JP3705946B2 - 間仕切パネルの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間を仕切る間仕切パネルを、この空間に臨んで配置された既設の建物躯体面に取り付ける間仕切パネルの取付構造に係り、例えば、既設の壁面に対して後から任意の位置に間仕切パネルを取り付ける際などに利用できる。
【0002】
【背景技術】
従来より、建物内空間を仕切る間仕切壁を設置するにあたっては、壁面に沿って柱を立て、この柱により間仕切パネルの端部をくわえ込んで把持するか、あるいは壁面に印を付けておき、この印に従って釘打ち等で間仕切パネルを壁面に固定する等していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の間仕切壁の取付構造では、柱を立てる場合には、オフィス等には採用できるとしても一般住宅に採用するには外観上不適当であった。また、このような柱は間仕切パネルの端部をくわえ込んで把持する構造であることから、間仕切壁とこれを取り付ける壁面とで形成される入り隅部に柱の一部が突出する状態となるため、家具等をその入り隅部にきっちりと収めることができず、使い勝手が悪い等の不都合が生じていた。
【0004】
さらに、壁面に印を付けて施工する場合には、間仕切壁の取り付けを完了した状態で、室内から印が見えないようにしなければならないので、印が隠れるようにして間仕切壁を取り付けるか、あるいは間仕切壁を取り付けた後に印を消す等の後処理をする必要が生じ、施工に手間がかかるという問題があった。そして、間仕切壁の取付位置を変更する場合にも、変更前の取付位置には、印が残ってしまうので、これを消す等の処理をする必要が生じるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、間仕切パネルを建物躯体面に容易に取り付けることができるとともに、外観が良好でかつ使い勝手のよい間仕切パネルの取付構造を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、空間を仕切る間仕切パネルを、この空間に臨んで配置された既設の建物躯体面に取り付ける間仕切パネルの取付構造であって、間仕切パネルの端面には、溝部が形成され、建物躯体面には、この建物躯体面から空間側に突出する状態で位置決め部材が設けられ、間仕切パネルは、位置決め部材が溝部内に挿入嵌合されることにより建物躯体面に対して位置決めされていることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、間仕切パネルは、主として鉛直方向に立てた状態で配置される間仕切壁パネルを意味するが、壁パネルに限定されるものではなく、例えば、床の間に設けられる飾り棚、あるいは壁面に直接に設けられる本棚やテーブルや二段ベッドの上段部分等、水平方向に寝かせた状態で配置される間仕切パネルであってもよく、いずれの方向に配置されるパネルであるかは問わない趣旨である。
【0008】
また、間仕切パネルによって仕切られるべき「空間」とは、建物内空間のみならず、建物の外側の空間も含み、例えば、ベランダ空間を仕切るベランダ用間仕切パネル等も本発明の対象となる。
【0009】
さらに、建物躯体面とは、間仕切パネルによって仕切られるべき空間の周囲に配置される建物構成要素からなる面(空間が建物内空間であれば、この建物内空間を囲んで形成する空間形成面)をいい、壁面、床面、天井面等が含まれる。そして、「既設の」建物躯体面としているのは、必ずしも新築後ある程度時間を経過した時点で後から間仕切パネルを取り付けたり、あるいはその取り付け位置を変更することのみを意味するものではなく、新築の建物に間仕切パネルを取り付ける場合も含まれるものであり、要するに、間仕切パネルを取り付ける際に、その取付対象面である建物躯体面が既に存在していればよい趣旨である。
【0010】
また、間仕切パネルは、空間を完全に仕切ることができるものである必要はなく、空間を部分的に仕切るものも含まれるものである。例えば、間仕切壁パネルを壁面に取り付ける場合には、間仕切壁パネルは、必ずしも床面から天井面に至る高さ寸法を有している必要はなく、床面には接しているが天井面には至らない高さ寸法の間仕切壁パネル(いわゆるローパーテーションを含む。)であってもよく、あるいは逆に天井面には接しているが床面には至らない高さ寸法の間仕切壁パネルであってもよく、さらには天井面にも床面にも接しない状態で壁面に取り付けられる間仕切壁パネル(例えば、トイレの区画壁パネル等)であってもよい。
【0011】
そして、間仕切パネルには、出入口や窓等の開口部が形成されていてもよい。
【0012】
また、間仕切パネルの端面のうち建物躯体面に取り付けられる端面とは反対側の端面は、自由端としてもよく、他の間仕切パネルの端面と連結されるものとしてもよく、反対側の建物躯体面に取り付けられるものとしてもよい。
【0013】
さらに、間仕切パネルは、合成樹脂、木材、金属等、任意の材料で形成してよい。そして、間仕切パネルの端面の溝部は、C形断面鋼材、H形断面鋼材等を用いれば容易に形成することができるが、これに限定されるものではなく、木材や合成樹脂等の他の材料で形成してもよい。
【0014】
また、溝部は、間仕切パネルの端面の長手方向につきその全長に渡って連続して形成しておくことが、パネル製造上の観点および位置決め部材の挿入嵌合の容易性の観点、並びに位置決め部材に対する摺動自在性に伴う現場取付作業の容易性の観点等から好ましいが、連続形成に限定されるものではなく、例えば、所定ピッチで複数形成する等の断続的形成としてもよく、要するに、位置決め部材を挿入嵌合できればよい。
【0015】
さらに、位置決め部材は、連続形成された長尺部材とすることが、製造上の観点および建物躯体面への設置の容易性の観点等から好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、所定ピッチで複数設ける等して断続的設置としてもよく、要するに、間仕切パネルの端面の溝部内に挿入嵌合できればよい。なお、位置決め部材を断続的設置とした場合には、溝部は、それに対応させて断続的形成としてもよく、あるいは連続形成としてもよい。
【0016】
このような本発明においては、間仕切パネルを既設の建物躯体面に取り付けるにあたっては、建物躯体面に位置決め部材を予め設けておき、この位置決め部材を間仕切パネルの端面に形成された溝部内に挿入嵌合させることにより、建物躯体面に対して間仕切パネルを位置決めして取り付ける。
【0017】
このため、間仕切パネルの取り付けにあたって、従来のように柱を立てる必要はないので、室内に取り付けた場合でもその外観を損なうことはなく、柱を立てない仕様の場合、例えば、一般住宅の場合等にも好適に用いることが可能となる。そして、ベランダ用間仕切パネル等の如く、建物の外側に取り付けた場合であっても、室内の場合と同様に外観を良好に保つことができる。
【0018】
また、位置決め部材は、間仕切パネルの端面に形成された溝部内に挿入嵌合されるので、柱を立ててその柱により間仕切パネルの端部をくわえ込んで把持するという従来の取付構造において生じていた不都合、すなわち間仕切パネルと建物躯体面とで形成される入り隅部に家具等をきっちりと収めることができず、使い勝手が悪い等の不都合を解消することができるようになる。
【0019】
さらに、建物躯体面のパネル取付位置に位置決め部材を予め設けておくだけで、間仕切パネルの位置決めを行うことができるので、従来のような印を付ける作業を行う必要はなくなり、施工作業の簡易化が図られ、これらにより前記目的が達成される。
【0020】
また、前述した間仕切パネルの取付構造において、間仕切パネルの端面と建物躯体面との間に形成された隙間には、この隙間を塞ぐ目隠し部材が配置され、位置決め部材は、目隠し部材を圧入固定するための凹部を形成している構造とすることが好ましい。
【0021】
ここで、「凹部を形成している」とは、位置決め部材が、目隠し部材を圧入固定するための凹部の全体を形成している場合のみならず、凹部の一部分を形成している場合も含むものである。従って、この凹部は、位置決め部材のみにより形成されていてもよく、あるいは位置決め部材および建物躯体面により形成されていてもよい。
【0022】
このように位置決め部材により、目隠し部材を圧入固定するための凹部を形成するようにした場合には、位置決め部材に、間仕切パネルの取付位置の位置決め機能と、目隠し部材の固定機能とを持たせることができるようになり、部材の削減が図られる。
【0023】
さらに、前述した間仕切パネルの取付構造において、目隠し部材または位置決め部材の少なくとも一方には、目隠し部材の圧入方向に並べられた複数の細かい凹凸が形成されていることが好ましい。
【0024】
このように複数の細かい凹凸を形成した場合には、目隠し部材の圧入が容易になるとともに、一旦圧入した後には、目隠し部材が抜けにくくなり固定が確実なものとなる。
【0025】
なお、製造が容易である等の観点から、上述したように複数の細かい凹凸を形成することが好ましいが、このような凹凸を形成する代わりに、例えば、目隠し部材または位置決め部材の少なくとも一方に中空ゴム等の弾性部材を設けておいても略同様な効果を得ることが可能である。
【0026】
また、位置決め部材の材質は、合成樹脂、金属、木材、セラミック等、任意であり、その製法も材質に応じて射出成形、プレス加工等、任意であるが、特に、位置決め部材をアルミ合金または合成樹脂等の押出成形品としておけば、同一断面形状を有する長尺部材を容易に形成することができ、また、量産にも適しているので好ましい。なお、目隠し部材の材質および製法についても同様である。
【0027】
さらに、前述した間仕切パネルの取付構造において、間仕切パネルが、空間の仕切位置に複数連結した状態で配置される場合には、次のようにすることが好ましい。すなわち、これらの互いに連結された間仕切パネルの対向する端面には、それぞれ溝部が形成され、これらの各溝部内には、互いに凹凸嵌合される嵌合部を有する連結部材が挿入設置されていることが好ましい。
【0028】
ここで、連結部材は、間仕切パネルの端面の長手方向につき全長に渡って設置される長さを有する長尺部材としておくことが、製造上の観点および溝部内への挿入設置作業の容易性の観点等から好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、間仕切パネルの端面に、所定ピッチで複数設ける等の断続的設置としてもよい。また、これに伴い、連結部材が挿入設置される溝部も、間仕切パネルの端面の長手方向につき全長に渡って連続形成してもよく、断続的形成としてもよい。
【0029】
さらに、「互いに凹凸嵌合される嵌合部を有する連結部材」とは、対向する端面のうち一方の端面に形成された溝部内に挿入配置される連結部材(以下、一方の連結部材という。)が嵌合部として一つの凹部を有している場合には、他方の端面に形成された溝部内に挿入配置される連結部材(以下、他方の連結部材という。)は、これと嵌合する一つの凸部を嵌合部として有していることを意味する。また、一方の連結部材が嵌合部として二以上の凹部を有している場合には、他方の連結部材は、これらと嵌合する同数の凸部を嵌合部として有していることを意味する。さらに、一方の連結部材が嵌合部として凹部および凸部を有している場合には、他方の連結部材は、これらと嵌合する凸部および凹部を有していることを意味し、この場合において、凹部または凸部のいずれか一方または双方が複数(例えば、一つの凸部および二つの凹部、二つの凸部および一つの凹部、二つの凸部および二つの凹部等)になっていても同様であり、相手方の連結部材は、それに対応する個数の凸部および凹部を有していることを意味する。
【0030】
そして、上記の嵌合部の凹凸配置についての説明は、凹部または凸部の個数がが単数であるか複数であるかにかかわらず、間仕切パネルの端面の厚さ方向について解釈してもよく、あるいは長手方向について解釈してもよく、さらには厚さ方向および長手方向を組み合わせて解釈してもよい。例えば、後述する図2、図11、図12、図13等の如く、厚さ方向について凹部または凸部が複数個設けられている場合のみならず、同じような凹凸配置を長手方向について考えてもよい。従って、嵌合部は、間仕切パネルの端面の長手方向の全長に渡って連続形成されている必要はなく、断続的形成であってもよいことになる。なお、嵌合部の凹凸配置は、互いに連結される間仕切パネルの対向する端面どうしが、長手方向に摺動自在となるようにしておくことが、現場でのパネル取付作業の容易化を図ることができるという点で好ましい。
【0031】
また、連結部材の材質は、合成樹脂、金属、木材、セラミック等、任意であり、その製法も材質に応じて射出成形、プレス加工等、任意であるが、特に、連結部材をアルミ合金または合成樹脂等の押出成形品としておけば、同一断面形状を有する長尺部材を容易に形成することができ、また、量産にも適しているので好ましい。
【0032】
さらに、「空間の仕切位置に複数連結した状態で配置」とは、建物躯体面である壁面から対向壁面に向かって、各間仕切パネルを鉛直方向に立てた状態において横方向に複数並べる場合、あるいは建物躯体面である床面から天井面に向かって若しくは天井面から床面に向かって、各間仕切パネルを鉛直方向に立てた状態において縦方向に複数並べる場合を含むほか、建物躯体面である壁面から対向壁面に向かって、各間仕切パネルを水平方向に寝かせた状態において複数並べる場合等をも含むものである。言い換えれば、各間仕切パネルを面として見た場合におけるその面の法線方向は、いずれの方向であってもよく、各間仕切パネルの並びの方向も、その面に沿う方向であれば任意である。
【0033】
このように嵌合部を有する連結部材を溝部内に挿入設置するようにした場合には、嵌合部の凹凸嵌合により連結が確実に行われることに加え、間仕切パネルを連結した状態において、連結部材が間仕切パネルの端面に形成された溝部内に収まってパネルの周囲にいる者から見えなくなるため、外観が良好なものとなり、一般住宅にも好適に採用することができるようになる。そして、嵌合部の凹凸嵌合による連結であるため、互いに連結された間仕切パネルの端面どうしの間の隙間から、間仕切パネルで仕切った向こう側の空間が見えてしまうというような不都合はなくなり、プライバシーの保護も図られるようになる。
【0034】
また、間仕切パネルの端面の連結部分を、間仕切パネル本体とは別部材(本体から分離可能な部材)である連結部材としたので、この連結部材を他の種類の嵌合形態(異なる形状の嵌合部)を有するものに取り替えることにより、同じ間仕切パネル本体(以下、連結部材を除いた状態の間仕切パネルを「間仕切パネル本体」と呼ぶ。)の下で、連結部分の構造の異なる複数種類の間仕切パネルを形成可能となり、多様な連結構造を実現できるようになる。
【0035】
例えば、現場において間仕切パネルを180度回転させて表裏を逆にした状態でも建物躯体面への取付や間仕切パネルどうしの連結を行うことができ、間仕切パネルの表裏を考慮しないで設置作業を行うことができる連結構造(例えば、後述の図2の場合等)とし、現場における施工の容易化を図ることが可能である。また、逆に、形成すべき間仕切壁の表裏の装飾を異ならせたいとき等に、現場において間仕切パネルの表裏が必ず一定に揃うような連結構造(例えば、後述の図10の場合等)としたり、あるいは形成すべき間仕切壁の所定の位置に窓等の開口部を設けたいとき等に、現場において間仕切パネルの配置順序が必ず予定した通りの順序になるような連結構造(例えば、後述の図11の場合等)としたりすることで、現場における施工ミスを未然に防止することも可能である。いずれにしても、目的に応じた各種の連結部材を用意しておくことで、間仕切パネル本体の構造を変えずに各目的を達成することができるようになる。
【0036】
さらに、連結部材を挿入設置する溝部と、位置決め部材を挿入嵌合させる溝部とを、例えば、同じタイプのC形断面鋼材で形成する等して同一形状としておけば、間仕切パネル本体の両側の端面が同一構造(同一形状の溝部を備えた構造)となることから、間仕切パネル本体の構造が簡易化され、製造の容易化を図ることが可能となる。
【0037】
そして、このように間仕切パネル本体の両側の端面を同一構造とすることにより、一番端に配置されて建物躯体面に取り付けられる間仕切パネル本体と、中間位置に配置される間仕切パネル本体とを、同じものにすることができるか、または幅のみが異なるものとすることができるので、全体として間仕切パネル本体の構成部品数の削減を図ることが可能となる。
【0038】
さらに、このような嵌合部の凹凸嵌合による連結構造を、ベランダ用間仕切パネルどうしの連結部分に適用した場合には、火災時等の非常時において、ベランダ用間仕切パネルの連結を蹴破ること等が可能となるので、隣接する空間へ脱出することができるようになる。
【0039】
また、前述した間仕切パネルの取付構造において、間仕切パネルが、空間の仕切位置に複数連結した状態で配置される場合には、次のようにすることが好ましい。すなわち、これらの互いに連結された間仕切パネルの対向する端面のうちの一方の端面には、間仕切パネルの厚さ方向中央位置を基準として対称位置に少なくとも一対の凹部および凸部が配置形成され、他方の端面には、これらの凹部および凸部と嵌合される少なくとも一対の凸部および凹部が間仕切パネルの厚さ方向中央位置を基準として対称位置に配置形成されていることが好ましい。
【0040】
ここで、「厚さ方向中央位置を基準として対称位置に少なくとも一対の凹部および凸部が配置形成」とは、厚さ方向中央位置から見て片側に凹部が形成されている場合には、厚さ方向中央位置から見てその反対側に凸部が形成され、これらの対になる凹部と凸部とは、厚さ方向中央位置から等しい距離に配置されているという意味である。
【0041】
また、「少なくとも一対」であるから、凹部と凸部とは、同数であれば複数個ずつ配置されていてもよい。そして、複数個ずつ配置する際には、凹部と凸部とが厚さ方向中央位置を挟んで両側に対をなして配置されていれば、凹凸の配置順は任意である(後述の図12、図13参照)。なお、ここで「一対」と呼んでいるのは、同じ端面において厚さ方向中央位置を挟んで両側に対称に配置されている凹部および凸部のことを指しているものであり、対向する端面に配置されて互いに嵌合する凹部および凸部のことを指しているものではない。
【0042】
さらに、「少なくとも一対の凹部および凸部」および「これらの凹部および凸部と嵌合される少なくとも一対の凸部および凹部」は、間仕切パネル本体とは別部材である前述した連結部材に形成されていてもよく、あるいは間仕切パネル本体と一体に形成されたものであってもよい。
【0043】
また、このような厚さ方向中央位置を基準とした凹部および凸部の対称配置は、間仕切パネルの端面の長手方向の各位置毎に個別に実現されていればよく、長手方向の全長に渡って同じ配置である必要はない。例えば、間仕切パネルの端面の長手方向のある位置における断面形状が、後述する図5のような断面形状の場合でも、他の位置における断面形状は、これと同一の断面形状である必要はなく、後述する図12や図13のような異なる断面形状であってもよく、それぞれの断面において、対称配置が実現されていればよい。従って、凹部および凸部は、間仕切パネルの端面の長手方向の全長に渡って連続形成されている必要はなく、断続的形成であってもよいことになる。なお、各位置における断面形状を同一としておけば、互いに連結される間仕切パネルの対向する端面どうしが、長手方向に摺動自在となることから、現場でのパネル取付作業の容易化を図ることができるという点で好ましい。
【0044】
そして、「空間の仕切位置に複数連結した状態で配置」とは、前述した嵌合部を有する連結部材を溝部内に挿入設置するようにした場合と全く同様であり、各間仕切パネルを面として見た場合におけるその面の法線方向は、いずれの方向であってもよく、各間仕切パネルの並びの方向も、その面に沿う方向であれば任意である。
【0045】
このように間仕切パネルの厚さ方向中央位置を基準として対称位置に凹部および凸部を配置形成した場合には、一方の端面の「凹部および凸部」と他方の端面の「凸部および凹部」との嵌合により連結が確実に行われることに加え、これらの互いに嵌合される「凹部および凸部」と「凸部および凹部」とが、連結される間仕切パネルどうしの対向する端面に形成されていることから、間仕切パネルを連結した状態において、パネルの周囲にいる者からこれらの連結部分は見えないため、外観が良好なものとなり、一般住宅にも好適に採用することができるようになる。そして、一方の端面の「凹部および凸部」と他方の端面の「凸部および凹部」との嵌合による連結であるため、互いに連結された間仕切パネルの端面どうしの間の隙間から、間仕切パネルで仕切った向こう側の空間が見えてしまうというような不都合はなくなり、プライバシーの保護も図られるようになる。
【0046】
また、対向する端面のうち一方の端面の「凹部および凸部」並びに他方の端面の「凸部および凹部」は、それぞれ各自の端面において厚さ方向中央位置を基準として対称位置に配置形成されているので、一方の端面の「凹部および凸部」を180度回転させると、他方の端面の「凸部および凹部」の配置状況と一致することになる(後述の図5中の二点鎖線参照)。
【0047】
従って、間仕切パネルを空間の仕切位置に複数連結した状態で配置する場合において、一番端に配置されて建物躯体面に取り付けられる間仕切パネルは、180度回転させて表裏を逆にすると、反対側の建物躯体面に取り付けることが可能となり(後述の図2参照)、部材数の削減が図られる。また、中間位置に配置される間仕切パネルも、180度回転させて表裏を逆にすると、回転前の状況と全く同じ状況にすることが可能となるので(後述の図2参照)、連結作業を行うにあたって、間仕切パネルの表裏に注意を払う必要がなくなり、施工が容易になる。
【0048】
なお、形成すべき間仕切壁の種類や目的によっては、このような180度回転した設置を許容しない連結構造(例えば、後述の図11の場合等)にあえてすることも可能である。
【0049】
また、このような厚さ方向中央位置を基準とした凹部および凸部の対称配置による連結構造を、ベランダ用間仕切パネルどうしの連結部分に適用した場合には、火災時等の非常時において、ベランダ用間仕切パネルの連結を蹴破ること等が可能となるので、隣接する空間へ脱出することができるようになる。
【0050】
なお、前述した嵌合部を有する連結部材を溝部内に挿入設置する連結構造、および厚さ方向中央位置を基準とした凹部および凸部の対称配置による連結構造は、本発明においては、間仕切パネルの連結に適用されているが、これらの連結構造は、本発明のような間仕切パネルに限らず、壁パネルや床パネルや天井パネル等の建材パネル一般に広く応用できるものである。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4には、本実施形態の間仕切壁パネル10〜13の取付構造を採用して建物内空間に設置された間仕切壁1が示されている。図1は、間仕切壁1の正面図であり、図2は、図1のA−A線断面図、すなわち間仕切壁1の水平断面図であり、図3は、図1のB−B線断面図、すなわち間仕切壁1の縦断面図である。また、図4は、間仕切壁パネル10の取付構造を示す分解斜視図である。
【0052】
図1において、建物躯体面である床面2、天井面3および左右の壁面4に囲まれて形成された建物内空間には、間仕切壁1が設置され、建物内空間は、この間仕切壁1により紙面手前側の空間と奥側の空間とに完全に仕切られている。間仕切壁1は、既設の床面2、天井面3および左右の壁面4に対し、後から自在な仕切位置に取り付けることができる可動の間仕切壁であり、左右方向に複数枚(ここでは、4枚とする。)の間仕切壁パネル10〜13を連結配置して形成されている。
【0053】
図2において、各間仕切壁パネル10,11,12,13は、C形断面鋼材により枠状に形成された骨組み14と、この骨組み14の表裏(必ずしも表裏の区別があるわけではないが、以下、説明の便宜上このように呼ぶ。)に接着剤等で固定された面材15,16と、これらの面材15,16の間に充填された断熱材17とにより構成された本体10A,11A,12A,13Aを備えている。
【0054】
左右の壁面4に取り付けられた二枚の間仕切壁パネル10,13は、同じ幅寸法H1を有する全く同様な構成のものである。また、中間位置に配置された二枚の間仕切壁パネル11,12は、同じ幅寸法H2を有する全く同様な構成のものである。なお、H1=H2として四枚の間仕切壁パネル10〜13の幅寸法を全て同じとしてもよく、そうすることで部材点数の削減を図ることができる。
【0055】
図2および図4において、左右の壁面4には、壁面4から建物内空間側に突出する状態で太字T形断面形状を有する位置決め部材20がビス21により固定されている。この位置決め部材20は、アルミ合金または合成樹脂等の押出成形品である。一方、各間仕切壁パネル10,13の左右の壁面4側の端面には、骨組み14を構成するC形断面鋼材の開口部により溝部22が形成されている。そして、各位置決め部材20は、各溝部22内に挿入嵌合され、これにより各間仕切壁パネル10,13は、左右の壁面4に対して位置決めされている。
【0056】
また、各間仕切壁パネル10,13の左右の壁面4側の端面と、左右の壁面4との間には、寸法Sの隙間31が形成され、この隙間31を塞ぐようにして目隠し部材30が配置されている。この目隠し部材30は、アルミ合金または合成樹脂等の押出成形品である。目隠し部材30は、位置決め部材20および壁面4により形成された凹部23に圧入固定されている。そして、目隠し部材30の壁面4に接触する面には、圧入方向(図4中の矢印Cの方向)に並べられた複数の細かい凹凸32が形成されている。
【0057】
図2において、左側の壁面4に取り付けられた間仕切壁パネル10とこれに連結された間仕切壁パネル11との対向する端面には、骨組み14を構成するC形断面鋼材の開口部によりそれぞれ溝部40が形成されている。また、右側の壁面4に取り付けられた間仕切壁パネル13とこれに連結された間仕切壁パネル12との対向する端面にも、同様にそれぞれ溝部40が形成されている。そして、これらの各溝部40内には、アルミ合金または合成樹脂等の押出成形品であるパネル連結用の連結部材41が挿入設置されている。
【0058】
図5には、間仕切壁パネル10と間仕切壁パネル11との連結構造の拡大図が分解状態で示されている。なお、間仕切壁パネル11と間仕切壁パネル12との連結構造、および間仕切壁パネル12と間仕切壁パネル13との連結構造も全く同様である。
【0059】
図5において、各連結部材41は、パネル厚さ方向中央位置Kを基準として対称位置に一対の凹部42および凸部43を有する。間仕切壁パネル10側の溝部40内に挿入設置された連結部材41と間仕切壁パネル11側の溝部40内に挿入設置された連結部材41とは全く同じ構成のものであるが、ここでは説明の便宜上、間仕切壁パネル10側にAの添え字を、間仕切壁パネル11側にBの添え字を付すものとする。
【0060】
間仕切壁パネル10側の連結部材41Aにおいて、凹部42Aと凸部43Aとは、パネル厚さ方向中央位置Kから等しい距離に対をなして配置され、同様に、間仕切壁パネル11側の連結部材41Bにおいて、凹部42Bと凸部43Bとは、パネル厚さ方向中央位置Kから等しい距離に対をなして配置されている。そして、凹部42Aと凸部43Bとが互いに凹凸嵌合し、また、凹部42Bと凸部43Aとが互いに凹凸嵌合し、これらはパネル連結のために互いに凹凸嵌合される嵌合部として機能する。従って、連結部材41Aを図5上において紙面直交方向の軸を中心として180度回転させると、図中二点鎖線に示すように連結部材41Bの凹凸配置状況と一致することがわかる。
【0061】
図3において、天井面3には、天井面3から建物内空間側に突出する状態で略ホームベース形断面形状を有する位置決め部材50がビス51により固定されている。この位置決め部材50は、アルミ合金または合成樹脂等の押出成形品である。一方、間仕切壁パネル10の上側の端面には、骨組み14を構成するC形断面鋼材の開口部により溝部52が形成されている。そして、間仕切壁パネル10は、床面2に置かれた二個のアジャスト装置60(図1参照)で下側の端面を押し上げられて支持され、これにより間仕切壁パネル10の上側の端面は、クッション材53を介して天井面3に当接されるようになっている。この際、位置決め部材50が溝部52内に挿入嵌合されることにより、間仕切壁パネル10の天井面3に対する位置決めが行われるようになっている。他の間仕切壁パネル11〜13も同様である。
【0062】
図6には、アジャスト装置60の分解斜視図が示されている。図3および図6において、アジャスト装置60は、板金の折り曲げ品である基台61と、これに頭を溶接されて固定されたねじ棒62と、ねじ棒62に螺合されるナット63,64と、板金の折り曲げ品であるスペーサ65とを備えて構成されている。
【0063】
また、間仕切壁パネル10の下側の端面に配置された骨組み14を構成するC形断面鋼材のウェブには、ねじ棒62を通す貫通孔66が形成され、スペーサ65の下面部65Aにも、ねじ棒62を通す貫通孔65Bが形成されている。
【0064】
このようなアジャスト装置60による間仕切壁パネル10の押し上げは、次のようにして行う。すなわち、先ず、ねじ棒62が倒立状態で一体化されている基台61を床面2に置き、ねじ棒62にナット63,64およびスペーサ65を通してこれらを下まで降ろしておく。次に、骨組み14に形成された貫通孔66にねじ棒62の先端を下方から挿入し、間仕切壁パネル10を基台61の直上に配置する。
【0065】
続いて、ナット63,64およびスペーサ65を上昇させることにより、スペーサ65の受け部65Cを骨組み14のウェブに当接させ、さらに下側のナット63を上昇させることにより、スペーサ65を介して間仕切壁パネル10を押し上げ、間仕切壁パネル10の上側の端面に取り付けたクッション材53を天井面3に当接させる。この状態では、ねじ棒62のうち下側のナット63よりも下側の部分には、圧縮応力がかかっているが、下側のナット63よりも上側の部分は、無応力状態である。なお、間仕切壁パネル10を持ち上げることにより、溝部52内に位置決め部材50を挿入嵌合させるとともにクッション材53を天井面3に押し当てておき、この状態を保持したままでナット63,64およびスペーサ65を上昇させ、スペーサ65の受け部65Cを骨組み14のウェブに当接させるとともに下側のナット63を締め込むようにしてもよい。
【0066】
その後、上側のナット64を下降する方向に回して締め、ねじ棒62のうち上下のナット64,63間の部分に引張応力を生じさせることにより、スペーサ65の下面部65Aをダブルナットで挟み込み、スペーサ65をねじ棒62に固定する。
【0067】
そして、図3において、アジャスト装置60による間仕切壁パネル10の押し上げにより、床面2と間仕切壁パネル10の下側の端面との間に形成された隙間には、この隙間を目隠しするための軟質材料からなる巾木70が配置されている。
【0068】
巾木70は、その上部に二股部71を有し、この二股部71により骨組み14のフランジおよび面材15,16の下端縁を挟み込むとともに、その下部にフック部72を有し、このフック部72の上面を基台61に形成された板状突起部61Aの下面に係止させることにより、間仕切壁パネル10に固定されている。他の間仕切壁パネル11〜13にも同様に巾木70が取り付けられている(図1参照)。
【0069】
このような本実施形態においては、以下のようにして間仕切壁パネル10〜13を用いて建物内空間の所望の位置に間仕切壁1を設置する。
【0070】
先ず、間仕切壁1を設置すべき所望の位置を定め、その定めた仕切位置において、左右の壁面4に位置決め部材20を固定するとともに(図2、図4参照)、天井面3に位置決め部材50を固定する(図3参照)。
【0071】
次に、左右の端に配置される間仕切壁パネル10,13の端面の溝部22内に位置決め部材20を挿入嵌合させながら間仕切壁パネル10,13を左右の壁面4に取り付ける(図2、図4参照)。
【0072】
続いて、中間位置に配置される間仕切壁パネル11,12を用意し、間仕切壁パネル10〜13の各連結部材41の凹部42および凸部43を凹凸嵌合させることにより、全ての間仕切壁パネル10〜13を連結する(図2、図5参照)。
【0073】
その後、間仕切壁パネル10〜13を持ち上げ、アジャスト装置60を間仕切壁パネル10〜13の直下に配置する(図3参照)。なお、この段階では、各間仕切壁パネル10〜13は、個別に上下にスライドさせることが可能であるから、アジャスト装置60の配置作業は、四枚の間仕切壁パネル10〜13を同時に持ち上げて行ってもよいが、一枚ずつ持ち上げて行ってもよい。
【0074】
そして、間仕切壁パネル10〜13をアジャスト装置60により押し上げることにより、各間仕切壁パネル10〜13の上側の端面の溝部52内に位置決め部材50を挿入嵌合させる(図3参照)。なお、間仕切壁パネル10〜13を持ち上げることにより、溝部52内に位置決め部材50を挿入嵌合させておき、この状態を保持したままでアジャスト装置60を操作し、間仕切壁パネル10〜13の高さ位置を保持するようにしてもよい。
【0075】
最後に、目隠し部材30および巾木70を取り付けて(図1参照)、間仕切壁パネル10〜13の端面と左右の壁面4や床面2との間の隙間を塞ぎ、間仕切壁1の設置を完了する。
【0076】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、間仕切壁パネル10〜13を用いて間仕切壁1を設置するにあたり、各間仕切壁パネル10,13の端面の溝部22内に、左右の壁面4に設けられた位置決め部材20を挿入嵌合するとともに(図2、図4参照)、各間仕切壁パネル10〜13の上側の端面の溝部52内に、天井面3に設けられた位置決め部材50を挿入嵌合させることにより(図3参照)、間仕切壁パネル10〜13の位置決めを行うことができる。
【0077】
このため、従来のように柱を立てる必要はないので、室内の外観を損なうことはなく、柱を立てない仕様の場合、例えば、一般住宅の場合等にも好適に用いることができる。
【0078】
また、位置決め部材20は、各間仕切壁パネル10,13の端面に形成された溝部22内に挿入嵌合されるので、柱を立ててその柱により各間仕切壁パネル10,13の端部をくわえ込んで把持するという従来の取付構造において生じていた不都合、すなわち各間仕切壁パネル10,13と左右の壁面4とで形成される入り隅部に家具等をきっちりと収めることができず、使い勝手が悪い等の不都合を解消することができる。
【0079】
さらに、位置決め部材20,50を所望の仕切位置に予め設けておくだけで、間仕切壁パネル10〜13の位置決めを行うことができるので、従来のような印を付ける作業を行う必要はなくなり、施工作業の簡易化を図ることができる。
【0080】
また、位置決め部材20により、目隠し部材30を圧入固定するための凹部23を形成するようにしたので(図2、図4参照)、位置決め部材20に、間仕切壁パネル10,13の取付位置の位置決め機能と、目隠し部材30の固定機能とを持たせることができ、部材の削減を図ることができる。
【0081】
さらに、目隠し部材30には、目隠し部材30の圧入方向(図4中の矢印Cの方向)に並べられた複数の細かい凹凸32が形成されているので、目隠し部材30の圧入を容易に行うことができるうえ、一旦圧入した後には、抜けにくくなることから確実に固定することができる。
【0082】
そして、位置決め部材20,50、目隠し部材30、および連結部材41は、アルミ合金または合成樹脂等の押出成形品であるため、同一断面形状を有する長尺部材を容易に形成することができ、また、量産も容易に行うことができる。
【0083】
また、連結部材41を溝部40内に挿入設置する連結構造としたので(図2、図5参照)、凹部42および凸部43の凹凸嵌合により連結を確実に行うことができることに加え、間仕切壁パネル10〜13を連結した状態において、連結部材41が溝部40内に収まって室内から見えなくなるため、外観が良好なものとなり、一般住宅にも好適に採用することができる。
【0084】
さらに、間仕切壁パネル10〜13の端面の連結部分を、本体10A〜13Aとは別部材である連結部材41としたので、この連結部材41を他の種類の嵌合形態を有するものに取り替えることにより、同じ本体10A〜13Aの下で、連結部分の構造の異なる複数種類の間仕切壁パネルを形成することも可能であり、多様な連結構造を実現できる。なお、他の種類の嵌合形態を有する連結部材を別途に用意しておけば、多様な連結構造が実現可能になるという趣旨であるから、必要のない場合には、あえて他の種類の連結部材を用意しておく必要はなく、本実施形態の連結部材41のみで十分である。
【0085】
また、連結部材41を挿入配置する溝部40と、位置決め部材20を挿入嵌合させる溝部22とは、ともにC形断面鋼材で形成されているので(図2参照)、各間仕切壁パネル10〜13の本体10A〜13Aの両側の端面が同一構造となることから、これら本体10A〜13Aの構造を簡易化でき、製造の容易化を図ることができる。
【0086】
そして、このように各間仕切壁パネル10〜13の本体10A〜13Aの両側の端面を同一構造とすることにより、左右の端に配置されて左右の壁面4に取り付けられる間仕切壁パネル10,13の本体10A,13Aと、中間位置に配置される間仕切壁パネル11,12の本体11A,12Aとを、幅のみが異なる構造とすることができるので、全体として構成部品数の削減を図ることができる。
【0087】
また、連結部材41には、厚さ方向中央位置Kを基準として対称位置に凹部42および凸部43が配置形成されているので(図5参照)、左側の壁面4に取り付けられている間仕切壁パネル10は、180度回転させて表裏を逆にすると、反対側である右側の壁面4に取り付けることができる(図2参照)。このため、左側の壁面4に取り付けられる間仕切壁パネル10と、右側の壁面4に取り付けられる間仕切壁パネル13とを同一構造のものとすることができ、部材数の削減を図ることができるうえ、取付作業を行うにあたって、これらの両パネル10,13を区別する必要がなくなることから、施工の容易化を図ることができる。
【0088】
さらに、このような凹部42および凸部43の配置形成により、中間位置に配置される間仕切壁パネル11,12どうしも、同一構造のものとすることができ、部材数の削減を図ることができるうえ、これらの間仕切壁パネル11,12を180度回転させて表裏を逆にしても回転前と同じ姿勢となるため、各間仕切壁パネル11,12の連結作業を行うにあたって、パネルの表裏に注意を払う必要がなくなることから、施工の容易化を図ることができる。
【0089】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0090】
すなわち、前記実施形態では、位置決め部材20は、太字T形断面形状を有していたが(図2、図4参照)、位置決め部材の断面形状は、このような形状に限定されるものではなく、例えば、図7に示すような折り曲げ板状の断面形状を有する位置決め部材100等としてもよく、要するに、壁面4から建物内空間側に突出する状態で設けられていればよい。図3に示した天井面3に設けられる位置決め部材50の断面形状も同様である。
【0091】
また、前記実施形態では、位置決め部材20および壁面4により目隠し部材30を圧入固定するための凹部23が形成されていたが、図8に示すように位置決め部材110のみにより目隠し部材111を圧入固定するための凹部112を形成するようにしてもよく、そうすることで目隠し部材111の圧入固定をより確実なものとすることができる。つまり、前記実施形態のように位置決め部材20および壁面4により圧入固定のための凹部23を形成した場合には、壁面4の状態や位置決め部材20の固定状態によっては、凹部23の幅寸法が正確に出ないおそれも生じ得るが、図8のように位置決め部材110のみにより圧入固定のための凹部112を形成すれば、そのようなおそれは解消することができる。
【0092】
さらに、前記実施形態では、壁面4に接触する面に複数の細かい凹凸32が形成された目隠し部材30となっていたが、凹凸の形成箇所はこれに限定されるものではなく、前述した図7に示すように位置決め部材100に接触する面に複数の細かい凹凸101が形成された目隠し部材102としてもよく、あるいは壁面4に接触する面および位置決め部材20に接触する面の両方に複数の細かい凹凸が形成された目隠し部材としてもよい。
【0093】
そして、凹凸の形成箇所は、前記実施形態や上述の図7の場合のように目隠し部材30,102の側のみに形成されている必要もなく、図9に示すように位置決め部材120に複数の細かい凹凸121が形成されていてもよく、あるいは目隠し部材および位置決め部材の両方の側に複数の細かい凹凸を形成してもよく、要するに、このような凹凸は、目隠し部材の圧入方向に並べて形成されていればよい。
【0094】
また、前記実施形態では、連結部材41には、厚さ方向中央位置Kを基準として対称位置に凹部42および凸部43が配置形成されていたが(図5参照)、連結部材の嵌合部は、このような嵌合形態に限定されるものではなく、例えば、図10の模式的分解図に示すように、嵌合部として一つの凸部200のみを有する連結部材201と、嵌合部として一つの凹部202のみを有する連結部材203とを対向配置して各間仕切壁パネル204〜207を連結するようにしてもよい。このような連結構造とすることで、現場において各間仕切壁パネル204〜207の表裏が必ず一定に揃うようになるので、表裏を間違えて連結するという現場における施工ミスを未然に防止することができる。従って、例えば、形成すべき間仕切壁の表裏の装飾を異ならせたいとき等に有効である。
【0095】
さらに、図11の模式的分解図に示すように、現場において各間仕切壁パネル210〜213の配置順序が必ず予定した通りの順序になるような連結構造としてもよい。つまり、連結部材214には、前記実施形態の連結部材41と同様に、厚さ方向中央位置Kを基準として対称位置に凹部215および凸部216が配置形成されている。しかし、各間仕切壁パネル210〜213の端面に形成された溝部217内への連結部材214の挿入設置の形態が、前記実施形態の場合とは異なっているので、パネル210とパネル211との連結構造、およびパネル211とパネル212との連結構造は、同じであるが、パネル212とパネル213との連結構造は、前二者の連結構造とは異なるもの(凹凸の配置が逆)となっており、前記実施形態のような各パネル間の連結構造が統一されたものとはなっていない。このため、パネル211とパネル212との配置位置を交換することはできず、図11の順序通りにしか並べることができない。従って、例えば、形成すべき間仕切壁の所定の位置に窓等の開口部を設けたいとき等に有効であり、間違った位置に窓等の開口部が配置されるという現場における施工ミスを未然に防止することができる。
【0096】
また、前記実施形態では、連結部材41には、厚さ方向中央位置Kを基準として対称位置に凹部42および凸部43が一つずつ配置形成されていたが(図5参照)、図12に示すように、対になる凹部300および凸部301と、これとは別の対になる凹部302および凸部303とを嵌合部として備えた、つまり二対の凹部および凸部が形成された連結部材304としてもよく、要するに、凹部および凸部が少なくとも一対形成されていれば、前記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0097】
そして、凹部および凸部を複数個ずつ(複数対)配置する際には、凹部と凸部とが厚さ方向中央位置Kを挟んで両側に対をなして配置されていれば、凹凸の配置順は任意であり、例えば、図13のような凹凸配置の連結部材310としてもよい。この場合、凹部311および凸部312が対になり、凹部313および凸部314がこれとは別の対になっている。
【0098】
さらに、凸部の形状は、前記実施形態の凸部43のような形状に限定されるものではなく、例えば、図14に示すような二股401,402からなる凸部400としてもよく、あるいは二つの突起404,405からなる凸部403等としてもよく、要するに、対応する凹部406と凹凸嵌合することができればよい。
【0099】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、間仕切パネルの端面に溝部を形成し、かつ、建物躯体面に位置決め部材を設け、位置決め部材を溝部内に挿入嵌合させることにより、間仕切パネルの位置決めを行うので、間仕切パネルを建物躯体面に容易に取り付けることができるとともに、外観が良好でかつ使い勝手のよい間仕切パネルの取付構造とすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の間仕切壁パネルの取付構造を採用して建物内空間に設置された間仕切壁の正面図。
【図2】図1のA−A線断面図、すなわち前記実施形態の間仕切壁の水平断面図。
【図3】図1のB−B線断面図、すなわち前記実施形態の間仕切壁の縦断面図。
【図4】前記実施形態の間仕切壁パネルの取付構造を示す分解斜視図。
【図5】前記実施形態の間仕切壁パネルどうしの連結構造の分解拡大図。
【図6】前記実施形態のアジャスト装置の分解斜視図。
【図7】本発明の第一の変形の形態の水平断面を示す拡大図。
【図8】本発明の第二の変形の形態の水平断面を示す拡大図。
【図9】本発明の第三の変形の形態の水平断面を示す拡大図。
【図10】本発明の第四の変形の形態の水平断面を示す模式的分解図。
【図11】本発明の第五の変形の形態の水平断面を示す模式的分解図。
【図12】本発明の第六の変形の形態の水平断面を示す模式的分解図。
【図13】本発明の第七の変形の形態の水平断面を示す模式的分解図。
【図14】本発明の第八の変形の形態の水平断面を示す分解拡大図。
【符号の説明】
1 間仕切壁
3 建物躯体面である天井面
4 建物躯体面である壁面
10〜13,204〜207,210〜213 間仕切パネルである間仕切壁パネル
20,50,100,110,120 位置決め部材
22,52 位置決め部材が挿入嵌合される溝部
23,112 目隠し部材を圧入固定するための凹部
30,102,111 目隠し部材
32,101,121 複数の細かい凹凸
41,201,203,214,304,310 連結部材
40,217 連結部材が挿入設置される溝部
42,202,215,300,302,311,313,406 嵌合部としての凹部
43,200,216,301,303,312,314,400,403 嵌合部としての凸部
K 厚さ方向中央位置
Claims (7)
- 空間を仕切る間仕切パネルを、前記空間に臨んで配置された既設の建物躯体面に取り付ける間仕切パネルの取付構造であって、前記間仕切パネルの端面には、溝部が形成され、前記建物躯体面には、この建物躯体面から前記空間側に突出する状態で位置決め部材が設けられ、前記間仕切パネルは、前記位置決め部材が前記溝部内に挿入嵌合されることにより前記建物躯体面に対して位置決めされ、かつ、前記間仕切りパネルと前記建物躯体面との間の隙間は目隠し部材で塞がれ、前記間仕切りパネルの厚さ方向両側に2個配置されているこれらの目隠し部材のそれぞれは、前記位置決め部材で形成された凹部に圧入固定されているとともに、前記目隠し部材の前記建物躯体面との接触面と、前記目隠し部材の前記位置決め部材との接触面と、この位置決め部材の前記目隠し部材との接触面とのうちの少なくとも1つには、前記目隠し部材の圧入方向に並べられた複数の細かい凹凸が形成されていることを特徴とする間仕切パネルの取付構造。
- 請求項1に記載の間仕切パネルの取付構造において、前記凹部は、前記位置決め部材と前記建物躯体面によって形成されていることを特徴とする間仕切パネルの取付構造。
- 請求項1に記載の間仕切パネルの取付構造において、前記凹部は、前記位置決め部材に形成されていることを特徴とする間仕切パネルの取付構造。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の間仕切パネルの取付構造において、前記位置決め部材は前記凹部を形成する頭部を有することを特徴とする間仕切パネルの取付構造。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の間仕切パネルの取付構造において、前記位置決め部材は、前記間仕切りパネルの厚さ寸法内に配置されたビスによって前記建物躯体面に固定されていることを特徴とする間仕切パネルの取付構造。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の間仕切パネルの取付構造において、前記間仕切パネルは、前記空間の仕切位置に複数連結した状態で配置され、これらの互いに連結された間仕切パネルの対向する端面には、それぞれ溝部が形成され、これらの各溝部内には、互いに凹凸嵌合される嵌合部を有する連結部材が挿入設置されていることを特徴とする間仕切パネルの取付構造。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の間仕切パネルの取付構造において、前記間仕切パネルは、前記空間の仕切位置に複数連結した状態で配置され、これらの互いに連結された間仕切パネルの対向する端面のうちの一方の端面には、前記間仕切パネルの厚さ方向中央位置を基準として対称位置に少なくとも一対の凹部および凸部が配置形成され、他方の端面には、これらの凹部および凸部と嵌合される少なくとも一対の凸部および凹部が前記間仕切パネルの厚さ方向中央位置を基準として対称位置に配置形成されていることを特徴とする間仕切パネルの取付構造。
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