JP3706655B2 - リンク装置及び人工ハンド - Google Patents

リンク装置及び人工ハンド Download PDF

Info

Publication number
JP3706655B2
JP3706655B2 JP09671795A JP9671795A JP3706655B2 JP 3706655 B2 JP3706655 B2 JP 3706655B2 JP 09671795 A JP09671795 A JP 09671795A JP 9671795 A JP9671795 A JP 9671795A JP 3706655 B2 JP3706655 B2 JP 3706655B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid pressure
link
finger
actuator
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09671795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08126984A (ja
Inventor
正雄 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP09671795A priority Critical patent/JP3706655B2/ja
Publication of JPH08126984A publication Critical patent/JPH08126984A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3706655B2 publication Critical patent/JP3706655B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、相対運動を可能として順次連結される複数のリンクと、それらのリンクに付設されるアクチュエータとを備えるリンク装置、ならびに該リンク装置を備える人工ハンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる装置は、たとえば特開昭54−157967号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、アクチュエータとしての流体圧シリンダが、各リンクから外側方に突出したブラケット間を連結するようにして設けられており、コンパクトに構成されているとは言い難い。
【0004】
発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、リンク装置及び人工ハンドにおいて、コンパクトに構成することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、相対運動を可能として順次連結される複数のリンクと、それらのリンクに付設される流体圧アクチュエータとを備えるリンク装置において、各リンクは、相互に隣接するリンクの基端部および先端部間に連結軸を介在させて相互に連結され、相互に隣接するリンク間には、前記各連結軸まわりの相対運動を各リンクに生じさせる流体圧アクチュエータが設けられ、各流体圧アクチュエータの流体圧室に流体圧を導く流体圧導管のうち少なくとも2つの相互に隣接するリンク間に跨がって設けられる流体圧導管には、相互に隣接するリンク相互を連結する連結軸を囲繞して、その隣接するリンク相互に前記相対運動が生じたときにその動きを押し戻す方向に弾発力を発揮し得る捩りコイルばねとして働くコイル部が形成され、前記流体圧アクチュエータの少なくとも一部が、対応するリンク内に収納、配置されることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、流体圧導管は、少なくとも3つの相互に隣接するリンク間に跨がって設けられ、該流体圧導管には、各リンク相互を連結する少なくとも2つの連結軸をそれぞれ囲繞するコイル部が形成されるとともに、各コイル部間で屈曲した屈曲部が形成される
【0007】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、流体圧アクチュエータの流体圧室には、該流体圧室からのエア抜き後に先端部が機械的な変形により閉じられるエア抜き管が、流体圧導管とは別に連結される
【0008】
請求項4記載の発明に従う人工ハンドによれば、上記請求項1〜3のいずれかに記載のリンク装置で、基部に連結される複数の指がそれぞれ構成される。
【0009】
請求項5記載の発明によれば、上記請求項記載の発明の構成に加えて、指の一部を構成するリンクを屈曲させる駆動力を発揮可能な第1の流体圧アクチュエータと、第1の流体圧アクチュエータの駆動力に対抗する弾発力を発揮する第1の弾発手段と、指の一部を構成して前記リンクに連結されるリンクを屈曲させる駆動力を発揮可能として第1の流体圧アクチュエータと共通の流体圧源に接続される第2の流体圧アクチュエータと、第2の流体圧アクチュエータの駆動力に対抗する弾発力を発揮する第2の弾発手段とを備え、第1の流体圧アクチュエータの駆動力および第1の弾発手段の弾発力の差と、第2の流体圧アクチュエータの駆動力および第2の弾発手段の弾発力の差とが、相互に異なって設定される。
【0010】
求項6記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、基部には、第1指の基端部が軸を介して回動可能に連結され、該軸の軸線は、基部に連結される第2ないし第5指の延伸方向と略平行な方向から第2ないし第5指側に傾斜して配置される。
【0011】
求項7記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、基部に連結される第1ないし第5指のうち少なくとも1本の指に設けられて、当該指を曲げる方向の力を発揮する流体圧アクチュエータが、前記当該指に作用する外力による逆動を不能とした流体圧源に接続される。
【0012】
請求項8記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、基部に連結される第1ないし第5指のうち第2指および第5指の基端部の少なくとも一方が、それらの指の先端部間の間隔を増減可能として基部に連結され、第2指および第5指間には前記間隔を増減可能なアクチュエータが設けられ、第2指および基部間には前記アクチュエータの間隔増大方向の力に対抗するばね力を発揮するばねが設けられ、第5指および基部間には前記アクチュエータの間隔増大方向の力に対抗するとともに前記ばねのばね力とは異なるばね力を発揮するばねが設けられる。
【0013】
請求項9記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、基部に連結さ れる第1ないし第5指のうち少なくとも第5指の基端側の中手リンクが、該指を握ったり、開いたりする方向の揺動を可能として基部に連結され、前記中手リンクに連結される基節リンクおよび基部間には、流体圧の作用に応じて基節リンクを握る方向の力を発揮する流体圧アクチュエータが設けられ、前記中手リンクおよび基部間には、中手リンクを開く側に付勢するばねが設けられる。
【0014】
請求項10記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、各指の最先端位置に在る末節リンクと、最先端から2番目のリンクとは、連結軸を介して連結され、両リンク間には、流体圧の作用に応じて末節リンクを握る方向の力を発揮する流体圧アクチュエータが設けられ、各末節リンクの先端面は、その先端面に直角に作用する外力が前記連結軸のまわりに末節リンクを開く側に作用する方向となる形状に形成される。
【0015】
【実施例】
以下、図面により本発明をロボットハンドに適用したときの実施例について説明するが、人間の手を模しているこの構造の説明にあたって各部の名称を次のように定義する。
(1)親指を第1指と名付け、以下順に小指まで第5指とする。
(2)骨に相当するリンクの名称も解剖学に準拠して、手の甲に一部が収納されるリンクを中手リンクと呼び、親指のものを第1中手リンクとする。したがって小指のものは第5中手リンクと呼ぶ。
(3)中手リンクに連結されるリンクを、それぞれ第1基節リンク、第2基節リンク……第5基節リンクと呼称する。
(4)各基節リンクに連結されるリンクを、それぞれ第2中節リンク、第3中節リンク……第5中節リンクと呼ぶ。但し第1指については、中節リンクは存在しない。
(5)最先端のリンクを、それぞれ第1末節リンク、第2末節リンク……第5末節リンクと呼ぶ。
(6)自由度とは、制御的に完全に独立して動作を決定できる関節を意味し、この明細書において共通の流体圧を用いて駆動される複数のアクチュエータは、自由度が「1」であるとする。すなわちアクチュエータの個数が自由度を意味するものではない。
【0016】
図1ないし図14は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はロボットハンドの右手を甲側から見た平面図、図2は基部の平面図、図3は図1の3−3線矢視図、図4は第1指の進展状態を示す平面図、図5は図1の5−5線断面図、図6は第2指屈曲時の図5に対応する断面図、図7は図1の7−7線断面図、図8は図7の8−8線断面図、図9は第2指および第5指を開いた状態での図1に対応する平面図、図10は流体圧回路図、図11は第1の種類の流体圧源の構成を示す断面図、図12は第2の種類の流体圧源の構成を示す断面図、図13は図4の要部拡大図、図14は図13の14−14線断面図である。
【0017】
先ず図1において、このロボットハンドは、基部Bに、第1ないし第5指F1 ,F2 ,F3 ,F4 ,F5 が連結されて成るものであり、第1ないし第5指F1 〜F5 がリンク装置をそれぞれ構成する。
【0018】
図2および図3を併せて参照して、基部Bには、第1指F1 を軸20のまわりに回動自在に結合するための第1のヨーク21と、第2指F2 を回動自在に結合するための支軸22を有する第2のヨーク23とが設けられるとともに、それらのヨーク21,23とは反対側で、第5指F5 を軸24(図7参照)のまわりに回動自在に結合するための第3のヨーク25とが設けられている。また第3および第4指F3 ,F4 の中手リンクすなわち第3および第4中手リンク283 ,284 は基部Bに一体化されるものであり、これらの中手リンク283 ,284 には、第4および第5のヨーク26,27が設けられる。
【0019】
第1指F1 は、手を握ったり開いたりする方向への回動を可能として第1のヨーク21に軸20を介して基端部が連結される第1中手リンク281 と、第1中手リンク281 の先端部に連結軸321 を介して基端部が回動自在に連結される第1基節リンク291 と、第1基節リンク291 の先端部に連結軸341 を介して基端部が回動自在に連結される第1末節リンク311 とを備える。
【0020】
これらのリンク281 ,291 ,311 を軸20および連結軸321 ,341 のまわりに回動させるために、単動式である流体圧シリンダ形式の流体圧アクチュエータ35,361 ,381 が準備されており、流体圧アクチュエータ35は、軸20の軸線に対して直角に延びる軸線を有して基部Bおよび第1中手リンク281 間に、流体圧アクチュエータ361 は連結軸321 の軸線に対して直角に延びる軸線を有して第1中手リンク281 および第1基節リンク291 間に、また流体圧アクチュエータ381 は連結軸341 の軸線に対して直角に延びる軸線を有して第1基節リンク291 および第1末節リンク311 間にそれぞれ設けられる。ここで流体圧アクチュエータ35が伸展すると、第1中手リンク281 は軸20のまわりに回動し、第1指F1 を図3の下側すなわち掌側に屈曲させる。また流体圧アクチュエータ361 が伸展すると、第1中手リンク281 に対して第1基節リンク291 は図1の時計方向に回動する。ところで、図1では第1基節リンク291 が第2指F2 とほぼ平行な位置まで回動した状態が示されており、流体圧アクチュエータ361 の未伸展時には、図4で示すように、第1基節リンク291 は図1の位置から連結軸321 のまわりに反時計方向に約45度だけ回動した位置に在る。さらに流体圧アクチュエータ381 が伸展すると、第1末節リンク311 は第1基節リンク291 に対して図1の時計方向に回動する。回動した各リンク281 ,291 ,311 を元の状態に戻すには、各流体圧アクチュエータ35,361 ,381 を退縮させれば良いのであるが、各流体圧アクチュエータ35,361 ,381 には自ら退縮する能力はなく、ばねによる機械的な復元力で戻される。而して、そのばね構造については後述する。
【0021】
ところで、第1指F1 を握ったり、開いたりする方向に回動する回動軸線である軸20の軸線は、第3および第4中手リンク283 ,284 の中心線に対して内側に角度を持たせるように配置される。すなわち図2で示すように、基部Bに設けられた第1のヨーク21で支承される軸20の軸線Cは、第2ないし第5指F2 〜F5 の延伸方向と略平行な方向から第2ないし第5指F2 〜F5 側に傾斜して配置される。このようにすることにより、流体圧アクチュエータ35の伸展時に第1指F1 がわずかな回動量で他の指と向き合う位置まで回動することが可能である。これに対し、前記軸20の軸線を第3および第4中手リンク283 ,284 の軸線と平行に設定したときには、他の指と向き合うまでの第1指F1 の回動量が大となるものであり、そのようなものと比べると、流体圧アクチュエータ35の所要ストロークを小さくし、該流体圧アクチュエータ35の小型化を図ることができる。
【0022】
図5を併せて参照して、第2指F2 は、基部Bにおける第2のヨーク23に設けられた支軸22に微小角度の回動を可能として結合される第2中手リンク282 と、第2中手リンク282 の先端部に連結軸322 を介して基端部が回動自在に連結される第2基節リンク292 と、第2基節リンク292 の先端部に連結軸332 を介して基端部が回動自在に連結される第2中節リンク302 と、第2中節リンク302 の先端部に連結軸342 を介して基端部が回動自在に連結される第2末節リンク312 とを備える。
【0023】
基部Bの支軸22には、基部Bと一体の第3中手リンク283 に対する近接・離反方向への微小回動を可能として第2中手リンク282 の中間部が結合されており、この第2中手リンク282 の基部にはヨーク39が一体に設けられる。該ヨーク39には、流体圧アクチュエータ362 におけるシリンダ体36aが軸40を介して回動可能に連結される。また第2基節リンク292 の基部にはヨーク41が一体に設けられ、このヨーク41には、前記流体圧アクチュエータ362 におけるプランジャ36bならびに流体圧アクチュエータ372 におけるシリンダ体37aが共通の軸42を介して回動可能に連結される。さらに第2中節リンク302 の基部にはヨーク43が一体に設けられ、このヨーク43には、前記流体圧アクチュエータ372 におけるプランジャ37bならびに流体圧アクチュエータ382 におけるシリンダ体38aが共通の軸44を介して回動可能に連結される。しかも第2末節リンク312 の基部にはヨーク45が一体に設けられており、このヨーク45には、前記流体圧アクチュエータ382 におけるプランジャ38bが軸46を介して回動可能に連結される。
【0024】
上述のように、隣り合うアクチュエータ362 ,372 ;372 ,382 の支点を共通の軸42,44上に置くことにより、全体をコンパクトに設計できる利点がある。
【0025】
この第2指F2 の構造では、流体圧アクチュエータ362 が伸展すると、図6で示すように、第2基節リンク292 が第2中手リンク282 に対して、連結軸322 のまわりに下方(すなわち掌側)に回動する。また流体圧アクチュエータ372 が伸展すると、第2中節リンク302 は第2基節リンク292 に対して連結軸332 のまわりに掌側に回動する。さらに流体圧アクチュエータ382 が伸展すると、第2末節リンク312 は第2中節リンク302 に対して連結軸342 のまわりに掌側に回動する。
【0026】
このような第2指F2 の場合も一度握った指を開くには、流体圧アクチュエータ362 ,372 ,382 を縮退させれば良いのであるが、第1指F1 と同じく、これらの流体圧アクチュエータ362 ,372 ,382 には自ら縮退する機能は与えられておらず、ばねの機械力によって指は開き、結果として各流体圧アクチュエータ362 ,372 ,382 は縮退する。
【0027】
ところで、第2末節リンク312 の先端面は、その先端面に直角に作用する外力が、第2中節リンク302 および第2末節リンク312 間を連結する連結軸342 のまわりに第2末節リンク312 を開く側に作用する方向となる形状に形成される。すなわち、図5で示すように、第2末節リンク312 の先端面は、上方の平坦面31aと、下方の彎曲面31bとが連なって形成されるものであり、平坦面31aに直角に作用する外力F1 の方向、ならびに彎曲面31bに直角に作用する外力F2 の方向が、連結軸342 の上方に向くように平坦面31aおよび彎曲面31bが形成される。而して上記外力F1 ,F2 の方向は、第2末節リンク312 を握る方向の力を発揮する流体圧アクチュエータ382 の出力に対抗する方向となるものであり、第2指F2 をその先端でドアやボタンを押すのに使うときに、第2末節リンク312 および第2中節リンク302 間の関節が座屈する心配がなくなる。すなわち流体圧アクチュエータ382 が、本実施例のように単動シリンダである場合には、上記外力F1 ,F2 の方向が第2末節リンク312 を曲げる方向となったときには流体圧アクチュエータ382 で負圧が発生してエアが発生するおそれがあり、また複動シリンダを用いた場合には上記外力F1 ,F2 の作用に応じて流体圧で踏ん張る必要があるのに対し、上述のように外力F1 ,F2 の方向が第2末節リンク312 を開く方向となる形状に第2末節リンク312 の先端面を形成することにより、第2末節リンク312 の開き側への回動を第2中節リンク302 側のストッパ(図示せず)で受けるようにして、そのような心配を解消することができる。
【0028】
而して第1末節リンク311 および第3ないし第5末節リンク313 〜315 の先端面も、上記第2末節リンク312 と同様に形成されている。
【0029】
第1指F1 の各リンク281 ,291 ,311 ならびに第2指F2 の各リンク282 ,292 ,302 ,312 は、甲側を開放した横断面略U字状に形成されるものであり、各流体圧アクチュエータ361 ,362 ,372 ,381 ,382 は、それらの少なくとも一部が各中手リンク281 ,282 、各基節リンク291 ,292 および第2中節リンク302 内にそれぞれ収納されるように配置される。また第2指F2 における各リンク282 ,292 ,302 ,312 を相互に連結する連結軸322 ,332 ,342 ならびに各流体圧アクチュエータ362 ,372 ,382 を対応するリンク282 〜312 に連結する軸40,42,44,46は、ピンが対応するリンク282 〜312 にその側方から挿入され、かしめ等で固定されて成るものであり、第1指F1 においても連結軸321 ,341 等が同様に側方からの挿入、かしめ等で固定される。そのようにすることにより、各リンク281 ,291 ,301 ,282 〜312 の連結、ならびに各流体圧アクチュエータ361 ,381 ,362 〜382 の組付けが容易となる。しかも特別な工具およびファスナを用いないことから、部品点数を減らして信頼性を向上するとともに重量低減に寄与することができ、工具を取り回すためのスペースも不要となる。さらに横断面略U字状の各リンク281 ,291 ,311 ,282 〜312 は、アルミニウム合金の精密鋳造や、プレスおよびろう付けの組合せ製法でも容易に製作可能であり、前記ピンとして高精度の軸受用ローラを転用可能である等、製法および部品とも成熟した工業技術を用いることができ、製造コストの低減に寄与することができる。
【0030】
ところで、甲側を開放した形状に在る第2指F2 の各リンク282 〜322 は、図5および図6で示すように、それぞれカバー47,48,49,50で覆われ、第1指F1 の各リンク281 ,291 ,311 も同様にして図示しないカバーで覆われる。
【0031】
第3指F3 および第4指F4 は、第3中手リンク283 および第4中手リンク284 が基部Bに一体に設けられていること、すなわち第3および第4中手リンク283 ,284 が基部Bに対して相対運動しないことを除いては、上記第2指F2 と基本的に同一の構成を有するものであるので、主要構成部分に添字「3」,「4」を付して図示するのみとし、第3指F3 および第4指F4 についての詳細な説明を省略する。
【0032】
図7を併せて参照して、第5指F5 は、揺動リンク52を介して基部Bに連結される第5中手リンク285 と、第5中手リンク285 の先端部に連結軸325 を介して基端部が回動自在に連結される第5基節リンク295 と、第5基節リンク295 の先端部に連結軸335 を介して基端部が回動自在に連結される第5中節リンク305 と、第5中節リンク305 の先端部に連結軸345 を介して基端部が回動自在に連結される第5末節リンク315 とを備える。
【0033】
図8を併せて参照して、揺動リンク52は、第5指F5 を握ったり、開いたりする方向に回動させることを可能として、基部Bに設けられている第3のヨーク25に軸24を介して連結されており、この揺動リンク52に、第5中手リンク285 が支軸53を介して連結される。而して、第5中手リンク285 は、基部Bと一体の第4中手リンク284 に対して近接・離反する方向に前記支軸53のまわりにわずかに回動することを可能として揺動リンク52に連結されることになる。しかも揺動リンク52および第5中手リンク285 は、基部Bの掌側に固定された板ばね54により、手の甲側に向けて付勢されている。一方、基部Bの第4中手リンク284 には、揺動リンク52側に突出するストッパ55が一体に設けられており、揺動リンク52には該ストッパ55を挿入させる規制孔56が設けられる。したがって、規制孔56の内側面にストッパ55が当接することにより、図7で示した位置よりも揺動リンク52および第5中手リンク285 が上方に回動するのを阻止されており、規制孔56の内側面およびストッパ55間の間隔δだけ、揺動リンク52が軸24の軸線まわりに揺動可能となっている。しかも該ストッパ55および規制孔56の構造により、板ばね54に初期荷重が与えられる。
【0034】
このような第5指F5 において、流体圧アクチュエータ365 は、第5中手リンク285 内において基部Bと第5基節リンク295 との間に介在しており、その駆動により最初は第5基節リンク295 を握る方向に屈折せしめるが、第5基節リンク295 に負荷が生じたときには、揺動リンク52を握る方向に屈折せしめるものである。この構造によれば、同一のアクチュエータで2つの関節が駆動されるので、いずれか負荷の大きい方の関節は伸ばされ、負荷の小さい方の関節は屈折する。この特質は物を握った場合には、握る力を均等にする効果が生じることになり、重量低減、システム簡略化の効果があり、全体を小型に構成できる。
【0035】
このように掌の一部となる第5中手リンク285 の基端部が揺動可能となっていることと、第1指F1 の回動軸線Cが内側に傾いていることとにより、掌の先端部を窄める動きが可能となり、それにより掌の先端部を対象物体に適合した形状、大きさに変化させ、小さなボール等を確実に掴むことが可能となるとともに、狭い穴等に手を通させることが容易となる。
【0036】
第5基節リンク295 と基部Bとの間に設けられる流体圧アクチュエータ365 は、ユニバーサルジョイント57を介して基部Bに連結されるとともにユニバーサルジョイント58を介して第5基節リンク295 に連結される。
【0037】
また第5基節リンク295 および第5中節リンク305 間には流体圧アクチュエータ375 、第5中節リンク305 および第5末節リンク315 間には流体圧アクチュエータ385 がそれぞれ設けられる。
【0038】
ところで、第5指F5 の各リンク285 ,295 ,305 ,315 は、甲側を開放した横断面略U字状に形成されるものであり、各流体圧アクチュエータ365 ,375 ,385 は、それらの少なくとも一部が第5中手リンク285 、第5基節リンク295 および第5中節リンク305 内にそれぞれ収納されるように配置される。また甲側を開放した形状に在る各リンク285 〜325 は、図示しないカバーでそれぞれ覆われる。
【0039】
第2指F2 の第2中手リンク282 と第5指F5 の第5中手リンク285 との間には、基部Bにおける第3および第4中手リンク283 ,284 を貫通するようにして流体圧アクチュエータ60が設けられる。この流体圧アクチュエータ60は、シリンダ体60aにその一端から突出するようにしてプランジャ60bが摺動自在に嵌合されて成るものであるが、プランジャ60bの先端が第2中手リンク282 に連結ピン61を介して連結される。一方、シリンダ体60aの他端部は、第4中手リンク284 の第5中手リンク285 側の側壁に設けられた貫通孔62に遊嵌されて第5中手リンク285 側に突出するものであり、このシリンダ体60aの他端部に設けられた半円状の当接部60cが第5中手リンク285 に当接せしめられる。
【0040】
しかも支軸22に関して前記流体圧アクチュエータ60の配設位置とは反対側で第2中手リンク282 および基部B間にはばね63が縮設され、支軸22に関して前記流体圧アクチュエータ60の配設位置とは反対側で第5中手リンク285 と、基部Bに軸24を介して連結される揺動リンク52との間にはばね64が縮設され、ばね64のばね荷重は前記ばね63のばね荷重よりも大きく設定される。
【0041】
このような構成で、流体圧アクチュエータ60を伸展すると、図8で示すように、第2指F2 および第5指F5 は手を広げる方向に外展する。この際、指に負荷がかからない状態では、ばね63のばね荷重がばね64のばね荷重よりも小さいことから、外展は先ず第2指F2 の方から生じ、第2指F2 に負荷がかかったときに、第5指F5 が外展を開始する。第2指F2 への負荷は、実際に物に接触して負荷が生ずることもあるし、第2指F2 が最大回動量だけ回動したときにも生じる。この構成の特徴は、第2指F2 を外展方向に位置決めする場合、第5指F5 は図1の位置に保持されて、外展しないから、手を必要以上に大きくすることがない点である。手が必要以上に大きくならないことは、狭い場所での作業を行う上で大切な要件である。更に特筆すべきは、単一の流体圧アクチュエータ60で第2および第5指F2 ,F5 を駆動するコンパクトな構成としたことである。
【0042】
なお、第3指F3 の第3中手リンク283 における第2中手リンク282 側の側面には第2中手リンク282 が第3中手リンク283 に近接移動したときに第3中手リンク283 を受ける弾性材料製の受け部材65が固着され、第4指F4 の第4中手リンク284 における第5中手リンク285 側の側面には第5中手リンク285 が第4中手リンク284 に近接移動したときに第5中手リンク285 を受ける弾性材料製の受け部材66が固着される。
【0043】
図10において、第1指F1 全体を駆動するための流体圧アクチュエータ35には第1流体圧源671 が接続され、第1指F1 の流体圧アクチュエータ361 ,381 には第2流体圧源672 が共通に接続され、第2指F2 の流体圧アクチュエータ362 には第3流体圧源673 が接続され、第2指F2 の流体圧アクチュエータ372 ,382 には第4流体圧源674 が共通に接続され、第2および第5指F2 ,F5 を開閉駆動するための流体圧アクチュエータ60には第5流体圧源675 が接続され、第3、第4および第5指F3 ,F4 ,F5 の各流体圧アクチュエータ363 〜365 ,373 〜375 ,383 〜385 には第6流体圧源676 が共通に接続される。而して各流体圧源671 〜676 は、手首関節を経由して前腕部または上腕部に収納される。
【0044】
このように第1指F1 (親指)および第2指(人指し指)の自由度と、それ以外の指の自由度について配分を変えることにより、器用な動作が要求される指(親指および人指し指)には多くの自由度を配分することができ、それによって狭いハンド内部に実用的な自由度を確保することができる。
【0045】
ところで、第1ないし第4流体圧源671 〜674 は第1グループG1 に属して第1の種類のもので構成されるのに対し、第5および第6流体圧源675 ,676 は第2グループG2 に属して第1の種類とは異なる第2の種類のもので構成される。
【0046】
図11において、第1の種類の流体圧源671 〜674 は、モータMの出力軸68にスプライン69を介して結合されるとともに軸方向の移動を阻止されたナット70と、軸線まわりの回転を阻止されるとともにナット70にボールねじ71を介して螺合されたスクリュウ軸72と、該スクリュウ軸72に連結されるピストン73と、該ピストン73を摺動自在に嵌合させるとともにピストン73との間に流体圧室75を形成するシリンダ体74とを備え、モータMの作動に応じて流体圧室75から流体圧が出力される。而して第1グループG1 に属する各流体圧源671 〜674 は、ボールねじ71を用いているので摩擦損失が少なく、制御性に優れたものとなる。
【0047】
図12において、第2の種類の流体圧源675 ,676 は、減速機Gを有するモータMに連なるスクリュウ軸76と、軸線まわりの回転を阻止されてスクリュウ軸76に螺合されるナット77と、該ナット77に連結されるピストン78と、該ピストン78を摺動自在に嵌合させるとともにピストン78との間に流体圧室80を形成するシリンダ体79とを備え、モータMの作動に応じて流体圧室80から流体圧が出力される。而して第2グループG2 に属する各流体圧源675 ,676 は、摩擦損失が第1グループG1 のものよりも多少多くなるが、流体圧室80側からの反力によりモータMが逆転されることはない。 このようにして、第3指F3 ないし第5指F5 すなわち力仕事をする指は、流体圧源671 〜674 からの作用では動くが、一旦荷物を保持する形をハンドが実現すれば、荷物を運搬中にハンド部分がエネルギーを消耗することはない。これにより、移動ロボットや将来の義手の実現で、電池などのエネルギー源を小型化できる。
【0048】
各流体圧源671 〜676 におけるモータMおよびシリンダ体74,79の寸法は、基本的にどの程度の速度と力で幾つの流体圧アクチュエータを駆動するかで定まるものであり、したがって各流体圧源671 〜676 の寸法は同一とは限らない。
【0049】
再び図5および図6に注目して、第2指F2 における第2中手リンク282 および第2基節リンク292 間に設けられる流体圧アクチュエータ362 に第3流体圧源674 からの流体圧を導く流体圧導管82は、高剛性である金属により全体として弾性を有するように形成されるものであり、流体圧アクチュエータ362 の流体圧室36cに通じるようにしてシリンダ体36aに半田付けまたはろう付けされる。この流体圧導管82は極めて細く、かつ薄肉ではあるが内径が小径であるために良く高圧にも耐えられる。たとえば内径が0.8mmφで肉厚が0.1mmの場合を想定するに、この流体圧導管82に60kg/cm2 の高圧作動流体が流れても流体圧導管82にかかる応力は高々2.4kg/mm2 に過ぎない。また流体圧導管82の長さは相対運動により受ける変形応力の最大値が当該構成材料の疲労限界値を超えないように設定されている。
【0050】
またシリンダ体36aには、エア抜き管83が流体圧室36cに通じるようにして前記流体圧導管82とは別に半田付けまたはろう付け結合され、該エア抜き管83の先端部は、流体圧室36cに充満させた作動流体中に混在するエアを抜いた後、機械的に潰されて閉じられる。このエア抜き管83としては、機械的な潰し力に対し、良好な密着性をもたらす銅合金製であることが望ましい。この場合もエア抜き管83の内径が小径であるため、一度潰したシール部分を作動流体の圧力が開こうとしても、有効断面積が足りず、銅合金の変形を元に戻すだけの力は発生しない。エア抜き作業は最終組立時に一度だけ行うものであるが、市場に出荷されたあと、分解修理を行った段階でも必要となる。分解修理時に空気抜きを行う場合には、潰れた部分を再び元に戻すか、または先端部を切り捨ててエア抜き管83を開口し、エア抜き終了後にでも再度潰すことが可能である。
【0051】
図13および図14を併せて参照して、第2指F2 の第2基節リンク292 および第2中節リンク302 間に設けられる流体圧アクチュエータ372 に、第4流体圧源674 からの流体圧を導く流体圧導管84は、第2中手リンク282 および第2基節リンク292 に跨がって延設され、流体圧アクチュエータ372 の流体圧室37cに通じるようにしてシリンダ体37aに半田付けまたはろう付け結合される。しかも該流体圧導管84には、第2中手リンク282 および第2基節リンク302 を連結する連結軸322 を囲繞するコイル部84aが形成され、該コイル部84aの一側で、流体圧導管84が第2中手リンク282 に固定される。すなわち、第2中手リンク282 側では、第2中手リンク282 の一部がパンチングで半分打ち抜かれて係止爪85が形成され、この係止爪85に流体圧導管84が係止、固定される。このようにすると、組み立て時に流体圧導管84を係止爪85の下側に通した後、係止爪85を曲げて流体圧導管84を固定することができ、第2中手リンク282 にカバー47を固定する前に、流体圧導管84を固定することができ、取扱性が向上する。一方、第2基節リンク292 側では、連結軸322 を介して第2基節リンク292 に連結されたシリンダ体37aに流体圧導管84が固定されることになる。
【0052】
また流体圧導管84を固定する係止爪85をカバー47側に設けてもよく、その場合、係止爪85の部分で第2中手リンク282 を部分的に切欠いておくと、流体圧導管84を係止爪に係止させたことを外部から確認でき、品質保証を確実にすることができる。
【0053】
このような構成によると、流体圧導管84のコイル部84aは、第2基節リンク292 が連結軸322 のまわりに回動したときに、その動きを押し戻す捩りコイルばねとして働くことになる。このコイル部84aは、第2基節リンク292 が連結軸322 のまわりに最大角度回動したときに、流体圧導管84に生じる応力の最大値が、流体圧導管84の許容応力値を越えないように、また機械的ばね力が所望の大きさとなるように、そのコイルピッチ径や巻数が設計される。なおコイル部84aによるばね力が不足するときには、通常のコイルばねを補助的に用いるようにしてもよい。
【0054】
流体圧アクチュエータ372 にもエア抜きのためのパイプは必要であるが、この流体圧アクチュエータ372 と、第2中節リンク302 および第2末節リンク312 間に設けられる流体圧アクチュエータ382 とは、図10で示したように、第4流体圧源674 に共通に接続されるので、エア抜きパイプの代わりに、流体圧アクチュエータ382 に流体圧を導く流体圧導管86の一端が流体圧アクチュエータ372 の流体圧室37cに接続される。このようにすると、両流体圧アクチュエータ372 ,382 に共通の第4流体圧源674 から作動流体を導くのに分岐管が不要となる。
【0055】
流体圧導管86も、上述の流体圧導管84と同一の材料により構成されるものであり、その一端は、流体圧アクチュエータ372 の流体圧室37cに通じるように該流体圧アクチュエータ372 のシリンダ体37aに半田付けまたはろう付け結合され、また他端は、流体圧アクチュエータ382 の流体圧室38cに通じるように該流体圧アクチュエータ382 のシリンダ体38aに半田付けまたはろう付け結合される。この流体圧導管86も第2基節リンク292 および第2中節リンク302 に跨がって延設されるものであり、第2基節リンク292 および第2中節リンク302 を連結する連結軸332 を囲繞する弾発手段としてのコイル部86aが流体圧導管86に形成される。また該流体圧導管86は、第2基節リンク292 側では第2基節リンク292 に設けられた係止爪87に係止、固定され、第2中節リンク302 側では流体圧アクチュエータ372 に固定されることになる。 このような構成により、流体圧導管86のコイル部86aは、第2中節リンク302 が連結軸332 のまわりに回動したときに、その動きを押し戻す捩りコイルばねとして働くことになる。
【0056】
さらに流体圧アクチュエータ372 のシリンダ体37aには、その流体圧室37cに通じるエア抜き管88が半田付けまたはろう付けで結合され、このエア抜き管88の先端部は、流体圧室37cのエア抜き終了後に潰される。
【0057】
第2中節リンク302 および第2末節リンク312 間には、それらのリンク302 ,312 を連結する連結軸342 を囲繞する弾発手段としてのねじりばね89が設けられ、該ねじりばね89の両端は、第2中節リンク302 に設けられた係止爪90ならびに第2末節リンク312 に設けられた係止爪91にそれぞれ係止固定される。
【0058】
しかもこのねじりばね89のばね力は、流体圧導管86のコイル部86aがばねとして発揮するばね力よりも大きく設定されている。これは次のような理由からである。すなわち第2中節リンク302 を駆動する流体圧アクチュエータ372 と、第2末節リンク312 を駆動する流体圧アクチュエータ362 とに第4流体圧源674 から同圧の作動流体を供給し、把持物体に対する接触圧を均等化しているが、第2末節リンク312 を戻すばね力が第2中節リンク302 を戻すばね力よりも大きくされていることにより、第2指F2 が物体に未だ接触しない状態で曲げられるときには、先ず第2中節リンク302 から曲げられるようになる。そうすることにより、手が物を掴もうとして目標物に近づくときのプリシェーピング(物を掴むのに適した形状)を簡潔な構造で再現できる。例えば手で手摺りを掴もうとする場合の指の形は、中手リンクに対して基節リンクはやや曲げられ、基節リンクに対して中節リンクは沢山曲げられるが、中節リンクに対して末節リンクは殆ど曲げられることはない。これは末節リンクを沢山曲げた状態で手摺りに近づけば、不必要な物体と手が衝突することを、長い年月をかけて人間は体得しているからである。一方で手提げを掴む動作の場合には、手提げに指を通すまでは上記のプリシェーピングと同じであるが、その後は末節リンクを大きく曲げて、手提げが指から逃げないように指の形を作ってから下げる動作に入る。本実施例によれば、中節リンクの回動角度が最大となった後は、圧力が高まり、末節リンクも曲げられるので上記動作を再現できる。本実施例ではばねの強さを変える事例を提示したが、ばね以外にも流体圧シリンダのシリンダ内径を変えること、あるいはリンク間を連結する連結軸と流体圧シリンダのリンクへの連結点との間の距離を変えることによっても同じ効果を得ることができる。
【0059】
第1指F1 については、第1中手リンク281 および第1基節リンク291 を連結する連結軸321 を囲繞するコイル部が、流体圧アクチュエータ381 に流体圧を導く流体圧導管に形成され、第1基節リンク291 および第1末節リンク311 間には、前記コイル部が発揮するばね力よりも小さなばね力を発揮するばねが設けられる。したがって第1指F1 については、第1末節リンク311 が第1基節リンク291 に比べて大きく曲がるようにしたプリシェーピングが可能となる。
【0060】
また第3指F3 、第4指F4 および第5指F5 のばね構造については、上記第2指F2 のばね構造と基本的に同一である。
【0061】
ところで、第5指F5 のように、第5基節リンク295 および第5中節リンク305 の長さが短く、流体圧アクチュエータ375 ,385 の長さが充分にとれない場合には、例えば流体圧アクチュエータ385 のピボット位置44′を連結軸335 に近づけてストロークを倹約するが、そうすると、流体圧アクチュエータ385 が連結軸345 に近づき過ぎて、第5基節リンク295 および第5中節リンク305 間のコイル状のばねと干渉する。しかるに、図6で示すように、流体圧アクチュエータ385 のセンター軸に対して結合する前記ピボット位置44′をオフセットすることで、干渉を逃げることができる。
【0062】
各流体圧導管84…は、五本の指から関節自由度の分だけ集められ、手首の関節を介して前腕部に到達する。また手首の部分でも関節の作動角度は大きいので、同じようなコイル状パイプで作動流体を供給することができる。この際、手首関節は指の関節に比べれば太いので、コイルも大径に設計でき、パイプを少し太めに設計してもコイルがばねとして働く時に生ずる曲げ応力を許容範囲に収められる。また太いパイプはそれだけ管路抵抗も小さいから、供給流量を多くでき、素早い動作を可能にする。パイプを途中から太くするには、太いパイプに細いパイプを差し込んで半田付けまたはろう付けすればよく、この場合もパイプ径が非常に細く、従って熱容量が極めて小さく、しかも体積に対する表面積の割合が大きくて冷却性が良くなる事実を利用しているので半田付けやろう付けが可能になる。すなわち太いパイプの開口端部分を温めても、細いパイプの開口部までは温まらず、従って半田またはろうが回り込んで開口部を閉ざしてしまう虞がないからである。
【0063】
途中でパイプをろう付け等で接合できることは、組み立て性を保証する上で多くの利点をもたらす。即ち手のような狭い場所に多くのアクチュエータ、関節を組み立てなければならない時には、組み立ての作業性が高くないと、非常に熟練した作業者によって長時間かけてしか組み立てることができず、結果として高価なものになる。しかし配管の一部を組立て体の途中で容易に接合・又は分断できる技術が開発されるので組立て性や修理性は著しく向上する。
【0064】
即ち長期の使用時に、機能的に不具合が生じて分解修理するような場合にも、単純に半田ごてで温めるだけで容易にパイプを分断できるので修理時間が短縮され、且つ修理費用も低廉な費用で賄える。尚、太さの違うパイプの接合として半だ付けまたはろう付けを例示したが、作動流体に侵されない材質なら接着剤も利用可能である。この場合には、スペースの省略と組み立て性の向上がさらに期待できる。
【0065】
従来でもパワーステアリングやブレーキなど大型の流体圧機器では、当然配管はねじ等で流体圧機器に組付けられ、出荷組み立て時、及び修理分解組み立て時の作業性を確保してきた。しかしここに例示するハンド等のミニチュア構造体では、等尺でねじを小さく出来ないから、配管の結合部分のみはどうしても小さくできず、アイデアとしては流体圧を用いるハンドの先行技術は在るが、実際に具現化する場合には流体圧レベルを下げて力の弱いハンドになるか、或いは自由度を少なくして限られたスペースに収めるしか方法がなかった。また、従来技術では、相対的に運動する部分への作動流体の供給手段としてゴムホースを用いることが一般的であったが、ここに例示するハンドのように細いスペースしかない指が、90度近くも曲がる場所では、ゴムの曲げ半径が耐久上小さくとれないので、やはり実用的なものは設計できなかった。
【0066】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、第1ないし第5指F1 〜F5 にそれぞれ付設される流体圧アクチュエータ361 〜365 ,372 〜375 ,381 〜385 の少なくとも一部は、対応するリンク281 〜285 ,291 〜295 ,302 〜305 内に収納、配置されるので、全体構成をコンパクトに纏めることが可能となる。しかもカバー47〜49を外した状態では各リンク281 〜285 ,291 〜295 ,302 〜305 ,311 〜315 は基本的にU字溝の形状をしており、上から流体圧アクチュエータ361 〜365 ,372 〜375 ,381 〜385 を組付けていける。すなわち、既に流体圧導管84…,86…が接続された状態に在る各リンク281 〜285 ,291 〜295 ,302 〜305 ,311 〜315 を図1で示す状態に並べて配置し、これらアクチュエータ361 〜365 ,372 〜375 ,381 〜385 を上からU字溝に入れていき、連結軸321 ,322 ,325 …,331 ,332 ,335 …,341 ,342 ,345 …のピンを横から挿入すれば、組み立てられる。その際にも連結軸321 ,322 ,325 …,331 ,332 ,335 …が流体圧導管84…,86…のコイル部84a…,86a…を通ることが目視により確認でき、品質を保証し易い。この際、センサなどからの信号線( 図示せず)があるが、信号線は予め各リンク281 〜285 ,291 〜295 ,302 〜305 ,311 〜315 のU字溝内部に敷設しておくことが可能で、アクチュエータ361 〜365 ,372 〜375 ,381 〜385 の組付け性を阻害することはない。
【0067】
組付けが終了した時点で、エア抜き管83…,88…からのエア抜き作業を行なうが、この作業も全体が開放されているので、行い易い。
【0068】
またねじりばね89…の組付けも全て上から( 一方向から )実施でき、組付け性が極めて良好である。
【0069】
しかも各流体圧アクチュエータ372 〜375 ,381 〜385 は、単動シリンダであり、その単動シリンダの作動方向とは逆方向にリンクを作動せしめる戻しばねとしての機能を、それらの流体圧アクチュエータ372 〜375 ,381 〜385 に流体圧を導く流体圧導管84,86に形成したコイル部84a,86aで果たさせるようにしたので、戻し作用を本質的に持たせるようにして、各流体圧アクチュエータ372 〜375 ,381 〜385 と、それらのアクチュエータ372 〜375 ,381 〜385 に流体圧を作用せしめる構造をロボットハンド等の狭いスペース内に配置することができる。
【0070】
さらに各流体圧導管84,86は、高剛性の金属材料により形成されるものであり、各リンクの相対運動が生じても本質的に常時定まった形を保持することが可能であり、相互に絡み合うことなく各リンクの機械的運動に巻き込まれることを防止して、安定的な作動流体の供給が可能となる。
【0071】
図15および図16は本発明の第2実施例を示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0072】
流体圧アクチュエータ382 に流体圧を導く流体圧導管92は、第2中手リンク282 、第2基節リンク292 および第2中節リンク302 に跨がって延設されるものであり、第2中手リンク282 および第2基節リンク292 を連結する連結軸322 の部分では、流体圧アクチュエータ372 に流体圧を導く流体圧導管84のコイル部84aに隣接して、流体圧導管92に形成されたコイル部92aが連結軸322 を囲繞するようにして配置され、このコイル部92aの両側で流体圧導管92は、第2中手リンク282 および第2基節リンク292 に設けられた係止爪93…にそれぞれ係止、固定される。また流体圧導管92の先端部は、流体圧アクチュエータ382 の流体圧室38cに通じるように該流体圧アクチュエータ382 のシリンダ体38aにろう付け等で結合され、第2基節リンク292 および第2中節リンク302 を連結する連結軸332 を囲繞する弾発手段としてのコイル部92bが流体圧導管92に形成される。
【0073】
しかも両コイル部92a,92b間で流体圧導管92には、屈曲部92cが形成される。
【0074】
また流体圧アクチュエータ372 には、流体圧導管84とは別のエア抜き管94が流体圧室37cに通じるようにしてろう付け等で結合される。
【0075】
この第2実施例によれば、連結軸322 を単純に通過するように流体圧導管92を配置したときには、第2中手リンク282 に対する第2基節リンク292 の相対回動が繰り返されたときには、流体圧導管92が疲労により破損するおそれがあるのに対し、連結軸322 を囲繞するコイル部92aを流体圧導管92に形成することにより、そのような疲労の虞が解消される。しかもコイル部92aは捩りコイルばねとしての機能も発揮するものであり、コイル部84aに加えてコイル部92aが連結軸322 を囲繞するように配置されるので、巻数を比較的大としてばね力を比較的強く設定可能となる。
【0076】
しかも2つのコイル部92a,92bの中間部で流体圧導管92には屈曲部92cが形成されているので、この屈曲部92cにより両コイル部92a,92b間の距離の製作誤差を吸収することが可能であるとともに、コイル部92a,92bの位置変更の機能も併せ持つことができる。
【0077】
図17は本発明の第3実施例を示すものであり、上記各実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0078】
第1グループG1 に属する第1〜第4流体圧源671 〜674 、ならびに第2グループG2 に属する第5および第6流体圧源675 ,676 は、ボールねじを用いた同一構造(図11で示した構造)に構成される。但し、第2グループG2 の第5流体圧源675 は、電気信号で開閉する一方向弁95を介して流体圧アクチュエータ60に接続され、第6流体圧源676 は、電気信号で開閉する一方向弁96を介して、第3、第4および第5指F3 ,F4 ,F5 の各流体圧アクチュエータ363 〜365 ,373 〜375 ,383 〜385 には共通に接続される。
【0079】
このような構成で、一方向弁95,96を閉じたときには第5および第6流体圧源675 ,676 からの流体圧を各アクチュエータに作用せしめることができるが、逆流は阻止されるので、ハンド側の外部負荷が流体圧となって第5および第6流体圧源675 ,676 のモータに反力を及ぼすことを防止することができる。また一方向弁95,96を開いたときには、モータを逆転させるにつれてハンドは外部負荷またはそれ自身の関節のばね力により開くことができる。
【0080】
このような一方向弁としては、本出願人が既に提案している高圧用のソレノイド弁(特開昭63−167183号)をそのまま用いることができる。
【0081】
かかる第3実施例によるときは、モータのエネルギーを効率よく流体圧変換可能となり、消費電力の低減に寄与することができる。
【0082】
図18は本発明の第4実施例を示すものであり、上記各実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0083】
第1指F1 全体を駆動するための流体圧アクチュエータ35には第1流体圧源671 が接続され、第1指F1 の流体圧アクチュエータ361 には流体圧源672Aが、また流体圧アクチュエータ381 には流体圧源672Bがそれぞれ接続され、第2指F2 の流体圧アクチュエータ362 には第3流体圧源673 が接続され、第2指F2 の流体圧アクチュエータ372 ,382 には第4流体圧源674 が共通に接続され、各流体圧源671 ,672A,672B,673 ,674 は第1グループG1 に属する。また第2および第5指F2 ,F5 を開閉駆動するための流体圧アクチュエータ60には第5流体圧源675 が接続され、第3、第4および第5指F3 ,F4 ,F5 の各流体圧アクチュエータ363 〜365 には流体圧源676Aが、また各流体圧アクチュエータ373 〜375 ,383 〜385 には流体圧源676Bがそれぞれ共通に接続され、各流体圧源675 ,676A,676Bは第2グループG2 に属する。
【0084】
この第4実施例によれば、第1指F1 の関節で自由度が増加するとともに、第3ないし第5指F3 〜F5 においては、中手リンク283 〜285 に対する基節リンク293 〜295 の動きをそれより先端の関節の動きから独立させることができる。
【0085】
図19は本発明の第5実施例を示すものである。
【0086】
この流体圧源は、エンコーダ98を有するサーボモータMの出力軸にギヤ99,100を介して連結されるとともにその軸線に沿う移動を阻止されるようにしてハウジング102に支承されるナット101と、ハウジング102に軸線まわりの回転を阻止されるとともに軸方向の移動を可能として支承されつつナット101にボールねじ103を介して螺合されたスクリュウ軸104と、モータMに隣接した位置で該モータMの軸線と平行にしてハウジング102に結合されるシリンダ体105と、シリンダ体105との間に流体圧室106を形成してシリンダ体105に摺動自在に嵌合されるピストン107とを備え、流体圧室106とは反対側でピストン107にスクリュウ軸104の端部が当接される。 シリンダ体105には、流体圧室106に作動流体を導入するための銅合金等から成る注入管110がろう付け等で結合されており、この注入管110の先端部は、作動流体の注入後に機械的に潰されて閉じられる。
【0087】
このような流体圧源は、図11で示した流体圧源に比べると、シリンダ体105の軸線に沿う全体長さを短縮可能である。これは、前腕部および上腕部から成るアームに手首関節を介して取付けられるロボットハンドにおいて、アーム内に流体圧源を収納配置する上で大きな利点となる。すなわち長さの短い前腕部および上腕部には、手首関節や肘関節を駆動するためのモータや減速機が収納されるものであり、ハンド用の流体圧源を収納するための前腕部および上腕部内の長手方向の余裕は極めて限られているからである。
【0088】
しかもモータMの出力をギヤ99,100で減速してナット101に伝達することによりモータMの特性を活かすことができる。またピストン107とスクリュウ軸104とを分離することにより、スクリュウ軸104を急速に後退させたときに、ピストン107の急速な追随を回避し、流体圧室106の作動流体中の空気が気泡となって生じるのを防止することができる。さらにエンコーダ98により、関節の屈曲角度を凡そ知ることができる。ここで、凡そというのは、1つの流体圧源で1つの流体圧アクチュエータを駆動する際には正確にと読み代えることができる。而して1つの流体圧源が複数の流体圧アクチュエータを駆動する場合には、その平均の関節屈曲角度はエンコーダ98で判るとしても、個々の関節の屈曲角度は判らないものであり、これは、均一な把持力を対象物体に及ぼすことを目的したときには止むを得ない選択であり、もし個々の関節屈曲角度をしる必要があるときには、各関節にポテンショまたはアブソリュートエンコーダを装着すればよい。 図20は本発明の第6実施例を示すものであり、上記各実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0089】
第1指F1 全体を駆動するための流体圧アクチュエータ35には第1流体圧源671 ′が接続され、第1指F1 の流体圧アクチュエータ361 ,381 には第2流体圧源672 ′が接続され、第2指F2 の流体圧アクチュエータ362 には第3流体圧源673 が共通に接続され、第2指F2 の流体圧アクチュエータ372 ,382 には第4流体圧源674 ′が共通に接続される。また第2および第5指F2 ,F5 を開閉駆動するための流体圧アクチュエータ60には第5流体圧源675 ′が接続され、第3、第4および第5指F3 ,F4 ,F5 の各流体圧アクチュエータ363 〜365 には第6流体圧源676 ′が共通に接続される。
【0090】
而して第1流体圧源671 ′は、流体圧ポンプPに制御弁108が接続されて成るものであり、第2流体圧源672 ′は流体圧ポンプPに制御弁109が接続されて成るものであり、第3流体圧源673 ′は流体圧源Pに制御弁110が接続されて成るものであり、第4流体圧源675 ′は流体圧ポンプPに制御弁111が接続されて成るものであり、第5流体圧源675 ′は流体圧ポンプPに制御弁112が接続されて成るものであり、第6流体圧源676 ′は流体圧ポンプPに一方向絞り114を介して制御弁113が接続されて成るものである。
【0091】
ここで、各制御弁は108〜112で示すようなアナログ制御可能な電磁サーボ弁であってもよいし、また113で示すように単純なオンオフ型電磁弁であってもよい。但し電磁サーボ弁を用いるときには、出力の流体圧レベルと流量レベルを制御可能なため、原則的にサーボ弁のみでよいが、上述のオンオフ弁を用いるときには、一方向絞り114を直列に接続することで、ハンドを握る方向に駆動するときの速度を緩和し、時間制御をすることで指の屈曲をある程度中間位置で止めることが可能となる。この際、指を伸ばす方向には絞り効果がなくてもかまわないので、絞りに一方向性を持たせてある。
【0092】
また流体圧ポンプPの容量を小さくできる効果があるためにアキュムレータ115を流体圧ポンプPに接続しているが、このアキュムレータ115を用いることは必要条件ではない。
【0093】
本発明は微小なアクチュエータに適用した場合にその効果が高いものであるが、アクチュエータの寸法が中規模の場合にも、次のようにモデファイするだけで、容易に適用できる。
【0094】
即ちシリンダの内径が増大するものにあっては、当然その作業速度を確保するために流体圧導管の外径も大きくすべきであるが、流体圧導管の外径を拡大すると、導管自体の剛性が高くなり過ぎ、本発明の利点は失われる。しかしながら供給流量を増やせばよいのであるから、導管内径を増加させる代わりに、導管の本数を増やしても同じ効果が得られる。一本のシリンダに、同じ小径の導管を2本ろう付けすれば2倍の作動速度が得られ、3本にすれば3倍の速度が得られ、この程度の本数ならば、容易に適用が可能である。
【0095】
例示したロボットハンドは、本発明の実施の上で好適な事例ではあるが、それ以外にも義手にも使えることは明らかである。また足部の構造もハンドに劣らず狭くて自由度が高い。現在の研究中のロボットの多くは、足関節から下に自由度を配置していないが、爪先立ちの姿勢や、凹凸のある路面を安定して歩行するには、足部にも自由度のある方が望ましい。現在は小型で軽量、且つ制御性に優れたアクチュエータ、及びそのアクチュエータにエネルギーを供給する手法が開発されていない為に研究が止まっている。本発明はこれらの狭くて微細な構造を持ち、繊細な運動を必要とする構造体に広く適用できるものである。
【0096】
上記各実施例では、直列に連結された複数のリンクから成る指において、隣接リンク間にアクチュエータが設けられ、各流体圧に個別に対応して戻しばねが設けられた人工ハンドについて説明したが、そのような構成では、アクチュエータの個数が多くなることが避けられず、また前記戻しばねの個数も必然的に多くなる。しかも戻しばねの耐久性もより優れたものであることが望ましい。
【0097】
ところで、直列に連結された複数のリンクから成るリンク装置においては、各リンクを連結する関節の位置(関節角度)をそれぞれ独立に決める必要はなく、全体として柔軟であり、協調動作ができればよい場合がある。たとえば人体において背骨は多数の関節が直列に連結されているが、人体の前屈時にそれらの関節個々が別々の角度で曲がる必要はなく、全体として協調動作をした結果として前屈することができるものである。すなわち複数の関節に跨がる筋肉の収縮に伴って複数の関節が同時に曲がるが、個別の関節がどのように曲がるのかは決まってはいないのである。極端な例として蛇の胴体の運動を見れば判るが、各関節の曲がる角度は巻きつく対象の形状に応じた角度となるだけで、各関節の角度が予め決められているものではない。
【0098】
ロボットでもこのような関節の駆動が可能であれば、接触する対象の形状に応じて均一な力で接触可能となり、しかもアクチュエータとしては関節の数だけ揃える必要がなく、部品点数を低減してコスト低減を図ることが可能となるとともにアクチュエータを設置するスペースも狭くてすむことになり、大きな効果を期待できるものである。特に人工ハンドでは、必要とする出力が比較的大きいのに対し、アクチュエータの設置スペースは極めて狭いものでり、アクチュエータの個数を関節の数に比べて低減可能であれば、それだけ実用性の高い人工ハンドを提供できることになる。
【0099】
しかも人工ハンドや人工足部の指は、位置制御よりも力制御で駆動される場合の方が圧倒的に多いものである。たとえば人工ハンドにおいて物を掴んだり、握ったりする場合には、アームの位置制御により人工ハンドが目標位置まで移動せしめられるが、実際に握ったり、掴んだりする動作は、基本的には力制御に依るものである。人工足部についても、背伸びをしたり、歩行中に路面を蹴ったりする動作は基本的に力制御に依るものであり、床が平坦な場合はともかく凹凸のある路面では指は路面の形状に倣うことが必要となる。これに対し、位置制御に依るものは、わずかにプリシェーピングやジェスチャー等の信号伝達を行う場合等に限られる。
【0100】
従来でも、複数の関節を単一のアクチュエータで駆動するようにしたリンク装置が実現されていないではなかったが、従来のものでは、複数の関節が歯車等を介して駆動されていたので、各関節の駆動角度は伝達歯車比で定まり、位置制御としては機能していたが、力制御の観点では機能せず、対象物に均等な力を及ぼすことができなかった。
【0101】
そこで、人工ハンドの指を構成するリンクの少なくとも一部を力制御によるものとしてアクチュエータの個数低減を可能とするとともに、アクチュエータの駆動力に対抗する弾発力を発揮する弾性体の個数低減および耐久性向上を可能とした第7実施例について次に説明する。
【0102】
図21、図22および図23は本発明の第7実施例を示すものであり、図21はロボットハンドの右手を甲側から見た平面図、図22は図21の22−22線拡大断面図、図23は第1指を曲げた状態での図21に対応する平面図である。
【0103】
先ず図21において、このロボットハンドは、基部B´に、第1ないし第5指F1 ´,F2 ´,F3 ´,F4 ´,F5 ´が連結されて成るものである。基部B´には、第1指F1 ´を軸20のまわりに回動自在に結合するためのヨーク21´が設けられるとともに、該ヨーク21´とは反対側で第5指F5 ´を軸24のまわりに回動自在に結合するためのヨーク25´が設けられており、前記ヨーク21´には、第2指F2 ´を回動自在に結合するための支軸22が設けられる。また第3および第4指F3 ´,F4 ´の中手リンクは基部B´に一体化される。
【0104】
図22を併せて参照して、第1指F1 ´は、手を握ったり開いたりする方向への回動を可能として基部B´のヨーク21´に軸20を介して連結されるユニバーサルジョイント121と、軸20の軸線とは直交する軸線を有する連結軸123を介してユニバーサルジョイント121に基端部が連結される第1中手リンク281 ´と、第1中手リンク281 ´の先端部に前記連結軸123と平行な軸線を有する連結軸321 を介して基端部が回動自在に連結される第1基節リンク291 ´と、第1基節リンク291 ´の先端部に前記各連結軸123,321 と平行な軸線を有する連結軸341 を介して基端部が回動自在に連結される第1末節リンク311 ´とを備える。
【0105】
ユニバーサルジョイント121すなわち第1指F1 ´全体を軸20のまわりに回動させるために、単動式流体圧シリンダ形式の流体圧アクチュエータ35が準備される。この流体圧アクチュエータ35は、軸20の軸線に対して直角に延びる軸線を有して基部B´およびユニバーサルジョイント121間に設けられるものであり、ユニバーサルジョイント121に設けられたヨーク121aに軸20と平行な軸線を有して支持された連結ピン124に、流体圧アクチュエータ35のピストンロッド35aが連結される。またユニバーサルジョイント121に設けられたヨーク121bには、直線運動型アクチュエータである単動式流体圧シリンダ形式の流体圧アクチュエータ361 が、連結軸123と平行な軸線を有するクレビスピン125を介して連結されており、該流体圧アクチュエータ361 のピストンロッド36aは、第1基節リンク291 ´の基端部にクレビスピン125と平行な連結ピン125を介して連結される。すなわち流体圧アクチュエータ361 は、第1のリンクとしてのユニバーサルジョイント121と、ユニバーサルジョイント121との間に第2のリンクである第1中手リンク281 ´を挟んだ第3のリンクとしての第1基節リンク291 ´との間にわたって設けられることになる。さらに第1基節リンク291 ´および第1末節リンク311 ´間には、単動式流体圧シリンダ形式の流体圧アクチュエータ381 が設けられる。
【0106】
流体圧アクチュエータ361 ,381 には、共通な流体圧源(図10および図17の流体圧源672 または図20の流体圧源672 ´)が接続されるものであり、該流体圧源からの流体圧を導く流体圧導管127は、高剛性である金属により全体として弾性を有するように形成される。しかも流体圧導管127の中間部には、軸20を囲繞するコイル部127aと、連結軸123を囲繞するコイル部127bとが形成される。而してユニバーサルジョイント121の基部B´に対する軸20まわりの回動運動、ならびにユニバーサルジョイント121に対する第1中手リンク281 ´の連結軸123まわりの回動運動が生じても、前記両コイル部127a,127bにより流体圧導管127に過大な荷重が作用することが避けられる。しかもコイル部127aの一端側が基部B´側に係止されるとともにコイル部127aの他端側がユニバーサルジョイント121に係止されており、該コイル部127aは、軸20のまわりにユニバーサルジョイント121を回動駆動する流体圧アクチュエータ35の駆動力に対抗するばね力をユニバーサルジョイント121に作用せしめることができる。
【0107】
流体圧導管127の端部はろう付けや半田付け等により流体圧アクチュエータ361 の圧力室に接合されており、流体圧アクチュエータ361 および流体圧アクチュエータ381 の圧力室は、図示しない流体圧導管で相互に接続される。
【0108】
したがって流体圧源からの流体圧作用により両流体圧アクチュエータ361 ,381 はともに伸長作動するが、その際の両流体圧アクチュエータ361 ,381 の伸長度合いは、両流体圧アクチュエータ361 ,381 に作用する負荷の大きさによって定まる。
【0109】
流体圧アクチュエータ361 ,381 の駆動力に対抗する弾発力を発揮させるために、たとえばゴムにより無端ベルト状に形成される弾性体1221 が準備される。この弾性体1221 の一端は、ユニバーサルジョイント121のヨーク121bに設けられた係止ピン128に係合され、第1末節リンク311 ´の先端に設けられた係止ピン129に弾性体1221 の他端が係合される。
【0110】
このような第1指F1 ´を駆動するために、流体圧アクチュエータ35を伸長作動せしめると、ユニバーサルジョイント121すなわち第1指F1 全体は軸20のまわりに回動し、第1指F1 ´が第2ないし第5指F2 ´〜F5 ´に向き合う側すなわち掌側に屈曲されることになる。また流体圧アクチュエータ35の流体圧を解放すると、流体圧導管127のコイル部127aが発揮する弾発力により第1指F1 ´全体が元の位置に戻される。 また流体圧アクチュエータ361 ,381 に流体圧を作用せしめると、流体圧アクチュエータ361 の伸長作動に応じて、第1中手リンク281 ´がユニバーサルジョイント121に対して連結軸123のまわりに回動するとともに、第1基節リンク291 ´が第1中手リンク281 ´に対して連結軸321 のまわりに回動する。また流体圧アクチュエータ381 の伸長作動に応じて第1末節リンク311 ´は第1基節リンク291 ´に対して連結軸341 のまわりに回動することになる。このようにして、第1指F1 ´は、図23で示すように、第2指F2 ´側に屈曲される。
【0111】
このような第1指F1 ´の第2指F2 ´側への屈曲時に、弾性体1221 は伸長せしめられ、流体圧アクチュエータ361 ,381 が発揮する駆動力に対抗する弾性力を発揮している。この際、弾性体1221 と第1指F1 ´を構成する各部材との間の摩擦力を無視し得る程小さくしておけば、弾性体1221 の張力はその全長にわたって均等となり、弾性体1221 に作用する荷重が比較的大きくても比較的長い弾性体1221 の全長にわたって荷重を分散させることにより弾性体1221 の最大応力値が比較的低く抑えられる。また流体圧アクチュエータ361 ,381 の流体圧を解放したときには、弾性体1221 の弾性力により第1指F1 ´は図21で示す元の位置に戻され、この状態を維持するように弾性体1221 には初期張力が与えられている。
【0112】
第2指F2 ´は、基部B´におけるヨーク21´に設けられた支軸22に微小角度の回動を可能として結合される第2中手リンク282 ´と、第2中手リンク282 ´の先端部に連結軸322 を介して基端部が回動自在に連結される第2基節リンク292 ´と、第2基節リンク292 ´の先端部に連結軸332 を介して基端部が回動自在に連結される第2中節リンク302 ´と、第2中節リンク302 ´の先端部に連結軸342 を介して基端部が回動自在に連結される第2末節リンク312 とを備える。
【0113】
第2中手リンク282 ´および第2基節リンク292 ´間には流体圧アクチュエータ362 が設けられ、第2基節リンク292 ´および第2中節リンク302 ´間には流体圧アクチュエータ372 が設けられ、第2中節リンク302 ´および第2末節リンク312 ´間には流体圧アクチュエータ382 が設けられる。
【0114】
しかも第2基節リンク292 ´および第2中節リンク302 ´を相互間に挟んだ第2中手リンク282 ´および第2末節リンク312 ´間には、前記各流体圧アクチュエータ362 ,372 ,382 の駆動力に対抗する弾発力を発揮する弾性体1222 が、各流体圧アクチュエータ362 ,372 ,382 の縮小状態での初期張力を与えられた状態で張設される。
【0115】
この第2指F2 ´の構造では、流体圧アクチュエータ362 が伸展すると、第2基節リンク292 ´が第2中手リンク282 ´に対して連結軸322 のまわりに掌側に回動せしめられ、流体圧アクチュエータ372 が伸展すると、第2中節リンク302 ´が第2基節リンク292 ´に対して連結軸332 のまわりに掌側に回動せしめられ、流体圧アクチュエータ382 が伸展すると、第2末節リンク312 ´が第2中節リンク302 ´に対して連結軸342 のまわりに掌側に回動せしめれらる。而して流体圧アクチュエータ362 ,372 ,382 の流体圧解放に応じて、各リンク292 ´,302 ´,312 ´は、弾性体1222 の弾発力により元の状態に復帰せしめられる。
【0116】
第3、第4および第5指F3 ´,F4 ´,F5 ´は、第2指F2 ´と基本的に同一の構成を有するものであり、詳細な説明を省略する。
【0117】
この第7実施例の作用について説明すると、第1指F1 ´において、流体圧アクチュエータ361 は、第1のリンクであるユニバーサルジョイント121と、該ユニバーサルジョイント121との間に第2のリンクである第1中手リンク281 ´を挟んでユニバーサルジョイント121に直列に連結される第3のリンクとしての第1基節リンク291 ´との間に設けられるものであり、単一の流体圧アクチュエータ361 で2つの関節を駆動し得る構成となっているので、流体圧アクチュエータの個数を低減して部品点数を低減することが可能となるとともに流体圧アクチュエータの設置スペースが少なくて済む。これは、人工ハンドのように非常に狭い場所に多くの関節を配置しなければならない構造にとっては極めて有効な構成である。
【0118】
特に人工足部に適用したときには、指の柔軟性が不整地路面の歩行には欠かせないので、複数の関節を単一のアクチュエータで駆動できることは、小型でかつ軽量な人工足部を構成する上で重要な要素となるとともに、均一な作用力で路面に接地させることも可能となる。また歩行ロボットの背骨の構成にも適用可能であり、その場合、より少ないアクチュエータで柔軟な動きを実現できるので、その分だけ搭載機器を少なくして高度なロボットの実現を早めることができる。
【0119】
しかも単一の流体圧アクチュエータ361 で駆動される第1中手リンク281 ´および第1基節リンク291 ´は、それらのリンク281 ´,291 ´が接触する対象物の形状に応じて屈曲作動するものであり、各リンクを個別に駆動するアクチュエータを個別に力制御するものに比べると、制御用コンピュータの構成が単純であり、安価でかつ信頼性の高い制御システムを構築することが可能となる。
【0120】
ところで、人工ハンドの場合には、他の指F2 ´〜F5 ´に比べて第1指F1 ´すなわち親指の動きは極めて重要であり、親指が柔軟な動きをするかどうかが器用な動作実現の鍵となる。しかるに、第1指F1 ´の基端部であるユニバーサルジョイント121が基部B´に連結される構成とされているので、第1指F1 ´が軸20のまわりと、連結軸123のまわりとの二方向に回動可能となり、把持機能から手のひらを一杯に広げて大きな物体を支える動きに至るまで多様な動きを再現することができる。しかもこのような動きを実現するにあたって、特別なアクチュエータを用いることなく、図1で示した第1実施例において第1中手リンク281 を回動せしめる流体圧アクチュエータ35をそのまま利用することができるので、アクチュエータの個数を増やすことなく小型軽量化を図ることができる。
【0121】
さらに流体圧アクチュエータ361 ,381 の駆動力に対抗する弾性力を発揮する弾性体1221 が、相互間に第1中手リンク281 ´および第1基節リンク291 ´を介在させたユニバーサルジョイント121および第1末節リンク311 ´間に設けられ、流体圧アクチュエータ362 ,372 ,382 の駆動力に対抗する弾性力を発揮する弾性体1222 が、相互間に第2基節リンク292 ´、第2中節リンク302 ´を介在させた第2中手リンク282 ´および第2末節リンク312 ´間に設けられることにより、弾性体1221 ´,1222 ´の個数を低減して部品点数の低減に起用することができるとともに、弾性体1221 ´,1222 ´の長さを比較的長くして弾性体1221 ,1222 の最大応力値を低く抑え、弾性体1221 ,1222 の耐久性を向上することができる。
【0122】
このように流体アクチュエータの個数低減を図ることが可能となるとともに、弾性体の個数低減および耐久性向上を図ることが可能となることにより、高度ロボットの実現をより容易とすることができる。すなわち、現在の歩行ロボット等の高度ロボットの最大の問題点は、関節の個数が増えると必然的にアクチュエータの個数が増大し、そのアクチュエータを制御する電子機器の数も増大することで消費エネルギーの増大、搭載機器重量の増大および寸法の増大を招くことであり、この第7実施例の構成によれば、関節の増大が必ずしも上記欠点を伴わないことになる。
【0123】
この第7実施例において、流体圧アクチュエータ361 ,381 が共通の流体圧源に接続されるとして説明したが、両流体圧アクチュエータ361 ,381 が相互に独立した流体圧源に個別に接続されるものであってもよく、また流体圧アクチュエータに代えて、たとえばモータの回転をねじ等利用して直線運動に変化するアクチュエータを用いることも可能である。但し、現在の技術では小型のモータで高出力のものがなく、所望の操作力を得るにはモータが大きくなり過ぎてリンク装置が巨大なものになるか、力不足になるであろう。さらに弾性体としてゴムを用いるのに代えて、たとえば金属製のコイルばねを用いることも可能であり、3以上の複数の関節を単一のアクチュエータで駆動するようにすることも可能である。
【0124】
また、流体圧源のアクチュエータは両端で回転自在に支持されるものを例示したが、プランジャーにラック歯を設けてこれと噛み合うピニオンを各リンクの回転軸に一体に設け、プランジャーの伸展縮退に応じてピニオンが回転し、結果的にリンクが駆動されるように構成することも可能である。
【0125】
またここに例示したコイルの形状は、ピッチ径の同じコイルを示したが、ゼンマイばねのように各コイル毎にピッチ径が異なるように構成しても、同じ効果が得られる。
【0126】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく、種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0127】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明は、相対運動を可能として順次連結される複数のリンクと、それらのリンクに付設される流体圧アクチュエータとを備えるリンク装置において、各リンクは、相互に隣接するリンクの基端部および先端部間に連結軸を介在させて相互に連結され、相互に隣接するリンク間には、前記各連結軸まわりの相対運動を各リンクに生じさせる流体圧アクチュエータが設けられ、流体圧アクチュエータの少なくとも一部が、対応するリンク内に収納、配置されるので、リンク装置をコンパクトに構成することが可能となる。また各流体圧アクチュエータの流体圧室に流体圧を導く流体圧導管のうち少なくとも2つの相互に隣接するリンク間に跨がって設けられる流体圧導管には、相互に隣接するリンク相互を連結する連結軸を囲繞して、その隣接するリンク相互に前記相対運動が生じたときにその動きを押し戻す方向に弾発力を発揮し得る捩りコイルばねとして働くコイル部が形成されるので、流体圧導管に、隣接するリンク相互に相対運動が生じたときにその動きを押し戻す方向に弾発力を発揮し得る捩りコイルばねとしてのばね機能をもたせることができ、したがって、アクチュエータと、そのアクチュエータに流体圧を作用せしめる構造を狭いスペース内に配置可能となる
【0128】
また請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、流体圧導管は、少なくとも3つの相互に隣接するリンク間に跨がって設けられ、該流体圧導管には、各リンク相互を連結する少なくとも2つの連結軸をそれぞれ囲繞するコイル部が形成されるとともに、各コイル部間で屈曲した屈曲部が形成されるので、隣接リンクの相対運動の繰り返しに伴う疲労の軽減とばね機能とを併せて流体圧導管に持たせることができ、しかも屈曲部により両コイル部間の距離調節が可能となる。
【0129】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、流体圧アクチュエータの流体圧室には、該流体圧室からのエア抜き後に先端部が機械的な変形により閉じられるエア抜き管が、流体圧導管とは別に連結されるので、スペースを要しない極めて容易な作業で流体圧回路からのエア抜きを行なうことができる。
【0130】
請求項4記載の発明の人工ハンドでは、上記請求項1〜3のいずれかに記載のリンク装置で、基部に連結される複数の指がそれぞれ構成されるので、人工ハンドをコンパクトに構成することができる。
【0131】
請求項5記載の発明によれば、上記請求項記載の発明の構成に加えて、指の一部を構成するリンクを屈曲させる駆動力を発揮可能な第1の流体圧アクチュエータと、第1の流体圧アクチュエータの駆動力に対抗する弾発力を発揮する第1の弾発手段と、指の一部を構成して前記リンクに連結されるリンクを屈曲させる駆動力を発揮可能として第1の流体圧アクチュエータと共通の流体圧源に接続される第2の流体圧アクチュエータと、第2の流体圧アクチュエータの駆動力に対抗する弾発力を発揮する第2の弾発手段とを備え、第1の流体圧アクチュエータの駆動力および第1の弾発手段の弾発力の差と、第2の流体圧アクチュエータの駆動力および第2の弾発手段の弾発力の差とが、相互に異なって設定されるので、指を構成するリンクの屈曲順序を自在に設定し、手が物を掴もうとして目標物に近づくときのプリシェーピング(物を掴むのに適した形状)を簡潔な構造で再現することができる。
【0132】
請求項6記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、基部には、第1指の基端部が軸を介して回動可能に連結され、該軸の軸線は、基部に連結される第2ないし第5指の延伸方向と略平行な方向から第2ないし第5指側に傾斜して配置されるので、第1指を駆動するアクチュエータのわずかな作動により第1指を他の指と向き合う位置まで回動することができ、上記アクチュエータの所要作動量を小さくし、該アクチュエータの小型化を図ることができる。
【0133】
請求項7記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、基部に連結される第1ないし第5指のうち少なくとも1本の指に設けられて、当該指を曲げる方向の力を発揮する流体圧アクチュエータが、前記当該指に作用する外力による逆動を不能とした流体圧源に接続されるので、力仕事を受け持つ指については、流体圧源からの作用では動くが、一旦荷物を保持する形をハンドが実現すれば、荷物を運搬中に各指でエネルギーを消耗することをなくし、電池などのエネルギー源を小型化することができる。
【0134】
請求項8記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、基部に連結さ れる第1ないし第5指のうち第2指および第5指の基端部の少なくとも一方が、それらの指の先端部間の間隔を増減可能として基部に連結され、第2指および第5指間には前記間隔を増減可能なアクチュエータが設けられ、第2指および基部間には前記アクチュエータの間隔増大方向の力に対抗するばね力を発揮するばねが設けられ、第5指および基部間には前記アクチュエータの間隔増大方向の力に対抗するとともに前記ばねのばね力とは異なるばね力を発揮するばねが設けられるので、単一のアクチュエータによるコンパクトな構成で、手を広げる方向に第2指および第5指を外展作動せしめることができ、この際、指に負荷がかからない状態での外展を第2指および第5指のいずれか一方から生じさせるようにして、手を必要以上に大きくすることなく狭い場所での作業を有効に行なうことが可能となる。
【0135】
請求項9記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、基部に連結される第1ないし第5指のうち少なくとも第5指の基端側の中手リンクが、該指を握ったり、開いたりする方向の揺動を可能として基部に連結され、前記中手リンクに連結される基節リンクおよび基部間には、流体圧の作用に応じて基節リンクを握る方向の力を発揮する流体圧アクチュエータが設けられ、前記中手リンクおよび基部間には、中手リンクを開く側に付勢するばねが設けられるので、流体圧アクチュエータの作動により、最初は基節リンクが屈折するが、基節リンクに負荷が生じたときには中手リンクが屈折するようにして、物を握った場合の握る力を均等に効果を、単一のアクチュエータで得ることが可能であり、重量低減およびシステム簡略化を果たすことができる。
【0136】
請求項10記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、各指の最先端位置に在る末節リンクと、最先端から2番目のリンクとは、連結軸を介して連結され、両リンク間には、流体圧の作用に応じて末節リンクを握る方向の力を発揮する流体圧アクチュエータが設けられ、各末節リンクの先端面は、その先端面に直角に作用する外力が前記連結軸のまわりに末節リンクを開く側に作用する方向となる形状に形成されるので、指で物を押すときに、流体圧アクチュエータに無用な負荷がかかることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のロボットハンドの右手を甲側から見た平面図である。
【図2】 基部の平面図である。
【図3】 図1の3−3線矢視図である。
【図4】 第1指の進展状態を示す平面図である。
【図5】 図1の5−5線断面図である。
【図6】 第2指屈曲時の図5に対応する断面図である。
【図7】 図1の7−7線断面図である。
【図8】 図7の6−6線断面図である。
【図9】 第2指および第5指を開いた状態での図1に対応する平面図である。
【図10】 流体圧回路図である。
【図11】 第1の種類の流体圧源の構成を示す断面図である。
【図12】 第2の種類の流体圧源の構成を示す断面図である。
【図13】 図5の要部拡大図である。
【図14】 図13の14−14線断面図である。
【図15】 第2実施例の図5に対応する断面図である。
【図16】 図15の16−16線拡大断面図である。
【図17】 第3実施例の図10に対応する流体圧回路図である。
【図18】 第4実施例の図10に対応する流体圧回路図である。
【図19】 第5実施例の流体圧源の縦断面図である。
【図20】 第6実施例の図10に対応する流体圧回路図である。
【図21】 第7実施例のロボットハンドの右手を甲側から見た平面図である。
【図22】 図21の22−22線拡大断面図である。
【図23】 第1指を曲げた状態での図21に対応する平面図である。
【符号の説明】
20・・・軸
281 〜285 ,281 ´,282 ´291 〜295 ,291 ´,292 ´,302 〜305 ,302 ´,311 〜315 ,311 ´,312 ´・・・リンク
321 ,322 ,325 ,332 ,335 ,341 ,342 ,34 5 ・・連結軸
361 〜365 ,372 〜375 ,381 〜38 5 ・・流体圧アクチュエータ
36c,37c,38c・・・流体圧室
54,63,64・・・ばね
60・・・アクチュエータ
672 ,674 ,676 ,676A,676B,672 ′,674 ′,676 ′・・・流体圧源
82,84,86,94・・・流体圧導管
83,88,94・・・エア抜き管
84a,86a,92a,92b・・・コイル
9・・・弾発手段としてのばね
92c・・・屈曲
,B´・・・基部
1 〜F5 ,F1 ´〜F5 ´・・・指

Claims (10)

  1. 相対運動を可能として順次連結される複数のリンク(281 〜285 ,291 〜295 ,302 〜305 ,311 〜315 )と、それらのリンクに付設される流体アクチュエータ(361 〜365 ,372 〜375 ,381 〜385 )とを備えるリンク装置において、
    各リンク(281 〜285 ,291 〜295 ,302 〜305 ,311 〜315 )は、相互に隣接するリンクの基端部および先端部間に連結軸(321 ,322 ,325 ,332 ,335 ,341 ,342 ,345 )を介在させて相互に連結され、相互に隣接するリンク間には、前記各連結軸まわりの相対運動を各リンクに生じさせる流体圧アクチュエータ(361 〜365 ,372 〜375 ,381 〜385 )が設けられ、各流体圧アクチュエータの流体圧室(36c,37c,38c)に流体圧を導く流体圧導管(82,84,86,92)のうち少なくとも2つの相互に隣接するリンク間に跨がって設けられる流体圧導管(84,86,92)には、相互に隣接するリンク相互を連結する連結軸(321 ,322 ,325 ,332 ,335 )を囲繞して、その隣接するリンク相互に前記相対運動が生じたときにその動きを押し戻す方向に弾発力を発揮し得る捩りコイルばねとして働くコイル部(84a,86a,92a,92b)が形成され、前記流体圧アクチュエータ(361 〜365 ,372 〜375 ,381 〜385 )の少なくとも一部が、対応するリンク(281 〜285 ;291 〜295 ;302 〜305 )内に収納、配置されることを特徴とするリンク装置。
  2. 流体圧導管(92)は、少なくとも3つの相互に隣接するリンク(28 2 ,29 2 ,30 2 )間に跨がって設けられ、該流体圧導管(92)には、各リンク相互を連結する少なくとも2つの連結軸(32 2 ,33 2 )をそれぞれ囲繞するコイル部(92a,92b)が形成されるとともに、各コイル部(92a,92b)間で屈曲した屈曲部(92c)が形成されることを特徴とする請求項1記載のリンク装置。
  3. 流体圧アクチュエータ(36 1 〜36 5 ,37 2 〜37 5 ,38 1 〜38 5 )の流体圧室(36c,37c,38c)には、該流体圧室(36c,37c,38c)からのエア抜き後に先端部が機械的な変形により閉じられるエア抜き管(83,88,94)が、流体圧導管(82,86,92)とは別に連結されることを特徴とする請求項1記載のリンク装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のリンク装置で、基部(B)に連結される複数の指(F 1 〜F 5 )がそれぞれ構成されることを特徴とする人工ハンド。
  5. 指(F 1 〜F 5 )の一部を構成するリンク(31 1 〜31 5 )を屈曲させる駆動力を発揮可能な第1の流体圧アクチュエータ(38 1 〜38 5 )と、第1の流体圧アクチュエータ(38 1 〜38 5 )の駆動力に対抗する弾発力を発揮する第1の弾発手段と、指(F 1 〜F 5 )の一部を構成して前記リンク(31 1 〜31 5 )に連結されるリンク(29 1 ,30 2 〜30 5 )を屈曲させる駆動力を発揮可能として第1の流体圧アクチュエータ(38 1 〜38 5 )と共通の流体圧源(67 2 ,67 4 ,67 6 ,67 6B ,67 2 ′,67 4 ′,67 6 ′)に接続される第2の流体圧アクチュエータ(36 1 ,37 2 〜37 5 )と、第2の流体圧アクチュエータ(36 1 ,37 2 〜37 5 )の駆動力に対抗する弾発力を発揮する第2の弾発手段とを備え、第1の流体圧アクチュエータ(38 1 〜38 5 )の駆動力および第1の弾発手段の弾発力の差と、第2の流体圧アクチュエータ(36 1 ,37 2 〜37 5 )の駆動力および第2の弾発手段の弾発力の差とが、相互に異なって設定されることを特徴とする請求項4記載の人工ハンド。
  6. 基部(B)には、第1指(F 1 )の基端部が軸(20)を介して回動可能に連結され、該軸(20)の軸線は、基部(B)に連結される第2ないし第5指(F 2 〜F 5 )の延伸方向と略平行な方向から第2ないし第5指(F 2 〜F 5 )側に傾斜して配置されることを特徴とする請求項4記載の人工ハンド。
  7. 基部(B,B´)に連結される第1ないし第5指(F 1 〜F 5 ,F 1 ´〜F 5 ´)のうち少なくとも1本の指(F 3 〜F 5 ,F 3 ´〜F 5 ´)に設けられて、当該指(F 3 〜F 5 ,F 3 ´〜F 5 ´)を曲げる方向の力を発揮する流体圧アクチュエータ(36 3 〜36 5 ,37 3 〜37 5 ,38 3 〜38 5 )が、前記当該指(F 3 〜F 5 に作用する外力による逆動を不能とした流体圧源(67 6 ,67 6A ,67 6B ,67 6 ′)に接続されることを特徴とする請求項4記載の人工ハンド。
  8. 基部(B,B´)に連結される第1ないし第5指(F 1 〜F 5 ,F 1 ´〜F 5 ´)のうち第2指(F 2 ,F 2 ´)および第5指(F 5 ,F 5 ´)の基端部の少なくとも一方が、それらの指(F 2 ,F 2 ´,F 5 ,F 5 ´)の先端部間の間隔を増減可能として基部(B,B´)に連結され、第2指(F 2 ,F 2 ´)および第5指(F 5 ,F 5 ´)間には前記間隔を増減可能なアクチュエータ(60)が設けられ、第2指(F 2 ,F 2 ´)および基部(B,B´)間には前記アクチュエータ(60)の間隔増大方向の力に対抗するばね力を発揮するばね(63)が設けられ、第5指(F 5 ,F 5 )および基部(B,B´)間には前記アクチュエータ(60)の間隔増大方向の力に対抗するとともに前記ばね(63)のばね力とは異なるばね力を発揮するばね(64)が設けられることを特徴とする請求項4記載の人工ハンド。
  9. 基部(B,B´)に連結される第1ないし第5指(F 1 〜F 5 ,F 1 ´〜F 5 ´)のうち少なくとも第5指(F 5 ,F 5 ´)の基端側の中手リンク(28 5 )が、該指(F 5 ,F 5 ´)を握ったり、開いたりする方向の揺動を可能として基部(B,B´)に連結され、前記中手リンク(28 5 )に連結される基節リンク(29 5 )および基部(B,B´)間には、流体圧の作用に応じて基節リンク(29 5 )を握る方向の力を発揮する流体圧アクチュエータ(36 5 )が設けられ、前記中手リンク(28 5 )および基部(B,B´)間には、中手リンク(28 5 )を開く側に付勢するばね(54)が設けられることを特徴とする請求項4記載の人工ハンド。
  10. 各指(F 1 〜F 5 ,F 1 ´〜F 5 ´)の最先端位置に在る末節リンク(31 1 〜31 5 ,31 1 ´,31 2 ´)と、先端から2番目のリンク(29 1 ,29 1 ´,30 2 〜30 5 ,30 2 ´)とは、連結軸(34 1 ,34 2 ,34 5 )を介して連結され、両リンク(31 1 〜31 5 ,31 1 ´,31 2 ´;29 1 ,29 1 ´,30 2 〜30 5 ,30 2 ´)間には、流体圧の作用に応じて末節リンク(31 1 〜31 5 ,31 1 ´,31 2 ´)を握る方向の力を発揮する流体圧アクチュエータ(38 1 〜38 5 )が設けられ、各末節リンク(31 1 〜31 5 ,31 1 ´,31 2 ´)の先端面は、その先端面に直角に作用する外力が前記連結軸(34 1 〜34 5 )のまわりに末節リンク(31 1 〜31 5 ,31 1 ´,31 2 ´)を開く側に作用する方向となる形状に形成されることを特徴とする請求項4記載の人工ハンド。
JP09671795A 1994-09-09 1995-04-21 リンク装置及び人工ハンド Expired - Fee Related JP3706655B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09671795A JP3706655B2 (ja) 1994-09-09 1995-04-21 リンク装置及び人工ハンド

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21555394 1994-09-09
JP6-215553 1994-09-09
JP09671795A JP3706655B2 (ja) 1994-09-09 1995-04-21 リンク装置及び人工ハンド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08126984A JPH08126984A (ja) 1996-05-21
JP3706655B2 true JP3706655B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=26437889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09671795A Expired - Fee Related JP3706655B2 (ja) 1994-09-09 1995-04-21 リンク装置及び人工ハンド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3706655B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2577499B (en) * 2018-09-25 2020-11-18 Covvi Ltd A mechanical hand
US11685057B2 (en) 2021-08-03 2023-06-27 Hyundai Motor Company Robot hand module
US11826903B2 (en) 2021-08-03 2023-11-28 Hyundai Motor Company Robot hand module

Families Citing this family (53)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6517132B2 (en) 2000-04-04 2003-02-11 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Multifinger hand device
US7592768B2 (en) 2004-11-17 2009-09-22 Thk Co., Ltd. Robot joint structure and robot finger
CN1323813C (zh) * 2004-12-22 2007-07-04 哈尔滨工业大学 用于临床创伤手指康复的感知型仿生机械手及其组合模块
JPWO2006080088A1 (ja) * 2005-01-31 2008-06-19 スキューズ株式会社 アクチュエータ、駆動装置、及びハンド装置
US20070106317A1 (en) 2005-11-09 2007-05-10 Shelton Frederick E Iv Hydraulically and electrically actuated articulation joints for surgical instruments
JP5224227B2 (ja) * 2006-07-16 2013-07-03 浩史 横井 全指可動型義手
US8849457B2 (en) 2006-07-17 2014-09-30 Raytheon Company Contact displacement actuator system
JP5105147B2 (ja) * 2006-08-28 2012-12-19 株式会社安川電機 ロボットおよび制御方法
CN100450730C (zh) * 2007-06-07 2009-01-14 上海交通大学 具有欠驱动自适应机构的拟人机械手
KR101010962B1 (ko) * 2007-10-16 2011-01-26 주식회사 로보멕 운동범위 조절이 가능한 조인트 장치
JP5388686B2 (ja) * 2009-05-14 2014-01-15 本田技研工業株式会社 5指型ハンド装置
JP5317823B2 (ja) * 2009-05-14 2013-10-16 本田技研工業株式会社 多指ハンド装置
JP5457112B2 (ja) * 2009-09-10 2014-04-02 本田技研工業株式会社 流体圧アクチュエータ
JP5500921B2 (ja) * 2009-09-10 2014-05-21 本田技研工業株式会社 多指ハンド装置
WO2010131605A1 (ja) * 2009-05-14 2010-11-18 本田技研工業株式会社 5指型ハンド装置
US8504198B2 (en) 2009-05-14 2013-08-06 Honda Motor Co., Ltd. Robot hand and control system, control method and control program for the same
JP5208892B2 (ja) * 2009-09-10 2013-06-12 本田技研工業株式会社 ハンド装置
JP5325055B2 (ja) * 2009-09-10 2013-10-23 本田技研工業株式会社 流体圧駆動装置及びそれを用いた屈伸機構
JP5468814B2 (ja) * 2009-05-14 2014-04-09 本田技研工業株式会社 5指型ハンド装置
JP5313094B2 (ja) * 2009-09-15 2013-10-09 本田技研工業株式会社 流体圧伝達装置及びロボットハンド装置
JP2011064216A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Honda Motor Co Ltd 流体圧伝達装置
KR101139411B1 (ko) * 2010-03-05 2012-04-27 (주)영창로보테크 다기능 핸들링을 위한 산업용 그리퍼
JP5545052B2 (ja) * 2010-06-10 2014-07-09 セイコーエプソン株式会社 電動アクチュエーター
US9789603B2 (en) 2011-04-29 2017-10-17 Sarcos Lc Teleoperated robotic system
KR101221048B1 (ko) * 2011-08-02 2013-02-15 주식회사 바이오닉스 발 모션을 이용한 로봇핸드 제어 시스템 및 제어방법
JP5859812B2 (ja) * 2011-10-31 2016-02-16 本田技研工業株式会社 関節機構
JP5901310B2 (ja) * 2012-01-26 2016-04-06 Thk株式会社 関節機構、指及びハンド
US9616580B2 (en) 2012-05-14 2017-04-11 Sarcos Lc End effector for a robotic arm
JP5934639B2 (ja) * 2012-12-27 2016-06-15 本田技研工業株式会社 ロボット
CN103284820B (zh) * 2013-03-14 2017-06-23 洛阳理工学院 仿人型假手
WO2014162562A1 (ja) * 2013-04-04 2014-10-09 Thk株式会社 関節機構、指及びハンド
JP6072649B2 (ja) * 2013-08-12 2017-02-01 株式会社テムザック 揺動型アクチュエータとそれを用いた揺動機構及びその揺動機構を備えたロボット並びに移動体
US10766133B2 (en) 2014-05-06 2020-09-08 Sarcos Lc Legged robotic device utilizing modifiable linkage mechanism
JP6161831B2 (ja) * 2014-10-07 2017-07-12 圭治郎 山本 関節運動アシスト装置
KR101639723B1 (ko) * 2014-10-21 2016-07-15 한국생산기술연구원 로봇 핸드
US10919161B2 (en) 2016-11-11 2021-02-16 Sarcos Corp. Clutched joint modules for a robotic system
US10821614B2 (en) 2016-11-11 2020-11-03 Sarcos Corp. Clutched joint modules having a quasi-passive elastic actuator for a robotic assembly
US10828767B2 (en) 2016-11-11 2020-11-10 Sarcos Corp. Tunable actuator joint modules having energy recovering quasi-passive elastic actuators with internal valve arrangements
US10765537B2 (en) 2016-11-11 2020-09-08 Sarcos Corp. Tunable actuator joint modules having energy recovering quasi-passive elastic actuators for use within a robotic system
US10843330B2 (en) 2017-12-07 2020-11-24 Sarcos Corp. Resistance-based joint constraint for a master robotic system
US11331809B2 (en) 2017-12-18 2022-05-17 Sarcos Corp. Dynamically controlled robotic stiffening element
CN108555946B (zh) * 2018-06-26 2020-06-05 温州通尔自动化有限公司 一种机器人抓手
US11351675B2 (en) 2018-12-31 2022-06-07 Sarcos Corp. Robotic end-effector having dynamic stiffening elements for conforming object interaction
US10906191B2 (en) 2018-12-31 2021-02-02 Sarcos Corp. Hybrid robotic end effector
US11241801B2 (en) * 2018-12-31 2022-02-08 Sarcos Corp. Robotic end effector with dorsally supported actuation mechanism
CN110199684A (zh) * 2019-07-10 2019-09-06 郑州工业应用技术学院 一种农业采摘机器人
CN210180564U (zh) * 2019-08-28 2020-03-24 杭州宇树科技有限公司 一种新型足端力采集装置及应用其的四足机器人
US11833676B2 (en) 2020-12-07 2023-12-05 Sarcos Corp. Combining sensor output data to prevent unsafe operation of an exoskeleton
US11794345B2 (en) 2020-12-31 2023-10-24 Sarcos Corp. Unified robotic vehicle systems and methods of control
US11826907B1 (en) 2022-08-17 2023-11-28 Sarcos Corp. Robotic joint system with length adapter
US11717956B1 (en) 2022-08-29 2023-08-08 Sarcos Corp. Robotic joint system with integrated safety
US11897132B1 (en) 2022-11-17 2024-02-13 Sarcos Corp. Systems and methods for redundant network communication in a robot
US11924023B1 (en) 2022-11-17 2024-03-05 Sarcos Corp. Systems and methods for redundant network communication in a robot

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2577499B (en) * 2018-09-25 2020-11-18 Covvi Ltd A mechanical hand
US11685057B2 (en) 2021-08-03 2023-06-27 Hyundai Motor Company Robot hand module
US11826903B2 (en) 2021-08-03 2023-11-28 Hyundai Motor Company Robot hand module

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08126984A (ja) 1996-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3706655B2 (ja) リンク装置及び人工ハンド
CA2783542C (en) One motor finger mechanism
JP6752820B2 (ja) 人工手用の手の平ユニット
EP2239106B1 (en) Robot hand with human-like fingers
Van Ham et al. Compliant actuator designs
JP7402882B2 (ja) 背面支持されるアクチュエータ機構を備えるロボットエンドエフェクタ
US6244644B1 (en) Compact dexterous robotic hand
JP2018519867A (ja) 人工手用の指節の制御
JP2005524802A (ja) 人工筋肉
EP1885525A1 (en) Articulated joint
Schwarm et al. A floating-piston hydrostatic linear actuator and remote-direct-drive 2-dof gripper
Ko et al. Underactuated four-fingered hand with five electro hydrostatic actuators in cluster
Suzumori New robotics pioneered by fluid power
JP4729745B2 (ja) ロボットの駆動機構及びロボットハンド
US11173092B2 (en) Joint exoskeleton auxiliary driving mechanism
JPH0448592B2 (ja)
CN114131644A (zh) 机械手
Dong et al. Development of modular multi-degree-of-freedom hybrid joints and robotic flexible legs via fluidic elastomer actuators
WO2010022982A1 (en) Method for remote mechanism actuation and exoskeleton aptic interface based thereon
JP2009247734A (ja) 筋力補助装置
US10527072B1 (en) Actuator for rotating members
US20220371183A1 (en) Systems, devices, and methods for a hydraulic robotic arm
WO2024079513A1 (en) An actuator-driven bi-directional robotic finger for enhancing grasping force for end effectors and method thereof
CN114347078A (zh) 一种由液压和微型电机联合驱动的仿人灵巧手
JPH02185388A (ja) マニピュレータ等の指関節装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080805

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090805

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100805

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100805

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110805

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110805

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120805

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120805

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130805

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees