JP3708493B2 - デバッグシステム、半導体集積回路、半導体集積回路のデバッグ方法、半導体集積回路のデバッグプログラム、及び半導体集積回路のデバッグプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

デバッグシステム、半導体集積回路、半導体集積回路のデバッグ方法、半導体集積回路のデバッグプログラム、及び半導体集積回路のデバッグプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSIの内部信号を解析してLSI内のハードウェアやソフトウェアのデバッグ(不具合を修正する)を行うデバッグシステム、半導体集積回路、半導体集積回路のデバッグ方法、半導体集積回路のデバッグプログラム、及び半導体集積回路のデバッグプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、LSI(LSI : Large Scale Integration)内のハードウェアやソフトウェアのデバッグ作業は、ロジックアナライザやオシロスコープ等の測定機器を利用してLSIの内部信号を観測、解析することにより行われる。従って、デバッグ作業により不具合のないLSIを設計、製造するためには、より多くの内部信号を観測、解析することが重要となってくる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、より多くの数の内部信号を観測するために、LSIの出力端子の数を増やしてしまうと、LSIの構成が複雑となり規模が大きくなってしまうばかりでなく、LSIのコスト上昇に繋がってしまう。
【0004】
このような課題を解決するために、LSIの出力端子数を増やさずに、出力端子から出力される内部信号を時間で切り換えるようにすることも考えられるが、この場合、複数の内部信号を同時に観測することができなくなるために、内部信号間の相関関係については解析することができず、LSI全体のデバッグを正確に行うことができない。
【0005】
本発明は、上記の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価、且つ、簡単な構成でLSI全体のデバッグを容易に行うことを可能にするデバッグシステム、半導体集積回路、半導体集積回路のデバッグ方法、半導体集積回路のデバッグプログラム、及び半導体集積回路のデバッグプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、デバッグの対象となる半導体集積回路と同一構成の半導体集積回路を複数用い、これら複数の半導体集積回路を同じ動作状態にして各半導体集積回路から互いに異なる内部信号を収集して、接続した半導体集積回路の個数に比例した内部信号を収集し、収集した内部信号に基づいて半導体集積回路の動作を解析する。この構成によれば、半導体集積回路の出力端子を増やしたり、出力端子から出力する内部信号を時間で切り換える必要が全くないので、半導体集積回路のコストを上昇させることなく、半導体集積回路全体のデバッグを容易に行うことができる。
【0007】
なお、3個以上の半導体集積回路を接続し、接続した半導体集積回路の2個以上を同じ動作状態になるようして各半導体集積回路から互いに異なる内部信号を収集するようにしてもよい。
【0008】
また、3個以上の半導体集積回路を同一の動作状態になるように接続し、そのうちの2個以上の半導体集積回路から互いに異なる内部信号を収集するようにしてもよい。
【0009】
さらに、3個以上の半導体集積回路を接続し、そのうちの一つの半導体集積回路の動作状態をモニタすると共に、モニタされている半導体集積回路以外の半導体集積回路の動作状態をモニタされている半導体集積回路のそれと同じになるようにして、2個以上の半導体集積回路から互いに異なる内部信号を収集するようにしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えば図1に示すようなLSIの内部信号を観測、解析するデバッグシステムに適用することができる。
【0011】
[デバッグシステムの構成]
始めに、図1を参照して、本発明の実施の形態となるデバッグシステムの全体構成について説明する。
【0012】
本発明の実施形態となるデバッグシステムは、図1に示すように、ソケット部1を介して、デバッグの対象となる基板2内のLSI3に対しデバッグ専用ボード4が電気的に接続された構成となっている。また、上記LSI3は、基板2内の他の回路ブロック5と接続されている。
【0013】
上記デバッグ専用ボード4は、電気配線を介してコンピュータシステム6と接続されている。また、デバッグ専用ボード4内には、LSI3と同一構成のLSI(以下、LSI3と区別するために、デバッグ用LSIと表記する)が複数設けられている。そして、LSI3の出力端子、及び各デバッグ用LSIの出力端子は、対応する端子同士、電気配線7を介して互いに接続されている。
【0014】
なお、この実施の形態においては、デバッグ専用ボード4内には、4つのデバッグ用LSIが設けられているが、本発明はこの数に限られることなく、観測する内部信号の数に応じてデバッグ用LSIの数を適宜増減させてもよい。
【0015】
次に、図2,3を参照して、上記LSI3(=デバッグ用LSI)の構成について説明する。
【0016】
上記LSI3は、図2に示すように、複数の内部信号出力端子8、複数のセレクト端子9、及び複数の通常出力端子10を備え、各通常出力端子10は、ソケット部1を介して、デバッグ用LSIの通常出力端子と接続されている。また、LSI3の内部には、図3に示すように、LSIの各種機能を実現する回路ブロック12以外に、デコーダ11、セレクタ13、AND回路14、及びバッファ回路15が設けられている。さらに、通常出力端子10はセレクト端子9に入力される信号パターンが特定のパターンの時にのみ通常動作(内部信号を出力)し、それ以外の信号パターンの場合には内部信号の出力が禁止されるようになっている。
【0017】
[デバッグシステムの動作]
次に、図4に示すフローチャートを参照して、上記デバッグシステムを利用したLSI3のデバッグ処理について説明する。
【0018】
この図4に示すフローチャートは、デバッグ処理実行者(以下、オペレータと表記する)が、LSI3とデバッグ専用ボード4とをソケット部1を介して接続することで開始となり、このデバッグ処理工程はステップS1の処理に移行する。
【0019】
ステップS1の処理では、オペレータが、コンピュータシステム6を介して若しくは直接、LSI3のセレクト端子9に対し通常出力端子10からの出力を許可する信号パターンを入力する。これにより、LSI3は通常動作するようになり、LSI3の通常出力端子からは内部信号が出力される。このステップS1の処理が完了すると、このデバッグ処理工程はステップS2の処理へ移行する。
【0020】
ステップS2の処理では、オペレータが、コンピュータシステム6を介して、各デバッグ用LSIのセレクト端子9に入力する例えばハイレベル/ローレベルの信号パターンを指定する。具体的には、各デバッグ用LSI毎に異なる信号パターンを指定する。例えば、あるデバッグ用LSIに[ハイレベル,ローレベル]の信号パターンを入力したならば、他の一つのデバッグ用LSIには[ローレベル,ハイレベル]の信号パターンを入力する。これにより、各デバッグ用LSIの内部信号出力端子からは異なる内部信号が出力されることになる。
【0021】
ここで、デバッグ用LSIのセレクト端子には通常出力端子10からの出力を許可する信号パターン(上記の例で言えば、例えば[ハイレベル,ハイレベル]等)は指定しないものとする。これにより、デバッグ用LSIの通常出力端子10からは内部信号が出力されないこととなるが、LSI3の通常出力端子10からは内部信号が出力され、その内部信号はデバッグ用LSIの対応する通常出力端子10に伝達されるので、各デバッグ用LSIは見かけ上通常動作することとなる。このステップS2の処理が完了すると、このデバッグ処理工程はステップS3の処理へ移行する。
【0022】
ステップS3の処理では、オペレータが、LSI3のデバッグ処理の実行開始を指示する。オペレータからデバッグ処理の実行開始が指示されると、コンピュータシステム6は、ステップS2の処理において指定された信号パターンをデバッグ用LSIのセレクト端子9に出力する。このステップS3の処理が完了すると、このデバッグ処理工程はステップS4の処理に移行する。
【0023】
ステップS4の処理では、各デバッグ用LSI内のデコーダ11が、セレクト端子9から入力された信号パターンに従って、選択出力する回路ブロック12の内部信号を指定するセレクト信号を形成する。このステップS4の処理が完了すると、このデバッグ処理工程はステップS5の処理に移行する。
【0024】
ステップS5の処理では、各デバッグ用LSI内のデコーダ11が、通常出力端子10からの出力を禁止する出力禁止信号を形成し、出力禁止信号をAND回路14に出力する。これにより、通常出力端子10からは回路ブロック12の内部信号は出力されないようになり、このデバッグ処理工程はステップS5の処理からステップS6の処理へ移行する。
【0025】
ステップS6の処理では、デバッグ用LSI内のセレクタ13が、デコーダ11が形成したセレクト信号に基づいて、回路ブロック12の内部信号を内部信号出力端子8に選択出力する。また、AND回路14が、デコーダ11からの出力禁止信号に従って通常出力端子10の出力を制御するバッファ回路15を動作させて、通常出力端子10からの内部信号出力を禁止する。このステップS6の処理が完了すると、このデバッグ処理工程はステップS7の処理に移行する。
【0026】
ステップS7の処理では、オペレータが、各デバッグ用LSIの内部信号出力端子8から出力された内部信号をコンピュータシステム6上で観測し、タイミング解析プログラム等を利用してLSI3のハードウェア、及びソフトウェアの不具合(バグ)を解析する。これにより、ステップS7の処理は完了し、このデバッグ処理工程はステップS8の処理に移行する。
【0027】
ステップS8の処理では、オペレータが、内部信号の解析結果に基づいてLSI3のハードウェア、及びソフトウェアの不具合を修正する。これにより、一連のデバッグ処理工程が完了する。
【0028】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、この実施の形態のデバッグシステムにおいては、LSI3に対してデバッグ用LSIを複数個接続し、接続した各デバッグ用LSIから内部信号を収集するので、内部信号を収集するためだけにデバッグ対象LSIの出力端子を増やす必要がなく、また、出力端子から出力する内部信号を時間で切り換える必要性がなくなる。これにより、安価、且つ、簡単な構成でLSI全体のデバッグを容易に行うことができる。
【0029】
また、この実施の形態のデバッグシステムにおいては、LSI3と同じ動作状態のデバッグ用LSIからそれぞれ異なる内部信号を同時に収集することができるので、内部信号間の相関関係を観測し、LSI全体のデバッグ処理を高精度に実行することができる。
【0030】
[その他の実施の形態]
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【0031】
例えば、上記説明においては、ステップS1〜ステップS8の処理が順に実行されるように記載したが、実際は、ステップS3〜ステップS5の処理はほぼ同時に実行されることになる。また、上記ステップS1〜ステップS8の処理の内、特に、ステップS1とステップS2の処理を順に実行すると、例えばオペレータがLSIへ信号を与えるタイミングを間違えてしまった場合には、複数のLSIから同時に信号が出力され、LSIが破壊してしまうようなトラブルが生じ得る。従って、このようなトラブルの発生を防ぐために、ステップS1とステップS2の処理は同時に実行することが望ましい。
【0032】
また、上記の実施の形態においては、デバッグ専用ボード4とコンピュータシステム6とを接続してデバッグ処理を行うようにしたが、コンピュータシステム6の代わりに、例えばロジックアナライザ等の汎用の測定機器をデバッグ専用ボード4に接続してデバッグ処理を行うようにしてもよい。
【0033】
また、上記の実施の形態においては、複数のセレクト端子を介してセレクト信号を入力することにより、動作状態を同じとした複数の半導体集積回路からそれぞれ異なる内部信号を出力させるようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、より少数のセレクト端子を用いたセレクト情報のシリアル入力等、複数の半導体集積回路毎に異なる内部信号を出力するように制御可能であればよい。
【0034】
なお、上記のデバッグシステムの動作は、プログラム化しコンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存してもよい。そして、デバッグ処理を実行する際は、この記録媒体をコンピュータシステムに読み込ませ、コンピュータシステム内のメモリ等の記憶部にプログラムを格納し、デバッグプログラムを演算装置で実行することにより、本発明のデバッグ処理を実現することができる。
【0035】
なお、ここでいうコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等のプログラムを記録することができるようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体等が含まれる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、安価、且つ、簡単な構成で半導体集積回路全体のデバッグを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態となるデバッグシステムの全体構成を示す模式図である。
【図2】図1に示すデバッグシステム内のLSIの概観を示す模式図である。
【図3】図2に示すLSIの内部構成を示す模式図である。
【図4】図1に示すデバッグシステムの動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…ソケット部、2…基板、3…LSI、4…デバッグ専用ボード、5…回路ブロック、6…コンピュータシステム、7…電気配線、8…内部信号出力端子、9…セレクト端子、10…通常出力端子、11…デコーダ、12…回路ブロック、13…セレクタ、14…AND回路、15…バッファ回路

Claims (7)

  1. デバッグ用半導体集積回路を複数有するデバッグ用基板と、デバッグの対象となる半導体集積回路の動作を解析する解析手段とを備えるデバッグシステムであって、
    上記デバッグ用半導体集積回路は、上記半導体集積回路と同一構成であり、上記解析手段から入力される信号パターンに従って内部信号を選択的に出力する内部信号出力端子と、上記解析手段から所定の信号パターンが入力された時にのみ内部信号を出力する出力端子とを備え、
    上記解析手段は、上記デバッグ用半導体集積回路を同じ動作状態にして各デバッグ用半導体集積回路から異なる内部信号を収集し、収集した内部信号に基づいて、上記半導体集積回路の動作を解析する
    ことを特徴とするデバッグシステム。
  2. 請求項1に記載のデバッグシステムであって、
    上記半導体集積回路の出力端子は、上記デバッグ用半導体集積回路出力端子と接続され、上記複数のデバッグ用半導体集積回路の少なくとも一つに上記所定の信号パターンを入力する
    ことを特徴とするデバッグシステム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のデバッグシステムであって、
    上記デバッグ用半導体集積回路は、
    収集する内部信号を指定する信号パターンを入力する複数のセレクト端子と、
    上記セレクト端子に入力された信号パターンに従って内部信号を選択出力する複数の内部信号出力端子と、
    上記複数のセレクト端子に所定の信号パターンが入力された時にのみ内部信号を出力する複数の出力端子とを有する
    ことを特徴とするデバッグシステム
  4. 請求項3に記載のデバッグシステムであって、
    上記デバッグ用半導体集積回路は、
    上記複数のセレクト端子に入力された信号パターンをデコードして、上記内部信号出力端子から出力する内部信号を指定するセレクト信号を形成するデコード部と、
    上記セレクト信号に従って上記内部信号出力端子に出力する内部信号を選択するセレクタ部とを有する
    ことを特徴とするデバッグシステム
  5. デバッグの対象となる半導体集積回路と同一構成である複数のデバッグ用半導体集積回路のそれぞれに対して収集する内部信号を指定する信号パターンを入力し、
    上記複数のデバッグ用半導体集積回路を同じ動作状態にして上記各デバッグ用半導体集積回路の所定の出力端子から上記信号パターンに応じた内部信号を収集し、
    収集した内部信号に基づいて上記半導体集積回路の動作を解析し、
    上記複数のデバッグ用半導体集積回路の少なくとも一つについて、上記所定の出力端子以外の出力端子からの内部信号出力を禁止する信号パターンを入力する
    ことを特徴とする半導体集積回路のデバッグ方法。
  6. デバッグの対象となる半導体集積回路と同一構成である複数のデバッグ用半導体集積回路のそれぞれに対して収集する内部信号を指定する信号パターンを入力するステップと、
    上記複数のデバッグ用半導体集積回路を同じ動作状態にして上記各デバッグ用半導体集積回路の所定の出力端子から上記信号パターンに応じた内部信号を収集するステップと、
    収集した内部信号に基づいて上記半導体集積回路の動作を解析するステップと、
    上記複数のデバッグ用半導体集積回路の少なくとも一つについて、上記所定の出力端子以外の出力端子からの内部信号出力を禁止する信号パターンを入力するステップと
    をコンピュータに実行させることを特徴とする半導体集積回路のデバッグプログラム。
  7. デバッグの対象となる半導体集積回路と同一構成である複数のデバッグ用半導体集積回路のそれぞれに対して収集する内部信号を指定する信号パターンを入力するステップと、
    上記複数のデバッグ用半導体集積回路を同じ動作状態にして上記各デバッグ用半導体集積回路の所定の出力端子から上記信号パターンに応じた内部信号を収集するステップと、
    収集した内部信号に基づいて上記半導体集積回路の動作を解析するステップと、
    上記複数のデバッグ用半導体集積回路の少なくとも一つについて、上記所定の出力端子以外の出力端子からの内部信号出力を禁止する信号パターンを入力するステップと
    をコンピュータに実行させることを特徴とする半導体集積回路のデバッグプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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