JP3702584B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
左右独立制御式の車両用空調装置は、運転席側および助手席側で独立して空調制御を可能としたものである。そして、車室内の運転席側乗員および助手席側乗員によってそれぞれ設定された空調モードに基づき、運転席側用および助手席側用で独立して設けられた空調ダクト内でそれぞれ独立して温調された空気を、車室内の運転席側あるいは助手席側にそれぞれ配設されたベンチレータ吹出口、フット吹出口などの吹出口からそれぞれ独立して吹き出すことができる。
【0003】
このような、左右独立制御式の車両用空調装置において、空調ダクト内で温調された空気を上述した吹出口に左右独立して導くため、ベンチレータドア、フットドアなどの空調モードドアが運転席側用、助手席側用に独立して配設されており、これらの空調モードドアの開度を調整することにより、ベンチレータダクトやフットダクトなどを介して所望の吹出口へ温調後の空気を導くことができる。
【0004】
左右独立制御式の車両用空調装置は、上述した吹出口に加えてフロントウインドウやサイドウインドウの車室内側に結露して付着した水滴や、寒冷時にこれらウインドウの外側に付着した霜を除去するためのデフロスタ吹出口を車室内前方に備えており、空調ダクト内で除湿、あるいは暖められた空気をこのデフロスタ吹出口から吹き出してフロントウインドウの曇りを除去し、車両前方の視界を確保する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、デフロスタは車両前方の視界を確保するためものであるから、フロントウインドウの左側だけ、あるいは右側だけの視界を確保すればよいものではなく、左右両側の曇りを同時に除去することが望ましい。このため、デフロスタは運転席側と助手席側とで独立に作動させる必要はなく、従って上述の空調ダクトに設けられるデフロスタドアは1枚で構成されていた。
【0006】
また、左右独立制御式の空調装置において、運転席側あるいは助手席側それぞれの空調ダクトを通過した空気の温度は、それぞれの席に座る乗員による設定によっては異なっている場合がある。また、運転席側の乗員が空調モードをデフフットモード、すなわち温調された空気をフット吹出口とデフロスタ吹出口とから所定の配風比で吹き出すモード(以下D/Fモード)としたときに、助手席側の空調モードがこれと異なるモードになっていた場合、運転席側の空調ダクトを経て運転席側デフロスタ吹出口に導かれる空気の風量と助手席側の空調ダクトを経て助手席側デフロスタ吹出口に導かれる空気の風量とは異なる。
【0007】
これにより、運転席側の空調ダクトを経てデフロスタ吹出口に達する空気と助手席側の空調ダクトを経てデフロスタ吹出口に達する空気とでは熱量、つまり風量と風温との積で求められる値も異なる。したがってフロントウインドウの曇りの除去性能(窓晴性)は左右(助手席側と運転席側)で異なってしまい、均一な窓晴性が得られない場合があった。この場合、助手席側の空調モードおよび空調設定温度を運転席側のそれと揃える必要があり、これにより車両用空調装置の操作が煩雑になるとともに、助手席側の乗員は不所望の設定温度や空調モードによって快適性を損なうことがあった。
【0008】
本発明の目的は、複雑な操作が不要で、助手席側の乗員の快適性を損なうことなく、フロントウインドウの窓晴性に優れた車両用空調装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態を示す図1、図2および図7を参照し、本発明について説明する。
(1) 請求項1に記載の発明は、車室内前方の運転席側および助手席側にそれぞれ配設されたデフロスタ吹出口37a、37bを含み、車室内の所定位置に配設された複数の吹出口35、36と;温調ダクト10の内部に配設され、温調ダクト10の内部で温調された空気を、設定された空調モードに基づいて複数の吹出口35、36、37a、37bのうちのいずれかから吹き出し可能とする複数のベンチレータドア24d、25d、複数のフットダクトドア26d、27dおよび複数のエアミックスドア16d、17dと一枚のデフロスタドア23dとを有し;複数の吹出口35、36、37a、37bの中から空気が実際に吹き出す吹出口の選択およびこの吹出口より吹き出す空気の吹出温度に関し、車室内の運転席側および助手席側で独立して制御可能な車両用空調装置に適用される。そして、運転席側に配設されたデフロスタ吹出口37aより吹き出す空気の熱量および助手席側に配設されたデフロスタ吹出口37bより吹き出す空気の熱量をそれぞれ検出するデフロスタ熱量検出手段40と;運転席側でデフフットモードが選択されたときに、熱量検出手段により検出された運転席側デフロスタ熱量と助手席側デフロスタ熱量とを比較し、助手席側のデフロスタ熱量の方が少ないときには、助手席側のデフロスタ熱量を増加させるように助手席側に配設されたデフロスタ吹出口37bからの空気吹出量を調節する制御手段40とを有することにより上述した目的を達成する。
(2) 請求項2に記載の発明において、デフロスタ熱量検出手段40は、ブロアファン11aのファン電圧に基づいて求められる風量と運転席側および助手席側のそれぞれの所定の吹出口から吹き出す空気の温度とからデフロスタ熱量を検出するものである。
(3) 請求項3に記載の車両用空調装置において、制御手段40は、助手席側のデフロスタ吹出口37bから吹き出す空気の吹出量を、デフロスタドア23dの開度により調節するものである。
(4) 請求項4に記載の車両用空調装置において、制御手段40は、デフロスタドア23dの開度を最大にして助手席側のデフロスタ吹出口37bからの空気吹出量を調節しても所定のデフロスタ熱量に達しない場合に、さらにブロアファン11aのファン電圧を上昇させてデフロスタ熱量を調節するものである。
【0010】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
【発明の効果】
(1) 請求項1に記載の発明によれば、デフロスタ熱量検出手段によって運転席側および助手席側のデフロスタ熱量を検出し、助手席側のデフロスタ熱量が運転席側のデフロスタ熱量よりも低い場合には、助手席側デフロスタ熱量を増加させるように助手席側のデフロスタ吹出口からの空気吹出量を調節する制御手段を有することにより、フロントウインドウの均一な窓晴性を得ることができるとともに、助手席側のデフロスタ熱量を風量で調節したので助手席側の吹出口から吹き出す空気の温度が変わらない。これにより乗員の温冷感を損なうことがない。
(2) 請求項2に記載の発明によれば、デフロスタ熱量をブロアファン電圧と吹出口から吹き出す空気の温度とからデフロスタ熱量を検出するので新たにセンサを設置する必要がない。
(3) 請求項3に記載の発明によれば、助手席側のデフロスタ吹出口より吹き出す空気の風量を、デフロスタドアの開度で調節するので、吹出空気温やブロアファンのファン速度を上げることなく助手席側デフロスタ熱量を増加させることができる。これにより乗員に違和感を与えることなくフロントウインドウの左右で均一な窓晴性を得ることができる。
(4) 請求項4に記載の発明によれば、上述した請求項3に記載の発明による効果に加え、助手席側のデフロスタ熱量をさらに増加させる必要があるときにはブロアファンの送風量を増すようにしたので、フロントウインドウの左右で均一な窓晴性をさらに確実に得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜図10を参照して本発明の実施の形態に係る左右独立制御式の車両用空調装置(以下独立式空調装置)について説明する。図1は独立式空調装置の要部構成を示す図であり、図2は車室内に配設された吹出口を説明する図である。図1において、独立式空調装置は制御パネル50、制御部40、ブロアユニット11、空調ダクト10などで構成される。そして、乗員が車室内のインストルメントパネルIP(図2)に設置された制御パネル50で所望の空調モードや温度を設定するのにともない、制御部40はブロアユニット11を駆動して空調ダクト内に空気を送り込む。空調ダクト10に送り込まれた空気は、空調ダクト10の内部に配設されたエバポレータ(冷却ユニット)15およびヒータコア(加熱ユニット)20を通過し、除湿や冷却あるいは加熱された後、図2に示す吹出口より車室内に吹き出す。
【0013】
図1を参照して上述した独立式空調装置についてさらに詳しく説明する。制御パネル50には助手席側の吹出口から吹き出す空気の吹出温度を設定する助手席側温調ダイヤル51、運転席側の吹出温度を設定する運転席側温調ダイヤル52、独立式空調装置の作動モードを設定する空調モードスイッチ54、そしてこれらの温調ダイヤル51、52やスイッチ54で設定された吹出温度や空調モードを表示する表示部53を有する。乗員は制御パネル50の温調ダイヤル51、52や空調モードスイッチ54などを操作することにより、ベンチレータ吹出口35やフット吹出口36、あるいはデフロスタ吹出口37(以上、図2)などの吹出口から所望の温度に温調された空気が吹き出すように設定することができる。
【0014】
制御部40には車室内の気温を測定する内気温センサ41、運転席側の日射量を検出する運転席側日射量センサ42、助手席側の日射量を検出する助手席側日射量センサ43、車室外の気温を測定する外気温センサ44、エバポレータ15(エバポレータ15の作用については後述)通過直後の空気温度を検出する吸込温センサ15aなどが接続される。そして、これらのセンサからの情報や、制御パネル50で設定された吹出温度や空調モードなどに基づき、制御部40はブロアユニット11および空調ダクト10に内蔵されたモータや他のアクチュエータを後述する方法によって制御する。
【0015】
ブロアユニット11は、独立式空調装置の送風源であり、その内部に配設されたブロアファン11aがファンモータ11bを駆動源として回転し、ブロアユニット11から空調ダクト10に向けて送風する。ファンモータ11bの回転速度は、ファンコントロールアンプ11cを介して制御部40によって制御され、これにより送風量が制御される。なお、ファンコントロールアンプ11cは制御部40からの制御信号を受けてファンモータ11bに印加する電圧を調節するためのものである。また、ブロアユニット11にはインテークドア14dが配設されており、このインテークドア14dは制御部40によりインテークドアアクチュエータ14aを介して開閉駆動される。そしてインテークドア14dの開度に応じ、車室内の空気を循環させて空調を行う内気循環モード、外気より空気を導入して空調を行う外気導入モード、あるいは半内気モードによる空調が可能となる。
【0016】
ブロアユニット11より送られた空気は、空調ダクト10の内部をその上流(図の左側)から下流(図の右側)に向けて流れる。この空調ダクト10の内部上流側にはエバポレータ15、吸込温センサ15aが配設される。エバポレータ15の下流側には空調ダクトを2分割する隔壁10pが配設されていて、これにより運転席側、助手席側で独立した空調ダクト部を形成している(隔壁10pを境に図の上側が運転席側、下側が助手席側)。
【0017】
エバポレータ15の下流にはバイレベルドア18d、19d、エアミックスドア16d、17d、デフロスタドア(以下デフドア)23d、ベンチレータドア24d、25d、フットドア26d、27dが配設される。これらのドアは、それぞれアクチュエータ16a、17a、18a、19a、23a、26a、27aを介して制御部40によりその開度が調節される。これらのドアはまた、運転席側、助手席側にそれぞれ1枚づつ配設されており、デフドア23dを除いてそれぞれの側で独立した開度での調節が可能となっている。なお、図1においてデフドア23dは、図示に際しての便宜上独立して作動可能なものが2枚あるように描かれているが、実際にはユニットの外側で左右連結されて一体に開閉動作する。
【0018】
上述した空調ダクト10の内部でブロアユニット11から送風された空気がどのように温調されるのかについて説明する。エバポレータ15には、不図示のコンプレッサ、コンデンサ等を介して凝縮された冷媒が流入しており、空調ダクト10内を流れる空気がエバポレータ15を通過する際に冷却、除湿される。吸込温センサ15aは、エバポレータ15を通過して冷却された空気の温度を検出するためのものである。
【0019】
隔壁10pによって空調ダクト10の内部を運転席側、助手席側に分流した空気は続いてヒータコア20によってリヒートされる。ヒータコア20の内部にはエンジン冷却後の冷却水(熱水)が循環している。なお、空調ダクト10の内部は、運転席側、助手席側で同様の構成となっており、以降は運転席側についてのみ説明する。
【0020】
制御部40は、先に説明した内気温センサ41、運転席側日射量センサ42、外気温センサ44、吸込温センサ15で検出される各種情報やファンモータ11bに印加される電圧(ファン電圧)すなわち送風量、そして制御パネル50で設定された温度や空調モードなどに基づいてバイレベルドア18d、エアミックスドア16dの開度を調節する。これによりヒータコア20を通過して流路DHに沿って流れる空気と、ヒータコア20を通過せずに流路DCに沿って流れる空気との分流比が調節されて空調ダクト10の内部の空気は所定の温度に調節される。
【0021】
所定温度に調整された空調ダクト10内の空気はその後、制御パネル50で設定された空調モードに応じて開閉制御されたデフドア23d、ベンチレータドア24d、あるいはフットドア26dの開度に応じてデフロスタダクト21、ベンチレータダクト28あるいはフットダクト30を経て図2に示す所定の吹出口より吹き出す。
【0022】
図3〜図10を参照し、制御部40(図1)に内蔵されたCPU(不図示)で処理されるプログラムのうちの運転席側空調制御プログラムについて図3〜図5および図8〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。図3のステップS101では、独立式空調装置の運転がOFFになっているかどうかを判定し、肯定されるとステップS107に分岐し、D/Fモードに設定する。なお、このステップS107においてはデフドア23dおよびフットドア26dを所定角度に開くのみで、ブロアユニット11は作動しない。一方、ステップS101が否定されたときにはステップS102に分岐し、空調モードがマニュアル(手動)であるかどうかを判定する。そして否定されるとステップS103以降のマニュアルモードの処理を行い、肯定されるとステップS108以降のオートモードの処理を行う。以下これらのモードについて説明する。
【0023】
− オートモード −
ステップS103では、運転席側日射量センサ42(図1)で検出された日射量をもとに、独立式空調装置の温度補正量hQsunDrを求める。なお、処理ブロックS103に示す図は、プログラムに格納された日射量→温度補正量hQsunDr変換データテーブルの概念を示すグラフであり、横軸に運転席側日射量センサ42で検出される日射量を、縦軸に温度補正量hQsunDrをとっている。また、このグラフ中のクリッピングポイント、すなわち検出された日射量に対する温度補正量hQsunDrの比例限界は定数Aで定められる。
【0024】
続いてステップS104で運転席側目標吹出口温度XMDrを算出する。なお、図3に示すステップS104の処理ブロックにおいて、Sは目標空調温度と実際の温度との差を、FおよびGは定数、XDrは運転席側のエアミックスドア16d(図1)の開度に関連した値、TINTは吸込温センサ15aで検出される温度である。そしてステップS105ではステップS103で求めた温度補正量hQsunDrを加味した運転席側目標吹出口温度XDDrを算出する。ステップS106では、ステップS104およびステップS105で算出した目標吹出温度XMDr、XDDrに基づいて、以降の処理ステップで送風モードを決定する際のしきい値H、I、IJ1、IJ2、J、Kに定数B〜Gを代入する。そして図4のステップS201に処理は続く。
【0025】
ここで、図4を参照してのプログラムの説明に先立ち、ステップS201、S202、S203、S206、およびS208の各処理ブロックに描かれている図について、ステップS201の処理ブロックの図を例にとって説明する。ステップS201の処理ブロックに描かれている図は、運転席側目標吹出温度XMDrに対する吹出口の制御状態を示す状態遷移図であり、しきい値近辺での制御の安定を図るためにヒステリシスゾーンが設けられていることを示している。そしてこの処理ブロックの右上に「VENT優先」と記載されているが、これは独立式空調装置運転開始直後の初期状態において運転席側目標吹出温度XMDrが上述したヒステリシスゾーン内にあった場合にはVENTを優先させて選択することを示している。以下、ステップS202、S203、S206、S208でも同様の表記がなされているが、処理内容はステップS201のそれと同様である。また、これらの処理ステップにおいては判定のみを行い、この判定結果に基づく実際の切換動作は後のステップで行われる。
【0026】
ステップS201では、運転席側目標吹出温度XMDrおよびしきい値H、Iに基づいて、空調ダクト10(図1)で温調された空気をベンチレータ吹出口35(図2)より吹き出す(VENT)か、あるいはベンチレータ吹出口35およびフット吹出口36(図2)の双方から所定の配風比で吹き出す(B/L1)かを判定する。ステップS202では、運転席側目標吹出温度XDDrおよびしきい値IJ1、IJ2に基づいてB/L1とするか、あるいはB/L1とは異なる配風比を有するB/L2とするかを判定する。ステップS203では、運転席側目標吹出温度XDDrおよびしきい値J、Kに基づいてB/L2とするか、あるいはデフロスタ吹出口37およびフット吹出口36(図2)の双方から所定の配風比で吹き出す(D/F1)とするかを判定する。
【0027】
上記ステップS201〜S203の判定結果に基づき、ステップS204でVENTとするかどうかを判定し、肯定されるとステップS211に分岐し、ベンチレータドア24d(図1)を開く一方、否定された場合にはステップS205に分岐する。ステップS205ではB/Lとするかどうかを判定し、肯定されるとステップS212に分岐し、バイレベルドア18d、エアミックスドア16d、ベンチレータドア24d、およびフットドア26d(図1)の開度を所定角度に制御してベンチレータ吹出口35(図2)からは冷風を吹き出すとともにフット吹出口36(図2)からは温風を吹き出す。一方、ステップS205が否定された場合にはステップS206で運転席側目標吹出温度XMDrおよびしきい値L、Mに基づいて状態1か状態2かを判定する。
【0028】
ステップS207において、ステップS206での判定結果が状態1であるかどうかをチェックし、肯定された場合にはステップS213に分岐し、フットドア26d(図1)を開く(FOOT)。一方、ステップS207が否定された場合すなわちステップS206での判定結果が状態2であった場合にはステップS208に分岐する。
【0029】
ステップS208では外気温TAMおよびしきい値N、Oに基づいて状態1か状態2かを判定する。そしてステップS209において、ステップS208での判定結果が状態1であるかどうかを判定し、肯定された場合にはステップS213に分岐し、フットドア26d(図1)を開く(FOOT)。一方、ステップS209が否定された場合すなわちステップS208での判定結果が状態2であった場合にはステップS210に分岐し、デフドア23dおよびフットドア26d(図1)の開度を所定角度に調節し、デフロスタ吹出口37およびフット吹出口36(図2)より、空調ダクト10(図1)で温調された空気を所定の配風比で吹き出す(D/F)。
【0030】
なお、この運転席側空調制御プログラムにおいて、図3に示すフローチャートのステップS210、S211、S212、S213での処理を済ませた後、プログラムはステップS101に戻る。これにより車室内外の気温や日射量などの状況の変化に応じて空調制御を継続する。
【0031】
− マニュアルモード −
再び図3を参照し、ステップS102で空調モードがマニュアルモードと判定され、ステップS108に分岐した場合について説明する。ステップS108ではVENTモードが設定されているかどうかを判定し、肯定された場合にはステップS113に分岐してベンチレータドア24d(図1)を開く(VENT)。ステップS108が否定された場合にはステップS109に分岐し、B/Lモードが設定されているかどうかを判定する。そして肯定された場合にはステップS114に分岐し、バイレベルドア18d、エアミックスドア16d、ベンチレータドア24d、およびフットドア26d(図1)の開度を所定角度に制御してベンチレータ吹出口35(図2)からは冷風を吹き出すとともにフット吹出口36(図2)からは温風を吹き出す(B/L)。
【0032】
ステップS109が否定された場合にはステップS110に分岐し、FOOTモードが選択されているかどうかを判定する。そして肯定された場合にはステップS115に分岐してフットドア26d(図1)を開き、フット吹出口36(図1)より空気を吹き出す(FOOT)。一方、ステップ110が否定された場合にはステップS111に分岐し、D/Fモードが選択されているかどうかを判定する。そして否定された場合にはステップS112に分岐してデフドア23d(図1)を開き、デフロスタ吹出口37(図2)より空気を吹き出す(DEF)。一方、ステップS111の判定結果が肯定された場合には図7のステップS301に分岐する。
【0033】
続いて図3に示すフローチャートのステップS111の判定結果が肯定された場合、すなわちD/Fモードが選択されていると判定された場合の分岐先であるステップS301およびそれに続くステップの説明に入る前に、以降の説明中で用いられる記号およびデータ変換マップについて説明する。
【0034】
図7〜図10のフローチャート中で用いられる記号の意味は以下の通りである。そして、各記号の添え字にDrとあるものが運転席側のものであり、ASとあるものが助手席側のものである。
Figure 0003702584
Figure 0003702584
Figure 0003702584
【0035】
図5および図6を参照して、後述するプログラムの中で用いられるマップについて説明する。図5は、ファンモータ11b(図1)に印加されたファン電圧Vfで得られるVENT風量、B/L風量、あるいはFOOT風量を求めるためにプログラム内に格納されたファン電圧→風量変換マップの概念図である。図5に示すマップ概念図において、横軸にはファン電圧Vfを、縦軸には各空調モード時にそれぞれの吹出口から吹き出す空気の風量をとってある。図5に示すように、ファン電圧Vfが上昇するのにともない、各吹出口から吹き出す空気の風量Fは増加する。そして図5からあきらかなように、同じファン電圧時においてはフット吹出口からよりもベント吹出口からの風量の方が多い。なお、図5に示すファン電圧Vfと風量Fとの関係は運転席側と助手席側とで同じであり、以下に説明するプログラム中では、運転席側風量も助手席側風量も同じマップから求める。
【0036】
図6は、助手席側の空調モードがVENTモード、B/Lモード、あるいはFOOTモードに設定されている状態でデフドア23d(図1)を所定開度(全閉を0%、全開を100%とする)に開いたときの助手席側VENT風量、B/L風量、あるいはFOOT風量に対する助手席側デフロスタ風量の比(デフロスタ配風比)を求めるため、後述するプログラムの中に格納されたデフドア開度→助手席側デフロスタ配風比変換マップの概念図である。図6に示すマップ概念図において、横軸にはデフドア23d(図1)の開度XDEFを、縦軸には助手席側で設定された各空調モードにおける助手席側デフロスタの配風比をとってある。図6を参照し、助手席側の空調モードがFOOTモードに設定されていた場合の助手席側デフロスタ配風比を例にとって説明すると、例えばXDEFが100%(デフドアが全開)のとき、配風比はHfmaxとなる一方、運転席側の空調モードがD/Fモードに設定されるのに伴ってデフドアが半開状態になるときの配風比はHfとなる。
【0037】
図7〜図10を参照してステップS301以降の処理について説明する。ステップS301では、運転席側目標吹出温度XMDrを算出し、続いてステップS302で助手席側目標吹出温度XMASを算出する。なお、この計算内容はステップS104(図3)での計算内容と同様であり、その説明を省略する。
【0038】
ステップS303では、このステップS303実行時点でファンモータ11b(図1)に印加されているファン電圧Vfに対するFv、FB/L、Ffを、図5にその概念を示したファン電圧→風量変換マップより読み込む。ステップS304では、運転席側空調モードがD/Fモード(デフドア半開状態)における配風比Hv、HB/L、Hfを、さらにデフドアを全開にしたときの配風比Hvmax、HB/Lmax、Hfmaxを図6にその概念図を示したデフドア開度→助手席側デフロスタ配風比変換マップより読み込む。
【0039】
ステップS305では、ステップS303で読み込んだFfと、運転席側の吹出口のモードにより決まる運転席側の吹出口のモードにより決まる運転席側デフロスタ配風比HFDrとの積FDDR、すなわち運転席側デフロスタ吹出口より吹き出す空気の風量を求める。ステップS306では運転席側の目標吹出温度XMDR(ステップS301で算出)とFDDRとの積QDDR、すなわち運転席側における防曇性能上必要とされるデフロスタ熱量を算出する。ステップS307では助手席側で設定されている空調モードを判定し、VENTモードと判定された場合には図8のステップS401へ、B/Lモードと判定された場合には図9のステップS501へ、FOOTモードと判定された場合には図10のステップS601へ、それぞれ分岐する。以下ステップS305でVENTモードと判定された場合、B/Lモードと判定された場合、FOOTモードと判定された場合について順次説明する。
【0040】
− 助手席側空調モード=VENTモード −
図8を参照してステップS401〜ステップS414について説明する。ステップS401では、FvとHvとの積FDAS、すなわち助手席側デフロスタ風量を求める。ステップS402ではXMASとFDASとの積すなわち助手席側デフロスタ熱量QDASを算出する。ステップS403ではステップS306(図7)で求めた運転手席側デフロスタ熱量QDDr(防曇性能上必要とされるデフロスタ熱量)とステップS402で求めた助手席側デフロスタ熱量DASとの差Qsを求める。そして、ステップS404でQsが正であるかどうかを判定する。そして否定された場合、つまり助手席側のデフロスタ熱量が運転席側のデフロスタ熱量と等しいか上回っている場合にはステップS412に分岐して運転席側の空調モードをD/Fモードに設定する。すなわち、助手席側のデフロスタ熱量が運転席側のデフロスタ熱量と等しいか上回っている場合には、助手席側のデフロスタによる防曇性能(窓晴性)と運転席側のデフロスタによる窓晴性との比較において、等しいか上回っている訳であるから、運転席側のフロントウインドウが晴上がる時点において助手席側のフロントウインドウは既に晴れ上がっていることになる。従って制御部40(図1)は、デフロスタドア23dおよびフットドア26d(図1)の開度を通常のD/Fモードとなるように設定する。
【0041】
一方、ステップS404が肯定された場合、すなわち助手席側デフロスタ熱量が窓晴性上必要とされるデフロスタ熱量QDDrを下回っていた場合、ステップS405に分岐する。そしてステップS405ではFv、XMAS、Hvmaxの積Q’DAS、すなわちデフドア23d(図1)の開度を最大にした場合の助手席側デフロスタ熱量を求める。次いでステップS406では窓晴性上必要とされるデフロスタ熱量QDDrと助手席側のデフロスタ熱量Q’DASの差Q’sを求める。
【0042】
ステップS407では、ステップS406で求めたQ’sが正であるかどうか、すなわちデフドア23dを全開にしてもまだ窓晴性上必要とされるデフロスタ熱量(このデフロスタ熱量は、図7のステップS306で算出した運転席側のデフロスタ熱量である。)が助手席側のデフロスタ熱量を上回っているかを判定し、肯定された場合にはステップS408に分岐する。ステップS408ではXDEF=1、すなわちデフドア23dの開度を全開とするように制御パラメータに値をセットし、ステップS409ではF’v、すなわちデフドア23dを全開にした上で、窓晴性の上で必要とされるデフロスタ熱量と助手席側のデフロスタ熱量とを等しくするために必要な助手席側ベンチレータ風量の目標値を求める。ステップS410では、この助手席側ベンチレータ風量の目標値F’vを得るために必要なファン電圧Vfを、図5にその概念図を示すデータ変換マップより求める。そして、求められたファン電圧をもとに制御パラメータに値をセットする。ステップS411ではステップS408およびステップS410でセットされた制御パラメータに基づいてデフドア23dの開度およびブロアファン11aのファン速(ファン電圧)を設定した上でD/Fモードでの運転を開始する。
【0043】
以上、ステップS408〜ステップS411の処理が窓晴性の上で必要とされるデフロスタ熱量(図7のステップS306で算出された値)と助手席側(VENTモードで作動中)のデフロスタ熱量とを等しくする際に、デフドア23d(図1)を全開にし、かつファン速を増す場合の処理である。
【0044】
一方、ステップS407での判定が否定された場合にはステップS413に分岐する。そしてステップS413においてH’v、すなわち窓晴性の上で必要とされるデフロスタ熱量(この熱量は、図7のステップS306で算出した運転席側デフロスタ熱量である。)とVENTモードで作動中の助手席側デフロスタ熱量とを等しくするのに必要な助手席側VENT風量に対する助手席側デフロスタ風量の比(デフロスタ配風比)を求める。ステップS413で算出された配風比をもとに、ステップS414では図6にその概念図を示すデータ変換マップよりデフドア開度の目標値XDEFを求め、制御パラメータに値をセットする。そしてステップS411に飛び、ステップS414でセットされた制御パラメータに基づいてデフドア23dの開度を設定した上でD/Fモードでの運転を開始する。
【0045】
以上のステップS413、ステップS414およびステップS411の処理が窓晴性上必要とされる熱量(図7のステップS306で算出された運転席側のデフロスタ熱量)と助手席側(VENTモードで作動中)のデフロスタ熱量とを等しくする際に、デフドア23dの開度のみを調整する場合の処理である。なお、以下の説明において、「窓晴性上必要とされるデフロスタ熱量」は、図3のステップS306で算出した運転席側デフロスタ熱量であるので、適宜これを「運転席側デフロスタ熱量」と表現する。
【0046】
− 助手席側空調モード=B/Lモード −
図9を参照してステップS501〜ステップS514について説明する。なお、図9に示すステップステップS501〜ステップS514の処理内容は、図8に示すステップS401〜ステップS414の処理内容と基本的には同じ処理内容となっている。したがってここでは各ステップでの処理内容のみを説明し、これらのステップによる作用等、解説的な説明については省略する。
【0047】
図9において、ステップS501では、FB/LとHB/Lとの積FDAS、すなわち助手席側デフロスタ風量を求める。ステップS502ではXMASとFDASとの積すなわち助手席側デフロスタ熱量QDASを算出する。ステップS503ではステップS306(図7)で求めた運転手席側デフロスタ熱量QDDrとステップS502で求めた助手席側デフロスタ熱量との差Qsを求める。そして、ステップS504でQsが正であるかどうかを判定する。そして否定された場合にはステップS512に分岐して運転席側の空調モードをD/Fモードに設定する。
【0048】
一方、ステップS504が肯定された場合、ステップS505に分岐する。そしてステップS505ではFv、XMAS、HB/Lmaxの積Q’DAS、すなわちデフドア23d(図1)の開度を最大にした場合の助手席側デフロスタ熱量を求める。次いでステップS506では運転席側のデフロスタ熱量QDDrと助手席側のデフロスタ熱量Q’DASの差Q’sを求める。
【0049】
ステップS507では、ステップS506で求めたQ’sが正であるかどうかを判定し、肯定された場合にはステップS508に分岐する。ステップS508ではXDEF=1、すなわちデフドア23dの開度を全開とするように制御パラメータに値をセットし、ステップS509ではF’B/L、すなわちデフドア23d(図1)を全開にした上で運転席側のデフロスタ熱量(図7のステップS306で算出した熱量)と助手席側のデフロスタ熱量とを等しくするために必要なB/L風量の目標値を求める。ステップS510では、この助手席側B/L風量の目標値F’B/Lを得るために必要なファン電圧Vfを求める。そして、求められたファン電圧をもとに制御パラメータに値をセットする。ステップS511ではステップS508およびステップS510でセットされた制御パラメータに基づいてデフドア23dの開度およびブロアファン11aのファン速(ファン電圧)を設定した上でD/Fモードでの運転を開始する。
【0050】
一方、ステップS507での判定が否定された場合にはステップS513に分岐する。そしてステップS513においてH’B/L、すなわち運転席側のデフロスタ熱量(図7のステップS306で算出した熱量)と助手席側(B/Lモードで運転中)のデフロスタ熱量とを等しくするのに必要な、助手席側B/L風量に対する助手席側デフロスタ風量の比(デフロスタ配風比)を求める。そしてステップS513で算出された配風比をもとに、ステップS514でデフドア開度の目標値XDEFを求め、制御パラメータに値をセットする。そしてステップS511に飛び、ステップS514でセットされた制御パラメータに基づいてデフドア23dの開度を設定した上でD/Fモードでの運転を開始する。
【0051】
− 助手席側空調モード=FOOTモード −
図10を参照してステップS601〜ステップS614について説明する。なお、図10に示すステップステップS601〜ステップS614の処理内容は、図9に示すステップS401〜ステップS414の処理内容と基本的には同じ処理内容となっている。したがってここでも上述のステップS501〜ステップS511の処理内容の説明と同様に、各ステップでの処理内容のみを説明し、これらのステップによる作用等、解説的な説明については省略する。
【0052】
図10において、ステップS601では、FfとHvとの積FDAS、すなわち助手席側デフロスタ風量を求める。ステップS602ではXMASとFDASとの積すなわち助手席側デフロスタ熱量QDASを算出する。ステップS603ではステップS306(図7)で求めた運転手席側デフロスタ熱量QDDrとステップS602で求めた助手席側デフロスタ熱量QDASとの差Qsを求める。そして、ステップS604でQsが正であるかどうかを判定する。そして否定された場合にはステップS612に分岐して運転席側の空調モードをD/Fモードに設定する。
【0053】
一方、ステップS604が肯定された場合、ステップS605に分岐する。そしてステップS605ではFf、XMAS、Hfmaxの積Q’DAS、すなわちデフドア23d(図1)の開度を最大にした場合の助手席側デフロスタ熱量を求める。次いでステップS606では運転席側のデフロスタ熱量QDDrと助手席側のデフロスタ熱量Q’DASの差Q’sを求める。
【0054】
ステップS607では、ステップS606で求めたQ’sが正であるかどうかを判定し、肯定された場合にはステップS608に分岐する。ステップS608ではXDEF=1、すなわちデフドア23dの開度を全開とするように制御パラメータに値をセットし、ステップS609ではF’f、すなわちデフドア23d(図1)を全開にした上で運転席側のデフロスタ熱量(図7のステップS306で算出した熱量)と助手席側のデフロスタ熱量とを等しくするために必要なFOOT風量の目標値を求める。ステップS610では、この助手席側FOOT風量の目標値F’fを得るために必要なファン電圧Vfを求める。そして、求められたファン電圧をもとに制御パラメータに値をセットする。ステップS611ではステップS608およびステップS610でセットされた制御パラメータに基づいてデフドア23dの開度およびブロアファン11aのファン速(ファン電圧)を設定した上でD/Fモードでの運転を開始する。
【0055】
一方、ステップS607での判定が否定された場合にはステップS613に分岐する。そしてステップS613においてH’f、すなわち運転席側のデフロスタ熱量(図7のステップS306で算出した熱量)と助手席側(FOOTモードで運転中)のデフロスタ熱量とを等しくするのに必要な、助手席側FOOT風量に対する助手席側デフロスタ風量の比(デフロスタ配風比)を求める。そしてステップS613で算出された配風比をもとに、ステップS614でデフドア開度の目標値XDEFを求め、制御パラメータに値をセットする。そしてステップS611に飛び、ステップS614でセットされた制御パラメータに基づいてデフドア23dの開度を設定した上でD/Fモードでの運転を開始する。
【0056】
なお、図8〜図9に示したフローチャート中では特に図示していないが、ステップS411、S412(以上図8)、S511、512(以上図9)、S611、S612でD/Fモードでの運転を開始した後、プログラムはステップS101(図3)に戻る。
【0057】
独立式空調装置を以上に説明したように制御することにより、運転席側の乗員がD/Fモードを設定した場合に、運転席側における窓晴性の上で必要とされるデフロスタ熱量と助手席側のデフロスタ熱量とを比較し、助手席側のデフロスタ熱量が窓晴性の上で必要とされるデフロスタ熱量に比べて少ないときにはデフドア23d(図1)の開度を増すことで助手席側のデフロスタ熱量を増すことができる。それでも助手席側のデフロスタ熱量が足りないときにはブロアユニット11(図1)の送風量を増すことにより助手席側のデフロスタ熱量を増す。このとき、助手席側の目標吹出温度は変化させず、また助手席側の乗員によって設定された空調モードは維持される。これにより助手席側の乗員の温冷感を損なうことなく、また、違和感を与えることもなくフロントウインドウの左右両側の窓晴性を確保することができる。
【0058】
ところで、以上の実施の形態の説明においては、助手席側デフロスタ熱量と窓晴性の上で必要とされるデフロスタ熱量とが等しくなるようにデフドア23d(図1)の開度を調節し、それでも助手席側デフロスタ熱量が不足する場合にはデフドア23dを全開にした上でブロアユニット11(図1)の送風量を増し、助手席側のデフロスタ熱量を確保するものであったが、デフロスタ開度は変更せずにブロアユニット11(図1)の送風量のみを調整するものであってもよい。
【0059】
また、以上の実施の形態の説明においては、助手席側のデフロスタ熱量と窓晴性の上で必要とされるデフロスタ熱量とが等しくなるようにデフロスタ風量を増加させる例について説明したが、運転席側および助手席側で必ずしもデフロスタ熱量を等しくする必要はなく、助手席側のデフロスタ熱量を所定量増加させるものであってもよい。
【0060】
さらに、デフロスタ開度を最大にした上でブロアユニット11(図1)の送風量も最大にしてもなお助手席側のデフロスタ熱量が不足する場合には、助手席側の目標吹出温度を自動的に上昇させるようにしてもよいし、助手席側の空調モードをD/Fモード、あるいはDEFモードに自動的に切り換えてもよい。この場合、助手席側乗員の快適性は一時的に損なわれるおそれがあるが、通常の使用状態においては上述したベントドア23dの開度調整やブロアユニット11(以上、図1)の送風量の変更のみで対応可能であり、また安全確保の観点からは窓晴性を重視することが望ましい。
【0061】
なお、上述のように運転席側の空調モードがD/Fモードに設定されるのに伴い、助手席側の風量や目標吹出温、あるいは空調モードなどの設定を自動的に変更された後、運転席側においてD/Fモードが解除された場合には、これに連動して助手席側の上記設定を変更前の状態に戻すことが望ましい。
【0062】
以上の発明の実施の形態と請求項との対応において、制御部40が制御手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における左右独立型空調装置の構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の実施の形態に係る左右独立型空調装置の車室内吹出口位置を説明する図。
【図3】 本発明の実施の形態に係る左右独立型空調装置の制御部で実行される運転席側空調制御プログラムを説明するフローチャート。
【図4】 図3に続くフローチャート。
【図5】 ファン電圧→風量変換マップの概念図。
【図6】 デフドア開度→助手席側デフロスタ配風比変換マップの概念図。
【図7】 図3に続くフローチャート。
【図8】 図7に続くフローチャート(その1)。
【図9】 図7に続くフローチャート(その2)。
【図10】 図7に続くフローチャート(その3)。
【符号の説明】
10 空調ダクト
11 ブロアユニット
11a ブロアファン
11b ファンモータ
15 エバポレータ
16d 運転席側エアミックスドア
17d 助手席側エアミックスドア
18d 運転席側バイレベルドア
19d 助手席側バイレベルドア
20 ヒーターコア
23d デフドア
24d 運転席側ベントドア
25d 助手席側ベントドア
26d 運転席側フットドア
27d 助手席側フットドア
40 制御部
50 制御パネル
51 助手席側温調ダイヤル
52 運転席側温調ダイヤル
54 空調モードスイッチ

Claims (4)

  1. 車室内前方の運転席側および助手席側にそれぞれ配設されたデフロスタ吹出口を含み、前記車室内の所定位置に配設された複数の吹出口と、
    温調ダクト内に配設され、該温調ダクト内で温調された空気を、設定された空調モードに基づいて前記複数の吹出口のうちのいずれかから吹き出し可能とする複数のベンチレータドア、複数のフットダクトドアおよび複数のエアミックスドアと一枚のデフロスタドアとを有し、
    前記複数の吹出口の中から空気が実際に吹き出す吹出口の選択および該吹出口より吹き出す空気の吹出温度に関し、前記車室内の運転席側および助手席側で独立して制御可能な車両用空調装置において、
    前記運転席側に配設されたデフロスタ吹出口より吹き出す空気の熱量および前記助手席側に配設されたデフロスタ吹出口より吹き出す空気の熱量をそれぞれ検出するデフロスタ熱量検出手段と、
    前記運転席側でデフフットモードが選択されたときに、前記熱量検出手段により検出された運転席側デフロスタ熱量と助手席側デフロスタ熱量とを比較し、前記助手席側のデフロスタ熱量の方が少ないときには、該助手席側のデフロスタ熱量を増加させるように前記助手席側に配設されたデフロスタ吹出口からの空気吹出量を調節する制御手段とを有することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記デフロスタ熱量検出手段は、ブロアファンのファン電圧に基づいて求められる風量と前記運転席側および助手席側のそれぞれの所定の吹出口から吹き出す空気の温度とから前記デフロスタ熱量を検出することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、前記助手席側のデフロスタ吹出口から吹き出す空気の吹出量を、前記デフロスタドアの開度により調節することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項3に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、前記デフロスタドアの開度を最大にして前記助手席側のデフロスタ吹出口からの空気吹出量を調節しても所定のデフロスタ熱量に達しない場合に、さらに前記ブロアファンのファン電圧を上昇させてデフロスタ熱量を調節することを特徴とする車両用空調装置。
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