JP3711149B2 - ガスばねを有する家具部分の高低調節用の竪管 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ロック可能なガスばねが構成ユニットとしてスラスト軸受によって回動可能にガイドされており、ガスばねシリンダが家具部分との円錐状の結合接続部を有している形式の、ガスばねを有する家具部分の高低調節用の竪管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスばねの調節高さはガスばねのストロークに関連しているばかりでなく、案内長にも関連している。例えば事務椅子の場合、ガスばねの円筒形容器と家具部分の竪管におけるガイドブシュとの間のオーバーラップ長が案内長と呼ばれる。案内長と調節高さとは往々にして反比例することがある。しかし安定した構造を得るためには最小限の案内長が必要である。
【0003】
西独国特許第1529723号明細書には、どのようにすれば案内長とストロークとをきわめて良好な関係にすることができるかが開示されている。しかしながら公知の当該構造は、支持プレートが足部分に対して相対的に回動することができないという欠点を有している。従って該構成を事務椅子において採用することは不可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、できるかぎり大きなガスばねストロークと、それ相応の案内長とを竪管において得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の構成手段は、ガイド管が外周管に対して相対的にテレスコープ式に可動に構成されている点にある。
【0006】
本発明の竪管は、外周管と結合されたガイドシリンダを有している。該ガイドシリンダ内にはガイド管がセンタリングされており、該ガイド管はガスばねを、椅子コラムに対して同心的な位置に維持する。ガスばねの押出し時には円筒形容器は、連行リングがガイドブシュに当接するまで該連行リングと共に移動する。更にストローク運動を続行すると、ガイド管は前記ガイドシリンダ内でテレスコープ式に連動される。ガスばね全体はスラスト軸受を介して竪管内に回動可能に装着されている。ガスばねの押込み動作中にはガイド管は、その自重と、ガイド管の上端部に載設された家具部分の重量とに基づいて椅子コラム内へ移動する。
【0007】
本発明の構成の顕著な利点は、ガスばねの全ストローク範囲にわたって大きな案内長を有していることである。使用部材は複雑な幾何学形状を有していず、従ってその製作は簡単にして低廉である。テレスコープ式ガイドユニットを外周管に収納しうるようにするために該外周管に付加的な構造上の措置を講じる必要は全くない。このために大量生産方式によるロック可能なガスばねを採用できるという利点が得られる。
【0008】
本発明の有利な構成の竪管は、竪管内を軸方向に可動なガスばねを有している。該ガスばねはガイド管内ではスラスト軸受を介して底板上に支持される。外周管とガスばねとの間には滑車機構の作動原理に基づく引張り連結部材が介在し、該引張り連結部材は、前記底板に設けた変向ガイドプリーを介してガイドされる。本発明の実施態様では滑りブシュがガイド管と結合されており、該ガイド管自体は底板上に支持されている。軸方向に可動のユニット全体は回動不能のガイドシリンダにセンタリングされている。押出し方向でのガスばねのストローク位置を変化させようとする場合には、ガスばねの円筒形容器が底板に対して相対的に動かされる。その場合ガスばね全体がガイド管と共に持ち上げられる。それというのは引張り部材が滑車のように持ち上がるからである。該滑車は伝達比を引き受けるので、竪管の全ストロークはガスばねのストロークの1.5倍に相当する。
【0009】
竪管の案内長はガスばねの全調節範囲にわたってきわめて高いレベルに留まるので有利である。該レベルは、滑車状の懸架機構の使用に基づいて超過比例的に大きく構成されている。
【0010】
【実施例】
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0011】
図1ではロック可能なガスばね2の下位ストローク位置における竪管1のヘッド寄り部分が示されている。外周管9内に底板13が固定されており、該底板はガスばね2を支持している。底板13は、ガスばね2のピストン棒4をガイドするスラスト軸受5を有している。ピストン棒4に対して相対的に可動のガスばね2の容器3は、例えば座部支持体(図示せず)のような装着部分のための支持体として使用される円錐体部6を有している。前記容器3は竪管1に対して同心的な位置にガイド管7によって保持される。該ガイド管7自体は、外周管9と結合されたガイドシリンダ8内を摺動する。ガイド管7の位置を押込み位置で規定するようにするために、ストッパ鍔12がガイド管8に支持される。ガイド管7は、スラスト軸受5寄りに自由空間11を有し、該自由空間の周面19は、容器3に固着された連行リング10のための摺動兼案内軌道面として使用される。
【0012】
ロック可能なガスばね2の最小ストローク位置では竪管1は、著しく大きな案内長を有している。案内機構の構成部分の製作は簡単であり、従って製作費も低廉である。請求項に記載した実施態様から判るように、ガイド管7のためには、射出成形法を可能にするプラスチックを使用するのがきわめて有利である。更に外周管9のためには、手間のかかる、ひいては経費の嵩む作業段階を導入する必要もなくなる。
【0013】
図2ではガスばね2は最大ストローク位置で示されている。押出し動作の最初の段階中にガスばね2の容器3は、連行リング10が自由空間11の長さ分を進行してガイド管7に当接するまで押出される。この段階に続いてガイド管7は、連行リング10との係合接続に基づいて、テレスコープ状にガイドシリンダ8から更に押上げられる。
【0014】
ガスばね2の押込み位置におけると同様にガスばね2とガイド管7との間の案内長はほぼ一定である。ガイド管7とガイドシリンダ8とのオーバーラップ量はやはり著しく大きな長さを有しいるので、両方の案内長部分は、きわめて有利かつきわめて機能確実と見做すことのできる範囲内で常に移動することになる。
【0015】
押込み時には容器3はスラスト軸受5の方向へ移動する。この運動経過中にガイド管7は自重に基づいてガイドシリンダ8内へ摺動する。更にまた、家具装着部分(図示せず)はガイド管7の上端面を押圧し、付加的なエネルギーなしにガイド管7を出発位置へ移動させるように働く。ストッパ鍔12は、ガイド管7が過度に押込み過ぎないようにし、かつテレスコープ状の案内接続動作の所定の運動経過を保証する。
【0016】
図3に示した実施例ではガイドシリンダ8は外周管9と固定的に結合されている。該外周管内で、滑りブシュ14の圧入されたガイド管7が軸方向に運動することができる。ガイド管7は底板13上に支持されている。該底板13には複数の変向ガイドプリー15が装備されている。弾性的な引張り部材16が、外周管9に設けた固定支承部18と、ガスばね2に付設した複数の接続部材17とに結合されている。前記複数の接続部材17は実施例に応じてディスク状のベース体または保持器を介して互いに結合されかつ回動可能に容器3内に組込れている。引張り部材16を弾性的に構成したのは、該引張り部材16の支持長部分が外周管9内で底板13を傾斜させることがないようにするためである。本発明の特に有利な実施態様では、引張り部材16は接続部材17と変向ガイドプリー15と固定支承部18との間に張設されているロープから成っている。これによって製作誤差及び製造不精度をきわめて簡単に補正することができる。この場合ガスばね2は、スラスト軸受5を介して底板13と回動可能に連結されていて滑りブシュ14によってガイドされるロック可能な大量生産ガスばねである。
【0017】
ガスばね2のロックを解除する場合、容器3が底板13に対して相対的に持上げられる。その結果、引張り部材16は引張られ、かつ底板13とガスばね2とガイド管7とから成るユニット全体がテレスコープ状にガイドシリンダ8から持上げられる。従って滑りブシュ14と容器3との間に著しく大きな案内長が得られる。
【0018】
押込み時には容器3は底板13と共に外周管9内へ移動する。これと同時に滑車式懸架機構によって底板の方向での容器3の相対運動が実現される。この動作時には引張り部材16はガスばね2によって緊張された状態にある。ガイド管7は滑りブシュ14と共に自重作用で、底板13に接触するまで外周管9内を摺動する。
【図面の簡単な説明】
【図1】押込み位置で示したテレスコープ式ガイド管並びに竪管の縦断面図である。
【図2】押出し位置で示したテレスコープ式ガイド管並びに竪管の縦断面図である。
【図3】滑車状昇降機構を備えた竪管の縦断面図である。
【符号の説明】
1 竪管、 2 ガスばね、 3 容器、 4 ピストン棒、 5 スラスト軸受、 6 円錐体部、 7 ガイド管、 8 ガイドシリンダ、 9 外周管、 10 連行リング、 11 自由空間、 12 ストッパ鍔、 13 底板、 14 滑りブシュ、 15 変向ガイドプリー、 16 引張り部材、 17 接続部材、 18 固定支承部、 19 周面
Claims (5)
- ロック可能なガスばねが構成ユニットとしてスラスト軸受によって回動可能にガイドされており、ガスばねが容器としてのシリンダを備えており、該シリンダが家具部分との円錐状の結合接続部を有している形式の、ガスばねを有する家具部分の高低調節用の竪管において、
ガスばね(2)の容器(3)が、ガイド管(7)によって竪管(1)に対して同心的な位置に保持されていて、かつガイド管(7)内で摺動可能に案内されており、ガイド管(7)が外周管(9)に対して相対的にテレスコープ式に可動に構成されており、ガイド管(7)が自由空間(11)を有しており、自由空間(11)の周面(19)が、容器(3)に固着された連行リング(10)のための摺動兼案内軌道面として使用され、連行リング(10)が、容器の押出位置でガイド管(7)と係合接続するようになっており、連行リング(10)によってガイド管(7)が、テレスコープ式にガイドシリンダ(8)から押し上げ可能であり、ガスばね(2)の押込位置におけるガスばね(2)とガイド管(7)との間の案内長が、押出位置におけるガスばね(2)とガイド管(7)との間の案内長とほぼ同様に維持されるようになっていることを特徴とする、ガスばねを有する家具部分の高低調節用の竪管。 - ガイド管(7)がガイドシリンダ(8)内でセンタリングされている、請求項1記載の竪管。
- ガイドシリンダ(8)が外周管(9)内に回動不能に固定されている、請求項1または2記載の竪管。
- ガイド管(7)がストッパ鍔(12)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の竪管。
- ガイド管(7)がプラスチックから製作されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の竪管。
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