JP3709653B2 - 筒内直接噴射式火花点火エンジン - Google Patents

筒内直接噴射式火花点火エンジン Download PDF

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、吸気を加熱して燃焼性を改善する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
点火栓の近傍に燃料を集める混合気の成層化をはかるため、シリンダ内にインジェクタ(燃料噴射弁)を臨ませ、シリンダ内に燃料を直接噴射するようにした筒内直接噴射式火花点火エンジンがある。
【0003】
従来の筒内直接噴射式火花点火エンジンとして、例えば図9に示すようなものがある(特開平6−81651号公報、参照)。
【0004】
これについて説明すると、インジェクタ6は燃焼室天井壁20の側部からシリンダ14内に臨み、ピストン1の冠部30に窪むキャビティ11に向けて燃料を噴射するようになっている。
【0005】
吸気ポート21がシリンダ14に沿って直立して形成されている。直立した吸気ポート21からシリンダ14内に流入した吸気は、図中矢印で示すように、シリンダ14に沿って下降した後、ピストン冠部30に沿って旋回する逆タンブルRが生起される。キャビティ11上において逆タンブルRと共に旋回する燃料噴霧は、キャビティ11に沿って点火栓4に向けて上昇する。これにより、濃混合気が点火栓4の近傍に集められる、混合気の成層化がはかれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、混合気の成層化がはかれると、シリンダ14に分布する混合気の等量比は、図10に示すように、点火栓から離れるのにしたがって次第に低くなるため、シリンダ14のボアの近傍に混合比が火炎伝播限界混合比より低くなる消炎領域が存在する。この消炎領域で未燃焼HCが生じ、エミッションの悪化や燃費の増大を招く等の問題点があった。
【0007】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼性を高めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、シリンダ内に吸気を導入する吸気通路と、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、シリンダ内の混合気に点火する点火栓と、シリンダ内から排気を排出する排気通路とを備え、インジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼領域と、インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼領域を設定した筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、前記吸気を加熱する吸気加熱手段を備え、吸気加熱手段を介して成層燃焼領域にて均質燃焼領域より吸気温度を高めることにより、火炎伝播限界混合比を低くしてシリンダ内における消炎領域を縮小する構成とした。
【0009】
請求項2に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、請求項1に記載の発明において、前記成層燃焼領域にてエンジン負荷またはエンジン回転数が上昇するのに伴って吸気温度を次第にめる構成とした。
【0010】
請求項3に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、請求項1または2に記載の発明において、前記吸気加熱手段として排気通路からの伝熱により吸気を加熱する排熱回収ダクトと、排熱回収ダクトを流れる吸気量を調節する切換えバルブとを備えるものとした。
【0011】
請求項4に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、請求項3に記載の発明において、前記成層燃焼領域にて切換えバルブが排熱回収ダクトを開通させ、均質燃焼領域にて切換えバルブが排熱回収ダクトを閉塞する構成とした。
【0012】
請求項5に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンは、請求項3に記載の発明において、前記成層燃焼領域にてエンジン負荷またはエンジン回転数が上昇するのに伴って切換えバルブが排熱回収ダクトを開通させる開度を次第に小さくする構成とした。
【0013】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼領域では、吸気ポートを通ってシリンダ内に吸入された空気がピストンで圧縮された状態で、燃料がインジェクタから燃焼室に噴射され、濃混合気が点火栓の近傍に集められる。
【0014】
しかし、シリンダ内において混合気の成層化がはかられると、シリンダに分布する混合比が点火栓から離れるのにしたがって次第に低くなるため、シリンダのボアの近傍に混合比が火炎伝播限界混合比より低くなる消炎領域が存在する。
【0015】
本発明はこれに対処して、成層燃焼領域では吸気加熱手段を介して均質燃焼領域より吸気温度を高めることにより、火炎伝播限界混合比を低くし、シリンダ内における消炎領域を縮小する。この結果、消炎領域で生じる未燃焼HC量を減らし、エミッションを改善するとともに、燃費の低減がはかれる。
【0016】
一方、均質燃焼領域ではピストンが下降する吸気行程で燃料がインジェクタから噴射されることにより、ピストンが上昇して点火時期を迎えるまでにシリンダ内に均質な混合気が形成される。
【0017】
均質燃焼領域では成層燃焼領域より吸気温度を低くすることにより、吸気充填効率を高め、高出力化がはかられる。均質燃焼領域ではシリンダ内に均質な混合気が形成されるため、吸気温度を低くしても、着火が確実に行われるとともに、火炎の伝播が促され、燃焼性が確保される。この結果、エミッションの悪化や燃費の増大を抑えられる。
【0018】
請求項2に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼領域でもエンジン負荷またはエンジン回転数が上昇するのに伴って吸気温度を次第に低くすることにより、消炎領域を縮小することと吸気充填効率を高めることを両立して、エミッションを改善するとともに低燃費化および高出力化がはかれる。
【0019】
請求項3に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、吸気を排熱回収ダクトを通してシリンダに導き、排気通路からの伝熱により吸気を加熱することにより、吸気温度を高められる。
【0020】
請求項4に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼領域では吸気を排熱回収ダクトを通してシリンダに導き、排気通路からの伝熱により吸気を加熱する。こうして吸気温度を高めることにより、火炎伝播限界混合比を低くし、シリンダ内における消炎領域を縮小する。この結果、消炎領域で生じる未燃焼HC量を減らし、エミッションを改善するとともに、燃費の低減がはかれる。
【0021】
均質燃焼領域では吸気を切換えバルブを介して排熱回収ダクトを通さずにシリンダに導き、吸気の加熱を行わない。こうして吸気温度を低くすることにより、吸気充填効率を高め、高出力化がはかられる。
【0022】
請求項5に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼領域にてエンジン負荷が上昇するのに伴って切換えバルブが排熱回収ダクトを開通させる開度を次第に小さくすることにより、エンジン負荷またはエンジン回転数が上昇するのに伴って吸気温度を次第に低くなり、消炎領域を縮小することと吸気充填効率を高めることを両立して、エミッションを改善するとともに低燃費化および高出力化がはかれる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1に示すように、エンジン30の運転を制御するコントロールユニット49が設けられる。コントロールユニット49は冷却水温度センサ25によって検出される冷却水温度TW、エンジン負荷およびエンジン回転数N等を入力し、後述するように燃料噴射、スワール、吸気加熱等の制御を行う。
【0025】
図2に示すように、シリンダヘッドに形成された燃焼室天井壁20とピストン1の間に燃焼室3が画成される。ピストン1のシリンダ14における往復運動はコンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)の連続回転運動に変換される。
【0026】
ペントルーフ型に傾斜する燃焼室天井壁20には2本に分岐する吸気ポート21と2本の排気ポート(図示せず)が互いに対向して開口し、点火栓4が各吸気バルブ7と各排気バルブの間に位置して燃焼室3に臨んでいる。2つの吸気バルブ7と2つの排気バルブ(図示せず)は、点火栓4を挟むようにして互いに対向して設けられる。
【0027】
燃焼室天井壁20にはその側部から燃焼室3に臨むインジェクタ(燃料噴射弁)6が設けられる。インジェクタ6は各吸気バルブ7の側方で、かつ各吸気バルブ7の間に位置して燃焼室3に臨んでいる。
【0028】
インジェクタ6が開弁するのに伴ってシリンダ14内に噴射される燃料は、各吸気バルブ7が開かれるのに伴って吸気ポート21から吸入される空気と混合する。シリンダ14内に形成された混合気はピストン1で圧縮された状態で点火栓4を介して燃料が着火燃焼する。燃焼したガスはピストン1を下降させてクランクシャフトを介して回転力を取り出した後、ピストン1が上昇する排気行程中に排気バルブが開かれるのに伴って各排気ポートから排出される。これらの各行程が連続して繰り返される。
【0029】
ピストン1の冠部には、その中央部にルーフ状に隆起する凸部10が形成されるとともに、皿状に窪むキャビティ11が形成される。
【0030】
ここで、シリンダ中心面Cをシリンダ14の中心線を含み図示しないクランクシャフトの回転中心軸と直交する平面と定義する。キャビティ11をはじめピストン1と燃焼室天井壁20と各吸気ポート21および各排気ポートは、シリンダ中心面Cについて対称的に形成される。これにより、各吸気ポート21に均等に分流してシリンダ14内に流入する吸気流は、シリンダ14の中心線と直交する軸を中心に旋回するタンブルを生起する。
【0031】
キャビティ11はシリンダ14の中心線についてインジェクタ6側に偏心した円形の断面を持ち、インジェクタ6に近接するように配置される。
【0032】
点火栓4は、キャビティ11に対してインジェクタ6から最も離れた位置に対向するようにシリンダ中心面C上に配置される。
【0033】
ピストン1の冠部は凸部10によって燃焼室天井壁20に沿って傾斜する。これにより、ピストン1が上死点に到達するとき、ピストン1と燃焼室天井壁20の間に画成される燃焼室3の容積をキャビティ11に集中させて、高い圧縮比が得られる。
【0034】
キャビティ11は凸部10の稜線の中央部を削除するようにして窪んでいる。これにより、点火栓4の近傍に位置するキャビティ11の側壁の高さが確保され、図3に示すように、濃混合気を点火栓4の近傍に有効に集められる。
【0035】
インジェクタ6の燃料噴射方向は各吸気ポート21を流れる吸気の流れ方向と略同一方向に設定される。すなわち、インジェクタ6の燃料噴射方向はキャビティ11に対向し、点火栓4に対向しないように下向きに配置される。これにより、インジェクタ6から噴射される燃料噴霧はシリンダ中心面Cを挟んで円錐状に拡がり、その大部分がキャビティ11内に納まるようになっている。
【0036】
インジェクタ6はその開弁時期(燃料噴射時期)と開弁期間(燃料噴射量)がコントロールユニット49により運転状態に応じて制御される。
【0037】
コントロールユニット49は、図示しない各センサによって検出された吸入空気量Qaとエンジン回転数Nとに基づいて基本噴射量Tpを次式で算出する。
【0038】
Tp=K・Qa/N ‥‥(1)
ただし、K;定数
そして、所定の均質燃焼領域で空燃比が理論空燃比を中心とした狭い範囲に収める一方、所定の成層燃焼領域で希薄混合気による成層燃焼を実現するための空燃比となるように最終的な燃料噴射量Tiを次式で算出して燃料噴射量をフィードバック制御する。
【0039】
Ti=Tp×α×COEF+Ts …(2)
ただし、αは空燃比フィードバック補正係数、COEFは冷却水温度補正係数、および成層燃焼のための補正係数等をパラメータとした各種補正係数の和、Tsは無効噴射パルス幅である。
【0040】
コントロールユニット49は、演算された燃料噴射量Tiに対応するパルス信号をインジェクタ6の駆動回路(図示せず)に出力し、インジェクタ6の燃料噴射制御を行う。
【0041】
コントロールユニット49は、図4に示すマップに基づいてエンジン30の負荷が所定値以下の成層燃焼領域で、シリンダ14内の混合気の空燃比を理論空燃比より希薄側に制御する。エンジン30の負荷が所定値を超えて上昇する均質燃焼領域で、シリンダ14に供給される混合気の空燃比を理論空燃比またはリッチ側に制御する。
【0042】
インジェクタ6の開弁時期である燃料噴射時期は、成層燃焼領域でピストン1が上昇する圧縮行程の後半に設定され、均質燃焼領域でピストン1が下降する吸気行程に設定されている。
【0043】
シリンダ14内に生起される吸気旋回流の勢力を調節するため、バタフライ式の吸気コントロールバルブ(図示せず)が各吸気ポート21の分岐点より上流側に介装され、一方の吸気ポート21からシリンダ14内に導入される吸気量を調節するようになっている。
【0044】
成層燃焼領域では、吸気コントロールバルブが閉弁することにより、一方の吸気ポート21を通ってシリンダ14に吸入される吸気流を絞り、他方の吸気ポート21からシリンダ14に流入する吸気量の割合を増やし、シリンダ14内にスワール生起するようになっている。
【0045】
均質燃焼領域では、吸気コントロールバルブが開弁することにより、各吸気ポート21に吸気を均等に分流させ、シリンダ14内にタンブルを生起するようになっている。
【0046】
図1に示すように、排気通路41は、各排気ポートに接続して各気筒から排気を取り出すエキゾーストマニホールド42と、エキゾーストマニホールド42に接続して排気中のHC,COの酸化と、NOxの還元が行われる排気触媒コンバータ43と、排気触媒コンバータ43に接続する排気管44等を備える。
【0047】
吸気通路31は、前述したようにシリンダ14に接続する各吸気ポート21と、各吸気ポート21に接続して各気筒に吸気を分配するインテークマニホールド32と、インテークマニホールド32のコレクタ部33に接続するむ冷気導入ダクト34等を備え、図示しないエアクリーナから取り込まれた吸気をシリンダ14に導くようになっている。
【0048】
吸気加熱手段として、図1に示すように、冷気導入ダクト34から分岐する排熱回収ダクト35が配設される。
【0049】
排熱回収ダクト35は排気管44と触媒コンバータ43およびエキゾーストマニホールド42のまわりを覆う筒状に形成される。排熱回収ダクト35の開口端である入口36から図示しないエアクリーナを介して取り入れた吸気は、排気管44と触媒コンバータ43およびエキゾーストマニホールド42のまわりを通ってインテークマニホールド32へと導かれる。吸気はこうして排熱回収ダクト35内を流れる過程で、排気管44と触媒コンバータ43およびエキゾーストマニホールド42からの伝熱により排気の熱を吸収するようになっている。
【0050】
冷気導入ダクト34と排熱回収ダクト35の分岐部には両者の開口割合を調節する切換えバルブ45が設けられる。切換えバルブ45はシャフト46によって回動可能に支持される。シャフト46は冷気導入ダクト34と排熱回収ダクト35の分岐部に配置される。切換えバルブ45は冷気導入ダクト34を開通させ排熱回収ダクト35を閉塞する閉位置と、冷気導入ダクト34を閉塞し排熱回収ダクト35を開通させる開位置と、冷気導入ダクト34と排熱回収ダクト35の両方を開通させる半開位置とを有する。
【0051】
シャフト46を回動させて切換えバルブ45を開閉駆動するアクチュエータ48が設けられる。アクチュエータ48の作動を制御するコントロールユニット49は、図4に示すように、成層燃焼領域に切換えバルブ45を開位置に駆動して吸気の加熱を行う一方、均質燃焼領域に切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止する。
【0052】
図5のフローチャートはコントロールユニット49において実行される切換えバルブ45を開閉する制御プログラムを示しており、これは一定周期毎に実行される。
【0053】
これについて説明すると、まずステップ1にてエンジン冷却水温度TWが規定値より高い暖機後かどうかを判定する。
【0054】
暖機後はステップ3に進んでエンジン負荷およびエンジン回転数Nがそれぞれ規定値以下となる成層燃焼領域かどうかを判定する。
【0055】
暖機後かつ成層燃焼領域と判定された場合、ステップ3に進んで、シリンダ14内の混合気の空燃比を理論空燃比より希薄側に制御するとともに、切換えバルブ45を開位置に駆動して吸気の加熱を行う。
【0056】
一方、エンジン冷却水温度TWが規定値以下の暖機時かもしくは均質燃焼領域と判定された場合、ステップ4に進んで、シリンダ14内の混合気の空燃比を理論空燃比を中心とした狭い範囲に収めるとともに、切換えバルブ45を閉位置に駆動して吸気の加熱を停止する。
【0057】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0058】
各吸気バルブ7が開かれるのに伴って各吸気ポート21からシリンダ14内に空気が吸入される。均質燃焼領域ではピストン1が下降する吸入行程でインジェクタ6が開弁し、成層燃焼領域ではピストン1が上昇する圧縮行程の後半にインジェクタ6が開弁し、インジェクタ6から燃料噴霧が燃焼室3に噴射される。
【0059】
各吸気ポート21を通ってシリンダ14内に吸入された空気がピストン1で圧縮された状態で、点火栓4を介して燃料を着火燃焼させる。燃焼したガスはピストン1を下降させてクランクシャフトを介して回転力を取り出した後、ピストン1が上昇する排気行程中に排気バルブ8が開かれるのに伴って各排気ポートから排出される。これらの各行程が連続して繰り返される。
【0060】
エンジン30の負荷が所定値以下の成層燃焼領域で、図1に示すように、ピストン1が上昇する圧縮行程の後半にインジェクタ6から燃料が噴射される。インジェクタ6から噴射された燃料噴霧は、その大部分がキャビティ11内に向かい、スワールによってキャビティ11内で旋回する。キャビティ11内に集められた燃料噴霧は、ピストン1によって加熱され、その微粒化および気化が進み、高濃度の混合気がキャビティ11内に溜まる。図3に示すように、ピストン1が上死点に近づくのにしたがって、キャビティ11内の高濃度の混合気に点火栓4が近づき、混合気の成層化がはかれ、着火が確実に行われる。
【0061】
しかし、こうして混合気の成層化がはかられると、シリンダ14に分布する混合気の等量比は、図10に示すように、点火栓から離れるにしたがって次第に低くなるため、シリンダ14のボアの近傍に混合比が火炎伝播限界混合比より低くなる消炎領域が存在する。
【0062】
本発明はこれに対処して、成層燃焼領域では吸気の全量を排熱回収ダクトを通して吸気温度を高めることにより、火炎伝播限界混合比を低くし、シリンダ14内における消炎領域を縮小する。この結果、消炎領域で生じる未燃焼HC量を減らし、エミッションを改善するとともに、燃費の低減がはかれる。
【0063】
一方、エンジン30の負荷が所定値を超えて上昇する均質燃焼領域で、吸気コントロールバルブが全開し、各吸気ポート21を通ってシリンダ14内に流入する吸気流が互いに衝突し、シリンダ14内に生起されるスワールの勢力は弱まる。しかし、シリンダ14に供給される混合気の空燃比が理論空燃比またはリッチ側に調節され、ピストン1が下降する吸入行程でインジェクタ6から燃料が噴射されることにより、ピストン1が上昇して点火時期を迎えるまでに燃焼室3に均質な混合気が形成される。
【0064】
均質燃焼領域では吸気を切換えバルブ45を介して排熱回収ダクト35を通さずにシリンダ14に導き、吸気の加熱を行わない。こうして均質燃焼領域では成層燃焼領域より吸気温度を低くすることにより、吸気充填効率を高め、高出力化がはかられる。均質燃焼領域ではシリンダ14内に均質な混合気が形成されるため、吸気温度を低くしても、着火が確実に行われるとともに、火炎の伝播が促され、燃焼性が確保される。この結果、エミッションの悪化や燃費の増大を抑えられる。
【0065】
他の実施形態として、コントロールユニット49は、図7に示すように、成層燃焼領域に切換えバルブ45が排熱回収ダクト35を開通させる開度をエンジン負荷またはエンジン回転数Nが上昇するのに伴って次第に小さくしてもよい。
【0066】
図5のフローチャートはコントロールユニット49において実行される切換えバルブ45を開閉する制御プログラムを示しており、これは一定周期毎に実行される。
【0067】
これについて説明すると、まずステップ1にてエンジン冷却水温度TWが規定値より高い暖機後かどうかを判定する。
【0068】
暖機後はステップ3に進んでエンジン負荷およびエンジン回転数Nがそれぞれ規定値以下となる成層燃焼領域かどうかを判定する。
【0069】
暖機後かつ成層燃焼領域と判定された場合、ステップ3に進んで、シリンダ14内の混合気の空燃比を理論空燃比より希薄側に制御する。
【0070】
続いてステップ5に進んで、切換えバルブ45が排熱回収ダクト35を開通させる開度をエンジン負荷またはエンジン回転数Nが上昇するのに伴って次第に小さくして、吸気温度を次第にめる構成とする。
【0071】
この場合、成層燃焼領域にて吸気コントロールバルブの開度をエンジン負荷またはエンジン回転数Nが上昇するのに伴って次第に小さくすることにより、吸気温度を次第に低くする。
【0072】
すなわち、成層燃焼領域の低速低負荷時では吸気の全量を排熱回収ダクトを通して吸気温度を高めることにより、火炎伝播限界混合比を低くし、シリンダ14内における消炎領域を縮小する。この結果、消炎領域で生じる未燃焼HC量を減らし、エミッションを改善するとともに、燃費の低減がはかれる。
【0073】
成層燃焼領域でもエンジン負荷またはエンジン回転数Nが上昇するのに伴って吸気温度を次第に低くすることにより、消炎領域を縮小することと吸気充填効率を高めることを両立して、エミッションを改善するとともに低燃費化および高出力化がはかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すエンジンの概略正面図。
【図2】同じく燃料噴射終了時期におけるエンジンの概略断面図。
【図3】同じく点火時期におけるエンジンの概略断面図。
【図4】同じく制御内容を示すタイミングチャート。
【図5】同じく制御内容を示すフローチャート。
【図6】同じく等量比と点火栓からの距離の関係を示す特性図。
【図7】他の実施形態における制御内容を示すタイミングチャート。
【図8】同じく制御内容を示すフローチャート。
【図9】従来例を示すエンジンの概略断面図。
【図10】同じく等量比と点火栓からの距離の関係を示す特性図。
【符号の説明】
1 ピストン
3 燃焼室
4 点火栓
6 インジェクタ
7 吸気バルブ
10 ピストン冠部
11 キャビティ
14 シリンダ
21 吸気ポート
30 エンジン
31 吸気通路
34 冷気導入ダクト
35 排熱回収ダクト
41 排気通路
45 切換えバルブ
49 コントロールユニット

Claims (5)

  1. シリンダ内に吸気を導入する吸気通路と、
    シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、
    シリンダ内の混合気に点火する点火栓と、
    シリンダ内から排気を排出する排気通路と
    を備え、
    インジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼領域と、
    インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼領域
    を設定した筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、
    前記吸気を加熱する吸気加熱手段を備え、
    吸気加熱手段を介して成層燃焼領域にて均質燃焼領域より吸気温度を高めることにより、火炎伝播限界混合比を低くしてシリンダ内における消炎領域を縮小する構成とした
    ことを特徴とする筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  2. 前記成層燃焼領域にてエンジン負荷またはエンジン回転数が上昇するのに伴って吸気温度を次第にめる構成とした
    ことを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  3. 前記吸気加熱手段として排気通路からの伝熱により吸気を加熱する排熱回収ダクトと、
    排熱回収ダクトを流れる吸気量を調節する切換えバルブと
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  4. 前記成層燃焼領域にて切換えバルブが排熱回収ダクトを開通させ、
    均質燃焼領域にて切換えバルブが排熱回収ダクトを閉塞する構成とした
    ことを特徴とする請求項3に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジン。
  5. 前記成層燃焼領域にてエンジン負荷またはエンジン回転数が上昇するのに伴って切換えバルブが排熱回収ダクトを開通させる開度を次第に小さくする構成とした
    ことを特徴とする請求項3に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジン。
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