JP3711800B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインバータで駆動される回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導電動機や発電機などの高電圧回転電機の固定子コイルにおいて、その絶縁層を形成する方式には、固定子コイル単体で樹脂含浸する方法と、未含浸状態の固定子コイルをスロットに収納し、さらにコイル相互の電気的接続を行った後樹脂含浸を行う一体注入方式とに大別される。ことに、全含浸方式の固定子コイルは固定子コイルと鉄心スロットとの隙間が含浸樹脂の硬化物により充填され、鉄心とコイルとが一体化されてコイル−鉄心間の熱伝導率が高く、冷却性能に優れるとともに、樹脂含浸,加熱硬化過程を簡素化できる利点があり、幅広く適用されている。
【0003】
従来は例えば特開平10−257707号にあるように、表面コロナ防止層を1箇所で鉄心と電気的に接続する方法を用いる等、電位をコロナ放電開始電圧以下にする対策が実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような表面コロナ防止層にはコイル主絶縁層が形成する静電容量を充電する電流が流れる。この充電電流は絶縁層の静電容量,印加電圧の電圧及び周波数に比例して増大する。従来の商用周波数の交流電圧で運転されている場合は、この電流値は、全コイルでも高々数十mA程度であり、何ら問題はなかった。しかし、インバータで駆動されるような回転電機では、この電圧に含まれる高い周波数成分のためにこの充電電流がピークで数十Aときわめて大きくなることがある。
【0005】
樹脂が含浸されて表面コロナ防止層と鉄心との接触部分で接触抵抗の大きな部分が生じると、その部分での損失が大きくなり温度が上昇することになる。そして、ついには焼損に至る課題がある。
【0006】
本発明の目的は、インバータで駆動される回転電機で安定な表面コロナ防止層を持つものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表面コロナ防止層と鉄心との接触部の損失をその部分の焼損レベル以下にした回転電機を提供するものである。本発明の一態様によれば、樹脂含浸前に表面コロナ表面防止層と鉄心とを接着、又は密着させる手段,表面コロナ防止層の抵抗率を低くする手段,表面コロナ防止層に高誘電率の半導電性粒子を添加した手段及びこれらを組み合わせた手段を組み合わせたものである。
【0008】
本発明者らの実験結果によると、カーボン粒子とエポキシ樹脂を主体とする表面コロナ防止層では、その抵抗率の如何にかかわらず、接触部の周辺の長さ1mm当たりの損失が1W以下であれば焼損しないことが確認された。この条件は、表面コロナ防止層の抵抗率が5kΩ以下の場合、少なくとも40mmの範囲内に、抵抗率が1kΩ以下の場合には60mmの範囲内に良好な接触部を1点以上確保しておけば満たされることがわかった。従って、この条件を満たすよう、樹脂含浸前にコロナ表面防止層と鉄心とを接着、又は密着させると、その後の樹脂含浸により、接着及び密着部以外の部分で接触抵抗が増大しても、その接触抵抗が増大した接触部へ流れ込む電流は低い値に維持できるので、この部分の損失は焼損しないレベルに抑制できる。表面コロナ防止層の抵抗を低くすると、同じ接触面積でも接触抵抗を小さくすることができるので、損失を小さくできる効果がある。また、表面コロナ防止層に炭化珪素,酸化亜鉛あるいは酸化チタン等の高誘電率の粒子を添加すると、半導電性コロナ防止層を静電容量的な結合によりコイル充電電流が分流される。従って、損失を発生する表面コロナ防止層の抵抗分を介する電流を低減でき、良好な接触部の必要な範囲を広げることができる効果がある。なお、本発明は、以下の記載により更に説明される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を示す。
【0010】
比較例
まず、本発明の比較例を図6〜図9を用いて説明する。
【0011】
図6は一体注入含浸方式による比較例の高圧回転機の固定子コイルの様子を示す断面図である。図6において、固定子コイル20はその直方体状のコイル辺部分(スロット部とよぶ)を固定子鉄心40に放射状かつ回転軸方向へ伸びるように形成されたスロット602に挿入するに先立ち、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を用いたコイル導体1の上にガラス基材集成マイカ,フィルム基材集成マイカなどのマイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層の基材層を形成し、さらにその外周に半導電性ガラステープ,半導電性フイルムテープ、あるいは半導電性不織布テープなどの半導電性テープを所定の厚みで巻き回した表面コロナ防止層3の基材層を形成する。このように形成された未含浸状態の固定子コイルは上下二条をコイル間にコイル間絶縁材を介在させてスロット602に収納し、スロット602の開口部をくさび下絶縁材11を介してくさび41でふさぎ、コイルを固定子鉄心40に固定し、コイル相互の電気的接続を行った後、全含浸方式による樹脂含浸処理が行われる。
【0012】
樹脂含浸処理は固定子コイル20を巻いた固定子鉄心40を真空含浸槽に収納して真空乾燥し、その後所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸し、さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸し、しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化する。この方法により、ボイドレスに含浸された主絶縁層2を有する固定子コイル20が形成され、鉄心40との隙間に含浸された含浸樹脂層の硬化物によりスロット602の内壁面に結合され、固定子鉄心40と固定子コイル20が一体化した高電圧回転電機の固定子巻き線が形成される。しかし、主絶縁層の外側に形成された表面コロナ防止層3と鉄心
40間に樹脂が含浸されて両者の電気的接触が不良になると、表面コロナ防止層3の電位が高くなり、コロナ放電が発生する。
【0013】
表面コロナ防止層3のコイルの引出し部側にはエンドコロナ防止層50がある。
【0014】
このような表面コロナ防止層3にはコイル主絶縁層2が形成する静電容量を充電する電流が流れる。この充電電流は絶縁層の静電容量,印加電圧の電圧及び周波数に比例して増大する。従来の商用周波数の交流電圧で運転されている場合は、この電流値は、全コイルでも高々数十mA程度であり、何ら問題はなかった。しかし、インバータで駆動されるような回転電機では、この電圧に含まれる高い周波数成分のためにこの充電電流がピークで数十Aときわめて大きくなることがある。このような大電流は表面コロナ防止層3を通して固定子鉄心40に流れることになるが、特に表面コロナ防止層3と固定子鉄心40との接触部では電流密度が高くなり、過熱して表面コロナ防止層3が焼損するという問題が発生した。従って、表面コロナ防止層3およびその固定子鉄心40との接触部の通電性の評価が重要となるが、従来このような課題があることは不明であったため、検討は行われていなかった。単に通電性を評価するには、接触部を模擬したモデルを作り、表面コロナ防止層から固定子鉄心に所要の電流を通電し、接触部分の面積を考慮して単位表面積当たりの許容充電電流が決定する方法で行われるのが一般的である。しかし、このような方法では等価回路的に考えると、接触部に形成される接触抵抗が、並列に接続された回路の通電特性を評価することになる。この場合、通電電流は接触抵抗の逆数に比例して分布する。接触の良いところがあれば、その部分での電流が大きくなり、全体の通電性はこの特性で評価されることになる。このような評価方法の問題点は以下のところにある。すなわち、接触抵抗は、半導電性及び表面コロナ防止層の表面抵抗率をRとして、固定子鉄心との接触部が半径aの円形状になっているとモデル化して考えると、R・(2πa)に比例した値となる。従って、例えば10mmの間隙をおいて半径a1,a2で接触し、a1,a2の比が100:1とした場合を考えると、接触抵抗の比は1:
100、接触点を流れる電流の比は100:1となり、接触部の半径の大きなa1部に大きな電流が流れる。接触部の損失は電流の2乗と接触抵抗の逆数の積に比例するので、両接触点での損失の比は100:1となる。すなわち、a1部分での損失が大きくなる。例えばa1部分の接触長さは2πa1で表され、a1に比例する。従って、接触部の単位長さ当たりの損失、すなわち損失密度の比を比較すると1:1となる。これらをまとめると、表1のようになる。すなわち、各接触部の損失密度は接触抵抗の差によらず同じであり、特にどの部分の損失密度が大きくなると言うことはない。
【0015】
【表1】
【0016】
ところが、表面コロナ防止層に流れる電流の分布を詳細に検討した結果、このような方法では表面コロナ防止層の通電性を評価できないことがわかった。図7のように、固定子鉄心40との接触部60が半径aの円板状の絶縁層について考えると、絶縁層の静電容量を充電する電流により表面コロナ防止層3の電位は
【0017】
で表される。
【0018】
これを図示すると図8のようになり、接触部から離れるに従い表面コロナ防止層3の電位が高くなる。それぞれの接触部60の半径がa1,a2で接触抵抗が異なる隣接した接触部がある場合、それぞれの接触部近傍の絶縁層の充電電流はそれぞれの接触部に流れる。そして、その分岐は図9のように表面コロナ防止層3の電位が同じになる位置と考えられる。上述と同様10mm離れている接触部分で、a1,a2の比を100:1の場合を例として解析すると、通電電流の比は3.7:1となった。接触抵抗の逆数には比例しないため、損失の比は1:7.2と接触部の半径が小さな部分の方が大きくなる。接触部の長さは接触抵抗の大きい部分の方が小さいので、接触部の単位長さ当たりの損失密度に至っては1:724になることがわかった。これらを纏めると表2のようになる。すなわち、接触部の半径が小さな部分での損失が相対的に大きくなり、半径が小さくなるほど、すなわち接触抵抗が大きくなるほどこれが大きくなると言える。これは接触部近傍の絶縁層が形成する静電容量を充電する電流は接触抵抗の大きさによらずその接触部分に流れ込むため、接触部の面積が小さい部分では接触抵抗が大きいだけ損失が大きくなるということである。従って、樹脂が含浸されて表面コロナ防止層3と鉄心40との接触部分で接触抵抗の大きな部分が生じると、その部分での損失が大きくなり温度が上昇することになる。そして、ついには焼損に至ることになる。
【0019】
【表2】
【0020】
本発明は、表面コロナ防止層と鉄心との接触部の損失をその部分の焼損レベル以下にした回転電機を提供するものである。
【0021】
実施の形態1
図1は本発明の一実施形態を示す。図1において、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を用いたコイル導体1の表面上にガラスとフィルムとを基材とする集成マイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層の基材層を形成し、さらにその周囲にプリプレグ状の半導電性テープを2回巻き回し表面コロナ防止層3とした。この半導電性テープには、ガラス基材にカーボンを混入したプリプレグ状のエポキシ樹脂を用いた。この樹脂はエポキシに限らず、ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂でも可能である。また基材にはポリエステル等のフイルムテープ、あるいはポリアミド等の不織布テープなども適用できる。このように形成された未含浸状態の固定子コイル(白コイルとも称す。)は上下二条をコイル間に半導電性積層板4を介在させてスロットに収納し、スロットの開口部をくさび下絶縁材11を介してくさび41でふさぎ白コイルを固定子鉄心40に固定した。そして、コイル相互の電気的接続を行った後、含浸前の加熱乾燥処理を実施した。この加熱時に半導電性のプリプレグ状エポキシ樹脂を軟化させ、固定子鉄心40との間隙を充填する状態で硬化せしめ、良好な電気的接続状態を得た。その後固定子コイルを巻き線した後の固定子鉄心を真空含浸槽に収納して真空乾燥の後、所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸した。さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸し、しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化した。以上の手順でボイドレスに含浸された主絶縁層からなるコイル絶縁層2を有する固定子コイル20が形成される。同時に表面コロナ防止層3と鉄心40との接触部分は樹脂含浸前に接着しているのでこの部分に樹脂が含浸されることはなく、樹脂含浸により接触抵抗が大きくなることはない。
【0022】
実施の形態2
図2は本発明の他の実施形態を示す。図2において、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を有するコイル導体1の表面上にガラスとフィルムとを基材とする集成マイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層の基材層を形成し、さらにその周囲にゴム弾性を有する半導電性テープ状材料を1回巻き回し表面コロナ防止層3とした。この半導電性テープは、ガラス基材の上にカーボン粉を練り込んだシリコーンゴムを塗布して形成したものである。このゴムにはシリコーンに限らずアクリル,エチレンプロピレンエラストマ等にカーボン粒子,カーボン繊維,鉄などの金属粒子及びその混合物を練り込で形成したものも適用できる。このように形成された未含浸状態の固定子コイルは上下二条をコイル間に半導電性積層板4を介在させてスロットに収納しスロットの開口部をくさび下絶縁材11を介してくさび41でふさぎ白コイルを固定子鉄心40に固定した。コイル相互の電気的接続を行った後、含浸前の加熱乾燥処理を実施した。その後固定子コイルを巻いた後の固定子鉄心を真空含浸槽に収納して真空乾燥の後、所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸し、さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸した。しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化することにより、ボイドレスに含浸された主絶縁層を有するコイル絶縁層2を有する固定子コイル20が形成される。表面コロナ防止層3はゴムの弾性力により固定子鉄心40に密着しているので、樹脂含浸によりこの部分の接触抵抗が大きくなることはない。一方、固定子コイル20の温度が上昇し熱膨張して固定子コイル20と固定子鉄心40との間に熱応力が働いた場合、熱応力が小さいうちは、このゴム状弾性体の変形で吸収される。更に熱応力が大きくなった場合、このゴム状弾性体の内部で切断される。ゴム状弾性体でない場合や半導電性表面コロナ防止層以外の部分で切断された場合、切断面の近傍は絶縁性の皮膜がついているので、切断部が少し変位してもこの部分の電気的な接触が損なわれる。しかし本案によれば切断面に半導電性のゴム状弾性体の部分が露出しているので、熱膨張により、表面コロナ防止層3と固定子鉄心40との接触位置が相対的に変位しても、新しい接触位置で電気的な接触が維持されるので、運転条件の内容にかかわらず接触密度を大きく保つことができる。
実施の形態3
図3は他の実施形態を示す。図3において、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を有するコイル導体1の表面上にガラスとフィルムとを基材とする集成マイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層を有するコイル絶縁層2の基材層を形成し、さらにその周囲に半導電性テープを所定の厚みで巻き回した表面コロナ防止層3の基材層を形成する。この半導電性テープには、ガラス基材にカーボンを混入したエポキシ樹脂を用いた。この樹脂にはエポキシに限らず、ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂でも可能である。また、基材にはポリエステル等のフイルムテープ、あるいはポリアミド等の不織布テープなどが適用できる。このように形成された未含浸状態の固定子コイルを半導電性積層板4を介してスロット602に収納した。この挿入後かかる半導電性テープと鉄心間との間にカーボン粉を混入した半導電性の熱硬化性樹脂を流し込んだ。その後スロット内に収納したスロットの開口部をくさび下絶縁材11を介してくさび41でふさぎ白コイルを固定子鉄心に固定し、コイル相互の電気的接続を行った後、加熱乾燥処理を行い、半導電性テープと鉄心間の半導電性熱硬化性樹脂を硬化せしめ、この部分で良好な電気的接触状態を得た。その後固定子コイルを巻いた後の固定子鉄心を真空含浸槽に収納して真空乾燥の後、所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸し、さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸した。しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化することにより、ボイドレスに含浸された主絶縁層2を有する固定子コイル20が形成される。表面コロナ防止層3は樹脂含浸前に半導電性の熱硬化樹脂を有する半導電性樹脂5で固定子鉄心40に接着しているので、この樹脂部分に樹脂が含浸されることはない。また、半導電性熱硬化樹脂層がない部分では、コイル20は鉄心40との隙間に含浸された含浸樹脂の硬化物によりスロットの内壁面に結合され、固定子鉄心40と固定子コイル20が一体化した高電圧回転電機の固定子巻き線が形成できた。
【0023】
なおこの実施例において、半導電性の熱硬化性樹脂を流し込むかわりに、コイル表面半導電性テープと鉄心間にU字型または、短冊状のプリプレグ状半導電性シートを挿入し、硬化せしめた場合にも同様の効果が得られた。このプリプレグ状半導電性シートはガラス,ポリエステル等のフイルムテープ、あるいはポリアミド等の不織布テープ基材にカーボンを混入したプリプレグ状のエポキシ樹脂を塗布したものを用いた。またこの樹脂はエポキシに限らず、ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂も適用できる。
【0024】
実施の形態4
図4は他の実施形態を示す。図4において、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を有するコイル導体1の表面上にガラスとフィルムとを基材とする集成マイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層を有するコイル絶縁層2の基材層を形成した。さらにその周囲に半導電性テープを所定の厚みで巻き回した表面コロナ防止層3の基材層形成する。この半導電性テープには、ガラス基材にカーボンを混入したエポキシ樹脂を用いた。この樹脂にはエポキシに限らず、ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂でも可能である。また、基材にはポリエステル等のフイルムテープ、あるいはポリアミド等の不織布テープなどが適用できる。このように形成された未含浸状態の固定子コイルは半導電性の弾性を有する波板状半導電性積層板6とともにスロット602に挿入した。また、同時に上下二条をコイル間には半導電性積層板4を介在させてスロットに収納し、スロットの開口部をくさび下絶縁材11を介してくさび41でふさぎ白コイルを固定子鉄心40に固定した。コイル相互の電気的接続を行った後、含浸前の加熱乾燥処理を実施した。その後固定子コイルを巻いた固定子鉄心を真空含浸槽に収納して真空乾燥の後、所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸し、さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸した。しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化することにより、ボイドレスに含浸された主絶縁層2を有する固定子コイル20が形成される。樹脂含浸された後も表面コロナ防止層3や固定子鉄心40と弾性のある波板状半導電性積層板6の接触部では、良好な電気的接触状態が保たれる。コイル20は鉄心40との隙間に含浸された含浸樹脂の硬化物によりスロットの内壁面に結合され、固定子鉄心40と固定子コイル20が一体化した高電圧回転電機の固定子巻き線が形成できた。
【0025】
更にまた、弾性を有する波板状半導電性6積層板のコイル側面に半導電性の積層板を配置すれば、弾性による応力集中を防止でき対地主絶縁の基材層への樹脂含浸性が向上する。
【0026】
実施形態5
図5は本発明の他の実施形態を示す。図5において、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を有するコイル導体1の表面上にガラスとフィルムとを基材とする集成マイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層を有するコイル絶縁層2の基材層を形成し、さらにその周囲にカーボン粒子と炭化珪素を含むエポキシ樹脂と基材からなる半導電性テープ状材料を1回巻き回し、表面コロナ防止層8の基材とした。この半導電性テープの樹脂はエポキシに限らず、ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂でも可能である。また基材にはポリエステル等のフイルムテープ、あるいはポリアミド等の不織布テープなども適用できる。また炭化珪素にかわり、酸化亜鉛あるいは酸化チタン等の高誘電率の粒子も適用できる。このように形成された未含浸状態の固定子コイルは上下二条をコイル間に半導電性積層板4を介在させてスロットに収納し、スロットの開口部をくさび下絶縁材11を介してくさびでふさぎ白コイルを固定子鉄心40に固定した。コイル相互の電気的接続を行った後、含浸前の加熱乾燥処理を実施した。その後固定子コイルを巻いた後の固定子鉄心を真空含浸槽に収納して真空乾燥の後、所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸し、さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸した。しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化することにより、ボイドレスに含浸された主絶縁層2を有する固定子コイル20が形成される。表面コロナ防止層となる高誘電率粒子含有半導電性ライナ8を流れる電流は高誘電率の粒子が形成する静電容量分を通しても流れるので、抵抗分を通して流れる電流を低減でき、表面コロナ防止層となる高誘導電率粒子含有導電性ライナ8と鉄心40との接触部の損失を低減できる。
【0027】
実施形態6
図10は本発明の他の実施形態を示す。図10において、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を有するコイル導体1の表面上にガラスとフィルムとを基材とする集成マイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層を有するコイル絶縁層2の基材層を形成し、さらにその周囲にカーボン粒子を含むエポキシ樹脂と基材からなる半導電性テープ状材料を1回巻き回し表面コロナ防止層3の基材とした。この半導電性テープの樹脂はエポキシに限らず、ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂でも可能である。また基材にはポリエステル等のフイルムテープ、あるいはポリアミド等の不織布テープなども適用できる。このように形成された未含浸状態の固定子コイルを表面突起無しの半導電性ライナ9を介して上下二条をコイル間に半導電性積層板4を介在させてスロットに収納しスロットの開口部をくさび下絶縁材11を介してくさびでふさぎ白コイルを固定子鉄心40に固定した。半導電性のライナは、少なくともカーボン粒子をエポキシ,ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂に充填した半導電性樹脂を、適度の間隔でパンチングにより穴をあけたポリエステルやポリアミド等のフイルムや不織布に塗布したもの、あるいは繊維状のカーボン繊維をポリエステルやポリアミドの繊維と混梳した不織布に少なくともカーボン粒子をエポキシ,ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂に充填した半導電性樹脂を塗布したもので、表面及び貫層方向の抵抗値を所要値以下とした材料である。また、同時に表面の突起がない材料で、コイル鉄心間の隙間を少なくしたコイルをスロット内に挿入することを可能ならしめている。コイル相互の電気的接続を行った後、含浸前の加熱乾燥処理を実施した。その後固定子コイルを巻いた後の固定子鉄心を真空含浸槽に収納して真空乾燥の後、所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸し、さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸した。しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化することにより、ボイドレスに含浸された主絶縁層2を有する固定子コイル20が形成される。突起のないライナを介してコイルと鉄心間の隙間の小さなコイルをスロット内に挿入できるので、コイル最外層の表面コロナ防止層3は表面突起無し半導電性ライナ9を介して樹脂含浸前に鉄心に密着しているので、この部分に樹脂が含浸されることはなく、樹脂含浸により接触抵抗が大きくなることはない。また、この半導電性のライナをクレープ状に凹凸を多くした場合、多くの突部分で半導電性ライナと鉄心とを接触させることができる。表面突起無し半導電性ライナ9は表面全体が半導電性であるため、接触位置により電流が偏ることはない。また、使用時に回転電機の温度が上昇して、スロット幅が大きくなった場合には、相対的に接着強度の低いマイカ主絶縁層内のフイルムとの界面が剥離されるため、この表面コロナ防止層3と固定子鉄心40との電気的接触部が剥離することはない。
【0028】
実施形態7
図11は本発明の他の実施形態を示す。図11において、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を有するコイル導体1の表面上にガラスとフィルムとを基材とする集成マイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層を有するコイル絶縁層2の基材層を形成し、さらにその周囲にカーボン粒子を含むエポキシ樹脂と基材からなる半導電性テープ状材料を1回巻き回し、表面コロナ防止層3の基板層とした。この半導電性テープの樹脂はエポキシに限らず、ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂でも可能である。また基材にはポリエステル等のフイルムテープ、あるいはポリアミド等の不織布テープなども適用できる。このように形成された未含浸状態の固定子コイルを半導電性のライナを有する離型性半導電性ライナ10を介して上下二条をコイル間に半導電性積層板4を介在させてスロットに収納しスロットの開口部をくさび下絶縁材11を介してくさびでふさぎ白コイルを固定子鉄心40に固定した。半導電性のライナは、少なくともカーボン粒子をエポキシ,ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂に充填した半導電性樹脂を、適度の間隔でパンチングにより穴をあけたポリエステルやポリアミド等のフイルムや不織布に塗布したもの、あるいは繊維状のカーボン繊維をポリエステルやポリアミドの繊維と混梳した不織布に少なくともカーボン粒子をエポキシ,ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂に充填した半導電性樹脂を塗布したもので、表面及び貫層方向の抵抗値を所要値以下とした材料である。また、同時に表面の突起がない材料で、コイル鉄心間の隙間を少なくしたコイルをスロット内に挿入することを可能ならしめている。更に、この半導電性のライナ10はそのコイル側の表面でかつスロットの鉄心端近傍に位置する表面に離型性の半導電性樹脂15を塗布した。離型性の半導電性樹脂はシリコーン又はフッ素樹脂にカーボン粒子等の半導電性粒子を充填したものである。コイル相互の電気的接続を行った後、含浸前の加熱乾燥処理を実施した。その後固定子コイルを巻いた後の固定子鉄心を真空含浸槽に収納して真空乾燥の後、所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸し、さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸した。しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化することにより、ボイドレスに含浸された主絶縁層2を有する固定子コイル20が形成される。突起のないライナを介してコイルと鉄心間の隙間の小さなコイルをスロット内に挿入できるので、コイル最外層の表面コロナ防止層3は離型性半導電性ライナ10を介して樹脂含浸前に鉄心に密着しているので、この部分に樹脂が含浸されることはなく、樹脂含浸により接触抵抗が大きくなることはない。離型性半導電性ライナ10は表面全体が半導電性であるため、接触位置により電流が偏ることはない。また、使用時に回転電機の温度が上昇して、スロット幅が大きくなった場合には、相対的に接着強度の低いマイカ主絶縁層内のフイルムとの界面が剥離されるため、この表面コロナ防止層3と鉄心40との電気的接触部が剥離することはない。更に、固定子コイルが鉄心より膨張した場合、大きなせん断力が働く鉄心端の部分では離型性の半導電樹脂部15で切断されるが、切断面が半導電性であるので、電気的接触が保たれ、接触抵抗が大きくなることはない。
【0029】
実施形態8
図12に本発明になる他の実施例を示す。半導体スイッチング素子を用いた回路にて発生した低周波交流電圧が回転子コイルに印加される可変速発電機の固定子に適用したものである。固定子コイルは単体に対地主絶縁層12等を形成した。コイル導体1の外周に存在する対地絶縁層2は、マイカを主体とする樹脂含浸層である。この外周には半導電性の表面コロナ防止層3を配置している。このコイル表面コロナ防止層3はガラステープ基材またはポリアミド不織布にカーボン粒子又はカーボン粒子とカーボン繊維混合物をコーティングした構成になる半導電性テープで形成した。下コイルの底面とスロット壁間及び上下コイル間に半導電性積層板4を配置し、スロットに上下二条に納めた。この半導電性積層板4の抵抗率は8kΩである。スロットにコイルを挿入したのち、片側のスロット壁とコイルとの間隙に半導電性の樹脂16を塗布した半導電性の積層板12を挿入した。この積層板12の抵抗率は8kΩ、半導電性樹脂16の抵抗率は5kΩであった。反対側のスロット壁とコイルとの間隙には波板状の半導電性弾性積層板13を挿入した。この半導電性弾性積層板13の弾性率は3kg/cm2 、抵抗率は8kΩである。更に、くさびと上コイルとの間にくさび側より波板状の絶縁性弾性積層板14,くさび下絶縁性積層板11を配置したのち、くさび41を打ち込んだ。その後コイルエンド部を接続した。
【0030】
実施の形態9
図13に本発明になる他の実施例を示す。半導体スイッチング素子を用いた回路にて発生した低周波交流電圧が回転子コイルに印加される可変速発電機の固定子に適用したものである。固定子コイルは導体コイル1の単体の外周に対地主絶縁層2等を形成した。対地絶縁層2は、マイカを主体とする樹脂含浸層である。この外周には半導電性の表面コロナ防止層3を配置している。このコイルの表面コロナ防止層3を毛羽たてたガラステープ基材にカーボン粒子又はカーボン粒子とカーボン繊維混合物をコーティングした構成になる半導電性テープで形成した。下コイルの底面とスロット602の壁間及び上下コイル間に半導電性積層板4を配置し、スロットに上下二条に納めた。この半導電性積層板4の抵抗率は8kΩである。スロットにコイルを挿入したのち、片側のスロット壁とコイルとの間隙には波板状半導電性弾性積層板13を挿入した。この半導電性弾性積層板13の弾性率は3kg/cm2 、抵抗率は8kΩである。更に、くさびと上コイルとの間にくさび41側より波板状の絶縁性弾性積層板14,くさび下絶縁性積層板11を配置したのち、くさび41を打ち込んだ。その後コイルエンド部を接続した。
【0031】
実施形態10
図14は本発明の他の実施形態を示す。図14において、絶縁被覆された素線を複数回巻き回するかレーベル転移した整列導体を有するコイル導体1の表面上にガラスとフィルムとを基材とする集成マイカテープを所定回数巻き回した対地主絶縁層を有するコイル絶縁層2の基材層を形成し、さらにその周囲にカーボン粒子を含むエポキシ樹脂と基材からなる半導電性テープ状材料を1回巻き回し表面コロナ防止層3の基材とした。この半導電性テープの樹脂はエポキシに限らず、ポリエステル,変性ポリイミド等の樹脂でも可能である。また基材にはポリエステル等のフイルムテープ、あるいはポリアミド等の不織布テープなども適用できる。このように形成された未含浸状態の固定子コイルをゴム弾性を有する半導電性ライナ7を介して上下二条をコイル間に半導電性積層板4を介在させてスロットに収納しスロットの開口部をくさび下絶縁材11を介してくさびでふさぎ白コイルを固定子鉄心40に固定した。この半導電性ライナ7は、ガラス基材の上にカーボン粉を練り込んだシリコーンゴムを塗布して形成したものである。このゴムにはシリコーンに限らずアクリル,エチレンプロピレンエラストマ等にカーボン粒子,カーボン繊維,鉄などの金属粒子及びその混合物を練り込で形成したものも適用できる。コイル相互の電気的接続を行った後、含浸前の加熱乾燥処理を実施した。その後固定子コイルを巻いた後の固定子鉄心を真空含浸槽に収納して真空乾燥の後、所定温度でエポキシ樹脂などの熱硬化性の含浸樹脂を真空含浸し、さらに含浸槽を加圧状態にして加圧含浸した。しかる後含浸槽から所定温度の硬化槽に移して含浸樹脂を加熱硬化することにより、ボイドレスに含浸された主絶縁層2を有する固定子コイル20が形成される。コイル最外層の表面コロナ防止層3はゴム弾性を有する半導電性ライナ7を介して固定子鉄心40に密着しているので、樹脂含浸によりこの部分の接触抵抗が大きくなることはない。一方、固定子コイル20の温度が上昇し熱膨張して固定子コイル20と固定子鉄心40との間に熱応力が働いた場合、熱応力が小さいうちは、このゴム状弾性体の変形で吸収される。更に熱応力が大きくなった場合、このゴム状弾性体の内部で切断される。ゴム状弾性体でない場合や半導電性表面コロナ防止層以外の部分で切断された場合、切断面の近傍は絶縁性の皮膜がついているので、切断部が少し変位してもこの部分の電気的な接触が損なわれる。しかし本案によれば切断面に半導電性のゴム状弾性体の部分が露出しているので、熱膨張により、表面コロナ防止層3と固定子鉄心40との接触位置が相対的に変位しても、新しい接触位置で電気的な接触が維持されるので、運転条件の内容にかかわらず接触密度を大きく保つことができる。
【0032】
図1〜図5,図10〜図14は、回転電機、例えば高圧回転電機の固定子の要部を示す部分断面図である。各図では、固定子鉄心40は、断面がスロットを有する長方形により表されるが、これは、回転電機の態様に合わせて種々の形状をとる。回転電機の回転子,回転子の軸受,ケーシングなどの他の構成は、周知の構成を用いることができる。
【0033】
インバータ電源に含まれる高調波電圧に対し、比較例では波高値1kVのサージ電圧で表面コロナ防止層が焼損したが、上記実施例ではいずれも波高値4kVを印加してもその表面コロナ防止層が焼損することはなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、高圧回転電機の焼損を防止できる。
【0035】
また、本発明によれば、安定した表面コロナ防層を有する固定子コイルを有する高圧回転電機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図2】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図3】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図4】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図5】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図6】比較例のコイル構造を示す図。
【図7】固定子コイル表面コロナ防止層と固定子鉄心の接触部のモデルを示す図。
【図8】固定子コイル表面コロナ防止層の電位を示す図。
【図9】隣接して接触部があった場合の固定子コイル表面コロナ防止層の電位を示す図。
【図10】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図11】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図12】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図13】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【図14】本発明の他の実施例のスロット部コイルの断面構造を示す図。
【符号の説明】
1…コイル導体、2…コイル絶縁層、3…表面コロナ防止層、4…半導電性積層板、5…半導電性樹脂、6…波板状半導電性積層板、7…ゴム状半導電性ライナ、8…高誘電率粒子含有半導電性ライナ、9…表面突起無し半導電性ライナ、10…離型性半導電性ライナ、11…絶縁性積層板、12…半導電性樹脂塗布半導電性積層板、13…波板状半導電性積層板、15…離型樹脂、20…コイル、22…ライナ、40…固定子鉄心、41…くさび、50…エンドコロナ防止層、60…接触部。
Claims (3)
- スロットが形成された固定子鉄心と、前記スロットに収納されたコイル導体と、前記コイル導体の外側に配置された絶縁層と、前記絶縁層の外側に配置された半導電性層を有し、前記半導電性層と前記固定子鉄心との間に半導電性熱硬化樹脂層を備え、前記コイル導体がスロットに収納された後に前記半導電性層と前記固定子鉄心の間に半導電性熱硬化樹脂を流し込み、当該流し込んだ半導電性熱硬化樹脂を加熱して硬化させることにより前記半導電性熱硬化樹脂層を形成され、半導性熱硬化樹脂層と前記固定子鉄心が接触し、前記半導電性熱硬化樹脂層が形成された後に前記固定子鉄心と前記半導電性層の間に樹脂を含侵し当該樹脂を硬化させていることを特徴とする回転電機。
- 請求項1において、前記絶縁層はマイカを有し、前記半導電性層は炭化珪素,酸化亜鉛あるいは酸化チタンを備えることを特徴とする回転電機。
- 固定子鉄心のスロットにコイルを収納する工程と、前記コイルの外側に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の外側に半導電性層を形成する工程と、前記半導電性層を形成する工程の後に前記半導電性層と前記固定子鉄心との間に半導電性熱硬化樹脂を含浸して、当該熱硬化樹脂を加熱して硬化させることにより半導電性熱硬化樹脂層を形成する工程と、前記半導電性硬化樹脂層を形成する工程の後に前記コイルと前記固定子鉄心との間に樹脂層を含浸し、当該樹脂層を硬化する工程を有することを特徴とする回転機製造方法。
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