JP3710506B2 - 新規なベンゼン誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なベンゼン誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、稲の害虫では、トビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ等のヨコバイ類の発生が問題とされ、これらの害虫防除のために新規な殺虫剤が開発されている。しかしながら、これら化合物の殺虫活性は充分とはいい難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、殺虫活性が更に改良されたベンゼン誘導体、それらの原料、中間体のうち、新規なベンゼン誘導体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新規でかつ有用な殺虫剤を開発すべく、種々のベンゼン誘導体を合成し、その生理活性について検討を重ねた。その結果、トビイロウンカ、ツマグロヨコバイなどの半翅目害虫に極めて優れた殺虫活性を有する新規なベンゼン誘導体を見い出し本発明を完成した。即ち、本発明は一般式〔I〕
【0005】
【化2】
{式中、R1 はシアノ基、ヒドロキシメチル基、基COR3(R3 はヒドロキシル基又はアルコキシ基を示す。)、基C(NH2)=NOH又は基C(NH2)=NOR4(R4はアルキル基を示す。)を示し、R2は3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、又は3,3−ジメチル−1−ブチニル基を示し、Xは水素原子又はフッ素原子を示す。但し、基R 1 が基COR 3 の場合には、基R 2 は3,3−ジメチル−1−ブテニル基、又は3,3−ジメチル−1−ブチニル基を示す。}で表されるベンゼン誘導体に関する。
【0006】
尚、本明細書において、アルキル基とは、炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
【0007】
アルコキシ基とは、アルキル部分が上記の意味を示す(アルキル)−O−基である。
ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を示す。
【0008】
次に、一般式〔I〕で表される本発明化合物の代表的な具体例を表1に例示する。尚、化合物番号は以後の記載において参照される。
【0009】
【表1】
【0010】
本発明化合物は下記の方法に従って製造することができるが、この方法に限定されるものではない。
下記の製造法、及び後記する製造例に示すように、本発明の化合物のうちいくつかの物は、本発明の有用な化合物を製造するための原料、又は中間体として有用である。
【0011】
製造法1
【0012】
【化3】
(式中、R5はシアノ基、基COOR4を表し、Zはハロゲン原子を表し、R4、Xは前記と同じ意味を表す)
【0013】
化合物〔II〕と臭化ネオペンチルマグネシウムを、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類の溶媒中で、必要ならばLi2 CuCl4 ,FeCl3 等の触媒の存在下に、−75℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で攪拌することにより、本発明化合物の一である式〔III〕の化合物が得られる。
【0014】
更に、化合物〔III〕を、硫酸、塩酸、臭化水素酸等の酸、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物で、必要ならば水、酢酸、ぎ酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒中で、0℃から反応系における還流温度までの任意の温度で加水分解することにより、本発明化合物の一である式〔IV〕の化合物が得られる。
原料の化合物〔II〕は試薬として入手可能(X=H,Z=Br,R5 =CN,COOCH3 )であるか、試薬として入手可能なトルエン誘導体(X=F,R5 =CN,Z=H)からハロゲン化で容易に合成できるか、もしくは米国特許第3032581号明細書記載の化合物(X=F,R1 =COOCH3 ,Z=Br)の製造方法で合成できる。
【0015】
製造法2
【0016】
【化4】
(式中、R5 、X、Zは前記と同じ意味を表す。)
【0017】
化合物〔II〕とトリフェニルホスフィンを、必要ならばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ニトロメタン、酢酸、蟻酸、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル等の溶媒中で、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で攪拌することにより、式〔V〕の化合物が得られる。
【0018】
このようにして得られた化合物〔V〕とピバルアルデヒドをナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート類、フェニルリチウム、n−ブチルリチウム等の有機金属等の存在下に、必要ならばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ヘプタン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒中で、必要ならば窒素、アルゴン等の不活性気流中で、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で攪拌することにより、本発明化合物の一である式〔VI〕の化合物が得られる。
【0019】
このようにして得られた化合物〔VI〕を、硫酸、塩酸、臭化水素酸等の酸、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物で、必要ならば水、酢酸、ぎ酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒中で、0℃から反応系における還流温度までの任意の温度で加水分解することにより、本発明化合物の一である式〔VII〕の化合物が得られる。
【0020】
またこのようにして得られた化合物〔VII〕を接触水素添加法で還元することにより本発明化合物の一である式〔IV〕の化合物が得られる。即ち、化合物〔VII〕をエタノール、メタノール、酢酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒中で、パラジウム−カーボン、ラネーニッケル、酸化白金(IV)等の触媒の存在下、必要ならば、例えば塩酸等の酸触媒の存在下に、必要ならば加圧下に、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で、水素添加することにより化合物〔IV〕が得られる。
【0021】
製造法3
【0022】
【化5】
(式中、R5 は前記と同じ意味を表す。)
【0023】
化合物〔VIII〕と3,3−ジメチル−1−ブチンを、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)及びヨウ化第1銅の触媒の存在下に、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類中、又はこれらとテトラヒドロフランとの混合溶媒中で、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度、好ましくは20〜100℃で攪拌することにより、本発明化合物の一である式〔IX〕の化合物が得られる。
【0024】
このようにして得られた化合物〔IX〕を、硫酸、塩酸、臭化水素酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物で、必要ならば水、酢酸、ぎ酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒中で、0℃から反応系における還流温度までの任意の温度で加水分解することにより、本発明化合物の一である式〔X〕の化合物が得られる。
【0025】
またこのようにして得られた化合物〔X〕を、接触水素添加法で還元することにより本発明化合物の一である式〔XI〕の化合物が得られる。即ち、化合物〔X〕をエタノール、メタノール、酢酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒中で、パラジウム−カーボン、ラネ−ニッケル、酸化白金等の触媒の存在下、必要ならば、例えば塩酸等の酸触媒の存在下に、必要ならば加圧下に、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で、水素添加することにより、化合物〔XI〕が得られる。
【0026】
製造法4
【0027】
【化6】
(式中、R6 は3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基を表し、R4 ,X,Zは前記と同じ意味を表す。)
【0028】
本発明化合物の一である式〔XIII〕の化合物は製造法1,2及び3で得ることのできる化合物〔XII〕のベンゾニトリル類を、通常塩基の存在下、ヒドロキシルアミンと反応させることにより得られる。即ち、化合物〔XII〕とヒドロキシルアミンの塩酸塩又は硫酸塩を、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒中に懸濁させ、次いで水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基、又はピリジン等の有機塩基の存在下に、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度、好ましくは50℃から溶媒の沸点の温度で攪拌することにより、本発明化合物の一である式〔XIII〕の化合物を製造することができる。
【0029】
またこのようにして得られた化合物〔XIII〕と化合物〔XIV〕のハロゲン化アルキル類とを、塩基の存在下に反応させて本発明化合物の一である式〔XV〕の化合物を得ることができる。ここで使用できる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の重炭酸塩等の無機塩基類又はトリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン等の有機塩基類及び水素化ナトリウム等が挙げられる。反応は必要ならば適当な溶媒の存在下で行うことができる。使用できる溶媒としては、水又は不活性な有機溶媒であり、かかる有機溶媒としてはアセトン、ブタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等のハロゲン化されることもある芳香族炭化水素類、石油エーテル、リグロイン等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類又はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。反応温度は、0℃から反応系における還流温度までの任意の温度であり、好ましくは20〜100℃である。
【0030】
製造法5
【0031】
【化7】
【0032】
化合物〔XVI〕のフルオロベンゼンと3,3−ジメチルブチリルクロリドとをルイス酸(例えばAlCl3 ,SbCl5 ,FeCl3 ,FeCl2 ,TiCl4 ,ZnCl2 等)の存在下、ニトロベンゼン、二硫化炭素、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等の溶媒中で、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で反応させることにより、本発明化合物の一である式〔XVII〕の4−フルオロフェニル 2,2−ジメチルプロピル ケトンが得られる。
【0033】
このようにして得られた化合物〔XVII〕の4−フルオロフェニル 2,2−ジメチルプロピル ケトンを接触水素添加法で還元することにより、本発明化合物の一である式〔XVIII〕の化合物4−(3,3−ジメチルブチル)フルオロベンゼンが得られる。即ち、化合物〔XVII〕をエタノール、メタノール、酢酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒中で、パラジウム−カーボン等の触媒の存在下、必要ならば、例えば塩化水素酸等の酸触媒の存在下に、必要ならば加圧下に、水素添加することにより化合物〔XVIII〕が得られる。
【0034】
このようにして得られた化合物〔XVIII〕と塩化オキザリルを、ルイス酸として、例えば塩化アルミニウムの存在下、必要ならばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼン等の溶媒中で、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で攪拌することにより、化合物〔XIX〕の安息香酸クロリドが得られる。
【0035】
次に、この化合物〔XIX〕とアンモニア又はアンモニア水をそのまま過剰に用いるか、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル等の溶媒中、−78〜120℃の任意の温度で反応させることにより、本発明化合物の一である式〔XX〕の酸アミド類を得ることができる。
【0036】
製造法6
【0037】
【化8】
(式中、Xは前記と同じ意味を表す。)
【0038】
本発明化合物の一である式〔XXI〕の化合物は通常製造法1,2及び3で得ることのできる化合物〔IV〕を還元することにより得られる。この場合、還元剤としては、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化リチウムアルミニウム、ジボラン等が挙げられる。反応は必要ならばエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン等の溶媒中で、必要ならば窒素、アルゴン等の不活性気流中で、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で、好ましくは20〜50℃の範囲において行われる。
【0039】
このようにして得られた化合物〔XXI〕を酸化することにより本発明化合物の一である式〔XXII〕の化合物が得られる。この場合使用できる酸化剤としては、一般に使用できる種々の酸化剤を挙げることが出来、例えば、二酸化マンガン、酸化クロム(VI)−ピリジン錯体、クロム酸−tert−ブチル等が挙げられる。必要ならば、ジクロロメタン、クロロホルム、ピリジン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒中で、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で行われる。また、ジメチルスルホキシドによる酸化も可能で、この場合活性化剤としてシュウ酸クロリド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、無水酢酸等を加えるとより温和な条件下に酸化を行うことができる。その他、白金触媒等を用いる触媒酸素酸化で化合物〔XXI〕を酸化しても、化合物〔XXII〕が得られる。
【0040】
製造法7
【0041】
【化9】
(式中、R6 、X及びZは前記と同じ意味を表す。)
【0042】
製造法1,2及び3で得ることのできる化合物〔XXIII〕を、各種ハロゲン化剤で化合物〔XXIV〕とする。この場合、ハロゲン化剤としては、塩化チオニル、臭化チオニル、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、五塩化リン、五臭化リン、及び四塩化炭素又は四臭化炭素とトリフェニルフォスフィンを用いることができ、これらをそのまま過剰に用いるか、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ヘキサン等の溶媒中で、室温から120℃の任意の温度で攪拌することにより化合物〔XXIV〕が得られる。次に、この化合物〔XXIV〕とアンモニア又はアンモニア水をそのまま過剰に用いるか、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル等の溶媒中、−78〜120℃の任意の温度で反応させることにより、本発明化合物の一である式〔XXV〕の酸アミド類を得ることができる。
【0043】
製造法8
【0044】
【化10】
(式中、R4 、R6 、Xは前記と同じ意味を表す。)
【0045】
例えばジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイティ(Journal of the American Chemical Society) 74巻,6203ページ(1972年)記載の方法により、化合物〔XXIII〕とジフェニルホスホリルアジド(DPPA)及びアルコール類とをトリエチルアミン等の塩基の存在下に反応させて化合物〔XXVI〕のカルバミン酸エステル類とし、これを塩酸、硫酸などの酸類と、必要ならば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、酢酸等の溶媒中で、室温から120℃までの任意の温度で攪拌することにより、本発明化合物の一である式〔XXVII〕のアニリン類を得ることができる。
【0046】
製造法9
【0047】
【化11】
(式中、R5、Xは前記と同じ意味を表す。)
本発明化合物〔III〕は、製造法2に従って製造することができる化合物〔VI〕を接触水素添加法で還元することによっても得ることができる。
すなわち、化合物〔VI〕をエタノール、メタノール、酢酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒中でパラジウム−カーボン、ラネーニッケル、酸化白金等の触媒の存在下、必要ならば、例えば塩酸等の酸の存在下に、必要ならば加圧下に、0℃からその反応系における還流温度までの任意の温度で、水素添加することにより化合物〔III〕を得ることができる。
【0048】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明化合物の製造法を具体的に説明する。
【0049】
製造例1 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾニトリル(化合物番号5)の製造
テトラヒドロフラン(100ml)に金属マグネシウム(1.8g)を加え、次いでこの溶液を還流させながらネオペンチルブロミド(9.8g)を滴下し、30分間還流した。この混合物を室温まで冷却しLi2 CuCl4 (2.0g)を加えた後、ドライアイス−アセトンで冷却しながら−20℃で5−ブロモメチル−2−フルオロベンゾニトリル(9.8g)を加えた。次に冷媒を取り除き、室温で3時間攪拌した。この反応混合物を氷水(200ml)に注ぎ込み減圧下でテトラヒドロフランを留去し、6N塩酸(50ml)を加え酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣の油分をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物6.5g(屈折率1.4968)を得た。
【0050】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.96 (9H,s)
1.29〜1.58 (2H,m)
2.42〜2.71 (2H,m)
6.87〜7.46 (3H,m)
【0051】
製造例2 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロ安息香酸(化合物番号10)の製造
5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾニトリル(化合物番号5)4.5gを濃塩酸(50ml)に加え、還流下5時間攪拌した。反応混合物を100mlの水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、水洗、乾燥し、目的物4.0g(融点87〜89℃)を得た。
【0052】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
1.05 (9H,s)
1.37〜1.60 (2H,m)
2.47〜2.71 (2H,m)
6.78〜8.80 (3H,s)
11.87 (1H,s)
【0053】
製造例3 5−(3,3−ジメチル−1−ブテニル)−2−フルオロ安息香酸メチル(化合物番号16)の製造
トルエン(500ml)に5−ブロモメチル−2−フルオロ安息香酸メチル(61.5g)及びトリフェニルホスフィン(78.7g)を加え、還流下で3時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷後、ろ過し、結晶をn−ヘキサンで洗浄、乾燥し、123.4gの(3−メトキシカルボニル−4−フルオロベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド(融点210〜213℃)を得た。
【0054】
このようにして得られた(3−メトキシカルボニル−4−フルオロベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド(78g)をジメチルホルムアミド(500ml)に入れ、攪拌した、カリウム−tert−ブトキシド(21g)を30分間で徐々に加え(反応温度は室温から50℃まで上昇した。)、次に50℃で1時間攪拌した後、ピバルアルデヒド(15g)を1時間かけて加え(温度は、80℃まで上昇した。)、室温下に1昼夜攪拌した。反応混合物に500mlの水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗、濃縮し、残渣のスラリーをn−ヘキサンで抽出した。n−ヘキサン層を濃縮し、残渣の油分を真空蒸留に付して、目的物79g(115〜120℃/0.05mmHg,屈折率1.5056)を得た。
【0055】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
1.00 (9H,s)
3.93 (3H,s)
5.96 (2H,q)
6.83〜7.97 (3H,m)
【0056】
製造例4 5−(3,3−ジメチル−1−ブテニル)−2−フルオロ安息香酸(化合物番号12)の製造
5−(3,3−ジメチル−1−ブテニル)−2−フルオロ安息香酸メチル(化合物番号16)169gをメタノール(350ml)に溶解し、この溶液に水(50ml)に溶かした水酸化カリウム(81g)を室温下に加え、還流下で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、500mlの水を加えた後、pH3になるまで塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、目的物145g(融点82〜90℃)を得た。
【0057】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.90 (9H,s)
5.60 (1H,d)
6.25 (1H,d)
6.84〜7.44 (2H,m)
7.80 (1H,dd)
11.08 (1H,s)
【0058】
製造例5 3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)安息香酸メチル(化合物番号17)
トリエチルアミン(500ml)に3−ヨード安息香酸メチル(31.5g)、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)(0.5g)、ヨウ化第1銅(0.5g)及び3,3−ジメチル−1−ブチン(10.8g)を加え、室温下に30分間、還流下に7時間攪拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮後、残渣を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)で精製し、目的物21.0g(融点38〜41℃)を得た。
【0059】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
1.33 (9H,s)
3.87 (3H,s)
7.13〜7.97 (4H,m)
【0060】
製造例6 3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)安息香酸(化合物番号13)の製造
3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)安息香酸メチル(化合物番号17)(19.6g)及び水酸化カリウム(17.3g)をメタノール:水=1:1の混合溶媒(300ml)に加え、還流下に30分間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、塩酸(11ml)を加え、析出した結晶をろ過、水洗後、乾燥し、目的物16.4g(融点137〜139℃)を得た。
【0061】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
1.33 (9H,s)
7.17〜8.08 (4H,m)
9.67 (1H,s)
【0062】
製造例7 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾヒドロキシムアミド(化合物番号20)の製造
メタノール(30ml)に5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾニトリル(化合物番号5)4.2g、ヒドロキシアミン硫酸塩(1.8g)及び炭酸カリウム(4.0g)を懸濁し、還流下に3時間攪拌した。反応混合物を50mlの水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物3.0g(融点78〜83℃)を得た。
【0063】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.97 (9H,s)
1.33〜1.62 (2H,m)
2.28〜2.60 (2H,m)
5.15 (2H,s)
6.80〜7.56 (3H,m)
9.00 (1H,s)
【0064】
製造例8 O−イソプロピル−5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾヒドロキシムアミド(化合物番号22)の製造
5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾヒドロキシムアミド1.3g(化合物番号20)をテトラヒドロフラン30mlに溶解し、この溶液に60%水素化ナトリウム0.26gを室温下に加え、30分間攪拌後、臭化イソプロピル0.8gを加え、室温下に8時間攪拌した。反応混合物を50mlの水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。この濃縮物をヘキサン−酢酸エチル=5:1の混合溶液を展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物1.3g(屈折率1.5072)を得た。
【0065】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.97 (9H,s)
1.30 (6H,d)
1.25〜1.65 (2H,m)
2.40〜2.65 (2H,m)
4.33 (1H,q)
4.97 (2H,s)
6.73〜7.52 (3H,m)
【0066】
製造例9 4−フルオロフェニル 2,2−ジメチルプロピル ケトン(化合物番号2)の製造
フルオロベンゼン(3.6g)に3,3−ジメチルブチリルクロリド(3.9g)を加え、次いで塩化アルミニウム(4.4g)を加えて室温下に3時間攪拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物5.6g(屈折率1.4908)を得た。
【0067】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
1.07 (9H,s)
2.80 (2H,s)
6.87〜7.15 (2H,m)
7.77〜8.02 (2H,m)
【0068】
製造例10 4−フルオロ−1−(3,3−ジメチル)ブチルベンゼン(化合物番号1)の製造
4−フルオロフェニル 2,2−ジメチルプロピル ケトン(化合物番号2)5.0gをエタノール(100ml)に溶解し、10%パラジウム−カーボン(0.4g)及び濃塩酸(3滴)を加え室温で12時間水素ガスを添加した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。残渣の油状物質を真空蒸留に付し、目的物3.9g(沸点100〜101℃、20mmHg、屈折率1.4668)を得た。
【0069】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.95 (9H,s)
1.30〜1.58 (2H,m)
2.38〜2.67 (2H,m)
6.72〜7.23 (4H,m)
【0070】
製造例11 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンズアミド(化合物番号18)の製造
1,2−ジクロロエタン(40ml)に塩化アルミニウム(3.3g)を溶解し、この溶液に氷水冷却下、5〜10℃にて塩化オキザリル(3.8g)を加え、次いで4−フルオロ−1−(3,3−ジメチル)ブチルベンゼン(化合物番号1)3.8gを加え同温度で5時間攪拌した。反応混合物を100mlの氷水に注ぎ込み、更にクロロホルム(100ml)を加え有機層を水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をジクロロメタン(40ml)に溶解し、氷水で冷却しながら5〜10℃にて30%アンモニア水溶液(3.8g)を加えた。次に冷媒を除きこの混合物を室温下で16時間攪拌した。反応混合物に水を加え有機層を水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し目的物1.8g(沸点63〜70℃)を得た。
【0071】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.90 (9H,s)
1.20〜1.58 (2H,m)
2.42〜2.71 (2H,m)
6.46 (2H,broad)
6.79〜7.92 (3H,m)
【0072】
製造例12 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンジルアルコール(化合物番号24)の製造
5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロ安息香酸(化合物番号10)11.2gを、水素化リチウムアルミニウム(2.3g)を懸濁したテトラヒドロフラン溶液(150ml)へ室温下に約15分間かけて加え、3時間攪拌した。反応混合物へ水(300ml)を少しづつ加え、次いで希塩酸をpH3になるまで加え酢酸エチルを抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物9.4g(屈折率1.4921)を得た。
【0073】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.95 (9H,s)
1.32〜1.58 (2H,m)
2.23〜2.67 (3H,m)
4.67 (2H,s)
6.73〜7.22 (3H,m)
【0074】
製造例13 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンズアルデヒド(化合物番号8)の製造
ジクロロメタン30ml中に塩化オキザリル(6.3g)を加え、ドライアイス−アセトンで冷却しながら−60〜−50℃でジメチルスルホキシド(5.7g)をジクロロメタン(10ml)に溶かして加えた。これを30分間攪拌した後、同温度でジクロロメタン(20ml)に溶かした5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンジルアルコール(化合物番号24)9.0gを加え、更に同温度でトリエチルアミン(22.5g)を加えた後、冷媒を取り除き室温下で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮した後、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物8.7g(屈折率1.4964)を得た。
【0075】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.90 (9H,s)
1.27〜1.62 (2H,m)
2.40〜2.68 (2H,m)
6.85〜7.70 (3H,m)
10.30 (1H,s)
【0076】
製造例14 3−(3,3−ジメチルブチル)アニリン(化合物番号3)の製造
tert−ブチルアルコール(100ml)へ3−(3,3−ジメチルブチル)安息香酸(化合物番号9)6.2g、ジフェニルホスホリルアジド(8.3g)及びトリエチルアミン(3.3g)を加え、3時間還流させた。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製しtert−ブチル 3−(3,3−ジメチルブチル)フェニルカーバメート6.6gを得た。このようにして得られたtert−ブチル 3−(3,3−ジメチルブチル)フェニルカーバメート5.2g及び濃塩酸(0.5ml)をエタノール(30ml)に加え、この溶液を3時間還流させた。反応混合物を濃縮し、残渣に炭酸カリウム水溶液を加え中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣を真空蒸留し、目的物3.0g(沸点103〜105℃/0.5mmHg、屈折率1.5210)を得た。
【0077】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.93 (9H,s)
1.30〜1.58 (2H,m)
2.33〜2.60 (2H,m)
3.33 (2H,broad)
6.32〜7.17 (4H,m)
【0078】
製造例15 3−(3,3−ジメチル−1−ブテニル)ベンゾニトリル(化合物番号6)の製造
3−シアノベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド(68.6g)、カリウム−tert−ブトキシド(21.3g)をジメチルホルムアミド(700ml)に加え、更にピバルアルデヒド(16.4g)を加えた後、室温下に8時間攪拌した。反応混合物をろ過後、ろ液を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、目的物20.6g(屈折率1.5342)を得た。
【0079】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
1.13 (9H,s)
6.27 (2H,s)
7.20〜7.62 (4H,m)
【0080】
製造例16 3−(3,3−ジメチルブチル)ベンゾニトリル(化合物番号4)の製造
3−(3,3−ジメチル−1−ブテニル)ベンゾニトリル(化合物番号6)10.0g及び10gパラジウム−カーボン(2.0g)をエタノール(150ml)に加え、室温、攪拌下に水素(1.21)を添加した。反応終了後、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、目的物20.6g(屈折率1.5028)を得た。
【0081】
NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値)
0.97 (9H,s)
1.33〜1.60 (2H,m)
2.50〜2.75 (2H,m)
7.36〜7.48 (4H,m)
【0082】
本発明の化合物は殺虫剤として利用することができる。すなわち、本発明化合物を殺虫剤として使用するには本発明化合物それ自体で用いてもよいが、製剤化に一般的に用いられる担体、界面活性剤、分散剤又は補助剤等を配合して、粉剤、水和剤、乳剤、微粒剤又は粒剤等に製剤して使用することもできる。製剤化に際して用いられる担体としては、ジークライト、タルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、消石灰、珪砂、硫安、尿素等の固体担体、イソプロピルアルコール、キシレン、シクロヘキサノン、メチルナフタレン等の液体担体等が挙げられる。界面活性剤及び分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン酸金属塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート等が挙げられる。
【0083】
補助剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アラビアゴム等が挙げられる。使用に際しては適当な濃度に希釈して散布するか又は直接施用する。
【0084】
本発明の殺虫剤は茎葉散布、土壌施用、育苗箱施用又は水面施用等により使用することができる。有効成分の配合割合については必要に応じて適宜選ばれるが、粉剤又は粒剤とする場合は0.05〜20%(重量)、好ましくは0.1%〜10%(重量)の範囲から適宜選ぶのがよい。乳剤又は水和剤とする場合は0.5〜80%(重量)が適当である。好ましくは1〜60%(重量)の範囲から適宜選ぶのがよい。
【0085】
本発明の殺虫剤の施用量は使用される化合物の種類、対象害虫、発生傾向、被害の程度、環境条件、使用する剤型などによってかわるが、粉剤及び粒剤のようにそのまま使用する場合は、有効成分として10アール当り0.05g〜5kg、好ましくは0.1g〜1kgの範囲から適宜選ぶのがよい。また、乳剤及び水和剤とする場合のように液状で使用する場合は、0.1〜5,000ppm、好ましくは1〜1,000ppmの範囲から適宜選ぶのがよい。
本発明の殺虫剤は、他の殺虫剤、殺菌剤、肥料、植物成長調製剤を混合して使用することもできる。
【0086】
次に、代表的な製剤例をあげて製剤方法を具体的に説明する。化合物、添加剤の種類及び配合比率は、これのみに限定されることなく広い範囲で変更可能である。以下の説明において、「%」は重量百分率を示す。
【0087】
製剤例1 乳剤
化合物番号(2)30%、シクロヘキサノン20%、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル11%、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナフタレン35%を均一に溶解して乳剤とした。
【0088】
製剤例2 水和剤
化合物番号(6)40%、珪藻土15%、クレー15%、ホワイトカーボン25%、ジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0089】
製剤例3 粉剤
化合物番号(17)2%、珪藻土5%及びクレー93%を均一に混合粉砕して粉剤とした。
【0090】
製剤例4 粒剤
化合物番号(24)5%、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウム5%、カルボキシメチルセルロース2%及びクレー86%を均一に混合粉砕する。この混合物100重量部に水20重量部を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。
【0091】
【発明の効果】
本発明のベンゼン誘導体は、トビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ等のヨコバイ類に対しては極めて優れた防除効果を示す。
【0092】
次に本発明化合物の効果について試験例をもって説明する。
試験例1 トビイロウンカ殺虫試験
製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分として500ppmの濃度に水で希釈した。その薬液にイネ茎葉を浸漬し、風乾後、試験管に静置した。その中にトビイロウンカ幼虫10頭を放ち、脱脂綿で栓をした。その後、25℃の恒温室に置き、6日後に死虫率を調査し、表2の基準により評価し、その結果を表3に示した。なお、試験は2連制で行った。
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
試験例2 ツマグロヨコバイ殺虫試験
製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分として500ppmの濃度に水で希釈した。その薬液にイネ茎葉を浸漬し、風乾後、試験管に静置した。その中にツマグロヨコバイ幼虫5頭を放ち、脱脂綿で栓をした。その後、25℃の恒温室に置き、2日後に死虫率を調査し、表4の基準により評価し、その結果を表5に示した。なお、試験は2連制で行った。
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】
前記の殺虫試験からみて、本発明化合物は稲作において問題となる半翅目害虫の防除に有効であることは明らかである。
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