JP2003106180A - 過給機付火花点火式直噴エンジン - Google Patents

過給機付火花点火式直噴エンジン

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JP2003106180A
JP2003106180A JP2001302979A JP2001302979A JP2003106180A JP 2003106180 A JP2003106180 A JP 2003106180A JP 2001302979 A JP2001302979 A JP 2001302979A JP 2001302979 A JP2001302979 A JP 2001302979A JP 2003106180 A JP2003106180 A JP 2003106180A
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fuel
engine
intake
combustion chamber
valve
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Hiroyuki Yamashita
洋幸 山下
Keiji Araki
啓二 荒木
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成層燃焼領域におけるエンジンの低速域で、
タンブル流を充分に強化し、成層燃焼を良好に行なわせ
る。 【解決手段】 成層燃焼運転時にタンブル流と燃料噴射
弁18からの燃料噴霧とを衝突させて点火プラグ16周
りに混合気を成層化させるようにした直噴エンジンにお
いて、ターボ過給機33を備えるとともに、ピストンス
トロークをシリンダ直径より大きいロングストロークに
設定し、かつ、バルブリフト量可変手段14等からなる
絞り手段を設けて、エンジンの低速域で上記絞り手段に
より、吸気ポート10から燃焼室6への吸気流入部分を
絞るようにすることにより、タンブル流を強化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの成層燃
焼運転時にタンブル流に対向させるように燃料噴射弁か
ら燃料を噴射させて点火プラグ周りに混合気を成層化す
るようにした火花点火式直噴エンジンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、火花点火式エンジンにおい
て、燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を設け、低
回転低負荷側の運転領域では空燃比をリーンとするとと
もに燃料噴射弁から圧縮行程で燃料を噴射することによ
り成層燃焼を行わせ、燃費改善を図るようにした火花点
火式直噴エンジンは種々知られている。例えば特開20
00−204954号公報に示されたエンジンでは、燃
焼室内にタンブル流が生成されるようにし、このタンブ
ル流の強さを調節可能とする空気流動調整弁(TCV:
タンブル調節弁)を吸気通路に設けるとともに、燃焼室
に対してタンブル流に逆行するように燃料を燃焼室内に
噴射する燃料噴射弁を配置することにより、燃料噴射弁
からの燃料噴霧がタンブル流と衝突して点火プラグ付近
へ搬送されるようになっている。
【0003】このようなエンジンでは、特に低速域にお
いて、吸気行程で生じるタンブル流が弱く、圧縮行程で
このタンブル流の減衰、崩壊が生じやすくなるため、燃
料の気化、霧化が悪くなるとともに、燃料噴霧の貫徹力
とタンブル流の強さとのバランスが崩れて点火プラグ周
りに燃料噴霧が滞留しにくくなり、燃焼性が悪化する傾
向がある。
【0004】このような問題の対策としては、特開20
01−98946号公報に示されるように、シリンダヘ
ッド壁面のタンブル流を挟む両側部に、タンブル流と略
平行な平面を有する側壁を設けることにより、圧縮行程
でのタンブル流の減衰、崩壊の抑止を図るようにしたも
のが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開2001−
98946号公報に示されたエンジンによると、上記側
壁により圧縮行程後期におけるタンブル流の減衰、崩壊
を抑制する作用はある程度得られるとしても、吸気の流
速が遅い低速域では吸気行程でのタンブル流生成作用そ
のものが弱いため、圧縮行程後期に充分に強いタンブル
流を維持することが難しく、改善の余地がある。
【0006】本発明はこのような点に鑑み、エンジンの
低速域で、吸気行程において生成されるタンブル流その
ものを強化し、圧縮行程後期に充分に強いタンブル流を
確保することができて、燃焼性を大幅に向上することが
できる過給機付火花点火式直噴エンジンを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、燃焼室内にタンブル流を生
成するように吸気系を構成するとともに、燃焼室内に直
接燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、成層燃焼運転時
に、タンブル流に対向させるように燃料噴射弁から燃料
を燃焼室内に噴射することにより、点火時期に点火プラ
グ周りに混合気を成層化させるように構成された火花点
火式直噴エンジンにおいて、ターボ過給機を備えるとと
もに、ピストンストローク(S)とシリンダ直径(B)
との比をS/B>1のロングストロークに設定し、か
つ、エンジンの低速域で、吸気ポートから燃焼室へ吸気
を流通させる部分を絞る絞り手段を設けたものである。
【0008】この構成によると、成層燃焼運転時に、燃
焼室内で燃料噴射弁からの燃料噴霧とタンブル流とが互
いに衝突し、燃料の気化、霧化が促進されつつ、点火時
期に点火プラグ付近に可燃混合気が生成され、成層燃焼
が行われる。
【0009】この場合に、成層燃焼領域のうちで、本来
的にはタンブル流が弱くなる低速域における高負荷側の
領域では、ターボ過給機による過給が行われつつ、絞り
手段により燃焼室への吸気流通部分が絞られることによ
り、充分に吸気の流速が高められてタンブル流を強化す
る作用が得られる。これにより、燃料噴霧の貫徹力とタ
ンブル流の強さとのバランスが保たれて、燃料の気化、
霧化が促進されるともに、点火プラグ周りの混合気の滞
留が良好に行われる。
【0010】また、低速域における低負荷側の領域で
は、ターボ過給機による過給が充分に行われなくても、
絞り手段により吸気流通部分が絞られることである程度
タンブルが強化され、さらに上記ロングストロークに設
定されることにより、ショートストローク(S/B<
1)ないしスケアーストローク(S/B=1)と比べ、
同一エンジン回転数におけるピストン速度が速くなり、
特に低速域において、吸気行程での燃焼室内に流入する
吸気の速度が速まり、その分、タンブル流が強化(タン
ブル比が増大)される。
【0011】なお、燃焼室に対して複数の吸気ポートが
開口するエンジンにおいてロングストロークにすると、
ショートストロークないしスケアーストロークに対し
て、相対的に吸気ポートの開口径が小さくなるため(吸
気ポートの開口径が小さくても、過給されるために高出
力は確保される)、この面からも燃焼室内に流入する吸
気流速が速まり、タンブル流強化が助長される。
【0012】この発明において、上記燃料噴射弁から噴
射される燃料噴霧の貫徹力を調節する貫徹力調節手段を
備え、この貫徹力調節手段は、エンジン回転数が高くな
るほど上記貫徹力を高めるように所定の噴霧貫徹力特性
に基づきエンジン回転数に応じた噴霧貫徹力の調節を行
い、かつ、エンジンの低速低負荷域ではこの噴霧貫徹力
特性に対して噴霧貫徹力を低下させるように構成されて
いること(請求項2)が好ましい。
【0013】このようにすると、エンジンの低速低負荷
域では、上記のように絞り手段等によりタンブル流が強
化されるものの過給が行われる低速高負荷域等と比べる
とタンブル流強化の度合いが低いことに対し、噴霧貫徹
力が低下されることでタンブル流とのバランスが保たれ
る。
【0014】また、成層燃焼領域内の高速側では、上記
絞り手段による絞り量を少なくしてタンブル流速を低下
させるようにすること(請求項3)が好ましい。
【0015】成層燃焼領域内の高速側で、タンブル流が
強くなりすぎることが避けられ、燃料噴霧の貫徹力との
バランスが保たれる。
【0016】上記絞り手段は、吸気弁のリフト量を変更
するものであって、エンジンの低速域で低リフトにする
こと(請求項4)が好ましい。
【0017】このようにすると、吸気弁が低リフトとさ
れることで吸気ポート開口部分が絞られて、ここで流速
が高められた吸気が直ちに燃焼室内に流入するので、タ
ンブル流の強化が効果的に行われる。
【0018】また、ピストンの冠面に、タンブル流が沿
う底面を有するとともにシリンダ軸線を挟んで左右に開
口する凹部を形成し、この凹部の底面を、シリンダ軸線
より吸気ポート側の位置から排気ポート側の位置までに
わたり、吸気ポート側が排気ポート側よりも低い傾斜面
とすること(請求項5)が好ましい。
【0019】このようにすると、圧縮行程後期でのタン
ブル流の減衰が抑制される。すなわち、圧縮行程途中か
らは、タンブル流の下向きの流れとピストンの上昇に伴
う上昇流とがぶつかりあうようになるが、タンブル流が
上記凹部内で底面の傾斜に沿って吸気ポート側に逃げ易
くなるため、上記上昇流でタンブル流が阻害されること
が抑制される。
【0020】なお、ターボ過給機に対してタービン軸の
回転をアシストするアシスト手段を設け、エンジンの低
速低負荷域で上記アシスト手段を駆動すること(請求項
6)も効果的である。
【0021】このようにすると、エンジンの低速低負荷
域でも、過給が行われつつ上記絞り手段により吸気流通
部分が絞られることにより、タンブル流が充分に強化さ
れる。
【0022】請求項7に係る発明は、燃焼室内にタンブ
ル流を生成するように吸気系を構成するとともに、燃焼
室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、成層燃焼
運転時に、タンブル流に対向させるように燃料噴射弁か
ら燃料を燃焼室内に噴射することにより、点火時期に点
火プラグ周りに混合気を成層化させるように構成された
火花点火式直噴エンジンにおいて、ターボ過給機を備え
るとともに、上記燃料噴射弁からの燃料の噴射圧力を調
節する噴射圧力調節手段を備え、この噴射圧力調節手段
は成層燃焼領域でエンジン回転数が高いほど上記噴射圧
力を高め、かつ、吸気充填量が多いほど上記噴射圧力を
高めるようにしたものである。
【0023】この発明によると、エンジン回転数が高く
なるに応じてタンブル流が強くなり、また、ターボ過給
機による過給によって吸気充填量が増大したときにもタ
ンブル流が強くなる傾向があるのに対し、それに応じた
噴射圧力の調節により、タンブル流の強さと燃料噴霧の
貫徹力とがバランスする状態が維持され、点火プラグ周
りに燃料噴霧を滞留させる作用が良好に維持される。
【0024】この発明において、吸気充填量を調節する
充填量調節手段を備え、成層燃焼領域の低負荷から高負
荷側までにわたり吸気充填量を負荷に応じて変化させる
ように構成すること(請求項8)が好ましい。
【0025】このようにすると、成層燃焼領域でも着火
性を良好に保ち得るリーン限界を超えないように空燃比
が調整されるとともに、このような空燃比の調整のため
に負荷に応じて吸気充填量が変化することに伴ってタン
ブル流の強さが変化することに対し、これと燃料噴霧の
貫徹力とのバランスを保つよう噴射圧力が調節される。
【0026】また、ターボ過給機のタービンより上流の
排気通路から取り出した排気ガスを吸気通路に還流する
排気還流手段を備え、少なくとも成層燃焼領域で上記排
気ガス還流手段による排気ガスの還流を行わせるように
すること(請求項9)が好ましい。
【0027】このようにすると、空気過剰状態で成層燃
焼が行なわれるため排気還流の余裕度が大きい成層燃焼
領域で、充分に排気ガスの還流が行われることにより、
NOx低減等が効果的に行われる。そしてこのような排
気還流によって吸気充填量が変化してもそれに応じて噴
射圧力が調節されることにより、タンブル流の強さと燃
料噴霧の貫徹力とのバランスが保たれる。
【0028】また、燃焼室内の温度状態を判別し、高温
時は低温時と比べて上記絞り手段による絞り量を少なく
すること(請求項10)が好ましい。
【0029】このようにすると、上記高温時には燃料の
気化、霧化がよくなることで燃料噴霧の貫徹力が低下す
る傾向があることに対し、高温時には上記絞り量が少な
くされることでタンブル流が適度に弱められることによ
り、タンブル流の強さと燃料噴霧の貫徹力とのバランス
が保たれる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0031】図1は、本発明の一実施形態による火花点
火式直噴エンジンの全体的な構成を示す。この図におい
て、エンジン本体1は、複数の気筒2が配設されたシリ
ンダブロック3と、このシリンダブロック3上に配置さ
れたシリンダヘッド4とを有し、各気筒2内にはピスト
ン5が上下方向に往復動可能に嵌挿されていて、そのピ
ストン5とシリンダヘッド4との間に燃焼室6が形成さ
れている。なお、ピストンストローク(S)とシリンダ
直径(B)との比はS/B>1のロングストロークに設
定されている。
【0032】上記ピストン5は、シリンダブロック3の
下方部に回転自在に支持されたクランク軸7に、コネク
ティングロッド8を介して連結されている。クランク軸
7の一端側には、クランク角(クランク軸7の回転角
度)を検出する電磁式のクランク角センサ9が配置され
ている。
【0033】各気筒2の燃焼室6は、その天井部が中央
部分からシリンダヘッドの下端まで延びる2つの傾斜面
で構成された所謂ペントルーフ型となっている。この燃
焼室6には複数の吸気ポート10と排気ポート11とが
開口し、当実施形態では天井部を構成する2つの傾斜面
に吸気ポート10及び排気ポート11がそれぞれ2つず
つ開口している。各ポート10,11の開口端には吸気
弁12及び排気弁13が設けられ、これら吸気弁12及
び排気弁13は、シリンダヘッド4の上部に軸支された
2本のカム軸等からなる動弁機構により、それぞれ各気
筒毎に所定のタイミングで開閉作動されるようになって
いる。
【0034】吸気弁12に対する動弁機構には、バルブ
リフト量可変手段14が設けられている。このバルブリ
フト量可変手段14は動弁カムを切換可能とする等によ
り吸気弁12のバルブリフト特性を高リフトと低リフト
とに変更可能(図7参照)としたものである。当実施形
態では、後記タンブル調節弁38のほかにこのバルブリ
フト量可変手段14も、吸気ポートから燃焼室へ吸気を
流通させる部分を絞る絞り手段として機能し得るように
なっている。つまり、吸気弁12が低リフトとされたと
きに吸気ポート開口部が絞られるようになっている。
【0035】上記燃焼室6の中央部の上方には、上記4
つの吸排気弁に取り囲まれるように点火プラグ16が配
置されており、この点火プラグ16の先端が上記天井部
から燃焼室6内に突出している。この点火プラグ16に
は点火回路17が接続され、各気筒2毎に所定のタイミ
ングで点火プラグ16に通電するようになっている。ま
た、上記燃焼室6の周縁部には、2つの吸気ポート10
に挟まれるように燃料噴射弁18が配置され、この燃料
噴射弁18から燃焼室6内に直接燃料が噴射されるよう
になっている。
【0036】上記エンジン本体1の構造を、図2〜図4
を参照しつつさらに詳しく説明すると、上記両吸気ポー
ト10は、燃焼室6から斜め上方に向かって直線的に延
びていて、エンジン本体1の一側面(図2で左側面)に
開口しており、2つの吸気ポート10は互いに独立して
形成されている。これらの吸気ポート10を通って燃焼
室6内に流入する空気により燃焼室6内にタンブル流T
が生成されるようになっている。図2のように燃焼室6
の左側に吸気ポート10、右側に排気ポート11が位置
する断面においては時計方向(図2中の矢印方向)にタ
ンブル流Tが生成される。
【0037】上記燃料噴射弁18からの燃料噴射方向は
燃焼室6内のタンブル流Tに対向するように設定されて
いる。すなわち、図2に示す断面において燃焼室6の左
側に位置する燃料噴射弁18から斜め右下方に向けて燃
料が噴射されることにより、噴射された燃料がピストン
5の冠面上でタンブル流Tと逆行する方向に向かうよう
になっている。
【0038】上記ピストン5の冠面には、上記断面にお
いてシリンダ軸線Zを挟んで左右両側にわたる所定範囲
に凹部5aが形成されている。そして、図3に示すよう
に燃焼室6の天井部に沿った流れをタンブル順流Ts、
燃焼室6の底部に沿った流れをタンブル正流Tmと定義
すると、上記凹部5a内に、タンブル正流Tmと燃料噴
霧Faとが互いに逆方向から導入されることにより、こ
の凹部5a内で上記タンブル正流Tmと燃料噴霧Faと
が正面衝突するようになっている。
【0039】上記凹部5aの底面5bは、上記断面にお
いてシリンダ軸線Zより左側(吸気ポート側)から右側
(排気ポート側)にわたる範囲で右側にいくにつれて徐
々に高くなるように形成されている。つまり、凹部左端
寄りの位置で底面5aが最も低く、この最低部の位置か
ら凹部右側近傍までにわたる範囲で底面5aが右上がり
に傾斜するように形成されている。凹部5aの左端側の
壁面及び右端側の壁面は滑らかに湾曲して底面5bに連
なっている。
【0040】図4に示すように平面視において、上記凹
部5aは、燃料の噴射方向を長軸とし、これと直交する
方向を短軸とする略楕円状に形成されている。上記凹部
5aの設置部を除いたピストン5の冠面の外周部分5c
は、これに対向する燃焼室6の天井部の傾斜面に略沿う
ように形成され、気筒2の圧縮上死点前の所定期間、例
えばBTDC40°CA〜TDCの期間においてピスト
ン5の冠面の外周部分5cと、燃焼室6の天井部とによ
り挟まれる隙間がスキッシュエリアとなるように構成さ
れている。なお、TDCは上死点、BTDCは上死点
前、CAはクランク角を意味する。
【0041】また、上記燃料噴射弁18に対する燃料供
給系20の具体例を図5によって説明すると、燃料噴射
弁18の基端部には全気筒2に共通の燃料分配管19が
接続されていて、燃料供給系20から供給される高圧の
燃料を各気筒に分配するようになっており、この燃料供
給系20には、分配管19と燃料タンク21とを連通さ
せる燃料通路22の上流側から下流側に向かって、低圧
ポンプ23、低圧レギュレータ24、燃料フィルタ25
および高圧ポンプ26が順に配設されている。そして、
上記低圧ポンプ23により燃料タンク21から吸い上げ
られた燃料が、低圧レギュレータ24により調圧された
後、燃料フィルタ25により濾過された状態で高圧ポン
プ26に圧送されるようになっている。
【0042】上記高圧ポンプ26は、燃料の吐出量を広
い範囲に亘って調節可能な電磁ポンプ等からなり、燃料
分配管19への燃料の吐出量を調節することにより、燃
圧(燃料噴射弁からの燃料の噴射圧力)を適正値(例え
ば略3MPa〜略13MPa、好ましくは4MPa〜7
MPa程度)に制御するように構成されている。なお、
上記高圧ポンプ26によって昇圧された燃料の一部を、
リターン通路から燃料タンク21に戻すことにより、上
記燃料分配管19に供給される燃料の圧力状態を適正値
に調節する高圧レギュレータを設けた構成としてもよ
い。
【0043】図1に戻って、上記エンジン本体1の一側
面には、各気筒の吸気ポート10に連通する吸気通路3
1が接続され、一方、エンジン本体1の他側面には、各
気筒の排気ポート11に連通する排気通路32が接続さ
れている。さらにエンジンにはターボ過給機33が設け
られている。
【0044】上記吸気通路31は、エンジン本体1の各
気筒2の燃焼室6に対し図外のエアクリーナで濾過した
空気を供給するものであり、その上流側から順に、吸気
量を検出するエアフローセンサ(図示せず)と、ターボ
過給機33のコンプレッサ33aと、過給された吸気を
冷却するインタークーラ34と、電動式モータ36によ
り駆動されて開閉する電気式スロットル弁35と、サー
ジタンク37とが配設されている。また、サージタンク
37よりも下流の吸気通路31は、各気筒2毎に分岐す
る独立吸気通路とされており、各独立吸気通路の下流端
部はさらに2つに分岐して、2つの吸気ポート10にそ
れぞれ連通している。
【0045】上記各吸気ポート10の上流側には、燃焼
室6内におけるタンブル流の強度を調節するタンブル調
節弁38が配設され、このタンブル調節弁38が、例え
ばステッピングモータからなるアクチュエータ39によ
り開閉駆動されるようになっている。上記タンブル調節
弁38は、円形のバタフライ弁の一部、例えば弁軸より
も下側の部分を切り欠くことによって形成され、タンブ
ル調節弁38が閉じられているときに、上記切欠き部分
を介して吸気を下流側に流動させることにより、燃焼室
6内にタンブル流を形成し、上記タンブル調節弁38が
開かれるのに応じてタンブル流を徐々に弱めるように構
成されている。
【0046】なお、上記吸気ポート10やタンブル調節
弁38の形状は、上記形状に限定されるものではなく、
例えば吸気ポート10を、上流側で一つに合流する所謂
コモンポートタイプに構成してもよい。この場合、上記
タンブル調節弁38は、コモンポートの断面形状に対応
する形状のものをベースとして、その一部分を切り欠い
た形状とすればよい。
【0047】一方、上記排気通路32は、燃焼室6から
既燃ガスを排出するものであり、その上流端側には各気
筒2の排気ポート11に連通する排気マニフォールド3
2aを備えている。この排気マニフォールド32aの集
合部には排気中の酸素濃度を検出するリニアO2センサ
40が配設されている。このリニアO2センサ40は排
気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出するために用い
られるもので、理論空燃比を含む所定の空燃比範囲にお
いて酸素濃度に対しリニアな出力が得られるようになっ
ている。
【0048】排気マニフォールド32aの集合部には排
気管32bの上流端が接続され、この排気管32bに
は、ターボ過給機33のタービン33bが設けられると
ともに、その下流側に排気を浄化するための触媒41が
設けられている。
【0049】上記タービン33bと吸気通路31内のコ
ンプレッサ33aとはタービンシャフト33cを介して
連結され、タービン33bが排気ガス流により駆動され
て回転するとそれに連動してコンプレッサ33aが回転
し、吸気を過給するようになっている。なお、42はタ
ービン33bをバイパスするウエストゲート通路、43
は上記ウエストゲート通路42を開閉するウエストゲー
トバルブであり、過給圧が過度に高くなったときはウエ
ストバルブ43が開かれるようになっている。
【0050】また、排気管32bのタービン33bより
上流側には、排気通路32を流れる排気の一部を吸気通
路31に還流させるEGR通路44の上流端が接続され
ている。このEGR通路44の下流端は吸気通路31の
上記スロットル弁35より下流、例えばサージタンク3
7に接続されている。EGR通路44の途中には開度調
節可能な電気式のEGR弁45が配設されていて、EG
R通路44による排気の還流量を調節できるようになっ
ている。
【0051】上記バルブリフト量可変手段14、点火回
路17、燃料噴射弁18、燃料供給系20、スロットル
弁35を駆動するモータ36、タンブル調節弁38のア
クチュエータ39、電気式EGR弁45等は、エンジン
コントロールユニット50(以下、ECUという)によ
って制御されるようになっている。このECU50に
は、上記クランク角センサ9、エアフローセンサ、リニ
アO2センサ40等からの信号が入力され、さらに、ア
クセル開度(アクセルペダルの操作量)を検出するアク
セル開度センサ47からの検出信号、エンジンの回転速
度を検出する回転速度センサ48からの検出信号等も入
力されるようになっている。
【0052】そして、上記ECU50は、各センサから
入力された信号に基づいて、上記燃料噴射弁18からの
燃料噴射の制御及びその他の各種制御を行うようになっ
ている。
【0053】燃料噴射の制御としては、例えば図6に示
すように、エンジンの低負荷かつ低回転の運転領域
(イ)を成層燃焼領域、それ以外の領域(ロ)を均一燃
焼領域と設定する。そして、成層燃焼領域(イ)では、
燃料噴射弁18から圧縮行程の所定時期(例えば圧縮上
死点前(BTDC)40°〜140°の範囲)に燃料を
噴射して成層燃焼を行わせるようにする。このとき、空
燃比はリーン(例えばA/F>25)とするように吸入
空気量及び燃料噴射量を制御する。一方、均一燃焼領域
(ロ)では、燃料噴射弁18から吸気行程で燃料を噴射
して均一燃焼を行わせるようにする。このとき、空燃比
は略理論空燃比(A/F=14.7)とするように吸入
空気量及び燃料噴射量を制御する。なお、特に全負荷運
転状態では空燃比を理論空燃比よりもリッチ(例えばA
/F=13程度)としてもよい。
【0054】また、少なくとも成層燃焼領域(イ)で
は、タンブル調節弁38を閉じ、もしくは小開度とする
ことにより、吸気ポート10を絞ってタンブルを強化す
るように制御している。さらに、バルブリフト量可変手
段14を制御して、成層燃焼領域(イ)のうちでも特に
低速域では吸気弁12を図7に破線で示すような低リフ
トとすることにより、燃焼室6への吸気ポート開口部分
でも吸気流通面積を絞り、タンブル強化を図るようにし
ている。なお、成層燃焼領域(イ)の高回転側では、吸
気弁12を図7に実線で示すような高リフトとするとと
もに、タンブル調節弁38の開度をエンジン回転数が高
くなるにつれて大きくすることにより、吸気流通面積の
絞り量を小さくしてタンブル流速を低下させるようにし
ている。
【0055】さらにECU50は、燃料供給系20の高
圧ポンプ26を制御して、この高圧ポンプ26とともに
貫徹力調節手段を構成し、燃料噴霧の貫徹力がタンブル
強さとバランスするように、エンジンの運転状態に応じ
て燃圧を制御している。
【0056】すなわち、図8に示すように、タンブル強
さはエンジン回転数に応じて変化し、吸気の流速が速い
高速側で強く、吸気の流速が遅い低速側で弱くなる傾向
がある。この場合、上記のようにバルブリフト量の変更
及びタンブル調節弁38の制御によって低速側のタンブ
ル強度がある程度は強化されるものの、上記傾向を完全
に解消することはできない。そして、特に低速低負荷域
では、吸気流速が遅い上に吸気充填量が低いためタンブ
ル強度がさらに低下する傾向がある。
【0057】これに対し、エンジン回転数に応じて、タ
ンブル強度の変化に対応する特性で燃料噴霧の貫徹力が
変化するように、エンジン回転数が高くなるほど燃圧
(燃料噴霧の貫徹力)を高め、かつ、エンジンの低速低
負荷域では、エンジン回転数に応じた基本的特性(エン
ジン回転数の変化に対してほぼ直線的に変化するような
特性)に対してさらに燃圧を低下させるように制御して
いる。
【0058】なお、EGR弁45の制御としては、成層
燃焼領域では空気過剰率が大きくてEGR許容度が高い
ので少なくとも成層燃焼領域でEGRが行われ、とくに
成層燃焼領域のうちでも燃焼安定性が高い中速中負荷域
でEGR量が多くなるように制御される。
【0059】以上のような当実施形態の装置によると、
成層燃焼領域では、圧縮行程で燃料噴射弁18から燃料
が噴射され、かつ、燃焼室6内にタンブル流が生成され
て、このタンブル流に対向するように燃料が噴射される
ことにより、燃焼室6内でタンブル流と燃料噴霧とが互
いに衝突し、燃料の気化、霧化が促進されつつ、点火時
期に点火プラグ16付近に可燃混合気が生成され、成層
燃焼が行われる。
【0060】ところで、上記タンブル流は吸気行程で燃
焼室6への吸気の流入に伴って生じ、圧縮行程でも持続
するものであるが、吸気行程から圧縮行程にわたっての
タンブル比の変化は図9に示すようになる。すなわち、
吸気行程終期ないし圧縮行程初期の下死点(BDC)付
近でタンブル比がいったん小さくなってから、圧縮行程
途中(BDC90°付近)まではピストンが上昇して燃
焼室容積が小さくなるにつれタンブル旋回半径が小さく
なることによる旋回増速作用等でタンブル比が増加する
が、圧縮行程途中からは、タンブル流の下向きの流れ
(タンブル順流とタンブル正流との間の流れ)がピスト
ンの上昇に伴う上昇流とぶつかって阻害されること等に
より、タンブル比が減少する。そして、圧縮行程後期の
燃料噴射時期には圧縮行程途中と比べてタンブル流がか
なり大きく減衰する。
【0061】とくに、エンジンの低速域では、吸気行程
で生じるタンブル流が比較的弱いために、圧縮行程後期
のタンブル流の減衰が顕著になって、燃料噴霧との衝突
エネルギーが充分に得られにくい。
【0062】これに対し、当実施形態のエンジンにおい
ては、エンジンの低速域で、図7に破線で示すように吸
気弁が低リフト化されて燃焼室6への吸気流入部分が絞
られることにより、燃焼室6に流入する吸気の流速が速
められてタンブル流が強化される。とくに成層燃焼領域
内の低速域における高負荷側の領域では、ターボ過給機
33による過給が行われつつ上記吸気流入部分が絞られ
ることによりタンブル流を強化する作用が高められる。
【0063】さらに、ピストンストロークがシリンダ直
径よりも大きいロングストロークに設定されていること
により、ショートストローク(S/B<1)ないしスケ
アーストローク(S/B=1)と比べ、同一エンジン回
転数におけるピストン速度が速くなり、特に低速域にお
いて、吸気行程での燃焼室6内に流入する吸気の速度が
速まり、その分、タンブル流が強化(タンブル比が増
大)される。
【0064】なお、燃焼室6に対して複数の吸気ポート
10が開口するエンジンにおいてロングストロークにす
ると、ショートストロークないしスケアーストロークに
対して、相対的に吸気ポートの開口径が小さくなるため
(吸気ポートの開口径が小さくても、過給されるために
高出力は確保される)、この面からも燃焼室6内に流入
する吸気流速が速まり、タンブル流強化が助長される。
【0065】さらに、図2及び図3に示すようにピスト
ン5の冠面に設けられた凹部5aの底面5bが、吸気ポ
ート側が排気ポート側よりも低い傾斜面となるように形
成されていることにより、圧縮行程後期でのタンブル流
の減衰が抑制される。すなわち、圧縮行程途中からは、
タンブル流の下向きの流れとピストンの上昇に伴う上昇
流とがぶつかりあうようになるが、タンブル流が凹部5
a内で底面5bの傾斜に沿って吸気ポート側に逃げ易く
なるため、上記上昇流でタンブル流が阻害されることが
抑制される。
【0066】つまり、当実施形態の装置によるとタンブ
ル比は、図9に実線で示すように、上記のようなタンブ
ル強化のための構造を備えない従来のエンジンによる場
合(図9に二点鎖線)と比べ、吸気行程での吸気流入の
段階で高められ、さらに圧縮行程の初期から中期にかけ
て大きく増加し、圧縮行程の後期のタンブル流の減衰も
小さくなる。従って、噴射時期から点火時期にわたる期
間におけるタンブル比が従来と比べて大幅に高められ
る。
【0067】こうして、エンジンの低速域で、タンブル
流が強化されて、燃料噴霧との衝突エネルギーが充分に
得られることにより、燃料の気化、霧化を促進する作用
や点火プラグ周りに燃料噴霧を滞留させる作用が良好に
得られる。
【0068】なお、低速低負荷域では、ターボ過給機3
3の過給作用はあまり得られないが、この場合でも吸気
弁12が低リフト化されて吸気流入部分が絞られること
と、ロングストロークに設定されていることにより、タ
ンブル流が強化される。そして、成層燃焼領域内の高負
荷側と比べるとタンブル流が弱くなるが、燃圧が低くさ
れて燃料噴霧の貫徹力が弱められることにより噴霧の貫
徹力とタンブル流とのバランスが保たれ、成層化が良好
に行われる。
【0069】また、低速域でタンブル流の強化のために
燃焼室6への吸気流入部分を絞るようにする場合、当実
施形態のようにバルブリフト量可変手段を用いて吸気弁
12を低リフト化することがとくに効果的である。すな
わち、吸気ポート10の上流側に設けられたタンブル調
節弁38を閉じることによっても吸気流通部分が絞られ
るが、ここでいったん絞られても燃焼室6に達するまで
に吸気ポート10内で吸気が多少広がってしまって流速
が低下するのに対し、吸気弁12を低リフト化すること
で吸気ポート開口部分を絞れば、ここで流速が高められ
た吸気が直ちに燃焼室6内に流入するので、タンブル流
強化の効果が高められる。
【0070】本発明のエンジンの具体的構成は上記実施
形態に限定されず、種々変更可能であり、その数例を以
下に説明する。
【0071】上記実施形態の構造に加え、図1中に二
点鎖線で示すように、ターボ過給機に対し、タービン軸
に連結されたモータ等からなってタービン軸の回転をア
シストするアシスト手段60を設け、エンジンの低速低
負荷域でこのアシスト手段60を駆動するようにしても
よい。このようにすると、低速低負荷域でも、過給が行
なわれつつ絞り手段により燃焼室6への吸気流入部分が
絞られることにより、タンブル強化作用が高められる。
【0072】空燃比がリーンとされる成層燃焼領域で
も、過度にリーンになれば燃焼安定性が損なわれること
から、運転状態に応じてスロットル弁の開度を調節する
ことにより吸気充填量を調整することが望ましい。例え
ば図10にスロットル開度を縦軸、エンジン回転数を横
軸、エンジン負荷をパラメータとして示すように、成層
燃焼領域では低速低負荷側でスロットル開度を小さく
し、エンジン回転数が高くなるにつれ、またエンジン負
荷が高くなるにつれ、スロットル開度を大きくすればよ
い。
【0073】このようにする場合、成層燃焼領域におい
て、タンブル流の強さは、エンジン回転数の上昇につれ
て増大するとともに、負荷の上昇に伴う吸気充填量の増
加につれて増大する。このため、タンブル流の強さと燃
料噴霧の貫徹力とがバランスするように、成層燃焼領域
においてエンジン回転数及びエンジン負荷と燃圧との関
係は図11に示すように設定し、つまりエンジン回転数
が高くなるほど燃圧を高め、かつ、エンジン負荷が高い
ほど(吸気充填量が多いほど)燃圧を高めるようにすれ
ばよい。
【0074】上記実施形態の構成に加えてさらに、燃
焼室内の温度状態を判別し、それに応じてタンブル調節
手段等の絞り手段による絞り量を補正することが好まし
い。つまり、燃焼室内の温度が高くなるほど燃料の気
化、霧化が促進されることによって燃料噴霧の貫徹力は
低下するので、これとのバランスを保つため、燃焼室内
の温度が高くなるほど絞り手段による絞り量を小さくし
てタンブル強度を弱めるようにする。なお、上記燃焼室
内の温度状態は、例えば排気温度センサ(図示せず)に
より検出される排気温度に基づいて推定する。或いは、
運転状態の履歴(均一燃焼運転の継続時間)及び外気温
度等に基づいて燃焼室内の温度を推定するようにしても
よい。
【0075】タンブル流を強化するための手段として
は、上記実施形態において示したもののほかに、例えば
図12に示すように、クランク軸7の回転方向が時計周
りとなる方向から見た場合に、シリンダ軸線Zに対して
クランク軸7の中心Oが右側にオフセットするように、
気筒2とクランク軸7との位置関係を設定しておくこと
も有効である。
【0076】すなわち、このような位置関係にすれば、
幾何学的に吸気行程でのピストン速度が速くなって、吸
気行程での燃焼室内に流入する吸気の速度が速まり、タ
ンブル流強化が助長されるからである。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエンジン
は、成層燃焼運転時に燃焼室内でタンブル流に対向させ
るように燃料噴射弁から燃料を噴射することにより点火
プラグ周りに混合気を成層化させるようにしたものにお
いて、ターボ過給機を備え、ピストンストロークをシリ
ンダ直径より大きいロングストロークに設定し、かつ、
エンジンの低速域で、吸気ポートから燃焼室へ吸気を流
通させる部分を絞る絞り手段を設けているため、成層燃
焼領域のうちの低速域における高負荷側の領域では、タ
ーボ過給機による過給が行われつつ、燃焼室への吸気流
通部分が絞られることにより、充分に吸気の流速を高め
てタンブル流を強化することができる。また、低速域に
おける低負荷側の領域では、上記吸気流通部分が絞られ
ることと上記ロングストロークに設定されていることと
により、タンブル流を強化することができる。
【0078】従って、低速域でもタンブル流による燃料
の気化、霧化の促進、及び点火プラグ周りへ燃料噴霧を
滞留させる作用等を良好に発揮させることができ、成層
燃焼運転時の燃焼安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る過給機付火花点火式
直噴エンジンの全体構造の一例を示す概略図である。
【図2】エンジン本体の断面図である。
【図3】ピストンの具体的形状を示す断面図である。
【図4】ピストン、吸気ポート、燃料噴射弁等の配置及
び燃料の噴射状態を示す平面図である。
【図5】燃料供給系を示すブロック図である。
【図6】成層燃焼領域及び均一燃焼領域を設定した制御
マップの一例を示す図である。
【図7】吸気弁のリフト量を示す説明図である。
【図8】エンジン回転数とタンブル強さとの関係を示す
図である。
【図9】吸気行程から圧縮行程にかけての期間中のタン
ブル比の変化を示す図である。
【図10】エンジン回転数及び負荷とスロットル開度と
の関係を示す図である。
【図11】エンジン回転数及び負荷と燃圧との関係を示
す図である。
【図12】タンブル強化に有効な気筒及びクランク軸の
配置の例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 6 燃焼室 10 吸気ポート 12 吸気弁 14 バルブリフト量可変手段 16 点火プラグ 18 燃料噴射弁 20 燃料供給系 26 高圧ポンプ 33 ターボ過給機 35 スロットル弁 38 タンブル調節弁 44 EGR通路 45 EGR弁
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02B 31/00 301 F02B 31/00 301A 301C 301F 301Z 37/10 37/10 Z F02D 21/08 301 F02D 21/08 301C 23/02 23/02 J F02F 3/26 F02F 3/26 C F02M 25/07 570 F02M 25/07 570A 570P Fターム(参考) 3G005 DA01 EA04 EA16 EA20 FA37 GA00 GB45 GC08 GD13 GD17 HA05 HA09 HA12 HA19 JA02 JA39 3G023 AA01 AA07 AB03 AC05 AD02 AD07 AD08 AD14 AG01 3G062 AA05 AA07 BA04 BA05 BA06 BA09 CA00 EA10 ED04 3G092 AA01 AA06 AA09 AA10 AA11 AA17 AA18 BB08 DA01 DA07 DB03 DC06 DC10 DE09S DG07 DG09 EA01 EA02 FA22 GA05 GA06 GA17 GA18 HA01Z HA06X HA11Z HA13X HA15X HB03X HC03Z HD07X HE01Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内にタンブル流を生成するように
    吸気系を構成するとともに、燃焼室内に直接燃料を噴射
    する燃料噴射弁を備え、成層燃焼運転時に、タンブル流
    に対向させるように燃料噴射弁から燃料を燃焼室内に噴
    射することにより、点火時期に点火プラグ周りに混合気
    を成層化させるように構成された火花点火式直噴エンジ
    ンにおいて、 ターボ過給機を備えるとともに、ピストンストローク
    (S)とシリンダ直径(B)との比をS/B>1のロン
    グストロークに設定し、かつ、エンジンの低速域で、吸
    気ポートから燃焼室へ吸気を流通させる部分を絞る絞り
    手段を設けたことを特徴とする過給機付火花点火式直噴
    エンジン。
  2. 【請求項2】 上記燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧
    の貫徹力を調節する貫徹力調節手段を備え、この貫徹力
    調節手段は、エンジン回転数が高くなるほど上記貫徹力
    を高めるように所定の噴霧貫徹力特性に基づきエンジン
    回転数に応じた噴霧貫徹力の調節を行い、かつ、エンジ
    ンの低速低負荷域ではこの噴霧貫徹力特性に対して噴霧
    貫徹力を低下させるように構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の過給機付火花点火式直噴エンジン。
  3. 【請求項3】 成層燃焼領域内の高速側では、上記絞り
    手段による絞り量を少なくしてタンブル流速を低下させ
    るようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の
    過給機付火花点火式直噴エンジン。
  4. 【請求項4】 上記絞り手段は、吸気弁のリフト量を変
    更するものであって、エンジンの低速域で低リフトにす
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    過給機付火花点火式直噴エンジン。
  5. 【請求項5】 ピストンの冠面に、タンブル流が沿う底
    面を有するとともにシリンダ軸線を挟んで左右に開口す
    る凹部を形成し、この凹部の底面を、シリンダ軸線より
    吸気ポート側の位置から排気ポート側の位置までにわた
    り、吸気ポート側が排気ポート側よりも低い傾斜面とし
    たことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    過給機付火花点火式直噴エンジン。
  6. 【請求項6】 ターボ過給機に対してタービン軸の回転
    をアシストするアシスト手段を設け、エンジンの低速低
    負荷域で上記アシスト手段を駆動するようにしたことを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の過給機付
    火花点火式直噴エンジン。
  7. 【請求項7】 燃焼室内にタンブル流を生成するように
    吸気系を構成するとともに、燃焼室内に直接燃料を噴射
    する燃料噴射弁を備え、成層燃焼運転時に、タンブル流
    に対向させるように燃料噴射弁から燃料を燃焼室内に噴
    射することにより、点火時期に点火プラグ周りに混合気
    を成層化させるように構成された火花点火式直噴エンジ
    ンにおいて、 ターボ過給機を備えるとともに、上記燃料噴射弁からの
    燃料の噴射圧力を調節する噴射圧力調節手段を備え、こ
    の噴射圧力調節手段は成層燃焼領域でエンジン回転数が
    高いほど上記噴射圧力を高め、かつ、吸気充填量が多い
    ほど上記噴射圧力を高めることを特徴とする過給機付火
    花点火式直噴エンジン。
  8. 【請求項8】 吸気充填量を調節する充填量調節手段を
    備え、成層燃焼領域の低負荷から高負荷側までにわたり
    吸気充填量を負荷に応じて変化させるように構成したこ
    とを特徴とする請求項7記載の過給機付火花点火式直噴
    エンジン。
  9. 【請求項9】 ターボ過給機のタービンより上流の排気
    通路から取り出した排気ガスを吸気通路に還流する排気
    還流手段を備え、少なくとも成層燃焼領域で上記排気ガ
    ス還流手段による排気ガスの還流を行わせるようにした
    ことを特徴とする請求項7または8記載の過給機付火花
    点火式直噴エンジン。
  10. 【請求項10】 燃焼室内の温度状態を判別し、高温時
    は低温時と比べて上記絞り手段による絞り量を少なくす
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    過給機付火花点火式直噴エンジン。
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