JPH08143491A - 新規なベンゼン誘導体及び殺虫剤 - Google Patents

新規なベンゼン誘導体及び殺虫剤

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JPH08143491A
JPH08143491A JP30570694A JP30570694A JPH08143491A JP H08143491 A JPH08143491 A JP H08143491A JP 30570694 A JP30570694 A JP 30570694A JP 30570694 A JP30570694 A JP 30570694A JP H08143491 A JPH08143491 A JP H08143491A
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啓二 鳥谷部
Tomomi Usami
智巳 宇佐美
Takayoshi Taketoi
隆芳 武樋
Toshihiro Nagata
俊浩 永田
Yuuki Nakano
勇樹 中野
Satoru Kudo
了 工藤
Hiroshi Kurihara
浩 栗原
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式〔I〕で表される化合物 【化1】 {式中、R1 は水素原子、アミノ基、シアノ基、ヒドロ
キシメチル基、基COR3 (R3 は水素原子、ヒドロキ
シル基、アミノ基及びアルコキシ基を示す。)、基C
(NH2 )=NOH又は基C(NH2 )=NOR4 (R
4 はアルキル基を示す。)を示し、R2 は3,3−ジメ
チルブチル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、
3,3−ジメチル−1−ブチニル基又は3,3−ジメチ
ルブチリル基を示し、Xは水素原子又はフッ素原子を示
す。但し、XはR1 は同時に水素原子ではない。}で表
されるベンゼン誘導体。 【効果】 作物に悪影響を及ぼすことなく、種々の有害
昆虫類、特にトビイロウンカ、ツマグロヨコバイなどの
半翅目害虫を殺滅防除することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベンゼン誘導体及びこ
れを有効成分として含有する殺虫剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、稲の害虫では、トビイロウンカ、
セジロウンカ、ヒメトビウンカ等のウンカ類、ツマグロ
ヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ等のヨコバイ類の発生が
問題とされ、これらの害虫防除のために新規な殺虫剤が
開発されている。しかしながら、これら化合物の殺虫活
性は充分とはいい難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、殺虫活性が
更に改良されたベンゼン誘導体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規でか
つ有用な殺虫剤を開発すべく、種々のベンゼン誘導体を
合成し、その生理活性について検討を重ねた。その結
果、トビイロウンカ、ツマグロヨコバイなどの半翅目害
虫に極めて優れた殺虫活性を有する新規なベンゼン誘導
体を見い出し本発明を完成した。即ち、本発明は一般式
〔I〕
【0005】
【化2】 {式中、R1 は水素原子、アミノ基、シアノ基、ヒドロ
キシメチル基、基COR3 (R3 は水素原子、ヒドロキ
シル基、アミノ基及びアルコキシ基を示す。)、基C
(NH2 )=NOH又は基C(NH2 )=NOR4 (R
4 はアルキル基を示す。)を示し、R2 は3,3−ジメ
チルブチル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、
3,3−ジメチル−1−ブチニル基又は3,3−ジメチ
ルブチリル基を示し、Xは水素原子又はフッ素原子を示
す。但し、XとR1 は同時に水素原子ではない。}で表
されるベンゼン誘導体並びにこれを有効成分として含有
する殺虫剤である。
【0006】尚、本明細書において、アルキル基とは、
炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示
し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル
基、3,3−ジメチルブチル基等を挙げることができ
る。
【0007】アルコキシ基とは、アルキル部分が上記の
意味を示す(アルキル)−O−基である。ハロゲン原子
とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を示す。
【0008】次に、一般式〔I〕で表される本発明化合
物の代表的な具体例を表1に例示する。尚、化合物番号
は以後の記載において参照される。
【0009】
【表1】
【0010】本発明化合物は下記の方法に従って製造す
ることができるが、この方法に限定されるものではな
い。
【0011】製造法1
【0012】
【化3】 (式中、R5 はシアノ基、基COOR4 を表し、Zはハ
ロゲン原子を表し、R4、Xは前記と同じ意味を表す)
【0013】化合物〔II〕と臭化ネオペンチルマグネ
シウムを、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類の溶媒中で、必要ならばLi2 CuC
4,FeCl3 等の触媒の存在下に、−75℃からそ
の反応系における還流温度までの任意の温度で攪拌する
ことにより、本発明化合物の一である式〔III〕の化
合物が得られる。
【0014】更に、化合物〔III〕を、硫酸、塩酸、
臭化水素酸等の酸、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ水酸化物で、必要ならば水、酢酸、ぎ
酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール等の溶媒中、又はこれらの混合溶媒
中で、0℃から反応系における還流温度までの任意の温
度で加水分解することにより、本発明化合物の一である
式〔IV〕の化合物が得られる。原料の化合物〔II〕
は試薬として入手可能(X=H,Z=Br,R5 =C
N,COOCH3 )であるか、試薬として入手可能なト
ルエン誘導体(X=F,R5 =CN,Z=H)からハロ
ゲン化で容易に合成できるか、もしくは米国特許第30
32581号明細書記載の化合物(X=F,R1 =CO
OCH3 ,Z=Br)の製造方法で合成できる。
【0015】製造法2
【0016】
【化4】 (式中、R5 、X、Zは前記と同じ意味を表す。)
【0017】化合物〔II〕とトリフェニルホスフィン
を、必要ならばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、ニトロメタン、酢酸、蟻酸、
酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル
等の溶媒中で、0℃からその反応系における還流温度ま
での任意の温度で攪拌することにより、式〔V〕の化合
物が得られる。
【0018】このようにして得られた化合物〔V〕とピ
バルアルデヒドをナトリウムメチラート、ナトリウムエ
チラート、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカ
リ金属アルコラート類、フェニルリチウム、n−ブチル
リチウム等の有機金属等の存在下に、必要ならばジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2
−ジメトキシエタン、ヘプタン、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒中、又はこれら
の混合溶媒中で、必要ならば窒素、アルゴン等の不活性
気流中で、0℃からその反応系における還流温度までの
任意の温度で攪拌することにより、本発明化合物の一で
ある式〔VI〕の化合物が得られる。
【0019】このようにして得られた化合物〔VI〕
を、硫酸、塩酸、臭化水素酸等の酸、又は水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物で、必
要ならば水、酢酸、ぎ酸、メタノール、エタノール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒中、
又はこれらの混合溶媒中で、0℃から反応系における還
流温度までの任意の温度で加水分解することにより、本
発明化合物の一である式〔VII〕の化合物が得られ
る。
【0020】またこのようにして得られた化合物〔VI
I〕を接触水素添加法で還元することにより本発明化合
物の一である式〔IV〕の化合物が得られる。即ち、化
合物〔VII〕をエタノール、メタノール、酢酸、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はこれらの
混合溶媒中で、パラジウム−カーボン、ラネーニッケ
ル、酸化白金(IV)等の触媒の存在下、必要ならば、
例えば塩酸等の酸触媒の存在下に、必要ならば加圧下
に、0℃からその反応系における還流温度までの任意の
温度で、水素添加することにより化合物〔IV〕が得ら
れる。
【0021】製造法3
【0022】
【化5】 (式中、R5 は前記と同じ意味を表す。)
【0023】化合物〔VIII〕と3,3−ジメチル−
1−ブチンを、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(II)及びヨウ化第1銅の触媒の存在下に、
ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類中、又
はこれらとテトラヒドロフランとの混合溶媒中で、0℃
からその反応系における還流温度までの任意の温度、好
ましくは20〜100℃で攪拌することにより、本発明
化合物の一である式〔IX〕の化合物が得られる。
【0024】このようにして得られた化合物〔IX〕
を、硫酸、塩酸、臭化水素酸等の酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物で、必要なら
ば水、酢酸、ぎ酸、メタノール、エタノール、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール等の溶媒中、又はこ
れらの混合溶媒中で、0℃から反応系における還流温度
までの任意の温度で加水分解することにより、本発明化
合物の一である式〔X〕の化合物が得られる。
【0025】またこのようにして得られた化合物〔X〕
を、接触水素添加法で還元することにより本発明化合物
の一である式〔XI〕の化合物が得られる。即ち、化合
物〔X〕をエタノール、メタノール、酢酸、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はこれらの混合
溶媒中で、パラジウム−カーボン、ラネ−ニッケル、酸
化白金等の触媒の存在下、必要ならば、例えば塩酸等の
酸触媒の存在下に、必要ならば加圧下に、0℃からその
反応系における還流温度までの任意の温度で、水素添加
することにより、化合物〔XI〕が得られる。
【0026】製造法4
【0027】
【化6】 (式中、R6 は3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジ
メチル−1−ブテニル基、3,3−ジメチル−1−ブチ
ニル基を表し、R4 ,X,Zは前記と同じ意味を表
す。)
【0028】本発明化合物の一である式〔XIII〕の
化合物は製造法1,2及び3で得ることのできる化合物
〔XII〕のベンゾニトリル類を、通常塩基の存在下、
ヒドロキシルアミンと反応させることにより得られる。
即ち、化合物〔XII〕とヒドロキシルアミンの塩酸塩
又は硫酸塩を、例えば、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒中
に懸濁させ、次いで水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カ
リウム等の無機塩基、又はピリジン等の有機塩基の存在
下に、0℃からその反応系における還流温度までの任意
の温度、好ましくは50℃から溶媒の沸点の温度で攪拌
することにより、本発明化合物の一である式〔XII
I〕の化合物を製造することができる。
【0029】またこのようにして得られた化合物〔XI
II〕と化合物〔XIV〕のハロゲン化アルキル類と
を、塩基の存在下に反応させて本発明化合物の一である
式〔XV〕の化合物を得ることができる。ここで使用で
きる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の重炭酸塩等の
無機塩基類又はトリエチルアミン、N,N−ジメチルア
ニリン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.
0〕ウンデカ−7−エン等の有機塩基類及び水素化ナト
リウム等が挙げられる。反応は必要ならば適当な溶媒の
存在下で行うことができる。使用できる溶媒としては、
水又は不活性な有機溶媒であり、かかる有機溶媒として
はアセトン、ブタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン等のハロゲン化されるこ
ともある芳香族炭化水素類、石油エーテル、リグロイン
等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル類又はジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン等
のアミド類等が挙げられる。反応温度は、0℃から反応
系における還流温度までの任意の温度であり、好ましく
は20〜100℃である。
【0030】製造法5
【0031】
【化7】
【0032】化合物〔XVI〕のフルオロベンゼンと
3,3−ジメチルブチリルクロリドとをルイス酸(例え
ばAlCl3 ,SbCl5 ,FeCl3 ,FeCl2
TiCl4 ,ZnCl2 等)の存在下、ニトロベンゼ
ン、二硫化炭素、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2
−ジクロロエタン等の溶媒中で、0℃からその反応系に
おける還流温度までの任意の温度で反応させることによ
り、本発明化合物の一である式〔XVII〕の4−フル
オロフェニル 2,2−ジメチルプロピル ケトンが得
られる。
【0033】このようにして得られた化合物〔XVI
I〕の4−フルオロフェニル 2,2−ジメチルプロピ
ル ケトンを接触水素添加法で還元することにより、本
発明化合物の一である式〔XVIII〕の化合物4−
(3,3−ジメチルブチル)フルオロベンゼンが得られ
る。即ち、化合物〔XVII〕をエタノール、メタノー
ル、酢酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒
中、又はこれらの混合溶媒中で、パラジウム−カーボン
等の触媒の存在下、必要ならば、例えば塩化水素酸等の
酸触媒の存在下に、必要ならば加圧下に、水素添加する
ことにより化合物〔XVIII〕が得られる。
【0034】このようにして得られた化合物〔XVII
I〕と塩化オキザリルを、ルイス酸として、例えば塩化
アルミニウムの存在下、必要ならばジクロロメタン、ク
ロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼ
ン等の溶媒中で、0℃からその反応系における還流温度
までの任意の温度で攪拌することにより、化合物〔XI
X〕の安息香酸クロリドが得られる。
【0035】次に、この化合物〔XIX〕とアンモニア
又はアンモニア水をそのまま過剰に用いるか、あるいは
ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセト
ニトリル、酢酸エチル等の溶媒中、−78〜120℃の
任意の温度で反応させることにより、本発明化合物の一
である式〔XX〕の酸アミド類を得ることができる。
【0036】製造法6
【0037】
【化8】 (式中、Xは前記と同じ意味を表す。)
【0038】本発明化合物の一である式〔XXI〕の化
合物は通常製造法1,2及び3で得ることのできる化合
物〔IV〕を還元することにより得られる。この場合、
還元剤としては、水素化ジイソブチルアルミニウム、水
素化リチウムアルミニウム、ジボラン等が挙げられる。
反応は必要ならばエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン等の溶媒中
で、必要ならば窒素、アルゴン等の不活性気流中で、0
℃からその反応系における還流温度までの任意の温度
で、好ましくは20〜50℃の範囲において行われる。
【0039】このようにして得られた化合物〔XXI〕
を酸化することにより本発明化合物の一である式〔XX
II〕の化合物が得られる。この場合使用できる酸化剤
としては、一般に使用できる種々の酸化剤を挙げること
が出来、例えば、二酸化マンガン、酸化クロム(VI)
−ピリジン錯体、クロム酸−tert−ブチル等が挙げ
られる。必要ならば、ジクロロメタン、クロロホルム、
ピリジン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒中
で、0℃からその反応系における還流温度までの任意の
温度で行われる。また、ジメチルスルホキシドによる酸
化も可能で、この場合活性化剤としてシュウ酸クロリ
ド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、無水酢酸等を加
えるとより温和な条件下に酸化を行うことができる。そ
の他、白金触媒等を用いる触媒酸素酸化で化合物〔XX
I〕を酸化しても、化合物〔XXII〕が得られる。
【0040】製造法7
【0041】
【化9】 (式中、R6 、X及びZは前記と同じ意味を表す。)
【0042】製造法1,2及び3で得ることのできる化
合物〔XXIII〕を、各種ハロゲン化剤で化合物〔X
XIV〕とする。この場合、ハロゲン化剤としては、塩
化チオニル、臭化チオニル、オキシ塩化リン、オキシ臭
化リン、五塩化リン、五臭化リン、及び四塩化炭素又は
四臭化炭素とトリフェニルフォスフィンを用いることが
でき、これらをそのまま過剰に用いるか、あるいはベン
ゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジエチルホ
ルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセト
ニトリル、ヘキサン等の溶媒中で、室温から120℃の
任意の温度で攪拌することにより化合物〔XXIV〕が
得られる。次に、この化合物〔XXIV〕とアンモニア
又はアンモニア水をそのまま過剰に用いるか、あるいは
ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセト
ニトリル、酢酸エチル等の溶媒中、−78〜120℃の
任意の温度で反応させることにより、本発明化合物の一
である式〔XXV〕の酸アミド類を得ることができる。
【0043】製造法8
【0044】
【化10】 (式中、R4 、R6 、Xは前記と同じ意味を表す。)
【0045】例えばジャーナル・オブ・ジ・アメリカン
・ケミカル・ソサイティ(Journalof the American Che
mical Society) 74巻,6203ページ(1972
年)記載の方法により、化合物〔XXIII〕とジフェ
ニルホスホリルアジド(DPPA)及びアルコール類と
をトリエチルアミン等の塩基の存在下に反応させて化合
物〔XXVI〕のカルバミン酸エステル類とし、これを
塩酸、硫酸などの酸類と、必要ならば、水、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール類、酢酸
等の溶媒中で、室温から120℃までの任意の温度で攪
拌することにより、本発明化合物の一である式〔XXV
II〕のアニリン類を得ることができる。
【0046】製造法9
【0047】
【化11】 (式中、R5 、Xは前記と同じ意味を表す。) 本発明化合物〔III〕は、製造法2に従って製造する
ことができる化合物〔VI〕を接触水素添加法で還元す
ることによっても得ることができる。すなわち、化合物
〔VI〕をエタノール、メタノール、酢酸、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はこれらの混合
溶媒中でパラジウム−カーボン、ラネーニッケル、酸化
白金等の触媒の存在下、必要ならば、例えば塩酸等の酸
の存在下に、必要ならば加圧下に、0℃からその反応系
における還流温度までの任意の温度で、水素添加するこ
とにより化合物〔III〕を得ることができる。
【0048】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明化合物の製造法を
具体的に説明する。
【0049】製造例1 5−(3,3−ジメチルブチ
ル)−2−フルオロベンゾニトリル(化合物番号5)の
製造 テトラヒドロフラン(100ml)に金属マグネシウム
(1.8g)を加え、次いでこの溶液を還流させながら
ネオペンチルブロミド(9.8g)を滴下し、30分間
還流した。この混合物を室温まで冷却しLi2 CuCl
4 (2.0g)を加えた後、ドライアイス−アセトンで
冷却しながら−20℃で5−ブロモメチル−2−フルオ
ロベンゾニトリル(9.8g)を加えた。次に冷媒を取
り除き、室温で3時間攪拌した。この反応混合物を氷水
(200ml)に注ぎ込み減圧下でテトラヒドロフラン
を留去し、6N塩酸(50ml)を加え酸性とした後、
酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し濃縮した。残渣の油分をシリカゲルクロマ
トグラフィーで精製し、目的物6.5g(屈折率1.4
968)を得た。
【0050】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.96 (9H,s) 1.29〜1.58 (2H,m) 2.42〜2.71 (2H,m) 6.87〜7.46 (3H,m)
【0051】製造例2 5−(3,3−ジメチルブチ
ル)−2−フルオロ安息香酸(化合物番号10)の製造 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾ
ニトリル(化合物番号5)4.5gを濃塩酸(50m
l)に加え、還流下5時間攪拌した。反応混合物を10
0mlの水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、水洗、乾
燥し、目的物4.0g(融点87〜89℃)を得た。
【0052】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 1.05 (9H,s) 1.37〜1.60 (2H,m) 2.47〜2.71 (2H,m) 6.78〜8.80 (3H,s) 11.87 (1H,s)
【0053】製造例3 5−(3,3−ジメチル−1
−ブテニル)−2−フルオロ安息香酸メチル(化合物番
号16)の製造 トルエン(500ml)に5−ブロモメチル−2−フル
オロ安息香酸メチル(61.5g)及びトリフェニルホ
スフィン(78.7g)を加え、還流下で3時間攪拌し
た。反応混合物を室温まで放冷後、ろ過し、結晶をn−
ヘキサンで洗浄、乾燥し、123.4gの(3−メトキ
シカルボニル−4−フルオロベンジル)トリフェニルホ
スホニウムブロミド(融点210〜213℃)を得た。
【0054】このようにして得られた(3−メトキシカ
ルボニル−4−フルオロベンジル)トリフェニルホスホ
ニウムブロミド(78g)をジメチルホルムアミド(5
00ml)に入れ、攪拌下、カリウム−tert−ブト
キシド(21g)を30分間で徐々に加え(反応温度は
室温から50℃まで上昇した。)、次に50℃で1時間
攪拌した後、ピバルアルデヒド(15g)を1時間かけ
て加え(温度は、80℃まで上昇した。)、室温下に1
昼夜攪拌した。反応混合物に500mlの水を加え、酢
酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗、濃縮し、残
渣のスラリーをn−ヘキサンで抽出した。n−ヘキサン
層を濃縮し、残渣の油分を真空蒸留に付して、目的物7
9g(115〜120℃/0.05mmHg,屈折率
1.5056)のを得た。
【0055】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 1.00 (9H,s) 3.93 (3H,s) 5.96 (2H,q) 6.83〜7.97 (3H,m)
【0056】製造例4 5−(3,3−ジメチル−1
−ブテニル)−2−フルオロ安息香酸(化合物番号1
2)の製造 5−(3,3−ジメチル−1−ブテニル)−2−フルオ
ロ安息香酸メチル(化合物番号16)169gをメタノ
ール(350ml)に溶解し、この溶液に水(50m
l)に溶かした水酸化カリウム(81g)を室温下に加
え、還流下で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、5
00mlの水を加えた後、pH3になるまで塩酸を加
え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、目的物145g
(融点82〜90℃)を得た。
【0057】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.90 (9H,s) 5.60 (1H,d) 6.25 (1H,d) 6.84〜7.44 (2H,m) 7.80 (1H,dd) 11.08 (1H,s)
【0058】製造例5 3−(3,3−ジメチル−1
−ブチニル)安息香酸メチル(化合物番号17) トリエチルアミン(500ml)に3−ヨード安息香酸
メチル(31.5g)、塩化ビストリフェニルホスフィ
ンパラジウム(II)(0.5g)、ヨウ化第1銅
(0.5g)及び3,3−ジメチル−1−ブチン(1
0.8g)を加え、室温下に30分間、還流下に7時間
攪拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮後、残渣を
酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)で精製し、
目的物21.0g(融点38〜41℃)を得た。
【0059】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 1.33 (9H,s) 3.87 (3H,s) 7.13〜7.97 (4H,m)
【0060】製造例6 3−(3,3−ジメチルブチ
ニル)安息香酸(化合物番号13)の製造 3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)安息香酸メチ
ル(化合物番号17)(19.6g)及び水酸化カリウ
ム(17.3g)をメタノール:水=1:1の混合溶媒
(300ml)に加え、還流下に30分間攪拌した。反
応混合物を室温まで冷却後、塩酸(11ml)を加え、
析出した結晶をろ過、水洗後、乾燥し、目的物16.4
g(融点137〜139℃)を得た。
【0061】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 1.33 (9H,s) 7.17〜8.08 (4H,m) 9.67 (1H,s)
【0062】製造例7 5−(3,3−ジメチルブチ
ル)−2−フルオロベンゾヒドロキシムアミド(化合物
番号20)の製造 メタノール(30ml)に5−(3,3−ジメチルブチ
ル)−2−フルオロベンゾニトリル(化合物番号5)
4.2g、ヒドロキシアミン硫酸塩(1.8g)及び炭
酸カリウム(4.0g)を懸濁し、還流下に3時間攪拌
した。反応混合物を50mlの水に注ぎ込み、酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層を水洗した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィーで精製し、目的物3.0g(融点78〜8
3℃)を得た。
【0063】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.97 (9H,s) 1.33〜1.62 (2H,m)2.28〜2.6
0 (2H,m) 5.15 (2H,s) 6.80〜7.56 (3H,m) 9.00 (1H,s)
【0064】製造例8 O−イソプロピル−5−
(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾヒド
ロキシムアミド(化合物番号22)の製造 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロベンゾ
ヒドロキシムアミド1.3g(化合物番号20)をテト
ラヒドロフラン30mlに溶解し、この溶液に60%水
素化ナトリウム0.26gを室温下に加え、30分間攪
拌後、臭化イソプロピル0.8gを加え、室温下に8時
間攪拌した。反応混合物を50mlの水に注ぎ込み、酢
酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し濃縮した。この濃縮物をヘキサン
−酢酸エチル=5:1の混合溶液を展開溶媒とするシリ
カゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物1.3g
(屈折率1.5072)を得た。
【0065】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.97 (9H,s) 1.30 (6H,d) 1.25〜1.65 (2H,m) 2.40〜2.65 (2H,m) 4.33 (1H,q) 4.97 (2H,s) 6.73〜7.52 (3H,m)
【0066】製造例9 4−フルオロフェニル 2,
2−ジメチルプロピル ケトン(化合物番号2)の製造 フルオロベンゼン(3.6g)に3,3−ジメチルブチ
リルクロリド(3.9g)を加え、次いで塩化アルミニ
ウム(4.4g)を加えて室温下に3時間攪拌した。反
応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的
物5.6g(屈折率1.4908)を得た。
【0067】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 1.07 (9H,s) 2.80 (2H,s) 6.87〜7.15 (2H,m) 7.77〜8.02 (2H,m)
【0068】製造例10 4−フルオロ−1−(3,
3−ジメチル)ブチルベンゼン(化合物番号1)の製造 4−フルオロフェニル 2,2−ジメチルプロピル ケ
トン(化合物番号2)5.0gをエタノール(100m
l)に溶解し、10%パラジウム−カーボン(0.4
g)及び濃塩酸(3滴)を加え室温で12時間水素ガス
を添加した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。残
渣の油状物質を真空蒸留に付し、目的物3.9g(沸点
100〜101℃、20mmHg、屈折率1.466
8)を得た。
【0069】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.95 (9H,s) 1.30〜1.58 (2H,m) 2.38〜2.67 (2H,m) 6.72〜7.23 (4H,m)
【0070】製造例11 5−(3,3−ジメチルブ
チル)−2−フルオロベンズアミド(化合物番号18)
の製造 1,2−ジクロロエタン(40ml)に塩化アルミニウ
ム(3.3g)を溶解し、この溶液に氷水冷却下、5〜
10℃にて塩化オキザリル(3.8g)を加え、次いで
4−フルオロ−1−(3,3−ジメチル)ブチルベンゼ
ン(化合物番号1)3.8gを加え同温度で5時間攪拌
した。反応混合物を100mlの氷水に注ぎ込み、更に
クロロホルム(100ml)を加え有機層を水洗後、硫
酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をジクロロメタ
ン(40ml)に溶解し、氷水で冷却しながら5〜10
℃にて30%アンモニア水溶液(3.8g)を加えた。
次に冷媒を除きこの混合物を室温下で16時間攪拌し
た。反応混合物に水を加え有機層を水洗した後、硫酸マ
グネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィーで精製し目的物1.8g(沸点63〜70
℃)を得た。
【0071】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.90 (9H,s) 1.20〜1.58 (2H,m) 2.42〜2.71 (2H,m) 6.46 (2H,broad) 6.79〜7.92 (3H,m)
【0072】製造例12 5−(3,3−ジメチルブ
チル)−2−フルオロベンジルアルコール(化合物番号
24)の製造 5−(3,3−ジメチルブチル)−2−フルオロ安息香
酸(化合物番号10)11.2gを、水素化リチウムア
ルミニウム(2.3g)を懸濁したテトラヒドロフラン
溶液(150ml)へ室温下に約15分間かけて加え、
3時間攪拌した。反応混合物へ水(300ml)を少し
づつ加え、次いで希塩酸をpH3になるまで加え酢酸エ
チルを抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、目的物9.4g(屈折率1.49
21)を得た。
【0073】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.95 (9H,s) 1.32〜1.58 (2H,m) 2.23〜2.67 (3H,m) 4.67 (2H,s) 6.73〜7.22 (3H,m)
【0074】製造例13 5−(3,3−ジメチルブ
チル)−2−フルオロベンズアルデヒド(化合物番号
8)の製造 ジクロロメタン30ml中に塩化オキザリル(6.3
g)を加え、ドライアイス−アセトンで冷却しながら−
60〜−50℃でジメチルスルホキシド(5.7g)を
ジクロロメタン(10ml)に溶かして加えた。これを
30分間攪拌した後、同温度でジクロロメタン(20m
l)に溶かした5−(3,3−ジメチルブチル)−2−
フルオロベンジルアルコール(化合物番号24)9.0
gを加え、更に同温度でトリエチルアミン(22.5
g)を加えた後、冷媒を取り除き室温下で3時間攪拌し
た。反応混合物を濃縮した後、残渣に水を加え酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーで精製し、目的物8.7g(屈折率1.496
4)を得た。
【0075】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.90 (9H,s) 1.27〜1.62 (2H,m) 2.40〜2.68 (2H,m) 6.85〜7.70 (3H,m) 10.30 (1H,s)
【0076】製造例14 3−(3,3−ジメチルブ
チル)アニリン(化合物番号3)の製造 tert−ブチルアルコール(100ml)へ3−
(3,3−ジメチルブチル)安息香酸(化合物番号9)
6.2g、ジフェニルホスホリルアジド(8.3g)及
びトリエチルアミン(3.3g)を加え、3時間還流さ
せた。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製しtert−ブチル 3−(3,3−
ジメチルブチル)フェニルカーバメート6.6gを得
た。このようにして得られたtert−ブチル 3−
(3,3−ジメチルブチル)フェニルカーバメート5.
2g及び濃塩酸(0.5ml)をエタノール(30m
l)に加え、この溶液を3時間還流させた。反応混合物
を濃縮し、残渣に炭酸カリウム水溶液を加え中和し、酢
酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、硫酸マグネ
シウムで乾燥し濃縮した。残渣を真空蒸留し、目的物
3.0g(沸点103〜105℃/0.5mmHg、屈
折率1.5210)を得た。
【0077】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.93 (9H,s) 1.30〜1.58 (2H,m) 2.33〜2.60 (2H,m) 3.33 (2H,broad) 6.32〜7.17 (4H,m)
【0078】製造例15 3−(3,3−ジメチル−
ブテニル)ベンゾニトリル(化合物番号6)の製造 3−シアノベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド
(68.6g)、カリウム−tert−ブトキシド(2
1.3g)をジメチルホルムアミド(700ml)に加
え、更にピバルアルデヒド(16.4g)を加えた後、
室温下に8時間攪拌した。反応混合物をろ過後、ろ液を
酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル
クロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1)で精製し、目的物20.6g(屈折率1.53
42)を得た。
【0079】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 1.13 (9H,s) 6.27 (2H,s) 7.20〜7.62 (4H,m)
【0080】製造例16 3−(3,3−ジメチルブ
チル)ベンゾニトリル(化合物番号4)の製造 3−(3,3−ジメチル−1−ブテニル)ベンゾニトリ
ル(化合物番号6)10.0g及び10gパラジウム−
カーボン(2.0g)をエタノール(150ml)に加
え、室温、攪拌下に水素(1.21)を添加した。反応
終了後、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、水を加
え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=
10:1)で精製し、目的物20.6g(屈折率1.5
028)を得た。
【0081】 NMRデータ(60MHz、CDCl3 溶媒、δ値) 0.97 (9H,s) 1.33〜1.60 (2H,m) 2.50〜2.75 (2H,m) 7.36〜7.48 (4H,m)
【0082】本発明の化合物は殺虫剤として利用するこ
とができる。すなわち、本発明化合物を殺虫剤として使
用するには本発明化合物それ自体で用いてもよいが、製
剤化に一般的に用いられる担体、界面活性剤、分散剤又
は補助剤等を配合して、粉剤、水和剤、乳剤、微粒剤又
は粒剤等に製剤して使用することもできる。製剤化に際
して用いられる担体としては、ジークライト、タルク、
ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、ホワイトカ
ーボン、バーミキュライト、消石灰、珪砂、硫安、尿素
等の固体担体、イソプロピルアルコール、キシレン、シ
クロヘキサノン、メチルナフタレン等の液体担体等が挙
げられる。界面活性剤及び分散剤としては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン
酸金属塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリー
ルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノアルキレート等が挙げられる。
【0083】補助剤としては、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリエチレングリコール、アラビアゴム等が挙げ
られる。使用に際しては適当な濃度に希釈して散布する
か又は直接施用する。
【0084】本発明の殺虫剤は茎葉散布、土壌施用、育
苗箱施用又は水面施用等により使用することができる。
有効成分の配合割合については必要に応じて適宜選ばれ
るが、粉剤又は粒剤とする場合は0.05〜20%(重
量)、好ましくは0.1%〜10%(重量)の範囲から
適宜選ぶのがよい。乳剤又は水和剤とする場合は0.5
〜80%(重量)が適当である。好ましくは1〜60%
(重量)の範囲から適宜選ぶのがよい。
【0085】本発明の殺虫剤の施用量は使用される化合
物の種類、対象害虫、発生傾向、被害の程度、環境条
件、使用する剤型などによってかわるが、粉剤及び粒剤
のようにそのまま使用する場合は、有効成分として10
アール当り0.05g〜5kg、好ましくは0.1g〜
1kgの範囲から適宜選ぶのがよい。また、乳剤及び水
和剤とする場合のように液状で使用する場合は、0.1
〜5,000ppm、好ましくは1〜1,000ppm
の範囲から適宜選ぶのがよい。本発明の殺虫剤は、他の
殺虫剤、殺菌剤、肥料、植物成長調製剤を混合して使用
することもできる。
【0086】次に、代表的な製剤例をあげて製剤方法を
具体的に説明する。化合物、添加剤の種類及び配合比率
は、これのみに限定されることなく広い範囲で変更可能
である。以下の説明において、「%」は重量百分率を示
す。
【0087】製剤例1 乳剤 化合物番号(2)30%、シクロヘキサノン20%、ポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル11%、ア
ルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナ
フタレン35%を均一に溶解して乳剤とした。
【0088】製剤例2 水和剤 化合物番号(6)40%、珪藻土15%、クレー15
%、ホワイトカーボン25%、ジナフチルメタンジスル
ホン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナトリウ
ム3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0089】製剤例3 粉剤 化合物番号(17)2%、珪藻土5%及びクレー93%
を均一に混合粉砕して粉剤とした。
【0090】製剤例4 粒剤 化合物番号(24)5%、ラウリルアルコール硫酸エス
テルのナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウ
ム5%、カルボキシメチルセルロース2%及びクレー8
6%を均一に混合粉砕する。この混合物100重量部に
水20重量部を加えて練合し、押出式造粒機を用いて1
4〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤
とした。
【0091】
【発明の効果】本発明のベンゼン誘導体は、トビイロウ
ンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ等のウンカ類、ツ
マグロヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ等のヨコバイ類に
対しては極めて優れた防除効果を示す。
【0092】次に本発明化合物の効果について試験例を
もって説明する。 試験例1 トビイロウンカ殺虫試験 製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分として50
0ppmの濃度に水で希釈した。その薬液にイネ茎葉を
浸漬し、風乾後、試験管に静置した。その中にトビイロ
ウンカ幼虫10頭を放ち、脱脂綿で栓をした。その後、
25℃の恒温室に置き、6日後に死虫率を調査し、表2
の基準により評価し、その結果を表3に示した。なお、
試験は2連制で行った。
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】試験例2 ツマグロヨコバイ殺虫試験 製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分として50
0ppmの濃度に水で希釈した。その薬液にイネ茎葉を
浸漬し、風乾後、試験管に静置した。その中にツマグロ
ヨコバイ幼虫5頭を放ち、脱脂綿で栓をした。その後、
25℃の恒温室に置き、2日後に死虫率を調査し、表4
の基準により評価し、その結果を表5に示した。なお、
試験は2連制で行った。
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】前記の殺虫試験からみて、本発明化合物は
稲作において問題となる半翅目害虫の防除に有効である
ことは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 37/18 Z 37/34 103 9155−4H 104 9155−4H C07C 25/24 47/542 47/548 63/04 9450−4H 69/76 Z 9546−4H 211/45 211/52 255/50 259/18 8318−4H (72)発明者 武樋 隆芳 静岡県磐田郡福田町塩新田408番地の1 株式会社ケイ・アイ研究所内 (72)発明者 永田 俊浩 静岡県磐田郡福田町塩新田408番地の1 株式会社ケイ・アイ研究所内 (72)発明者 中野 勇樹 静岡県小笠郡菊川町下内田2353番地の6 (72)発明者 工藤 了 静岡県小笠郡菊川町加茂3353番地 (72)発明者 栗原 浩 静岡県小笠郡菊川町青葉台1丁目6番地の 4

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 {式中、R1 は水素原子、アミノ基、シアノ基、ヒドロ
    キシメチル基、基COR3 (R3 は水素原子、ヒドロキ
    シル基、アミノ基及びアルコキシ基を示す。)、基C
    (NH2 )=NOH又は基C(NH2 )=NOR4 (R
    4 はアルキル基を示す。)を示し、R2 は3,3−ジメ
    チルブチル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、
    3,3−ジメチル−1−ブチニル基又は3,3−ジメチ
    ルブチリル基を示し、Xは水素原子又はフッ素原子を示
    す。但し、XとR1 は同時に水素原子ではない。}で表
    されるベンゼン誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式〔I〕で表され
    るベンゼン誘導体を有効成分として含有する殺虫剤。
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