JP3713065B2 - 二糖モノマー及びそのオリゴマーとオリゴマーの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な二糖モノマー及びこの二糖モノマーを出発原料とし、これにセルラーゼを作用させることによって得られるオリゴマー(オリゴ糖)とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フッ化β−D−セロビオシル(次の式中Iで示したもの)については、久保らの方法(日本大学獣医学部学術研究報告書,41,9,1984)が知られている。また、このフッ化β−D−セロビオシルを出発原料として、これにセルラーゼを作用させることにより、セルロースオリゴマーが得られることも知られている(特願平1−239611号)。
【化3】
【0003】
一方、キチンはN−アセチルグルコサミンユニットが、1,4結合した天然多糖で、甲殻類、昆虫等の生物体に広く分布しており、キチン及びキチンを脱アセチル化したキトサン及びこれらを加水分解して得られるオリゴ糖類は、安全性、生分解性、生体との親和性に優れており、医療分野、化粧品分野への応用が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、工業的に生産されるキチンは、カニやエビの殻を原料にしているため、1)少量のキチンを得るのに大量の殻を必要とする、2)一定の品質を有するキチンを得るためには、同質の原料つまり同種のエビ又はカニを集める必要がある、3)エビやカニは繁殖期があり、漁獲量が周期的に増減し、安定供給が望めない等、主として原料確保の面で問題が多い。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、二糖モノマーであるフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルの合成に成功した。さらにこれを酵素触媒重合することにより新規なオリゴマーを得ることに成功し、本発明に至ったものである。なお、このオリゴマーは、キチンおよびその加水分解物であるオリゴマーそのものではないが、分子内にN−アセチルグルコサミンユニットを有し、同様の特性を示すと考えられる。
【0006】
すなわち、本発明は、下記構造式で示される新規二糖モノマーであるフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルを提供するものである。
【化4】
【0007】
また本発明は、別の側面として下記構造式で示される新規オリゴマー(II)
【化5】
及びその製造法を提供するものである。
【0008】
この新規オリゴマーはグルコースユニットとN−アセチルグルコサミンユニットとを交互に有するもので、キチン及びその加水分解物であるオリゴ糖に近い特性を示す。
【0009】
新規二糖モノマーであるフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル(1)は、N−アセチル−D−グルコサミン(2a)及びグルコース(4a)を出発原料として以下の反応式Aで示される経路により、合成することができる。
【化6】
この反応経路Aは、合成経路の概要を示すものであり、後述する実施例1の記述に沿って詳細に説明される。しかし、この実施例1は最良の実施形態を提供するものの、各中間体を得るための溶媒、反応温度、反応時間、中間体に化合させる反応物等の諸要素は、当業者に公知の技術を勘案して置き換え可能であり、このように諸要素を変化させて得られる各種態様は全て本発明の技術的思想の範囲に含まれる。
【0010】
また、下記構造式を有する新規オリゴマー(II)
【化7】
は、フッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル(1)をアセトニトリルと緩衝液(例えば酢酸緩衝液)の混合液に溶解したものにセルラーゼを緩衝液(例えば酢酸緩衝液)に溶かしたものに加え、攪拌下で反応させ、反応終了後、反応液に過剰量のアセトニトリルを加え、加熱することにより、セルラーゼを失活させ、次いで溶媒を除去したものを精製・分離することにより得ることができる。なお、反応条件を適宜設定することにより、4糖、6糖から任意の糖数のオリゴマーを得ることができる。
【0011】
【実施例】
実施例1
フッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル(1)の製造方法(上記反応式(A)を参照して説明する)
【0012】
2−メチル(3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−α−D−グルコピラノ)〔2,1−d〕−2−オキサゾリン〔反応式Aの(3)〕
アルゴン雰囲気下、N−アセチル−D−グルコサミン〔反応式Aの(2a)〕(20.0g,90.5mmol)を塩化アセチル(80ml)に分散させ、マグネットスターラーにより室温で3日間攪拌させた。TLCにより反応終了を確認した後、クロロホルムで希釈した水(×2)、飽和炭酸ナトリウム(×2)、水(×2)で分液し集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過により除去した後溶媒をエバポレータにより除き減圧乾燥するこにより塩化N−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコサミル〔反応式Aの(2b)〕の混合物を得た。さらにアルゴン雰囲気下、混合物をアセトニトリルに溶かした溶液を塩化テトラエチルアンモニウム(7.1g,42.9mmol)と炭酸水素ナトリウム(7.1g,84.5mmol)に加え30分間反応させた。TLCにて反応終了を確認後ガラスフィルターで固体を除き、溶媒を濃縮して塩化メチレンに溶かして分液し集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過で無水硫酸ナトリウムを除き濃縮した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(Gel:Merck社製 Sirica gel 60)(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=5/2)により精製し2−メチル(3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−α−D−グルコピラノ)〔2,1−d〕−2−オキサゾリン〔反応式Aの(3)〕(15.3g,46.4mmol,51.3%)を得た。
【0013】
グルコースペンタアセテート〔反応式Aの(4b)〕
グルコース〔反応式Aの(4a)〕(29.8g,166mmol)にピリジン(100ml)を加えた溶液に無水酢酸(200ml)を滴下し24時間反応させた。TLCにより反応終了を確認した後、エバポレートで溶液を濃縮し氷水へ投入した。1時間放置した後、ガラスフィルターろ過にて固体と水を分離しガラスフィルター上の固体をクロロホルムに溶かし、これが中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過により除去した後、クロロホルムをエバポレートにより除き、さらに減圧乾燥することによりグリコースペンタアセテート〔反応式Aの(4b)〕(58.8g,150mmol,90.9%)を得た。
【0014】
臭化2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコシル〔反応式Aの(4c)〕
グルコースペンタアセテート〔反応式Aの(4b)〕(58.6g,150mmol)のクロロホルム溶液に30%HBr酢酸溶液(105ml)をクロロホルム(55ml)で希釈した混合溶液を0℃で滴下し3時間反応させた。過剰量のクロロホルムで希釈しこれが中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過により除去した後、クロロホルムをエバポレータにより除く、さらに減圧乾燥することにより臭化2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコシル〔反応式Aの(4c)〕(57.6g,140mmol,93%)を得た。
【0015】
ベンジル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(4d)〕
暗所、Ar雰囲気下酸化銀(42.5g,183mmol)と硫酸カルシウム(160℃、1時間減圧乾燥、150g)に臭化2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコシル〔反応式Aの(4c)〕(57.6g,140mmol)をベンジルアルコール(100ml)とクロロホルム(130ml)の混合溶媒に溶解し加え120℃で還流させながら約3時間攪拌した。セライトろ過により銀触媒と硫酸カルシウムを取り除き溶媒を減圧乾燥により除いた後エタノールから再結晶したものをろ過により収集しデシケーター乾燥することでベンジル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(4d)〕(25.9g,59.2mmol,42.3%)
【0016】
ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(5)〕
ベンジル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(4d)〕(25.9g,59.1mmol)を脱気後アルゴン置換し、無水メタノール(400ml)に溶解させナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.015M,3.7ml)を加え室温にて3時間反応させた。TLCにより反応終了を確認しイオン交換樹脂[Amberlite IR−120(H+ )]を加え攪拌した。反応溶液が中性になったのをpH試験紙で確認した後、ろ過によりイオン交換樹脂を取り除きメタノールをエバポレートにより除去し減圧乾燥することでベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(5)〕(16.0g,59.2mmol,100%)を得た。
【0017】
ベンジル4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコシド〔反応式Aの(6)〕
アルゴン雰囲気下、ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(5)〕(16.0g,59.2mmol)をTHF(テトラヒドロフラン)(300ml)に溶解させ、p−トルエンスルホン酸(2.3g,12.1mmol)、α,α−ジメトキシトルエン(20ml)を投入し24時間反応させTLCにて反応の終了を確認した後、ピリジン(15ml)を投入し反応液を中和した後に濃縮、クロロホルムで希釈後中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ濃縮後に得られた固体を減圧乾燥しベンジル4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコシド〔反応式Aの(6)〕(21.0g,58.5mmol,99%)を得た。
【0018】
ベンジル4,6−O−ベンジリデン−2,3−ジ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(7)〕
アルゴン雰囲気下、ベンジル4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコシド〔反応式Aの(6)〕(21.0g,58.5mmol)をDMF(110ml)に溶かしNaH(13g,542mmol)を溶かしたDMF溶液に0℃で滴下する。しばらく攪拌した後にベンジルブロミド(30ml)を滴下した。反応終了をTLCにて確認した後に過剰のメタノールを反応液に投入し、グラスフィルターでろ過しグラスフィルター上の固体をクロロホルムに溶かして分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過にて無水硫酸ナトリウムを除きエバポレートで濃縮した後減圧乾燥させることによりベンジル4,6−O−ベンジリデン−2,3−ジ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(7)〕(17.7g,32.9mmol,56%)を得た。
【0019】
ベンジル2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(8)〕
アルゴン雰囲気下、ベンジル4,6−O―ベンジリデン―2,3―ジ−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(7)〕(17.7g,32.9mmol)水素化シアノホウ素ナトリウム(18g,272mmol)及び粉末モレキュラーシーブス(3A)(35g)を含むTHF(150ml)溶液に0℃にてエーテルの飽和無水塩酸溶液を徐々に滴下する。TLCにて反応の終了を確認した後、水で水素化シアノホウ素ナトリウムを殺し濃縮したものをエーテルで希釈し中性になるまで飽和食塩水で分液する。有機層を分離後無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過にて固体を除去し、エバポレータにより濃縮後クロロホルムで希釈し分液して無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させさらに濃縮する。残留物を展開溶媒が酢酸エチル/ヘキサン=2/9のフラッシュカラムクロマトグラフィーにて単離精製してベンジル2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(8)〕(9.3g,17.2mmol,52.4%)を得た。
【0020】
ベンジル4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(9)〕
アルゴン雰囲気下、2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(8)〕(195mg,0.360mmol)の1,2ジクロロエタン(3ml)溶液にp−トルエンスルホン酸(34mg,0.2mmol)をDMF(0.4ml)に溶かした溶液と2−メチル(3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−α−D−グルコピラノ)〔2,1−d〕−2−オキサゾリン〔反応式Aの(3)〕(366mg,1.0mmol)を1,2ジクロロエタン(2.5ml)に溶かした溶液をオイルバス上60℃において4日間反応させた。反応液をクロロホルムで希釈し分液した後、集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過で無水硫酸ナトリウムを除き濃縮した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(Gel:Merck社製 Sirica gel 60)(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=5/2)により精製しベンジル4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(9)〕(55.0mg,0.0632mmol,17.6%)を得た。
【0021】
4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D―グルコピラノシル)−β−D−グルコース〔反応式Aの(10a)〕
パラジウム−カーボン(10%)(0.304g)とTHF(3ml)の混合物を約30秒間脱気し、水素置換を行った。この操作を5回繰り返した後、水素雰囲気下ベンジル4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(9)〕(642mg,0.738mmol)のTHF溶液(15ml)を加え24時間反応させた。TLCにて反応終了を確認後、セライトろ過によりパラジウムを取り除きエバポレータで溶媒を除去し4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコース〔反応式Aの(10a)〕(377mg,0.740mmol,quant.)を得た。
【0022】
1−O−アセチル−4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコース〔反応式Aの(10b)〕
4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコース〔反応式Aの(10a)〕(377mg,0.740mmol)の無水ピリジン(4ml)溶液に無水酢酸(6ml)を0℃で滴下した。室温で24時間反応させ、TLCにより反応終了を確認後、エバポレートによりトルエンとの共沸で溶媒を除去し、さらに減圧乾燥することで1−O−アセチル−4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコース〔反応式Aの(10b)〕(473mg,0.698mmol,94.3%)を得た。
【0023】
臭化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10c)〕
1−O−アセチル−4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10b)〕(473mg,0.694mmol)のクロロホルム溶液(6ml)に30%HBr酢酸溶液(1.2ml)をクロロホルムで希釈した混合溶液を0℃で滴下し4時間反応させた。TLCにより反応終了を確認した後、クロロホルムで希釈し、これが中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無水硫酸ナトリウムを除いた後、クロロホルムをエバポレータにより除去しさらに減圧乾燥することにより臭化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10c)〕(488mg,0.694mmol,quant.)を得た。
【0024】
フッ化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10d)〕
暗所アルゴン雰囲気下、微粉砕したフッ化銀(0.4g,3.15mmol,120℃,1時間脱気)に臭化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10c)〕(488mg,0.694mmol)のアセトニトリル溶液(8ml)を加え、マグネットスターラーにより室温で12時間反応させた。TLCにより反応終了を確認した後、セライトろ過により銀触媒を取り除き、次いでエバポレータによりクロロホルムを除去した後シリカゲルカラムクロマトグラフ(Gel:Merck社製 Sirica gel 60)(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=7/1)により精製しフッ化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10d)〕(251mg,0.394mmol,56.3%)を得た。
【0025】
フッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコシル〔反応式Aの(1b)〕
フッ化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10d)〕(251mg,0.394mmol)を10分間脱気した後、アルゴン置換し無水メタノール(10ml)に溶解させ、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.08M,0.11ml)を加えた後0℃にて45分間反応させた。TLCにより反応終了を確認しイオン交換樹脂[Amberlite IR−120(H+ )]を加え攪拌した。反応溶液が中性になったのをpH試験紙で確認した後、ろ過によりイオン交換樹脂を取り除きメタノールをエバポレートにより除去し減圧乾燥することでフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコシル〔反応式Aの(1b)〕(151mg,0.394mmol,quant.)を得た。
【0026】
得られたフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコシル〔反応式Aの(1b)〕の 1H NMR及び13C NMRは次の通りである。
1H NMR(D2 O,δ)
5.2(d,d;J1,F =53.01,d;J1,2=7.19;1H)
還元末端のアノメリック プロトン
4.6(d;J1 ′,2′=8.36;1H)
非還元末端ユニットのアノメリック
2.0(s;3H)アセチル基プロトン
13C NMR(D2 O,δ)
174(1C) アセチル基のカルボニル 13C
109(1C) (d;J1,F =214.40;1C)1(β)−13C
101(1C) 1′−13C
76.5(1C) 4− 13C
76.0(1C) 5′−13C
74.8(1C)(d;J5,F =4.59;1C)5(β)−13C
73.5(1C) 3′−13C
73.4(1C)(d;J3,F =9.68;1C)3(β)−13C
72.8(1C)(d;J2,F =19.4;1C)2(β)−13C
70.0(1C) 4′−13C
61.0(1C) 6−13C
61.5(1C) 6′−13C
56.0(1C) 2′−13C
20.5〜23.1(1C) アセチル基のメチル13C
【0027】
実施例2
実施例1で得られたフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル101mgをアセトニトリル2mlと酢酸緩衝液(0.01M,pH5)4mlとの混合液に溶解させた。別容器にTrichoderma Viride由来のセルラーゼ5mgを酢酸緩衝溶液(0.01M、pH5)2mlに加えたものを調製し、これをフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル溶液に加え温度30℃で2時間、マグネチックスターラーにより攪拌した。反応終了後、反応液に過剰量のアセトニトリルを加え、100℃油浴中に10分間浸すことにより、セルラーゼを失活させ、エバポレーターにより溶媒を除去し、粗反応生成物を高性能液体クロマトグラフィーにより分解し、4糖オリゴマー2mgと6糖オリゴマー3mgを得た。4糖オリゴマーの 1H NMRは、図1に示す通りであり、13C NMRは後述する通りであった。また、6糖オリゴマーの 1H NMRは、図2に示す通りであった。
【0028】
4糖オリゴマー
1H NMR(D2 O,δ)の結果は、図1に示す通りであり。この4糖オリゴマーの化学式は、以下の通りである。
【化8】
【0029】
図1は以下のように解析される。
4.5〜4.6ppm:非還元末端及び内部グルコースユニットのアノメリックプロトン
3.2〜4.2ppm:グルコースユニットの2,3,4,6位プロトン
2.0ppm:アセチルのメチルプロトン
【0030】
13C NMR(D2 O,δ)
175(1C) アセチル基のカルボニル
174(1C) アセチル基のカルボニル
102(3C) 非還元末端
97(1C) 還元末端アノメリック (α体)
93(1C) 還元末端アノメリック (β体)
23(2C) アセチル基のメチル
【0031】
6糖オリゴマー
1H NMR(D2 O,δ)の結果は、図2に示す通りである。この化学式は、以下の通りである。
【化9】
図2は以下のように解析される。
4.5〜4.6ppm:非還元末端グルコース及び内部グルコースユニットのアノメリック1位プロトン
3.2〜4.2ppm:グルコースユニットの2,3,4,6位プロトン
2.0ppm:アセチルのメチルプロトン
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、分子内にN−アセチルグルコサミンユニットを有し、キチンおよびその加水分解物と同様の特性を備えるオリゴマー及びその原料として有用な2糖モノマーが提供される。提供されるオリゴマーは、キチン、キトサンと同様に安全性、生分解性、生体との親和性に優れており、キチン、キトサンと同様な医療分野、化粧品分野等への幅広い応用を行うことができる。すなわち、例えば、生体適合性を活用して、手術用縫合糸、創傷被覆剤として活用することができる。
しかも、従来のキチン等に比べ、安定供給を望むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によって得られた4糖オリゴマーの 1H NMRの結果を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明によって得られた6糖オリゴマーの 1H NMRの結果を示すグラフである。
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な二糖モノマー及びこの二糖モノマーを出発原料とし、これにセルラーゼを作用させることによって得られるオリゴマー(オリゴ糖)とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フッ化β−D−セロビオシル(次の式中Iで示したもの)については、久保らの方法(日本大学獣医学部学術研究報告書,41,9,1984)が知られている。また、このフッ化β−D−セロビオシルを出発原料として、これにセルラーゼを作用させることにより、セルロースオリゴマーが得られることも知られている(特願平1−239611号)。
【化3】
【0003】
一方、キチンはN−アセチルグルコサミンユニットが、1,4結合した天然多糖で、甲殻類、昆虫等の生物体に広く分布しており、キチン及びキチンを脱アセチル化したキトサン及びこれらを加水分解して得られるオリゴ糖類は、安全性、生分解性、生体との親和性に優れており、医療分野、化粧品分野への応用が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、工業的に生産されるキチンは、カニやエビの殻を原料にしているため、1)少量のキチンを得るのに大量の殻を必要とする、2)一定の品質を有するキチンを得るためには、同質の原料つまり同種のエビ又はカニを集める必要がある、3)エビやカニは繁殖期があり、漁獲量が周期的に増減し、安定供給が望めない等、主として原料確保の面で問題が多い。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、二糖モノマーであるフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルの合成に成功した。さらにこれを酵素触媒重合することにより新規なオリゴマーを得ることに成功し、本発明に至ったものである。なお、このオリゴマーは、キチンおよびその加水分解物であるオリゴマーそのものではないが、分子内にN−アセチルグルコサミンユニットを有し、同様の特性を示すと考えられる。
【0006】
すなわち、本発明は、下記構造式で示される新規二糖モノマーであるフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルを提供するものである。
【化4】
【0007】
また本発明は、別の側面として下記構造式で示される新規オリゴマー(II)
【化5】
及びその製造法を提供するものである。
【0008】
この新規オリゴマーはグルコースユニットとN−アセチルグルコサミンユニットとを交互に有するもので、キチン及びその加水分解物であるオリゴ糖に近い特性を示す。
【0009】
新規二糖モノマーであるフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル(1)は、N−アセチル−D−グルコサミン(2a)及びグルコース(4a)を出発原料として以下の反応式Aで示される経路により、合成することができる。
【化6】
この反応経路Aは、合成経路の概要を示すものであり、後述する実施例1の記述に沿って詳細に説明される。しかし、この実施例1は最良の実施形態を提供するものの、各中間体を得るための溶媒、反応温度、反応時間、中間体に化合させる反応物等の諸要素は、当業者に公知の技術を勘案して置き換え可能であり、このように諸要素を変化させて得られる各種態様は全て本発明の技術的思想の範囲に含まれる。
【0010】
また、下記構造式を有する新規オリゴマー(II)
【化7】
は、フッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル(1)をアセトニトリルと緩衝液(例えば酢酸緩衝液)の混合液に溶解したものにセルラーゼを緩衝液(例えば酢酸緩衝液)に溶かしたものに加え、攪拌下で反応させ、反応終了後、反応液に過剰量のアセトニトリルを加え、加熱することにより、セルラーゼを失活させ、次いで溶媒を除去したものを精製・分離することにより得ることができる。なお、反応条件を適宜設定することにより、4糖、6糖から任意の糖数のオリゴマーを得ることができる。
【0011】
【実施例】
実施例1
フッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル(1)の製造方法(上記反応式(A)を参照して説明する)
【0012】
2−メチル(3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−α−D−グルコピラノ)〔2,1−d〕−2−オキサゾリン〔反応式Aの(3)〕
アルゴン雰囲気下、N−アセチル−D−グルコサミン〔反応式Aの(2a)〕(20.0g,90.5mmol)を塩化アセチル(80ml)に分散させ、マグネットスターラーにより室温で3日間攪拌させた。TLCにより反応終了を確認した後、クロロホルムで希釈した水(×2)、飽和炭酸ナトリウム(×2)、水(×2)で分液し集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過により除去した後溶媒をエバポレータにより除き減圧乾燥するこにより塩化N−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコサミル〔反応式Aの(2b)〕の混合物を得た。さらにアルゴン雰囲気下、混合物をアセトニトリルに溶かした溶液を塩化テトラエチルアンモニウム(7.1g,42.9mmol)と炭酸水素ナトリウム(7.1g,84.5mmol)に加え30分間反応させた。TLCにて反応終了を確認後ガラスフィルターで固体を除き、溶媒を濃縮して塩化メチレンに溶かして分液し集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過で無水硫酸ナトリウムを除き濃縮した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(Gel:Merck社製 Sirica gel 60)(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=5/2)により精製し2−メチル(3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−α−D−グルコピラノ)〔2,1−d〕−2−オキサゾリン〔反応式Aの(3)〕(15.3g,46.4mmol,51.3%)を得た。
【0013】
グルコースペンタアセテート〔反応式Aの(4b)〕
グルコース〔反応式Aの(4a)〕(29.8g,166mmol)にピリジン(100ml)を加えた溶液に無水酢酸(200ml)を滴下し24時間反応させた。TLCにより反応終了を確認した後、エバポレートで溶液を濃縮し氷水へ投入した。1時間放置した後、ガラスフィルターろ過にて固体と水を分離しガラスフィルター上の固体をクロロホルムに溶かし、これが中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過により除去した後、クロロホルムをエバポレートにより除き、さらに減圧乾燥することによりグリコースペンタアセテート〔反応式Aの(4b)〕(58.8g,150mmol,90.9%)を得た。
【0014】
臭化2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコシル〔反応式Aの(4c)〕
グルコースペンタアセテート〔反応式Aの(4b)〕(58.6g,150mmol)のクロロホルム溶液に30%HBr酢酸溶液(105ml)をクロロホルム(55ml)で希釈した混合溶液を0℃で滴下し3時間反応させた。過剰量のクロロホルムで希釈しこれが中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過により除去した後、クロロホルムをエバポレータにより除く、さらに減圧乾燥することにより臭化2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコシル〔反応式Aの(4c)〕(57.6g,140mmol,93%)を得た。
【0015】
ベンジル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(4d)〕
暗所、Ar雰囲気下酸化銀(42.5g,183mmol)と硫酸カルシウム(160℃、1時間減圧乾燥、150g)に臭化2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコシル〔反応式Aの(4c)〕(57.6g,140mmol)をベンジルアルコール(100ml)とクロロホルム(130ml)の混合溶媒に溶解し加え120℃で還流させながら約3時間攪拌した。セライトろ過により銀触媒と硫酸カルシウムを取り除き溶媒を減圧乾燥により除いた後エタノールから再結晶したものをろ過により収集しデシケーター乾燥することでベンジル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(4d)〕(25.9g,59.2mmol,42.3%)
【0016】
ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(5)〕
ベンジル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(4d)〕(25.9g,59.1mmol)を脱気後アルゴン置換し、無水メタノール(400ml)に溶解させナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.015M,3.7ml)を加え室温にて3時間反応させた。TLCにより反応終了を確認しイオン交換樹脂[Amberlite IR−120(H+ )]を加え攪拌した。反応溶液が中性になったのをpH試験紙で確認した後、ろ過によりイオン交換樹脂を取り除きメタノールをエバポレートにより除去し減圧乾燥することでベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(5)〕(16.0g,59.2mmol,100%)を得た。
【0017】
ベンジル4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコシド〔反応式Aの(6)〕
アルゴン雰囲気下、ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(5)〕(16.0g,59.2mmol)をTHF(テトラヒドロフラン)(300ml)に溶解させ、p−トルエンスルホン酸(2.3g,12.1mmol)、α,α−ジメトキシトルエン(20ml)を投入し24時間反応させTLCにて反応の終了を確認した後、ピリジン(15ml)を投入し反応液を中和した後に濃縮、クロロホルムで希釈後中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ濃縮後に得られた固体を減圧乾燥しベンジル4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコシド〔反応式Aの(6)〕(21.0g,58.5mmol,99%)を得た。
【0018】
ベンジル4,6−O−ベンジリデン−2,3−ジ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(7)〕
アルゴン雰囲気下、ベンジル4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコシド〔反応式Aの(6)〕(21.0g,58.5mmol)をDMF(110ml)に溶かしNaH(13g,542mmol)を溶かしたDMF溶液に0℃で滴下する。しばらく攪拌した後にベンジルブロミド(30ml)を滴下した。反応終了をTLCにて確認した後に過剰のメタノールを反応液に投入し、グラスフィルターでろ過しグラスフィルター上の固体をクロロホルムに溶かして分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過にて無水硫酸ナトリウムを除きエバポレートで濃縮した後減圧乾燥させることによりベンジル4,6−O−ベンジリデン−2,3−ジ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(7)〕(17.7g,32.9mmol,56%)を得た。
【0019】
ベンジル2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(8)〕
アルゴン雰囲気下、ベンジル4,6−O―ベンジリデン―2,3―ジ−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(7)〕(17.7g,32.9mmol)水素化シアノホウ素ナトリウム(18g,272mmol)及び粉末モレキュラーシーブス(3A)(35g)を含むTHF(150ml)溶液に0℃にてエーテルの飽和無水塩酸溶液を徐々に滴下する。TLCにて反応の終了を確認した後、水で水素化シアノホウ素ナトリウムを殺し濃縮したものをエーテルで希釈し中性になるまで飽和食塩水で分液する。有機層を分離後無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過にて固体を除去し、エバポレータにより濃縮後クロロホルムで希釈し分液して無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させさらに濃縮する。残留物を展開溶媒が酢酸エチル/ヘキサン=2/9のフラッシュカラムクロマトグラフィーにて単離精製してベンジル2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(8)〕(9.3g,17.2mmol,52.4%)を得た。
【0020】
ベンジル4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(9)〕
アルゴン雰囲気下、2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(8)〕(195mg,0.360mmol)の1,2ジクロロエタン(3ml)溶液にp−トルエンスルホン酸(34mg,0.2mmol)をDMF(0.4ml)に溶かした溶液と2−メチル(3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−α−D−グルコピラノ)〔2,1−d〕−2−オキサゾリン〔反応式Aの(3)〕(366mg,1.0mmol)を1,2ジクロロエタン(2.5ml)に溶かした溶液をオイルバス上60℃において4日間反応させた。反応液をクロロホルムで希釈し分液した後、集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過で無水硫酸ナトリウムを除き濃縮した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(Gel:Merck社製 Sirica gel 60)(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=5/2)により精製しベンジル4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(9)〕(55.0mg,0.0632mmol,17.6%)を得た。
【0021】
4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D―グルコピラノシル)−β−D−グルコース〔反応式Aの(10a)〕
パラジウム−カーボン(10%)(0.304g)とTHF(3ml)の混合物を約30秒間脱気し、水素置換を行った。この操作を5回繰り返した後、水素雰囲気下ベンジル4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコシド〔反応式Aの(9)〕(642mg,0.738mmol)のTHF溶液(15ml)を加え24時間反応させた。TLCにて反応終了を確認後、セライトろ過によりパラジウムを取り除きエバポレータで溶媒を除去し4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコース〔反応式Aの(10a)〕(377mg,0.740mmol,quant.)を得た。
【0022】
1−O−アセチル−4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコース〔反応式Aの(10b)〕
4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコース〔反応式Aの(10a)〕(377mg,0.740mmol)の無水ピリジン(4ml)溶液に無水酢酸(6ml)を0℃で滴下した。室温で24時間反応させ、TLCにより反応終了を確認後、エバポレートによりトルエンとの共沸で溶媒を除去し、さらに減圧乾燥することで1−O−アセチル−4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコース〔反応式Aの(10b)〕(473mg,0.698mmol,94.3%)を得た。
【0023】
臭化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10c)〕
1−O−アセチル−4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10b)〕(473mg,0.694mmol)のクロロホルム溶液(6ml)に30%HBr酢酸溶液(1.2ml)をクロロホルムで希釈した混合溶液を0℃で滴下し4時間反応させた。TLCにより反応終了を確認した後、クロロホルムで希釈し、これが中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無水硫酸ナトリウムを除いた後、クロロホルムをエバポレータにより除去しさらに減圧乾燥することにより臭化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10c)〕(488mg,0.694mmol,quant.)を得た。
【0024】
フッ化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10d)〕
暗所アルゴン雰囲気下、微粉砕したフッ化銀(0.4g,3.15mmol,120℃,1時間脱気)に臭化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10c)〕(488mg,0.694mmol)のアセトニトリル溶液(8ml)を加え、マグネットスターラーにより室温で12時間反応させた。TLCにより反応終了を確認した後、セライトろ過により銀触媒を取り除き、次いでエバポレータによりクロロホルムを除去した後シリカゲルカラムクロマトグラフ(Gel:Merck社製 Sirica gel 60)(展開溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=7/1)により精製しフッ化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10d)〕(251mg,0.394mmol,56.3%)を得た。
【0025】
フッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコシル〔反応式Aの(1b)〕
フッ化4−O−(2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコシル〔反応式Aの(10d)〕(251mg,0.394mmol)を10分間脱気した後、アルゴン置換し無水メタノール(10ml)に溶解させ、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.08M,0.11ml)を加えた後0℃にて45分間反応させた。TLCにより反応終了を確認しイオン交換樹脂[Amberlite IR−120(H+ )]を加え攪拌した。反応溶液が中性になったのをpH試験紙で確認した後、ろ過によりイオン交換樹脂を取り除きメタノールをエバポレートにより除去し減圧乾燥することでフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコシル〔反応式Aの(1b)〕(151mg,0.394mmol,quant.)を得た。
【0026】
得られたフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコシル〔反応式Aの(1b)〕の 1H NMR及び13C NMRは次の通りである。
1H NMR(D2 O,δ)
5.2(d,d;J1,F =53.01,d;J1,2=7.19;1H)
還元末端のアノメリック プロトン
4.6(d;J1 ′,2′=8.36;1H)
非還元末端ユニットのアノメリック
2.0(s;3H)アセチル基プロトン
13C NMR(D2 O,δ)
174(1C) アセチル基のカルボニル 13C
109(1C) (d;J1,F =214.40;1C)1(β)−13C
101(1C) 1′−13C
76.5(1C) 4− 13C
76.0(1C) 5′−13C
74.8(1C)(d;J5,F =4.59;1C)5(β)−13C
73.5(1C) 3′−13C
73.4(1C)(d;J3,F =9.68;1C)3(β)−13C
72.8(1C)(d;J2,F =19.4;1C)2(β)−13C
70.0(1C) 4′−13C
61.0(1C) 6−13C
61.5(1C) 6′−13C
56.0(1C) 2′−13C
20.5〜23.1(1C) アセチル基のメチル13C
【0027】
実施例2
実施例1で得られたフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル101mgをアセトニトリル2mlと酢酸緩衝液(0.01M,pH5)4mlとの混合液に溶解させた。別容器にTrichoderma Viride由来のセルラーゼ5mgを酢酸緩衝溶液(0.01M、pH5)2mlに加えたものを調製し、これをフッ化4−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル溶液に加え温度30℃で2時間、マグネチックスターラーにより攪拌した。反応終了後、反応液に過剰量のアセトニトリルを加え、100℃油浴中に10分間浸すことにより、セルラーゼを失活させ、エバポレーターにより溶媒を除去し、粗反応生成物を高性能液体クロマトグラフィーにより分解し、4糖オリゴマー2mgと6糖オリゴマー3mgを得た。4糖オリゴマーの 1H NMRは、図1に示す通りであり、13C NMRは後述する通りであった。また、6糖オリゴマーの 1H NMRは、図2に示す通りであった。
【0028】
4糖オリゴマー
1H NMR(D2 O,δ)の結果は、図1に示す通りであり。この4糖オリゴマーの化学式は、以下の通りである。
【化8】
【0029】
図1は以下のように解析される。
4.5〜4.6ppm:非還元末端及び内部グルコースユニットのアノメリックプロトン
3.2〜4.2ppm:グルコースユニットの2,3,4,6位プロトン
2.0ppm:アセチルのメチルプロトン
【0030】
13C NMR(D2 O,δ)
175(1C) アセチル基のカルボニル
174(1C) アセチル基のカルボニル
102(3C) 非還元末端
97(1C) 還元末端アノメリック (α体)
93(1C) 還元末端アノメリック (β体)
23(2C) アセチル基のメチル
【0031】
6糖オリゴマー
1H NMR(D2 O,δ)の結果は、図2に示す通りである。この化学式は、以下の通りである。
【化9】
図2は以下のように解析される。
4.5〜4.6ppm:非還元末端グルコース及び内部グルコースユニットのアノメリック1位プロトン
3.2〜4.2ppm:グルコースユニットの2,3,4,6位プロトン
2.0ppm:アセチルのメチルプロトン
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、分子内にN−アセチルグルコサミンユニットを有し、キチンおよびその加水分解物と同様の特性を備えるオリゴマー及びその原料として有用な2糖モノマーが提供される。提供されるオリゴマーは、キチン、キトサンと同様に安全性、生分解性、生体との親和性に優れており、キチン、キトサンと同様な医療分野、化粧品分野等への幅広い応用を行うことができる。すなわち、例えば、生体適合性を活用して、手術用縫合糸、創傷被覆剤として活用することができる。
しかも、従来のキチン等に比べ、安定供給を望むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によって得られた4糖オリゴマーの 1H NMRの結果を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明によって得られた6糖オリゴマーの 1H NMRの結果を示すグラフである。
Claims (3)
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JP05092995A JP3713065B2 (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 二糖モノマー及びそのオリゴマーとオリゴマーの製造方法 |
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