JP2003079557A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭い厨房でも使い勝手が良く安全性の高い食
器洗浄機を提供する。 【解決手段】 食器洗浄機２０は、本体２０ａに天板２
１を備えると共に、洗浄対象となる食器４を載せたラッ
ク２６は、前面開口部２０ｂから出し入れされる。前面
開口部２０ｂを開閉するドアパネル２３は、上下方向に
スライドすることで該開口部２０ｂを開閉する。本体２
０ａにおけるドアパネル２３の背面側に、ラック２６を
導入する台となるラックガイド２５が回動可能に配設さ
れる。ラックガイド２５は、ドアパネル２３が開いたと
きに自重により自動的に傾倒して水平となる。またドア
パネル２３を閉めることで、ラックガイド２５は自動的
に立ち上がって本体内部に収納される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、食器洗浄機に関
し、更に詳細には、狭い厨房においても食器を載せたラ
ックの出し入れが容易な食器洗浄機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図１０〜図１３は、従来の各種食器洗浄
機を示す図である。図１０(ａ),(ｂ),(ｃ)に示す食器洗
浄機１は、天板２の上を平面とすることで、この天板２
を調理台として利用したり、物置台として利用可能にし
ている。そして、食器洗浄機１の回動式の開閉ドア３を
前扉として設け、この前扉３を手前下側に回動して開け
ることで、食器４を載せたラック５を前から出し入れす
るようになっている。

【０００３】図１１(ａ),(ｂ),(ｃ)に示す食器洗浄機６
は、天板部分にスライド式の開閉ドア７を取り付け、こ
のドア７を食器洗浄機６の背側に回動させて開けること
で、食器４を載せたラック５を上から出し入れするよう
になっている。

【０００４】図１２(ａ),(ｂ),(ｃ)に示す食器洗浄機８
は、上半分を回動式の開閉ドア９とし、図１１の食器洗
浄機６に比べて、ラック５を出し入れする位置を低くし
ている。

【０００５】図１３(ａ),(ｂ)に示す食器洗浄機１０
は、図１２に示す食器洗浄機８と同様の回動式の開閉ド
ア１１を設け、ラック５の出し入れを行なう構成となっ
ているが、更に、ラック５の出し入れを補助するための
エプロン(ラックガイド)１２を設けている。このラック
ガイド１２は、軸１２ａを中心に回動可能に設けられて
おり、不使用時にはバネ１３の引っ張り力によって食器
洗浄機１０の前面に密着収納され、使用時には手でラッ
クガイド１２を水平に倒すようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】図１０に示す食器洗浄
機１は、天板２が利用可能なため、狭い厨房に設置する
のに好適であるという利点がある。しかし、前扉３を開
けると、前扉３が狭い厨房の通路を塞いでしまい、通路
が狭いと、前扉３を完全に開くことができないという問
題がある。

【０００７】図１１に示す食器洗浄機６は、天板位置に
取り付けた回動式の開閉ドア７を開けてラック５を出し
入れする構造のため、通路が狭くても食器洗浄機６を使
用することができるという利点がある。しかし、狭い厨
房では、図１０に示すような天板２の利用価値が高い
が、図１１の食器洗浄機６では上に物を載せることがで
きないという不便は大きな問題となる。また、ラック５
を上から食器洗浄機６内に出し入れする構造は、作業性
が悪いという問題も指摘される。

【０００８】図１２に示す食器洗浄機８は、ラック５の
出し入れ箇所を図１１の食器洗浄機６より下げたため、
ラック５の出し入れ作業は楽になるという利点がある。
しかし、この食器洗浄機８も、天板を調理台などとして
利用することができないという不便がある。

【０００９】図１３に示す食器洗浄機１０は、天板を調
理台などとして利用できないという点は図１２の食器洗
浄機８と同じであるが、ラックガイド１２を取り付けて
あるため、多くの食器４を載せた重量のあるラック５の
出し入れ作業にラックガイド１２を利用でき、作業性に
優れるという利点がある。しかし、ラックガイド１２を
手動にて倒す必要があると共に、使用終了後にバネ１３
の引っ張り力によってラックガイド１２が元の位置る際
に、食器洗浄機１０の本体とラックガイド１２との間に
手を挟むおそれがあるという問題が指摘される。

【００１０】

【発明の目的】本発明は、従来の技術に係る食器洗浄機
に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決する
べく提案されたものであって、天板を利用することがで
き、しかも、狭い厨房でもラックの出し入れ作業が容易
で安全な食器洗浄機を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、所期
の目的を好適に達成するため、本発明に係る食器洗浄機
は、天板を備える本体に、洗浄対象となる食器を載せた
ラックを前面開口部から挿入する食器洗浄機において、
前記前面開口部を上方向または下方向にスライド可能に
開閉するドアパネルと、前記本体におけるドアパネルの
背面側に配置され、該ドアパネルが開いたときに前面開
口部から自動的に出てきて前記ラックを導入する台とな
るラックガイドとから構成したことを特徴とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係る食器洗浄機に
つき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら
以下説明する。

【００１３】図１(ａ)は、本発明の一実施例に係る食器
洗浄機２０の外観斜視図である。この食器洗浄機２０
は、矩形箱状の本体２０ａに天板２１を備え、また前面
パネルとして、上から、フロント上パネル２２と、ドア
パネル２３と、フロント下パネル２４とを備える。フロ
ント上パネル２２とフロント下パネル２４とは夫々位置
固定であるが、ドアパネル２３は、フロント下パネル２
４に沿って矢印Ａ方向にスライド可能に構成されてい
る。

【００１４】図１(ｂ)は、同図(ａ)に示す食器洗浄機２
０の内部の要部を模式的に示す図である。食器洗浄機２
０の内部には、ドアパネル２３の背面側(本体内部側)に
ラックガイド２５が併設されている。このラックガイド
２５は、図１(ｃ)に示すように、ドアパネル２３を下に
スライドさせたとき、前側に自動的に傾倒して前面開口
部２０ｂから外部に出て水平となり、ラック２６を載せ
ることが可能となる。図１(ｃ)に示すラック２７は、洗
浄済みの食器４を載せた予備ラックであり、本実施例の
食器洗浄機２０は、天板２１上が利用可能なため、天板
２１をラック置き場とすることができる。

【００１５】図２は、図１に示す食器洗浄機２０の前面
パネルの分解図である。フロント下パネル２４の両側壁
には、上下方向に延びる凹溝２４ａが夫々穿設されてい
る。また、中空状のドアパネル２３の両側壁の内側に
は、上下方向に延びる凸条２３ａが夫々突設されてい
る。このドアパネル２３の凸条２３ａは、図３に示すよ
うに、フロント下パネル２４の凹溝２４ａとスライド可
能に嵌合し、ドアパネル２３は、フロント下パネル２４
を覆い被さるようにして上下にスムーズに移動すること
が可能となっている。

【００１６】図２に示す前面パネルの分解図では、図示
を簡略するために、パネル以外の部材については省略し
ているが、ドアパネル２３を上方向にスライドさせて食
器洗浄機２０の前面開口部２０ｂを閉塞したときに、ド
アパネル２３をフロント上パネル２２に係止する機構が
必要となる。この係止機構を図４に図示する。

【００１７】図４(ａ)において、フロント上パネル２２
の側部には係止ボス３０が突設されている。また、ドア
パネル２３には、支持軸３１を中心に揺動可能な長手の
鉤部材３２が取り付けられており、鉤部材３２の一端側
に設けられている鉤３３が前記係止ボス３０に係合可能
となっている。この鉤３３は、コイルバネ３４の引っ張
り力によって係止ボス３０に係合する方向に付勢されて
いる。ドアパネル２３には、鉤部材３２の他端側を押圧
して鉤３３を係止ボス３０から離間させる押圧杆３５
と、その下部位置に取っ手３６とが取り付けられてい
る。

【００１８】すなわち、図４(ｂ)に示すように、前記取
っ手３６に手を掛け、親指で押圧杆３５を押すと、鉤部
材３２が支持軸３１を中心に回動し、鉤３３が係止ボス
３０から外れ、ドアパネル２３は、フロント上パネル２
２から離れ、下方向にスライド可能となる。

【００１９】前記ドアパネル２３をフロント上パネル２
２から外した状態(図４(ｂ)の状態)で、取っ手３６から
手を離してしまうと、ドアパネル２３は自重によって下
に急に落下してしまう。そこで、本実施例では、図５に
示すように、ドアパネル２３の上端部分とドアパネル２
３より若干軽い重り３７とを紐３８で結び、両者を滑車
３９で吊り下げる構成としている。これにより、ドアパ
ネル２３は、ゆっくりと下にスライドして開くようにな
る。

【００２０】図６は、図１(ｂ)に示すドアパネル２３お
よびラックガイド２５の動作を説明する図である。ドア
パネル２３が全閉状態(図４(ａ)の状態)のときには、ド
アパネル２３の背面側に、ラックガイド２５が立ち上が
った状態で本体２０ａ内に収納されている。このラック
ガイド２５は、枢軸４０を中心に回動可能になってお
り、先端部には小さなローラ４１が取り付けられてい
る。また、ドアパネル２３の先端部にもローラ４２が取
り付けられている。

【００２１】ここで、図４(ｂ)の状態、つまりドアパネ
ル２３がフロント上パネル２２に対して係合解除になる
と、ドアパネル２３は図６の矢印Ｂ方向に下動する。し
かし、ラックガイド２５は枢軸４０の両端が洗浄機本体
２０ａの両サイド内側に固定されているため下動せず、
先端部のローラ４１がドアパネル２３の背面に摺接して
回転するだけである。

【００２２】更にドアパネル２３が下動してドアパネル
２３の先端部がラックガイド２５の先端部より下位置に
至ると、ラックガイド２５の先端部はその自重により矢
印Ｃ方向に回転を始め、ラックガイド２５の底面がロー
ラ４２に乗り上げる状態となる。更に、ドアパネル２３
が下に移動してラックガイド２５が水平に傾倒した時点
でドアパネル２３は最下位置に達し、ラックガイド２５
は水平状態に維持される。この水平状態のラックガイド
２５は、枢軸４０とローラ４２とで支持され、食器が載
せられた重量のあるラック２６が載置されても十分耐え
られるようになっている。

【００２３】前記ドアパネル２３を閉める場合には、ド
アパネル２３に取り付けられている取っ手３６(図４)を
持って上に押し上げる。これにより、ドアパネル２３の
先端のローラ４２がラックガイド２５を枢軸４０を中心
に反時計方向に回転させるため、図６の説明と逆の順序
により、ラックガイド２５は自動的に立ち上げられてド
アパネル２３の背面に収納される。

【００２４】上述した実施例のドアパネル２３は、フロ
ント下パネル２４を内部に収納するようにして下側にス
ライドする形式のものを採用したが、ドアパネル２３の
スライド動作に連動してラックガイド２５を自動的に傾
倒しまた収納することができれば、本発明はこの形式に
限るものではない。

【００２５】例えば、図７(ａ)に示すように、ドアパネ
ル４５を両サイドの屈曲したレール４６に沿って同図
(ｂ),(ｃ)に示すようにスライドさせ、フロント下パネ
ル４７に重なるようにする形式のものでもよい。

【００２６】あるいは、図８(ａ),(ｂ),(ｃ)に示すよう
に、食器洗浄機５０にシャッター式のドアパネル５１を
採用し、ドアパネル５１を上側にスライドさせて開口す
ることで、ラックガイド５２を自動的に傾倒させ、この
ラックガイド５２上にラック２６を載せることができる
ようにすることでもよい。あるいは図９に示すように、
食器洗浄機５５に取り付けるシャッター式のドアパネル
５６を、下側にスライドさせて開口する形式として、こ
のスライド動作に連動してラックガイド５７を自動的に
傾倒，復帰させるものでもよい。

【００２７】

【実施例の作用】次に、実施例に係る食器洗浄機の作用
につき、以下に説明する。食器洗浄機２０では、図１
(ａ)に示すように、天板２１が設けられているため、こ
の天板２１を、調理台として利用したり、物置台として
利用可能なため、狭い厨房での作業性を向上させること
が可能となる。

【００２８】また、食器洗浄機２０を使用するために、
該洗浄機２０のドアパネル２３を開けても、このドアパ
ネル２３が狭い厨房の通路に突出することがないため、
他の作業の邪魔になることもない。更に、ドアパネル２
３を開けたとき、自動的にラックガイド２５が傾倒して
ラック２６を載せることができるため、重いラック２６
の出し入れ作業が容易となる。更にまた、ドアパネル２
３を閉める場合には、ドアパネル２３をスライドさせる
だけで、ラックガイド２５が食器洗浄機２０の内部に自
動的に収納されるため、ラックガイド２５に手を挟み込
む事故が発生しない。

【００２９】

【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る食器
洗浄機では、ドアパネルを上下にスライドして前面開口
部を開閉するよう構成したから、開放時にドアパネルが
狭い厨房の通路等に突出することはなく、スペースの有
効利用を図ることができる。しかも、ドアパネルのスラ
イド操作に連動してラックガイドが前面開口部から自動
的に出てくるよう構成したから、使い勝手に優れ、かつ
高い安全性が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１の実施例に係る食器洗浄機を示
す図である。

【図２】 図１に示す食器洗浄機の前面パネルの分解図
である。

【図３】 図２に示すフロント下パネルにドアパネルが
重なった状態を示す断面図である。

【図４】 図１に示す食器洗浄機のドアパネルとフロン
ト上パネルとの係合機構を示す説明図である。

【図５】 図１に示す食器洗浄機のドアパネルのスライ
ド移動をスムーズに行なう機構の模式図である。

【図６】 図１に示すドアパネルとラックガイドの動作
説明図である。

【図７】 本発明の第２の実施例に係る食器洗浄機のド
アパネルの説明図である。

【図８】 本発明の第３の実施例に係る食器洗浄機のシ
ャッター式ドアパネルの説明図である。

【図９】 本発明の第４の実施例に係る食器洗浄機のシ
ャッター式ドアパネルの説明図である。

【図１０】 第１の従来例に係る食器洗浄機の説明図で
ある。

【図１１】 第２の従来例に係る食器洗浄機の説明図で
ある。

【図１２】 第３の従来例に係る食器洗浄機の説明図で
ある。

【図１３】 第４の従来例に係る食器洗浄機の説明図で
ある。

【符号の説明】

２０ａ 本体，２０ｂ 前面開口部，２１ 天板，２３ ド
アパネル ２４ フロント下パネル，２５ ラックガイド，２６ ラ
ック，４０ 枢軸

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天板(21)を備える本体(20a)に、洗浄対
   象となる食器(4)を載せたラック(26)を前面開口部(20b)
   から挿入する食器洗浄機において、 前記前面開口部(20b)を上方向または下方向にスライド
   可能に開閉するドアパネル(23)と、 前記本体(20a)におけるドアパネル(23)の背面側に配置
   され、該ドアパネル(23)が開いたときに前面開口部(20
   b)から自動的に出てきて前記ラック(26)を導入する台と
   なるラックガイド(25)とから構成したことを特徴とする
   食器洗浄機。
2. 【請求項２】 前記ラックガイド(25)は、枢軸(40)を中
   心に回動可能に配設されており、前記ドアパネル(23)が
   開いたときには前記枢軸(40)を中心に自重により自動的
   に傾倒して、前記前面開口部(20b)から出てくることを
   特徴とする請求項１記載の食器洗浄機。
3. 【請求項３】 前記ドアパネル(23)は、該ドアパネル(2
   3)の下に位置するフロント下パネル(24)に沿って下側に
   スライドすることで前記前面開口部(20b)を開くことを
   特徴とする請求項１または２記載の食器洗浄機。
4. 【請求項４】 前記ドアパネル(23)は、前記フロント下
   パネル(23)に沿って上側にスライドして前記前面開口部
   (20b)を閉める際に、前記ラックガイド(25)を前記枢軸
   (40)を中心に回動して立ち上げることを特徴とする請求
   項３記載の食器洗浄機。