JP3709658B2 - 筒内直接噴射式火花点火エンジン - Google Patents

筒内直接噴射式火花点火エンジン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、吸気を加熱して燃焼性を改善する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
点火プラグの近傍に燃料を集める混合気の成層化をはかるため、シリンダ内にインジェクタ(燃料噴射弁)を臨ませ、シリンダ内に燃料を直接噴射するようにした筒内直接噴射式火花点火エンジンがある。
【0003】
従来の筒内直接噴射式火花点火エンジンとして、例えば図16に示すようなものがある(特開平6−81651号公報、参照)。
【0004】
これについて説明すると、インジェクタ6は燃焼室天井壁20の側部からシリンダ14内に臨み、ピストン1の冠部10に窪むキャビティ11に向けて燃料を噴射するようになっている。
【0005】
吸気ポート21がシリンダ14に沿って直立して形成されている。直立した吸気ポート21からシリンダ14内に流入した吸気は、図中矢印で示すように、シリンダ14に沿って下降した後、ピストン冠部10に沿って旋回する逆タンブルRが生起される。キャビティ11上において逆タンブルRと共に旋回する燃料噴霧は、キャビティ11に沿って点火プラグ4に向けて上昇する。これにより、濃混合気を点火プラグ4の近傍に集める、混合気の成層化がはかれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、タンブルは圧縮行程の後半までその勢力が維持されるため、吸気温度が低い高回転時等に、圧縮行程の後半でインジェクタ6から噴射された燃料が気化や霧化混合が不十分なまま逆タンブルRと共に点火プラグ4に当たり、失火等を発生する可能性がある。
【0007】
また、吸気温度が低い高回転時等に、圧縮行程の後半にインジェクタ6から噴射された燃料がピストン冠部に当たって付着し、デポジットが堆積したり、未燃焼HCが生じ、エミッションの悪化や燃費の増大を招く等の問題点があった。
【0008】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼性を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、シリンダ内に吸気を導入する吸気通路と、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、シリンダ内から排気を排出する排気通路とを備え、インジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼領域と、インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼領域を設定する筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、吸気を加熱する吸気加熱手段と、吸気加熱手段を介して成層燃焼領域にて均質燃焼領域より吸気温度を高める制御手段と、エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段とを備え、エンジンのノッキングが検出された場合に吸気加熱手段を介して吸気温度を下げ、燃料噴射時期を吸気行程に切換えるとともに混合気を理論空燃比に近づける構成とした。
【0014】
請求項に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、シリンダ内に吸気を導入する吸気通路と、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、シリンダ内から排気を排出する排気通路とを備え、インジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼領域と、インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼領域とを設定する筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、前記シリンダ内にタンブルを生起するタンブル生起手段と、吸気を加熱する吸気加熱手段と、吸気加熱手段を介して成層燃焼領域にて均質燃焼領域より吸気温度を高める制御手段と、エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、吸気を各吸気ポートの上部に集めるバタフライ式コントロールバルブを備え、ピストンの冠部にインジェクタから噴射される燃料噴霧を受けるように窪むキャビティを形成し、エンジンのノッキングが検出された場合に吸気加熱手段を介して吸気温度を下げ、燃料噴射時期を圧縮行程とするとともにコントロールバルブを開く構成とした。
【0015】
請求項に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、シリンダ内に吸気を導入する吸気通路と、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、シリンダ内から排気を排出する排気通路とを備え、インジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼領域と、インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼領域とを設定する筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、前記シリンダ内にタンブルを生起するタンブル生起手段と、吸気を加熱する吸気加熱手段と、吸気加熱手段を介して成層燃焼領域にて均質燃焼領域より吸気温度を高める制御手段と、エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、各吸気ポートに接続してシリンダに吸気を導く2本の副通路を備え、コントロールバルブを吸気通路の副通路に対する接続部より上流側に介装し、ピストンの冠部にインジェクタから噴射される燃料噴霧を受けるように窪むキャビティを形成し、エンジンのノッキングが検出された場合に吸気加熱手段を介して吸気温度を下げ、燃料噴射時期を圧縮行程とするとともにコントロールバルブを開く構成とした。
【0016】
請求項4に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明において、前記吸気通路としてシリンダ内に吸気を導入する2本の吸気ポートを備え、シリンダの中心線を含みクランクシャフトの回転中心軸と直交する平面をシリンダ中心面Cと定義し、インジェクタと各吸気ポートおよび点火プラグをシリンダ中心面Cについて略対称的に配置し、前記ピストンとの間で燃焼室を画成する燃焼室天井壁を吸気ポートが開口する吸気ポート側傾斜面と排気ポートが開口する排気ポート側傾斜面によって構成し、タンブル生起手段として吸気ポートを吸気が排気ポート側傾斜面に沿って下降するようにシリンダ中心線に対して傾斜させるものとした。
請求項5に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、請求項1から4のいずれか一つに記載の発明において、前記ピストンの冠部にクランクシャフトと平行な円柱面状に窪むキャビティを形成するものとした。
請求項に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、請求項1からのいずれか一つに記載の発明において、前記吸気加熱手段として排気通路からの伝熱により吸気を加熱する熱交換器と、熱交換器を流れる吸気量を調節する切換えバルブとを備えるものとした。
【0017】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼領域では、吸気通路を通ってシリンダ内に吸入された空気がピストンで圧縮された状態で、燃料がインジェクタから燃焼室に噴射される。インジェクタから噴射された燃料噴霧は、シリンダ内に生起されるタンブルにより燃焼室の上部へと曲げられ、点火プラグの近傍に集められる。
【0018】
しかし、吸気の加熱が行われない場合、インジェクタから噴射された燃料が気化や霧化混合が不十分なままタンブルと共に点火プラグに当たると、失火等を発生する可能性がある。
【0019】
本発明はこれに対処して、成層燃焼領域で吸気加熱手段を介して吸気温度を上昇させるため、インジェクタから噴射された燃料噴霧がタンブルと共に点火プラグの近傍に到達する過程で、燃料の気化および霧化混合が十分に行われる。このため、液状の燃料が点火プラグに当たってくすぶりや失火等を招くことを防止できる。そして、高濃度の混合気が点火プラグに近づき、混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。この結果、未燃焼HC量を減らし、エミッションを改善するとともに、燃費の低減がはかれる。
【0020】
また、圧縮行程でインジェクタから噴射された燃料噴霧は、タンブルにより燃焼室の上部へと曲げられることにより、ピストン冠部に当たって付着することが抑えられ、デポジットが堆積することを防止するとともに、未燃焼HCを減らすことができる。
【0021】
均質燃焼領域で、ピストンが下降する吸入行程でインジェクタから燃料が噴射され、ピストンが上昇して点火時期を迎えるまでに燃焼室に均質な混合気が形成される。
【0022】
均質燃焼領域では吸気加熱手段を介して吸気温度を低くして大気温度に近づけることにより、吸気充填効率を高め、高出力化がはかられる。均質燃焼領域ではシリンダ内に均質な混合気が形成されるため、吸気温度を低くしても、着火が確実に行われるとともに、火炎の伝播が促され、燃焼性が確保される。この結果、エミッションの悪化や燃費の増大を抑えられる。
【0026】
また、エンジンのノッキングが検出された場合、成層燃焼領域でも吸気加熱手段を介して吸気温度を低下させてシリンダ内の温度を低下させることにより、ノッキングの発生を抑えられる。
【0027】
また、エンジンのノッキングが検出された場合、成層燃焼領域でも吸気加熱手段を介して吸気温度を低下させてシリンダ内の温度を低下させるとともに、燃料噴射時期を吸気行程に切換えて、混合気を理論空燃比に制御することにより、ノッキングの発生を抑えられる。
【0028】
請求項に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼領域ではコントロールバルブが閉弁することにより、吸気流速を高め、シリンダ内に強いタンブルを生起する。こうして、タンブルの勢力が高められることにより、エンジン回転数が低くても、タンブルの勢力が圧縮行程の後半まで持続される。このため、インジェクタからピストン冠部に向けて噴射された燃料噴霧は、シリンダ内に生起されるタンブルにより燃焼室の上部へと曲げられ、濃混合気が点火プラグの近傍に集まる混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0029】
ノッキングが検出された場合、コントロールバルブが開弁することにより、吸気流速を低くし、シリンダ内に生起されるタンブルを弱められる。こうして、タンブルが弱められることにより、圧縮行程にインジェクタからキャビティに向けて噴射された燃料がキャビティ上から吸気流によって吹き飛ばされることが抑えられ、濃混合気を点火プラグの近傍に集める混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0030】
均質燃焼領域では、コントロールバルブが開弁することにより、コントロールバルブによって吸気通路が絞られることなく、エンジンの吸気充填効率を高められる。
【0031】
請求項に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼領域ではコントロールバルブが閉弁して多くの燃料が副通路を通過してシリンダ内に強いタンブルを生起する。こうして、タンブルの勢力が高められることにより、エンジン回転数が低くても、タンブルの勢力が圧縮行程の後半まで持続される。このため、インジェクタからピストン冠部に向けて噴射された燃料噴霧は、シリンダ内に生起されるタンブルにより燃焼室の上部へと曲げられ、濃混合気が点火プラグの近傍に集まる混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0032】
ノッキングが検出された場合、コントロールバルブが開弁することにより、吸気流速を低くし、シリンダ内に生起されるタンブルを弱められる。こうして、タンブルが弱められることにより、圧縮行程にインジェクタからキャビティに向けて噴射された燃料がキャビティ上から吸気流によって吹き飛ばされることが抑えられ、濃混合気を点火プラグの近傍に集める混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0033】
均質燃焼領域では、コントロールバルブが開弁することにより、コントロールバルブによって吸気通路が絞られることなく、エンジンの吸気充填効率を高められる。
【0034】
請求項4に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、2本の吸気ポートを通ってシリンダ内に流入する吸気流は、燃焼室天井壁の排気ポート側傾斜面およびシリンダに沿って下降した後にピストン冠部上へと進んで旋回する順タンブルを生起する。
インジェクタから噴射された燃料噴霧は、シリンダ内に生起される順タンブルにより燃焼室の上部へと曲げられて、点火プラグの近傍に集められ、混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。この結果、未燃焼HC量を減らし、エミッションを改善するとともに、燃費の低減がはかれる。
請求項5に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、ピストンの冠部にクランクシャフトと平行な円柱面状に窪むキャビティは、順タンブルに沿って湾曲しているため、順タンブルの勢力を高められる。こうして、タンブルの勢力が高められることにより、エンジン回転数が低くても、順タンブルの勢力が圧縮行程の後半まで持続される。このため、インジェクタから噴射された燃料噴霧は、シリンダ内に生起されるタンブルにより燃焼室の上部へと曲げられ、濃混合気が点火プラグの近傍に集まる混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
請求項に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、吸気を熱交換器を通してシリンダに導き、排気通路からの伝熱により吸気を加熱することにより、吸気温度を高められる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0036】
図1に示すように、エンジン30の運転を制御するコントロールユニット49が設けられる。コントロールユニット49はノッキングセンサ25によってノッキングの検出信号、エンジン負荷およびエンジン回転数N等を入力し、後述するように燃料噴射、吸気加熱等の制御を行う。
【0037】
図2に示すように、シリンダヘッド15に形成された燃焼室天井壁20とピストン1の間に燃焼室3が画成される。ピストン1のシリンダ14における往復運動はコンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)の連続回転運動に変換される。
【0038】
ペントルーフ型に傾斜する燃焼室天井壁20には2本に分岐する吸気ポート21と2本の排気ポート22が互いに対向して開口する。燃焼室天井壁20の中央部には点火プラグ4が燃焼室3に臨んでいる。2つの吸気バルブ7と2つの排気バルブ8は、点火プラグ4を挟むようにして互いに対向して設けられる。
【0039】
燃焼室天井壁20にはその側部から燃焼室3に臨むインジェクタ(燃料噴射弁)6が設けられる。インジェクタ6は各吸気バルブ7の側方で、かつ各吸気バルブ7の間に位置して燃焼室3に臨んでいる。
【0040】
インジェクタ6が開弁するのに伴ってシリンダ14内に噴射される燃料は、各吸気バルブ7が開かれるのに伴って吸気ポート21から吸入されている空気と混合する。シリンダ14内に形成された混合気はピストン1で圧縮された状態で点火プラグ4を介して燃料が着火燃焼する。燃焼したガスはピストン1を下降させてクランクシャフトを介して回転力を取り出した後、ピストン1が上昇する排気行程中に排気バルブ8が開かれるのに伴って各排気ポート22から排出される。これらの各行程が連続して繰り返される。
【0041】
ここで、シリンダ中心面Cをシリンダ14の中心線を含み図示しないクランクシャフトの回転中心軸と直交する平面と定義する。ピストン1と燃焼室天井壁20と各吸気ポート21および各排気ポート22は、シリンダ中心面Cについて対称的に形成される。これにより、各吸気ポート21に均等に分流してシリンダ14内に流入する吸気流は、図3に矢印で示すように、燃焼室天井壁20の排気ポート側傾斜面26からシリンダ14に沿って下降した後にピストン冠部10上へと進み、シリンダ14の中心線と直交する軸を中心に旋回する順タンブルTを生起する。
【0042】
本実施形態において、ピストン1の冠部10は、シリンダ中心線と直交する平面状に形成される。
【0043】
インジェクタ6の燃料噴射方向は各吸気ポート21を流れる吸気の流れ方向と略同一方向に設定される。すなわち、インジェクタ6の噴口中心線Fは圧縮上死点付近にあるピストン冠部10に対向し、点火プラグ4に対向しないように下向きに配置される。インジェクタ6から噴射される燃料噴霧はシリンダ中心面Cを挟んで円錐状に拡がる。
【0044】
インジェクタ6はその開弁時期(燃料噴射時期)と開弁期間(燃料噴射量)がコントロールユニット49により運転状態に応じて制御される。
【0045】
コントロールユニット49は、図示しない各センサによって検出された吸入空気量Qaとエンジン回転数Nとに基づいて基本噴射量Tpを次式で算出する。
【0046】
Tp=K・Qa/N ‥‥(1)
ただし、K;定数
そして、所定のストイキ運転領域で空燃比が理論空燃比を中心とした狭い範囲に収める一方、所定のリーン運転領域で希薄混合気による成層燃焼を実現するための空燃比となるように最終的な燃料噴射量Tiを次式で算出して燃料噴射量をフィードバック制御する。
【0047】
Ti=Tp×α×COEF+Ts …(2)
ただし、αは空燃比フィードバック補正係数、COEFは冷却水温度補正係数、および成層燃焼のための補正係数等をパラメータとした各種補正係数の和、Tsは無効噴射パルス幅である。
【0048】
コントロールユニット49は、演算された燃料噴射量Tiに対応するパルス信号をインジェクタ6の駆動回路(図示せず)に出力し、インジェクタ6の燃料噴射制御を行う。
【0049】
コントロールユニット49は、図4に示すマップに基づいてエンジン30の負荷または回転数Nが所定値以下の成層燃焼領域で、インジェクタ6の開弁時期である燃料噴射時期をピストン1が上昇する圧縮行程の後半に設定し、エンジン30の負荷または回転数Nが所定値を超えて上昇する均質燃焼領域で、ピストン1が下降する吸気行程に設定されている。
【0050】
コントロールユニット49は、シリンダ14内の混合気の空燃比を成層燃焼領域で理論空燃比より希薄側に制御する。均質燃焼領域はエンジン負荷または回転数Nが所定値以下の第一均質燃焼領域と、エンジン負荷または回転数Nが所定値を超えて上昇する第二均質燃焼領域とに分けられる。混合気の空燃比を第一均質燃焼領域で理論空燃比より希薄側に制御し、第二均質燃焼領域で理論空燃比またはリッチ側に制御する。
【0051】
図1に示すように、排気通路41は、各排気ポート22に接続して各気筒から排気を取り出すエキゾーストマニホールド42と、エキゾーストマニホールド42に接続して排気中のHC,COの酸化と、NOxの還元が行われる排気触媒コンバータ(図示せず)と、排気触媒コンバータに接続する排気管44等を備える。
【0052】
吸気通路31は、前述したようにシリンダ14に接続する各吸気ポート21と、各吸気ポート21に接続して各気筒に吸気を分配するインテークマニホールド32と、インテークマニホールド32のコレクタ部33に接続する冷気導入ダクト34等を備え、図示しないエアクリーナから取り込まれた吸気をシリンダ14に導くようになっている。冷気導入ダクト34の途中にはスロットルバルブ36が介装される。スロットルバルブ36はアクチュエータ(図示せず)を介してコントロールユニット49により運転条件に応じて開閉され、吸入空気量を調節するようになっている。
【0053】
冷気導入ダクト34の途中にはスロットルバルブ36より下流側に切換えバルブ45が介装される。吸気加熱手段として、冷気導入ダクト34から分岐して切換えバルブ45を迂回する吸気を導く排熱回収ダクト35が配設され、排熱回収ダクト35の途中に熱交換器37が設けられる。熱交換器37は触媒コンバータ43等のまわりを覆い、触媒コンバータ43の内外を流れる排気と吸気の熱交換を促すようになっている。すなわち、吸気は図中矢印で示すように熱交換器37を介して触媒コンバータ43の外側を流れる過程で、触媒コンバータ43等からの伝熱により排気の熱を吸収して、温度上昇するようになっている。
【0054】
切換えバルブ45はシャフト46によって回動可能に支持される。切換えバルブ45は冷気導入ダクト34を開通させ排熱回収ダクト35を閉塞する閉位置と、冷気導入ダクト34を閉塞し排熱回収ダクト35を開通させる開位置と、冷気導入ダクト34と排熱回収ダクト35の両方を開通させる半開位置とを有する。
【0055】
シャフト46を回動させて切換えバルブ45を開閉駆動するアクチュエータ48が設けられる。アクチュエータ48の作動を制御するコントロールユニット49は、図4に示すように、成層燃焼領域に切換えバルブ45を開位置に駆動して吸気の加熱を行う一方、均質燃焼領域に切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止する。
【0056】
エンジン30のシリンダブロック16にはノッキングセンサ25が設けられる。ノッキングセンサ25によってエンジン30のノッキングが検出された場合、コントロールユニット49は成層燃焼領域でも切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止するとともに、燃料噴射時期をピストン1が下降する吸気行程に切換える。
【0057】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0058】
図5に示すように、各吸気バルブ7が開かれるのに伴って各吸気ポート21からシリンダ14内に空気が吸入される。均質燃焼領域ではピストン1が下降する吸入行程でインジェクタ6が開弁し、成層燃焼領域ではピストン1が上昇する圧縮行程の後半にインジェクタ6が開弁し、インジェクタ6から燃料噴霧が燃焼室3に噴射される。
【0059】
各吸気ポート21を通ってシリンダ14内に吸入された空気がピストン1で圧縮された状態で、点火プラグ4を介して燃料を着火燃焼させる。燃焼したガスはピストン1を下降させてクランクシャフトを介して回転力を取り出した後、ピストン1が上昇する排気行程中に排気バルブ8が開かれるのに伴って各排気ポート22から排出される。これらの各行程が連続して繰り返される。
【0060】
各吸気ポート21からシリンダ14内に流入する吸気流は、図3、図5に矢印で示すように、燃焼室天井壁20の排気ポート側傾斜面26からシリンダ14に沿って下降した後にピストン冠部10上へと進み、シリンダ14の中心線と直交する軸を中心に旋回する順タンブルTを生起する。
【0061】
エンジン30の負荷または回転数Nが所定値以下の成層燃焼領域で、図3、図5に示すように、ピストン1が上昇する圧縮行程の後半にインジェクタ6から燃料が噴射される。前述したように吸気行程でシリンダ14内に生起された順タンブルTは圧縮行程の後半まで持続しているため、インジェクタ6からピストン冠部10に向けて噴射された燃料噴霧は、シリンダ14内に生起される順タンブルTにより燃焼室3の上部へと曲げられ、点火プラグ4の近傍に集められる。
【0062】
しかし、吸気の加熱が行われない場合、インジェクタ6から噴射された燃料が気化や霧化混合が不十分なまま順タンブルTと共に点火プラグ4に当たり、失火等を発生する可能性がある。
【0063】
本発明はこれに対処して、エンジン30の負荷または回転数Nが所定値以下の成層燃焼領域で切換えバルブ45を開位置に駆動して吸気の加熱を行うことにより、各吸気ポート21からシリンダ14内に流入する吸気温度が上昇しているため、インジェクタ6から噴射された燃料噴霧が順タンブルTと共に点火プラグ4の近傍に到達する過程で、燃料の気化および霧化混合が十分に行われる。このため、液状の燃料が点火プラグ4に当たってくすぶりや失火等を招くことを防止できる。そして、高濃度の混合気が点火プラグ4に近づき、混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0064】
また、圧縮行程の後半でインジェクタ6からピストン冠部10に向けて噴射された燃料噴霧は、順タンブルTにより燃焼室3の上部へと曲げられることにより、ピストン冠部10に当たって付着することが抑えられ、デポジットが堆積することを防止するとともに、未燃焼HCが生じることを防止でき、エミッションの悪化や燃費の増大を回避できる。
【0065】
一方、エンジン30の負荷が所定値を超えて上昇する均質燃焼領域で、ピストン1が下降する吸入行程でインジェクタ6から燃料が噴射され、ピストン1が上昇して点火時期を迎えるまでに燃焼室3に均質な混合気が形成される。
【0066】
均質燃焼領域では吸気を切換えバルブ45を介して排熱回収ダクト35を通さずにシリンダ14に導き、吸気の加熱を行わない。こうして均質燃焼領域では成層燃焼領域より吸気温度を低くして大気温度に近づけることにより、吸気充填効率を高め、高出力化がはかられる。均質燃焼領域ではシリンダ14内に均質な混合気が形成されるため、吸気温度を低くしても、着火が確実に行われるとともに、火炎の伝播が促され、燃焼性が確保される。この結果、エミッションの悪化や燃費の増大を抑えられる。
【0067】
ノッキングセンサ25によってエンジン30のノッキングが検出された場合、成層燃焼領域でも切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止するとともに、燃料噴射時期をピストン1が下降する吸気行程に切換える。これにより、吸気温度を大気温度として、シリンダ14内の温度を低下させることにより、ノッキングの発生を抑えられる。
【0068】
次に、図6に示す実施形態について説明する。なお、図3との対応部分には同一符号を付す。
【0069】
ピストン冠部10に溝状に窪むキャビティ51が形成される。キャビティ51はクランクシャフトと平行な溝状に形成される。すなわち、キャビティ51はペントルーフ状に傾斜する燃焼室天井壁20に対向するように窪む。
【0070】
図7に示すように、ピストン冠部10には2条の凸部52が直線状に延び、キャビティ51は各凸部52の間に直線状に延びる。
【0071】
図6に示すように、キャビティ51は円柱面状に窪む。キャビティ51はその断面の曲率半径がシリンダ14の半径と略等しくなるように形成される。
【0072】
ピストン冠部10の外周部53はシリンダ14の中心線に直交する平面状に形成される。外周部53は、ピストン1が圧縮上死点に到達するときに、燃焼室天井壁20との間で吸気を圧縮し、燃焼室3の中央部に向かうスキッシュを生起するようになっている。
【0073】
以上のように構成され、各吸気ポート21からシリンダ14内に流入する吸気流は、図6に矢印で示すように、燃焼室天井壁20の排気ポート側傾斜面26からシリンダ14に沿って下降した後にピストン冠部10上へと進み、シリンダ14の中心線と直交する軸を中心に旋回する順タンブルTを生起する。
【0074】
しかし、燃焼室3の形状によっては、エンジン回転数が低く、吸気流速が低くなると、シリンダ14に生起される順タンブルTの勢力が弱まると、燃焼室3の上下部で渦が崩壊し、双渦流となる可能性がある。このため、インジェクタ6から噴射された燃料噴霧が順タンブルTにより燃焼室3の上部へと曲げられず、ピストン冠部10へと拡散してしまい、安定した成層燃焼が行われない可能性がある。
【0075】
本発明はこれに対処して、キャビティ51が順タンブルTに沿って湾曲する曲面によって形成されているため、順タンブルTの勢力を高められ、エンジン回転数が低くても、順タンブルTの勢力が圧縮行程の後半まで持続される。このため、インジェクタ6からピストン冠部10に向けて噴射された燃料噴霧は、シリンダ14内に生起される順タンブルTにより燃焼室3の上部へと曲げられ、濃混合気が点火プラグ4の近傍に集まる混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0076】
次に、図8、図9に示す実施形態について説明する。なお、図2、図3との対応部分には同一符号を付す。
【0077】
ピストン1の冠部10には、その中央部にルーフ状に隆起する凸部62が形成されるとともに、皿状に窪むキャビティ61が形成される。
【0078】
図10に示すように、キャビティ61はシリンダ14の中心線についてインジェクタ6側に偏心した円形の断面を持ち、シリンダ14の中心線に直交する平面状をした底面63と、円錐面状をした側壁64によって画成される。
【0079】
ピストン1の冠部は凸部32によって燃焼室天井壁20に沿ってルーフ状に傾斜する。キャビティ61は凸部62の稜線の中央部を削除するようにして窪んでいる。これにより、ピストン1が上死点に到達するとき、ピストン1と燃焼室天井壁20の間に画成される燃焼室3の容積をキャビティ61に集中させて、高い圧縮比が得られる。
【0080】
インジェクタ6の燃料噴射方向は、キャビティ61に対向し、各吸気ポート21を流れる吸気の流れ方向と略同一方向に設定される。
【0081】
シリンダ14内に生起される吸気旋回流の勢力を調節するため、バタフライ式の吸気コントロールバルブ65が各吸気ポート21の分岐点より上流側に介装される。長円盤状をしたコントロールバルブ65は、図11に示すように、その閉位置で吸気通路31の上部に位置して開口する切欠き部66が形成される。
【0082】
図1に示すコントロールバルブ65のシャフト67にアクチューエータ(図示せず)が連結される。コントロールユニット49は前記図4のマップに基づいてエンジンの負荷および回転数が所定値以下の成層燃焼領域ではコントロールバルブ65を閉弁し、均質燃焼領域ではコントロールバルブ65を開弁する。コントロールユニット49は、ノッキングセンサ25によってエンジン30のノッキングが検出された場合、成層燃焼領域でも切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止するとともに、コントロールバルブ65を閉位置に駆動して、燃料噴射時期をピストン1が上昇する圧縮行程の後半に保つ。
【0083】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0084】
成層燃焼領域では、コントロールバルブ65が閉弁することにより、各吸気ポート21の上部からシリンダ14内に導入される吸気流速を高め、図12に示すように、シリンダ14内に強い順タンブルTを生起する。こうして、順タンブルTの勢力が高められることにより、エンジン回転数が低くても、順タンブルTの勢力が圧縮行程の後半まで持続される。このため、インジェクタ6からピストン冠部10に向けて噴射された燃料噴霧は、シリンダ14内に生起される順タンブルTにより燃焼室3の上部へと曲げられ、濃混合気が点火プラグ4の近傍に集まる混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0085】
ノッキングが検出された場合、成層燃焼領域でも切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止するとともに、コントロールバルブ65を閉位置に駆動して、燃料噴射時期をピストン1が上昇する圧縮行程の後半に保つ。
【0086】
コントロールバルブ65が開弁することにより、各吸気ポート21からシリンダ14内に導入される吸気流速を低くし、図13に示すように、シリンダ14内に弱い順タンブルTを生起する。こうして、順タンブルTの勢力が弱められることにより、圧縮行程の後半にインジェクタ6からキャビティ35に向けて噴射された燃料がキャビティ35上から吸気流によって吹き飛ばされることが抑えられ、濃混合気を点火プラグ4の点火部の近傍に集める混合気の成層化がはかれる。
【0087】
均質燃焼領域では、コントロールバルブ65が開弁することにより、吸気通路31がコントロールバルブ65によって絞られることがなく、エンジンの吸気充填効率を高められる。
【0088】
次に、図14、図15に示す実施形態について説明する。なお、図8、図9との対応部分には同一符号を付す。
【0089】
各吸気ポート21の途中には各副通路71が接続される。各副通路71の出口は各吸気ポート21の上面に開口し、図14の平面図上において各吸気ポート21と平行に延びるように配置される。すなわち、各副通路71の出口は、ピストン1は燃焼室天井壁20の排気ポート側傾斜面26に連接するシリンダ14に対向するように形成される。これにより、各副通路71から各吸気ポート21を経てシリンダ14内に流入する吸気はシリンダ14の中心線と直交する軸を中心に旋回する順タンブルTを生起する。
【0090】
各副通路71の出口断面積は吸気ポート21のスロート部断面積より所定の比率で小さく形成される。
【0091】
運転条件に応じて各副通路71に分流する吸気量を調節する流量調節手段として、各吸気ポート21の分岐部22より上流側かつ副通路71の入口より下流側の吸気通路5にはバタフライ式のコントロールバルブ75が介装される。すなわち、副通路71はコントロールバルブ75を迂回する吸気を吸気ポート21のスロート部に導くようになっている。コントロールバルブ75が吸気ポート21を遮蔽することにより、吸気の略全量が副通路71を通ってシリンダ14内に吸入され、シリンダ14内に強い順タンブルTを生起する。
【0092】
円盤状をしたコントロールバルブ75は、吸気ポート21にシャフト77を介して回転可能に収装される。シャフト77は図示しないクランクシャフトと平行に延びている。シャフト77は図示しないアクチュエータを介して回動する。
【0093】
図1に示すコントロールユニット49は前記図4のマップに基づいてエンジンの負荷および回転数が所定値以下の成層燃焼領域ではコントロールバルブ75を閉弁し、均質燃焼領域ではコントロールバルブ75を開弁する。コントロールユニット49は、ノッキングセンサ25によってエンジン30のノッキングが検出された場合、成層燃焼領域でも切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止するとともに、コントロールバルブ75を閉位置に駆動して、燃料噴射時期をピストン1が上昇する圧縮行程の後半に保つ。
【0094】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0095】
成層燃焼領域では、コントロールバルブ75が閉弁することにより、吸気の大部分が各副通路71を通過して吸気ポート21からシリンダ14内に導入される吸気流速を高め、シリンダ14内に強い順タンブルTを生起する。こうして、順タンブルTの勢力が高められることにより、エンジン回転数が低くても、順タンブルTの勢力が圧縮行程の後半まで持続される。このため、インジェクタ6からピストン冠部10に向けて噴射された燃料噴霧は、シリンダ14内に生起される順タンブルTにより燃焼室3の上部へと曲げられ、濃混合気が点火プラグ4の近傍に集まる混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0096】
ノッキングが検出された場合、成層燃焼領域でも切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止するとともに、コントロールバルブ75を閉位置に駆動して、燃料噴射時期をピストン1が上昇する圧縮行程の後半に保つ。コントロールバルブ75が開弁することにより、各吸気ポート21からシリンダ14内に導入される吸気流速を低くし、シリンダ14内に弱い順タンブルTを生起する。こうして、順タンブルTの勢力が弱められることにより、圧縮行程の後半にインジェクタ6からキャビティ35に向けて噴射された燃料がキャビティ35上から吸気流によって吹き飛ばされることが抑えられ、濃混合気を点火プラグ4の点火部の近傍に集める混合気の成層化がはかれる。
【0097】
均質燃焼領域では、コントロールバルブ65が開弁することにより、吸気通路31がコントロールバルブ65によって絞られることがなく、エンジンの吸気充填効率を高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すエンジンのシステム図。
【図2】同じくエンジンの概略平面図。
【図3】同じくエンジンの概略断面図。
【図4】同じく運転条件に応じて燃焼方式と吸気加熱領域を設定した特性図。
【図5】同じく吸気加熱を行った場合の成層燃焼時の燃料の運動を示す模式図。
【図6】他の実施形態におけるエンジンの概略平面図。
【図7】同じくエンジンの概略断面図。
【図8】さらに他の実施形態におけるエンジンの概略平面図。
【図9】同じくエンジンの概略断面図。
【図10】同じくピストン冠部の平面図。
【図11】同じくコントロールバルブ等の断面図。
【図12】同じく吸気加熱を行った場合の成層燃焼時の燃料の運動を示す模式図。
【図13】同じく吸気加熱を行わない場合の成層燃焼時の燃料の運動を示す模式図。
【図14】さらに他の実施形態におけるエンジンの概略平面図。
【図15】同じくエンジンの概略断面図。
【図16】従来例を示すエンジンの概略断面図。
【符号の説明】
1 ピストン
3 燃焼室
4 点火プラグ
6 インジェクタ
7 吸気バルブ
10 ピストン冠部
14 シリンダ
20 燃焼室天井壁
21 吸気ポート
26 排気ポート側傾斜面
30 エンジン
31 吸気通路
34 冷気導入ダクト
35 排熱回収ダクト
37 熱交換器
41 排気通路
45 切換えバルブ
49 コントロールユニット
51 キャビティ
61 キャビティ
65 コントロールバルブ
71 副通路
75 コントロールバルブ

Claims (6)

  1. シリンダ内に吸気を導入する吸気通路と、
    シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、
    シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、
    シリンダ内から排気を排出する排気通路と
    を備え、
    インジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼領域と、
    インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼領域
    を設定する筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、
    気を加熱する吸気加熱手段と、
    吸気加熱手段を介して成層燃焼領域にて均質燃焼領域より吸気温度を高める制御手段と
    エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、
    を備え、
    エンジンのノッキングが検出された場合に吸気加熱手段を介して吸気温度を下げ、燃料噴射時期を吸気行程に切換えるとともに混合気を理論空燃比に近づける構成とした
    ことを特徴とする筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  2. シリンダ内に吸気を導入する吸気通路と、
    シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、
    シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、
    シリンダ内から排気を排出する排気通路と
    を備え、
    インジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼領域と、
    インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼領域
    を設定する筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、
    前記シリンダ内にタンブルを生起するタンブル生起手段と、
    吸気を加熱する吸気加熱手段と、
    吸気加熱手段を介して成層燃焼領域にて均質燃焼領域より吸気温度を高める制御手段と
    エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、
    吸気を各吸気ポートの上部に集めるバタフライ式コントロールバルブ
    を備え、
    ピストンの冠部にインジェクタから噴射される燃料噴霧を受けるように窪むキャビティを形成し、
    エンジンのノッキングが検出された場合に吸気加熱手段を介して吸気温度を下げ、燃料噴射時期を圧縮行程とするとともにコントロールバルブを開く構成とした
    ことを特徴とする筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  3. シリンダ内に吸気を導入する吸気通路と、
    シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、
    シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、
    シリンダ内から排気を排出する排気通路と
    を備え、
    インジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼領域と、
    インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼領域と
    を設定する筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、
    前記シリンダ内にタンブルを生起するタンブル生起手段と、
    吸気を加熱する吸気加熱手段と、
    吸気加熱手段を介して成層燃焼領域にて均質燃焼領域より吸気温度を高める制御手段と
    エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、
    各吸気ポートに接続してシリンダに吸気を導く2本の副通路
    を備え、
    コントロールバルブを吸気通路の副通路に対する接続部より上流側に介装し、
    ピストンの冠部にインジェクタから噴射される燃料噴霧を受けるように窪むキャビティを形成し、
    エンジンのノッキングが検出された場合に吸気加熱手段を介して吸気温度を下げ、燃料噴射時期を圧縮行程とするとともにコントロールバルブを開く構成とした
    ことを特徴とする請求項4に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  4. 前記吸気通路としてシリンダ内に吸気を導入する2本の吸気ポートを備え、
    シリンダの中心線を含みクランクシャフトの回転中心軸と直交する平面をシリンダ中心面Cと定義し、
    インジェクタと各吸気ポートおよび点火プラグをシリンダ中心面Cについて略対称的に配置し、
    前記ピストンとの間で燃焼室を画成する燃焼室天井壁を吸気ポートが開口する吸気ポート側傾斜面と排気ポートが開口する排気ポート側傾斜面によって構成し、
    タンブル生起手段として吸気ポートを吸気が排気ポート側傾斜面に沿って下降するようにシリンダ中心線に対して傾斜させた
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  5. 前記ピストンの冠部にクランクシャフトと平行な円柱面状に窪むキャビティを形成した
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  6. 前記吸気加熱手段として排気通路からの伝熱により吸気を加熱する熱交換器と、
    熱交換器を流れる吸気量を調節する切換えバルブと
    を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火エンジン。
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