第1の発明は、
便器上に設置され、複数の電動機能を内蔵する本体と、
前記本体とは別体で、前記電動機能を操作するリモートコントローラと、を含み、
前記リモートコントローラは、
使用者が押下操作する第1のスイッチと、
照度センサを有して使用者の身体の動きによって光量変化を生じさせて操作する第2のスイッチと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチの操作信号を検出する制御部と、
前記制御部の制御信号を前記本体に送信する送信部と、
を備え、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチは前記リモートコントローラの外面に臨んで隣接して配設され、
前記第1のスイッチは、押下により可動する操作部を設け、
前記操作部の一部に、前記照度センサに光を採光する採光部を設け、
少なくとも1個の前記電動機能の操作を、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチの両方で可能としたことを特徴とする、
便座装置としたものである。
これにより、第1のスイッチを押下操作しても、照度センサが検知する光量を変化させる「かざす動作」による第2のスイッチの操作をしても同様に機能操作できるので、使用者が操作する場合、状況に応じて押下操作、かざす操作を選択できる。かざす操作をすることで、リモートコントローラに接触することなく衛生的に操作が可能であるし、センサの故障、環境条件の不具、操作不慣れ等で、かざす操作ができなかったとしても押下をすることで従来のように確実に操作できる。また、照度センサは、光量が変化したことを検知して操作されたこととなるので、第1のスイッチを押下せずとも、リモートコントローラの表面に接触して照度センサへ届く光をさえぎるだけでも操作が可能で、使用者からするとリモートコントローラの所定の位置に対して押す、触る、かざすといういずれの動作でも操作可能となり、利便性が向上する。
また、使用者は「押下操作」を行う操作部に対して、通常どおり押下操作できるのに加えて、「操作部の一部の採光部に手をかざす」「採光部を隠す」などの、照度センサが検知する光量が変化するように操作を行うことで、操作部を押下しなくとも操作が行える。リモートコントローラにおいて操作するエリアは、どの動作をするとしても同じ位置であるため、使用にあたってスイッチの場所、操作法で混乱することがない。
第2の発明は、第1の発明において、
前記リモートコントローラの左右の略中央に前記操作部を設けたものである。
これによって、リモートコントローラがトイレ室の便器位置の左右前のどの位置に取り付けられたとしても、特に「かざす操作」が場所に影響されることなく使用できる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
複数の電動機能のそれぞれに対応するように採光部を有する操作部を複数設け、前記複数の採光部を有する操作部を、前記リモートコントローラの左右の略中央に垂下する位置に
配置したものである。
これによって、トイレ室はたいていが上方からの照明、採光窓からのあかりなどによるものなので、横に並べるよりも垂下する位置つまりは縦に操作部を配置したことで、操作部に設けた採光部から照度センサが受光する光の条件が、複数のセンサ間でほぼ同一の条件となる。複数の照度センサの感度調整をする際には条件が均一のほうが感度調整にかかる時間も少なくてすみ、検知スピード、検知精度が向上する。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれかにおいて、前記採光部の中心位置は、前記操作部の中心位置よりも下方に設けたものとした。
これによって、使用者は立位姿勢または便座上に着座中にリモートコントローラ操作するものであるが、通常は上方から照射される照明装置や採光窓などの光を遮るように操作されるので、操作部に対して押下操作する動作にほぼ対応するようにかざす動作をすると、操作部の下方に配置した照度センサが確実に光量変化を検知するので、かざす動作による操作の確実性が向上する。人の動作に応じた配置となり、使用者は使い方を特に学習する必要もなく、照度センサの検知精度も向上する。また、この位置とすることで、第1のスイッチの押下操作時にも同時に第2のスイッチの操作ができる。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれかにおいて、電動駆動による開閉を行う便座開閉機能と、人体局部を洗浄する洗浄機能とを有し、前記便座開閉機能を操作する第1の操作部と、前記洗浄機能を操作する第2の操作部とを備え、前記第1の操作部は、前記第2の操作部の下方に設けたものである。
これによって、便座の開閉、および、局部洗浄の操作をかざす動作で、リモートコントローラに接触せずに操作できる。すなわち、トイレ室に入室してから出るまでの一連の動作のうち、標準的な使用パターン(男性小用時および着座使用後お尻洗浄機能使用時)では、リモートコントローラに接触することなく便座装置の使用ができて清潔である。
第6の発明は、第1から5の発明において、前記リモートコントローラは開閉自在のフロントパネルを有し、前記フロントパネルの表面に臨んで前記操作部に対応する操作ボタンを設け、前記操作ボタンの一部には、前記採光部に対応する位置に透過部を設けたものである。
これによって、開閉自在のフロントパネルの表面からリモートコントローラ本体に設けた第1のスイッチおよび第2のスイッチの両方の操作が行える。
第7の発明は、第6の発明において、前記フロントパネルは、閉塞時に上方が後背方向に傾斜した状態で保持されたものである。前記リモートコントローラ本体の前面に対して、上方の隙間が下方の隙間よりも小さくなるように傾斜した状態で取り付けられたものである。
これにより、フロントパネルと本体との間隙から光が差し込むことを防止する。
フロントパネルの透過部と、本体の採光部とは対向する位置に設けられてはいるものの、パネルとの間の隙間を0にすることは出来ず、隙間から光が入る可能性がある。少なくともこの構成で上方からの光をさえぎることができるので、照度センサに対してノイズとなる光をさえぎることができて、透過部からのみ光が入るので、誤動作防止できる。
第8の発明は、第1から第7の発明において、
リモートコントローラに人体の近接を検知する人体センサを備え、前記人体センサは前記
リモートコントローラの略左右の中央の上部に設け、その下方に前記操作部を配置し、
前記人体センサの信号に基づいて操作部の操作の有無の判定を行うようにしたものである。
これによって「かざす操作」する際、リモートコントローラに一体となった人体センサも反応するので、照度センサが検知した照度変化が、人体を検知したと同時に生じた照度変化なので、使用者が意図的に操作をしようとした動作であることを判定できて、部屋の照明のON/OFFなどによるものでないことが確実にわかるので判定精度が向上する。
第9の発明は、第6または第7の発明において人体センサは前記フロントパネルの上部に、前記フロントパネル前面より突出して設けたものである。
これにより人体センサはフロントパネルよりも突出した位置に配置しているので、視野角を確保できる。フロントパネルの上方に突出した状態で設けてあるので、フロントパネルと本体との隙間からノイズ光が入ることを防げる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態における便座装置を便器上に設置した状態の外観の斜視図を示し、図2は制御系のブロック図を示すものである。
<1>便座装置の構成
図1に示すように、便座装置100は、本体200、便蓋210、便座220、人体検知センサ300、リモートコントローラ400により構成され、本体200、便蓋210、便座220は一体で構成され便器110の上面に設置される。
なお、本実施の形態においては便座装置100の本体200の設置側を後方、便座220の設置側を前方とし、前方に向かって右側を右側、前方に向かって左側を左側として各構成要素の配置を説明する。
本体200には、便蓋210および便座220が便座便蓋回動機構215を介して開閉可能に取り付けられている。図1に示すように便蓋210を開放した状態においては、便蓋210は便座装置100の最後部に位置するように起立する。また、便蓋210を閉成すると便座220の上面を隠蔽する。便座220は便座ヒータ221を内蔵しており、便座の着座面が快適な温度になるように加熱する。
便座便蓋回動機構215は直流モータと複数のギアで構成されており、便蓋210と便座220を個別または同時に開閉することができる。
本体200の内部には、洗浄水供給機構(図示せず)、熱交換器(図示せず)、洗浄ノズル231等で構成された人体の局部を洗浄する洗浄機構230と、洗浄後の局部を嵌装する乾燥装置(図示せず)と、本体制御部240等が内蔵されている。
本体200の下部中央には洗浄ノズル231が設置されている。洗浄機構230の主な構成は、本体200の内部に設置された洗浄水供給機構(図示せず)と熱交換器(図示せず)と流量調節機構(図示せず)が洗浄ノズル231に接続されており、水道配管から供給される洗浄水を熱交換器で加熱した温水を洗浄ノズル231に供給し、洗浄ノズル23
1から使用者の局部に向けて温水を噴出し、使用者の局部を洗浄するものである。
洗浄ノズル231はお尻を洗浄するお尻洗浄ノズル部と女性の局部を洗浄するビデノズル部を備えている。また、洗浄ノズル231は本体200内に収容した収納位置と本体200から突出して洗浄動作を行う洗浄位置との間を進退移動するノズル駆動機構(図示せず)を備えている。
本体200の前面コーナ部には着座検知センサ250が設置されている。この着座検知センサ250は反射型の赤外線センサであり、赤外線を発光して人体で反射された赤外線を受光することにより便座220上に使用者が存在することを検出する。
本体200の右側には本体200と一体に袖部260が突出して形成されており、袖部260の上面には本体操作部261と、人体検知センサ300とリモートコントローラ400から送信される赤外線信号を受信する赤外線受信部262が配置されており、本体操作部261には便座装置100の最も重要な機能である電源スイッチ261aと、洗浄機能の中で最も使用頻度の高いお尻洗浄機能を操作するお尻洗浄スイッチ261bが配置されている。
人体検知センサ300は本体200とは別体で構成されており、トイレルームの壁面等に取り付けられる。人体検知センサ300は、人体から放出される赤外線を受光する焦電センサ310と、焦電センサ310の信号で人体の検出を判定するセンサ制御部320と、センサ制御部320からの人体検知信号を本体200の本体制御部240に赤外線で送信する赤外線送信部330で構成されている。
リモートコントローラ400は本体200とは別体で構成されており、便座220上に着座した使用者が操作のしやすいトイレルームの壁面等の場所に取り付けられる。リモートコントローラ400には便座装置100の各機能の操作と設定を行う複数のスイッチ機能と表示機能が配置されている。なお、リモートコントローラ400の詳細な構成および作用については後述する。
本発明の便座装置100はトイレルームに使用者が存在しない場合は、便座ヒータ221への通電を停止、もしくは20℃程度の待機温度で保温している。トイレルームに使用者が入室すると、人体検知センサ300からの信号を受け、便座ヒータ221に通電を行う。便座ヒータは800W程度の非常に高出力のヒータであり、使用者がトイレルームに入室してから便座に着座するまでの6秒から10秒程度の間に、便座220の着座面を40℃程度の設定温度に昇温する。
便座が設定温度に達した後は、便座ヒータ221への通電を50W程度の低ワットに下げて設定温度を保つ。使用者がトイレルーム内から出ると、便座ヒータへの通電を停止、もしくは20℃程度の待機温度となる。つまり、トイレルームに使用者がいないときの電力を大幅に削減した便座装置である。
なお、洗浄ノズル等からなる洗浄機構230と乾燥装置は便座装置100の必須の構成要素ではなく、これらの構成要素を備えておらない便座装置100であってもよい。
<2>便座装置の動作および作用
人体検知センサ300が人体を検出すると、人体検知センサ300は人体検知信号を赤外線送信部330より送信し、本体200の赤外線受信部262で受信した人体検知信号は本体制御部240に送信され、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動して便蓋210を開放するするとともに、便座220の便座ヒータ221への通電を開始して
便座220の着座面が着座に適した40℃程度になるように、10秒以内に昇温させる。
使用者が、便座220に着座すると、着座検知センサ250が着座を検出し、本体制御部240が着座信号を受信することにより、本体200のお尻洗浄スイッチ261bおよびリモートコントローラ400の洗浄機能の操作が可能となる。
使用者が用便を終了し、洗浄機構230により局部の洗浄を終了した後に使用者が便座220から立ち上がってトイレルームから退出し、人体検知センサ300からの人体検知信号の送信が停止すると、本体制御部240は人体検知終了してから所定時間経過後(本実施の形態においては3分後)に、便座便蓋回動機構215を駆動させて便蓋210を自動的に閉塞させるとともに、便座ヒータ221への通電を停止し、その後待機温度まで降下したら待機温度を維持するように制御する。
使用者が男子小用の場合は、使用者がトイレルームに入室し、人体検知センサ300の信号により便蓋210が開放された状態で、使用者がリモートコントローラ400で便座220を起立させる操作を行うことにより、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動させて便座220を起立させるとともに、便座ヒータ221への通電を停止し、その後待機温度まで降下したら待機温度を維持する制御する。
使用者が男子小用を終了し、トイレルームから退出して人体検知センサ300からの人体検知信号の送信が終了したら、本体制御部240は所定時間経過後(本実施の形態においては3分後)に、便座便蓋回動機構215を駆動させて便蓋210と便座220を閉塞させる。
なお、リモートコントローラ400の詳細な構成および作用については後述する。
<3>リモートコントローラの構成
図3はリモートコントローラの使用状態における外観を示す斜視図であり、図4はリモートコントローラのフロントパネルを開放した状態を示す正面図であり、図5は図3に示すAA断面図である。
図3に示すように、リモートコントローラ400の全体形状は薄い直方体に形成されており、樹脂材料で成形された箱状のリモコン本体401とリモコン本体の前面を覆うフロントパネル402で構成されており、フロントパネル402はリモコン本体401の前面下端部に開閉自在に枢支されており、通常の使用時には、図3に示すようにフロントパネル402を閉塞した状態で使用し、リモートコントローラ400の設定操作を行うときは、図4に示すようにフロントパネル402を開放して使用する。
図4に示すように、リモコン本体401の前面には、主に上部には便座装置100の使用時に操作する操作スイッチ410と、主に下部には便座装置100の機能の設定を行う複数の設定スイッチ420と、中央部には非接触による操作で使用する2個の照度センサ440が配設されている。これらの操作スイッチ410と設定スイッチ420はスイッチの操作部に直接接触して操作する接触スイッチであるタクトスイッチを使用している。
操作スイッチ410としては、女性の局部洗浄を開始するビデ洗浄スイッチ411と、お尻を洗浄するお尻洗浄スイッチ412と、洗浄後の臀部の乾燥を開始する乾燥スイッチ413と、ビデ洗浄スイッチ411とお尻洗浄スイッチ412と乾燥スイッチ413で開始した動作を停止させる停止スイッチ414と、便座220を起立する便座開スイッチ415と、便座220を倒置する便座閉スイッチ416が配置されている。便座開スイッチ415と便座閉スイッチ416は同一垂線上に間隔をあけて配設されている。
また、設定スイッチ420としては、洗浄水の強度を2個のスイッチで設定する洗浄強度スイッチ421と、洗浄位置を2個のスイッチで設定する洗浄位置スイッチ422と、洗浄水の温度を設定する温水温度スイッチ423と、便座の温度を設定する便座温度スイッチ424と、乾燥装置の温度を設定する乾燥温度スイッチ425と、便蓋210および便座220の自動開閉を設定する自動開閉スイッチ426と、ノズルの高温除菌を設定するノズル除菌スイッチ427と、非使用時の節電を設定する節電スイッチ428と、非接触の操作を設定する非接触設定スイッチ429が配設されている。
また、洗浄強度スイッチ421の近傍には洗浄強度表示灯431と、洗浄位置スイッチの422近傍には洗浄位置を表示する洗浄位置表示等432、温水温度スイッチ423の近傍には温水温度の設定を表示する温水温度表示灯433と、便座温度スイッチ424の近傍には便座温度の設定を表示する便座温度表示灯434と、乾燥温度スイッチ425の近傍には乾燥温度の設定を表示する乾燥温度表示灯435と、電池の消耗状態を表示する電池表示灯436が配設されている。
また、便座開スイッチ415の下方に近接して第一照度センサ441と、便座閉スイッチ416の下方に近接して第二照度センサ442が配設されている。第一照度センサ441と第二照度センサ442は非接触スイッチとして使用されるものであり、第一照度センサ441と第二照度センサ442に近接して使用者が手を移動させることにより、照度の変化を検出して、移動の方向を判定し移動方向により便座220を起倒するものである。
使用者が下から上に手を移動させ、第二照度センサ442から第一照度センサ441の順に照度変化を検出した場合は便蓋210を起立させ、第一照度センサから第二照度センサの順に検出した場合は便蓋210を倒置させる。
本実施の形態においては、使用者が1個の照度センサ440に近接して手をかざすことで操作することを非接触操作と称し、使用者が2個の照度センサ440に亘って近接して手を動かすことをジェスチャと称し、ジェスチャによる操作をジェスチャ操作と称する。
リモコン本体401の上面コーナ部には、操作情報および設定情報を本体200の袖部260に設置された赤外線受信部262に送信する発光素子439が配置されている。発光素子439は赤外発光ダイオードである。
図4および図5に示すように、フロントパネル402は、略平板状の樹脂製のパネル枠402aと、裏蓋402bと、リモコン本体401に設置した操作スイッチ410をフロントパネル402の表面から操作する複数の操作ボタン403で構成されている。
第一照度センサ441と第二照度センサ442と洗浄強度表示灯431と電池表示灯436に対応する部分には透明な樹脂材料で形成された透過部404が配設されている。これにより、表面から洗浄強度表示灯431と電池表示灯436を視認することができるとともに、第一照度センサ441と第二照度センサ442は照度変化を検出することができる構成となっており、フロントパネル402を閉塞した状態でジェスチャ操作が可能な構成となっている。
図5は図3のAA断面を示すものであり、第一照度センサ441と、第二照度センサ442と、便座開スイッチ415と、便座閉スイッチ416の設置状態を示すものである。リモコン本体401の内部には基板405上に第一照度センサ441と、第二照度センサ442が間隔を開けて配置されており、第一照度センサ441の上方近傍にタクトスイッチの便座開スイッチ415が設置されており、第二照度センサ442の上方近傍にはタク
トスイッチの便座閉スイッチ416が設置されている。
第一照度センサ441と第二照度センサ442に対応するフロントパネル402には透明な透過部404が配設されており、透過部404を介して照度の変化を検出できるようになっている。また、便座開スイッチ415と便座閉スイッチ416に対応するフロントパネル402にはそれぞれ操作ボタン403が設置されており、それぞれの操作ボタン403を押すことにより便座開スイッチ415と便座閉スイッチ416を操作することができる。
<4>リモートコントローラの制御系の構成
図6はリモートコントローラの制御系を示すブロック図である。
図6に示すように、リモートコントローラ400には、操作情報の入力手段として操作スイッチ410と、設定スイッチ420と、ジェスチャ操作の操作情報の入力手段として第一照度センサ441と第二照度センサ442を備えており、出力手段としては本体200に制御情報を赤外線で送信する発光素子439と、制御情報を表示する表示灯430を備えている。また、リモートコントローラ400の駆動源として電池450を備えている。
リモートコントローラ400の各種操作情報を処理するリモコン制御部500には、操作信号を検出する手段として、操作スイッチ410と設定スイッチ420のスイッチ操作を検出するスイッチ操作検出部510と、第一照度センサ441と第二照度センサ442からのジェスチャ操作信号をデジタル信号化して検出するデジタル検出部520と、ジェスチャ操作信号をアナログ信号として検出するアナログ検出部530とを備えている。デジタル検出部520とアナログ検出部530の詳細は後述する。
また、ジェスチャ操作の検出を実施するための他の機能としては、照度センサ440を駆動するセンサ駆動部540と、照度センサ440の感度を調整する感度調整部550を備えている。感度調整部の詳細は後述する。
センサ駆動部540は、2個の照度センサ440を間隔をあけて個別に駆動する機能を備えたものである。第一照度センサ441の駆動をT1の時間実施し、その後T2の時間空けて、第二照度センサ442の駆動をT1の時間実施する。次に再びT2の時間空け第一照度センサ441の駆動を行い、このような駆動を繰り返す。センサ駆動部540の時間の計測はリモコン制御部500のタイマ575を用いて行う。照度センサ440の駆動は、使用者がジェスチャ操作をいつされるか分からないため、常に上記の駆動を継続する。
上記のように2個の照度センサを同時に駆動する時間が存在しないことにより、それぞれの照度センサ440ごとに操作情報を検出することができるとともに、センサの駆動時間を短くすることでき、消費電流を抑えることが可能となり電池450の消耗を抑制することができる。
また、電池450の残量を検出する電池検査部560と、制御情報を表示する表示灯430を駆動する表示灯駆動部565と、発光素子439を介して本体200に制御情報を送信する赤外線送信部570と、計時情報を提供するタイマ575を備えており、リモコン制御部500の情報処理機能として主にマイコンで構成される情報処理部580を備えている。
上記構成のリモートコントローラ400は、操作手段である操作スイッチ410と設定
スイッチ420と第一照度センサ441と第二照度センサ442から入力された入力情報により、どのような操作がされたかを情報処理部で判定し、表示灯駆動部565により所定の表示灯430を点灯させる。また、赤外線送信部570から発光素子439を介して本体200に制御信号を送信し、本体制御部240が便座装置100の各種機能の制御を実施する。
<5>感度調整部の構成と作用
図7は感度調整抵抗ごとの検出電圧値の例を示す模式図である。
照度センサ440は、明るさの変化に伴って増減する抵抗値の変化を利用して出力電圧値の変化を検出するセンサであるため、実際の操作による明るさの変化だけではなく、トイレルームの明るさの変化、例えば昼間と夜間の時間経過による明るさの変化、電球の種類、物の影や光の当たり方などの要因によって照度センサ440の検出電圧値や感度が大きく変化する。また、照度センサ440自体のバラツキよっても検出電圧値が異なる。
トイレルームが暗い時は照度センサ440の出力電圧値が低くなるため、照度センサ440による操作の検出が難しくなる。したがって、感度を決められた一定範囲に保つ必要がある。そのために実際の操作の検出を行う前に基準となる基準電圧を一定範囲に保つように制御することで感度調整を行う。
感度調整部550は、照度センサ440の検出情報とセンサ駆動部540の駆動情報により照度センサごとに感度の調整を行うことにより、トイレルームの明るさの変化や照度センサごとの影や光の当たり方による検出電圧のバラツキを補正して検出感度を一定範囲に保つように調整する機能を備えたものである。
図6に示すように、感度調整部550は、第一感度調整抵抗551、第二感度調整抵抗552、第三感度調整抵抗553の3個の感度調整抵抗と、感度調整抵抗駆動部554と、検出感度調整部555で構成されている。
第一感度調整抵抗551、第二感度調整抵抗552、第三感度調整抵抗553の3個の感度調整抵抗を回路上に実装し、感度調整抵抗駆動部554によって電流を流す抵抗を順番に切り替えながら、それぞれの抵抗使用時にA/Dコンバータ521を介して検出電圧のデジタルデータを検出感度調整部555が受信する。
検出感度調整部555は、検出電圧が一定の範囲内であるかを判定し、範囲内にあればその時の検出電圧を基準電圧に設定する。範囲内になければ、感度調整抵抗駆動部554が抵抗値の異なる感度調整抵抗を選択し、再び検出感度調整部555で照度センサ440の出力電圧が範囲内にあるかの判定を行う。本実施の形態においては、3Vから4Vの範囲に検出電圧値があれば、感度調整完了としている。
検出電圧値が3Vから4Vの範囲に収まった場合に検出電圧値を駆動した照度センサ440の基準電圧とする。この処理を第一照度センサ441と第二照度センサ442に対して順次行うことで、照度センサ440ごとに使用する感度調整抵抗550と基準電圧を設定することができる。
図7は、トイレルームの明るさが少し暗い場合における感度調整抵抗ごとの検出電圧値の例を示すものである。
この明るさの場合、第一感度調整抵抗551を使用した場合の出力値は4V以上であり、第二感度調整抵抗552を使用した場合の出力値は約3.8Vであり、第三感度調整抵
抗553を使用した場合の出力値は3V以下となっている。
したがって、検出感度調整部555は第二感度調整抵抗552を使用した場合の3.8Vを範囲内であると判定し、基準電圧が3.8Vと設定される。
また、基準電圧が3.8Vに設定されるとともに、ジェスチャ操作の判定に使用される閾値は基準電圧より1V低い、2.8Vに設定される。
トイレルーム内で想定できる様々な照度状況や照度センサ440のバラつきから感度の最低条件と最高条件を算出し、その範囲に収まるように、実装している第一感度調整抵抗551、第二感度調整抵抗552、第三感度調整抵抗553の3個の抵抗値を設定している。
しかしながら、照度センサ440のバラツキや、想定以上の使用環境の場合で3Vから4Vの範囲の規定範囲に入らない場合は、最も近い感度調整抵抗550を使用する。
このように、デジタル検出部520と感度調整部550によって、様々な要因によって刻一刻と照度環境が変化するトイレルームにおいて、照度センサを用いた非接触操作を誤認知することなく検出可能とすることができる。
<6>アナログ検出部の構成と作用
アナログ検出部530は、リモートコントローラ400が使用されない待機状態において電力消費の大きいA/Dコンバータ521をできるだけ休止させることにより消費電力を低減させ、電池450の消耗を抑制することを目的とするものである。
ジェスチャ操作の初期段階において、比較回路を用いてアナログ処理により使用者の非接触操作を検出し、アナログ検出部で非接触操作が検出された場合にはデジタル検出部520を起動させてジェスチャ操作を正確に検出するものである。
なお、アナログ検出部で非接触操作を検出する検出モードを「低速モード」と称し、デジタル検出部でジェスチャ操作を検出する検出モードを「高速モード」と称する。
図6に示すように、アナログ検出部530は、比較回路531と、動作モード切替判定部532と、3個の閾値調整抵抗533と、閾値調整抵抗駆動部534で構成されている。
駆動中の照度センサ440と照度センサごとに設定されている低速モードに切り替わる直前の感度調整抵抗550によって、図6に示す比較回路531の反転入力端子531bに照度センサ440の検出電圧が入力される。一方、非反転入力端子531aには、非接触操作を検出する検出閾値が入力される。
比較回路531は、反転入力端子531bにかかる電圧が、非反転入力端子531aにかかる電圧より低くなったことを検出できるため、非反転入力端子531aにかかる電圧を非接触操作の検出閾値とすることで、非接触操作が行われたことを検出できる。
検出電圧が非接触操作の検出閾値以下になった場合、比較回路531の出力が変化し、その出力を動作モード切替判定部532が受け、情報処理部580に高速モードに切り替わるよう命令を出す。その後、後述のデジタル検出部520を使用した高速モードでジェスチャ検出を行う。
反転入力端子531bに入力されている照度センサ440の検出電圧は、<5>感度調整部の構成と作用の項で記載したように、トイレルームの明るさや照度センサ440のバラツキ等によって変化する。検出電圧が変化した場合、非反転入力端子531aに入力される検出閾値も同様に変化させる必要がある。検出閾値を変化させなければ、環境変化によって検出電圧が低くなった場合、検出閾値よりも照度センサ440の検出電圧が低くなり、非接触操作されたと誤検知する可能性がある。
アナログ検出部530には上記課題を解決するために、閾値調整機能を備えている。閾値調整機能は3個の閾値調整抵抗533と閾値調整抵抗駆動部534で構成されており、電流を流す閾値調整抵抗533を閾値調整抵抗駆動部534で選択することによって、非反転入力端子531aへの入力電圧を変化させている。
本実施の形態では、前述の感度調整部550で3V〜4Vの範囲に出力電圧が入るように調整している。したがって、感度調整後の照度センサ440の出力電圧は最大で1Vの幅を持っている。そのため、検出閾値は基準電圧より1V低い2V〜3Vの範囲となるように閾値調整抵抗駆動部534で閾値調整抵抗533を選択する。
また、便座装置を使用しない待機状態においては、タイマ575を用いて1時間の間隔でに動作モードを低速モードから高速モードに切り替え、感度調整部550で照度センサ440の感度調整を行い、感度調整部550による感度調整が終了した後に、照度センサ440の出力電圧から閾値調整抵抗駆動部534で適切な閾値調整抵抗533を選択する。
図7において、基準電圧が変化すれば検出閾値も同様に変化させることで、高速モードのデジタル検出部520と同じように低速モードでも非接触操作の検出が可能となることを示している。
電圧が基準電圧よりもちょうど1V低くなる抵抗が無い場合は、最も近い値になるものを選択する。
<7>デジタル検出部の構成と作用
図8はジェスチャ操作認識のフローチャートである。図9は照度センサのジェスチャ操作による出力電圧の時間的変化を示すグラフである。
図6に示すように、デジタル検出部520はA/Dコンバータ521とジェスチャ操作検出部522で構成されている。
ジェスチャ操作を検出する高速モードでは、センサ駆動部540、照度センサ440、複数の感度調整抵抗550、感度調整抵抗駆動部554、デジタル検出部520を使用してジェスチャ操作の検出を行う。
図8および図9に示すように、ジェスチャ操作検出部522が第一照度センサ441の電圧が基準電圧から1V下がったことを検出した時点(図9のA点)で、タイマ575をカウント開始し、電圧が1Vより低い時間がT3(本実施の形態の場合、1/1000秒)持続した時点(図9のB点)で、第一照度センサ441に対する非接触操作が行われたことが確定する。第一照度センサ441の非接触操作が確定すると同時に、タイマ575がB点から再びカウント開始する。
次に第二照度センサ442が第一照度センサ441と同様に、出力電圧が基準電圧より1V下がったことを検出した時点(図9のC点)で、タイマ575をカウント開始し、電
圧が1Vより低い時間がT3(本実施の形態の場合、1/1000秒)持続した時点(図9のD点)で、第二照度センサ442が第一照度センサ441の後に非接触操作されたことが確定する。
先に反応した第一照度センサ441の非接触操作確定時(図9のB点)から、後に反応した第二照度センサ442の非接触操作確定時(図9のD点)までの時間T4が、所定の時間T5〜T6(本実施の形態においては、1/100秒以上で5/100秒未満)に該当した場合はジェスチャ操作がされたことを確定する。
T4の時間は、第一照度センサ441と第二照度センサ442が同時に非接触操作されておらず、ジェスチャ操作がされているかを確認するために設定している。第一照度センサ441の非接触操作確定から第二照度センサ442の非接触操作確定までの期間がT5(本実施の形態においては、1/100秒)以下となる場合、ジェスチャ操作ではないと判定する。また、第一照度センサと第二照度センサの検出の時間差がT6(本実施の形態においては、5/100秒)以上の場合も、ジェスチャ操作されたのではないと判断する。
上記のように、第一照度センサ441から第二照度センサ442の順で検出されたジェスチャ操作は、使用者が手を上から下に振り下ろしたジェスチャを検出したことになり、このジェスチャは使用者が便座220を倒置する操作であると判定し、情報処理部580は赤外線送信部570と発光素子439を介して、振り下ろしジェスチャの検出情報を本体200の本体制御部に240の送信し、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動して便座220を倒置させる。
上記とは逆に、第二照度センサ442から第一照度センサ441の順でジェスチャ操作が検出された場合は、使用者が手を下から上に振り上げたジェスチャを検出したことになり、このジェスチャは使用者が便座220を起立させる操作であると判定し、情報処理部580は赤外線送信部570と発光素子439を介して、振り上げジェスチャの検出情報を本体200の本体制御部に240の送信し、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動して便座220を起立させる。
<8>リモートコントローラの動作および作用
図10はリモートコントローラの待機状態におけるフローチャートである。
待機状態においては、通常はA/Dコンバータ521を有するデジタル検出部520は休止させ、アナログ検出部530のみが動作する状態を維持し、1時間の間隔でデジタル検出部520を起動させて感度調整を実施する。
図10に示すように、デジタル検出部520を起動させ、前回の感度調整から1時間経過しているかを確認する。1時間経過していなければ感度調整を終了する。
1時間経過している場合は、A/Dコンバータ521によりA/D変換された照度センサ410の出力電圧を確認する。駆動中の照度センサ410(例えば、第一照度センサ411)が感度調整を完了しているかを判断し、感度調整が完了していれば、処理の先頭に戻り、次の照度センサ410(例えば、第二照度センサ412)が感度調整を完了しているか確認する。
第二照度センサ412の感度調整が完了しておらない場合、第二照度センサ412の出力電圧が3V〜4Vの範囲であれば、第二照度センサ412は感度調整が完了しているとして、感度調整抵抗駆動部で駆動する感度調整抵抗が決定される。
一方、第二照度センサ412の出力電圧が3V〜4Vの範囲外にある場合で、出力電圧が3Vより低い場合、現在駆動させている感度調整抵抗(例えば、第二感度調整抵抗552)より抵抗値の大きい感度調整抵抗(例えば、第一感度調整抵抗551)を駆動する。なお、最も抵抗値が大きい第一感度調整抵抗551を選択しても出力電圧が3Vより低い場合は第一感度調整抵抗551を使用する感度調整抵抗として確定する。
また、出力電圧が4Vより高い場合、現在駆動している感度調整抵抗(例えば、第二感度調整抵抗552)より抵抗値の小さい感度調整抵抗(例えば、第三感度調整抵抗553)を駆動する。なお、最も抵抗値が小さい第三感度調整抵抗553を選択しても出力電圧が4Vより高い場合は第三感度調整抵抗553を使用する感度調整抵抗として確定する。
上記の動作により、出力電圧が3V〜4Vの範囲に入った状態で感度調整完了とし、アナログ検出部530のみが動作する「低速モード」の状態で待機する。
使用者がトイレルームに入室し、リモートコントローラ400が操作された場合で、操作スイッチ410または設定スイッチ420が操作された場合は、スイッチ操作検出部510が操作内容を検出し、スイッチ操作検出部510の検出データを情報処理部580で判定し、判定した操作信号を赤外線送信部570と発光素子439を介して本体200に送信する。
本体200の赤外線受信部262に受信した操作信号は、本体制御部で操作信号の内容を判定し、該当する衛生洗浄装置の機構を駆動または設定を実施する。
一方、第一照度センサ441または第二照度センサ442のいずれかが、非接触操作を検出した場合、動作モード切替判定部532は切替情報を情報処理部580に送信し、情報処理部580はA/Dコンバータ521有するデジタル検出部522を起動させて「高速モード」に切り替え、ジェスチャ操作が検出可能な状態にする。
この状態で、前記のように例えば手を下から上に振り上げたジェスチャを検出した場合、このジェスチャは使用者が便座220を開ける操作であると判定し、情報処理部580は赤外線送信部570と発光素子439を介して、振り上げジェスチャの検出情報を本体200の本体制御部に240の送信し、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動して便座220を起立させる。
また、手を上から下に振り下ろしたジェスチャを検出したことになり、このジェスチャは使用者が便座220を閉じる操作であると判定し、情報処理部580は赤外線送信部570と発光素子439を介して、振り下ろしジェスチャの検出情報を本体200の本体制御部に240の送信し、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動して便座220を倒置させる。
なお、便座220の開閉操作に関しては、上記ジェスチャ操作によらず、使用者が便座開スイッチ415または便座閉スイッチ416を操作した場合には、ジェスチャ操作より優先して実施される。
なお、「低速モード」から「高速モード」への切り替えは、リモートコントローラ400に対して操作がなされた場合であり、上記の非接触操作を検出した場合と、操作スイッチ410および設定スイッチ420が操作された場合に切り替えられる。
また、「高速モード」から「低速モード」への切り替えは、リモートコントローラ40
0の操作が終了してから3分後に切り替えられる。
上記のように本実施の形態における衛生洗浄装置のリモートコントローラは、消費電力の大きいA/Dコンバータを有するデジタル検出部と、消費電力の小さい比較回路を有するアナログ検出部とを備え、待機状態においてはアナログ検出部のみを起動して電力消費を抑制し、操作時にはデジタル検出部を起動することにより非接触によるジェスチャ操作を正確に実施することにより、リモートコントローラの電源である電池の消耗を抑制し、ジェスチャ操作を長期間に亘り安定して実施することができる。
また、本実施に形態のリモートコントローラは、照度センサの検出感度を補正する感度調整部を備え、感度調整部の抵抗を切り替え、周囲の照度変化に対応して検出電圧の基準電圧を変化させることにより、周囲の照度変化を検出する別の環境照度センサを使用しないで周囲の照度変化に対応することが可能となり、設置および駆動する照度センサの数を少なくすることができるので、照度センサが消費する電力を削減することが可能となるとともに部品点数を削減することができるため、省エネルギ性が高いリモートコントローラを簡単な構成で実施することができる。
また、本実施に形態のリモートコントローラは、非接触によるジェスチャ操作と、手で直接操作する接触スイッチとを備え、どちらの操作でも同一の操作が可能としたことにより、非接触の操作方法を熟知している使用者は、非接触操作により衛生的に操作を行うことができる。また、非接触の操作方法を熟知していない使用者は、接触スイッチを使用してスイッチ操作を確実に行うことができるので、全ての使用者に使い勝手のよい衛生洗浄装置を提供することができる。
(実施の形態2)
図11は本実施の形態2における便座装置のリモートコントローラの外観の斜視図を示し、図12は本発明の実施の形態2におけるリモートコントローラのフロントパネルを開放した状態の正面図を示すものである。図13は図11に示すAA断面図であり、図14は図11に示すBB断面図である。本実施の形態は、リモコンの構成についてのみ説明を行い、他の構成については実施の形態1と同様なので説明に使用する符号を同一として、図示しての説明を省略する。
実施の形態1においては、2つの照度センサを用いて人のジェスチャ動作の方向性の違いを検出してリモコン操作する仕様としたが、実施の形態2では、2つの照度センサは個別にそれぞれが1つの機能を操作可能な仕様としたものである。
<1>リモートコントローラの構成
図11に示すように、リモートコントローラ1400の全体形状は薄い直方体に形成されており、樹脂材料で成形された箱状のリモコン本体1401とリモコン本体の前面を覆うフロントパネル1402で構成されており、フロントパネル1402はリモコン本体1401の前面下端部に開閉自在に枢支されており、リモコン本体1401の上端近傍の左右に設けた磁石1401aと、フロントパネルの対応する位置に設けた磁石1402cにより、磁力を使用してフロントパネル1402の閉塞状態を維持する構成となっている。
フロントパネル1402は、リモコン本体1401の前面下端で多少の遊びがある状態で枢支され、上端で磁石1401a、1402cにより密着保持されるので、フロントパネル自体は上方が後方に傾斜した状態となる。このため、リモコンの上方からの光がフロントパネル1402とリモコン本体1401との間の間隙に入りこむことを防止している。
通常の使用時には、図11に示すようにフロントパネル1402を閉塞した状態で使用し、リモートコントローラ1400の設定および通常はあまり使用しない、たとえば洗浄温度や節電機能に関する詳細設定などの操作を行うときは、図12に示すようにフロントパネル1402を開放して使用する。
図12に示すように、リモコン本体1401の前面には、主に上部には便座装置100の使用時に多く使用する操作スイッチ1410(1411〜1416)および人体検知センサ1300が配置されており、主に下部には便座装置100の機能の設定を行う設定スイッチ1420(1421〜1429)と、通常あまり使用しない操作スイッチ1410(1417〜1419)が配置されており、中央部には2個の照度センサ1440(1441、1442)と押下操作が可能な操作スイッチ1410が配設されている。これらの操作スイッチ1410と設定スイッチ1420はスイッチの操作部を押下して操作するタクトスイッチを使用している。
フロントパネル1402を閉塞した状態で使用可能な操作スイッチ1410としては、便蓋開閉スイッチ1411と、女性の局部洗浄を開始するビデ洗浄スイッチ1412と、洗浄後の臀部の乾燥を開始する乾燥スイッチ1413と、お尻を洗浄するお尻洗浄スイッチ1415と、ビデ洗浄スイッチ1412とお尻洗浄スイッチ1415と乾燥スイッチ1413で開始した動作を停止させる停止スイッチ1414と、便座220を起立および倒置させる便座開閉スイッチ1416が配置されている。
便蓋開閉スイッチ1411とビデ洗浄スイッチ1412と乾燥スイッチ1413と停止スイッチ1414は、リモートコントローラ1400の上部に横一列に配設されており、お尻洗浄スイッチ1415と便座開閉スイッチ1416はリモートコントローラ1400の中央部の同一垂線上に間隔をあけて、上方にお尻洗浄スイッチ1415、下方に便座開閉スイッチ1416が配置されている。
また、フロントパネル1402を開放した状態でのみ使用可能な操作スイッチ1410としては、お尻洗浄の洗浄水を強弱に変化させるリズムスイッチ1417と、お尻洗浄時の洗浄水の噴出範囲を拡大するワイドスイッチ1418、洗浄中の洗浄位置を前後に繰り返して移動させるムーブスイッチ1419が配置されている。
また、設定スイッチ1420としては、洗浄中の洗浄水の強度と乾燥中の乾燥装置の温風温度を2個のスイッチで設定する強度スイッチ1421と、洗浄位置を2個のスイッチで設定する洗浄位置スイッチ1422と、洗浄水の温度を1つのスイッチで輪番形式で設定する温水温度スイッチ1423と、便座の温度を設定する便座温度スイッチ1424と、便座装置を使用しない夜間の8時間は便座220の通電を行わないようにする8時間切りスイッチ1425と、非使用時に便座220の待機電力を削減する節電スイッチ1426と、便蓋210および便座220の自動開閉を設定する自動開閉スイッチ1427と、照度センサ1440の駆動を設定する照度センサ駆動スイッチ1428と、ノズルのクリーニングを指示するノズルクリーニングスイッチ1429が配設されている。
また、強度スイッチ1421の近傍には強度表示灯1431と、洗浄位置スイッチ1422の近傍には位置表示灯1432と、温水温度スイッチ1423の近傍には温水温度の設定を表示する温水温度表示灯1433と、便座温度スイッチ1424の近傍には便座温度の設定を表示する便座温度表示灯1434と、電池の消耗状態を表示する電池表示灯1435が配設されている。
表示灯1430と照度センサ1440に対応するリモコン本体1401の前面は透明フィルムで覆われている。また、表示灯の中で、強度表示灯1431と電池表示灯1435
はフロントパネル1402を閉じた状態で外部から表示が視認できる構成となっている。
また、お尻洗浄スイッチ1415の下方に隣接して第一照度センサ1441と、便座開閉スイッチ1416の下方に隣接して第二照度センサ1442が配設されている。
第一照度センサ1441と第二照度センサ1442は操作部を押下操作せずとも、かざす動作にて操作が可能なスイッチとして使用されるもので、使用者が手を近接させることにより照度センサの受光する光量変化を検出して、制御部において、照度センサの入力信号を演算処理して、操作されたことを判定するものである。第一照度センサ1441と第二照度センサ1442に使用者の手を近づけると、リモコンに接触せずに操作ができる。
第一照度センサ1441は、お尻洗浄を操作する第2のスイッチであり、お尻洗浄の開始と停止を操作する。なお、お尻洗浄の停止は停止スイッチ1414でも操作することが可能である。第一照度センサ1441を操作すると、洗浄機構230が駆動されてお尻洗浄が開始され、再度操作すると、洗浄機構230の駆動が停止される。
第二照度センサ1442は、便座便蓋回動機構215を駆動して便座220を開閉する第2のスイッチであり、便座220が倒置されている状態で操作すれば、便座便蓋回動機構215が駆動され便座220は起立される。また、便座220が起立されている状態で操作すれば、便座便蓋回動機構215が駆動され便座220は倒置される。
リモコン本体401の上面コーナ部には、操作情報および設定情報を本体200の袖部260に設置された赤外線受信部262に送信する赤外線送信部1436が配置されている。赤外線送信部1436は発光素子として赤外発光ダイオードを備えている。
図12および図13に示すように、フロントパネル1402は、略平板状の樹脂製のパネル枠1402aと、裏蓋1402bと、リモコン本体1401に設置した操作スイッチ1410をフロントパネル1402の表面から操作する複数の操作ボタン1403で構成されている。
操作ボタン1403はフロントパネル1402を閉塞した状態で使用可能な便蓋開閉スイッチ1411と、ビデ洗浄スイッチ1412と、乾燥スイッチ1413と、停止スイッチ1414と、お尻洗浄スイッチ1415と、便座開閉スイッチ1416に対応する位置に設置されている。
フロントパネル1402を閉塞した状態でフロントパネル1402の表面から操作ボタン1403を押下することにより、対応する操作スイッチ1410を操作することができる。なお、図11においては、それぞれの操作ボタン1403が対応する操作スイッチ1410を括弧で表示している。
フロントパネル1402の第一照度センサ1441と第二照度センサ1442と強度表示灯1431と電池表示灯1435に対応する部分には光を透過する透過部1404が形成されている。これにより、フロントパネル1402の表面から強度表示灯1431と電池表示灯1435を視認することができるとともに、第一照度センサ1441と第二照度センサ1442は照度変化を検出することができる構成となっており、フロントパネル1402を閉塞した状態でかざす動作にて操作が可能な構成となっている。透過部1404はフロンとパネルに貫通穴を設けてあり、フロントパネル表面にPETシートからなるパネルのクリア部が、貫通穴に対向するように貼り着けている。PETシートの円形クリア部の径は貫通穴の径よりも小さくしてあるので製造時に貼り着け時のズレが生じても受光面積を確保出来るようにしている。
図13に示すように、リモコン本体1401の内部には基板上に第一照度センサ1441と、第二照度センサ1442が間隔を開けて配置されている。第一照度センサ1441の上方に隣接してタクトスイッチのお尻洗浄スイッチ1415が設置されており、第二照度センサ1442の上方に隣接してタクトスイッチの便座開閉スイッチ1416が設置されている。
タクトスイッチのお尻洗浄スイッチ1415と便座開閉スイッチ1416を配置したリモコン本体1401の前面部には樹脂の弾性を利用して出没可能なほぼ円形の操作部1401bが形成されており、操作部1401bを押下することにより背部に設けた空間Aが狭まり、後背方向に陥入して、お尻洗浄スイッチ1415と便座開閉スイッチ1416のタクトスイッチが入る構成となっている。なお、他の操作スイッチ1410および設定スイッチ1420も同様な構成となっている。
お尻洗浄スイッチ1415と便座開閉スイッチ1416の操作部1401bには、その一部に筒状の貫通孔を備え、貫通孔に対向する表面樹脂パネルの一部の領域を透明な樹脂とした採光部1401cが形成されている。第一照度センサ1441と第二照度センサ1442はそれぞれの採光部1401cを介して照度変化の検出ができる構成となっている。採光部1401cの貫通孔は受光方向に向かう開口部をラッパ状に開口するように、しかも、上方の広がり傾斜角度が下方よりも大きくなるように設けてある。これによって、照度センサの受光部は、より上方からの光を受光しやすくなる。リモコン本体に貼り付ける表面樹脂の透明部分の透過部面積は、意匠性も考慮したうえで照度センサの受光面より広めに設けてあるが、貫通孔の前面側開口部がラッパ状に広がっているため、この透明部分の面積よりも広くなっている。このため、表面樹脂の多少の貼り付け位置のズレが生じても、採光部1401cからの受光量を確保できるようにしてある。
また、L1は操作部1401bの可動部の直径でその中心をC1、L2はこの操作部1401bの操作部の採光部の直径でその中心をC2とした。ここでわかるように、L1の中心C1位置よりも、下方にL2の中心C2位置がくるように配設されている。
フロントパネル1402には、リモコン本体1401の操作部1401bに対応する部分にそれぞれ操作ボタン1403が配設されている。操作ボタン1403の表面形状は略円形で、指で操作しやすい大きさとしてある。操作ボタン1403の表面には、操作ボタンにて操作可能な機能をイメージさせる絵を表示しており、絵の一部もしくは下方に表示の邪魔にならないような位置で、貫通孔からなる透過部1404がリモコン本体1401側の採光部1401cに対向する位置となるように設けてあり、裏面側には、リモコン本体1401側の操作部1401bを押圧する棒状に突起が一体に形成されており、フロントパネル1402のパネル枠1402aと裏蓋1402bの間に出没可能に支持されている。
お尻洗浄スイッチ1415と便座開閉スイッチ1416は対応するそれぞれの操作ボタン1403を押圧することにより、フロントパネル1402の表面から操作することができる。
また、第一照度センサ1441と第二照度センサ1442は操作ボタン1403に設けられた透過部1404と操作部1401bに設けられた採光部1401cを介してフロントパネルを閉塞した状態でフロントパネル前面から受光する照度変化の検出ができる構成となっている。
第一照度センサ1441と第二照度センサ1442は、フロントパネル1402の開閉
動作により発生する陰影による照度変化を検出して、人の操作動作として誤判断する可能性があるため、フロントパネル1402の開閉状態を検知する開閉検知センサ1437を設けて、開閉検知センサ1437を設けて、フロントパネル1402の径閉動作に伴う第一照度センサ1441と第二照度センサ1442の照度変化は、操作信号とは判定しないように制御部にて判定している。
図14に示すように、開閉検知センサ1437はフロントパネル1402の裏面に設置した磁石1437aとリモコン本体1401に設置したリードスイッチ1437bで構成されており、フロントパネル1402が閉塞状態のときは、リードスイッチ1437bの接点がONとなり、フロントパネル1402が開放状態のときは、リードスイッチ1437bの接点がOFFとなり、フロントパネルの開閉状態を検知することができる構成となっている。トイレ室に常設されるリモートコントローラであるため、防水、防湿、防塵性に優れるリードスイッチを選択した。
リードスイッチ1437bがOFFの状態においては、第一照度センサ1441と第二照度センサ1442の照度変化を検知してもかざす動作による操作がなされたとは判定せず、誤検知を防止する構成となっている。なお、誤検知防止のため、リードスイッチ1437bがOFFの状態において照度センサ1440自体の駆動を停止するように制御してもよい。照度センサ1440の駆動による電力消費が抑制され、電池駆動であるリモートコントローラにとっては、より省電力で電池寿命を延ばす構成となる。
フロントパネル1402の強度表示灯1431に対応する部分には透過部1404が形成されている。透過部1404の構成は、フロントパネル1402のパネル枠1402aと裏蓋402bを貫通する透過路1404aの中に透明な樹脂材料で成形された導光体1405が設置されている。
導光体1405は略円柱状の導光部1405aの外周部に形成されたフランジ1405bによりフロントパネル1402のパネル枠1402aと裏蓋1402bの間に狭持されている。
強度表示灯1431に対向する導光体1405の後端部には、導光部1405aの約2倍の直径となる凸状の略半球状の受光部1405cが形成されており、受光した光を集光するレンズ機能を備えている。また略半球状の受光部1405cの中央部には導光部1405aの約1/2の直径の平面が形成されており、この部分で受光した光は導光部1405aに直進する構成となっている。
導光体1405の先端部である発光部1405dはフロントパネル1402の表面より僅かに突出するように配置されている。発光部1405dは細かい凹凸を刻んだ艶消状態に形成されており、導光部1405aを通過した光は発光部1405dで乱反射することにより、発光部1405dが発光しているように見えるため、広い角度の範囲から視認することができる。
フロントパネル1402の位置表示灯1432に対応する部分には透過部は形成されておらず、位置表示灯1432はフロントパネル1402を開放した状態でのみ視認可能な構成となっている。
人体検知センサ1300は、焦電センサ1310と広い範囲からの赤外線を反射させて焦電センサ1310へ入射させるミラー1320が一体に構成されており、人体検知センサ1300は赤外線を透過する半透明の樹脂で成形されたカバー1330で覆われている。人体検知センサ1300の焦電センサ1310の受光面311はリモートコントローラ
1400の外殻であるフロントパネル1402の前面より内方となる位置に設置されている。
一方、ミラー1320の反射筒1321の一部はフロントパネル1402の前面より外方となる位置に設置されている。このミラー1320構成とリモコンのフロントパネルから突出した位置に取り付けられたことにより、トイレ室に入室した人体を検知するために十分な視野角を確保する。
この構成によりトイレ室に入室した人体を約160度の視野で検知することができるので、壁面に貼り付けられたリモコンに一体化された構成でも十分に、トイレ室への使用さの入室を迅速に検知することができる。カバー1330はフロントパネルより突出した位置でリモコン本体1401に取り付けられることになるので、リモコンのひさしのような役割となり、その下方であるリモコン本体1401とフロントパネル1402との間隙に入る光をさえぎり、透過部1404に汚水や埃がかかるのを防いでいる。
<2>リモートコントローラおよび本体の動作および作用
使用パターン別に本実施の形態のリモコンおよび本体の動作を説明する。
最初に、男性の立位小用時の動作について説明する。
使用者がトイレ室に入室すると、人体検知センサ1300が人体を検知し、リモコン制御部500は赤外線送信部1436から本体200にむけて信号を送信する。本体制御部240に人体検知有の信号が送られると、便蓋210を自動で開く。使用者が便座を開くため、リモコンの前面の便座開の操作ボタン1403(1416)の前に手をかざす。すると、操作ボタン1403の透過部1404と、これに対向して設けた操作部1410の採光部1401cから受光する光量が減少変化したことを検知して、制御部にて「かざす動作」による操作による光量変化が生じたことがわかる。このとき、リモコン上部に設けた人体センサ1300も、人体の動きに応じて出力信号を出しており人体の動きがあったことがわかるので、かざす動作による操作であるかどうかの判定に人体検知信号を用いることで、部屋の照明OFF等による照度変化などではないことがわかるので、照度センサの検知した変化がかざす操作の有無が正確に判定できる。
リモコン制御部500にて便座開の操作であることを判定すると、赤外線送信部1436から本体200にむけて信号を送信し、本体側ではこれを受けて、便座220を開く。
小用が終わった時点で、便座開閉の操作ボタン1403(1416)の前に再度手をかざすと、開く操作をした時と同じように、リモコン制御部500にて照度変化の信号を判定し本体200へ信号を送信して便座220の閉動作を行う。
ここで、閉操作をしなくても使用者が退室し人体検知センサ1300により人体検知しなくなって所定の時間が経過すると本体制御部240で便座220、便蓋210ともに閉じるように動作するようにしておくことも可能である。
次に、便座に着座してお尻洗浄を行う場合について説明する。
使用者がトイレ室に入室すると、人体検知センサ1300が人体を検知し、リモコン制御部500は赤外線送信部1436から本体200にむけて信号を送信する。本体制御部240に人体検知有の信号が送られると、便蓋210を自動で開く。もし、前の使用者が立位小用で使用しその後すぐに入室した場合は、便座、便蓋ともに開いた状態になっていることになるので、着座使用する際には、便座開閉の操作ボタン1403(1416)に
手をかざして便座を閉じるようにして使用する。
使用者は便座220に着座して、用をたす。その後お尻を洗浄するため、お尻洗浄操作ボタン1410(1415)の前に手をかざす。すると、操作ボタン1403の透過部1404とこれに対向して設けた操作部1410の採光部1401cから受光する光量が変化したことを検知して、制御部にて「かざす動作」による操作による光量変化が生じたことがわかる。このとき、リモコン上部に設けた人体センサ1300も、人体の動きに応じて出力信号を出しており人体の動きがあったことがわかるので、かざす動作による操作であるかどうかの判定に、人体検知信号を用いることで、部屋の照明OFFによる照度変化などではないことがわかるので、かざす操作の有無が正確に判定できる。この操作に応じて、本体200にて洗浄機構230を洗浄ノズル231より温水を噴出して洗浄動作させ、使用者はお尻洗浄機能を利用する。
使用者が洗浄を終了しようとして、お尻洗浄の操作ボタン1403(1415)の前に再度手をかざす。すると洗浄開始時と同じように、リモコン制御部500にて信号を判定し、本体200へ信号を送信して、お尻洗浄を停止する。
この後、ペーパーでふき取りをして便座から立ち上がり便器洗浄を行いトイレ室から退室する。人体検知センサ1300により人体検知しなくなって所定時間経過すると本体制御部240が便蓋210を閉じる。
上記のように、本実施の形態2における便座装置のリモートコントローラ1400は、照度センサ1440を備えた第2のスイッチをかざす動作で操作することで、リモコンに触れずに一連のトイレ室の使用が可能となり清潔にトイレ室が使用出来る。
フロントパネル1402を閉塞した様態でも操作ボタン1403を介して操作部1410を操作可能で、操作ボタン1403の一部に設けた透過部1404を通して採光部1401cから照度センサ1440が光量を検知できるようになっている。よって、フロントパネルを1402の開閉を行うことなく、つまりはリモコンに触ることなく操作することが可能である。また、照度センサ1440の故障、環境照度の問題等で照度センサの機能が使用できない場合や使用者の不慣れでかざす動作による操作がしづらい場合でも、操作ボタン1403、またフロントパネル背部の操作部1410で、従来のリモコンの操作ボタン同様に押下操作によっても、リモコン本体1401に設けたタクトスイッチを操作し機能を動作させられる。同じ操作ボタン位置でどちらの操作も可能であり、使用者の混乱なくリモコン操作ができる。
また、かざす操作、押下操作のほかに、透過部1404に手、もしくは指先を当てるだけでも、照度センサの受光量が減少して変化を検知するので、このような操作でも便座装置の機能を動作させることが可能であり、使用者の使いやすいやり方を選択して操作してもらうことができて、非常にユニバーサルデザインなリモコンが実現できる。
かざす操作を確実に検知するため、照度センサ1440の中心位置を、操作部1401bの中心位置よりも下方となるように配置した。通常一般的なトイレ室の環境であれば天井もしくは天井近くの壁面に設けられた照明、または採光窓からの入光、採光が考えられる。かざす操作と押下操作も同じ位置で操作するように設けてあるので、これらの光をさえぎるようにスイッチの前に手を「かざす動作」にて操作部を操作する場合、押下操作する操作部の中心にむかって手をかざすように動作する。このとき、照度センサの中心位置が中央よりも下方の位置になるように設けられているため、この動作により確実に光をさえぎり、照度センサが光量の変化を検知することができる。また、操作部のタクトスイッチを押下するための可動部領域を明確にして表示する必要もあり、さらに操作部表面には
操作できる機能をイメージできるように絵を表示するが、採光部を下方に設けて、意匠的にも不具合なく操作性のよい操作部とすることが出来る。
また、リモコン本体1401の左右の略中央にあたる位置に、第2のスイッチである照度センサ1440を設けた第1のスイッチである操作部1401bを配置したので、リモコンがトイレ室の左右、前面など、どの位置に取り付けられても、立位または着座のいずれの状態で使用するとしても、特に、かざす動作についても、操作しづらい位置になることがない。
また、照度センサ1440を有する操作部1401bを複数備えて、これをリモコン本体1401の中央に縦に配置してあるので、各照度センサの照度条件が均一になり、照度センサの駆動前の感度調整において同一の感度調整を行うことで信号処理の速度と正確さが実現でできる。発明者らの開発において、横ならびに配置した場合では採光窓からの太陽光の入光条件などにより、各照度センサの感度をそれぞれ変える必要が生じる。照度センサの駆動、感度調整、信号処理、操作判定は、迅速に行う必要があり、感度調整が個々のセンサに必要で処理時間がかかる横並びとすることは操作反応性を悪くすることになるので、縦並びにすることは非常に有効である。
縦に並べた操作部1401bは、上方に人体洗浄に関する操作部を、便座開閉に関する操作部を下方に配置した。これにより、リモートコントローラ1400全体で洗浄に関わる操作部が上方の領域に配置されることで認識されやすいし、立位で男児が便座開閉の操作をする際には下方に便座開閉の操作部が配置されることで使用者の使い勝手を向上させることができる。着座中に、洗浄、乾燥、停止などの操作をする際に、縦に並べた操作部のうち下方にある操作部の照度センサに対して、体の一部が影を作ってしまいあたかも「かざす操作」がされたかのような現象が発生し誤動作が生じることが考えられるが、下方に便座開閉の操作部を設けたので、使用者が着座して操作された場合では、便座装置本体に設けた着座スイッチの検知情報から便座開閉の操作部にて検知した信号は誤検知であることが判定できる。仮に便座開閉に関する操作部を上方に、お尻洗浄に関する操作部を下方に配置すると、本実施の形態のリモコンでは、ビデ洗浄や、乾燥、停止などの操作をしようとした際、着座位置からの操作になり、手の位置はリモコンの下方から出されることになる。腕や、衣服の一部が下方に位置するお尻洗浄の操作部に影をつくってしまうため誤動作が生じやすいことも、このような配置にしていない理由である。
また、フロントパネル1402とリモコン本体1401は、上方に磁石(1401a、1402c)を設けて閉塞状態で密着保持されるようになっているが、下方では開閉可能に軸支され、回動動作をスムーズに行えるようにリモコン本体1401とフロントパネル1402との間には多少の間隙が生じるように設けてある。このため、フロントパネル自体は上方が後背方向に傾斜した状態で載置されることになる。フロントパネル1402には、リモコン本体の採光部1401cに対向して設けた透過部1404から採光するが、フロントパネルとリモコン本体との上方隙間から採光部1401cに対してのノイズ光が入ることを抑制出来る。さらに、人体検知センサ1300は、センサの検知角度をより広角に確保するため、フロントパネル1402の上部で前面から突出した状態で取り付けられており、照度センサ1404の取り付け位置の上方にひさしのように配置され、ノイズ光の入射の防止と、汚水、埃などの浸入、透過部、採光部の表面への付着を防止するのに役立っている。
なお、本実施の形態では人体検知センサ1300は焦電センサを用いた構成で説明したが、これに限らず一般的な汎用の人体センサを用いる構成としてもよい。
また、本実施の形態では、かざす動作によって非接触で操作する操作部を、便座開閉と
お尻洗浄の機能に限定して説明したが、すべての機能の操作部にこれを当用することも可能であるし、特に、便器の機能である便器洗浄の操作に照度センサを用いた第2のスイッチを使用してもよい。
上記のように本実施の形態2における便座装置のリモートコントローラは、押下操作、かざす操作、触る操作のいずれの操作方法でも操作が可能で、かつ、誤動作の少ない正確な操作ができるものである。