JP3704485B2 - ランドリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暗証番号で解錠可能な施錠装置およびこの施錠装置を用いて施錠可能なランドリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コインロッカーや、コイン式オートパーキングのように、不特定多数の人が一時的に借り受けて所有物の保管に利用する無人運営の設備の場合には、盗難を防止のために、施錠機構が設けられているのが一般的である。
【0003】
一方、個人が手軽に利用できて、下着や普段着、シーツ、タオル、ワイシャツ程度の日常の洗濯物をその場で洗濯して乾燥させ持ち帰ることができるコインランドリの店舗が、普及している。そして、コインランドリは、洗濯機や乾燥機を店舗内に複数台並べて設置し、コインを投入することで顧客はその設備を利用することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コインランドリは一般に無人店舗が多く、また、コインランドリにおいて用いられている洗濯機や乾燥機には扉(蓋)はあってもその扉(蓋)には施錠設備がない。すなわち、不特定多数の人が利用する環境下にあるにもかかわらず、盗難といった面で、全くの無防備である。
【0005】
そして、コインランドリで洗濯と乾燥を行う場合、洗濯物の量にもよるが、洗濯の開始から、乾燥の終了までに要する時間は、1,2時間に及ぶことから、その間、利用客は洗濯機や乾燥機に張り付けになる。特に乾燥機による乾燥の作業に入った場合には、何十分もの間、じっと待っていなければならない。
【0006】
ちょっとした用事ならば、利用者はその待ち時間の間に、済ませることができることも多い。しかし、セキュリティに対する配慮がないがために、盗難やいたずらを覚悟の上でなければその場を離れることができず、利用者は不便を強いられている。
【0007】
洗濯機や乾燥機は両機能が一体化されて全自動化された洗濯乾燥機が製品化されて市場に供給される時代でもあり、洗濯物を投入すれば洗濯から乾燥までの工程を、人手を煩わせることなく全て自動処理する設備となるので、この場合には洗濯物を洗濯機から乾燥機に移す作業もなくなることから、利用者の待ち時間は1,2時間のまとまった時間となって、無駄な長い時間となる。
【0008】
従って、このような待ち時間を、利用者に浪費させることなく、有効に活用できる環境を提供できることが真のサービスとなる。
【0009】
また、このようなサービスを提供する場合、店舗にとっては、利用者が店を離れる間、乾燥工程も全て済んだにもかかわらず、ランドリ設備を無用に占有されてしまうために生じる事実上の休業損を解消できるようにする必要があり、それも、利用者に不満を抱かせることなく、合理的なサービスの一つとして納得の得られるような仕組みで運営できなければならない。
【0010】
従って、本発明の目的とするところは、コインランドリでの洗濯と乾燥までの工程終了までに費やす待ち時間を利用者に浪費させることなく、有効に活用してもらうことが可能な施錠装置付きの業務用ランドリ装置および施錠装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の別の目的は、利用者が店舗から離れている間において、ランドリ設備を無用に占有されることなく、営業利益を合理的に生み出すことができると共に、サービスの一つとして利用者に受け入れてもらえるようにした施錠装置付きの業務用ランドリ装置および施錠装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成する。すなわち、洗濯あるいは乾燥処理対象の衣料・繊維製品の出し入れ口を開閉するための開閉扉を有した洗濯処理あるいは乾燥処理の少なくとも一方の機能を有するランドリ装置において、
[1]所望の暗証番号を登録する暗証番号登録手段と、前記開閉扉を施錠すると共に、前記暗証番号登録手段にて登録された暗証番号により解錠可能な施錠機構とを備えることを特徴とする。
【0013】
[2]また、所望の暗証番号を一時的に登録する暗証番号登録手段と、前記開閉扉を施錠すると共に、前記暗証番号登録手段にて登録された暗証番号により、もしくは施錠後、予定時間の経過後に解錠可能な施錠機構とを備えることを特徴とする。
【0014】
[3]また、上記[2]のランドリ装置において、通信回線を介して外部と信号授受する通信手段と、前記施錠後、この通信手段を介して所定の信号を受信すると前記施錠機構の施錠状態を延長すべく制御する制御手段とを更に具備する。
【0015】
[4]また、上記[1]または[2]のランドリ装置において、料金を徴収する料金徴収機構を設け、前記施錠機構による開閉扉の施錠は前記料金徴収機構による料金徴収後に実行可能に制御する手段を設ける。
【0016】
上記[1]の構成の場合、ランドリ装置の開閉扉を施錠することができ、その解錠は暗証番号を使用する。暗証番号は暗証番号登録手段により利用者が行い、利用者は自己が登録した暗証番号を用いて施錠機構を解錠する。従って、施錠機構による開閉扉の施錠後は、暗証番号を知らなければ解錠することができないから、ランドリ装置が不特定多数の人の利用を前提としている場合に、利用者がランドリ装置を用いて自己の洗濯物(衣料・繊維製品)の洗濯・乾燥中に本人がその場から離れたとしてもランドリ装置内の洗濯物は盗難の心配がない。しかも、暗証番号は利用者本人が所望に設定して使用するものであるから、利用者が代わってもその都度、セキュリティは確保される。
【0017】
また、上記[2]の構成の場合、ランドリ装置の開閉扉を施錠することができ、その解錠は暗証番号を使用するか、または一定時間が経過するまではできない。暗証番号は暗証番号登録手段により利用者が行い、利用者は自己が登録した暗証番号を用いて施錠機構を解錠する。従って、施錠機構による開閉扉の施錠後は、一定時間が経過するか、あるいは一定時間の経過前の段階では暗証番号を知らなければ解錠することができないから、ランドリ装置が不特定多数の人の利用を前提としている場合に、利用者がランドリ装置を用いて自己の洗濯物(衣料・繊維製品)の洗濯・乾燥中に本人がその場から離れたとしてもランドリ装置内の洗濯物は一定の時間は盗難の心配がない。しかも、暗証番号は利用者本人が所望に設定する一時的なものであるから、利用者が代わってもその都度、セキュリティは確保される。
【0018】
また、上記[3]の構成の場合、上記[2]のランドリ装置に、更に、通信回線を介して外部と信号授受する通信手段と、前記施錠後、この通信手段を介して所定の信号を受信すると前記施錠機構の施錠状態を延長すべく制御する制御手段とを備えた構成である。そのため、出先で用事に手間取り、解錠の時間が近づいてきても戻れそうにないときには、通信手段を介して所定の信号を送る。所定の信号は例えば、通信手段として公衆網等を介して接続するような通信手段を使用している場合は、電話機などから電話番号をダイヤルして前記通信手段に着信させた後、特番ダイヤル入力したその特番ダイヤル信号と前記登録した暗証番号のダイヤル入力信号で良く、この信号を情報として受信したランドリ装置の制御手段はこの情報により施錠状態を延長する。そのため、時間までに戻れない場合でも、遠隔操作により施錠状態を維持でき、利用者は安心して用事を済まして後に、洗濯物を取りに戻ることができる。
【0019】
また、[4]の構成の場合、料金を徴収する料金徴収機構があり、前記施錠機構による開閉扉の施錠は前記料金徴収機構による料金徴収後に実行可能に制御手段は制御する。そのため、施錠機構による開閉扉の施錠をしたいときは、利用者はそのための料金を支払うことになるから、ランドリ装置を事業として運用する場合に、当該運用する側は、洗濯利用の利用料金の他に、安全保管のための料金も徴収することができ、利用者にとってはその場を離れても洗濯物の盗難の心配が無く、安心して用事を済まして後に、洗濯物を取りに戻ることができるので便利なサービスとなる。
【0020】
従って、以上のことから本発明によれば、例えばコインランドリでの洗濯と乾燥までの工程終了までに費やす待ち時間を利用者に浪費させることなく、有効に活用してもらうことが可能なランドリ装置を提供することができる。
【0021】
また、本発明によれば、利用者がコインランドリ利用中に当該コインランドリの店舗から離れている間において、ランドリ設備を無用に占有されることなく、営業利益を合理的に生み出すことができると共に、サービスの一つとして利用者に受け止めて貰えるようにした業務用のランドリ装置を提供することができる。
【0022】
[5]また、本発明は、所望の暗証番号を一時的に登録する暗証番号登録手段と、前記開閉扉を施錠すると共に、前記暗証番号登録手段にて登録された暗証番号により、もしくは施錠後、予定時間の経過後に解錠可能な施錠機構とを備えることを特徴とする。
【0023】
[6]また、上記[5]の構成において、通信回線を介して外部と信号授受する通信手段と、前記施錠後、この通信手段を介して所定の信号を受信すると前記施錠機構の施錠状態を延長すべく制御する制御手段とを更に具備する。
【0024】
[7]また、上記[5]の構成において、料金を徴収する料金徴収機構を設け、前記施錠機構による開閉扉の施錠は前記料金徴収機構による料金徴収後に実行可能に制御する手段を設ける。
【0025】
上記[5]の構成の場合、開閉扉を施錠することができ、その解錠は暗証番号を使用するか、または一定時間が経過するまではできない。暗証番号は暗証番号登録手段により利用者が行い、利用者は自己が登録した暗証番号を用いて施錠機構を解錠する。従って、施錠機構による開閉扉の施錠後は、一定時間が経過するか、あるいは一定時間の経過前の段階では暗証番号を知らなければ解錠することができないから、コインロッカなどのような不特定多数の人の利用を前提とした設備や施設の扉の鍵機構として採用すると、一定の時間は他人から解錠される心配がない。しかも、暗証番号は利用者本人が所望に設定する一時的なものであるから、利用者が代わってもその都度、セキュリティは確保される。
【0026】
また、上記[6]の構成の場合、上記[5]の装置に、更に、通信回線を介して外部と信号授受する通信手段と、前記施錠後、この通信手段を介して所定の信号を受信すると前記施錠機構の施錠状態を延長すべく制御する制御手段とを備えた構成である。そのため、出先で用事に手間取り、解錠の時間が近づいてきても戻れそうにないときには、通信手段を介して所定の信号を送る。所定の信号は例えば、通信手段として公衆網等を介して接続するような通信手段を使用している場合は、電話機などから電話番号をダイヤルして前記通信手段に着信させた後、特番ダイヤル入力したその特番ダイヤル信号と前記登録した暗証番号のダイヤル入力信号で良く、この信号を情報として受信した制御手段はこの情報により施錠状態を延長する。そのため、時間までに戻れない場合でも、遠隔操作により施錠状態を維持でき、利用者は安心して用事を済まして後に、戻ることができる。
【0027】
また、[7]の構成の場合、料金を徴収する料金徴収機構があり、前記施錠機構による開閉扉の施錠は前記料金徴収機構による料金徴収後に実行可能に制御手段は制御する。そのため、施錠機構による開閉扉の施錠をしたいときは、利用者はそのための料金を支払うことになるから、その場で料金を徴収して利用を可能にする鍵機構の提供ができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例としてのランドリ装置の外観を示している。ここで、ランドリ装置とは、洗濯機の機能と乾燥機の機能を併せ持たせた全自動運転の洗濯乾燥機、または、洗濯機単体、または乾燥機単体のいずれの形態であっても良く、これらの総称として用いるものとする。但し、ここでは、話を簡単にするために、ランドリ装置は全自動運転の洗濯乾燥機を例に説明する。
【0029】
(第1の実施例)
図1における(a)は、実施例としてしてのランドリ装置の正面斜視図、(b)はその洗濯物出し入れ口部分の図で、扉(蓋)を開放した状態を示す図である。
【0030】
図1において、11はランドリ装置10の筐体であり、その正面には内部の洗濯脱水槽兼乾燥ドラム12内に通ずる洗濯物投入口13の開閉扉14、およびランドリ装置10の操作機構部15、セキュリティ・ドア・ロック機構部16がある。
【0031】
開閉扉14は、片側がヒンジ(蝶番)17により開閉自在に支持されており、ヒンジ17による支持端側からみて対向端側となる自由端側にはドア取手機構部18が取り付けられている。図2に示すように、ドア取手機構部18は開閉扉14を手で開閉操作するためのドアハンドル19と、ドアの施錠解錠のためのラッチボルト(空締めボルト)20がある。ラッチボルト20は周知の通り、進退自在の突起であり、受け側の溝穴に嵌合して扉を閉めた状態に保つだけで、鍵を掛けた状態に保つことはできない。21は、ドア取手機構部18に設けられたデッドボルト嵌合孔(受け座)である。このデッドボルト嵌合孔21は、セキュリティ・ドア・ロック機構部16の持つデッドボルトと嵌合することで、かんぬきの機能を果たし、鍵を掛けた状態に保つものである。
【0032】
セキュリティ・ドア・ロック機構部16は、タイマ式の施錠機構であり、ドア取手機構部18と協働して開閉扉14を鍵を掛けた状態に保つ機構である。このセキュリティ・ドア・ロック機構部16は操作機構部と施錠・解錠機構とを持つ。施錠・解錠機構は例えば電動式であり、図3に示すように、駆動源としてのソレノイド22、デッドボルト(かんぬき)23、圧縮ばね24、てこ25、ストッパ・ピン26を備える。
デッドボルト23は、円盤状の本体23aの外周縁部に方形ブロック状の突起を形成してデッドボルト部23bとし、また、本体23aにはこのデッドボルト部23bの対向端側にばね支持部23cを突設してある。
【0033】
デッドボルト23は、円盤状の本体23aの中心に回動軸23dが固定して設けられており、この回動軸23dは、セキュリティ・ドア・ロック機構部16の筐体内定位置に設けられた図示しない軸受けにより軸の両端を回動自在に支持されている。
【0034】
また、デッドボルト23は、前記本体23aの回動軸23dに、アーム状のリンク25が、その一端側を固定されて取り付けられている。そして、リンク25の他端側は前記ソレノイド22の可動軸22aの先端側と軸22bにより回動自在に接続されている。
【0035】
すなわち、ソレノイド22はコイルとこのコイルの励磁により進退移動する可動軸22aとからなる電磁石であり、コイルの励磁により可動軸22aを進退駆動操作すると、この可動軸22aの先端側に接続されているリンク25をセクタ運動させることができるので、この運動に従ってデッドボルト23の円盤状の本体23aはその回動軸23dを回動されることで、この軸を中心に全体を回動駆動される構造となる。
【0036】
この回動によりデッドボルト23は、円盤状の本体23aの外周に形成されたデッドボルト部23bが回動移動することになり、開閉扉14が閉じられている場合に、そのドア取手機構部18のデッドボルト嵌合孔21と嵌合したり、外れたりすることで、施錠・解錠ができる仕組みである。
【0037】
26はデッドボルト23の円盤状の本体23aの回動範囲を規制するために定位置に固定して設けたストッパ・ピン、27は圧縮ばね24の一端を支持するばね支持部であり、圧縮ばね24は他端を前記ばね支持部23cに保持させることで、ばね支持部27を基準にばね支持部23c側を押圧する偏倚力を常に与えることができ、ソレノイド22の可動軸22bにより可動させると本体23aの可動範囲の2つの限界点のうちのいずれか一方向に状態を保つことができる。
【0038】
28は、ドア取手機構部18のラッチボルト20との嵌合用の受け座(嵌合溝)である。
【0039】
セキュリティ・ドア・ロック機構部16には、上述のような施錠・解錠機構のほかに、図4に示すような操作機構部29が正面側に設けられている。セキュリティ・ドア・ロック機構部16の操作機構部29は、完全なセキュリティを確保したい場合に使用する施錠設定操作・解錠設定操作のためのものであり、ディスプレイ(表示部)30、コイン投入口31、コイン返却操作ボタン32、登録ボタン33、入力取り消しボタン34、テンキーボタン35、コイン返却口36を備えている。
【0040】
これらのうち、ディスプレイ30は、利用・操作方法や解錠用のパスワード登録、パスワード入力など必要なガイド情報表示、入力テンプレート表示などを行うための表示デバイスであり、例えば、液晶ディスプレイなどを使用している。コイン投入口31は、このセキュリティ・ドア・ロック機能を利用したい場合にその利用料金を投入するための投入口であり、コイン返却操作ボタン32は、投入したコインを返却操作するためのボタンである。このボタンを操作すると、投入したコインはコイン返却口36に戻されるようにしてある。
【0041】
テンキー・ボタン35は、解錠操作のための暗証番号(パスワード)の入力用のテンキーや解錠操作指令するためのファンクション・キーを備えたキー・スイッチであり、登録ボタン33は、入力した暗証番号を登録するためのキー・スイッチであり、入力取り消しボタン34は、キー操作入力を取り消すためのキー・スイッチである。
【0042】
ランドリ装置10の操作機構部15は、洗濯・乾燥のコース選択や開始操作をするためのもので、図5に示すように、ディスプレイ(表示部)15a、コイン投入口15b、コイン返却操作ボタン15c、コース選択・条件設定ボタンや取り消しボタン、始動開始ボタンなどを含むキースイッチ部15d、コイン返却口15eなどを備えている。
【0043】
ディスプレイ15aは、利用・操作方法や選択したコース、終了予定時間、残り時間、現在時刻などを表示するための表示デバイスであり、例えば、液晶ディスプレイなどが用いられる。キースイッチ部15dは、予め用意された内容の異なる複数の洗濯・乾燥コースのうちの所望のものを選択するためのボタンや細かな条件設定例えば、乾燥工程実施時の温風の温度など、所望条件を設定するためのボタン(コース選択・条件設定ボタン)やスタートボタンなどがある。
【0044】
コイン投入口15bは、ランドリ装置10の利用料金を投入するための投入口であり、コイン返却操作ボタン15cは、投入したコインを返却操作するためのボタンである。このボタンを操作すると、投入したコインはコイン返却口15eに戻されるようにしてある。
【0045】
図6は、本ランドリ装置10の概略的な回路構成を示すブロック図である。図において、15は前述の操作機構部、29はセキュリティ・ドア・ロック機構部16における前述の操作機構部、50はコントローラ、60は洗濯機機能部、70は乾燥機機能部である。
【0046】
また、操作機構部15における15aは、前述のディスプレイであり、15dは前述のキースイッチ部、150はコインボックス機構部である。
【0047】
コインボックス機構部150は、料金徴収のための機構であり、前述のコイン投入口15bやコイン返却操作ボタン15c、コイン返却口15eなどを含む硬貨検出・管理のための機構を持つもので、投入されたコインを検出すると金種対応の検出信号を出力し、コインを保留し、コイン返却操作により保留状態の投入コインをコイン返却口15eに返却すると共に、コインが返却された場合にはリセット信号を発生して預かり金額情報をクリアできるようにし、また、洗濯スタートさせると、保留中のコインをコインの収納ボックスに回収するといった機能を有する。
【0048】
また、操作機構部29における30は、前述のディスプレイであり、161はキースイッチ部で、前述の登録ボタン33、入力取り消しボタン34、テンキーボタン35などを含む。
【0049】
操作機構部29における160は、コインボックス機構部である。このコインボックス機構部160は、料金徴収のための機構であり、前述のコイン投入口31やコイン返却操作ボタン32、コイン返却口36などを含む硬貨検出・管理のための機構を持つもので、投入されたコインを検出すると金種対応の検出信号を出力し、コインを保留し、コイン返却操作により保留状態の投入コインをコイン返却口36に返却すると共に、コインが返却された場合にはリセット信号を発生して預かり金額情報をクリアできるようにし、また、洗濯スタートさせると、保留中のコインをコインの収納ボックスに回収するといった機能を有する。
【0050】
操作機構部29における170は電動施錠・解錠機構であり、図3において説明した如きの構成を持つ。
【0051】
コントローラ50は、システム全体の制御の中枢を担うものであって、ランドリ装置10の操作機構部15に対する制御、セキュリティ・ドア・ロック機構部16に対する制御、セキュリティ・ドア・ロック機構部16からの信号に基づき、電動施錠・解錠機構部170に対する施錠・解錠制御、操作機構部15からの信号に基づく洗濯機機能部60や乾燥機機能部70に対する制御、時計機能、時計機能にて得た時間情報を用いた施錠・解錠制御機能などを有する。
【0052】
洗濯機機能部60は洗濯機部分の構成要素であり、コントローラ50による制御のもとに、洗濯槽内に給水したり、洗濯槽内の水流を生起したり、停止させたりして洗濯を実施したり、洗濯槽内の排水をしたり、洗濯槽内のドラム部分を高速回転させて洗濯物を脱水するなどを実施するものであり、また、乾燥機機能部70は、乾燥機部分の構成要素であり、コントローラ50による制御のもとにドラムの回転と洗濯槽内への温風送風を行って洗濯物の乾燥を実施するものである。
【0053】
つぎに、このような構成の本装置の作用を説明する。
【0054】
本装置は、開閉扉14を開けて洗濯物投入口13より、洗濯物と洗剤を投入して再び開閉扉14を閉じる。この状態で、開閉扉14におけるドア取手機構部18のラッチボルト20が、セキュリティ・ドア・ロック機構部16の受け座(嵌合溝)28に嵌合することで、開閉扉14は施錠状態が保たれるが、鍵がかかった状態ではなく、ドアハンドル19を操作すればいつでも施錠を解いて開閉扉14を開くことができる。
【0055】
開閉扉14が閉じられている状態で、利用者は操作機構部15におけるコイン投入口15より、利用料金相当分のコインを投入する。この投入されたコインは金種が検知され、金種対応の信号としてコインボックス機構部150よりコントローラ50に送られるので、コントローラ50はこの信号よりいくら投入されたかを認識し、投入金額が利用料金に足りればディスプレイ15aにコース選択などの入力を促す表示をするが、不足であればさらなるコインの投入を促す表示をする。
【0056】
金額に不足がなければ、利用者がキースイッチ部15dを操作して入力した洗濯・乾燥コースなどの条件を認識し、利用者がキースイッチ部15dのスタートボタンを操作することで、コントローラ50は利用者が選択したコース対応に、自己の持つ時計機能の時間情報を参照しながら洗濯機機構部60を制御して洗濯槽内の洗濯物の洗濯を開始する。洗濯が終了するとコントローラ50は乾燥工程の制御に移り、乾燥機機構部70を制御して洗濯槽内の洗濯物の乾燥を実施する。
【0057】
乾燥が終了したならば、コントローラ50は全てが完了した旨を、ディスプレイ15aに表示して待機状態になる。利用者は開閉扉14を開けて洗濯物投入口13より、洗濯物を取り出し、開閉扉14を閉じればランドリ装置10のサービスは完了する。
【0058】
このようなランドリ装置10において、洗濯・乾燥の実行最中に利用者がしばしその場を離れて他の用事を済ませようとする場合、本ランドリ装置10では洗濯・乾燥作業中の選択物の盗難を防ぐセキュリティ・サービスを利用できる。
【0059】
そして、このサービスを利用するには、セキュリティ・ドア・ロック機構部16における操作機構部29のコイン投入口31に、当該サービス利用料相当分のコインを投入し、所定の操作を実施してセキュリティ・ドア・ロックをすればよい。具体的に説明する。
【0060】
コントローラ50の制御内容を示す図7のフローチャートを交えて、以下、セキュリティ・ドア・ロック機能を説明する。
【0061】
利用者は、操作機構部29のコイン投入口31に、当該サービス利用料相当分のコインを投入する。この投入されたコインは金種が検知され、金種対応の信号としてコインボックス機構部160よりコントローラ50に送られるので、コントローラ50はこの信号よりいくら投入されたかを認識する(図7のステップS1,S2,S3)。そして、投入料金が利用料金に足りるか否かをチェックし(図7のステップS4)、投入金額が利用料金に足りればディスプレイ30に暗証番号登録などの操作入力を促す表示をするが(図7のステップS5)、不足であればさらなるコインの投入を促す表示をする(図7のステップS6)。
【0062】
ステップS4でのチェックの結果、金額に不足がなければ、暗証番号入力を待つ。利用者はキースイッチ部161を操作して所望の暗証番号を入力し、登録ボタンを押す。暗証番号は、忘れにくさと、入力のし易さを考慮すると、数字キーを利用した番号の組み合わせによる方式が良いが、もちろん、英数字と記号の組み合わせを利用できるようにしても差し支えはない。
【0063】
入力された暗証番号はコントローラ50の持つバッファに保持され(図7のステップS7,S8,S9)、登録ボタンが押されるとこれを認識して前記バッファ内の暗証番号情報を正式な暗証番号としてコントローラ50内のメモリに登録保持する(図7のステップS10,S11)。入力した暗証番号を取り消したいとき登録ボタンの操作前ならば、取り消しボタンを押すことで取り消し可能である。取り消しボタンが押されたときはコントローラ50は前記バッファ内の暗証番号情報をクリアし、新たな暗証番号の入力待ちとなる(図7のステップS12,S13,S5)。
【0064】
利用者が再びキースイッチ部161を操作して所望の暗証番号を入力し、登録ボタンを押す。入力された暗証番号はコントローラ50の持つバッファに保持され、登録ボタンが押されるとこれを認識して前記バッファ内の暗証番号情報を正式な暗証番号としてコントローラ50内のメモリに登録保持する(図7のステップS5〜S11)。
【0065】
なお、登録ボタンを操作する前に、コイン返却ボタンが押されると、投入されていたコインは返却口に返却され、同時にコントローラ50にその情報が伝達されてセキュリティドアロックのサービスの利用手続はその時点で解消される。
【0066】
前記バッファ内の暗証番号情報を正式な暗証番号としてコントローラ50内のメモリに登録保持したならば、コントローラ50は電動施錠・解錠機構170に対して施錠指令を送る(図7のステップS14)。これにより、電動施錠・解錠機構170はソレノイドが励磁されてその可動軸22aが駆動操作されるので、この可動軸22aの先端側に接続されているリンク25がセクタ運動される。そして、この運動に従ってデッドボルト23の円盤状の本体23aはその回動軸23dを回動されることで、この軸を中心に全体を回動駆動される。
【0067】
この回動によりデッドボルト23は、円盤状の本体23aの外周に形成されたデッドボルト部23bが回動移動することになり、開閉扉14が閉じられている場合に、そのドア取手機構部18のデッドボルト嵌合孔21と嵌合する。これにより、施錠状態になる。
【0068】
デッドボルト23による施錠状態に移行すると、コントローラ50は直ちに自己の時計機能を用いて、時間経過を測定開始する(タイマのスタート:図7のステップS15,S16)。セキュリティドアロックのサービスは時間制であるためである。そして、時間が経過して投入料金分のサービス時間満了になると(図7のステップS17)タイマをオフにし、且つ、タイムカウント値をクリアすると共に、メモリに登録してあった暗証番号をクリアした後(図7のステップS18,S19)、コントローラ50は電動施錠・解錠機構170に対して解錠指令を送る(図7のステップS20)。
【0069】
これにより、電動施錠・解錠機構170はソレノイドが励磁され、これにより可動軸22aが駆動操作されるので、この可動軸22aの先端側に接続されているリンク25がセクタ運動される。そして、この運動に従ってデッドボルト23の円盤状の本体23aはその回動軸23dを回動されることで、この軸を中心に全体を回動駆動される。
【0070】
この回動によりデッドボルト23は、円盤状の本体23aの外周に形成されたデッドボルト部23bが回動移動することになり、開閉扉14のドア取手機構部18のデッドボルト嵌合孔21との嵌合がはずれされる。これにより、解錠状態になる。従って、この状態では、開閉扉14におけるドア取手機構部18のラッチボルト20のみが、セキュリティ・ドア・ロック機構部16の受け座(嵌合溝)28に嵌合している状態であるから、開閉扉14は閉じた状態が保たれるが、鍵がかかった状態ではないので、ドアハンドル19を操作すればいつでも開くことができる。
【0071】
デッドボルト23による施錠状態に移行し、セキュリティドアロックのサービスが継続段階にあるときにおいて、投入料金分のサービス時間満了前の段階において、利用者がサービスを終了させたい場合、すなわち、施錠を解きたい場合、利用者はキースイッチ部161を操作して自己が登録操作しておいた暗証番号を入力し、登録ボタンを押す。入力された暗証番号はコントローラ50の持つバッファに保持され、登録ボタンが押されるとこれを認識して前記バッファ内の暗証番号情報と正式な暗証番号としてコントローラ50内のメモリに登録保持していた暗証番号と照合する(図7のステップS21,S22)。
【0072】
そして照合の結果、一致しなければコントローラ50は、「入力された暗証番号が間違っています。」というメッセージをディスプレイ30に表示すべく制御し、正しい暗証番号の入力を促す(図7のステップS23)。そして、タイムカウントを続ける(図7のステップS16)
ステップS22での照合の結果、一致すればコントローラ50は、電動施錠・解錠機構170に対して解錠指令を送る。具体的には、コントローラ50はまずタイマをオフにし、且つ、タイムカウント値をクリアすると共に、メモリに登録してあった暗証番号をクリアした後(図7のステップS18,S19)、コントローラ50は電動施錠・解錠機構170に対して解錠指令を送る(図7のステップS20)。
【0073】
これにより、電動施錠・解錠機構170はソレノイドが励磁され、デッドボルト23の円盤状の本体23aが回動されることで、デッドボルト部23bが回動移動する。そして、開閉扉14のドア取手機構部18のデッドボルト嵌合孔21との嵌合がはずれる。これにより、解錠状態になる。従って、この状態では、開閉扉14におけるドア取手機構部18のラッチボルト20のみが、セキュリティ・ドア・ロック機構部16の受け座(嵌合溝)28に嵌合している状態であるから、開閉扉14は閉じた状態が保たれるが、鍵がかかった状態ではないので、ドアハンドル19を操作すればいつでも開くことができる。
【0074】
このように、本ランドリ装置10は、料金徴収機構を有すると共に、利用者が所望に定めて一時的に使用することのできる解錠用の暗証番号の登録機能を有し、利用者が料金を入金して自身で暗証番号を登録し、セットすることで時間サービスによる施錠を施し、セキュリティを確保するセキュリティ・ドア・ロック機構部16を設けたことにより、利用者は必要に応じて料金さえ支払えば、自己の洗濯物をランドリ装置内に安全に保管されるサービスを利用できるようになる。また、料金分のサービスが満了すれば自動的に解錠されるので、暗証番号を忘れても時間経過を待てば洗濯物は取り出すことができ、また、コインランドリ側においても、セキュリティサービス利用の利用者からは洗濯料金に加えて、安全保管のサービス料金も受け取ることができて、営業収益が増大する。また、利用者にとっては希望すれば安全が確保できるので、洗濯時間を無為にコインランドリ店舗内で過ごす必要が無く、安心して自己の別な用事に当てることができるなど、利便性向上を図ることが出来る。また、セキュリティサービス時間を経過するとセキュリティ・ドア・ロック機構部は解錠する構造であるから、利用者は時間までに戻ろうとする積極的な心理が働き、従って、本ランドリ装置をコインランドリの店舗で運用する場合に、保管だけのサービスに占有されてしまうという営業上の懸念も小さい。
【0075】
以上は、セキュリティ・ドア・ロック機構部を最初の設定時間の間だけ、ドアロックさせるべく機能させるようにしたものである。しかし、出先で手間取ってサービス時間満了までに戻ることができないこともある。そのような場合に、携帯電話や公衆電話などから延長手続を遠隔操作により実施できるようにすれば便利である。その例を次に第2の実施例として説明する。
【0076】
(第2の実施例)
第2の実施例の回路構成を、図8に示す。第2の実施例においても、基本構成上述したおよび基本機能は第1の実施例のものと変わりはない。従って、第1の実施例と同一物には同一符号を付してその説明を省略する。
【0077】
携帯電話や公衆電話などから延長手続を遠隔操作により実施できるようにするために、図8の構成においては、新たにモデム80を設け、このモデム80を介して公衆網90に接続する構成としている。モデム80は公衆網90と回線接続制御すると共に、データを変調して公衆網90に渡し、公衆網90からの変調されて送られてくるデータを復調してコントローラ50に渡すといった制御をするものであり、また、公衆網90との間で発着呼に関する必要な制御、終話・回線切断制御などを含め回線制御の機能をも有する。
【0078】
コントローラ50には第1の実施例で説明した基本機能の他、このモデム80に対する制御機能とデータ授受機能を持たせてあり、これにより、公衆網90とデータ授受することができる構成としてある。また、コントローラ50には音声アナウンスのための音源機能の他、公衆網90を介して得られたデータに対して照合すると共に、照合の結果、一致していれば、セキュリティサービス時間の延長管理をする機能を持たせてある。
【0079】
延長管理は、延長料金を単位時間毎に累積し、ディスプレイに表示し、その料金分が入金されると、暗証番号の入力を待って解錠するといった一連の管理処理を指すものであって、公衆網より延長のための特番ダイヤル情報を受けると、暗証番号情報の入力を促す音声アナウンスを流し、暗証番号情報が受信されるとそれを照合し、一致する場合には延長管理のモードに移ることで実行可能である。
【0080】
このような構成の本ランドリ装置10は、モデム80が加入者回線を介して公衆網90に接続されており、この加入者回線に設定されている電話番号により網側の交換機は着呼、発呼、回線接続、回線切断などの交換制御を可能にし、網の接続端末の一つとして扱えるようになっている。通常の場合は、網から切断されており、発着呼の制御により回線が接続されて通信可能になる。従って、遠隔制御が必要な場合にのみ、外部の電話端末などから電話番号をダイヤルし、着呼されて回線が接続されたならば、予め定められた操作、例えば、特番のダイヤル入力と暗証番号のダイヤル入力を行う、といったことで特定の遠隔操作を実施可能にする。
【0081】
通常の場合において、本ランドリ装置10は第1の実施例と同様にしてステップS1〜ステップS16までを実行したとする(図7、図9参照)。
【0082】
すなわち、セキュリティ・ドア・ロックのサービスが継続段階にある状態であるとし、そして、ステップS17の判断処理が行われて、その結果、タイムアウトしていなければコントローラ50は電話の着信があるか否かをチェックする(図9のステップS24)。これは、モデム80からの入力をチェックすることで行う。
【0083】
すなわち、公衆網90からモデム80の接続された回線に着呼があれば、モデム80がこれを検出するので、モデム80の当該着信検出信号を受けることでコントローラ50は着信を検出する。着信が検出されたときはシンボルAに移り、データを受信したか否かをチェックする(ステップS25)。
【0084】
一方、ステップS24でのチェックの結果、電話の着信がなかったときは、暗証番号のキー入力があったか否かをチェックする(図9のステップS21)。ここでは、投入料金分のサービス時間満了前の段階において、利用者がサービスを終了させたい場合、すなわち、施錠を解きたい場合、利用者はキースイッチ部161を操作して自己が登録操作しておいた暗証番号を入力し、登録ボタンを押すことで解錠が可能である。この場合、入力された暗証番号はコントローラ50の持つバッファに保持され、登録ボタンが押されるとこれを認識して前記バッファ内の暗証番号情報と正式な暗証番号としてコントローラ50内のメモリに登録保持していた暗証番号と照合する(図7のステップS21,S22)。
【0085】
そして照合の結果、一致しなければコントローラ50は、例えば、『入力された暗証番号が間違っています。』というようなメッセージをディスプレイ30に表示すべく制御し、正しい暗証番号の入力を促す(図7のステップS23)。そして、タイムカウントを続ける(図7のステップS16)
ステップS22での照合の結果、一致すればコントローラ50は、電動施錠・解錠機構170に対して解錠指令を送る。具体的には、コントローラ50はまずタイマをオフにし、且つ、タイムカウント値をクリアすると共に、メモリに登録してあった暗証番号をクリアした後(図7のステップS18,S19)、コントローラ50は電動施錠・解錠機構170に対して解錠指令を送る(図7のステップS20)。
【0086】
これにより、電動施錠・解錠機構170はソレノイドが励磁され、デッドボルト23の円盤状の本体23aが回動されることで、デッドボルト部23bが回動移動する。そして、開閉扉14のドア取手機構部18のデッドボルト嵌合孔21との嵌合がはずれる。これにより、解錠状態になる。従って、この状態では、開閉扉14におけるドア取手機構部18のラッチボルト20のみが、セキュリティ・ドア・ロック機構部16の受け座(嵌合溝)28に嵌合している状態であるから、開閉扉14は閉じた状態が保たれるが、鍵がかかった状態ではないので、ドアハンドル19を操作すればいつでも開くことができる。
【0087】
一方、公衆網90からモデム80の接続された回線に着呼があって、モデム80からの当該着信検出信号を受けることでコントローラ50は着信を検出し、これにより、シンボルAからの処理に移って、データを受信したか否かをチェックした結果(前記ステップS25でのチェック)、データ受信が無い場合は、『時間延長の場合には#OOをダイヤルし、続いて暗証番号をダイヤルして下さい。』(但し、“#OO”は電話機から入力する特番ダイヤル例を示す)といったような内容で音声ガイド出力してモデム80より公衆網90に音声信号を流し、発呼者に操作法をガイドする。そしてステップS16の処理に入る(ステップS27)。
【0088】
ステップS25でのチェックの結果、データ受信があった場合は、その受信されたデータの内容が所定の内容かをチェックする(ステップS26)。所定の内容とは、時間延長の遠隔指令としての前記特番ダイヤル“#OO”と暗証番号(ステップS11において登録された暗証番号)である。そして、そうでない場合には、ステップS27の音声ガイド出力を行い、ステップS16の処理に入る。
【0089】
ステップS27のチェックの結果、所定の内容に一致したときはシンボルBからの処理に移る。
【0090】
シンボルBではまず延長料金管理に入る(図10のステップS28)。延長料金管理は、セキュリティサービス利用の残存時間が経過した時点から、利用者が延長料金をコインボックス機構部160のコイン投入口に利用料金を投入する間での経過時間を単位時間刻みで累積して管理する機能であり、この延長料金管理により積算された料金額は、延長料金としてディスプレイに表示する(図10のステップS30)。このようにして、公衆網90から当該ランドリ装置10のモデム80に接続されている回線の電話番号を、携帯電話や公衆電話などからダイヤルして当該モデム80に着信させ、特番をダイヤルしてさらに自己が暗証番号の登録操作で登録した(ステップS5,S7,S8,S9,S10)ものと同じ暗証番号をダイヤル入力して送れば、遠隔操作によるセキュリティサービスの利用を延長することができる。
【0091】
セキュリティサービスの利用延長がなされると、コントローラ50はコインが投入されたか否かをチェック(図10のステップ31)と延長料金管理(ステップS28)を繰り返す。すなわち、コインが投入されなければステップS28の処理に戻り、延長料金管理を続ける。
【0092】
利用者が、操作機構部29のコイン投入口31にコインを投入したとする。この投入されたコインは金種が検知され、金種対応の信号としてコインボックス機構部160よりコントローラ50に送られるので、コントローラ50はこの信号よりいくら投入されたかを認識する(図10のステップS31,S32,S33)。そして、投入料金が利用料金(延長料金)に足りるか否かをチェックし(図10のステップS34)、投入金額が利用料金に足りればディスプレイ30に暗証番号登録などの操作入力を促す表示をするが(図10のステップS35)、不足であればさらなるコインの投入を促す表示をする(図10のステップS36)。
【0093】
ステップS34でのチェックの結果、金額に不足がなければ、暗証番号入力を待つ。利用者はキースイッチ部161を操作して所望の暗証番号を入力し、登録ボタンを押す。入力された暗証番号はコントローラ50の持つバッファに保持され(図10のステップS37,S38)、必要な桁数分の入力がすめば(ステップS39)、登録暗証番号と一致したかをチェックする(図10のステップS40)。入力した暗証番号を取り消したいときは、取り消しボタンを押すことで取り消し可能である。取り消しボタンが押されたときはコントローラ50は前記バッファ内の暗証番号情報をクリアし、新たな暗証番号の入力待ちとなる(図10のステップS41,S42,S35)。
【0094】
利用者が再びキースイッチ部161を操作して暗証番号を入力するとその入力された暗証番号はコントローラ50の持つバッファに保持され(図10のステップS37,S38)、必要な桁数分の入力がすめば(ステップS39)、登録暗証番号と一致したかをチェックする(図10のステップS40)。
【0095】
その結果、不一致ならばステップS41からの処理に移り、前述の処理を繰り返すが、登録暗証番号と一致した場合にはステップS43の処理に移る。ステップS43では、コントローラ50は、まずタイマをオフにし、且つ、タイムカウント値をクリアすると共に、メモリに登録してあった暗証番号をクリアした後(図10のステップS43,S44)、コントローラ50は電動施錠・解錠機構170に対して解錠指令を送る(図10のステップS45)。
【0096】
これにより、電動施錠・解錠機構170はソレノイドが励磁され、デッドボルト23の円盤状の本体23aが回動されることで、デッドボルト部23bが回動移動する。そして、開閉扉14のドア取手機構部18のデッドボルト嵌合孔21との嵌合がはずれる。これにより、解錠状態になる。従って、この状態では、開閉扉14におけるドア取手機構部18のラッチボルト20のみが、セキュリティ・ドア・ロック機構部16の受け座(嵌合溝)28に嵌合している状態であるから、開閉扉14は閉じた状態が保たれるが、鍵がかかった状態ではないので、ドアハンドル19を操作すればいつでも開閉扉14を開くことができる。
【0097】
以上のように、この実施例はセキュリティ・ドア・ロック機構部を有するランドリ装置に更にモデムを設けて公衆網と通信可能にし、洗濯・乾燥の実施中に、利用者がランドリ装置から離れて別な用事を済ませようとする場合に、セキュリティ・ドア・ロック機構部によるセキュリティサービスを利用し、最初の設定時間の間だけ、ドアロックさせるべく機能させて外出したが、出先で手間取ってサービス時間満了までに戻ることができないような事態に遭遇したとしても、携帯電話や公衆電話などの端末から電話番号をダイヤルしてランドリ装置を呼び出し、延長手続を遠隔操作により実施できるようにしたものである。
【0098】
従って、セキュリティサービス機能を利用して施錠状態にし、ランドリ装置から離れても、延長手続きを遠隔操作により実施可能であり、安心して用事を済ませることができるようになって、サービス性の一層の向上を図ることのできるようにしたランドリ装置を提供できる。また、この延長サービスを適用する場合においても、延長料金は所定の単位時間刻みで管理し、開錠操作時に徴収するようにしたことから、利用者にはコスト意識が働き、手短に用事を済ませて戻ろうとする積極的な心理が働き、従って、本ランドリ装置をコインランドリの店舗で運用する場合に、保管だけのサービスにいつまでも占有されてしまうという営業上の懸念も小さい。
【0099】
尚、以上の例はランドリ装置毎に加入者回線を引く例を示している。従って、8台のランドリ装置があれば8回線分の電話加入が必要であり、20台のランドリ装置があれば20回線分の電話加入が必要であるといった具合に、電話加入とその電話料金の月々の負担が大きく、無駄も多い。そこで、このような電話加入に起因する負担を合理的に軽減できるようにすることも考えねばならない。その場合の解決策としては次のようなものが考えられる。
【0100】
一つは、ISDN(サービス総合デジタル網)のような付加価値の高い公衆網の利用であり、もう一つはパソコン等によるLAN(ローカルエリアネットワーク)の利用である。
【0101】
例えば、ISDNを用いれば、一つの加入者番号(一つの電話番号)毎に、基本インターフェースでは8つのサブアドレスを設定して識別することが可能であるから、そのサブアドレス機能を使用し、各ランドリ装置にはそれぞれ別々のサブアドレスを設定して、そのサブアドレスにより、各ランドリ装置を識別して着信させるようにすれば、一つの加入者回線(一つの電話番号)で複数台のランドリ装置のうちの所望のものを遠隔制御可能になり、運用コストの抑制を図りつつも、利用者に対しては個別にセキュリティサービスを提供することが可能になる。
【0102】
また、同様の考え方はパソコンを用いて実現することも可能である。すなわち、モデムはパソコンに持たせた構成とし、各ランドリ装置にはパソコンとの接続用のインタフェースを設け、ネットワークで接続しておく。そして、各ランドリ装置にはID(識別コード)を設定してパソコンと各ランドリ装置とはこのIDで自他を識別してデータを授受することができるようにする。そして、利用者は電話端末などからこのパソコンが接続されている加入者回線の電話番号をダイヤルし、接続されたならばランドリ装置を識別するための情報を特番ダイヤル入力し、また、延長のための特番ダイヤル入力と暗証番号をダイヤルすることで、パソコン側では、ランドリ装置特定のための特番ダイヤル情報からランドリ装置を特定し、そのランドリ装置を呼び出し、そのランドリ装置に、延長のための特番ダイヤル入力と暗証番号をダイヤルを渡すことで、セキュリティサービスの延長を遠隔操作により利用できる仕組みが、限られた加入者回線を利用して構築できる。
【0103】
また、上記第1および第2の実施例において、キースイッチ部15d,161や表示部(ディスプレイ)15a,30やコインボックス機構部150,160は洗濯・乾燥機操作設定用のものとセキュリティサービス用のものをそれぞれ別々に設置した例を示したが、これらを一本化し、共用のものとすることもできる。第1の実施例に適用したものを図11に、また、第2の実施例に適用したものを図12に示す。共用化したキースイッチ部が図における180である。
【0104】
なお、本発明は上述した実施形態に示す例に限定されるものではなく、種々変形して実施可能である。例えば、施錠・解錠機構部分は鍵機構として単体で利用可能であり、ランドリ装置以外の扉の施錠用に応用可能である。
【0105】
また、本発明において、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0106】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、コインランドリでの洗濯と乾燥までの工程終了までに費やす待ち時間を利用者に浪費させることなく、有効に活用してもらうことが可能な業務用のランドリ装置を提供することができる。
【0107】
また、本発明によれば、利用者がコインランドリ利用中に当該コインランドリの店舗から離れている間において、ランドリ設備を無用に占有されることなく、営業利益を合理的に生み出すことができると共に、サービスの一つとして利用者に受け止めて貰えるようにした業務用のランドリ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランドリ装置の外観を説明するための図である。
【図2】本発明のランドリ装置の開閉扉におけるドア取手機構部の外観を説明するための図である。
【図3】本発明のランドリ装置に用いるセキュリティ・ドア・ロック機構部における施錠・解錠機構の構造を説明するための図である。
【図4】本発明のランドリ装置に用いるセキュリティ・ドア・ロック機構部16における操作機構部29の外観を説明するための図である。
【図5】本発明のランドリ装置の外観を説明するための図である。
【図6】本発明のランドリ装置の機能構成を説明するための機能ブロック図である。
【図7】第1の実施例におけるランドリ装置の動作手順を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施例におけるランドリ装置の機能構成を説明するための機能ブロック図である。
【図9】第2の実施例におけるランドリ装置の動作手順を説明するフローチャートである。
【図10】第2の実施例におけるランドリ装置の動作手順を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施例におけるランドリ装置の別の構成例を説明するための機能ブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施例におけるランドリ装置の別の構成例を説明するための機能ブロック図である。
【符号の説明】
10…ランドリ装置
11…ランドリ装置の本体
14…開閉扉
15…操作機構部
15a,30…表示部(ディスプレイ部)
15d,161…キースイッチ部
16…セキュリティ・ドア・ロック機構部
18…ドア取手機構部
23…デッドボルト
23a…円盤状の本体
23d…回動軸
25…リンク
29…操作機構部
31…コイン投入口
50…コントローラ
60…洗濯機機能部
70…乾燥機機能部
170…電動施錠・解錠機構部。

Claims (1)

  1. 洗濯あるいは乾燥処理対象の衣料・繊維製品の出し入れ口を開閉するための開閉扉を有した洗濯処理あるいは乾燥処理の少なくとも一方の機能を有するランドリ装置において、
    所望の暗証番号を一時的に登録する暗証番号登録手段と、
    前記開閉扉を施錠すると共に、前記暗証番号登録手段にて登録された暗証番号により、もしくは施錠後、予定時間の経過後に開錠可能な施錠機構と、
    料金徴収機構と、
    前記施錠機構による開閉扉の施錠は、前記料金徴収機構によるセキュリティーサービス利用の料金徴収後に実行可能とする手段と、
    通信回線を介して外部と信号授受する通信手段と、
    前記施錠機構の施錠後、この通信手段を介して所定の信号を受信すると前記施錠機構の施錠状態を延長すべく制御する制御手段と、
    前記施錠状態を延長すべく制御されたときは、セキュリティーサービス利用の残存時間が経過した時点から、利用者が延長料金を前記料金徴収機構に投入するまでの時間を管理し、延長料金を設定する手段と、
    前記延長料金が設定されているときは、料金が投入されたときに、投入料金が延長料金に足りるか否かをチェックする手段と、
    前記投入料金が延長料金に足りるときは、暗証番号の入力を促し、不足であればさらなる料金の投入を促す表示をする手段と、
    前記投入料金が延長料金に足りるときに、前記暗証番号が入力され、かつ正しい暗証番号のときに前記開閉扉の開錠を可能とする手段と、
    を具備したことを特徴とするランドリ装置。
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