JP2003027978A - 過給機付火花点火式直噴エンジン - Google Patents

過給機付火花点火式直噴エンジン

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JP2003027978A JP2001216479A JP2001216479A JP2003027978A JP 2003027978 A JP2003027978 A JP 2003027978A JP 2001216479 A JP2001216479 A JP 2001216479A JP 2001216479 A JP2001216479 A JP 2001216479A JP 2003027978 A JP2003027978 A JP 2003027978A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸気を過給するターボ過給機40と、気筒2
内の燃焼室6に燃料を直接、噴射するインジェクタ18
とを備え、高速高負荷側のλ=1領域(ロ)及びエンリ
ッチ領域(ハ)において燃料を気筒2の吸気行程で噴射
させて、均一燃焼状態とするようにした火花点火式4サ
イクル直噴エンジン1において、特にエンリッチ領域
(ハ)内の特定領域においてエンジン1の最高出力を確
保しかつ排気系の信頼性を担保しながら、排気中のPM
の低減を図る。 【解決手段】 エンジン1がエンリッチ領域(ハ)の高
速側の特定領域にあるときに、気筒2内の混合気の空燃
比A/FをA/F≦13となるように制御するとともに
(SA11)、TSCV30を閉じてタンブル流Tを強
化し(SA13)、かつ該TSCV30を閉じることに
よる吸気充填量の低下を補完するように、ターボ過給機
40のウエストゲート弁42の開度を制御して、最高過
給圧を高める(SA14)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気を過給する過
給機を備えるとともに、気筒内の燃焼室に直接噴射した
燃料を点火プラグの電極周りに成層化して燃焼させるよ
うにした過給機付火花点火式直噴エンジンに関し、特
に、高速高負荷側の特定の領域における燃焼制御の技術
分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の過給機付火花点火式
直噴エンジンとして、例えば特開2000−27427
8号公報に開示されるように、成層燃焼状態で過給機を
停止させる一方、均質燃焼状態では過給により気筒内流
動を強化するようにしたものがある。すなわち、成層燃
焼状態となる低速低負荷時には過給機による吸気の過給
を停止又は抑制して、気筒内流動を相対的に弱い状態と
することで、燃焼室における混合気の拡散を抑制して、
適切な成層化を実現する。一方、均質燃焼状態となる高
速高負荷時には過給により気筒内流動を強化すること
で、吸気行程で燃焼室に噴射した多量の燃料を吸気と十
分に混合して、良好な均質混合気を形成するものであ
る。
【0003】尚、一般的に、エンジンの過給機は、吸気
の過給圧を所定値(最高過給圧)以下に維持するように
構成されており、前記従来例のターボ過給機でも、エン
ジンが高速高負荷の運転状態にあるときには、排気の一
部が過給機をバイパスして排気管の下流側に流れるよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンの
気筒内燃焼室に燃料を直接、噴射するという火花点火式
直噴エンジンの構成上、1回の燃焼サイクルにおいて燃
料噴射が可能な期間は気筒の吸気及び圧縮行程に限られ
る。このため、燃料噴射量の多くなる高負荷側ではその
燃料を気筒の点火時点までに十分に気化霧化させること
が難しくなり、燃料の一部が蒸し焼き状態になって、デ
ィーゼルエンジンのような浮遊粒子状物質(パティキュ
レートマター、以下、PMという)が排出されやすいと
いう問題がある。
【0005】特に、エンジンが高速高負荷の運転状態に
あるときには燃料の噴射量が多くなる一方で、それを噴
射可能な時間間隔がエンジン回転速度の上昇に反比例し
て短くなり、自ずと燃料噴射の終了時期が遅角側に移動
することになるから、燃料の噴射から点火までの時間が
一層、短くなって、気化霧化がさらに困難になる。ま
た、気筒の圧縮行程では吸気行程に比べて気筒内流動が
減衰しているので、燃料噴射の終了時期が気筒の圧縮行
程にまで遅角すると、この圧縮行程で噴射された燃料と
吸気との混合が促進されにくく、このことによっても燃
料の気化霧化が阻害されることになる。
【0006】加えて、一般的に、火花点火式エンジンで
は、排気系の信頼性を考慮して、高速ないし高負荷側の
特定の領域において空燃比を理論空燃比よりもリッチに
なるように制御して、排気温度の上昇を抑えるようにし
ており、このため、その特定領域においてはたとえ前記
従来例のように過給機により吸気を過給して、気筒内流
動を強化したとしても、それ以上に多量の燃料が供給さ
れることになるから、前記したPMの問題がさらに顕著
なものとなる。
【0007】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、過給機を備えた火花
点火式直噴エンジンにおいて、従来、エンジンの高速高
負荷側において排気エネルギの一部が捨てられているこ
とに着目し、特にそのうちの特定の領域における過給圧
等の制御等に工夫を凝らして、エンジンの最高出力と排
気系の信頼性とを確保しながら、排気中のPMの低減を
図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の解決手段では、高速高負荷側の特定領域に
おいて、従来までは捨てていた排気エネルギの一部を回
収し、これを有効利用して気筒内流動を最大限に強化す
るようにした。
【0009】具体的に、請求項1の発明では、図1に一
例を示すように、気筒への吸気を過給する過給機Aと、
該気筒内の燃焼室に燃料を直接、噴射供給する燃料噴射
弁Bとを備え、少なくとも高速高負荷側の過給領域にお
いて前記燃料噴射弁Bにより燃料を気筒の吸気行程で噴
射させて均一燃焼状態とするようにした火花点火式4サ
イクル直噴エンジンCを前提とする。
【0010】そして、前記気筒内への吸気の流れを絞っ
て気筒内流動を強化する流動強化手段Dと、前記過給機
Aによる吸気の過給圧を調整する過給圧調整手段Eと、
前記過給領域内の高速高負荷側に設定した特定領域にお
いて、気筒内の空燃比A/FをA/F≦13となるよう
に制御する空燃比制御手段Fと、前記特定領域におい
て、該特定領域の低負荷側に隣接する領域に比べて、同
じエンジン回転速度であっても気筒内流動が相対的に強
くなるように、前記流動強化手段Dによる吸気の絞り度
合いを大きくする流動制御手段Gと、前記特定領域にお
いて、該特定領域の低速側に隣接する領域に比べて、過
給圧力を一定に抑える目標過給圧が相対的に高くなるよ
うに前記過給圧調整手段Eを制御する過給圧制御手段H
とを備える構成とする。
【0011】前記の構成により、エンジンCが高速高負
荷側の特定領域にあるときには、まず、空燃比制御手段
FによりエンジンCの気筒内の空燃比がリッチ化され
て、多量の燃料の気化潜熱により排気温度の過度の上昇
が抑制される。また、過給圧制御手段Hにより過給圧調
整手段Eの制御が行われて、過給圧が高められるととも
に、流動制御手段Gによる流動強化手段Dの制御が行わ
れて、吸気の絞り度合いが大きくされ、それらの相乗的
な作用によって気筒内流動が可及的に強化されて、燃料
の気化霧化が十分に促進される。
【0012】つまり、高速高負荷側の特定領域におい
て、従来までは捨てていた排気エネルギを利用して過給
機Aにより吸気をさらに過給するとともに、その吸気を
敢えて絞ることによって、気筒内流動を最大限に強化す
ることができ、このことで、多量の噴射燃料を十分に気
化霧化させて、排気中のPMを低減できるとともに、そ
の多量の燃料の気化潜熱により排気温度の上昇を抑制で
きる。尚、吸気を絞ることに伴う吸気効率の低下は過給
圧の上昇によって補われることになるので、エンジンC
の最高出力は十分に確保できる。
【0013】請求項2の発明では、過給圧制御手段を、
流動制御手段による流動強化手段の制御が行われて、吸
気の絞り度合いが大きくなったとき、このことによる吸
気充填量の低下を補完するように過給圧を高めるものと
する。
【0014】このことで、エンジンが高速高負荷側の特
定領域にあって、流動強化手段による吸気の絞り度合い
が大きくされ、そのことにより気筒の吸気効率が低下し
たときでも、その分、過給圧が高められることで、気筒
の吸気充填量の低下が補完される。これにより、エンジ
ンの最高出力を確実に維持できるとともに、エンジンの
運転状態が前記特定領域とそれ以外の領域との間で遷移
するときの出力の変動を抑制できる。
【0015】請求項3の発明では、流動制御手段を、少
なくとも、特定領域を除く過給領域において流動強化手
段による吸気の絞り度合いを最小とするものとする。こ
うすることで、前記特定領域以外で、少なくとも過給領
域においては吸気の絞りに伴う吸気効率の低下が最小と
なり、ポンプ損失の低減によって燃費の改善が図られ
る。尚、前記特定領域以外では吸気を敢えて絞らなくて
も、過給によって十分な気筒内流動が得られるから、P
Mの排出が問題になることはない。
【0016】請求項4の発明では、流動強化手段とし
て、気筒への吸気通路に配設された開閉弁、及びその開
閉弁の開度を調整するアクチュエータを備え、流動制御
手段を、前記アクチュエータの作動によって開閉弁の開
度を制御するものとする。このことで、流動強化手段の
構成が具体的に特定され、流動制御手段により開閉弁を
閉じて吸気を絞ることにより、気筒内流動を確実に強化
することができる。
【0017】請求項5の発明では、請求項4の発明にお
いて、開閉弁をその開度の減少により気筒内流動として
のタンブル流を強化するものとし、燃料噴射弁は気筒の
圧縮行程で当該気筒内の燃焼室を流れるタンブル流に対
向するように配置する。そして、低速低負荷側の所定領
域において、前記燃料噴射弁により噴射した燃料が気筒
の点火時期に可燃混合気となって点火プラグの電極付近
に滞留するように、該燃料噴射弁により燃料を当該気筒
の圧縮行程でタンブル流に向かって噴射させる燃料噴射
制御手段を設けるとともに、流動制御手段を、前記所定
領域及び特定領域においてそれぞれ前記開閉弁を閉じる
ものとする。
【0018】この構成では、エンジンが低速低負荷側の
所定領域にあるときに、流動制御手段により開閉弁が閉
じられて気筒内のタンブル流が強化され、このタンブル
流に向かって所定のタイミングで噴射された燃料がタン
ブル流により減速されて、当該気筒の点火時期に点火プ
ラグ電極の周りに成層化されるようになる。つまり、本
来、吸気流速の低いエンジンの低速域において、タンブ
ル流を強化して燃料噴霧の貫徹力とバランスさせること
で、混合気の適切な成層化が実現される。
【0019】一方、エンジンが高速高負荷側の特定領域
にあるときには、前記流動制御手段により開閉弁を閉じ
ることで、気筒内のタンブル流を確実に強化できる。つ
まり、低速低負荷時に適切な成層燃焼を実現するために
必要な開閉弁を、高速高負荷時にも有効利用すること
で、コストの増大や構造の複雑化を招くことなく、請求
項4の発明の作用効果を十分に得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0021】図2は、本発明の実施形態に係る筒内噴射
式エンジン1の全体的な構成を示す。このエンジン1
は、複数の気筒2,2,…(1つのみ図示する)が直列
に並ぶように設けられたシリンダブロック3を有し、こ
のシリンダブロック3上にシリンダヘッド4が配置され
るとともに、各気筒2内にはピストン5が上下方向に往
復動可能に嵌挿されていて、そのピストン5の冠面とシ
リンダヘッド4の下面との間の気筒2内に燃焼室6が区
画形成されている。また、前記気筒2,2,…を囲むシ
リンダブロック3の側壁部には、図示しないがウオータ
ジャケットが形成されており、さらに、該シリンダブロ
ック3の下側部分には、気筒2,2,…に連通するよう
にクランク室7が形成され、ここにクランク軸8が収容
されている。このクランク軸8の一端側にはその回転角
度を検出するための電磁式のクランク角センサ9が配設
されている。
【0022】前記各気筒2について図3に拡大して示す
ように、燃焼室6の天井部には互いに差し掛けられた屋
根のような形状をなす2つの傾斜面が形成されており、
その2つの傾斜面にそれぞれ吸気ポート10及び排気ポ
ート11が2つずつ開口していて、その各開口端に吸気
及び排気弁12,12,13,13が配置されている。
前記2つの吸気ポート10,10はそれぞれ燃焼室6か
ら斜め上方に向かって直線的に延びていて、エンジン1
の一側面(図2の右側面)に互いに独立して開口してお
り、一方、前記2つの排気ポート11,11は途中で1
つに合流して略水平に延び、エンジン1の他側面(図2
の左側面)に開口している。
【0023】前記吸気弁12及び排気弁13は、それぞ
れ、シリンダヘッド4に配設された2本のカム軸14,
14(図2にのみ示す)がタイミングベルトを介して前
記クランク軸8により回転駆動されることで、各気筒2
毎に所定のタイミングで開閉作動されるようになってい
る。また、吸気側のカム軸14には、クランク軸8に対
する回転位相を所定の角度範囲において連続的に変化さ
せる公知の可変動弁機構15が付設されていて、この可
変動弁機構15により前記吸気弁12の開閉作動時期が
変更されるようになっている。
【0024】また、各気筒2毎の燃焼室6の上方には、
前記4つの吸排気弁12,13に取り囲まれるように、
点火プラグ16が配設されている。この点火プラグ16
の先端の電極は、エンジン1が成層燃焼状態のときに燃
焼室6の略中央位置に滞留する混合気に対して確実に点
火できるよう、該燃焼室6の天井部から所定距離だけ突
出した位置にある(図12参照)。一方、該点火プラグ
16の基端部には点火回路17(図2にのみ示す)が接
続されていて、各気筒2毎に所定の点火タイミングで点
火プラグ16に通電するようになっている。
【0025】一方、前記燃焼室6の底部に相当するピス
トン5の冠面には、その略中央部において吸気側の周縁
部から排気側の周縁部に亘ってレモン型の凹部5aが形
成されており、詳しくは後述するが、気筒2の吸気行程
で生成されたタンブル流Tが該凹部5aに沿ってスムー
ズに流れ、当該気筒2の圧縮行程中期まで保持されると
ともに、インジェクタ18からの燃料噴霧を包み込むよ
うに該インジェクタ18に向かって安定して流れるよう
になる(図11参照)。
【0026】また、前記燃焼室6の吸気側の周縁部に
は、2つの吸気ポート10,10の下方においてそれら
に挟まれるようにインジェクタ(燃料噴射弁)18が配
設されている。このインジェクタ18は、先端部の噴孔
から燃料を旋回流として噴出させて、インジェクタ18
の軸心の方向に沿うようにホローコーン状に噴射する公
知のスワールインジェクタであり、気筒2の燃料噴射時
点においてピストン5冠面の凹部5aに沿って流れるタ
ンブル流Tに対し、燃料噴霧を略正対させて衝突させる
ような向きに配置されている(図11参照)。
【0027】前記した点火プラグ16やインジェクタ1
8の配置構成により、エンジン1が低速低負荷の運転状
態のときには、各気筒2の圧縮行程でインジェクタ18
から噴射される燃料噴霧の挙動をタンブル流Tにより制
御して、点火プラグ16の電極近傍に適切に成層化さ
せ、良好な成層燃焼状態とすることができる。つまり、
このエンジン1は、燃料噴霧を気筒内流動により成層化
させるようにしたいわゆるエアーガイド方式の直噴エン
ジンである。
【0028】前記の如く各気筒2毎に配設されたインジ
ェクタ18,18,…は、全ての気筒2,2,…に共通
の燃料分配管19に接続されていて、燃料供給系20か
ら供給される高圧の燃料が該燃料分配管19により各気
筒2に分配されるようになっている。この燃料供給系2
0は、図示しないが、燃料ポンプや燃圧レギュレータ等
を備え、燃料タンクからの燃料を前記燃料分配管19に
供給するとともに、その燃料の圧力状態(燃圧)をエン
ジン1の運転状態に応じて調整するようになっている。
また、前記燃料分配管19にはその内部の燃圧を検出す
るための燃圧センサ21が配設されている。
【0029】前記図2に示すように、エンジン1の一側
面には、各気筒2の吸気ポート10,10にそれぞれ連
通する吸気通路23が接続されている。この吸気通路2
3は、エンジン1の燃焼室6に対し図外のエアクリーナ
で濾過した吸気を供給するものであり、その上流側から
下流側に向かって順に、エンジン1に吸入される空気の
流量を検出するホットワイヤ式エアフローセンサ24
と、後述のタービン37により駆動されて吸気を圧縮す
るコンプレッサ25と、このコンプレッサ25により圧
縮した吸気を冷却するインタークーラ26と、バタフラ
イバルブからなり、吸気通路23を絞る電気式スロット
ル弁27と、サージタンク28とがそれぞれ配設されて
いる。前記電気式スロットル弁27は、図外のアクセル
ペダルに対し機械的には連結されておらず、図示しない
電動モータにより駆動されて、アクセプペダルの操作量
(アクセル開度)に対応する適切な開度となるように開
閉される。
【0030】また、前記サージタンク28よりも下流側
の吸気通路23は、各気筒2毎に分岐する独立通路とさ
れ、これらの各独立通路の下流端部がさらに2つに分岐
してそれぞれ吸気ポート10,10に連通している。こ
の2つの吸気ポート10,10の双方の上流側には、前
記図3にも示すように燃焼室6のタンブル流Tやスワー
ルの強さを調節するための開閉弁30,30(Tumble S
wirl Controk Valve:以下、TSCVと略称する)が配
設され、例えばステッピングモータ31等のアクチュエ
ータによって開閉作動されるようになっている。このT
SCV30は、円形のバタフライバルブの弁軸30aよ
りも下側の部分を切り欠いており、全閉状態でも吸気が
前記切り欠き部分から流通して、燃焼室6に強いタンブ
ル流Tを生成する。一方、TSCV30が開かれると、
吸気は切り欠き部分以外からも流通するようになり、タ
ンブル流Tの強さは徐々に低下する。
【0031】尚、前記吸気ポート10やTSCV30の
形状は上述したものに限られず、例えば、バタフライバ
ルブの弁軸よりも上側の部分を切り欠いたものでもよ
い。また、吸気ポートは、上流側で1つに合流されたい
わゆるコモンポートであってもよく、この場合には、T
SCVとして、コモンポートの断面形状に対応する形状
のバタフライバルブの一部分を切り欠いたものとすれば
よい。
【0032】前記図2に示すように、エンジン1の他側
面には、燃焼室6から既燃ガス(排気)を排出する排気
通路33が接続されている。この排気通路33の上流端
は、各気筒2毎に分岐して排気ポート11に連通する排
気マニホルド34により構成され、該排気マニホルド3
4の集合部には排気中の酸素濃度を検出するリニアO2
センサ35が配設されている。このリニアO2センサ3
5は排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出するため
に用いられるもので、理論空燃比を含む所定の空燃比範
囲において酸素濃度に対しリニアな出力が得られるもの
である。
【0033】また、前記排気マニホルド34の集合部よ
りも下流側の排気通路33には、排気流を受けて回転さ
れるタービン37と、排気管36とが接続されていて、
この排気管36の上流側から下流側に向かって順に、略
理論空燃比近傍の排気中のHC、CO、NOxを浄化す
る三元触媒38と、理論空燃比よりもリーンな排気中の
NOxを浄化可能ないわゆるリーンNOx触媒39とが
配設されている。
【0034】前記タービン37は、吸気通路23のコン
プレッサ25と共にターボ過給機40を構成するもので
あり、排気流によりタービン37が回転されると、この
タービン37と一体に回転するコンプレッサ25が吸気
を圧縮して過給する。また、このターボ過給機40に
は、前記タービン37をバイパスして排気管36の上流
側から下流側へ排気を流通させるウエストゲート通路4
1と、このウエストゲート通路41を流通する排気の流
量を調整するウエストゲート弁42とが設けられてい
る。ウエストゲート弁42は、図示しないが、吸気通路
23からパイロット通路により導かれる過給圧とコイル
バネの付勢力と電磁ソレノイドの発生する駆動力とのバ
ランスによりスプールの開度が調整されて、吸気通路2
3の過給圧を予め設定した最高過給圧(インターセプト
点:図9参照)以下に維持するとともに、その電磁ソレ
ノイドの駆動力を変更することで、最高過給圧をリニア
に変更調整可能なものである。前記ウエストゲート通路
41及びウエストゲート弁42により、ターボ過給機4
0による吸気の過給圧を調整する過給圧調整手段が構成
されている。
【0035】尚、図2に示す符号43は、三元触媒38
の劣化状態を判定するためにその下流側に配設されたラ
ムダO2センサである。また、図示は省略するが、前記
排気通路33におけるタービン37よりも上流側の部位
には、排気の一部を吸気側に還流させるEGR通路のの
上流端が分岐接続されている。このEGR通路の下流端
は前記サージタンク28に接続され、その近傍には開度
調節可能な電気式のEGR弁が配設されていて、EGR
通路による排気の還流量を調節できるようになってい
る。
【0036】(エンジンの燃焼状態の制御)前記可変動
弁機構15、点火回路17、インジェクタ18、燃料供
給系20、電気式スロットル弁27、TSCV30等
は、いずれもエンジンコントロールユニット50(以
下、ECUという)によって作動制御される。一方、こ
のECU50には、少なくとも、前記クランク角センサ
9、燃圧センサ21、エアフローセンサ24等からの各
出力信号が入力されるとともに、シリンダブロック3の
ウオータジャケットに臨んで冷却水の温度(エンジン水
温)を検出する水温センサ47からの出力信号が入力さ
れ、さらに、アクセル開度を検出するアクセル開度セン
サ48からの出力信号と、エンジン1の回転速度(クラ
ンク軸8の回転速度)を検出する回転速度センサ49か
らの出力信号とが入力されるようになっている。
【0037】すなわち、前記ECU50は、各センサか
ら入力される信号に基づいて、吸排気弁12,13の開
閉作動時期、点火プラグ16による点火時期、インジェ
クタ18による燃料噴射量、噴射時期及び噴射圧力、ス
ロットル弁27により調節される吸入空気量、TSCV
30により調節されるタンブル流Tの強さ等をそれぞれ
エンジン1の運転状態に応じて制御する。
【0038】具体的には、例えば図4に一例を示すよう
に、温間のエンジン1では低速低負荷側の所定領域
(イ)が成層燃焼領域とされていて、この成層燃焼領域
(イ)において図5(a)に模式的に示すように、インジ
ェクタ18により気筒2の圧縮行程で燃料を噴射させ
て、点火プラグ16の電極付近に混合気が層状に偏在す
る状態で燃焼させる成層燃焼状態となる。また、この領
域(イ)ではエンジン1のポンプ損失を低減するため
に、スロットル弁27の開度を相対的に大きくするよう
にしており、このときの燃焼室6の平均的な空燃比は理
論空燃比(A/F≒14.7)よりも大幅にリーンな状
態になる。
【0039】一方、前記成層燃料領域(イ)以外はいわ
ゆる均一燃焼領域であり、図5(b)に模式的に示すよう
に、インジェクタ18により気筒2の吸気行程で燃料を
噴射させて、燃焼室6に均一な混合気を形成した上で燃
焼させる状態になる。この均一燃焼領域の大部分はλ=
1領域(ロ)であり、このλ=1領域(ロ)において
は、気筒2の混合気の空燃比が略理論空燃比になるよう
に燃料噴射量やスロットル開度等を制御する。また、低
速全負荷ないし高速高負荷のエンリッチ領域(ハ)で
は、空燃比をいわゆるパワー空燃比(A/F≒13)か
それよりもリッチな状態にして、高負荷に対応した大出
力を得られるようにしている。
【0040】特に、前記エンリッチ領域(ハ)における
高速側(例えば4000rpm以上)の特定領域では、
本発明の特徴部分であるが、高速側ないし高負荷側にな
るほど、混合気の空燃比をリッチ化させて、余剰の燃料
の気化潜熱によって排気温度の上昇を抑えるようにして
いる(図7参照)。また、この特定領域では、そのよう
に多量に噴射供給する燃料を良好に燃焼させるべく、後
述の如くターボ過給機40の最高過給圧を高めるととも
に、TSCV30を閉じて、タンブル流Tを最大限に強
化するようにしている。
【0041】尚、前記成層燃焼領域(イ)の高負荷側
(例えば1500rpm以上)からλ=1領域(ロ)及
びエンリッチ領域(ハ)にかけては、排気流量がある程
度以上、多くなってターボ過給機40により実質的に吸
気の過給が行われる過給領域となっている。
【0042】以下、前記ECU50による制御の手順を
具体的に説明すると、図6のフローチャート図に示すよ
うに、まず、スタート後のステップSA1では、クラン
ク角センサ9、エアフローセンサ24、水温センサ4
7、アクセル開度センサ48、回転速度センサ49等か
らの出力信号を入力する。続いて、ステップSA2にお
いて、回転速度センサ52により検出されたエンジン回
転速度neとアクセル開度センサ51により検出されたア
クセル開度とに基づいて、エンジン1の目標負荷Peを演
算し、この演算した目標負荷Peとエンジン回転速度neと
に基づいて、前記図4に示すような制御マップからエン
ジン1の運転モードを読み出すことにより、運転モード
を演算する。
【0043】尚、前記目標負荷Peは、アクセル開度とエ
ンジン回転速度neとに対応する最適値が予め実験的に求
められてマップとして記録されており、このマップをE
CU50のメモリに電子的に格納しておいて、現在のア
クセル開度とエンジン回転速度neとに対応する値を該マ
ップから読み出すようにすればよい。
【0044】続いて、ステップSA3以降の各ステップ
において、前記ステップSA2において設定した運転モ
ード別に制御パラメータを演算して、この演算結果に基
づいて点火回路17、インジェクタ18、スロットル弁
27、TSCV30等の作動制御を行う。すなわち、ス
テップSA3においてエンジン1が成層燃焼モードにな
いNOと判定すれば、後述のステップSA7に進む一
方、成層燃焼モードにあるYESと判定すれば、このと
きにはステップSA4〜SA6に進んで、成層燃焼モー
ドの制御を行う。
【0045】詳しくは、成層燃焼モードの場合、まずス
テップSA4において、前記ステップSA2で求めた目
標負荷Peとエンジン回転速度neとに基づいて、エンジン
1の目標空燃比A/Fを演算する。すなわち、目標空燃比A
/Fの値は、目標負荷Peとエンジン回転速度neとに対応す
る最適値が予め実験的に求められて、図7に一例を示す
ような空燃比マップとして記録されており、このマップ
がECU50のメモリに電子的に格納されている。そし
て、現在の目標負荷Peとエンジン回転速度neとに基づい
て、前記空燃比マップから現在の目標負荷Peとエンジン
回転速度neとに対応する値を読み出す。
【0046】続いて、ステップSA5において、エンジ
ン1が成層燃焼状態となるように、インジェクタ18や
スロットル弁27等を制御する。すなわち、前記ステッ
プSA4で求めた目標空燃比A/Fと吸気充填効率ceとに
基づいて、目標燃料噴射量を演算し、この目標燃料噴射
量と現在の燃圧とに基づいて、インジェクタ18の開弁
時間間隔(パルス幅)を演算する。ここで、吸気充填効
率ceは、例えばエアフローセンサ24からの出力とエン
ジン回転速度neとに基づいて演算すればよい。
【0047】また、目標負荷Peとエンジン回転速度neと
に基づいて、インジェクタ18の開弁開始タイミング
(燃料噴射時期)や点火プラグ13による点火のタイミ
ング(点火時期)等を演算し、さらに、前記目標空燃比
A/Fとエンジン回転速度neとに基づいてスロットル弁2
7の目標開度を演算し、エンジン回転速度neに基づいて
目標燃圧を演算する。そして、ECU50から点火回路
17、インジェクタ18、燃料供給系20、スロットル
弁27等にそれぞれ作動指令となる信号を出力する。
【0048】尚、前記各制御パラメータの演算には、目
標負荷Pe、目標空燃比A/F、回転速度ne等、エンジン1
の運転状態を表すパラメータに対応付けて、各制御パラ
メータの最適値を実験的に設定して記録したマップを予
め作成し、このマップをECU50のメモリに電子的に
格納しておいて、このマップから現在のエンジン1の運
転状態に対応する各制御パラメータの値を読み出すよう
にすればよい。例えば、目標燃圧については、燃焼室6
におけるタンブル流Tの強さがエンジン回転速度neに応
じて変化することを考慮して、エンジン回転速度neの上
昇に伴うタンブル流速の増大に見合うように、その回転
速度neに応じて燃圧を高め、燃料噴霧の貫徹力を増大さ
せるようにしている。
【0049】続いて、ステップSA6において、目標負
荷Peとエンジン回転速度neとに基づいて、TSCV30
の目標開度(TSCV開度)を演算する。すなわち、T
SCV開度についても、目標負荷Peとエンジン回転速度
neとに対応する最適値が予め実験的に求められて、図8
に一例を示すようなTSCVマップとして記録されてい
て、このマップがECU50のメモリに電子的に格納さ
れており、現在の目標負荷Peとエンジン回転速度neとに
対応する値をマップから読み出すようにする。このTS
CVマップによれば、成層燃焼領域(イ)においてはT
SCV開度は略全閉となっており、このことで、本来、
吸気の流速が低いエンジン1の低速域においても吸気を
絞ってタンブル流Tを強化し、燃料噴霧とバランスさせ
ることができる。そして、ECU50からTSCV30
に作動指令となる信号を出力して、しかる後にリターン
する。
【0050】以上、要するに、成層燃焼モードでは、ま
ず、要求される出力が得られるような仮の燃料噴射量を
決定し、これに対して空燃比を決定し、この空燃比にな
るようにスロットル開度を制御して必要な吸入空気量を
得るとともに、実際の吸入空気量に応じて最終的に燃料
噴射量を制御するようにしている。これにより、排気状
態の悪化を招くことなく、優れたドライバビリティと燃
費性能を得ることができる。
【0051】これに対し、前記ステップSA3において
成層燃焼モードでないNOと判定して進んだステップS
A7では、今度はエンリッチモードかどうか判定し、こ
の判定がYESであれば、後述のステップSA11に進
む一方、判定がNOならばλ=1モードであるから、ス
テップSA8に進み、エンジン1の目標空燃比A/Fを理
論空燃比とする。続いて、ステップSA9において前記
ステップSA5と同様に目標燃料噴射量とインジェクタ
18のパルス幅とを演算し、また、エンジン回転速度ne
に基づいて目標燃圧を演算するとともに、吸気充填効率
ceとエンジン回転速度neとに基づいて燃料噴射時期及び
点火時期を演算し、さらに、アクセル開度に基づいてス
ロットル弁27の目標開度を演算する。そして、ECU
50から点火回路17、インジェクタ18、燃料供給系
20、スロットル弁27等にそれぞれ作動指令となる信
号を出力する。
【0052】続いて、ステップSA10において、前記
ステップSA6と同様に、目標負荷Peとエンジン回転速
度neとに基づいて、TSCVマップからTSCV開度を
読み込んで、作動指令となる信号をTSCV30に出力
し、その後、リターンする。前記のマップによれば、λ
=1領域(ロ)においてはTSCV開度は略全開とする
ようになっており、このことで、吸気効率の低下を最小
限に留めて、ポンプ損失を低減することができ、λ=1
領域(ロ)における燃費の低減が図られる。
【0053】以上、要するに、λ=1モードでは、混合
気を略理論空燃比とすることを前提とし、要求される出
力、即ち混合気の量が得られるようにスロットル開度を
制御するとともに、実際の吸入空気量に応じて燃料噴射
量を制御するようにしており、これにより、十分な出力
と優れたドライバビリティを得ながら、三元触媒38に
より排気を略完全に浄化することができる。
【0054】そして、本願発明の特徴は、以下に述べる
ようなエンリッチモードでの制御にある。すなわち、前
記ステップSA7においてエンリッチモードであるYE
Sと判定してステップSA11に進んだ場合、まず、こ
のステップSA11において、前記ステップSA4と同
様に、目標負荷Peとエンジン回転速度neとに基づいて、
空燃比マップからエンジン1の目標空燃比A/Fを読み込
む。ここで、該空燃比マップによれば、エンリッチ領域
(ハ)の低速側(図例では4000rpm以下)では、
目標空燃比A/Fは、均一燃焼の場合に最も高い出力の得
られるいわゆるパワー空燃比(A/F≒13)とされて
いる。
【0055】一方、エンリッチ領域(ハ)の高速側の特
定領域(図例では4000rpmよりも高い領域)にお
いては、目標空燃比A/Fは、A/F≒10〜13の範囲
で高速側ないし高負荷側ほどリッチな値になるように設
定されている。このことで、エンジン1が前記特定領域
にあるときには、各気筒2内の混合気の空燃比A/Fは
A/F≦13とされて、高負荷に対応する十分な高出力
が得られるとともに、その中でも高速側ないし高負荷側
になるほど空燃比が徐々にリッチ側に変更されて、吸入
空気量に対する燃料噴射量の割合が多くなり、そのよう
に多量に噴射供給される燃料の気化潜熱によって、排気
温度の上昇が抑制されることになる。
【0056】続いて、ステップSA12において、前記
目標空燃比A/Fと吸気充填効率ceとに基づいて目標燃料
噴射量を演算し、この目標燃料噴射量と現在の燃圧とに
基づいてインジェクタ18のパルス幅を演算する。ま
た、エンジン回転速度neに基づいて目標燃圧を演算する
とともに、吸気充填効率ceとエンジン回転速度neとに基
づいて燃料噴射時期及び点火時期を演算し、さらに、ア
クセル開度に基づいてスロットル弁27の目標開度を演
算する。そして、ECU50から点火回路17、インジ
ェクタ18、燃料供給系20、スロットル弁27等にそ
れぞれ作動指令となる信号を出力する。
【0057】続いて、ステップSA13において、前記
ステップSA6,SA10と同様に、目標負荷Peとエン
ジン回転速度neとに基づいて、TSCVマップからTS
CV開度を読み込んで、作動指令となる信号をTSCV
30に出力する。そのTSCVマップによれば、エンリ
ッチ領域(ハ)の低速側では、TSCV30が略半分、
閉じられるように設定されており一方、エンリッチ領域
(ハ)の高速側の特定領域においては、TSCV開度
は、略全開から全閉までの範囲で高速側ないし高負荷側
ほど開度が小さくなるように設定されている。このこと
で、TSCV開度は、前記特定領域においてその低負荷
側に隣接するλ=1領域に比べて、同じエンジン回転速
度neであっても相対的に吸気の絞り度合いが大きくな
る。
【0058】続いて、ステップSA14において、ター
ボ過給機40の最高過給圧の設定値を高くなるように変
更する。すなわち、図9に一例を示すように、ECU5
0には、TSCV開度の全閉から全開までに亘って、そ
の開度が小さくなるほど最高過給圧が徐々に高くなるよ
うにウエストゲート弁42の開度を設定した過給圧テー
ブルが電子的に格納されている。言い換えると、該過給
圧テーブルでは、TSCV30が閉じられて吸気の絞り
度合いが大きくなったときに、そのことによる吸気効率
の低下を相殺して、気筒2の吸気充填量を維持できるよ
うな過給圧が得られるように、ウエストゲート弁42の
開度が実験的に求められて設定されている。そして、前
記ステップSA13で求めたTSCV開度に基づいて、
前記過給圧テーブルから過給圧を読み込み、この過給圧
に対応する開度となるようにウエストゲート弁42の電
磁ソレノイドに制御信号を出力して、しかる後にリター
ンする。
【0059】このことで、前記特定領域では、その低速
側に隣接するλ=1領域に比べて、ターボ過給機40に
よる吸気の最高過給圧が高くなる。また、エンジン1の
運転状態が前記特定領域とそれ以外の領域との間で遷移
するときには、TSCV30やターボ過給機40のウエ
ストゲート弁42の制御がなされるが、その際に気筒2
の吸気充填量が急変することがなく、エンジン出力の変
動が抑制される。
【0060】以上、要するに、エンジン1がエンリッチ
領域(ハ)にあるときには、空燃比をいわゆるパワー空
燃比として高出力を得ながら、基本的には前記λ=1モ
ードと同様の燃焼制御が行われるのであるが、特に高速
高負荷側の特定領域においては空燃比をさらにリッチ化
して、排気温度の上昇を抑制するとともに、このために
噴射される極めて多くの燃料を十分に気化霧化させて良
好に燃焼させるために、ターボ過給機40による吸気の
過給圧を高め、かつTSCV30を閉じて、敢えて吸気
を絞ることにより、燃焼室6のタンブル流Tを最大限に
強化するようにしたものである。
【0061】尚、前記フローのステップSA14では、
図9に示すようにターボ過給機40の最高過給圧をTS
CV開度に対応付けて設定するようにしているが、これ
に限るものではなく、同図のような特性が得られるよう
に、最高過給圧を例えば目標負荷Peやエンジン回転速度
ne等に対応するマップとして設定記録しておき、このマ
ップに基づいてウエストゲート弁42の開度を制御する
ようにしてもよい。また、TSCV30による吸気の絞
り度合いには個体差があるので、上述した成層燃焼モー
ドの定常運転時等においてTSCV開度と実際の吸気充
填量ceとの相関関係を学習し、この学習結果に基づいて
前記過給圧のテーブル(図9参照)を補正するようにし
てもよい。反対に、必ずしもTSCV開度の変化に応じ
て吸気充填量を維持するように最高過給圧を変更する必
要はなく、単に特定領域において最高過給圧を高めるよ
うにするだけでもよい。
【0062】前記図6に示すフローチャート図におい
て、ステップSA5により、低速低負荷側の成層燃焼領
域(イ)において、インジェクタ18により噴射した燃
料が気筒2の点火時期に可燃混合気となって点火プラグ
16の電極付近に滞留するように、該インジェクタ18
により燃料を当該気筒2の圧縮行程でタンブル流Tに向
かって噴射させる燃料噴射制御手段50aが構成されて
いる。
【0063】また、ステップSA11により、高速高負
荷側のエンリッチ領域(ハ)に設定した特定領域におい
て、気筒2内の空燃比A/FをA/F≦13になるよう
に制御する空燃比制御手段50bが構成されている。
【0064】また、ステップSA13により、前記特定
領域においてその低負荷側に隣接するλ=1領域(ロ)
に比べて、同じエンジン回転速度neであってもタンブル
流Tが相対的に強くなるように、TSCV30による吸
気の絞り度合いを大きくする流動制御手段50cが構成
されている。
【0065】さらに、ステップSA14により、前記特
定領域においてその低速側に隣接するλ=1領域(ロ)
に比べて、過給圧力を一定に抑える目標過給圧(最高過
給圧)が高くなるようにターボ過給機40のウエストゲ
ート弁42の開度を制御する過給圧制御手段50dが構
成されている。
【0066】(エンジン1の運転動作)以下、この実施
形態に係るエンジン1の運転動作について詳細に説明す
る。
【0067】まず、エンジン1が成層燃焼領域(イ)に
あるとき、図10に示すように、気筒2の吸気行程にお
いて吸気ポート10,10から燃焼室6に流入する吸気
により、タンブル流Tが生成される。このタンブル流T
は、図11に示すように、当該気筒2の圧縮行程中期以
降まで保存され、ピストン5冠面の凹部5aに沿ってイ
ンジェクタ18に向かって流れるようになる。この際、
圧縮行程におけるピストン5の上昇に伴いタンブル流T
は徐々に潰されてコンパクトになり、その流速も低下す
ることになるが、ペントルーフ型燃焼室6の天井部とピ
ストン5冠面の凹部5aとの間に適切な形状の空間が残
されているため、タンブル流Tは当該気筒2の圧縮行程
中期以降まで崩壊することがない。
【0068】そして、同図に示すように、インジェクタ
18により燃料が噴射されると、この燃料噴霧の大部分
は、ピストン5冠面の凹部5aに沿って流れるタンブル
流Tの流れの強いところに略正対するように衝突する。
これにより、燃料液滴の気化霧化や周囲の空気との混合
が促進されるとともに、その燃料噴霧がタンブル流Tを
押し退けるように進みながら、徐々に減速されて、図1
2に示す当該気筒2の点火時期において同図に斜線を入
れて示すように可燃混合気となって、点火プラグ16の
電極付近に滞留するようになる。この状態で該点火プラ
グ16に通電されることよって、可燃混合気層に点火さ
れる。
【0069】つまり、低速低負荷側の成層燃焼領域
(イ)では、インジェクタ18による燃料噴霧の貫徹力
を対向するタンブル流Tの流速に対応するように調節
し、かつ気筒2の点火時期から逆算した所定のタイミン
グで燃料を噴射させることにより、燃料噴霧貫徹力とタ
ンブル流速とをバランスさせて、点火プラグ16の電極
周りに混合気を適切にかつ安定的に成層化させることが
でき、もって、良好な成層燃焼を実現できる。
【0070】一方、エンジン1がλ=1領域(ロ)又は
エンリッチ領域(ハ)にあるときには、気筒2の吸気行
程においてタンブル流Tが生成されるとともに、インジ
ェクタ18により燃料の噴射が行われる。この噴射噴霧
は、圧縮行程に比べて低圧の燃焼室6内において相対的
に大きく拡がるとともに、ピストン5の下降移動に伴う
燃焼室6の容積の増大によって拡散しながら、タンブル
流Tによって吸気と十分に混合されかつ十分に気化霧化
して、燃焼室6全体に略均一な可燃混合気を形成する。
そして、その後の点火時期において点火プラグ16の電
極に通電されると、その近傍にて生成された火炎核が急
速に成長して、良好な均一燃焼状態となる。
【0071】特に、エンリッチ領域(ハ)における高速
側の特定領域においては、ウエストゲート弁42の制御
によりターボ過給機40の最高過給圧が高められ、これ
により最大限の過給が行われて気筒2への吸入空気量が
極めて多くなるとともに、当該気筒2の混合気の空燃比
A/FがA/F≦13となるよう、インジェクタ18か
ら多量の燃料が噴射される。この際、エンジン回転速度
neの上昇に伴い燃料を噴射可能な時間間隔が自ずと短く
なり、燃料噴射終了時期が遅角側に移動するから、燃料
の気化霧化には極めて不利な条件となるが、前記のよう
に最大限の過給が行われているにもかかわらず、TSC
V30が閉じられて吸気が絞られることで、高い過給圧
との相乗的な作用により、燃焼室6のタンブル流Tが可
及的に強化され、これにより、多量の噴射燃料が十分に
気化霧化されることになるので、燃焼に伴うPMの生成
は十分に抑制される。
【0072】その際、前記したように、TSCV30を
閉じることによる吸気充填量の低下を補完するように、
ターボ過給機40の最高過給圧を高めるようにしている
ので、エンジン1の最高出力が維持されるとともに、エ
ンジン1の運転状態が前記特定領域とそれ以外の領域と
の間で相互に移行したときにも、出力の変動を招くこと
がない。
【0073】図14は、この実施形態のような過給機付
直噴エンジンを用い、高速高負荷側の特定領域において
従来までのように単に混合気の空燃比をリッチ化させた
ものと(従来例)、そのときの燃料噴射量を控えめにし
てPMの生成を抑制すべく、混合気の空燃比A/FをA
/F=10.5としてややリーン側に変更したものと
(比較例)、上述したように、過給圧を最大限に高める
とともに敢えて吸気を絞ったものと(実施例)につい
て、排気中のPMの排出量やエンジン出力等とを対比し
た実験結果を示す。
【0074】同図によれば、従来例のものでは十分に高
い出力が得られる一方で、PMの排出量も多いことが分
かる。また、比較例のものでは空燃比A/Fをややリー
ン化したことで、PMの排出量をかなり減らせるもので
あるが、同時に、出力も低下してしまうことが分かる。
尚、比較例のもので過給圧が僅かに低下しているのは排
気温度の過度の上昇を防止するためであり、仮に過給圧
を従来例と同等にしたとしても、出力の低下は避けられ
ない。
【0075】そのような従来例及び比較例に対し、本願
発明の実施例では、上述の如く、ターボ過給機40の最
高過給圧を高めるとともに、これにより増大する吸気を
敢えてTSCV30により絞って、タンブル流を可及的
に強化することによって、燃料の気化霧化を十分に促進
することができ、これにより、図示の如くPMの排出量
が圧倒的に少なくなることが分かる。しかも、その際
に、TSCVが閉じられることによって吸気効率の低下
する分を、過給圧を高めることによって補うようにして
いるので、従来例と同等の高出力を得られることが分か
る。
【0076】したがって、この実施形態に係る過給機付
火花点火式直噴エンジン1によると、エンジン1が高速
高負荷側の特定領域にあるときに、気筒2の混合気の空
燃比を高速側ないし高負荷側ほどリッチになるようにし
て、燃料の気化潜熱により排気温度の上昇を抑制し、も
って排気系の信頼性を確保できる。
【0077】その際、従来までは捨てていた排気エネル
ギを利用して、ターボ過給機40により吸気をさらに過
給するとともに、その吸気を敢えて絞ることによって、
燃焼室6のタンブル流Tを可及的に強化することがで
き、これにより、多量の燃料の気化霧化を十分に促進し
て、PMの排出を低減できる。
【0078】また、そのようにTSCV30を閉じて吸
気を絞ることによって、吸気効率は低下することになる
が、同時に、気筒2への吸気充填量は低下しないように
過給圧を高めるようにしているので、エンジン1の最高
出力を確実に維持することができ、さらに、エンジン1
の運転状態が該特定領域とそれ以外の領域との間で相互
に移行したときにも出力の変動を招くことがない。
【0079】さらに、この実施形態のエンジン1の場
合、エアーガイド方式の適切な成層燃焼を実現するため
にTSCV30を設けることが必要であり、このTSC
V30を用いて前記のような作用が得られるものである
から、新たなハードウエアを追加する必要もなく、コス
トの増大や構成の複雑化を招かずに、上述の効果を十分
に得ることができる。
【0080】(他の実施形態)本願発明の構成は、前記
実施形態のものに限定されることはなく、その他の種々
の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態
では、気筒内流動として特にタンブル流Tに注目してお
り、吸気通路23に設けたTSCV30とステッピング
モータ31とにより、気筒2内への吸気の流れを絞って
タンブル流Tを強化するようにしているが、これに限ら
ず、例えば、2以上の吸気弁を備えたエンジンにおい
て、それらの内の少なくとも1つの吸気弁のリフト量を
強制的に減少させるような機構を設けたり、或いは、1
つないし2つの吸気弁の開作動を強制的に停止させるよ
うな機構を設け、これらの機構の作動によって、気筒2
への吸気を絞ることにより、タンブル流Tやスワール流
等の気筒内流動を強化するようにしてもよい。
【0081】また、前記実施形態では、ターボ過給機4
0の最高過給圧を調整するウエストゲート通路41及び
ウエストゲート弁42により、過給圧調整手段を構成し
ているが、これに限るものではなく、例えば、タービン
への排気を絞ってその流速を変更することにより、過給
効率を可変とした可変ターボ過給機を用いるようにして
もよい。
【0082】さらに、過給機としてターボ過給機に限ら
ず、例えば、エンジン1のクランク軸8や電動モータに
より駆動する機械式過給機を用いるようにしてもよく、
この場合には、過給圧を逃がすリリーフ弁や過給機の駆
動力を調整する調整機構によって、過給圧調整手段を構
成すればよい。
【0083】さらにまた、前記実施形態では、本願発明
をいわゆるエアーガイド方式の直噴エンジンに適用して
いるが、これに限らず、インジェクタにより燃焼室内に
直接噴射した燃料をピストン冠面の凹部内壁により案内
して点火プラグの電極周りに成層化させるようにした、
いわゆるウオールガイド方式の直噴エンジンにも同様に
適用することができる。
【0084】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の発明
に係る過給機付火花点火式直噴エンジンによると、少な
くとも高速高負荷側の過給領域において燃料噴射弁によ
り燃料を気筒の吸気行程で噴射させて、均一燃焼状態と
する場合に、その内の特定領域においては空燃比制御手
段によりエンジンの気筒内の空燃比をリッチ化させて、
排気温度の過度の上昇を抑制しながら、過給機により吸
気をさらに過給し、かつその吸気を敢えて絞ることによ
って、気筒内流動を最大限に強化することにより、エン
ジンの最高出力を確保しながら、多量の燃料を十分に気
化霧化させて、排気中のPMを低減することができる。
【0085】請求項2の発明によると、特定領域におい
て吸気絞りによる吸気充填量の低下を補完するように過
給圧を高めることで、エンジンの最高出力を維持できる
とともに、エンジン出力の変動を抑制できる。
【0086】請求項3の発明によると、少なくとも、特
定領域を除く過給領域において吸気の絞り度合いを最小
とすることで、当該領域におけるポンプ損失の低減によ
って、燃費の改善が図られる。
【0087】請求項4の発明によると、気筒への吸気通
路に配設した開閉弁を閉じて吸気を絞ることにより、気
筒内流動を確実に強化することができる。
【0088】請求項5の発明によると、成層燃焼時にタ
ンブル流を強化するために開閉弁を必要とするいわゆる
エアーガイド方式の直噴エンジンにおいて、その開閉弁
を有効利用して、コスト増大や構造の複雑化を招かず
に、請求項4の発明の効果を十分に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の過給機付火花点火式直噴エンジンの概
略構成を示す模式図である。
【図2】実施形態に係るエンジンの全体構成図である。
【図3】ピストン冠面、吸気ポート、点火プラグ及びイ
ンジェクタの配置構成を示す斜視図である。
【図4】エンジンの運転モードを設定した制御マップの
一例を示す図である。
【図5】インジェクタによる燃料噴射時期を模式的に示
すタイムチャート図である。
【図6】エンジンの基本的な制御手順を示すフローチャ
ート図である。
【図7】目標負荷及びエンジン回転速度に対応する適切
な目標空燃比の値を設定して記録した空燃比マップの一
例を示す図である。
【図8】目標負荷及びエンジン回転速度に対応する適切
なTSCV開度を設定して記録したTSCVマップの一
例を示す図である。
【図9】TSCV開度に対応する適切な最高過給圧を設
定したテーブルの一例を示す図である。
【図10】気筒の吸気行程において燃焼室に生成される
タンブル流の様子を示す図である。
【図11】気筒の燃料噴射時期においてタンブル流に衝
突するように噴射された燃料噴霧の様子を示す図であ
る。
【図12】気筒の点火時期において点火プラグの電極付
近に滞留する混合気の様子を示す説明図である。
【図13】気筒の吸気行程において燃焼室に生成される
タンブル流やインジェクタからの燃料噴霧の様子を示す
図である。
【図14】高速高負荷側の特定領域におけるターボ過給
圧、PMの排出量及びエンジン出力を、従来例や比較例
と対比して示す実験結果のグラフ図である。
【符号の説明】
1 過給機付火花点火式直噴エンジン 2 気筒 6 燃焼室 16 点火プラグ 18 インジェクタ(燃料噴射弁) 30 TSCV(開閉弁) 31 アクチュエータ 40 ターボ過給機(過給機) 41 ウエストゲート通路(過給圧調整手段) 42 ウエストゲート弁(過給圧調整手段) 50 ECU 50a 燃料噴射制御手段 50b 空燃比制御手段 50c 流動制御手段 50d 過給圧制御手段 T タンブル流(気筒内流動)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02B 31/00 301 F02B 31/00 301C 301F 37/12 302 37/12 302E 302G F02D 23/02 F02D 23/02 H 41/02 301 41/02 301A 301D 301F 301G 41/04 305 41/04 305C 43/00 301 43/00 301E 301J 301R 301U (72)発明者 藤井 幹公 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G005 EA04 EA14 EA19 EA20 FA35 GA02 GB15 GB17 GC07 GD14 GD18 GE09 HA05 JA02 JA06 JA39 3G023 AA04 AA07 AB03 AC05 AD02 AD07 AD08 AD29 AF03 AG01 AG03 3G084 AA00 AA04 BA07 BA09 BA15 BA21 CA04 CA09 DA01 DA10 FA08 FA10 FA20 FA29 FA38 3G092 AA01 AA06 AA09 AA10 AA18 AB02 BA07 BB06 DB03 DC03 DC06 DE03S DG08 EA01 EA03 EA04 EA05 EC09 FA01 FA18 GA06 GA18 HA01Z HB03Z HD05Z HE03Z HE08Z HF08Z 3G301 HA01 HA04 HA11 HA16 HA17 JA01 JA24 KA09 KA25 LA00 LA03 LA05 LB04 LC04 MA01 MA19 NC02 NE01 NE11 NE12 NE13 NE19 PA04Z PB08Z PD04Z PE03Z PE08Z PF03Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒への吸気を過給する過給機と、該気
    筒内の燃焼室に燃料を直接、噴射供給する燃料噴射弁と
    を備え、少なくとも高速高負荷側の過給領域において前
    記燃料噴射弁により燃料を気筒の吸気行程で噴射させて
    均一燃焼状態とするようにした火花点火式4サイクル直
    噴エンジンにおいて、 前記気筒内への吸気の流れを絞って気筒内流動を強化す
    る流動強化手段と、 前記過給機による吸気の過給圧を調整する過給圧調整手
    段と、 前記過給領域内の高速高負荷側に設定した特定領域にお
    いて、気筒内の空燃比A/FをA/F≦13になるよう
    に制御する空燃比制御手段と、 前記特定領域において、該特定領域の低負荷側に隣接す
    る領域に比べて、同じエンジン回転速度であっても気筒
    内流動が相対的に強くなるように、前記流動強化手段に
    よる吸気の絞り度合いを大きくする流動制御手段と、 前記特定領域において、該特定領域の低速側に隣接する
    領域に比べて、過給圧力を一定に抑える目標過給圧が相
    対的に高くなるように前記過給圧調整手段を制御する過
    給圧制御手段とを備えることを特徴とする過給機付火花
    点火式直噴エンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 過給圧制御手段は、流動制御手段による流動強化手段の
    制御が行われて、吸気の絞り度合いが大きくなったと
    き、このことによる吸気充填量の低下を補完するように
    過給圧を高めるものであることを特徴とする過給機付火
    花点火式直噴エンジン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかにおいて、 流動制御手段は、少なくとも、特定領域を除く過給領域
    において流動強化手段による吸気の絞り度合いを最小と
    するように構成されていることを特徴とする過給機付火
    花点火式直噴エンジン。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 流動強化手段は、気筒への吸気通路に配設された開閉弁
    と、この開閉弁の開度を調整するアクチュエータとを備
    え、 流動制御手段は、前記アクチュエータの作動によって開
    閉弁の開度を制御するように構成されていることを特徴
    とする過給機付火花点火式直噴エンジン。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 開閉弁は、その開度の減少により気筒内流動としてのタ
    ンブル流を強化するものであり、 燃料噴射弁は、気筒の圧縮行程で当該気筒内の燃焼室を
    流れるタンブル流に対向するように配置され、 低速低負荷側の所定領域において、前記燃料噴射弁によ
    り噴射した燃料が気筒の点火時期に可燃混合気となって
    点火プラグの電極付近に滞留するように、該燃料噴射弁
    により燃料を当該気筒の圧縮行程でタンブル流に向かっ
    て噴射させる燃料噴射制御手段が設けられ、 流動制御手段は、前記所定領域及び特定領域においてそ
    れぞれ前記開閉弁を閉じるように構成されていることを
    特徴とする過給機付火花点火式直噴エンジン。
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