カバー
36…電磁止水弁
36a…定流量弁
37…ヒータ
38…入水温度センサ
39…吐水温度センサ
40…回転軸部材
40a…軸部分
40b…第1外筒軸部分
40c…第2外筒軸部分
50…リモコン
51…リモコン本体
51a…大洗浄ボタン
51b…小洗浄ボタン
51c…停止ボタン操作伝達部
51d…暖房タイマーボタン
51e…運転時間設定ボタン
51f…室内暖房ボタン
51g…開閉センサ
51h…節電タイマーボタン
51i…節電時間設定ボタン
51j…節電ボタン
51k…強弱設定ボタン操作伝達部
51n…高低設定ボタン操作伝達部
51q…脱臭ボタン
51r…ノズル掃除ボタン
51s…切替ボタン操作伝達部
51t…防止ボタン
51u…暖気ボタン操作伝達部
52…蓋体
52a…停止ボタン
52b…尻洗浄ボタン
52c…洗浄ボタン
52d…ビデ洗浄ボタン
52e…ムーブ設定ボタン
52f…マッサージ設定ボタン
52g…ムーブ設定ボタン
52h…水勢設定ボタン
52i…温度設定ボタン
52j…切替ボタン
52k…ノズル位置調節ボタン
52m…乾燥ボタン
52n…暖気ボタン
53…窓部
55…裏面突起
56…発光素子
57…突起
57a…スイッチ回路
57a1〜57a16…スイッチ回路
58…スモーク窓部
62…表示部
64…ヒンジピン
70…電子制御装置
71a…尻洗浄ボタン
71b…ビデ洗浄ボタン
71c…停止ボタン
71d…マッサージ設定ボタン
71e…ムーブ設定ボタン
71g…吐水温設定ボタン
71h…背中暖気ボタン
71i…乾燥ボタン
71j…水量設定ボタン
72…リモコン受光部
73…表示部
74…水勢調整ダイヤル
75a…節電ボタン
75b…脱臭ボタン
75c…ノズル掃除ボタン
75d…電源ボタン
76…ボード装着センサ
80…リモコン
80A…リモコン
80a…装着凹所
81…汎用ボタンボード
81A…汎用ボタンボード
81a…停止ボタン
81b…尻洗浄ボタン
81c…ビデ洗浄ボタン
81d…乾燥ボタン
82…ボード装着センサ
83a〜83d…ボタン操作伝達部
84…ボード識別センサ
90…リモコン
90a…尻洗浄ボタン
90b…乾燥ボタン
90c…停止ボタン
90d…ビデ洗浄ボタン
91…裏面ケース
92…正面ケース
93…突起
93a…スプリング
94…スイッチ回路
95…大洗浄ボタン
96…小洗浄ボタン
97…突起
97a…スプリング
98…スイッチ回路
99a〜99c…送信部
100…キャビネット
101…開閉扉
103…スチールベルト
104…機能部品収納ボックス
105…給水管
106…温水管
107…信号配線
H…ホルダー
HJ…ホルダー
KJ…回転中心軸
KM…傾斜面
R…リモコン
SRH…斜面領域
SRK…斜面領域
SRT…側面斜面領域
ST…貯留タンク
T…洋式便器

Claims (7)

  1. 洋式便器の開口部を開閉する便蓋と、前記洋式便器の上面後部に配設され前記便蓋を支持する本体とを有する便蓋装置であって、
    前記便蓋は、前記開口部の蓋部分から延出形成され、前記本体に支持される便蓋側支持部を有し、
    前記本体は、前記便蓋が前記開口部を開閉するよう前記便蓋側支持部を回転自在に支持し、前記便蓋を上下回転可能とする本体側支持部と、
    前記本体は、洋式便器に着座した使用者の局部洗浄に関与する機能部品とを有し、
    前記本体側支持部は、その上部形状が前記便蓋側支持部の回転中心軸と同心の円弧形状とされていると共に、前記円弧形状とされた前記上部形状部分において、前記便蓋の開閉範囲と合致する開閉合致領域に、前記機能部品の状態を表示する表示部を有することを特徴とする便蓋装置。
  2. 請求項1に記載の便蓋装置において、
    前記本体側支持部は、前記円弧形状とされた前記上部形状部分における前記開閉合致領域に、前記表示部を覆う光透過性の外壁部材を有する、便蓋装置。
  3. 請求項2に記載の便蓋装置において、
    前記外壁部材は前記開閉合致領域に着脱自在とされている、便蓋装置。
  4. 請求項1に記載の便蓋装置において、
    前記本体側支持部は、前記円弧形状とされた前記上部形状部分における前記開閉範囲と合致する開閉合致領域に、前記洋式便器前方での使用者の起立もしくは着座を非接触で検出する使用者検出センサを有する、便蓋装置。
  5. 請求項4に記載の便蓋装置において、
    前記使用者検出センサは、光電センサ、超音波センサのいずれかである、便蓋装置。
  6. 請求項1ないし請求項5いずれかに記載の便蓋装置において、
    洋式便器の開口部上縁に重なる便座部分と、当該部分から延出形成された便座側支持部とを有する便座を備え、
    前記本体側支持部は、前記便座側支持部を同一の回転軸で前記便蓋側支持部と共に回転自在に支持し、前記便座を前記便蓋とは別個に上下回転可能とする、便蓋装置。
  7. 請求項6に記載の便蓋装置において、
    前記本体側支持部は、閉状態にある前記便蓋の蓋部上面より上方に前記回転軸が位置するよう、前記本体の後端側に形成され、
    前記便座は、前記便座側支持部を前記便座部分から上方に湾曲して連続傾斜するよう延出して有する、便蓋装置。
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