第1の発明は、便器上に載置固定される本体と、前記本体に内蔵された便座回動機構により電動で起立および倒置させる便座と、前記本体に内蔵された少なくとも1個の報知器
と、前記本体とは別体で、前記本体に内蔵された前記便座回動機構を含む電動機構を操作するリモートコントローラとを含み、前記リモートコントローラは、使用者の身体部位の近接を近接センサにより検出する非接触スイッチと、前記非接触スイッチの非接触操作を検出するリモコン制御部と、操作信号を前記本体に送信する送信部と、少なくとも1個の報知器とを備え、前記リモコン制御部が、前記便座の起立および倒置の非接触操作を検出した場合、前記便座回動機構の駆動に先行して、前記本体および前記リモートコントローラに内蔵された前記報知器を駆動させて報知を順次実施する構成とし、第一の報知は、前記非接触操作の判定が確定する以前より報知を開始し、第二の報知は、前記非接触操作の判定が確定した後に報知を開始することを特徴とする衛生洗浄装置である。
これにより、使用者は非接触操作の判定が確定したことを確実に認知できるとともに、便座が起立または倒置の動作を開始する前に、使用者に対して第一の報知と第二の報知により二段階の注意喚起を実施することができる。特に、第一の報知は非接触操作の操作位置が正しいことを報知し、第2の報知は非接触操作が確定したために、本体が動作することを予告するように報知するため、使用者が意識しない誤操作の場合や、近接センサの誤検知の場合であっても、便座の起倒動作を事前に認知することができるので、不意の起倒動作で脅威を感じることや、起倒する便座に接触して損傷を受けることがなく、安全性と使い勝手を向上することができる。
特に、非接触操作が確定する以前の早い段階で、使用者が非接触操作をした際に操作が近接センサに検出されたことを報知し、さらに、非接触操作が確定すると本体の動作に先駆けて報知を行うため、使用者は、操作位置が正しいことを第1の報知で認知され、便座の起倒動作が開始される前の早い段階で第2の報知を認知することができるので、操作の確実性、動作にともなう安全性をより向上することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記第一の報知は、前記リモートコントローラに備えた報知器で実施し、前記第二の報知は、前記本体に備えた報知器で実施することを特徴とするものである。
これにより、第一の報知と第二の報知を異なる場所で実施することとなり、使用者は少なくとも一方の報知を認知する可能性が高く、認知度をより向上することができる。非接触操作が近接センサによって検出されたかどうか、については使用者は自分のかざした手に注目しているが、その注目した目先にあるリモコンにて、かざした位置が近接センサの検知可能な位置であることをフィードバックできるように報知するようにすれば、使用者にわかりやすい。さらに、本体の動作に先駆けて行われる第2の報知は本体から発されるようにすれば、より注意喚起として適切である。すなわち、第1の報知はかざした手の位置が正しいことを報知するので、操作部付近で報知、第2の報知は、本体の動作に連動するので本体で報知することで、より適切な報知となる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記報知器は、表示灯とブザーで構成し、前記第一の報知は、前記表示灯で実施し、前記第二の報知は、前記ブザーで実施することを特徴とするものである。
これにより、第一の報知は視覚的報知である表示灯で報知し、第二の報知は報知力の強いブザーで報知することとなり、使用者に報知を確実に認知させることができるとともに、報知により使用者が驚くことがなく安全性と使い勝手を向上することがすることができる。
また、光と音の異なる手段で表示することにより、視覚障害者および聴覚障害者に対しても有効に報知することができる。
第4の発明は、特に、第3の発明において、前記報知器は、複数の異なる音程の報知音が発音可能な構成とし、前記便座の起立動作に対応する報知は、低い音程から高い音程に変化する音階で発音し、倒置動作に対応する報知は、高い音程から低い音程に変化する音階で発音することを特徴とするものである。
これにより、使用者は報知音により、便座の回動方向を認知することが可能となるので、より安全性と使い勝手を向上することができる。
第5の発明は、特に、第3または第4発明において、前記表示灯は複数個備え、複数の前記表示灯を点滅表示することを特徴とするものである。
これにより、表示灯の視認度を最大に向上することができるので、安全性をより向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態における衛生洗浄装置を便器上に設置した状態の外観の斜視図を示し、図2は衛生洗浄装置の制御系のブロック図を示すものである。
<1>衛生洗浄装置の構成
図1に示すように、衛生洗浄装置100は、本体200、便蓋210、便座220、リモートコントローラ400により構成され、本体200、便蓋210、便座220は一体で構成され便器110の上面に設置される。
なお、本実施の形態においては衛生洗浄装置100の本体200の設置側を後方、便座220の設置側を前方とし、前方に向かって右側を右側、前方に向かって左側を左側として各構成要素の配置を説明する。
本体200には、便蓋210および便座220が便座便蓋回動機構215を介して開閉可能に取り付けられている。図1に示すように便蓋210を開放した状態においては、便蓋210は衛生洗浄装置100の最後部に位置するように起立する。また、便蓋210を閉塞すると便座220の上面を隠蔽する。便座220は便座ヒータ221を内蔵しており、便座の着座面が快適な温度になるように加熱する。
便座便蓋回動機構215は直流モータと複数のギアで構成されており、便蓋210と便座220を個別または同時に開閉することができる。
本体200の内部には、洗浄水供給機構(図示せず)、熱交換器(図示せず)、洗浄ノズル231等で構成された人体の局部を洗浄する洗浄機構230と、洗浄後の局部を乾燥する乾燥装置(図示せず)と、本体制御部240等が内蔵されている。
本体200の下部中央には洗浄ノズル231が設置されている。洗浄機構230の主な構成は、本体200の内部に設置された洗浄水供給機構(図示せず)と洗浄水を加熱する熱交換器(図示せず)と洗浄水の流量を調整する流量調節機構(図示せず)が洗浄ノズル231に接続されており、水道配管から供給される洗浄水を熱交換器で加熱した温水を洗浄ノズル231に供給し、洗浄ノズル231から使用者の局部に向けて温水を噴出し、使用者の局部を洗浄するものである。
洗浄ノズル231はお尻を洗浄するお尻洗浄ノズル部と女性の局部を洗浄するビデノズル部を備えている。また、洗浄ノズル231は本体200内に収容した収納位置と本体200から突出して洗浄動作を行う洗浄位置との間を進退移動するノズル駆動機構(図示せず)を備えている。
本体200の前面コーナ部には着座検知センサ250が設置されている。この着座検知センサ250は反射型の赤外線センサであり、赤外線を発光して人体で反射された赤外線を受光することにより便座220上に使用者が存在することを検知する。
本体200の右側には本体200と一体に袖部260が突出して形成されており、袖部260の上面には本体操作部261と、リモートコントローラ400から送信される赤外線信号を受信する赤外線受信部262が配置されており、本体操作部261には衛生洗浄装置100の最も重要な機能である電源スイッチ261aと、洗浄機能の中で最も使用頻度の高いお尻洗浄機能を操作するお尻洗浄スイッチ261bと、それぞれのスイッチの操作状態に対応する表示灯261cが配置されている。
また、袖部260の内部には使用者に操作状態を報知する報知器として電子式のブザー263が設置されている。ブザー263の報知機能としては、第1は誤操作の報知である。例えば、使用者が便座220に着座していない状態でお尻洗浄機能を操作するお尻洗浄スイッチ261bを操作した場合、お尻洗浄機能は作動することがなくブザー263は短い単音を2回連続して発して誤操作を報知する。
第2は安全を向上するための警告を目的とする報知である。例えば、便座220の開閉操作を行った場合、回動する便座が使用者に接触することを防止するために、便座の回動駆動を開始する前に報知音を発する。この場合の報知音は音程の異なる三音で構成されており、便座220を起立させる場合は、低音から高音への音階で報知音を発し、便座を倒置させる場合は、高音から低音への音階で報知音を発することにより、便座220の回動方向も認知できる構成となっている。
リモートコントローラ400は本体200とは別体で構成されており、便座220上に着座した使用者が操作のしやすいトイレルームの壁面等の場所に取り付けられる。リモートコントローラ400にはトイレルームに入出した使用者を検知する人体検知センサ300と衛生洗浄装置100の各機能の操作と設定を行う複数のスイッチ機能と表示機能が配置されている。なお、リモートコントローラ400の詳細な構成および作用については後述する。
本発明の衛生洗浄装置100はトイレルームに使用者が存在しない場合は、便座ヒータ221への通電を停止、もしくは20℃程度の待機温度で保温している。トイレルームに使用者が入室すると、人体検知センサ300からの信号を受け、便座ヒータ221に通電を行う。便座ヒータは800W程度の非常に高出力のヒータであり、使用者がトイレルームに入室してから便座に着座するまでの6秒から10秒程度の間に、便座220の着座面を40℃程度の設定温度に昇温する。
便座が設定温度に達した後は、便座ヒータ221への通電を50W程度の低ワットに下げて設定温度を保つ。使用者がトイレルーム内から出ると、便座ヒータへの通電を停止、もしくは20℃程度の待機温度となる。つまり、トイレルームに使用者がいないときの電力を大幅に削減した衛生洗浄装置である。
<2>衛生洗浄装置の基本的な動作および作用
リモートコントローラ400の人体検知センサ300が人体を検出すると、リモートコントローラ400は人体検知信号を赤外線送信部436より送信し、本体200の赤外線受信部262で受信した人体検知信号は本体制御部240に送信され、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動して便蓋210を開放するするとともに、便座220の便座ヒータ221への通電を開始して便座220の着座面が着座に適した40℃程度になるように、10秒以内に昇温させる。
使用者が、便座220に着座すると、着座検知センサ250が着座を検出し、本体制御部240が着座信号を受信することにより、本体200のお尻洗浄スイッチ261bおよびリモートコントローラ400の洗浄機能の操作が可能となる。
使用者が用便を終了し、洗浄機構230により局部の洗浄を終了した後に使用者が便座220から立ち上がってトイレルームから退出し、リモートコントローラ400の人体検知センサ300からの人体検知信号の送信が停止すると、本体制御部240は人体検知終了してから所定時間経過後(本実施の形態においては3分後)に、便座便蓋回動機構215を駆動させて便蓋210を自動的に閉塞させるとともに、便座ヒータ221への通電を停止し、その後待機温度まで降下したら待機温度を維持するように制御を行う。
使用者が男子小用の場合は、使用者がトイレルームに入室し、リモートコントローラ400の人体検知センサ300の信号により便蓋210が開放された状態で、使用者がリモートコントローラ400で便座220を起立させる操作を行うことにより、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動させて便座220を起立させるとともに、便座ヒータ221への通電を停止し、その後待機温度まで降下したら待機温度を維持する制御する。
使用者が男子小用を終了し、トイレルームから退出してリモートコントローラ400の人体検知センサ300からの人体検知信号の送信が終了したら、本体制御部240は所定時間経過後(本実施の形態においては3分後)に、便座便蓋回動機構215を駆動させて便蓋210と便座220を閉塞させる。
上記のように、リモートコントローラ400および本体操作部261からの操作信号を本体制御部240が受信した場合、本体制御部240は着座検知センサ250の着座信号を受信中か否かにより、操作信号の適否を判定し、本体200の各機能の駆動を制御する。
例えば、着座信号の受信中に便座220を開放する操作信号を受信しても、操作信号をキャンセルし、便座便蓋回動機構215の駆動を実施しない。
また、着座信号の非受信中に洗浄機構230の操作信号を受信した場合も、操作信号をキャンセルし、洗浄機構の駆動を実施しない。
なお、リモートコントローラ400の詳細な構成および作用については後述する。
<3>リモートコントローラの構成
図3はリモートコントローラの使用状態における外観を示す斜視図であり、図4はリモートコントローラのフロントパネルを開放した状態を示す正面図であり、図5は図3に示すAA断面図であり、図6は図3に示すBB断面図であり、図7は図6に示すC部詳細を示す断面図であり、図8は人体検知センサの詳細な外観を示す斜視図であり、図9は人体検知センサ取り付け部の横方向の詳細な断面図であり、図10は人体検知センサの縦方向の検知範囲を示す模式図であり、図11は人体検知センサの横方向の検知範囲を示す模式
図である。
図3に示すように、リモートコントローラ400の全体形状は薄い直方体に形成されており、樹脂材料で成形された箱状のリモコン本体401とリモコン本体の前面を覆うフロントパネル402で構成されており、フロントパネル402はリモコン本体401の前面下端部に開閉自在に枢支されており、リモコン本体401の上端近傍の左右に設けた磁石401aと、フロントパネルの対応する位置に設けたステンレス製の受板402cにより、磁力を使用してフロントパネル402の閉塞状態を維持する構成となっている。
通常の使用時には、図3に示すようにフロントパネル402を閉塞した状態で使用し、リモートコントローラ400の設定および通常あまり使用しない操作を行うときは、図4に示すようにフロントパネル402を開放して使用する。
図4に示すように、リモコン本体401の前面には、主に上部には衛生洗浄装置100の使用時に多く使用する操作スイッチ410および人体検知センサ300が配置されており、主に下部には衛生洗浄装置100の機能の設定を行う設定スイッチ420と、通常あまり使用しない操作スイッチ410が配置されており、中央部には非接触による操作で使用する2個の照度センサ440と非接触による操作と同様な操作が可能な操作スイッチ410が配設されている。これらの操作スイッチ410と設定スイッチ420はスイッチの操作部に直接接触して操作する接触スイッチであるタクトスイッチを使用している。また、非接触スイッチである照度センサ440は2個がそれぞれ独立の機能に対して操作されるスイッチなので、出来るだけ離れた位置にあるほうが誤操作防止のためにもよい。しかし、意匠性も加味したスイッチ配置とすると近傍に設けざるを得ず、スイッチ間の距離は少なくとも非接触操作が行われる手かざしの動作を前提として大人の手のひらをリモコンに対して横向きに提示した場合に手かざし動作で同時に隠されることのない距離を置くように設けている。
フロントパネル402を閉塞した状態で使用可能な操作スイッチ410としては、便蓋開閉スイッチ411と、女性の局部洗浄を開始するビデ洗浄スイッチ412と、洗浄後の臀部の乾燥を開始する乾燥スイッチ413と、お尻を洗浄するお尻洗浄スイッチ415と、ビデ洗浄スイッチ412とお尻洗浄スイッチ415と乾燥スイッチ413で開始した動作を停止させる停止スイッチ414と、便座220を起立および倒置させる便座開閉スイッチ416が配置されている。
便蓋開閉スイッチ411とビデ洗浄スイッチ412と乾燥スイッチ413と停止スイッチ414は、リモートコントローラ400の上部に横一列に配設されており、お尻洗浄スイッチ415と便座開閉スイッチ416はリモートコントローラ400の中央部の同一垂線上に間隔をあけて配設されている。
また、フロントパネル402を開放した状態でのみ使用可能な操作スイッチ410としては、お尻洗浄の洗浄水を強弱に変化させるリズムスイッチ417と、お尻洗浄時の洗浄水の噴出範囲を拡大するワイドスイッチ418、洗浄中の洗浄位置を前後に繰り返して移動させるムーブスイッチ419が配置されている。
また、設定スイッチ420としては、洗浄中の洗浄水の強度と乾燥中の乾燥装置の温風温度を2個のスイッチで設定する強度スイッチ421と、洗浄位置を2個のスイッチで設定する洗浄位置スイッチ422と、洗浄水の温度を設定する温水温度スイッチ423と、便座の温度を設定する便座温度スイッチ424と、衛生洗浄装置を使用しない夜間の8時間は便座220の待機温度を低下する8時間切りスイッチ425と、非使用時に便座220への通電切断する節電スイッチ426と、便蓋210および便座220の自動開閉を設
定する自動開閉スイッチ427と、照度センサ440による非接触による操作を設定するタッチレススイッチ428と、ノズルの高温除菌を設定するノズル除菌スイッチ429が配設されている。
また、強度スイッチ421の近傍には、線浄水の強度を5段階で表示する5個のLEDで構成された強度表示灯431と、洗浄位置スイッチ422の近傍には、洗浄位置を5段階で表示する5個のLEDで構成された位置表示灯432と、温水温度スイッチ423の近傍には、温水温度の設定を3段階で表示する3個のLEDで構成された温水温度表示灯433と、便座温度スイッチ424の近傍には、便座温度の設定を3段階で表示する3個のLEDで構成された便座温度表示灯434と、電池の消耗状態を表示する1個のLEDで構成された電池表示灯435が配設されている。
表示灯430と照度センサ440に対応するリモコン本体401の前面は透明フィルムで覆われている。また、表示灯の中で、強度表示灯431と電池表示灯435はフロントパネル402を閉じた状態で外部から表示が視認できる構成となっている。
また、お尻洗浄スイッチ415の下方に隣接して第一照度センサ441と、便座開閉スイッチ416の下方に隣接して第二照度センサ442が配設されている。
第一照度センサ441と第二照度センサ442は非接触スイッチとして使用されるものであり、使用者が手を近接させることにより発生する照度の変化を出力電圧の変化として検出するものであり、第一照度センサ441と第二照度センサ442に使用者の手を近づける操作動作を検出するものである。
第一照度センサ441は、お尻洗浄を操作する非接触スイッチであり、お尻洗浄の開始と停止を操作する。なお、お尻洗浄の停止は停止スイッチ414でも操作することが可能である。第一照度センサ441を操作すると、洗浄機構230が駆動されてお尻洗浄が開始される。
第二照度センサ442は、便座便蓋回動機構215を駆動して便座220を開閉する非接触スイッチであり、便座220が倒置されている状態で操作すれば、便座便蓋回動機構215が駆動され便座220は起立される。また、便座220が起立されている状態で操作すれば、便座便蓋回動機構215が駆動され便座220は倒置される。
リモコン本体401の上面コーナ部には、操作情報および設定情報を本体200の袖部260に設置された赤外線受信部262に送信する赤外線送信部436が配置されている。赤外線送信部436は発光素子として赤外発光ダイオードを備えている。
図4および図5に示すように、フロントパネル402は、略平板状の樹脂製のパネル枠402aと、裏蓋402bと、リモコン本体401に設置した操作スイッチ410をフロントパネル402の表面から操作する複数の操作ボタン403で構成されている。
操作ボタン403はフロントパネル402を閉塞した状態で使用可能な便蓋開閉スイッチ411と、ビデ洗浄スイッチ412と、乾燥スイッチ413と、停止スイッチ414と、お尻洗浄スイッチ415と、便座開閉スイッチ416に対応する位置に設置されている。
フロントパネル402を閉塞した状態でフロントパネル402の表面から操作ボタン403を押圧することにより、対応する操作スイッチ410を操作することができる。なお、図3においては、それぞれの操作ボタン403が対応する操作スイッチ410を括弧で
表示している。
フロントパネル402の第一照度センサ441と第二照度センサ442と強度表示灯431と電池表示灯435に対応する部分には光を透過する透過部404が形成されている。これにより、フロントパネル402の表面から強度表示灯431と電池表示灯435を視認することができるとともに、第一照度センサ441と第二照度センサ442は照度変化を検出することができる構成となっており、フロントパネル402を閉塞した状態で非接触操作が可能な構成となっている。
図5に示すように、リモコン本体401の内部には基板上に第一照度センサ441と、第二照度センサ442が間隔を開けて配置されている。第一照度センサ441の上方に隣接してタクトスイッチのお尻洗浄スイッチ415が設置されており、第二照度センサ442の上方に隣接してタクトスイッチの便座開閉スイッチ416が設置されている。
タクトスイッチのお尻洗浄スイッチ415と便座開閉スイッチ416を配置したリモコン本体401の前面部には樹脂の弾性を利用して出没可能な操作部401bが一体に形成されており、操作部401bを押圧することにより、お尻洗浄スイッチ415と便座開閉スイッチ416を操作できる構成となっている。なお、他の操作スイッチ410および設定スイッチ420も同様な構成となっている。
お尻洗浄スイッチ415と便座開閉スイッチ416と操作部401bには貫通孔からなる採光部401cが一体に形成されており、第一照度センサ441と第二照度センサ442は採光部401cを介して照度変化の検出ができる構成となっている。
フロントパネル402には、リモコン本体401の操作部401bに対応する部分にそれぞれ操作ボタン403が配設されている。操作ボタン403の表面形状は略円形であり指で操作しやすい大きさであり、裏面側には操作部401bを押圧する棒状に突起が一体に形成されており、フロントパネル402のパネル枠402aと裏蓋402bの間に出没可能に支持されており、操作ボタン403を押圧することにより、フロントパネル402の表面からそれぞれの操作スイッチ410を操作することができる。
お尻洗浄スイッチ415と便座開閉スイッチ416に対応する操作ボタン403には貫通孔からなる透過部404が設けられている。
第一照度センサ441と第二照度センサ442は操作ボタン403に設けられた透過部404と操作部401bに設けられた採光部401cを介してフロントパネルを閉塞した状態で照度変化の検出ができる構成となっている。
非接触操作は第一照度センサ441と第二照度センサ442の照度変化を検知して実施するものであり、フロントパネル402の開閉動作の途中に発生する陰影による照度変化を非接触操作として誤検知する可能性があるため、フロントパネル402の開放動作に伴う第一照度センサ441と第二照度センサ442の照度変化を非接触操作と誤検知する可能性があるため、フロントパネル402の開閉状態を検知する開閉検知センサ437が設けられている。
図6に示すように、開閉検知センサ437はフロントパネル402の裏面に設置したスイッチ磁石437aとリモコン本体401に設置したリードスイッチ437bで構成されており、フロントパネル402が閉塞状態のときは、リードスイッチ437bの接点がONとなり、フロントパネル402が開放状態のときは、リードスイッチ437bの接点がOFFとなり、フロントパネルの開閉状態を検知することができる構成となっている。
リードスイッチ437bがOFFの状態においては、第一照度センサ441と第二照度センサ442を駆動する照度センサ駆動部525が停止されており、第一照度センサ441と第二照度センサ442は照度変化を検知できない構成となっている。これによりフロントパネル402の開閉動作中に発生する陰を第一照度センサ441と第二照度センサ442が非接触操作として誤検知することを防止することができる。
また、フロントパネル402が閉塞状態でリードスイッチ437bの接点がONの状態においては、フロントパネル402の開放状態でのみ視認可能な位置表示灯432と、温水温度表示灯433と、便座温度表示灯434とは消灯することにより、消費電力を抑制する構成となっている。
フロントパネル402の強度表示灯431に対応する部分には透過部404が形成されている。透過部404の構成は、フロントパネル402のパネル枠402aと裏蓋402bを貫通する透過路404aの中に透明な樹脂材料で成形された導光体405が設置されている。
導光体405は略円柱状の導光部405aの外周部に形成されたフランジ405bによりフロントパネル402のパネル枠402aと裏蓋402bの間に狭持されている。
強度表示灯431に対向する導光体405の後端部には、導光部405aの約2倍の直径となる凸状の略半球状の受光部405cが形成されており、受光した光を集光するレンズ機能を備えている。また略半球状の受光部405cの中央部には導光部405aの約1/2の直径の平面が形成されており、この部分で受光した光は導光部405aに直進する構成となっている。
導光体405の先端部である発光部405dはフロントパネル402の表面より僅かに突出するように配置されている。発光部405dは細かい凹凸を刻んだ艶消状態に形成されており、導光部405aを通過した光は発光部405dで乱反射することにより、発光部405dが発光しているように見えるため、広い角度の範囲から視認することができる。
フロントパネル402の位置表示灯432に対応する部分には透過部は形成されておらず、位置表示灯432はフロントパネル402を開放した状態でのみ視認可能な構成となっている。
人体検知センサ300は、焦電センサ310と広い範囲からの赤外線を反射させて焦電センサ310へ入射させるミラー320が一体に構成されており、人体検知センサ300は赤外線を透過する半透明の樹脂で成形されたカバー330で覆われている。
図8は人体検知センサの詳細な外観を示す斜視図であり、図9は人体検知センサ取り付け部の横方向の詳細な断面図であり、図10は人体検知センサの縦方向の検知範囲を示す模式図であり、図11は人体検知センサの横方向の検知範囲を示す模式図である。
図8に示すように、人体検知センサ300は人体から放出される赤外線を受光する焦電センサ310の前面にはミラー320が設置されている。ミラー320は筒状の反射筒321と反射筒321を支持する支持部322が一体に形成されている。反射筒321は内方から外方に向かってラッパ状に拡大する筒状に形成されている。
図9に示すように、焦電センサ310とミラー320は樹脂製のカバー330で覆われ
ている。カバー330は乳白色の半透明の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)で一体に成型されており、赤外線を透過させることができるとともに、外部から人体検知センサ300が視認できない構成となっている。
図9に示すように、カバー330は前面部331の外面331aの半径R1は約65mmの曲面で形成されており、内面331bの半径R2は外面331aより大きい約80mmで形成されている。このように形成することにより、人体検知センサ300の中央部に対向する位置に配置されるカバー330の中央の厚さW1は約2mmであるのに対し、周辺部には位置される側端部の厚さW2は約0.8mmになっている。側端部の外面331aはフロントパネル402の前面とほぼ同面となるように設置されている。
上記構成のカバーを使用した場合、カバー330を透過して焦電センサ310の受光面311の中心に向かう赤外線が樹脂製の前面部331の内部を通過する透過経路の距離は、中央部が約2mmであるのに対し、側端部近傍では約2.2mmとなっており、カバー330の全面に亘り透過経路の距離のバラツキを10%以下に抑制することが可能となり、カバー330の全面から赤外線を安定して受光することができる。
また、カバー330に近接して配置されているミラー320は、カバー330の厚い部分で覆われることにより完全に隠蔽され、外部からその形状を視認することができず、リモートコントローラ400のデザイン性を向上する効果を得ることができる。
図10および図11に示すように、人体検知センサ300の焦電センサ310の受光面311はリモートコントローラ400の外殻であるフロントパネル402の前面より内方となる位置に設置されている。一方、ミラー320の反射筒321の一部はフロントパネル402の前面より外方となる位置に設置されている。
反射筒321の上下部には支持部322が一体に形成されている。そのため、上下方向からは反射筒321の外面に赤外線が入射できない構成となっている。
反射筒321の両側部には支持部322が形成されておらず、開口部323が形成されており、開口部323を介して反射筒321の外面にフロントパネル402の前面に近い側方からの赤外線が入射可能な構成となっている。
ミラー320の前面324には円形の開口325が設けられており、開口325の内面は反射筒321の内周面326と連接するように一体に形成されている。反射筒321の内周面326は外方から内方に向かって狭くなる略円錐形状の傾斜面で形成されており、対向する傾斜面が約45度を成している。また、反射筒321の外周面327は内周面326より急傾斜に形成されており、対向する傾斜面が約100度を成している。
内周面326と外周面327とは先端部328で傾斜面が交差するように接合している。ミラー320は樹脂材料で一体に成形されており、表面にメッキ処理を施して赤外線を反射しやすい構成となっている。 図10に示すように、矢印Y1およびY2で示す人体検知センサ300の正面から照射された赤外線と、矢印Y1およびY2で示す上下方向から照射された赤外線はミラー320の反射筒321の内部を通過して焦電センサ310の受光面311に直接到達する。また、矢印Y1およびY2の外側から照射される赤外線は、反射筒321の内周面326で反射して受光面311に到達する。そのため、焦電センサ310が検知できる上下方向の範囲は約60度の範囲となっている。
図11に示すように、人体検知センサ300の左右方向から照射された赤外線は、一部は上下方向のからの照射と同様に反射筒321の内部を通過して焦電センサ310の受光
面311に到達する。また一部は図の矢印Y5およびY6で示すように開口部323を通過して焦電センサ310の受光面311に直接到達する。
また、リモートコントローラ400の前面に近い広い角度から照射された赤外線は図の矢印Y7およびY8で示すように反射筒321の外周面327で反射して焦電センサ310の受光面311に到達する。そのため、焦電センサ310が検知できる左右方向の範囲は約160度となっている。
リモートコントローラ400は一般的に使用者が着座して使用しやすい高さ(80cm〜100cm程度)に設置されるため、設置される高さの広い角度の水平面に近い範囲の赤外線を受光可能とすることにより、子供から大人までの広い範囲の身長に対応することが可能となり、受光の確率を向上することができる。
上記のように広い範囲からの赤外線を受光するために、人体検知センサ300の焦電センサ310の受光面311はリモートコントローラ400のフロントパネル402の前面より内方に設置されており、ミラー320の反射筒321の内周面326および外周面327の一部がフロントパネル402の前面より外方となる位置に設置されている。
このように設置することにより、人体検知センサ300をリモートコントローラ400の前面よりほとんど突出させずに設置した状態においても、設置位置の水平面において160度以上の広い範囲に存在する人体を検知することが可能となっている。
<4>リモートコントローラの制御系の構成
図12はリモートコントローラの制御系の構成を示すブロック図であり、図13は感度調整抵抗の対応照度を示す模式図である。
図12に示すように、リモートコントローラ400には、情報入力手段として人体検知センサ300の焦電センサ310と、操作スイッチ410と、設定スイッチ420と、開閉検知センサ437と、第一照度センサ441と、第二照度センサ442を備えており、出力手段としては本体200に制御情報を赤外線で送信する赤外線送信部436と、制御情報を表示する表示灯430を備えている。検知情報と操作情報を処理するリモコン制御部500を備えている。また、リモートコントローラ400の駆動源として電池450を備えている。
リモートコントローラ400の各種情報を処理するリモコン制御部500には、操作信号を検出する手段としては、接触スイッチで構成された操作スイッチ410と設定スイッチ420の操作を検出するスイッチ操作検出部510を備えている。
また、非接触スイッチの非接触操作を検出する機能としては非接触操作検出部520を備えている。非接触操作検出部520は第一照度センサ441の出力電圧を所定の範囲に調整して出力電圧の変化量を検出する第一変化量検出部521と、第一変化量検出部521の出力信号の変化率を検出する第一変化率検出部522と、第二照度センサ442の出力電圧を所定の範囲に調整して出力電圧の変化量を検出する第二変化量検出部523と、第二変化量検出部523の出力信号の変化率を検出する第二変化率検出部524と、第一照度センサ441と第二照度センサ442を駆動する照度センサ駆動部525を備えている。
第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の主な機能は感度調整機能である。リモートコントローラ400を使用するトイレルームは、窓の有無、使用時間帯、照明の種類等により明るさのバラツキが大きく、照度センサ440の出力電圧のバラツキが大き
い。第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の感度調整機能は使用場所の明るさに対応して出力電圧を所定の範囲に変換して同一のレベルで出力電圧の変化量を検出できるようにするものであり、それぞれ6個の感度調整抵抗を備えている。
感度調整は、第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の出力電圧が1.5Vから4Vの範囲になるように感度調整抵抗を選択することにより実施される。
図13に示すように、本実施の形態のリモートコントローラ400は約5ルックスから2万ルックスまでの明るさの範囲に対応可能な機能を備えている。それぞれの感度調整抵抗が対応する照度の範囲は明るいところは広く、暗いところでは狭くなっている。このように対応する照度の範囲が異なっているのは、明るい環境では非接触操作によって発生する陰による照度変化が大きいため変化量が検知しやすいのに対し、暗い環境では陰による変化量が小さいため、正確な検知を行うためには精度を高める必要があるためである。
一般的なトイレルームの明るさは第三感度調整抵抗と第四感度調整抵抗の範囲である50ルックスから500ルックス程度であるため、第四感度調整抵抗を初期値として、周囲の明るさに対応して感度調整抵抗を選択することにより出力電圧を一定の範囲(1.5V〜4Vの範囲)に調整する構成となっている。
例えば、初期値である第四調整抵抗を使用した状態で出力電圧が4.2Vである場合、感度調整抵抗を第三感度調整抵抗に切り替えると、出力電圧が2.5Vになる。
上記のように、6個の感度調整抵抗による感度調整機能を備えたことにより、リモートコントローラ400の設置場所の明るさに対応した狭い範囲での照度変化の検知が可能となり、検知精度を向上することができる。
また、出力信号の変化率を検出する第一変化率検出部522と第二変化率検出部524には、出力信号の増幅機能(図示せず)が含まれる。第一変化量検出部521と第二変化量検出部523で所定の範囲に調整された出力電圧を増幅し、増幅した出力電圧の変化率を演算により検出するものである。
増幅率の設定は、感度調整で第一変化量検出部521と第二変化量検出部523が選択した感度調整抵抗毎に異なる増幅率が設定される。また、この段階で非接触操作の判定に使用される第一変化率検出部522と第二変化率検出部524の出力電圧の閾値が設定される。
図13に示すように、第一変化量検出部521と第二変化量検出部523のそれぞれの感度調整抵抗が対応する明るさの範囲は略対数的に異なったものであり、第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の出力電圧を直接演算して変化率を算出した場合、実際の照度の変化率が同一であっても、照度の高い部分と低い部分では演算して出力する変化率には差が生じる。
上記誤差を解消するために、本実施の形態における第一変化率検出部522と第二変化率検出部524は、第一変化量検出部521および第二変化量検出部523からの出力電圧を感度調整抵抗毎に異なる増幅率で増幅し、変化率のレベルを一致させてから演算処理することにより、実際の照度変化の変化率に近い変化率を算出して出力電圧を出力するものである。
変化率を検出することにより、照度センサ440が検出する照度の変化のスピードを検知することができ、例えばトイレルームの扉の開閉に伴う明るさの変化あるいは使用者が
普通に動いている動作に伴う明るさの変化と、非接触操作に伴う明るさの変化の違いを判定することが可能となり、誤検知や誤動作を抑制することができる。
また、フロントパネル402の開閉を検知する開閉検知センサ437の検知信号を検出する開閉検出部530を備えている。
人体検知センサ300の検出機能としては焦電センサ310の検出信号を検出する人体検知検出部540と焦電センサ駆動部541を備えている。人体検知検出部540は焦電センサ310が人体からの赤外線を検知して上下に変化する出力電圧を検出する機能を備えている。焦電センサ駆動部541は焦電センサ310に駆動用の2Vの電力を常時供給するものである。
また、電池450の電圧を検出して電池450の消耗状態を検出する電池検査部550を備えている。
リモコン制御部500の出力機能としては、リモートコントローラ400が検出した検出データに基づき本体200の機能を操作する操作信号を本体200に送信する機能として送信駆動部560を備えており、送信駆動部560は赤外線送信部436を介して本体の赤外線受信部262に送信する。
また、リモートコントローラ400が検出した検出データに基づきリモートコントローラに設けられた表示灯430を駆動する表示灯駆動部570を備えている。
リモートコントローラ400の全ての機能を駆動する電源として、電池450から供給される電力を変換して各機能に供給する電源部580を備えている。電源部580は、5Vと2Vの電力を選択的に供給する5/2V出力部581と、3Vの電力を供給する3V出力部582と、2Vの電力を供給する2V出力部583を備えている。
図12に示すように、3V出力部582は本体200に操作信号を送信する送信駆動部560に電流を供給しており、送信駆動部は送信を実施するときのみに駆動される。
2V出力部583は焦電センサ駆動部541に電流を供給しており、2V出力部583は常時電流を供給している。
5/2V出力部581は、送信駆動部560と焦電センサ駆動部541以外の各機能に電流を供給しており、主にリモートコントローラ400の使用中は5Vの電流を供給し、不使用中は2Vの電流を供給するものであり、省電力により電池450の消耗を抑制することを目的とするものである。
リモコン制御部500の中枢である情報処理部590はマイコンを主構成部材としてタイマー機能を内蔵するものであり、各検出部から送信される検出信号を、主にA/Dコンバータを介してデジタル信号化してデジタル処理を行うものである。
本実施の形態におけるリモコン制御部500の特徴的な構成としては、人体検知センサ300が人体を検知していない待機状態の間は、マイコンに内蔵されたストップモードの機能を使用して、マイコン自体の消費電力を抑制するとともに、電源部580の5/2V出力部581の供給電圧を2Vに降圧して供給することにより、対応する機能の駆動を停止させ、リモートコントローラ400全体の消費電力を抑制する待機モードに移行する構成となっている。
待機モードの解除は、人体検知センサ300の人体検知信号または操作スイッチ410の操作信号によりなされ、電源部580の5/2V出力部581の供給電圧を5Vに昇圧されて供給することにより、リモートコントローラ400の全ての機能が使用可能な稼働モードに復帰する。
上記構成のリモートコントローラ400は、操作手段である操作スイッチ410と設定スイッチ420と第一照度センサ441と第二照度センサ442から入力された入力情報により、どのような操作がされたかをリモコン制御部500で判定し、操作信号を赤外線送信部436から本体200に送信し、本体制御部240が衛生洗浄装置100の各種機能の制御を実施する。また、表示灯駆動部570により所定の表示灯430を点灯させる。
<5>リモートコントローラの非接触操作の判定方法
図14は非接触操作の判定動作における出力電圧を示すグラフであり、図15は第一照度センサと第二照度センサの照度が同時に急激に低下した状態の出力電圧を示すグラフである。
図14は第一照度センサ441に対して使用者が意図的に非接触操作をした場合に検知した信号をもとに非接触操作の判定方法を示すものであり、第一変化量検出部521と第二変化量検出部523から出力される出力電圧の変化量と、第一変化率検出部522と第二変化率検出部524から出力される出力電圧の変化率と、人体検知センサ300の焦電センサ310の出力電圧を検出する人体検知検出部540から出力される出力電圧の変化量とにより、非接触操作が判定される方法を示したものである。
リモートコントローラ400が待機モードから稼働モードに移行した時点で、照度センサ駆動部525と第一変化量検出部521と、第二変化量検出部523と、第一変化率検出部522と、第二変化率検出部524が稼働し、非接触操作の検知が可能となる。
第一照度センサ441と第二照度センサ442が照度検知を開始し、第一変化量検出部521と第二変化量検出部523は出力電圧を出力する。第一変化量検出部521と第二変化量検出部523は出力電圧が1.5V〜4Vの範囲に入るように感度調整抵抗を選択して感度調整を実施する。
第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の感度調整に伴い、第一変化率検出部522と第二変化率検出部524の増幅率と閾値が設定される。
以下、非接触操作の判定動作については、主に第一照度センサ441が非接触操作の検知を行う場合を基本として説明する。
図14に示すように非接触操作の判定動作は、第一変化量検出部521と第二変化量検出部523から出力される照度変化に対応する出力電圧と、第一変化率検出部522と第二変化率検出部524から出力される照度変化の変化率に対応する出力電圧と、人体検知検出部540から出力される出力電圧により情報処理部590が実施する。
非接触操作が実施されると、手や指の陰により照度が低下するため第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の出力電圧は低下する。また、第一変化率検出部522と第二変化率検出部524の出力電圧は、使用者が非接触操作を意図して操作動作を行った場合、手や指が相当なスピードで照度センサ440に近づく初期の段階で急激に上昇し、手や指が定位置に近づくにつれて低下する。また、人体検知検出部540の出力電圧は手が焦電センサ310に近づくことにより上下に大きく変動する。
図14に示すように、第一照度センサ441の非接触操作を意図して操作がなされた場合は、操作動作のスピードに対応した第一変化率検出部522から出力される出力電圧は急速に上昇し、閾値I以上の出力電圧を検知した時点T1で判定動作が開始される。
T1の時点で、第一変化量検出部521が出力した出力電圧を第一変化量検出部521の基準電圧(第1基準値)として設定されるとともに、選択されている感度調整抵抗と設定された基準電圧(第1基準値)により第一変化量検出部521の閾値(第1閾値)が設定される。
また、第二変化量検出部523が出力した出力電圧を第二変化量検出部523の基準電圧(第2基準値)として設定されるとともに、選択されている感度調整抵抗と設定された基準電圧により第二変化量検出部523の閾値(第2閾値)が設定される。
また、T1の時点で情報処理部590に内蔵されたタイマーのカウントが開始され判定動作が開始される。判定動作開始後0.6秒から1.2秒の時間が判定を確定する判定確定期間となる。0.6秒、1.2秒の時間設定については人の非接触動作を判定するため、照度センサの入力信号の変化を検出するのに十分な時間として本実施の形態において設定されたものであり、これに限らない。
基本的な判定動作は、判定動作が開始されてから所定時間経過した時点T2(本実施の形態においては0.6秒後)で第一変化量検出部521または第二変化量検出部523からの出力電圧のいずれかが、それぞれ対応する閾値よりも降下しており、その降下量が所定値以上あれば閾値よりも電圧降下した方のセンサに対する非接触操作確定の判定をする。もし、降下量が所定値より少ない場合はもう一方の降下量を参照する。もう一方のセンサの出力である変化量が閾値にまで電圧降下しておらず閾値までの差が十分にあれば、こちらのセンサについては操作されたものでないと判定され、先に閾値よりも降下したほうのセンサについて非接触操作を確定する。
判定動作開始から0.6秒後の時点T2でどちらのセンサの出力電圧が閾値以下に低下していない場合は、その後0.1秒間隔で判定動作の開始から1.2秒後T3まで検出を繰り返し、少なくとも一方のセンサの出力について変化量の出力電圧が閾値以下になれば、上記判定を繰り返す。
判定確定期間内で、上記判定にて片方のセンサの非接触操作が確定したとしても、判定開始から1.0秒経過するまでは赤外線送信部436から確定信号を送信しない。
一方、判定確定期間にどちらのセンサも出力電圧が第1閾値以下または第2閾値以下に低下しない場合は、非接触操作が実施されなかったものとして判定動作は終了する。
また、判定確定期間内で、片方のセンサの非接触操作が確定したことを送信するまで、および片方のセンサの非接触操作が確定せず、判定開始後0.6秒から1.2秒経過するまでの間に、両方のセンサの変化量の出力電圧がそれぞれ対応する閾値以下となった場合、片方のセンサを操作しようとしたにもかかわらず両方のセンサが反応してしまったという場合と、明らかな誤操作(たとえば、衣服の着脱や清掃などによる体の近接など)である場合、などがあげられる。これについては、両方のセンサからの変化量についてさらに演算処理を行う必要がある。
たとえば、第一変化量検出部521、第二変化量検出部523のそれぞれの出力電圧について、第1閾値、第2閾値に対しての第1基準値からの電圧降下量、第2基準値からの
電圧降下量の比率を求め、大きいほうの比率が所定の値より小さければ両方のセンサが同じように変化しており両センサが同じように手かざしされた状態(以下「同時かざし」という。)であるとみなす。この場合両方のセンサが操作された状態と同等という「同時かざし」判定結果を出す。
ここで、大きいほうの比率が所定の値以上であれば、さらに両センサの出力について変化量の基準値からの降下量と閾値との差分について算出し、この差分についてもそれぞれの閾値に対する第二の比率を演算し、この第二の比率を比較し、片方の第二の比率が所定の条件に合えばそのセンサに対しての非接触操作が行われたことを確定し、そうでなければ「同時かざし」であることを確定する。
図14に示す非接触操作においては、第一変化量検出部521の出力電圧は0.6秒以前に第1閾値以下となり、かつ所定値以上に十分に降下している。一方、第二変化量検出部523の出力電圧は判定確定期間に閾値以下に低下していないため、非接触操作が実施されなかったと判定される。よって、第1照度センサ441が非接触操作されたことの判定が確定する。
なお、非接触操作の意志がなく、使用者がリモートコントローラ400に単に近づいたような場合は、操作を意図して手をかざす場合と比較し、照度センサの検知する照度変化の変化スピードがゆっくりとなるため、第一変化量検出部521および第二変化量検出部523からの出力電圧の変化量は閾値以下になる可能性が高いが、第一変化率検出部522および第二変化率検出部524から出力される出力電圧は閾値より低いものとなる。このような場合は非接触操作の判定動作は開始されず、誤検知を抑制することができる。
非接触操作の判定動作中に、他の操作スイッチ410が操作された場合には、情報処理部590は操作スイッチ410の操作を優先し、非接触操作の判定動作を中止する。
また、非接触操作の動作中に、使用者が例えば手の平で2つの照度センサ440を覆った場合や、使用者が手を移動させた場合等により、一方の非接触操作の判定動作中に、他方の非接触操作の判定動作が開始された場合は、情報処理部590は両方の判定動作を継続する。
両方の判定動作継続中に情報処理部590は人体検知検出部540からの出力電圧を参照し、出力電圧が閾値(J1、J2)より大きく変化している場合は、正規の非接触操作がなされているものと判定し、両方の判定動作を有効として継続する。なお、焦電センサ310の出力は人体を検知した場合、上下に変動するため閾値(J1、J2)は基準値に対して上下に2個設定されており、どちらかの閾値を超えた場合に人体を検知したと判定する。
最終的に一方の非接触操作が確定した場合は、対応する操作信号を赤外線送信部436を介して本体200に送信する。
また、両方の非接触操作が確定した場合、情報処理部590は両方の非接触操作の操作信号を意図する第3の操作信号を赤外線送信部436を介して本体200に送信する。
第3の操作信号を受信した本体制御部240は、着座検知センサ250の検知情報に基づき実施すべき操作信号を判定する。
本実施の形態においては、第一照度センサ441はお尻洗浄の非接触スイッチであり、第二照度センサ442は便座開閉の非接触スイッチであるため、本体制御部240は着座
検知信号を受信中であれば、洗浄機構230を駆動して、着座状態で使用する機能であるお尻洗浄を実施し、着座検知信号を受信していない場合は、便座便蓋回動機構215を駆動して、非着座状態で使用する機能である便座開閉の操作を実施する。
上記のように、非接触操作は判定動作が開始されてから0.6秒から1.2秒の間に判定が確定される。0.6秒から1.2秒の間において第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の出力電圧のうちのどちらかが閾値以下に低下した時点で、第一の報知としてフロントパネル402の表面から視認できる強度表示灯431の5個のLEDの中で中央の3個が点滅を開始し、非接触操作の判定確定後0.45秒後まで継続して点滅表示を行い、非接触操作をしようとして手をかざされて第1照度センサ441または第2照度センサ442のすくなくともいずれか一方で信号が検知されたことを表示する。すなわち、非接触操作であることが判定確定する以前に報知を開始して、手かざしの位置が正常に操作可能な位置であることを報知する。非接触操作が確定しなければ、点滅は終了する。
一方、非接触操作として誤検知する可能性の高い現象として、トイレルームの照明を消灯した場合や、リモートコントローラ400の前面を手で覆った場合や、リモートコントローラ400を壁面から取り外して前面を下にして置かれた場合等に、第一照度センサ441と第二照度センサ442が同時に急激な照度変化を検知することである。
図15は、上記の誤検知の可能性の高い現象における第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の出力電圧と、第一変化率検出部522と第二変化率検出部524の出力電圧とを示すグラフである。
図15に示すように、第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の出力電圧は急激に低下するとともに、第一変化率検出部522と第二変化率検出部524の出力電圧は急激に上昇する。
第一変化率検出部522と第二変化率検出部524の出力電圧は僅かな時間差tで共に閾値に到達する。情報処理部590は時間差tが0.01秒以下の場合、判定動作を中止して非接触操作の確定を行わないことにより誤検知を防止する。
上記判定に基づいて、両方のセンサが反応してしまう「同時かざし」の状態と判定が確定されると、赤外線送信部436から同時かざしの信号を本体200にむけて送信する。この信号は、本体200にて動作不要と判断するか、もしくは、本体200に設けられた着座センサ250の検知信号に基づいて、どちらの操作スイッチに対応する機能動作を行うかを判定するようにしてもよい。たとえば、着座センサ250が着座を検知していれば、お尻洗浄を動作させ、着座検知していなければ便座駆動を行う。もちろん、同時かざしの場合には本体200に対しての信号を送信しないようにすれば、電池の消費を抑えることができる。
<6>リモートコントローラの動作および作用
図16は第二照度センサ442を使用する非接触操作のタイムチャートを示すものである。
使用者がトイレルームに入室し、待機モードにあるリモートコントローラ400の人体検知センサ300が人体を検知すると、リモコン制御部500はリモートコントローラ400を待機モードから稼働モードに移行させる。稼働モードに移行することによりリモートコントローラ400の所定の機能が使用可能となる。
稼働モードに移行したリモコン制御部500は、照度センサ駆動部525と第一変化量
検出部521と、第二変化量検出部523と、第一変化率検出部522と、第二変化率検出部524が稼働し、非接触操作の検知が可能となる。
第一照度センサ441と第二照度センサ442が照度検知を開始し、第一変化量検出部521と第二変化量検出部523は出力電圧を出力する。第一変化量検出部521と第二変化量検出部523は出力電圧が1.5V〜4Vの範囲に入るように感度調整抵抗を選択して感度調整を実施する。
第一変化量検出部521と第二変化量検出部523の感度調整に伴い、第一変化率検出部522と第二変化率検出部524の増幅率と閾値が設定される。
また、リモコン制御部500は人体検知信号を赤外線送信部436を介して本体200に送信する。本体200の赤外線受信部262で受信した人体検知信号は本体制御部240に送信され、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動して便蓋210を開放するとともに、便座220の便座ヒータ221の駆動を開始させて便座220の昇温を開始する。
リモートコントローラ400の操作スイッチ410または設定スイッチ420が操作された場合は、リモコン制御部500のスイッチ操作検出部510が操作内容を検出し、スイッチ操作検出部510の検出した操作信号に基づき情報処理部590は赤外線送信部436を介して操作信号を本体200に送信する。
本体200の赤外線受信部262で受信した操作信号は本体制御部240に送信され、本体制御部240は操作信号に該当する機能を駆動させる。
例えば、リモートコントローラ400のビデ洗浄スイッチ412が操作された場合、ビデ洗浄の操作信号を受信した本体制御部240は洗浄機構230を駆動させて、洗浄ノズル231を本体200内から所定の洗浄位置まで進出させて洗浄水を噴出させることによりビデ洗浄を開始する。停止スイッチ414が操作されると、停止信号を受信した本体制御部240は洗浄水の噴出を停止させ、洗浄ノズル231を本体200内の収納位置まで後退させてビデ洗浄動作を終了させる。
第一照度センサ441を使用する非接触操作の具体的例としては、便座220に着座している使用者がお尻洗浄を行うために第一照度センサ441に手を近づけた場合、第一変化率検出部522から出力電圧が閾値以上になった時点で判定動作を開始し、第一変化量検出部521からの出力電圧が所定時間以内(本実施の形態においては、0.6〜1.2秒以内)に第1閾値に到達した時点で、強度表示灯431の5個のLEDの中で中央の3個が点滅表示を開始し、非接触操作の判定確定後0.45秒間継続して点滅表示して、その後は設定されている最新の洗浄強度のレベルに応じてLEDを点灯する。
第一変化量検出部521の出力電圧が第1閾値に到達した直後の判定で非接触操作の判定が確定され、情報処理部590は操作信号を赤外線送信部436から本体200に送信する。なお、0.6秒(T2)になる前に第一変化量検出部521の出力電圧が第1閾値に到達していると、0.6秒が経過したタイミング(T2)で表示灯431の点滅を開始する。これは、判定動作開始から0.6秒(T2)経過するまでの間に、同時に両方の照度センサに手をかざした場合やトイレ室の照明OFFなどの事象によってもう一方のセンサにも出力変化が検知されていないかどうかを確認するための時間を確保するためである。0.6秒(T2)から表示灯431の点滅を開始したとしても、使用者に対しての第1の報知としては十分に機能する。
本体200の赤外線受信部262で受信したお尻洗浄の操作信号は本体制御部240に送信され、お尻洗浄の操作信号を受信した本体制御部240は洗浄機構230を駆動させて、洗浄ノズル231を本体200内から所定の洗浄位置まで進出させて洗浄水を噴出させることによりお尻の洗浄を開始する。
お尻洗浄が終了して使用者が上記と同様に非接触操作を行い、非接触操作が確定すると、リモコン制御部500の情報処理部590は操作信号を赤外線送信部から本体200に送信する。
本体200の赤外線受信部262で受信した操作信号は本体制御部240に送信され、操作信号を受信した本体制御部240は洗浄動作の停止と判定し、洗浄水の噴出を停止させ、洗浄ノズル231を本体200内の収納位置まで後退させてお尻洗浄動作を終了させる。
なお、お尻洗浄の停止は停止スイッチ414を操作することでも可能であり、停止スイッチ414が操作されると、停止信号を受信した本体制御部240は洗浄水の噴出を停止させ、洗浄ノズル231を本体200内の収納位置まで後退させてお尻洗浄動作を終了させる。
また、お尻洗浄の操作に関しては、上記非接触操作によらず、使用者がお尻洗浄スイッチ415を直接押圧することでも操作可能である。
第二照度センサ442を使用する非接触操作の具体例としては、使用者が男子小用のために便座220を起立させる操作がある。
図16は第二照度センサ442を使用する非接触操作のタイムチャートを示すものである。
使用者が第二照度センサ442に手を近づけて非接触操作を開始し、第二変化率検出部524の出力電圧が閾値I以上に到達した時点T1から判定動作が開始される。判定動作開始後0.6秒までに情報処理部590は第二変化量検出部523の出力電圧を最初に検出して判定を行う。図16に示すように、0.6秒(T2)までに変化量の出力電圧が第2閾値以下に低下していない場合は判定動作を継続し、0.1秒間隔で判定を繰り返す。
第二変化量検出部523の出力電圧が第2閾値に到達した時点で、第一の報知として洗浄強度表示灯431の5個のLEDのうち中央の3個が点滅表示を開始し、非接触操作の判定が確定後0.45秒間点滅表示を継続して、その後消灯する。
第二変化量検出部523の出力電圧が第2閾値に到達した際に、第2閾値からの電圧降下量が所定の値以上であり、かつ第一変化量検出部521の出力値が第1閾値に到達していないため、第二照度センサ442に対する非接触操作の判定が確定され、情報処理部590は操作信号を赤外線送信部436から本体200に送信する。
操作信号を受信した本体制御部240は、0.2秒後に第二の報知としてブザー263を駆動し便座220の起立動作を表現する低音から高音への三音の音階で構成された報知音を0.8秒間鳴動させる。ブザー263の鳴動終了後、便座便蓋回動機構215を駆動して便座220を起立させる。便座が水平軸から約45度上向きに回転した位置にくると、便座の昇温は中止される。
また起立状態の便座を倒置させる場合も第二照度センサ442に手を近づけることによ
り、上記と同様に非接触操作により便座220を倒置させることができる。そして、この時第2の報知であるブザー263は便座220が駆動される事前に、便座の倒置を表現する高音から低音への三音の音階で構成される報知音を鳴動開始し、0.8秒後に鳴動が終わる。
なお、便座開閉の操作に関しては、上記非接触操作によらず、使用者が便座開閉スイッチ416を直接押圧することでも操作可能である。
リモートコントローラ400の全ての動作が終了して使用者がトイレルームから退出し、人体検知センサ300が人体の検知が終了して所定時間経過後に(本実施の形態においては約60秒後)、リモコン制御部500の情報処理部590はリモートコントローラ400を待機モードモードへ移行させて省電力の状態を維持する。
また、本体200はリモートコントローラ400からの人体検知信号の受信が停止すると、本体制御部240は所定時間経過後(本実施の形態においては60秒後)に、便座便蓋回動機構215を駆動させて便蓋210と便座220を閉塞させるとともに、便座ヒータ221への通電を停止し、その後待機温度まで降下したら待機温度を維持するように制御を行う。
上記のように本実施の形態における衛生洗浄装置のリモートコントローラ400は、非接触による非接触操作と、手で直接操作する操作スイッチ410とを備え、どちらの操作方法でも同一の操作が可能としたことにより、非接触の操作方法を熟知している使用者は、非接触操作により衛生的に操作を行うことができる。また、非接触の操作方法を熟知していない使用者は、操作スイッチ410を使用してスイッチ操作を確実に行うことができるので、全ての使用者に使い勝手のより衛生洗浄装置を提供することができる。
また、本実施の形態における衛生洗浄装置は、非接触操作の判定を第一変化量検出部521および第二変化量検出部523から出力される照度変化に対応する出力電圧と、第一変化率検出部522および第二変化率検出部524から出力される照度変化の変化率に対応する出力電圧と、人体検知検出部540から出力される出力電圧の中少なくとも二種類の出力電圧を使用して実施するものであり、誤検知および誤操作を抑制することができ、安全性と信頼性を向上することができる。
特に、第一変化量検出部521および第二変化量検出部523から出力される照度変化の変化量に対応する出力電圧により使用者の身体部位の照度センサ440への近接距離を判定することができ、第一変化率検出部522および第二変化率検出部524から出力される照度変化の変化率に対応する出力電圧により使用者の操作動作のスピードを判定することができるので、正規の非接触操作を正確に判定できるとともに、移動する物体の陰や照明による明るさの変化等を誤検知することがなく、誤検知および誤操作の発生を抑制することができ、安全性と信頼性を向上することができる。
特に、第一変化率検出部522および第二変化率検出部524の出力電圧が閾値に到達した時間差を検出して判定することにより、リモートコントローラ400の前面を覆われた場合や、照明が消灯された場合等による非接触操作を意図しない急激な照度変化を誤検知することを抑制することができる。
また、複数の照度センサを用いてその出力変化の時間情報を利用して、非接触操作か、そうでないか(誤操作か、照明SWのOFFなどのノイズ事象)か、の検出をより正確におこなうことができる。
しかも、同一の照度センサ440から検出される検出信号を非接触操作検出部520で演算処理することにより異なる性状のデータに変換することにより判定の精度を向上するものであり、低コストでシンプルな構成により、精度の高い判定を実施することができるものである。
また、本実施の形態における衛生洗浄装置は、本体200に着座検知センサ250を設け、両方の非接触操作が確定された場合、情報処理部590は両方の電動機構の操作信号を意図する第3の操作信号を赤外線送信部436を介して本体200に送信し、第3の操作信号を受信した本体制御部240は、着座検知センサ250の検知情報に基づき実施すべき操作信号を判定することができるので、誤操作を防止することができ安全性と信頼性を向上することができる。また、非接触操作の操作動作の自由度を拡大することができるので、使い勝手を向上することができる。
また、本実施の形態においては、人体検知センサ300をリモートコントローラ400に一体に設け、人体検知センサ300が人体を検知していない待機状態の間は、リモコン制御部500の主構成部材であるマイコンに内蔵されたストップモードの機能を使用して、マイコン自体の消費電力を抑制するとともに、電源部の電圧を5Vから2Vに降下させ、人体検知を行う焦電センサ駆動部541以外の各機能の駆動を停止させる。
これにより、リモートコントローラ400全体の消費電力を抑制する待機モードに移行させ、リモートコントローラ400の電源である電池の消耗を抑制することができ、電池寿命を延長させることができるので使い勝手の良いリモートコントローラ400を提供することができる。
また、本実施の形態においては、 フロントパネルの402の開閉状態を検知する開閉検知センサ437を備え、フロントパネル402の開放中は、第一照度センサ441と第二照度センサ442を駆動する照度センサ駆動部525を停止し、第一照度センサ441と第二照度センサ442は照度変化を検知できない構成となっている。これによりフロントパネル402の開閉動作中に発生する陰を第一照度センサ441と第二照度センサ442が非接触操作として誤検知することを防止しすることができ、安全性と信頼性を向上することができる。
また、本実施の形態における衛生洗浄装置は、表示灯430とブザー263を備え、非接触操作の手かざしの位置が検知範囲にあり、センサが反応したことを報知する表示灯430での表示と、操作が確定したことによりブザー263により操作により動作が行われる前に動作を表現する音で報知を行うことできて、使用者が操作状態を認知することができ、使い勝手を向上することができる。
特に、非接触操作における便座220の起倒操作行った場合は、便座の起倒動作を開始する前に、まずは前記非接触操作の判定が確定する以前より表示灯430は点滅表示により第一の報知を開始し、非接触操作の判定が確定した後にブザー263による音階による第二の報知を行うことにより、非接触操作が確定する以前の早い段階で、手かざしの位置が正しいことを表示灯430により報知し、非接触操作が確定すると使用者は便座の起倒動作が開始される前の早い段階で動作予告として報知を認知することができるので、起倒動作中の便座220に使用者が接触することを抑制し、安全性を向上することができるとともに、音階による報知を行うことにより使用者は便座220の回動方向を認知することができ、より使い勝手を向上することができる。
特に、第一の報知は使用者の非接触操作をする操作先のリモコン(このとき、たいていの使用者は自分の操作に注力しておりセンサに対して正しい位置に手をかざしているかど
うかを、リモコンのセンサと自分の手の位置関係を確認している)にて、リモコン表面で第1照度センサ441または第2照度センサ442の近傍に配設されている表示灯430で報知し、第二の報知は、動作が行われる本体側で報知力の強いブザー263で報知することにより、使用者に効果的に報知を確実に認知させることができるとともに、報知により操作性の向上、使用者が驚くことがなく安全性と使い勝手を向上することがすることができる。
また、表示灯430による報知は、本実施の形態においては、非接触操作が確定する以前に点滅を開始する。誤操作時、自然現象によるセンサの反応にて点滅を開始する場合もある。点滅を開始した後に「同時かざし」判定が確定するかまたは図14のT3のタイミングで非接触操作が行われていないことが確定すると点滅表示を終了するので使用に際して邪魔になるようなことがない。
また、使用者は表示灯430による光とブザー263による音での報知により、異なる知覚認知を得るので、より確実な認知ができる。
なお、本実施の形態においては、非接触操作はお尻洗浄と便座の開閉操作にのみ採用したが、これに限るものではなく、ビデ洗浄、乾燥、便蓋の開閉操作等、他の電動機構に対しても採用することができる。
また、本実施の形態においては、非接触操作は2個の照度センサ440を使用して実施したが、これに限るものではなく、1個の照度センサまたは3個以上の照度センサを使用した構成でもよい。
また、本実施の形態においては、第一照度センサ441はお尻洗浄の操作用、第二照度センサ442は便座の開閉用として専用の照度センサを配置したが、照度センサは1個のみとし、1個の照度センサの操作情報を、着座検知センサ250の着座検知情報に基づき、着座検知信号を受信中であればお尻洗浄と判定し、着座検知信号を受信していなければ便座開閉操作と判定し、操作を実施する構成としてもよい。
また、本実施の形態においては、非接触操作の近接センサとしては照度センサを使用したが、これに限るものではなく、発光素子と受光素子を備えた光検知センサあるいは送信アンテナと受信アンテナを備えたマイクロ波センサ等の近接した人体を検知できる他のセンサを使用してもよい。
また、本実施の形態においては、人体検知センサ300はリモートコントローラ400に一体に設けた構成としたが、これに限る物ではなく、人体検知センサ300の機能のみを備えた別の第2のリモートコントローラを追加して設置できる構成としても良い。
この場合、第2のリモートコントローラは人体検知情報を本体200にのみ送信する機能を備え、第2のリモートコントローラを設置した場合は、リモートコントローラ400の人体検知情報はリモートコントローラ400の内部では、待機モードと稼働モードの切り替えや、非接触操作の判定等には使用し、人体検知情報の本体200への送信は複数の設定スイッチ420の特殊操作により停止させことができる。
本実施の形態における衛生洗浄装置は、人体検知により便座ヒータ221への通電を開始し瞬間的に便座の温度を昇温させる機能を備えたものであり、トイレルームに入室した使用者を即座に検知することが望ましく、リモートコントローラ400の設置場所によっては、使用者が便器の前に立った時点や便座に着座する直前に検知することがあるため、第2のリモートコントローラを増設することにより、上記不具合を解消することが可能と
なる。
また、本実施の形態においては、非接触操作の判定は、1個の照度センサ440(例えば、第一照度センサ441)のみが非接触操作された場合は、第一変化量検出部521の出力電圧と、第一変化率検出部522の出力電圧により判定し、2個の照度センサ440が同時に非接触操作された場合は、人体検知検出部540の出力電圧と、両方の変化量検出部の出力電圧と、両方の変化率検出部の出力電圧により判定を行ったが、これに限るものではなく、変化量検出部の出力電圧のデータを含んでおれば、他の組み合わせで実施してもよい。また、常に変化量検出部の出力電圧と、変化率検出部の出力電圧と、人体検知検出部の出力電圧を使用して判定してもよい。
また、本実施の形態においては、便座220の非接触操作に伴う第一の報知をリモートコントローラ400に配置された強度表示灯431で実施し、第二の報知を本体200に配置されたブザー263で実施したが、これに限るものではなく、第一の報知を本体200に配置された表示灯261cを使用して実施してもよい。
また、リモートコントローラ400に別途ブザーを配置し、リモコン制御部500にブザー駆動部を追加し、第二の報知をリモートコントローラ400に配置されたブザーを使用して実施してもよい。
また、本実施の形態においては、便座220の非接触操作に伴う第一の報知を表示灯で実施し、第二の報知をブザーで実施したが、これに限るものではなく、第一の報知と第二の報知をともに表示灯またはブザーで実施するものでもよい。また、第一の報知をブザーで実施し、第二の報知を表示灯で実施するものでもよい。