JP3701082B2 - 平面燃焼バーナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面状に分散させたメイン火炎で平面燃焼を行わせるようにした平面燃焼バーナ装置に係り、特に複数の水管を備えることによって、NOxの発生を低減させ、しかも安定した着火用のパイロット火炎を得ることができるようにした平面燃焼バーナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内部に多数の通孔を有する平板状の平面バーナを備え、この平面バーナの表面で平面燃焼を行わせるとともに、前記平面バーナの表面側にこれに近接させて多数の水管を配置することによって、NOxの低減を図る開発が進められている。
【0003】
例えば略環状の多管式貫流ボイラ等で、平面燃焼を行う平面バーナを利用しつつNOxの低減を図る場合には、平面バーナの直後に近接して水管(冷却水管)を配置することにより、NOxの低減効果が得られ、この低減効果は、平面バーナと水管との間の隙間が小さい程大きいことが知られている。
【0004】
これを図4乃至図6を参照して説明する。これらの図に示すように、平面燃焼バーナ装置には、内部に多数の通孔を有する多孔質材からなる平板状の平面バーナ1が備えられ、この平面バーナ1は、内部にチャンバ2を区画形成したケーシング3の開口端面の内面側に取付けられている。更に、前記ケーシング3には、その内部に燃料混合用のガスチャンバ4が配置されているとともに、前記チャンバ2内に空気を導入する導入管5が接続されている。
【0005】
これにより、導入管5からチャンバ2内に導入された空気と、ガスチャンバ4から導入された燃料との予混合気が平面バーナ1の各通孔からこの前方に噴出して着火され、平面チャンバ1の表面の火炎形成面1aで平面燃焼が行われるようになっている。
【0006】
前記平面バーナ1の火炎形成面(表面)1a側には、先端の焚口6aから出火されるパイロット火炎7によって、前記平面バーナ1の各通孔を通過した予混合気への着火を行うパイロットバーナ6が、前記火炎形成面1aと平行且つ近接してこの側方に配置され、更に、平面バーナ1の火炎形成面1a側に多数の水管8が鉛直方向に立設されている。
【0007】
また、平面バーナ1の火炎近傍に位置して熱的影響を受け、その耐久性が劣化してしまうことを防止するため、ケーシン3の平面バーナ1の取付部の周囲外面には、その全周に亘って比較的安価な耐火物9が貼り付けられている。
【0008】
そして、パイロットバーナ6の焚口6aから出たパイロット火炎7は、耐火物9(耐火物9を設けない場合にはケーシング3)と水管8との間の隙間B(図6参照)を通過して平面バーナ1の火炎形成面1a近傍に到達するようになっている。
【0009】
ここに、平面バーナ1の表面1aと水管8との間の隙間A(図6参照)の大きさによりNOxの発生量が変化し、この隙間Aが小さい程、NOxの低減効果が大きい傾向があることが知られており、このため、平面バーナ1を固定するケーシング3を水管8に可能な限り接近して取付けることが望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のように、NOxの低減効果を高めるために水管と平面バーナとの隙間をより少なくすると、これに伴って、パイロット火炎が通過する隙間が小さくなり、パイロットバーナの焚口の大部分が水管に遮蔽された形となって、パイロット火炎がバーナ面まで達しない場合が生じてしまうといった問題がある。ケーシングにこの耐久性の向上を図るための耐火物を取り付けると、パイロット火炎が通過する隙間は、更に小さくなる。これを防止するためには、NOxの低減効果を犠牲にして水管と平面バーナとの隙間を広げる必要がある。
【0011】
なお、ケーシングを耐火材料で構成することにより、耐火物を使用する必要をなくして、その分、パイロット火炎の通路を広めることも考えられるが、耐火材料で構成したケーシングは、かなり高価なものとなってしまう。
【0012】
本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので、平面バーナの火災形成面近傍に配置した水管によるNOxの低減効果を高めつつ、安定したパイロット火炎で確実に着火できるようにした平面燃焼バーナ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の平面燃焼バーナ装置は、内部に多数の通孔を有する平面バーナを備え、この平面バーナの表面で平面燃焼を行わせるとともに、前記平面バーナの表面側に多数の水管を配置した平面燃焼バーナ装置において、着火用のパイロット火炎を出火するパイロットバーナを前記平面バーナの表面に近接させて該表面の側方に配置するとともに、前記パイロットバーナの焚口に近接する水管の一部に前記パイロット火炎を通過させる凹陥部を設けたことを特徴とする。
【0014】
上記のように構成した本発明によれば、平面バーナと水管とを可能な限り近接させてNOxの低減効果を高めるとともに、パイロットバーナの焚口に近接する水管の一部に設けた凹陥部によって、バイロット火炎が平面バーナの表面に直進して達するのに十分な通路を確保して、安定したパイロット火炎を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図3を参照しながら説明する。尚、前記図4乃至図6に示す従来例と同一部材には同一符号を付して説明する。
【0016】
図1に示すように、平面燃焼バーナ装置には、平板状の平面バーナ1が備えられ、この平面バーナ1は、内部にチャンバ2を区画形成したケーシング3の開口端内面に取り付けられている。更に、前記ケーシング3の内部には、ガスチャンバ4が配置されている。
【0017】
前記平面バーナ1の表面の火炎形成面1a側には、焚口6aから出火されるパイロット火炎7によって、前記平面バーナ1への着火を行うパイロットバーナ6が、前記火炎形成面1aと平行且つ近接してこの側方に配置され、平面バーナ1の火炎形成面1a側に多数の水管8が鉛直方向に立設されている。更に、ケーシング3の平面バーナ1の取付部の周囲外面には、その全周に亘って耐火物9が貼り付けられている。
【0018】
ここに、平面バーナ1と水管8との間の隙間Aは、NOxの低減効果を高めるため、可能な限り小さく設定されており、これに伴って、耐火物9と水管8との間の隙間Bもかなり狭くなっている。
【0019】
そして、前記多数の水管8のうち、パイロットバーナ6の焚口6aに近接する水管18には、その一部に内方に半円状に窪んだ凹陥部18aが設けられ、この凹陥部18aによって、パイロットバーナ6の焚口6aの前方が該水管18で遮蔽されないようになっている。
【0020】
即ち、パイロットバーナ6の焚口6aから出るパイロット火炎7が、前記水管18の凹陥部18a内を通過しつつ直進して平面バーナ1の火炎形成面1aに達し、これによって、そのままの大きさの安定したパイロット火炎7を得て、確実に平面バーナ1を通過する混合気に着火できるように構成されている。
【0021】
ここに、この実施の形態において、前記凹陥部18aは、パイロットバーナ6の焚口6aに沿った大きさの半円状の形状に形成されているが、パイロットバーナ6の外周より小さくても、パイロット火炎7が平面バーナ1の火炎形成面1aまで確実に到達できる大きさであればよい。又、形状も半円状に限定するものでなく、パイロット火炎7の直進性を確保できるものであれば、どのような形状のものでもよい。
【0022】
このように構成することにより、平面バーナ1と水管8とを可能な限り近接させて水管8によるNOxの低減効果を高めるとともに、パイロットバーナ6の焚口6aに近接する水管18の一部に設けた凹陥部18aによって、バイロット火炎7が平面バーナ1の表面1aに達するのに十分な通路を確保して、安定したパイロット火炎7を得ることができる。
【0023】
しかも、平面バーナ1と水管8との間の隙間Aが小さく設定されていても、ケーシング3の外面に、パイロットバーナ6の焚口6aを除き、水管9との隙間を埋めるように耐火物9を施工することができ、これによって、高価な耐火材料製とすることなく、ケーシング3の耐久性を向上させることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、パイロットバーナの焚口に近接する水管の一部にパイロット火炎を通過させる凹陥部を設けたので、平面バーナと水管との隙間を極力狭くしてNOxの低減効果を高めるとともに、前記凹陥部内を直進しつつ通過する安定したパイロット火炎によって、平面バーナを確実に着火させることができる。しかも、ケーシングに耐火物施工を施して、この耐久性を向上させることができる。
又、上述した構造の、平面燃焼バーナ装置は、その設置条件に係わらず製作が容易で、且つ安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す水平断面図(図4相当図)。
【図2】同じく、要部を拡大して示す要部拡大図(図6相当図)。
【図3】同じく、パイロットバーナの焚口に近接する水管の正面図。
【図4】従来例を示す水平断面図。
【図5】図4のX−X線断面図。
【図6】図5の要部拡大図。
【符号の説明】
1 平面バーナ
1a 火炎形成面(表面)
3 ケーシング
6 パイロットバーナ
6a 焚口
7 パイロット火炎
8,18 水管
9 耐火物
18a 凹陥部
Claims (1)
- 内部に多数の通孔を有する平面バーナを備え、この平面バーナの表面で平面燃焼を行わせるとともに、前記平面バーナの表面側に多数の水管を配置した平面燃焼バーナ装置において、
着火用のパイロット火炎を出火するパイロットバーナを前記平面バーナの表面に近接させて該表面の側方に配置するとともに、前記パイロットバーナの焚口に近接する水管の一部に前記パイロット火炎を通過させる凹陥部を設けたことを特徴とする平面燃焼バーナ装置。
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JP18147796A JP3701082B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 平面燃焼バーナ装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18147796A JP3701082B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 平面燃焼バーナ装置 |
Publications (2)
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JPH109573A JPH109573A (ja) | 1998-01-16 |
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Family
ID=16101447
Family Applications (1)
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JP18147796A Expired - Fee Related JP3701082B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 平面燃焼バーナ装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3701082B2 (ja) |
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1996
- 1996-06-21 JP JP18147796A patent/JP3701082B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH109573A (ja) | 1998-01-16 |
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