JP3701590B2 - 自動車用エアバッグ装置のケース補強構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用エアバッグ装置のケース補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の助手席側のインストルメントパネルの内部には、助手席側の乗員を保護するエアバッグ装置が設置されている(類似技術として、特開平11−240401号公報参照)。
【0003】
この種のエアバッグ装置は、車幅方向に長い上部開口を有するケースを備え、その中に、折りたたみ状態のエアバッグを、インフレータを下にした状態で収納している。そして、車両の衝突時には、インフレータの高圧ガスによりエアバッグが膨張して、ケースの上部開口から飛び出し、インストルメントパネルの上面に設けられたリッドを押し破って車室内側に展開し、乗員を保護するようになっている。
【0004】
エアバッグを収納するケースは、エアバッグの非展開時において乗員が誤って衝突したような場合における衝撃を吸収するために、ケースの上部開口周辺の側壁部に、多数の透孔やスリットによる脆弱部を形成している。従って、ケースの上部開口周辺の側壁部が座屈し易くなり、乗員が誤って衝突した時の衝撃を吸収するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、ケースの上部開口周辺の側壁部に、多数の透孔やスリットによる脆弱部を形成しているため、ケースの上部開口周辺の側壁部が座屈し易くなって、乗員が誤って衝突した時の衝撃を吸収することができるものの、ケースの上部開口の開口剛性が低下し、エアバッグの展開力で上部開口が口開きする方向に変形するおそれがある。ケースの上部開口が口開きすると、展開力にロスが生じ、エアバッグが車室内側に飛び出す勢いが低下する。そのため、従来は、前述のような展開力のロスをカバーするために、大型で高出力のインフレータを用いる必要があり、重量及びコストの面で不利となる。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、ケースの座屈方向での剛性低下と、口開き方向での剛性向上の両立を図ることができる自動車用エアバッグ装置のケース補強構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、車幅方向に長い上部開口を有するケース内に、膨張時に上部開口から飛び出して展開するエアバッグを収納し、該ケースの乗員側に位置する後壁部の上部開口に近い位置に、車幅方向に沿う補強部材の少なくとも両端部における上端又は下端のいずれか一方を固着し、他方を、後壁部に対して、後壁部の口開き方向への変位を阻止し且つ座屈方向への変位を許容する状態で係合させた。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、補強部材の少なくとも両端部における上端又は下端のいずれか一方を後壁部に固着する一方で、他方を後壁部に対して、口開き方向への変位は阻止し且つ座屈方向への変位は許容する状態で係合させたため、上部開口にエアバッグの展開力が加わった場合には、補強部材が梁として機能し、口開き方向での剛性を向上させることができ、上部開口に乗員からの衝撃荷重が加わった場合には、後壁部が座屈方向に変位して、座屈方向で剛性を低下させることができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、補強部材が上下にフランジを有する断面ハット形状で、補強部材の少なくとも車幅方向両端部における上下のフランジのいずれか一方を、後壁部に固着し、他方のフランジを、後壁部から若干離間した状態で形成された係止片と、後壁部との間に係合させると共に、係止片と他方のフランジとの間に座屈方向での移動ストロークを確保した。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、補強部材の少なくとも車幅方向両端部における上下のフランジの他方側を、後壁部から若干離間した状態で形成された係止片と、後壁部との間に係合させと共に、係止片と他方のフランジとの間に座屈方向での移動ストロークを確保したため、後壁部の口開き方向への変位は阻止され、座屈方向への変位は許容される。
【0011】
請求項3記載の発明は、係止片を後壁部から切り起こし形成し、他方のフランジの付け根にスリットを形成し、係止片をスリットに挿入して、他方のフランジを係止片と後壁部との間に係合させた。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、後壁部から切り起こした係止片を、他方のフランジにおける付け根に形成したスリットに挿入して、他方のフランジを係止片と後壁部との間に係合させるようにしたため、部品点数の増加がない。
【0013】
請求項4記載の発明は、後壁部の車幅方向両端部の角部に切欠孔を形成した。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、後壁部の車幅方向両端部の角部に切欠孔を形成しため、角部の剛性が低下し、角部における座屈方向での剛性を低下させることができる。
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
【0015】
車室内の前方には、インストルメントパネル1が設置されており、インストルメントパネル1の上方には、フロントウィンドウパネル2が配置されている。インストルメントパネル1の内部には、金属パネル製のケース3が固定されている。ケース3は、リテーナ4により上下に区画されており、下部にはインフレータ5が、上部にはエアバッグ6が収納されている。リテーナ4には、インフレータ5のガスを通過させる複数の開口7が形成され、溶接ボルト8によりケース3に固定される。エアバッグ6の端部は、このリテーナ4とケース3の内面との間に挟持された状態で固定されている。ケース3の上部開口9は、切断容易なラップ10にて覆われている。
【0016】
ケース3の前壁部11及び後壁部12には、それぞれ車幅方向に沿う補強部材13、14が固着されている。補強部材13、14は、それぞれ、上下にフランジ13a、13b、14a、14bを有する断面ハット形状で、前側の補強部材13は、上下のフランジ13a、13bの両方が、複数のスポット点にて、前壁部11に溶接されている。
【0017】
乗員側に位置する後側の補強部材14は、後壁部12の上側のフランジ14aの車幅方向両端部と中央部だけが、それぞれスポット点Pにて溶接されている。各スポット点Pに対応する下側のフランジ14bは、他の部分よりも若干下側に延長されており、その部分の付け根にスリット15が形成されている。
【0018】
このスリット15に対応する部分の後壁部12からは、下向きで且つ下側のフランジ14bの板厚に相当する分だけ後壁部12から離反した係止片16が、切り起こし形成されている。切り起こし形成のため、部品点数が増加しない。この係止片16は、上側のフランジ14aを溶接する前に、スリット15に挿入されている。このスリット15と係止片16の幅は略同じで、係止片16をスリット15に挿入することにより、補強部材14の後壁部12に対する車幅方向での位置決めが行える。
【0019】
係止片16をスリット15に挿入することにより、下側のフランジ14bは係止片16と後壁部12との間に挟持された状態となる。従って、下側のフランジ14b及び係止片16は、双方とも後壁部12の口開き方向Aへは変位不能となる。
【0020】
また、下側のフランジ14bと、係止片16の上端との間には、座屈方向Bにおいて所定の移動ストロークSが確保されているため、後壁部12の座屈方向Bへは変位可能である。
【0021】
後壁部12の車幅方向両端部の角部17には、切欠孔18が形成されている。従って、角部17の剛性が低下し、角部17における座屈方向Bでの剛性を低下させることができる。
【0022】
この実施形態のケース3は、以上のような構造をしているため、上部開口9にエアバッグ6の展開力FAが加わった場合には、補強部材14が口開き方向Aへ変形できないため、補強部材14が梁として機能し、口開き方向Aでの剛性を向上させることができる。
【0023】
また、上部開口9に乗員からの衝撃荷重FBが加わった場合には、補強部材14の下側のフランジ14bと、係止片16とが座屈方向Bにおいて変位自在で、且つ下側のフランジ14bと、係止片16の上端との間には、所定の移動ストロークSが確保されているため、後壁部12は容易に座屈方向Bへ変形し、衝撃荷重FBを吸収して、乗員を保護することができる。角部17の切欠孔18も衝撃荷重FBの吸収に寄与している。
【0024】
尚、以上の実施形態では、スリット15を形成して下側のフランジ14bを係止片16に係合させたが、上側のフランジ14aに対応する位置に係止片を形成し、その係止片に上側のフランジ14aを係合させても良い。また、スリット15を形成せず、単に上下のフランジ14a、14bのいずれかに対して向かい合わせた状態で、係止片を形成し、その係止片とフランジ14a、14bの先端との間に、移動ストロークSを確保した状態で係合させても良い。更に、切り起こし形成した係止片16に代えて、別物の係止片を溶接で取付けても良い。
【0025】
【発明の効果】
この発明によれば、補強部材の少なくとも両端部における上端又は下端のいずれか一方を後壁部に固着する一方で、他方を後壁部に対して、口開き方向への変位は阻止し且つ座屈方向への変位は許容する状態で係合させたため、上部開口にエアバッグの展開力が加わった場合には、補強部材が梁として機能し、口開き方向での剛性を向上させることができ、上部開口に乗員からの衝撃荷重が加わった場合には、後壁部が座屈方向に変位して、座屈方向で剛性を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るエアバッグ装置を示す断面図。
【図2】エアバッグ装置の分解斜視図。
【図3】図2中矢示DA部分を示す拡大図。
【図4】図3中矢示DB方向から見た斜視図。
【図5】図3中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図6】後壁部が座屈した状態を示す図5相当の断面図。
【符号の説明】
3 ケース
5 インフレータ
6 インフレータ
9 上部開口
12 後壁部
14 補強部材
14a 上側のフランジ
14b 下側のフランジ
15 スリット
16 係止片
A 口開き方向
B 座屈方向
FA 展開力
FB 衝撃荷重
S 移動ストローク
Claims (4)
- 車幅方向に長い上部開口を有するケース内に、膨張時に上部開口から飛び出して展開するエアバッグを収納し、
該ケースの乗員側に位置する後壁部の上部開口に近い位置に、車幅方向に沿う補強部材の少なくとも両端部における上端又は下端のいずれか一方を固着し、
他方を、後壁部に対して、後壁部の口開き方向への変位を阻止し且つ座屈方向への変位を許容する状態で係合させたことを特徴とする自動車用エアバッグ装置のケース補強構造。 - 請求項1記載の自動車用エアバッグ装置のケース補強構造であって、
補強部材が上下にフランジを有する断面ハット形状で、
補強部材の少なくとも車幅方向両端部における上下のフランジのいずれか一方を、後壁部に固着し、
他方のフランジを、後壁部から若干離間した状態で形成された係止片と、後壁部との間に係合させると共に、係止片と他方のフランジとの間に座屈方向での移動ストロークを確保したことを特徴とする自動車用エアバッグ装置のケース補強構造。 - 請求項2記載の自動車用エアバッグ装置のケース補強構造であって、
係止片を後壁部から切り起こし形成し、他方のフランジの付け根にスリットを形成し、
係止片をスリットに挿入して、他方のフランジを係止片と後壁部との間に係合させたことを特徴とする自動車用エアバッグ装置のケース補強構造。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車用エアバッグ装置のケース補強構造であって、
後壁部の車幅方向両端部の角部に、切欠孔を形成したことを特徴とする自動車用エアバッグ装置のケース補強構造。
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