JP3713023B2 - 収納キャビネット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は収納キャビネットに関し、特に台所等の上方位置に取付けられて使用される収納キャビネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は従来の収納キャビネットの使用状態を示した側面図である。
【0003】
図を参照して、台所の床87と側壁88とのコーナー部に調理台84が設置され、その上方に収納キャビネット85が側壁88と天井89のコーナーに接するように設置されている。収納キャビネット85の前面には扉86が取付けられており、扉86は下方から上方に開閉自在となるように構成されている。収納キャビネット85に物を収納したり取出す際には、扉86を持ち上げて開放状態にして使用する。このように扉86の上方へ開く機能は、いわゆる観音開きの扉に比べて、隣接する収納キャビネットと緩衝する虞がないため使い勝手が良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の収納キャビネットでは、扉が上方に開いた位置において停止するように構成されている。従って、その扉の位置が天井近くになってしまうため、使用後に扉を閉めるのが容易ではない。そこで、例えば扉の先端に紐等を吊り下げれば扉を閉めることには問題がないが、通常時に紐が邪魔になり又見栄えも良くない。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、開いた状態の扉自体に力を加えなくても扉を閉めることができる収納キャビネットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、前面に開閉自在の扉が枠体に取付けられた収納キャビネットであって、扉の背面に回動自在に取付けられ、扉の開閉時の回動中心となる軸体と、扉の背面であって軸体から所定距離離れた位置に、その一方端部が回動自在に取付けられた連動アームと、連動アームの他方端部にその一方端部が回動自在に取付けられ、その他方端部は枠体に軸を介して回動自在に取付けられた作動アームと、作動アームに接続され、扉が閉じた状態から所定量開いた状態までの移動に伴って連動アームを介して変化する作動アームの第1の位置から第2の位置にあっては、作動アームが第1の位置に移動するように付勢し、扉が所定量超えて開いた状態への移動に伴って連動アームを介して変化する作動アームの第3の位置にあっては、作動アームが第2の位置から離れる位置に移動するように付勢する付勢手段とを備えたものである。
【0009】
このように構成すると、作動アームの位置により扉の開閉が自動的に制御される。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、枠体に対して扉の方向に移動自在に取付けられたスライダーを更に備え、スライダーの一部は作動アームの第1の位置から第2の位置への移動に伴って扉の方向に移動するように作動アームに回動自在に接続され、スライダーの他の一部は軸体に対して回動自在に接続されるものである。
【0011】
このように構成すると、扉が開くように移動するにつれて、軸体の位置が扉側へ移動する。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、扉は下方から上方に持ち上げられるように開閉し、扉の下方に隣接して設けられた引出し板と、引出し板にその一方端が取付けられ、その他方端は連動アーム及び作動アームの少なくとも一方に接続され、引出し板の移動によって作動アームを少なくとも第1の位置から第3の位置へ移動することができるリンク機構とを更に備えたものである。
【0013】
このように構成すると、引出し板を移動させると扉が上下方向に開閉する。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、リンク機構は、枠体内にその一方端が回動自在に取付けられ、その他方端には連動アームと作動アームとを接続する軸が移動自在となるように係合する連結アームと、連結アームの中央部にその一方端が回動自在に接続され、その他方端が引出し板に接続される連結棒とからなるものである。
【0015】
このように構成すると、引出し板の移動が連結棒及び連結アームを介して連動アーム及び作動アームに伝達される。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、扉は下方から上方に持ち上げるように開閉し、枠体内には、一対の平行支持リンクを介して枠体の前下方に引出し自在に移動できる昇降棚が格納されており、昇降棚の前面上端部には前下方への移動に伴って扉の内面に接しながら回転する第1のローラーが設けられており、昇降棚の側壁には、昇降棚を前下方の位置から枠体への移動に伴って作動アームと係合し、作動アームを少なくとも第3の位置から第2の位置へ移動する第2のローラーが設けられているものである。
【0017】
このように構成すると、昇降棚の格納位置から前下方への移動に伴って第1ローラーは扉を押し上げ、又下方の位置から格納位置への移動に伴って扉を閉める方向に力が加わるものである。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、扉の下方には、開口が設けられ、開口を介して露出する昇降棚に接続する取手が設けられているものである。
【0019】
このように構成すると、取手を引くことによって昇降棚が引出されるとともに扉は上方向に開き出し、取手を戻すことによって昇降棚の格納とともに扉は閉まるように移動する。
【0020】
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明は、作動アームの位置を操作することによって扉の開閉が可能となるため使い勝手が良い。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、扉が開くにつれて軸体の位置が扉側へ移動するため、扉と枠体との緩衝を避けることができ、スムーズな扉の開閉が可能となる。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、引出し板を移動させると扉が開閉するため、扉が上方に開いた状態でも、下方に位置する引出し板を操作すれば扉を容易に閉めることが可能となる。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、引出し板の移動が連結棒及び連結アームを介して連動アーム及び作動アームに伝達されるため、引出し板の位置に関わらず扉を確実に作動させることが可能となる。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、昇降棚の使用時には扉が開き、昇降棚の格納時には扉が閉まるため使い勝手が良い。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、取手を操作することによって扉に触れることなく昇降棚を引出したり、格納したりすることができるため、より使い勝手が向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態による収納キャビネットの正面図であり、図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図であり、図3は図2で示したIII−IIIラインの断面図であり、図4は図2で示したIV−IVラインの断面図である。
【0028】
これらの図を参照して、収納キャビネット20は少なくとも前面が開放された直方体箱型形状の枠体22と、枠体22の開放面前面を覆い、下方から上方へ開閉自在に取付けられた扉23と、扉23の開閉動作を制御する一対の開閉機構24a,開閉機構24bとから構成されている。尚、開閉機構24a,開閉機構24bはそれぞれ枠体22の側壁の内方面に取付けられているが、これらは機構的には同一であるため、以下では開閉機構24aについてその構成及び動作について説明する。
【0029】
図2に示されているように、開閉機構24aは枠体22の側壁内面に固定されているベース27と、ベース27に係合し扉23の方向に移動自在な移動支持部30と、ベース27の一部と移動支持部30の一部とに係合する作動アーム36と、作動アーム36にその一方端が係合し、且つその他方端が扉23に接続された連動アーム48を中心として構成されている。
【0030】
ベース27は長方形平板を折曲げ加工して形成されており、その長手方向の中央部に対して長手方向の両端縁側が起き上がるように曲げ加工されている。ベース27の中央部の後端側は同一面内に伸びる突出部34が形成されており、その中央部において枠体22の側板42に固定されている。従って、ベース27の長手方向の両側縁は、図4に示されているように側板42から一定距離離れた位置に側板42の面と平行となるように配置されることになる。
【0031】
移動支持部30は長方形平板形状を中心として、図2に示されているようにその左上には前方突出部29が延長されており、その中央部の右方向には後方突出部33が延長されている。前方突出部29の先端側には軸体31が取付けられ、扉23に固定されている固定部材32が軸体31に対して回動自在となるように接続されている。一方、後方突出部33の先端にはローラー40が取付けられているが、これについては後述する。
【0032】
作動アーム36は細長い平板形状を有しており、その一方端にはほぼ三角形状の駆動部38が延長されており、駆動部38の頂角部分にはほぼL字状の長孔39が形成されている。又駆動部38の端部は、軸41を介して突出部34に対して回動自在に接続されている。更に駆動部38の底辺側には突起部43が形成されており、突起部43の端部には付勢手段となるガススプリング45の一方端部が回動自在に接続されている。尚、ガススプリング45の他方端部は側板42に固定されている固定軸46に対して回動自在に接続されている。
【0033】
連動アーム48は細長い板形状を有しており、その一方端部は作動アーム36の他方端部に対して軸49を介して回動自在に接続されている。連動アーム48の他方端部は扉23の背面側に固定されている固定部材51に対して軸50を介して回動自在に接続されている。尚、この実施の形態においては、連動アーム48は作動アーム36に対して側板42側に位置するように配置されている。
【0034】
移動支持部30の側板42側には、その4つのコーナー部の各々に回動自在のローラー35a〜ローラー35dが取付けられている。ローラー35a,ローラー35bの各々はベース27の上方側の端縁に係合し、ローラー35c,ローラー35dの各々はベース27の下方側の端縁に係合するように構成されている。従って、スライダー28はベース27に対して扉23の方向にスライド自在となる。又スライダー28の後方突出部33の先端に取付けられたローラー40は、作動アーム36の長孔39の面内を移動できるように長孔39に係合している。
【0035】
次に上記で示した開閉機構の動作について説明する。
【0036】
図5及び図6は上述の開閉機構の動作の変化状態を示した図である。
【0037】
これらの図を参照して、図5の(1)は天板26に対して扉23が完全に閉じられた状態における開閉機構の位置状態を示している。この状態は図2で示したものと同一であるが、ガススプリング45の軸41に対する位置関係が重要である。すなわち、図から明らかなように、ガススプリング45の軸方向の延長線は軸41の上方を通過するようになっている。ガススプリング45は常に軸44を押圧する状態になっているため、この状態では第1の位置にある作動アーム36に対して反時計方向周りの回転モーメントを付与することになる。このため作動アーム36に係合しているローラー40に対しても図において右方向に移動するように力を加えることになる。すなわちスライダー28に対しては右方向に力を加え、その結果軸体31を介して扉23に固定されている固定部材32に天板26の方向に力を伝達することになる。
【0038】
一方、作動アーム36は軸41を介して反時計方向周りに回転しようとするため、軸49を介して接続されている連動アーム48に対して右方向に力を加えることになる。その結果扉23に固定されている固定部材51に対して軸50を介して右方向への力を伝達することになる。このようにして扉23は固定部材32及び固定部材51を介して右方向に力が加えられることになり、天板26(枠体22)に対して閉じた状態が維持されることになる。
【0039】
図5の(2)は図5の(1)の状態から扉23が枠体22の開放面から所定量(開き角度θ)だけ開いた状態の第1の範囲にある場合が示されている。この第1の範囲にあっては作動アーム36は第2の位置に移動し、ガススプリング45の軸線の延長方向はまだ軸41の上方を通過しているため、扉23、作動アーム36及び連動アーム48等に加えた力を解放するとガススプリング45の付勢力によって扉23は天板26に対して閉じる方向に移動することになる。
【0040】
尚、扉23が開くことにより、連動アーム48が移動し、これに伴って作動アーム36は軸41に対して時計方向周りに移動することになる。その結果長孔39に係合しているローラー40の位置は扉23側にわずかに移動する。これによってスライダー28は扉23側に移動し、軸体31も同様に移動する。このため軸体31に接続する固定部材32の位置も図5の(1)に示された位置より外方側に移動する。これによって扉23が開いた時にその上方端部が天板26に緩衝せずにスムーズに開閉できることになる。
【0041】
図5の(3)は図5の(2)に示した状態から更に扉23の開き角度を大きくした状態の扉23が第2の範囲にある場合を示した図である。この第2の範囲になると、ガススプリング45の軸線方向は軸41の下方を通ることになる。このため、第3の位置に移動した作動アーム36は軸41に対して時計方向周りに回転するようにガススプリング45によって付勢されることになる。その結果スライダー28及び連動アーム48の各々は扉23側に更に移動しようとする。スライダー28の移動量は連動アーム48の移動量に比べて小さいため、扉23は軸体31を回転中心として更に開こうとすることになる。
【0042】
従ってこの状態になると扉23等に加えられている外力を解放すると、ガススプリング45の付勢力によって扉23は自動的に開く方向に移動することになる。
【0043】
図6の(1)及び(2)は扉23が更に開く途中の経過を示した図である。これらの図から分かるように、扉23の移動に伴ってスライダー28は更に扉23側に移動する。従って、扉23の上端部は天板26に緩衝することなくスムーズに移動できることになる。尚、図6の(2)の状態においては、長孔39に対するローラー40の位置関係からスライダー28が扉23側に最大に移動した状態となっている。又、これらの状態にあってもガススプリング45の軸線方向は、常に軸41の下方側を通るため、扉23に対して開く方向への力が継続的に伝達することが判明する。
【0044】
図6の(3)の状態は扉23が枠体22に対してほぼ完全に開いた状態を示した図である。この状態にあっては、ローラ40が作動アーム36の長孔39の端部まで移動することになり、そこで作動アーム36の時計方向周りの回転は停止する。そして、作動アーム36に接続されている連動アーム48によって、扉23は開いた状態が支持されることになる。
【0045】
次にこの開いた状態から扉23を閉じる動作について説明する。
【0046】
図6の(3)に示した状態から、扉23、作動アーム36及び連動アーム48のいずれかに扉23が閉じる方向に力を加える。すると開閉機構は上述とは逆の方向に移動することになる。そして図5の(3)に示されている状態までは外力を加えておく必要があるが、図5の(2)の状態となると、上述のようにガススプリング45の付勢力は扉23を閉じる方向に働くように変化するため、加えた外力を解放しても扉23は図5の(1)に示されている状態に移動し、この閉じた状態が維持されることになる。
【0047】
図7はこの発明の第2の実施の形態による収納キャビネットの外観形状を示した正面図であり、図8は図7で示したVIII−VIIIラインの断面図であって、扉を閉じた状態と扉をやや開いた状態とを示した図であり、図9は図8で示したIX−IXラインの拡大断面図であり、図10は図8に対応した図であって、扉を完全に開放した状態を示した断面図である。
【0048】
これらの図を参照して、収納キャビネット20は、対向する2面が開放された長方形箱型形状の枠体22の前面に下方から上方向に持ち上げられるように開閉される扉23が取付けられ、扉23の下方には取手55が取付けられた引出し板54が配置されている。枠体22の両側壁の内方面には開閉連動機構53a,開閉連動機構53bが取付けられている。尚、開閉連動機構53a,開閉連動機構53bの各々は基本的には同一構造であるため、以下では開閉連動機構53aについてのみ説明する。
【0049】
図8の(1)に示されているように扉23の背面の上方部に取付けられている開閉機構24aは先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。この実施の形態にあっては、開閉機構24aの下方部に連結棒57と連結アーム60とを中心としたリンク機構52が取付けられている。連結アーム60は細長い板形状を有しており、その一方端は枠体22の側板42に固定されている軸62に対して回動自在に接続され、その他方端部には長孔63が形成されている。長孔63は、作動アーム36と連動アーム48とを接続する軸49が長孔63の長手方向に移動自在となるように構成されている。
【0050】
一方、連結棒57は中空円柱形状を有し、その一方端は引出し板54の背面に固定されており、その他方端は連結アーム60の中央部に軸61を介して回動自在に接続されている。尚、連結棒57は、図9に示されているように支持具58を構成する管部材65の内部を挿通自在となるように配置されている。管部材65は、取付部材66を介して側板42に取付けられており、図8において支持具58が紙面を貫通する方向に対して回転自在となるように取付けられている。従って、連結棒57は常に支持具58によって支持されているものの、側板42の内方面に平行な面内において自在に移動することが可能となる。
【0051】
次に、この実施の形態による収納キャビネットの使用状態について以下説明する。
【0052】
図8の(1)に示されている扉23が閉じた状態から取手55を介して引出し板54を外方側に引出す。すると図8の(2)に示されているように、引出し板54の背面に接続されている連結棒57が外方に引出されるように移動して、軸61を介して連結アーム60を軸62を中心として反時計方向周りに回転させる。この連結アーム60の移動に伴って、長孔63に係合している軸49は長孔63に添って軸41を中心として時計方向周りに移動する。軸49の移動に伴って連動アーム48は、外方側に移動して扉23を開ける方向に移動させる。従ってこの状態における開閉機構24aは、先の第1の実施の形態における図5の(2)に示された状態となる。
【0053】
この状態から更に引出し板54を外方側に引出すとガススプリング45による付勢力が扉23を開ける方向に働き、その後作動アーム36は自動的に軸41を中心として時計方向周りに連続的に移動し、図10に示されているように連動アーム48を扉23を完全に開いた状態まで移動させる。この時作動アーム36及び連動アーム48に接続されている軸49は長孔63の先端側まで移動し、連結アーム60は軸62を中心として反時計方向周りの最大変位の位置まで移動する。軸61を介して連結アーム60に接続されている連結棒57は、連結アーム60の移動に伴って更に下方に移動する。この時支持具58は上述のように側板42の内方面に平行な面において回動自在に構成されているため、連結棒57を支持したままで連結棒57の支持具58内の挿通を妨げることがない。
【0054】
次に図10に示した状態から扉23を枠体22に対して閉じる動作について説明する。
【0055】
この状態から扉23を閉じるには枠体22の前下方に位置している取手55を介して引出し板54を後上方に押し込むように力を加える。すると引出し板54に接続されている連結棒57は、支持具58内を挿通して移動し、軸61を介して連結アーム60に軸62を中心として時計方向周りに回転するように力を加えることになる。連結アーム60の回転に伴って長孔63に係合している軸49は、軸41を中心として反時計方向周りに移動する。この移動に伴い連動アーム48も内方側に移動して扉23を閉じる方向に力を加えられることになる。
【0056】
そして図8の(2)に示されている位置まで引出し板54を押し込むと、その時点からはガススプリング45による押圧力が、扉23に対して閉じる方向に伝達されるように変化する。従ってこの状態からは取手55から手を離して外力を解放した状態にあっても、扉23は更に枠体22側に引き込まれ、引出し板54も同様に内方側に引き込まれるように移動して、図8の(1)に示された扉23が完全に閉じた状態に変化する。
【0057】
このようにこの実施の形態にあっては、収納キャビネット20を天井に近いような高い位置に設置した場合であっても、引出し板54は常に収納キャビネット20の下方側に位置することになる。従って図10に示すような位置に扉23が移動した場合であっても、取手55を操作することによって容易に扉23を閉じることが可能となり使い勝手が良い。又、開閉連動機構53a,開閉連動機構53bは、収納キャビネット20の両側の側板42の内方面に添わすように設置できるため、収納キャビネット20に対して収納物を収容する際邪魔にならず、スムーズな収納動作が可能となる。
【0058】
図11はこの発明の第3の実施の形態による収納キャビネットの外観形状を示した正面図であり、図12は図11で示したXII−XIIラインの断面図であり、図13は図11で示したXIII−XIIIラインの断面図である。
【0059】
これらの図を参照して、収納キャビネット20は前面が開放されたほぼ直方体箱型形状の枠体22と、枠体22の開放面の上方側に取付けられ、下から上へと持ち上げられるように開閉自在な扉23と、枠体22の開放面の下方側に設置され、観音開きとなっている両開き扉72によって外観形状が構成されている。又、枠体22の中央部であって両開き扉72の上端のレベルに水平方向に配置された棚76が取付けられている。
【0060】
枠体22内であって棚76の上方のスペースには、その両側壁を前支持リンク70a,後支持リンク71aの一対の平行支持リンクと前支持リンク70b,後支持リンク71bの一対の平行支持リンクとによって支持されて、前下方に引出し自在に移動することができる昇降棚68が格納されている。尚、これらの平行支持リンクの各々は、各々の回動軸が枠体22の側板42a,側板42bの内方面に取付けられた機構ボックス69a,機構ボックス69bの各々に挿通され、その引出し動作が制御されている。
【0061】
一方、枠体22の前面上方に取付けられている扉23の背面には先の第1の実施の形態で示した開閉機構と同一の開閉機構24a,開閉機構24bが側板42a,側板42bの各々の内方面に取付けられている。収納キャビネット20は左右対称に構成されていることから、以下の説明では、左側の側板42a側における構成及び動作についてのみ説明する。
【0062】
昇降棚68の下方部には突出し部が設けられ、その先端に取付けられた取手75が扉23と両開き扉72との間の開口73から外方に突出るように構成されている。昇降棚68の側壁の外方側にはローラー79が取付けられているが、ローラー79の側壁からの突出し程度は、開閉機構24aの作動アーム36には緩衝するが、連動アーム48には緩衝しない程度に設定されている。又、昇降棚68の前方側の上端部には外方側に突出た位置にローラー78が取付けられている。
【0063】
図14及び図15は図13の状態から昇降棚を引出した場合の変化を示した図である。
【0064】
これらの図を参照して昇降棚の引出し動作について以下説明する。
【0065】
扉23が閉じた状態から取手75を前方側に引くと、これに接続されている昇降棚68は前支持リンク70a,後支持リンク71bによってその側壁が支持された状態で前方側に移動する。すると昇降棚68の前面の上方に取付けられているローラー78が扉23の背面に当接して、扉23を開ける方向に力を加えることになる。
【0066】
更にこの状態から取手75を引くと、図14に示されているように昇降棚68のローラー78は扉23の背面に添いながら移動し、扉23を更に押し開けようとする。扉23が所定量開くと、上述のようにガススプリング45の押圧力によって作動アーム36及び連動アーム48が移動し、扉23は更に開くように移動する。
【0067】
この状態から更に昇降棚68を前下方に引出すと、図15に示された状態に変化する。すなわち、扉23はガススプリング45の押圧力によって完全に開いた状態まで移動し、そこで停止する。一方、昇降棚68は前支持リンク70a,前支持リンク70bによって支持された状態で更に前下方に引出され、前支持リンク70bの後端部がストッパー80に当接した状態でその移動が停止する。この移動において昇降棚68の側壁に取付けられているローラー79は、作動アーム36と連動アーム48との間の位置から連動アーム48の外側に移動するが、上述のようにローラー79の突出し高さが設定されているため、ローラー79が連動アーム48に接触する虞はない。
【0068】
次に図15の状態から昇降棚を収納する場合の動作について説明する。
【0069】
昇降棚68を収納する際には取手75を持って昇降棚68を持ち上げるように力を加える。このとき後支持リンク71aには機構ボックス69aに格納されている付勢力によって時計方向周りに付勢されているため、昇降棚68の持ち上げが容易となるように構成されている。昇降棚68の枠体22内への収納動作に伴い、昇降棚68の側壁に取付けられているローラー79も図15で一点鎖線で示されているような軌跡に従って移動する。
【0070】
上述のようにローラー79は連動アーム48に対しては緩衝しないが、作動アーム36に対して緩衝するようにその突出し高さが設定されている。従って昇降棚68の移動に伴ってローラー79は、作動アーム36の端縁に接することになる。この状態から昇降棚68を枠体22内に更に押し込むと、ローラー79を介して作動アーム36は反時計方向周りに移動することになる。この作動アーム36の移動に伴い、連動アーム48を介して扉23は枠体22に対して閉じる方向に移動を始める。
【0071】
そして作動アーム36が所定位置まで移動すると、上述のようにガススプリング45の押圧力によって扉23は自動的に閉まりだし、昇降棚68が枠体22内に完全に収納された状態にあっては、図13の状態となって完全に閉じた状態に戻ることになる。この実施の形態においても図15に示すように、扉23が完全に開放して上方の位置にある場合であっても、下方位置にある取手75を操作することによって扉23を容易に閉じることが可能となる。又、扉23の開閉は昇降棚68の使用に連動して行われるため、扉23の開閉には別途動作を必要とすることがないので、更に使い勝手が向上する。
【0072】
尚、上記の各実施の形態では、扉を下方から上方に開閉するように構成しているが、上方から下方に又は横方向に開閉するように構成しても良い。
【0073】
又、上記の各実施の形態では、開閉機構にガススプリングを用いているが、これに代えて押しバネや渦巻きバネを使用しても良く、又配置を変えて引張バネを使用するように構成しても良い。
【0074】
更に、上記の各実施の形態では、扉23を軸体31を介して開閉機構24に接続しているが、軸体31を用いずに枠体22にヒンジを介して直接接続するようにしても良い。
【0075】
更に、上記の各実施の形態では、開閉機構、開閉連動機構を両側に設けているが、これらは片側にのみ設けるように構成しても同様の効果を奏する。
【0076】
更に、上記の第2の実施の形態では、リンク機構52を構成する連結アーム60は軸49に係合しているが、連動アーム48又は作動アーム36のいずれかに係合するようにしても良い。
【0077】
更に、上記の第2の実施の形態では、引出し板54は外方に露出しているが、これを扉23内部に収納し、使用時には扉23を若干開いて引出し板54を引き出すように構成しても良い。
【0078】
更に、上記の第3の実施の形態では、昇降棚68の取手75は外方に露出しているが、取手75も扉23内部に収納して、使用時には扉23を若干開いた後、取手75を昇降棚68と共に引き出すようにすれば、収納キャビネットの前面がすっきりする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態による収納キャビネットの外観形状を示した正面図である。
【図2】図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【図3】図2で示したIII−IIIラインの断面図である。
【図4】図2で示したIV−IVラインの断面図である。
【図5】図2で示した開閉機構の動作の一部を示した図である。
【図6】図2に示した開閉機構の動作の他の一部を示す図であって、図5に続く変化を示した図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態による収納キャビネットの外観形状を示した正面図である。
【図8】図7で示したVIII−VIIIラインの断面図である。
【図9】図8で示したIX−IXラインの拡大断面図である。
【図10】図7で示したVIII−VIIIラインの断面図に対応した図であって、扉が完全に開いた状態を示した図である。
【図11】この発明の第3の実施の形態による収納キャビネットの概略形状を示した正面図である。
【図12】図11で示したXII−XIIラインの断面図である。
【図13】図11で示したXIII−XIIIラインの断面図である。
【図14】図11で示したXIII−XIIIラインの断面図に対応する図であって、扉が開く途中の状態を示した図である。
【図15】図11で示したXIII−XIIIラインの断面図に対応した図であって、扉が完全に開いた状態を示した図である。
【図16】従来の収納キャビネットの使用状態を示した側面図である。
【符号の説明】
20…収納キャビネット
22…枠体
23…扉
24…開閉機構
28…スライダー
31…軸体
36…作動アーム
40,78,79…ローラー
41,44,49,50…軸
42…側板
45…ガススプリング
48…連動アーム
52…リンク機構
53…開閉連動機構
54…引出し板
57…連結棒
60…連結アーム
68…昇降棚
70…前支持リンク
71…後支持リンク
73…開口
75…取手
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (6)
- 前面に開放自在の扉が枠体に取付けられた収納キャビネットであって、
前記扉の背面に回動自在に取付けられ、前記扉の開閉時の回動中心となる軸体と、
前記扉の背面であって前記軸体から所定距離離れた位置に、その一方端部が回動自在に取付けられた連動アームと、
前記連動アームの他方端部にその一方端部が回動自在に取付けられ、その他方端部は前記枠体に軸を介して回動自在に取付けられた作動アームと、
前記作動アームに接続され、前記扉が閉じた状態から所定量開いた状態までの移動に伴って前記連動アームを介して変化する前記作動アームの第1の位置から第2の位置にあっては、前記作動アームが前記第1の位置に移動するように付勢し、前記扉が前記所定量を超えて開いた状態への移動に伴って前記連動アームを介して変化する前記作動アームの第3の位置にあっては、前記作動アームが前記第2の位置から離れる位置に移動するように付勢する付勢手段とを備えた、収納キャビネット。 - 前記枠体に対して前記扉の方向に移動自在に取付けられたスライダーを更に備え、
前記スライダーの一部は、前記作動アームの前記第1の位置から前記第2の位置への移動に伴って前記扉の方向に移動するように前記作動アームに回動自在に接続され、
前記スライダーの他の一部は、前記軸体に回動自在に接続される、請求項1記載の収納キャビネット。 - 前記扉は下方から上方に持ち上げられるように開閉し、
前記扉の下方に隣接して設けられた引出し板と、
前記引出し板にその一方端が取付けられ、その他方端は前記連動アーム及び前記作動アームの少なくとも一方に接続され、前記引出し板の移動によって前記作動アームを少なくとも前記第1の位置から前記第3の位置まで移動させることができるリンク機構とを更に備えた、請求項1又は請求項2記載の収納キャビネット。 - 前記リンク機構は、
前記枠体内にその一方端が回動自在に取付けられ、その他方端には前記連動アームと前記作動アームとを接続する軸が移動自在となるように係合する連結アームと、
前記連結アームの中央部にその一方端が回動自在に接続され、その他方端が前記引出し板に接続される連結棒とからなる、請求項3記載の収納キャビネット。 - 前記扉は下方から上方に持ち上げられるように開閉し、
前記枠体内には、一対の平行支持リンクを介して前記枠体の前記下方に引出し自在に移動できる昇降棚が格納されており、
前記昇降棚の前面上端部には、前記前下方への移動に伴って前記扉の内面に接しながら回転する第1のローラーが設けられており、
前記昇降棚の側壁には、前記昇降棚を前記前下方の位置から前記枠体への移動に伴って前記作動アームと係合し、前記作動アームを少なくとも前記第3の位置から前記第2の位置へ移動させる第2のローラーが設けられている、請求項1又は請求項2記載の収納キャビネット。 - 前記扉の下方には開口が設けられ、
前記開口を介して露出する前記昇降棚に接続する取手が設けられている、請求項5記載の収納キャビネット。
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