JP4729745B2 - ロボットの駆動機構及びロボットハンド - Google Patents

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Description

本発明は、多関節ロボットの駆動機構に関するものであり、特にロボットハンドの小型化とともに、大きな指先力を必要とする場合などに好適に利用できる駆動機構に関するものである。
多関節ロボットは、1つのアクチュエータで1つの関節を駆動するロボットや、1つのアクチュエータで複数の関節を駆動するロボットなど、多種多様存在する。例えば、特許文献1には、1つのアクチュエータで1つの関節を駆動するロボットハンドが記載されている。また、特許文献2には、1つのアクチュエータで複数の関節を駆動するロボットハンドが記載されている。
特許文献1に記載のように、ロボットの関節数と同じ数のアクチュエータを配置すると、複雑な動作が可能であると同時に、対象物に対して十分な操作力を加えることも可能になる。そのため、現在の産業用ロボットの多くは、関節数と同数のアクチュエータにより関節が駆動される構成になっている。しかしながら、この駆動構成を、ロボットハンドに適用する場合、アクチュエータ本体ならびにその駆動機構により、小型化は非常に難しい問題がある。
特許文献2に記載のように、1つのアクチュエータで複数の関節を駆動する構成の場合、小型化には非常に優れている。しかしながら、1つのアクチュエータで複数の関節を駆動するために、複雑な動作の実現は難しく、またアクチュエータのパワーが複数の関節で分散消費されるため対象物に対する操作力も弱くなる問題がある。
そのため、ロボットハンドの駆動構成としては、空間スペースに余裕があるような掌付近の関節は、関節数と同じアクチュエータで駆動し、空間スペースに余裕がない指先関節に関しては、1つのアクチュエータで2関節を駆動する方式が、例えば特許文献3や特許文献4に、記載されている。
特開2005−088147号公報 特開2003−181787号公報 特許第3245095号公報 特開2005−066803号公報
特許文献3や特許文献4の指先関節の駆動方式では、基節にアクチュエータを配置し、遠位指節間関節と近位指節間関節の2つの関節を、リンクアームを用いて連動駆動するように構成している。これにより、人間の手の形状に類似したハンドを構成できるだけでなく、人間の手の動作に類似した動作を実現することが可能になってきた。
しかしながら、特許文献3や特許文献4で用いられている駆動方式では、1つのアクチュエータで2つの関節を駆動しているために、アクチュエータのパワーが2つの関節で分散消費されるため対象物に対する操作力が弱くなると言う問題が引き続き存在している。特に、2つの関節に接続されている3つのリンクが伸展状態に近い状態では、対象物を操る際に対象物からの反力が高負荷となり、対象物を操るための力が不足する問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、1つのアクチュエータで2つの関節を駆動する機構において、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な多関節ロボット、特に小型化されたロボットハンドの駆動機構を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の解決手段によれば、第一リンクと第二リンクの接合部にある第一関節と、第二リンクと第三リンクの接合部にある第二関節の2つの関節を、1つのアクチュエータとリンクアームにより連動して駆動できるようにしたロボットの駆動機構において、アクチュエータを第一リンク又は第二リンクに配置し、リンクアームは、その一端部が第一リンクに設けられた第一支軸を介して回転可能に軸支されるとともに、他端部が第三リンクに設けられた第二支軸を介して回転可能に軸支され、高負荷がかかる姿勢において、前記第一支軸を、前記第一関節の軸と前記第二支軸を結ぶ線上に配置することにより、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な駆動機構を実現することができる。
このような本発明の解決手段によれば、高負荷がかかる姿勢において、第一支軸と第一関節の軸と第二支軸が直線上に並ぶようにしたため、特異姿勢の状態になる。そのため、受動関節である第二関節が仮想的に固定された状態となり、アクチュエータのパワーを第一関節のみの駆動に供給可能になり、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能となる。
本発明の第1のロボットの駆動機構によれば、基節中節末節を備えるとともに、基節中節の接合部に近位指節間関節と、中節末節の接合部に遠位指節間関節を備え、前記2つの関節を1つのアクチュエータとリンクアームにより連動して駆動できるようにしたロボットの駆動機構において、1つのアクチュエータを基節又は中節に配置して近位指節間関節を能動的に駆動し、リンクアームは、その一端部が基節に設けられた第一支軸を介して回転可能に軸支されるとともに、他端部が末節に設けられた第二支軸を介して回転可能に軸支され、基節の基節主リンク中節及び末節の末節主リンク伸ばしひろがって近位指節間関節の軸と遠位指節間関節の軸とをとおる一直線上に並ぶ姿勢である伸展姿勢にて、前記近位指節間関節の軸と前記第二支軸を結ぶ線が前記一直線と交差し、且つ、前記第一支軸を、前記近位指節間関節の軸と前記第二支軸を結ぶ線上に配置し、前記1つのアクチュエータにより近位指節間関節を能動的に動かすことにより遠位指節間関節を受動的に動かすようにしたことにより、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な駆動機構が実現できる。
本発明の第2のロボットの駆動機構によれば、基節中節末節を備えるとともに、基節中節の接合部に近位指節間関節と、中節末節の接合部に遠位指節間関節を備え、前記2つの関節を1つのアクチュエータとリンクアームにより連動して駆動できるようにしたロボットの駆動機構において、1つのアクチュエータを基節又は中節に配置して近位指節間関節を能動的に駆動し、リンクアームは、その一端部が基節に設けられた第一支軸を介して回転可能に軸支されるとともに、他端部が末節に設けられた第二支軸を介して回転可能に軸支され、基節の基節主リンク中節及び末節の末節主リンク伸ばしひろがって近位指節間関節の軸と遠位指節間関節の軸とをとおる一直線上に並ぶ姿勢である伸展姿勢にて、前記第一支軸を、前記近位指節間関節の軸と前記遠位指節間関節の軸を結ぶ線上に配置し、且つ、第一支軸と第二支軸を結ぶ線が前記一直線と交差し、前記1つのアクチュエータにより近位指節間関節を能動的に動かすことにより遠位指節間関節を受動的に動かすようにしたことにより、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な駆動機構が実現できる。
本発明の第3のロボットの駆動機構によれば、基節中節末節を備えるとともに、基節中節の接合部に近位指節間関節と、中節末節の接合部に遠位指節間関節を備え、前記2つの関節を1つのアクチュエータとリンクアームにより連動して駆動できるようにしたロボットの駆動機構において、1つのアクチュエータを基節又は中節に配置して近位指節間関節を能動的に駆動し、リンクアームは、その一端部が基節に設けられた第一支軸を介して回転可能に軸支されるとともに、他端部が末節に設けられた第二支軸を介して回転可能に軸支され、基節の基節主リンク中節及び末節の末節主リンク伸ばしひろがって近位指節間関節の軸と遠位指節間関節の軸とをとおる一直線上に並ぶ姿勢である伸展姿勢にて、前記第一支軸を、前記近位指節間関節の軸と前記第二支軸を結ぶ線と前記近位指節間関節の軸と前記遠位指節間関節の軸を結ぶ線に挟まれた鋭角のエリア内に配置し、且つ、前記第二支軸と前記遠位指節間関節の軸をとおる直線と前記近位指節間関節の軸と前記第一支軸をとおる直線が交差するように前記第一支軸を配置し、前記1つのアクチュエータにより近位指節間関節を能動的に動かすことにより遠位指節間関節を受動的に動かすようにしたことにより、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な駆動機構が実現できる。
本発明のロボットハンドは、上記第1乃至第3の何れかの駆動機構を備えた指を、少なくとも一指有することにより、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能なロボットハンドが実現できる。
本発明によるロボットの駆動機構によれば、1つのアクチュエータで2つの関節を駆動していることによる小型化した駆動機構と、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な駆動機構の両立が可能となる。これにより、特に空間スペースに余裕がないロボットハンドの指先関節に関しては、複雑な動作が可能であると同時に、対象物に対して十分な操作力を加えることも可能なロボットハンドを得ることができる。
以下、本発明を実施する場合の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明を一態様で実施するロボットハンドの指の構造を示す斜視図である。図1において、1は指、11は基節、12は中節、13は末節、14は中手、15は掌部、16はリンクアーム、21は近位指節間関節、22は遠位指節間関節、24は第二支軸、31はアクチュエータである。
なお、図1においては、より人間の指と類似した運動ができるように、図示しない2自由度を有する中手指節関節を有する構成にしているが、基節と中手と掌を一体化した構造であっても、本発明は適用することができる。
図2は、本発明の実施例1を示すロボットハンドの指の構造を示す側面図であり、図1と同じ符号については同じ部材を示しており、また、基節と中節の一部に関しては、分かり易くするために断面図で示している。
図2において、23は第一支軸、41は最終減速機構である。
基節11に配置されたアクチュエータ31の出力は、図示しない歯車やタイミングベルトなどの力伝達機構や減速機構を介して、遊星歯車機構やハーモニックドライブ(登録商標)などで構成される最終減速機構41の入力に伝達される。最終減速機構41の出力は、中節12に固定されている。そのため、アクチュエータ31により、基節11と中節12の接合部にある近位指節間関節21を、能動的に動かすことが可能な機構構成となっている。
なお、基節11の空間スペースに比べ、中節12の空間スペースに余裕がある場合には、アクチュエータ31を中節12に配置して、近位指節間関節21を、能動的に動かすことが可能な機構構成であっても、本発明は適用することができる。
また、中節12と末節13の接合部には、遠位指節間関節22が備えられるとともに、リンクアーム16は、その一端部が基節11に設けられた第一支軸23を介して回転可能に軸支されるとともに、他端部が末節13に設けられた第二支軸24を介して回転可能に軸支されている。そのため、アクチュエータ31により近位指節間関節21を能動的に動かすと、遠位指節間関節22を受動的に動かすことが可能な機構構成になっている。
図3は、図2に示す実施例1の関節可動の動作原理を概念的に示した図である。
11aは、基節11の一部であり、基節主リンクを表している。11bは、同じく基節11の一部であり、近位指節間関節21と第一支軸23を結ぶ基節枝リンクを表している。13aは、末節13の一部であり、末節主リンクを表している。13bは、同じく末節13の一部であり、遠位指節間関節22と第二支軸24を結ぶ末節枝リンクを表している。
基節枝リンク11b、中節12、末節枝リンク13b、リンクアーム16の各リンク長は不変であり、各リンク間の接合部は近位指節間関節21、遠位指節間関節22、第一支軸23、第二支軸24である。
図3に示す通り、アクチュエータ31により近位指節間関節21を中心に中節12を能動的に動かすと、基節枝リンク11bと中節12の相対関係が変化する。そのため、遠位指節間関節22、第一支軸23、第二支軸24で回転可能に軸支された末節枝リンク13b、リンクアーム16も、受動的に、基節枝リンク11bや中節12に対して相対関係が変化する。そのため、アクチュエータ31により、中節12と末節13の接合部である遠位指節間関節22を受動的に動かすことが可能な機構構成になっている。
図4は、本発明の実施例1の機構において、アクチュエータ31により、近位指節間関節21を能動的に、遠位指節間関節22を受動動的に動かした際の各関節の関係を示している。この図では、図3(a)に示す伸展状態での関節角をゼロとしている。
ところで、本発明の実施例1では、図2、図3(a)に示すように、基節11、中節12、末節13の伸展姿勢にて、第一支軸23を、近位指節間関節21の軸と第二支軸24を結ぶ線上に配置するようにしている。このような配置方法により、図3(a)の伸展姿勢は、本発明の実施例1の駆動機構における特異姿勢となる。
詳しく説明をすると、第一支軸23と近位指節間関節21の軸と第二支軸24が直線上に並ぶ状態は、第一支軸23にとって第二支軸24が一番遠い位置にある状態である。アクチュエータ31を片側又は反対側に関わらずこの伸展姿勢から動かすことにより、言い換えれば、近位指節間関節21の関節角が正転又は反転に関わらずこの伸展姿勢から動くことにより、第一支軸23と第二支軸24を結ぶ距離は短くなり、遠位指節間関節22の関節角が片側に可動する。従って、この伸展姿勢では、図4にも示される通り、近位指節間関節21の関節角変位量に対する遠位指節間関節22の関節角変位量はゼロであり、遠位指節間関節22の関節角が仮想的に固定された特異姿勢状態になることを意味している。
すなわち、本発明の実施例1では、基節11、中節12、末節13が伸展姿勢となり高負荷がかかる姿勢においても、アクチュエータ31のパワーを近位指節間関節21のみでの消費に費やすことができるため、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能になる。これにより、従来技術において問題となっていた、基節11、中節12、末節13が伸展姿勢となり高負荷がかかる姿勢において、アクチュエータ31のパワーが近位指節間関節21と遠位指節間関節22で分散消費されるため、対象物に対する操作力が弱くなると言う問題を、本発明の実施例1により解消することが可能になった。
なお、本発明の実施例1においても、近位指節間関節21の関節角が大きく曲がり、近位指節間関節21の関節角に連動して遠位指節間関節22の関節角も大きく曲がる姿勢においては、従来技術と同様に、アクチュエータ31のパワーは、近位指節間関節21と遠位指節間関節22で分散消費される。しかしながら、近位指節間関節21と遠位指節間関節22の関節角が大きく曲がった姿勢においては、末節13上で対象物に操作力を加えるポイントと近位指節間関節21の間の距離は短くなるために、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能である。
以上の説明の通り、本発明の実施例1によるロボットの駆動機構によれば、1つのアクチュエータで2つの関節を駆動していることによる小型化した駆動機構と、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な駆動機構の両立が可能となる。これにより、特に空間スペースに余裕がないロボットハンドの指先関節に関しては、複雑な動作が可能であると同時に、対象物に対して十分な操作力を加えることも可能なロボットハンドを得ることができる。
図5は、本発明の実施例2を示すロボットハンドの指の構造を示す側面図であり、図1及び図2と同じ符号については同じ部材を示しており、また、基節と中節の一部に関しては、本発明の実施例1の形態と同様に、分かり易くするために断面図で示している。
基節11に配置されたアクチュエータ31の出力は、図示しない歯車やタイミングベルトなどの力伝達機構や減速機構を介して、遊星歯車機構やハーモニックドライブ(登録商標)などで構成される最終減速機構41の入力に伝達される。最終減速機構41の出力は、中節12に固定されている。そのため、アクチュエータ31により、基節11と中節12の接合部にある近位指節間関節21を、能動的に動かすことが可能な機構構成となっている。
また、アクチュエータ31により近位指節間関節21を能動的に動かすと、遠位指節間関節22を受動的に動かすことが可能な機構構成になっている。
なお、基節11の空間スペースに比べ、中節12の空間スペースに余裕がある場合には、アクチュエータ31を中節12に配置して、近位指節間関節21を、能動的に動かすことが可能な機構構成であっても、本発明は適用することができる。
近位指節間関節21と遠位指節間関節22の駆動原理は、実施例1と同様であるので、詳述は省略する。なお、図6は、図5に示す実施例2の関節可動の動作原理を概念的に示した図であり、図6(a)では基節枝リンク11bと中節12が重なった状態で記載されている。
図7は、本発明の実施例2の機構において、アクチュエータ31により、近位指節間関節21を能動的に、遠位指節間関節22を受動動的に動かした際の各関節の関係を示している。この図では、図6(a)に示す伸展状態での関節角をゼロとしている。
ところで、本発明の実施例1と実施例2との違いは、第一支軸23の配置位置が異なる点である。
本発明の実施例2では、図5、図6(a)に示すように、基節11、中節12、末節13の伸展姿勢にて、第一支軸23を、近位指節間関節21の軸と遠位指節間関節22の軸を結ぶ線上に配置するようにしている。このような配置方法により、図6(a)の伸展姿勢から若干反り返った姿勢にて、本発明の実施例2の駆動機構における特異姿勢となる。
詳しく説明をすると、図6(c)に示すように、第一支軸23と近位指節間関節21の軸と第二支軸24が直線上に並ぶ状態は、第一支軸23にとって第二支軸24が一番遠い位置にある状態である。アクチュエータ31を片側又は反対側に関わらずこの伸展姿勢から動かすことにより、言い換えれば、近位指節間関節21の関節角が正転又は反転に関わらずこの伸展姿勢から動くことにより、第一支軸23と第二支軸24を結ぶ距離は短くなり、遠位指節間関節22の関節角が片側に可動する。従って、図6(c)に示す姿勢では、図7にも示される通り、近位指節間関節21の関節角変位量に対する遠位指節間関節22の関節角変位量はゼロであり、遠位指節間関節22の関節角が仮想的に固定された特異姿勢状態になることを意味している。
通常のロボットハンドでは、中節12の長さに比べ末節13の厚みは薄く、従って末節枝リンク13bの長さは中節12の長さに比べ十分短く、図6(c)に示す特異姿勢における遠位指節間関節22と近位指節間関節21と第一支軸23のなす角は近位指節間関節21の可動範囲角に比べ十分小さな値である。
すなわち、本発明の実施例2においても、基節11、中節12、末節13が伸展姿勢となり高負荷がかかる姿勢においても、アクチュエータ31のパワーをほぼ近位指節間関節21のみでの消費に費やすことができるため、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能になる。これにより、従来技術において問題となっていた、基節11、中節12、末節13が伸展姿勢となり高負荷がかかる姿勢において、アクチュエータ31のパワーが近位指節間関節21と遠位指節間関節22で分散消費されるため、対象物に対する操作力が弱くなると言う問題を、本発明の第二の実施例によっても解消することが可能になった。
なお、本発明の実施例2においても、近位指節間関節21の関節角が大きく曲がり、近位指節間関節21の関節角に連動して遠位指節間関節22の関節角も大きく曲がる姿勢においては、従来技術と同様に、アクチュエータ31のパワーは、近位指節間関節21と遠位指節間関節22で分散消費される。しかしながら、近位指節間関節21と遠位指節間関節22の関節角が大きく曲がった姿勢においては、末節13上で対象物に操作力を加えるポイントと近位指節間関節21の間の距離は短くなるために、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能である。
以上の説明の通り、本発明の実施例2によるロボットの駆動機構によれば、1つのアクチュエータで2つの関節を駆動していることによる小型化した駆動機構と、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な駆動機構の両立が可能となる。これにより、特に空間スペースに余裕がないロボットハンドの指先関節に関しては、複雑な動作が可能であると同時に、対象物に対して十分な操作力を加えることも可能なロボットハンドを得ることができる。
図8は、本発明の実施例3を示すロボットハンドの指の構造を示す側面図であり、図1、図2及び図5と同じ符号については同じ部材を示しており、また、基節と中節の一部に関しては、本発明の実施例1及び実施例2の形態と同様に、分かり易くするために断面図で示している。
近位指節間関節21と遠位指節間関節22の駆動原理は、実施例1や実施例2と同様であるので、詳述は省略する。
本発明の実施例3と実施例1及び実施例2との違いは、第一支軸23の配置位置が異なる点である。
本発明の実施例3では、図8に示すように、基節11、中節12、末節13の伸展姿勢にて、第一支軸23を、近位指節間関節21の軸と第二支軸24を結ぶ線上と近位指節間関節21の軸と遠位指節間関節22の軸を結ぶ線上に挟まれたエリアで、且つ、第二支軸24と遠位指節間関節22の軸を結ぶ直線と近位指節間関節21の軸と第一支軸23を結ぶ直線が交差するように、第一支軸23を配置している。
すなわち、本発明の実施例3では、実施例2で示した図6(c)の姿勢状態よりも、実施例1で示した図3(a)の伸展姿勢により近づいた姿勢にて特異姿勢になるように、第一支軸23を配置している。
すなわち、本発明の実施例3においても、基節11、中節12、末節13が伸展姿勢となり高負荷がかかる姿勢においても、アクチュエータ31のパワーをほぼ近位指節間関節21のみでの消費に費やすことができるため、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能になる。これにより、従来技術において問題となっていた、基節11、中節12、末節13が伸展姿勢となり高負荷がかかる姿勢において、アクチュエータ31のパワーが近位指節間関節21と遠位指節間関節22で分散消費されるため、対象物に対する操作力が弱くなると言う問題を、本発明の実施例2によっても解消することが可能になった。
なお、本発明の実施例3においても、近位指節間関節21の関節角が大きく曲がり、近位指節間関節21の関節角に連動して遠位指節間関節22の関節角も大きく曲がる姿勢においては、従来技術と同様に、アクチュエータ31のパワーは、近位指節間関節21と遠位指節間関節22で分散消費される。しかしながら、近位指節間関節21と遠位指節間関節22の関節角が大きく曲がった姿勢においては、末節13上で対象物に操作力を加えるポイントと近位指節間関節21の間の距離は短くなるために、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能である。
以上の説明の通り、本発明の実施例3によるロボットの駆動機構によれば、1つのアクチュエータで2つの関節を駆動していることによる小型化した駆動機構と、高負荷がかかる姿勢においても、対象物に対して十分な操作力を加えることが可能な駆動機構の両立が可能となる。これにより、特に空間スペースに余裕がないロボットハンドの指先関節に関しては、複雑な動作が可能であると同時に、対象物に対して十分な操作力を加えることも可能なロボットハンドを得ることができる。
本発明の一態様で実施するロボットハンドの指の構造を示す斜視図である。 本発明の実施例1を示すロボットハンドの指の構造を示す側面図である。 図2に示す実施例1の関節可動の動作原理を概念的に示した図である。 本発明の実施例1の機構において、アクチュエータにより、近位指節間関節を能動的に、遠位指節間関節を受動動的に動かした際の各関節の関係を示した図である。 本発明の実施例2を示すロボットハンドの指の構造を示す側面図である。 図5に示す実施例2の関節可動の動作原理を概念的に示した図である。 本発明の実施例2の機構において、アクチュエータにより、近位指節間関節を能動的に、遠位指節間関節を受動動的に動かした際の各関節の関係を示した図である。 本発明の実施例3を示すロボットハンドの指の構造を示す側面図である。
符号の説明
1 指
11 基節
11a 基節主リンク
11b 基節枝リンク
12 中節
13 末節
13a 末節主リンク
13b 末節枝リンク
14 中手
15 掌部
16 リンクアーム
21 近位指節間関節
22 遠位指節間関節
23 第一支軸
24 第二支軸
31 アクチュエータ
41 最終減速機構

Claims (4)

  1. 少なくとも基節中節末節を備えるとともに、基節中節の接合部に近位指節間関節と、中節末節の接合部に遠位指節間関節を備え、前記2つの関節を1つのアクチュエータとリンクアームにより連動して駆動できるようにしたロボットの駆動機構において、
    1つのアクチュエータを基節又は中節に配置して近位指節間関節を能動的に駆動し、リンクアームは、その一端部が基節に設けられた第一支軸を介して回転可能に軸支されるとともに、他端部が末節に設けられた第二支軸を介して回転可能に軸支され、
    基節の基節主リンク中節及び末節の末節主リンク伸ばしひろがって近位指節間関節の軸と遠位指節間関節の軸とをとおる一直線上に並ぶ姿勢である伸展姿勢にて、前記近位指節間関節の軸と前記第二支軸を結ぶ線が前記一直線と交差し、且つ、前記第一支軸を、前記近位指節間関節の軸と前記第二支軸を結ぶ線上に配置し、
    前記1つのアクチュエータにより近位指節間関節を能動的に動かすことにより遠位指節間関節を受動的に動かすようにしたことを特徴とするロボットの駆動機構。
  2. 少なくとも基節中節末節を備えるとともに、基節中節の接合部に近位指節間関節と、中節末節の接合部に遠位指節間関節を備え、前記2つの関節を1つのアクチュエータとリンクアームにより連動して駆動できるようにしたロボットの駆動機構において、
    1つのアクチュエータを基節又は中節に配置して近位指節間関節を能動的に駆動し、リンクアームは、その一端部が基節に設けられた第一支軸を介して回転可能に軸支されるとともに、他端部が末節に設けられた第二支軸を介して回転可能に軸支され、
    基節の基節主リンク中節及び末節の末節主リンク伸ばしひろがって近位指節間関節の軸と遠位指節間関節の軸とをとおる一直線上に並ぶ姿勢である伸展姿勢にて、前記第一支軸を、前記近位指節間関節の軸と前記遠位指節間関節の軸を結ぶ線上に配置し、且つ、第一支軸と第二支軸を結ぶ線が前記一直線と交差し、
    前記1つのアクチュエータにより近位指節間関節を能動的に動かすことにより遠位指節間関節を受動的に動かすようにしたことを特徴とするロボットの駆動機構。
  3. 少なくとも基節中節末節を備えるとともに、基節中節の接合部に近位指節間関節と、中節末節の接合部に遠位指節間関節を備え、前記2つの関節を1つのアクチュエータとリンクアームにより連動して駆動できるようにしたロボットの駆動機構において、
    1つのアクチュエータを基節又は中節に配置して近位指節間関節を能動的に駆動し、リンクアームは、その一端部が基節に設けられた第一支軸を介して回転可能に軸支されるとともに、他端部が末節に設けられた第二支軸を介して回転可能に軸支され、
    基節の基節主リンク中節及び末節の末節主リンク伸ばしひろがって近位指節間関節の軸と遠位指節間関節の軸とをとおる一直線上に並ぶ姿勢である伸展姿勢にて、前記第一支軸を、前記近位指節間関節の軸と前記第二支軸を結ぶ線と前記近位指節間関節の軸と前記遠位指節間関節の軸を結ぶ線に挟まれた鋭角のエリア内に配置し、且つ、前記第二支軸と前記遠位指節間関節の軸をとおる直線と前記近位指節間関節の軸と前記第一支軸をとおる直線が交差するように前記第一支軸を配置し、
    前記1つのアクチュエータにより近位指節間関節を能動的に動かすことにより遠位指節間関節を受動的に動かすようにしたことを特徴とするロボットの駆動機構。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項記載のロボットの駆動機構を備えた指を、少なくとも一指有することを特徴とするロボットハンド。
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