JP2003262132A - 火花点火式直噴エンジンの吸気装置 - Google Patents

火花点火式直噴エンジンの吸気装置

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JP2003262132A
JP2003262132A JP2002061393A JP2002061393A JP2003262132A JP 2003262132 A JP2003262132 A JP 2003262132A JP 2002061393 A JP2002061393 A JP 2002061393A JP 2002061393 A JP2002061393 A JP 2002061393A JP 2003262132 A JP2003262132 A JP 2003262132A
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intake
port
intake port
combustion chamber
cylinder
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JP2002061393A
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English (en)
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Fumihiko Saito
史彦 斉藤
Masashi Maruhara
正志 丸原
Muneyuki Oota
統之 太田
Yoshihisa Nooi
芳尚 乃生
Hidefumi Fujimoto
英史 藤本
Masanao Yamakawa
正尚 山川
Yoshiyuki Fujioka
義幸 藤岡
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気筒2の燃焼室6へ向かって斜め下方に延び
る吸気ポート10を形成し、成層燃焼運転時に吸気ポー
ト10から流入する吸気流によってタンブル流Tを生成
し、該タンブル流Tに対向するように燃料を噴射させて
点火プラグ23の電極周りに可燃混合気を成層化させる
ようにした火花点火式直噴エンジンの吸気装置におい
て、吸気抵抗の低減と良好な成層燃焼運転の実現とを両
立する。 【解決手段】 吸気ポート10をシリンダヘッド4の吸
気側の側面上部から燃焼室6まで延びる略直線的な形状
とし、該吸気ポート10の下流側に膨出部55,55を
形成する。各膨出部55のポート壁面に上流側傾斜面5
6と下流側傾斜面57とを設け、シリンダヘッド4の下
面に対して下流側傾斜面57の傾斜角度を吸気ポート軸
線Pよりも小さく設定する。成層燃焼運転時に吸気流動
調節弁34を閉状態とし、前記下流側傾斜面57によっ
て吸気を全体的に排気側へ指向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気筒内に直接噴射
した燃料噴霧の挙動をタンブル流により制御して、点火
プラグの電極周りに可燃混合気を成層化させるようにし
た火花点火式直噴エンジンに関し、特に、燃焼室へ吸気
を導入する吸気ポートの構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開2001−55
925号公報に開示されるように、燃料を燃焼室に直接
噴射して、気筒内に生成したタンブル流により点火プラ
グ周りに可燃混合気を成層化させるようにした火花点火
式直噴エンジンが知られている。このエンジンでは、吸
気ポートの形状を燃焼室へ向かって略直線的に延びる形
状とすることで、吸気を燃焼室へスムーズに流通させて
吸気抵抗を減少させるようにしている。
【0003】一方、そのように吸気ポートの形状を直線
的な形状にすると、吸気が吸気ポートの下流端全周から
吸入されて吸気効率が向上する反面、燃料噴霧を確実に
減速させるような所要の強さのタンブル流を形成するこ
とが困難となる。すなわち、そのようなタンブル流を生
成するためには、吸気を主にポート下流端の点火プラグ
寄りの部位から排気側の気筒内周面へ向けて流入させる
ことが望ましいのであるが、前記従来例のものでは吸気
がポート下流端の全周から流入することになるので、該
ポート下流端の点火プラグ側からの流量が相対的に少な
くなり、そればかりか、反対に燃焼室の吸気側を指向す
る吸気の流量が多くなってタンブル流の生成が阻害され
るようになるのである。
【0004】このことに対して、前記従来例の直噴エン
ジンの吸気装置では、吸気ポートの下流側をポート上壁
部を含む上側ポート部とポート下壁部を含む下側ポート
部とに区画する隔壁を設け、該隔壁の上流端に下側ポー
ト部を開閉する開閉弁を配設している。そして、エンジ
ンが回転速度の相対的に低い成層燃焼領域にあるときに
は前記下側ポート部を閉じることで、吸気が上側ポート
部のみを流通するようになり、この吸気の流れが主にポ
ート下流端の点火プラグ寄りの部位から気筒の排気側へ
流れ込むようになる。このことで、エンジン回転速度が
低い領域から所要の強さのタンブル流を生成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
火花点火式直噴エンジンの吸気装置では、エンジン回転
速度が高くて吸気流量が相対的に多いときには、吸気抵
抗を低減するために吸気ポートの開閉弁を全開にするよ
うにしているが、吸気ポートの下流側略全体に亘って設
けられている隔壁が大きな抵抗となることは避けられな
いので、エンジンの高出力化が困難である。
【0006】つまり、従来例のものでは、エンジン回転
速度が相対的に高い領域あるときの出力の向上と、エン
ジンが成層燃焼領域にあるときの良好な成層燃焼運転と
を両立させることができない。
【0007】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、気筒内のタンブル流に
より点火プラグ周りに可燃混合気を成層化させるように
した火花点火式直噴エンジンにおいてその吸気ポートの
形状に工夫を凝らし、吸気抵抗を低減して高出力化を図
りながら、良好な成層燃焼運転を広い範囲で実現するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の解決手段では、吸気ポートを略直線的に延
びるように形成するとともに、この吸気ポートの下流側
に膨出部を設けて、該膨出部のポート壁面に吸気の流れ
を燃焼室の排気側に指向させる吸気ガイド面を形成する
ようにした。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、エンジ
ンの気筒内燃焼室の天井部略中央に点火プラグを配設
し、該燃焼室の吸気ポート側の周縁部に燃料噴射弁を配
設し、シリンダヘッドの吸気側の側面から斜め下方に延
びて前記燃焼室の天井部に開口するように吸気ポートを
形成して、成層燃焼運転時には前記吸気ポートから流入
する吸気流によって前記燃焼室にタンブル流を生成させ
るとともに、このタンブル流に対向するように前記燃焼
噴射弁により燃料を噴射させて、気筒の点火時点で点火
プラグの電極周りに可燃混合気を成層化させるようにし
た火花点火式直噴エンジンの吸気装置を前提とする。そ
して、前記吸気ポートを略直線的に延びるように形成
し、該吸気ポートの下流端側にはその下壁部を下方へ膨
出させてなる膨出部を形成し、該膨出部のポート壁面に
は、シリンダヘッドの下面に対して吸気ポート上流側の
ポート軸線の傾斜角度よりも小さい傾斜角度を有する吸
気ガイド面を形成する構成とする。
【0010】この構成によれば、エンジンの運転中に気
筒内の燃焼室に吸入される空気(吸気)は、全体として
略直線的に延びる吸気ポートの軸線に沿ってスムーズに
流れるとともに、該吸気ポートの下壁部に沿う流れがそ
の下流端側の膨出部に形成された吸気ガイド面によって
燃焼室の排気側へ向けられる。詳しくは、吸気ガイド面
のシリンダヘッドの下面に対する傾斜角度がポート軸線
に比べて小さいので、その吸気ガイド面によって案内さ
れる吸気流はシリンダヘッドの下面に対する気筒への流
入角度が吸気ポート軸線に沿う全体的な流れよりも小さ
くなるように曲げられる。そして、エンジンが低回転領
域にあって吸気流量が相対的に少ないときには、前記の
如く吸気ガイド面によって燃焼室の排気側に指向される
流れの影響が強くなるので、吸気を全体的に排気側の気
筒内周面に沿わせるように気筒内へ流入させることがで
き、これにより、所要の強さのタンブル流を生成でき
る。
【0011】一方、エンジン回転速度が相対的に高いと
きには、吸気ポートの吸気流量が多くなって相対的に吸
気ガイド面の影響が弱くなるので、シリンダヘッドの吸
気側の側面から気筒の燃焼室へ向かって略直線的に斜め
下方へ延びる吸気ポートの軸線に沿って吸気がスムーズ
に流れ、かつ該吸気ポートの下流端全周から効率良く燃
焼室へ導入される。
【0012】つまり、この発明によれば、吸気抵抗の増
大を回避して高出力を得ることを可能としながら、良好
な成層燃焼運転をエンジン回転速度の広い範囲に亘って
実現できる。
【0013】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記燃焼室をペントルーフ型燃焼室とし、前記吸
気ガイド面の下流側の端部を、吸気ポートの下流端にお
ける点火プラグに最も近い部位と比較して略同じ高さな
いしそれよりも下方に位置付けるものとする。
【0014】このことで、吸気ガイド面により排気側へ
向けられた流れが該吸気ガイド面に対向する点火プラグ
側の吸気ポート上壁部に殆ど邪魔されることなく、吸気
ポートの下流端から直接的に気筒内へ流入するので、吸
気抵抗をさらに低減できる。
【0015】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、前記吸気ガイド面の下流側の端部を、吸気ポート
の下流端部よりも所定距離だけ上流に離れたポート壁面
に形成するものとする。このことで、吸気ポートの下流
端から該吸気ポートの上流へ所定距離離れた部位までの
間には膨出部が形成されないので、この吸気ポートの下
流端に近接して燃料噴射弁を配設する場合の配設スペー
スを確保できる。
【0016】請求項4の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記吸気ポートの膨出部を、該吸気ポート内へポ
ート壁面から突出するバルブガイド部に対応するように
形成するものとする。このことで、バルブガイド部によ
って吸気ポートの断面積が小さくなる部位に対応して膨
出部が形成されるので、そのバルブガイド部による吸気
ポートの断面積の縮小を補完して、スムーズに吸気を流
通させることができる。
【0017】請求項5の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記吸気ポートを気筒毎に2つずつ設け、前記燃
料噴射弁を、気筒中心線に沿って見て両吸気ポートの中
間に位置しかつ該両吸気ポートの膨出部の下方にそれら
に近接して配設し、該膨出部の膨出量を燃料噴射弁に近
接する部分ほど小さく設定するものとする。
【0018】このことで、2つの吸気ポートの膨出部に
近接して燃料噴射弁を配設する場合に、膨出部の燃料噴
射弁に近接する部分ほど膨出量が小さくされているの
で、燃料噴射弁の配設スペースを容易に確保できる。す
なわち、吸気ポート内の吸気を排気側へ指向させる作用
を主に有するポート下端部の膨出量を大きくして吸気ガ
イド面の傾斜角度を所期のものとしながら、燃料噴射弁
のレイアウト自由度を確保できる。
【0019】請求項6の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記吸気ポートの膨出部よりも上流には、吸気の
絞り量を調節する吸気絞り弁を配設し、該吸気絞り弁
を、閉状態のときに吸気ポートの下壁部側から吸気を流
通させるように構成するものとする。このことで、吸気
流動調節弁を閉状態にすると吸気が全体的に吸気ポート
の下壁部に沿って流れるようになるので、吸気ガイド面
により吸気を排気側へ指向させる作用を高めることがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0021】図1は、本発明に係る火花点火式直噴エン
ジン1の全体的な構成を示す。このエンジン1は、複数
の気筒2,2,…(1つのみ図示する)が直列に設けら
れたシリンダブロック3と、このシリンダブロック3上
に配置されたシリンダヘッド4とを有し、該各気筒2内
にピストン5が往復動可能に嵌挿されていて、そのピス
トン5とシリンダヘッド4との間の気筒2内に燃焼室6
が区画されたものである。また、シリンダブロック3に
おけるクランクケース部内にはクランク軸7が回転自在
に支持されていて、このクランク軸7及びピストン5が
コネクティングロッド8により連結されている。また、
クランク軸7の一端側にはその回転角度を検出する電磁
式のクランク角センサ9が配設されている。また、シリ
ンダヘッド4の下面は、図3に示すように、気筒2の中
心線Zに略直交する面とされている。尚、この明細書で
は、気筒2の中心線Zの延びる方向を上下方向とし、シ
リンダヘッド4側をエンジン1の上側と呼ぶ一方、シリ
ンダブロック3側をエンジン1の下側と呼ぶものとす
る。
【0022】前記各気筒2の天井部20には、図2に拡
大して示すように略中央部からシリンダヘッド4の吸気
側の下端面付近まで延びる吸気側傾斜面21と、排気側
の下端面付近まで延びる排気側傾斜面22とがそれぞれ
形成されていて、燃焼室6はそれらの傾斜面21,22
が互いに差し掛けられた屋根のような形状をなすいわゆ
るペントルーフ型とされている。そして、図4に示すよ
うに、吸気側傾斜面21及び排気側傾斜面22にそれぞ
れ吸気ポート10及び排気ポート11の下流端が2つず
つ開口していて、その下流端10a,10a,11a,
11aに吸気弁12,12及び排気弁13,13(図2
に示す)が配置されている。前記2つの吸気ポート1
0,10の上流端はエンジン1の一側面(図1の右側
面)に互いに独立して開口する一方、前記2つの排気ポ
ート11,11は途中で1つに合流して略水平に延び、
エンジン1の他側面(図1の左側面)に開口している。
【0023】前記各吸気弁12及び排気弁13は、図2
及び図3に示すように、その軸部がそれぞれバルブガイ
ド部14,15により支持されており、該バルブガイド
部14,15は、各吸気弁12及び排気弁13の軸部が
挿通可能な円筒状に形成されていて、吸気側のバルブガ
イド部14の下端部は吸気ポート10の上壁部から該吸
気ポート10内に突出している。
【0024】前記吸気弁12及び排気弁13は、シリン
ダヘッド4の内部に軸支された2本のカム軸16,16
により開作動され、該2本のカム軸16,16がそれぞ
れ図示しないタイミングベルトにより前記クランク軸7
に同期して回転されることで、吸気弁12及び排気弁1
3がそれぞれ各気筒2毎に所定のタイミングで開閉作動
される。また、前記吸気側のカム軸16には、クランク
軸7に対する回転位相を所定の角度範囲において連続的
に変化させる公知の可変動弁機構17が付設されてい
て、この可変動弁機構17により前記吸気弁12の作動
時期が変更されるようになっている。
【0025】また、各気筒2毎に燃焼室6の上方には前
記吸気弁12,12及び排気弁13,13に取り囲まれ
るように、天井部20の略中央部に点火プラグ23が配
設されている。該点火プラグ23の基端部には点火回路
24(図1にのみ示す)が接続されていて、各気筒2毎
に所定の点火タイミングで点火プラグ23に通電するよ
うになっている。一方、前記燃焼室6の底部となるピス
トン5の冠面にはその中央部にレモン型の凹部5aが設
けられるとともに、該凹部5aの外側の部分は燃焼室6
の天井部20に対応する山型に形成されている。
【0026】また、前記燃焼室6の周縁部には、2つの
吸気ポート10,10の下方にインジェクタ(燃料噴射
弁)18が配設されている。該インジェクタ18の先端
部は、前記燃焼室6の吸気側傾斜面21の外周側におけ
る2つの吸気ポート10,10の間に開口する孔部25
に収容されており、該インジェクタ18の先端部と後述
する燃料分配管19の接続される基端部との中間部には
大径部が形成されいる。また、インジェクタ18は、図
2に示すように、大径部が2つの吸気ポート10,10
の下側の部分で挟まれるように、両者10,10に近接
した状態で配置されている。
【0027】前記インジェクタ18と前記ピストン5冠
面の凹部5aとの配置関係について説明すると、ピスト
ン5冠面の凹部5aは、その長さ方向が気筒中心線Zに
沿って見たときにインジェクタ18による燃料の噴射方
向(この実施形態ではインジェクタ18の軸線に一致す
る)と大略一致するように配設されている。このこと
で、後述の如く気筒2の圧縮行程において燃焼室6に生
成されるタンブル流Tは該凹部5aの形状に沿ってスム
ーズに流れ、その保持性が向上するとともに、タンブル
流Tが燃料噴霧を包み込むようにインジェクタ18に向
かって安定して流れるようになる。
【0028】前記インジェクタ18,18,…は全ての
気筒2,2,…に共通の燃料分配管19に接続されてい
て、燃料供給系(図1に仮想線で示す)から供給される
高圧の燃料が該燃料分配管19により各気筒2に分配さ
れるようになっている。この燃料供給系は、図示しない
が燃料を高圧ポンプにより昇圧した後に高圧レギュレー
タにより流量調節し、そのときの余剰の燃料を燃料タン
クに戻すことで、燃料分配管19へ供給する燃料の圧力
状態を適正な範囲(例えば略3MPa〜略20MPaく
らい)に調節するものである。尚、前記燃料分配管19
にはその内部の燃料の圧力状態を検出する燃圧センサ
(図示せず)が付設されている。
【0029】また、前記図1に示すように、エンジン1
の一側面には、各気筒2の吸気ポート10,10にそれ
ぞれ連通する吸気通路30が接続されている。この吸気
通路30は、エンジン1の燃焼室6に対し吸気を供給す
るものであり、その上流側から下流側に向かって順に、
エンジン1に吸入される吸入空気量を検出するエアフロ
ーセンサ31と、吸気通路30を絞る電気式スロットル
弁32と、サージタンク33とがそれぞれ配設されてい
る。前記電気式スロットル弁32は、図外のアクセルペ
ダルに対し機械的には連結されておらず、図示しない電
動式駆動モータにより駆動されて所望の開度となるよう
に開閉される。
【0030】また、前記サージタンク33よりも下流側
の吸気通路30は、途中で分岐してそれぞれ各気筒2毎
の吸気ポート10,10に連通している。図2に示すよ
うに、この2つの吸気ポート10,10の双方の上流側
には、この吸気ポート10,10を流れる吸気を絞るこ
とによって燃焼室6におけるタンブル流Tの強さを調節
する吸気流動調節弁(吸気絞り弁)34が配設され、例
えばステッピングモータ35(図2にのみ示す)によっ
て開閉作動されるようになっている。この吸気流動調節
弁34,34はいずれも円形のバタフライバルブの一部
を切り欠いたもので、この実施形態では弁軸34aより
も下側の部分を切り欠いている。そして、吸気流動調節
弁34が閉じられたときには吸気が前記の切り欠き部分
のみから下流側に流れて、燃焼室6に強いタンブル流T
を生成する。一方、吸気流動調節弁34が開かれるに従
い、吸気は該切り欠き部分以外からも流通するようにな
り、タンブル流Tの強度は徐々に弱められる。
【0031】尚、図示しないが、前記吸気ポート10,
10の断面形状を略矩形状とし、吸気流動調節弁34,
34を略矩形のバタフライバルブの下端側を切り欠いた
形状を有するようにしてもよい。すなわち、吸気流動調
節弁34の弁軸34aよりも上側の形状を、吸気ポート
10の上壁部の形状に対応させ、また、弁軸34aより
も下側の形状は、他方の吸気ポート10に接近する部分
ほどこの吸気ポート10の下壁部に近づくような形状と
し、これに対応して切り欠き部の形状は他方の吸気ポー
ト10側に短辺が位置するような台形状となる。また、
切り欠き部の代わりにバタフライバルブの下側に孔部を
形成してその孔部から吸気を流通させるようにしてもよ
い。
【0032】前記図1におけるエンジン1の他側面に
は、燃焼室6からの排気を排出する排気通路36が接続
されている。この排気通路36の上流端部は、各気筒2
毎に分岐して排気ポート11に連通する排気マニホルド
37であり、該排気マニホルド37の集合部には排気中
の酸素濃度を検出するO2センサ38が配設されてい
る。
【0033】また、前記排気マニホルド37の集合部に
は、排気管39の上流端が接続されており、一方、該排
気管39の下流端には排気を浄化するための触媒40が
接続されている。さらに、この排気管39の上流側に
は、排気通路36の排気の一部を吸気通路30に還流さ
せるEGR通路43の上流端が分岐接続されていて、こ
のEGR通路43の下流端は前記サージタンク33に接
続されている。
【0034】前記可変動弁機構17、点火プラグ23の
点火回路24、インジェクタ18、電気式スロットル弁
32、吸気流動調節弁34、燃料供給系の高圧レギュレ
ータ等は、いずれもエンジンコントロールユニット50
(以下、ECUという)によって作動制御される。一
方、このECU50には、前記クランク角センサ9、エ
アフローセンサ31、燃料供給系の燃圧センサ等からの
各出力信号が入力され、さらに、アクセル開度、即ち図
外のアクセルペダルの踏込み量を検出するアクセル開度
センサ51からの出力信号と、エンジン1の回転速度
(クランク軸7の回転速度)を検出する回転速度センサ
52からの出力信号とが入力されるようになっている。
【0035】すなわち、前記ECU50は、各センサか
ら入力される信号に基づいて、吸気弁12の作動時期、
各気筒2毎の点火プラグ23による点火時期、インジェ
クタ18による燃料噴射量、噴射時期及び噴射圧力、ス
ロットル弁32により調節される吸入空気量、吸気流動
調節弁34により調節されるタンブル流Tの強さ等をそ
れぞれエンジン1の運転状態に応じて制御するようにな
っている。これにより、温間状態であればエンジン1は
成層燃焼状態と均一燃焼状態とに切換えて運転される。
【0036】具体的には、成層燃焼状態では、図5に示
すように各気筒2の吸気行程で生成されるタンブル流T
を当該気筒2の圧縮行程後期まで保持させる。そして、
インジェクタ18により気筒2の圧縮行程における所定
時期に、タンブル流Tに対し略正対する方向から適切な
貫徹力でもって衝突するように、燃料を噴射させる。こ
うして、図3に示すように、点火プラグ23の近傍に混
合気が層状に偏在する状態で燃焼させる。
【0037】一方、前記成層燃焼領域よりもエンジン回
転速度が高くかつ負荷が大きい領域では、インジェクタ
18により気筒2の吸気行程で燃料を噴射させて吸気と
十分に混合し、燃焼室6に均一な混合気を形成した上で
燃焼させる均一燃焼状態になる。この均一燃焼状態で
は、大部分の運転領域において混合気の空燃比が略理論
空燃比(A/F≒14.7)になるように、燃料噴射量
やスロットル開度等が制御されるが、特に全負荷に近い
状態では、空燃比を理論空燃比よりもリッチな状態(例
えばA/F=13くらい)に制御して高負荷に対応した
大出力を得られるようにしている。
【0038】すなわち、エンジン1が成層燃焼領域にあ
るときには、燃料噴霧を狙い通りに減速させるように所
要の強さのタンブル流Tをこの成層燃焼領域における低
回転域から高回転域に亘って安定して形成する必要があ
る。一方、均一燃焼領域にあるときには、高出力を得る
ために吸気抵抗を低減して吸気流量を十分に確保するこ
とが求められる。
【0039】このことに対して、本願発明の特徴構成と
して、吸気ポート10,10を基本的には直線的に延び
る形状とすることで吸気抵抗の低減を図りつつ、特に低
回転域で吸気ポート10,10から気筒2内へ流入する
吸気の流れを当該気筒2の排気側に指向させるように、
吸気ポート10,10の下流側の下壁部を下方へ膨出さ
せて吸気ガイド面を設けた。
【0040】すなわち、図2、図7及び図9に示すよう
に、前記吸気ポート10,10は、前記シリンダヘッド
4の一側面の上部から燃焼室6の吸気側傾斜面21まで
斜め下方へ略直線的に延びるように形成されており、こ
の吸気ポート10,10には、前記バルブガイド部14
の下端部に対向する下壁部を下方へ膨出させてなる膨出
部55が形成されている。
【0041】前記膨出部55が形成されている範囲は、
吸気ポート10,10の軸線P方向について、該吸気ポ
ート下流端10a,10aの吸気側よりも所定距離吸気
ポート10,10の上流へ離れた部位から該吸気ポート
10,10の略中央部に亘っており、吸気ポート軸線P
の周方向について、吸気ポート10の下壁部の下端部か
ら該軸線Pの周方向の両側の壁部に亘っている。また、
この膨出部55の下流側の端部は、吸気ポート下流端1
0aの点火プラグ23に最も近い部位と略同じ高さに設
定されている。
【0042】前記膨出部55の形状について詳しく説明
すると、図7及び図9に示すように、クランク軸7の軸
線に沿って見て、断面三角形状とされていて、その吸気
ポート10壁面には、該吸気ポート10の上流側に位置
する傾斜面56と下流側に位置する傾斜面(吸気ガイド
面)57とが形成されている。これら上流側傾斜面56
及び下流側傾斜面57が交わる部分に形成される綾線5
8は若干、膨出部55の下流側寄りに位置しており、こ
のため、上流側傾斜面56は吸気ポート軸線P方向の寸
法が相対的に長く設定されている。また、シリンダヘッ
ド4下面に対して、上流側傾斜面56は吸気ポート軸線
Pの傾斜角度よりも大きい傾斜角度を有する一方、下流
側傾斜面57はその吸気ポート軸線Pよりも小さい傾斜
角度を有している。言い換えると、吸気ポート10の断
面積は、膨出部55の上流端から綾線58まで徐々に拡
大する一方、該綾線58から膨出部55の下流端に向か
って徐々に縮小し、該膨出部55の下流端に対応するポ
ート断面積は吸気ポート下流端10aの開口面積と略同
じとされている。
【0043】また、前記吸気ポート10の膨出部55が
形成されている区間をその軸線Pに沿って見たときの断
面は、どの位置の断面においても、下端部がポート軸線
Pから最も離れており、そこからポート軸線Pの周方向
両側に向かって徐々にポート軸線Pに近づくような形状
とされている。すなわち、膨出部55の下端部の膨出量
が最も大きく設定され、そこから軸線Pの周方向両側に
向かって徐々に膨出量が小さくされている。このこと
で、下流側傾斜面57の下端部のシリンダヘッド4下面
に対する傾斜角度が最も小さいものとなる。また、図4
に示すように、両吸気ポート10,10の膨出部55,
55の膨出量は、インジェクタ18に近接する部分ほど
小さく設定されいる。
【0044】次に、本実施形態に係るエンジン1の成層
燃焼運転について説明する。まず、図6に示すように、
気筒2の吸気行程においてピストン5が上死点位置から
下降すると、各吸気ポート10内の吸気が開状態の吸気
弁12の傘部と吸気ポート下流端10aとの間隙から燃
焼室6へ流入してタンブル流Tを形成する。
【0045】詳しくは、前記吸気通路30から吸気ポー
ト10の上流側に流入した吸気は、図7に示すように、
吸気流動調節弁34の切り欠き部分から吸気ポート10
の下壁部に沿うように下流側へ流れる。そして、膨出部
55に到達すると該膨出部55の上流側傾斜面56に沿
って流れ、綾線58を越えると下流側傾斜面57に沿っ
て流れて、燃焼室6へ流入する。この結果、吸気の流入
する向きは、シリンダヘッド4の下面に対してポート軸
線Pの傾斜角度よりも小さくなるので、燃焼室6の排気
側へ向かう流れとなる。この際、吸気は全体的に吸気ポ
ート10の下壁部に沿うように偏って流通しているの
で、該下壁部に連続する膨出部55の下流側傾斜面57
によって流れ全体を確実に排気側へガイドすることがで
きる。
【0046】前記のように下流側傾斜面57によって曲
げられた吸気の流れは、図8に示すように、吸気ポート
10の下流端10aにおいてインジェクタ18側の部位
の流量よりも点火プラグ23側の部位の流量の方が大幅
に多くなる。また、前記下流側傾斜面57によって吸気
全体が排気側へ向けられているので、吸気の流れは吸気
ポート下流端10aのインジェクタ18側を除いた殆ど
の部分から排気側を指向して流れ込むことになる。そし
て、このように排気側を指向して燃焼室6へ流れ込んだ
吸気の流れは、ピストン5のさらなる下降に伴い排気側
の気筒2内周面に沿うように下方へ向かい、その後、ピ
ストン冠面5aに沿って吸気側へ曲げられ、そこからさ
らに吸気側の気筒2内周面に沿うように上方へ向かって
流れて、図6に示すように、燃焼室6全体に亘って縦方
向に旋回するタンブル流Tとなる。
【0047】続いて、当該気筒2が圧縮行程に移行し
て、ピストン5が下死点位置から上昇すると、このピス
トン5の上昇に伴う燃焼室6容積の減少によりタンブル
流Tは潰されてコンパクトになる。この際、当該気筒2
の圧縮行程中期以降においても、ペントルーフ型燃焼室
6の天井部20とピストン5冠面の凹部5aとの間に適
切な大きさ及び形状の空間が残されているため、タンブ
ル流Tは当該気筒2の圧縮行程中期以降まで崩壊するこ
となく、保存される。また、ピストン5の冠面に沿って
排気側から吸気側(図の左側から右側)に流れるタンブ
ル流Tは凹部5aにより案内されて、インジェクタ18
の噴孔に向かって流れることになる。
【0048】そして、図5に示すように、インジェクタ
18により燃料が噴射されると、この燃料噴霧の大部分
が、ピストン5冠面の凹部5aに沿って流れるタンブル
流Tの流れの強いところに略正対するように衝突し、該
燃料噴霧はタンブル流Tにより徐々に減速されながら点
火プラグ23近傍に移動し、図3に示すように、気筒2
の点火時期までに適切な濃度の可燃混合気となって点火
プラグ23の電極周りに滞留する。そして、点火プラグ
23に通電されることよって可燃混合気層に点火され
る。
【0049】一方、前記エンジン回転速度が比較的高
く、均一燃焼状態にある場合には、図9に示すように、
吸気流動調節弁34が全開とされ、吸気は吸気ポート1
0の軸線Pに沿うように略直線的に流れるようになる。
このとき、吸気の流速は相対的に高くなり、かつ吸気ポ
ート下流端10aに向かってその吸気ポート10の全体
を直線的に流れているので、吸気が膨出部55により吸
気ポート下流端10aの点火プラグ23側へ向けられる
ことは殆ど無く、図10に示すように、吸気ポート下流
端10aの全周から略均一に気筒2内に流入するように
なる。このことで、吸気効率を良好なものとして吸入空
気量を十分に確保することができる。
【0050】具体的には、図11に示すように、本実施
形態に係る直噴エンジン1と従来の直噴エンジンとにつ
いてエンジン回転速度とトルクとの関係を測定した結果
を表すグラフによると、本実施形態に係る直噴エンジン
1では、エンジン回転速度が約2000rpmまでは従
来の直噴エンジンと略同じトルクを発生し、約3000
rpmよりも高回転領域におけるトルクを見ると本実施
形態のものの方が約10%ほど高いことが判る。
【0051】したがって、この実施形態に係る火花点火
式直噴エンジンの吸気装置によると、シリンダヘッド4
の吸気側の側面から気筒2の燃焼室6へ向かって斜め下
方に延びるように吸気ポート10,10を形成し、ここ
からの吸気によって燃焼室6にタンブル流を生成すると
ともに、該燃焼室6の吸気ポート10側に配設したイン
ジェクタ18によりタンブル流Tに対向するように燃料
を噴射させて点火プラグ23周りに可燃混合気を成層化
させるようにした火花点火式直噴エンジンにおいて、前
記吸気ポート10,10を略直線的に延びるように形成
し、該吸気ポート10,10の下流端側に下壁部を下方
へ膨出させてなる膨出部55,55を形成し、該膨出部
55,55にポート軸線Pよりも傾斜角度の小さい下流
側傾斜面57,57を形成したので、吸気抵抗を低減し
て高出力を得ながら、所要の強さのタンブル流Tをエン
ジン低速側の広い範囲に亘って安定して生成できるよう
になり、これにより良好な成層燃焼運転を広い範囲に亘
って実現できる。
【0052】また、前記膨出部55の下流側の端部が吸
気ポート下流端10aよりも吸気ポート10の上流へ所
定距離離れており、しかも、膨出部55のインジェクタ
18側の膨出量が相対的に小さくされているので、イン
ジェクタ18の配設スペースを十分に確保することがで
きる。すなわち、膨出部55の下端部の膨出量を大きく
設定することにより下流側傾斜面57の下端部の傾斜角
度を十分に小さくして吸気を排気側へ確実にガイドする
ようにしながら、インジェクタ18の配設自由度を高く
することができる。
【0053】また、膨出部55を吸気側のバルブガイド
部14の吸気ポート10内への突出部分に対応させて形
成しているので、このバルブガイド部14による吸気ポ
ート10の断面積の縮小を膨出部55により補完でき、
吸気をスムーズに流通させることができる。
【0054】また、膨出部55の下流側傾斜面57の下
流側端部を吸気ポート下流端10aの点火プラグ23側
と略同じ高さとしているので、この下流側傾斜面57に
よって排気側へ向けられた吸気は吸気ポート10の上壁
部に殆ど衝突することなく直接的に気筒2内へ流入する
ようになり、このことによっても、吸気抵抗を低減しつ
つ、所期のタンブル流Tを安定して生成できる。尚、前
記下流側傾斜面57の下流端の高さを吸気ポート下流端
10aの点火プラグ23に最も近い部位よりも低くして
もよく、こうすることで、よりスムーズに吸気を流通さ
せることができる。
【0055】尚、この実施形態では、吸気流動調節弁3
4を設けて成層燃焼運転時に全閉状態にしているが、こ
の吸気流動調節弁34を省略してもよい。すなわち、成
層燃焼領域における吸気流速は相対的に低いため、流速
の高いときに比べて吸気ポート10の下流側傾斜面57
による影響が強くなり、このことで、所要の強さのタン
ブル流Tを形成することができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る火花点火式直噴エンジンの吸気装置によると、気筒
内燃焼室の天井部略中央に点火プラグを配設し、該燃焼
室の吸気ポート側に燃料噴射弁を配設し、シリンダヘッ
ドの吸気側の側面から斜め下方に延びるように吸気ポー
トを形成して、成層燃焼運転時には前記吸気ポートから
流入する吸気流によってタンブル流を生成させるととも
に、このタンブル流に対向するように前記燃焼噴射弁に
より燃料を噴射させて、点火プラグの電極周りに可燃混
合気を成層化させるようにした火花点火式直噴エンジン
において、吸気ポートを略直線的に延びるように形成し
たので、該吸気ポートの軸線に沿って吸気がスムーズに
流れ、かつ該吸気ポートの下流端全周から燃焼室へ導入
される。そして、その吸気ポートの下流端側にはその下
壁部を下方へ膨出させてなる膨出部を形成し、該膨出部
のポート壁面に、シリンダヘッドの下面に対して吸気ポ
ート上流側のポート軸線の傾斜角度よりも小さい傾斜角
度を有する吸気ガイド面を形成したので、吸気を排気側
の気筒内周面に沿わせるように気筒内へ流入させて所要
の強さのタンブル流を生成できる。これらのことによ
り、効率良く吸気を吸入させて高出力を得ることを可能
としながら、良好な成層燃焼運転をエンジン回転速度の
広い範囲に亘って実現できる。
【0057】請求項2記載の発明によると、燃焼室をペ
ントルーフ型燃焼室とし、吸気ガイド面の下流側の端部
を吸気ポートの下流端における点火プラグに最も近い部
位と比較して略同じ高さないし下方に位置付けたので、
吸気ガイド面により排気側へ向けられた流れを吸気ポー
トの下流端から直接的に気筒内へ流入させることがで
き、このことで、吸気抵抗をさらに低減できる請求項3
記載の発明によると、吸気ポートの下流端から上流へ所
定距離離れた部位までの間に膨出部が形成されないの
で、この吸気ポートの下流端に近接して燃料噴射弁を配
設する場合の配設スペースを確保できる。
【0058】請求項4記載の発明によると、膨出部を吸
気ポート内へ突出するバルブガイド部に対向するように
形成したので、バルブガイド部による吸気ポートの断面
積の縮小を補完して、スムーズに吸気を流通させること
ができる。
【0059】請求項5記載の発明によると、燃料噴射弁
を2つの吸気ポートの膨出部の下方にそれらに近接して
配設し、膨出部の膨出量を燃料噴射弁に近接する部分ほ
ど小さくしたので、吸気ガイド面によって吸気を排気側
へ指向させながら、燃料噴射弁のレイアウト自由度を確
保できる。
【0060】請求項6記載の発明によると、吸気ポート
の膨出部よりも上流に閉状態のときに吸気ポートの下側
から吸気を流通させる吸気流動調節弁を設けたので、吸
気ガイド面による吸気を排気側へ指向させる作用を高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの全体構成図である。
【図2】ピストン冠面、吸気ポート、点火プラグ及びイ
ンジェクタの配置構成を示す斜視図である。
【図3】気筒の点火時点で点火プラグの電極付近に滞留
する混合気の様子を示す図である。
【図4】燃焼室及び吸気ポートの構成を示し、シリンダ
ヘッドを下方から見た平面図である。
【図5】気筒の燃料噴射時期でタンブル流に衝突するよ
うに噴射された燃料噴霧の様子を示す図である。
【図6】気筒の吸気行程において燃焼室に生成されるタ
ンブル流の様子を示す図である。
【図7】クランク軸線に沿って見て、吸気流動調節弁が
全閉状態のときに吸気ポート内を流れる吸気の様子を示
す図である。
【図8】気筒中心線に沿って見て、吸気流動調節弁が全
閉状態のときに吸気ポート下流端近傍を流れる吸気の様
子を示す図である。
【図9】吸気流動調節弁が全開状態のときの図7相当図
である。
【図10】吸気流動調節弁が全閉状態のときの図8相当
図である。
【図11】本実施形態に係る直噴エンジンと従来の直噴
エンジンとについて、エンジン回転速度とトルクとの関
係を示す図である。
【符号の説明】
2 気筒 4 シリンダヘッド 5 ピストン 6 燃焼室 10 吸気ポート 14 バルブガイド部 18 インジェクタ(燃料噴射弁) 20 天井部 23 点火プラグ 34 吸気流動調節弁(吸気絞り弁) 55 膨出部 57 下流側傾斜面(吸気ガイド面) P 吸気ポート軸線 T タンブル流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 統之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 乃生 芳尚 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 藤本 英史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 山川 正尚 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 藤岡 義幸 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G023 AA00 AA01 AA07 AA17 AC05 AD02 AD05 AD06 AG01 3G024 AA09 BA00 DA01 DA06 DA18 FA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの気筒内燃焼室の天井部略中央
    に点火プラグを配設し、該燃焼室の吸気ポート側の周縁
    部に燃料噴射弁を配設し、シリンダヘッドの吸気側の側
    面から斜め下方に延びて前記燃焼室の天井部に開口する
    ように吸気ポートを形成して、成層燃焼運転時には前記
    吸気ポートから流入する吸気流によって前記燃焼室にタ
    ンブル流を生成させるとともに、このタンブル流に対向
    するように前記燃焼噴射弁により燃料を噴射させて、気
    筒の点火時点で点火プラグの電極周りに可燃混合気を成
    層化させるようにした火花点火式直噴エンジンの吸気装
    置において、 前記吸気ポートは略直線的に延びるように形成され、該
    吸気ポートの下流端側にはその下壁部を下方へ膨出させ
    てなる膨出部が形成され、 前記膨出部のポート壁面には、シリンダヘッドの下面に
    対して吸気ポート上流側のポート軸線の傾斜角度よりも
    小さい傾斜角度を有する吸気ガイド面が形成されている
    ことを特徴とする火花点火式直噴エンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記燃焼室はペントルーフ型燃焼室とされ、 前記吸気ガイド面の下流側の端部は、吸気ポートの下流
    端における点火プラグに最も近い部位と比較して略同じ
    高さないしそれよりも下方に位置付けられていることを
    特徴とする火花点火式直噴エンジンの吸気装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記吸気ガイド面の下流側の端部は、吸気ポートの下流
    端部よりも所定距離だけ上流に離れたポート壁面に形成
    されていることを特徴とする火花点火式直噴エンジンの
    吸気装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記吸気ポートの膨出部は、該吸気ポート内へポート壁
    面から突出するバルブガイド部に対応するように形成さ
    れていることを特徴とする火花点火式直噴エンジンの吸
    気装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記吸気ポートは気筒毎に2つずつ設けられ、 前記燃料噴射弁は、気筒中心線に沿って見て両吸気ポー
    トの中間に位置しかつ該両吸気ポートの膨出部の下方に
    それらに近接して配設され、 前記膨出部の膨出量が燃料噴射弁に近接する部分ほど小
    さく設定されていることを特徴とする火花点火式直噴エ
    ンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 前記吸気ポートの膨出部よりも上流には、吸気の絞り量
    を調節する吸気絞り弁が配設され、 前記吸気絞り弁は、閉状態のときに吸気ポートの下壁部
    側から吸気を流通させるように構成されていることを特
    徴とする火花点火式直噴エンジンの吸気装置。
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