JP3700859B2 - Lag−3タンパク質の可溶性ポリペプチドフラクション;製造方法、治療用製剤、抗イディオタイプ抗体 - Google Patents

Lag−3タンパク質の可溶性ポリペプチドフラクション;製造方法、治療用製剤、抗イディオタイプ抗体 Download PDF

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Description

本発明は、免疫抑制剤として有用な膜タンパク質LAG-3から誘導された可溶性形態、ならびに免疫刺激薬としてのクラスIIのMHC(主要組織適合性複合体)の分子に対するタンパク質LAG-3の特異的固定を妨害することのできる抗体に関する。
WO-A91/10682では、LAG-3と呼称されるタンパク質について記述されていた。
タンパク質LAG-3は、NK細胞及び活性化されたTリンパ球によって選択的に発現されるタンパク質である。アミノ酸配列の類似性、エキソン/イントロンの組織比較及び染色体の局在化は、LAG-3がCD4と共通点をもつものであることを示している。LAG-3の遺伝子の最初の特徴づけはTRIEBEL et al.(1)によって記述された。
対応するDNAは、免疫グロブリンタイプの4つの細胞外配列を含むタイプIの498のアミノ酸の膜内外タンパク質についてコードするLAG-3は、免疫グロブリンの上位グループの一員である。
成熟タンパク質は、52kDの理論上の分子量を伴う476のアミノ酸(配列番号1)を含む。細胞外領域は、8つのシステイン残基と4つの潜在的N−グリコシル化部位を含んでいる。ウェスタンブロット法による分析によって、活性化されたPHA−芽細胞又はNK細胞が70000の見かけの質量Mrを有することが示された。N−グリコシダーゼFによる処理の後、60kDへのサイズの低減が得られ、かくして未変性LAG-3がグリコシル化されていることが実証された。さらに詳しいことは、WO-A91/10682の中で記述されている。
BAIXERAS et alは、J.Exp.Med. 176, 327-337(2)の中でさらに、LAG-3によるトランスフェクションを受けた細胞(その表面でLAG-3を発現する)とクラスIIのMHCを発現するBリンパ球の間のロゼット形成が、クラスIIのMHCとLAG-3の相互作用により特異的に左右されるということを記述している。
驚くべきことに、このクラスIIのMHCのリガンドは、活性化されたリンパ球CD4-上に比べ活性化されたリンパ球CD8+(クラスIのMHCが制限されている)上でより高い率で検出された。インビボでは、一次リンパ系器官すなわち胸腺及び骨髄を含む非過形成リンパ系組織内に、いくつかの播種性LAG-3-細胞(クラスIIのMHCが制限されている)が見い出されたにすぎない。LAG-3+細胞は、過形成リンパ節及び扁桃の中、ならびに高い用量のIL-2注入を受けている患者の末梢血単核細胞(PBMC)上にも見い出された。
これらの観察事実は、LAG-3が休止中のリンパ球及びその他の細胞型特にマクロファージの下位集団の中で発現されるCD4と対照的に活性化抗原であることを確認している。
MHCは、Tリンパ球レセプター(TCR)に対しタンパク質性抗原フラグメントを提示する膜糖タンパク質であるクラスI及びクラスIIの分子を含む。クラスIの分子は、内因的に合成されたタンパク質から大部分が誘導されているペプチドを細胞障害性細胞CD8-に提示することを担当し、一方、クラスIIの分子は、まず第1にエンドサイトーシス経路に進入した外来タンパク質つまり外因性のタンパク質に由来するペプチドをヘルパーリンパ球CD4+に対して提示する。ヘルパーTリンパ球は、免疫応答を調節し増幅し、一方細胞障害性リンパ球は、例えばウイルス抗原といったような「非自己」の抗原を発現する組織の如何にかかわらず、細胞を破壊するために必要である。認識のメカニズムは、Tリンパ球の有効な活性を導く細胞内シグナルを介入させる。
Tリンパ球(CD4-)の仲介による免疫応答を開始させるためには、外来性抗原は、捕獲され、抗原提示細胞(APC)である専門の細胞によってペプチドの形で内在化されなくてはならない。その結果としてもたらされる抗原ペプチドは、抗原提示細胞の表面で再度発現され、ここでクラスIIのMHCの分子と会合させられる。クラスIIのMHCとペプチドの複合体は、Tリンパ球レセプタによって特異的に認識され、そのためヘルパーTリンパ球が活性化される結果となる。
一方、組換え技術によって生み出される動物モデルにより、クラスIIのMHCの分子及びそのリガンドがインビボで果たす役割を強調することができた。
かくして、クラスIIのMHCの分子が欠如し末梢Tリンパ球CD4-を事実上全く有さずかつ胸腺にいくつかの未熟なリンパ球CD4-をもつにすぎないマウス(3)は、T依存性抗原に全く応答することができないということが判明した。
突然変異体マウスCD4--(4)は、かなり減少したTリンパ球活性をもつが、Tリンパ球CD8+の正常な発達及び機能を示し、このことはすなわち、娘細胞及び胸腺細胞CD4+ CD8+上でのCD4の発現が発達にとって当然のことでないということを立証している。正常なマウスと比べると、CD4が欠如したマウスは大量の細胞CD4-, CD8-を有する。
2重に負であるこれらの細胞は、クラスIIのMHCに制限され、抗原を認識することができる。
これらの細胞がリーシュマニア症に感染した場合、これらのマウスは、CD4が存在しないにもかかわらず機能的助Tリンパ球の集団を示す。これらの細胞はクラスIIのMHCに制限的であり、インターフェロンを産生する。抗原によってこれらの細胞が活性化された場合、それは、Tリンパ球の系統及びその末梢機能が必ずしもCD4の機能に依存していないということを表わす。
現在、クラスIIのMHCの領域によってコードされるタンパク質が、リンパ球及び抗原提示細胞といった異なるリンパ系細胞の間の相互作用を含め、免疫認識の数多くの面に関与しているということが認められている。同様に、さまざまな観察事実から、CD4を介して発生しないその他のメカニズムがヘルパーTリンパ球のエフェクター機能に介入するということもわかっている。
これらのさまざまな観察事実は、クラスIIのMHC及びそのリガンドが免疫系において果たす中心的役割を強調している。
なお、特に治療薬として有用な細胞レセプタ及びタンパク質の可溶形態を得るために、ヒト免疫グロブリン(Ig)鎖の定常領域及びリガンドに固定され得るタンパク質の細胞質外ドメインで構成されたキメラ分子が有利であることがわかっている。
かくしてCD4の可溶形態は、用量依存的な形でHIVによる感染を阻害する自らの効力を立証した。
それでも、可溶性CD4分子特にCD4-Ig分子での臨床試験によってウイルス力価の有意な低下を立証することはできなかった。自らの血清中に可溶なCD4を20μg/mlまで発現するトランスジュニックマウスが作られた。これらのマウスは、対照マウスに比べ、その免疫機能に関して全く相違を示さなかった。現在までのところ、CD4から誘導された分子のクラスIIのMHCに対する直接的な関係は全く報告されていない。このことは、可溶性CD4がインビボでクラスIIのMHCの分子と相互作用しないことを強力に示唆している。
驚くべきことに、本発明の考案者は、タンパク質LAG-3の細胞質外ドメインの異なるフラグメントを含む可溶性分子がクラスIIのMHCの分子と結合できかつ免疫抑制作用を有することができるということを示した。
配列番号1の配列により表わされるLAG-3の細胞質外領域は、それぞれアミノ酸1〜149, 150〜239, 240〜330及び331〜412に広がるドメインD1, D2, D3, D4を含んでいる。
かくして本発明の目的はタンパク質LAG-3の免疫グロブリンタイプの4つの細胞外ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸1〜149, 150〜239, 240〜330及び331〜412)のうちの少なくとも1つの全部又は一部分によってか又は、単数又は複数のアミノ酸の置換、添加及び/又は欠失によりこれらのドメインから誘導されかつLAG-3ののそのリガンドに対する特異性以上の特異性を有するペプチド配列によって構成された、可溶性ポリペプチド分画にある。
本発明は、特に周知の多型現象に由来するLAG-3の未変性配列から誘導された配列をもつ可溶性ポリペプチド分画を包括する。
可溶性ポリペプチド分画は、それがクラスIIのMHCの分子に対するLAG-3の親和力の原因であるLAG-3のペプチド領域を含んでいることを特徴とする。
可溶性ポリペプチド分画は、特に、LAG-3の免疫グロブリンタイプの最初の2つのドメインの全て又はLAG-3の細胞質外ドメインの免疫グロブリンタイプの4つのドメインといった、そのリガンドに対するLAG-3の特異性以上の特異性を有し、単数又は複数のアミノ酸の置換、添加及び/又は欠失によって上記ドメインから誘導されたペプチド配列を含んで成る。
有利には、可溶性ポリペプチド分画は、配列番号1の配列の位置73, 75及び76においてアルギニン(Arg)残基のうちの単数又は複数のもののグルタミン酸(Glu)による置換を含む、タンパク質LAG-3の免疫グロブリンタイプの4つの細胞外ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸1〜149, 150〜239, 240〜330及び331〜412)のうちの少なくとも1つの全部又は一部分によって構成されている。
好ましくは可溶性ポリペプチド分画は、基本連鎖を形成する原子の平均位置が、表1又は表2に記されているアミノ酸46−77(配列番号1)の位置によって与えられているか又はそれと多くとも5%しか異なっていないような1つのループを含んでいる。
可溶性ポリペプチド分画は、有利にも、さらにLAG-3の免疫グロブリンタイプの第2の細胞外ドメイン(D2)(アミノ酸150〜239)を含んでいる。
有利には、可溶性ポリペプチド分画は、上述のようなLAG-3のペプチド配列の他に、融合タンパク質を構成するような形で、そのC末端及び/又はN末端に補足的ペプチド配列を1つ含んでいる。「融合タンパク質」という語は、タンパク質LAG-3の細胞質ドメインのサブフラグメントの物質−化学的特性の修正を可能にする任意のタンパク質の一部分を意味する。このような融合タンパク質の例には、ヒト免疫グロブリン、好ましくはイソタイプ免疫グロブリンIgG4の重鎖の-CH2-CH3結合領域に関連して上述したとおりのLAG-3の細胞質外ドメインのフラグメントが含まれる。
このような融合タンパク質は、二量体であっても単量体であってもよい。これらの融合タンパク質は、当業者にとっては周知のものである、例えばTraunecker et(5)によって記述されているような技術といった組換え技術によって得ることができる。
一般的に、以上に規定した通りのLAG-3ペプチド配列と融合された免疫グロブリン領域を含むこれらの融合タンパク質の産生方法は、場合によってはPCRによる増幅の後にLAG-3に対応するか又はLAG-3から誘導されたポリペプチド領域についてコードするcDNAのフラグメントを、そしてLAG-3から誘導されたか又は対応するポリペプチド領域についてコードするcDNAと融合された免疫グロブリンの関与領域についてコードするcDNAを、ベクターの中に挿入すること、及び、トランスフェクションの後に、発現系の中特に哺乳動物の細胞、例えばハムスターの卵巣細胞の中でcDNAのフラグメントを発現させることから成る。
本発明に従った融合タンパク質は同様に、適切な分割部位を内含するような形で構成されたLAG-3 Ig接合体の分割によっても得ることができる。
本発明は同様に、本発明に従った可溶性ポリペプチドフラクションを含む免疫抑制活性をもつ治療用組成物をも目的としている。この組成物は、例えば自己免疫疾患といった免疫抑制を必要とする病気を治療するために有用となるだろう。
本発明は同様に、LAG-3又は上述のような可溶性LAG-3から誘導されたポリペプチドフラクションに対して導かれた抗体、又はこのような抗体のフラグメント、特にフラグメントFab, Fab′, F(ab′)2の、免疫刺激活性をもつ治療組成物の調製を目的とした利用をもその目的としている。「免疫刺激性」という語は、LAG-3を発現する細胞すなわち活性なNK細胞又はTリンパ球の成熟、分化、増殖及び/又は機能を刺激することのできる分子実体を意味する。抗LAG-3抗体は、HIVに感染しているか又は免疫抑制物質による治療を受けている患者といった免疫低下した患者における免疫刺激薬又はワクチンの増強剤として用いることもできるし、或いは、例えばガン細胞といったような異常な挙動を呈する自己細胞を除去することによって免疫系を刺激するために利用することもできる。
抗−LAG-3抗体の免疫刺激活性は、抗−CD4抗体が免疫抑制作用を有するということからみて驚くべきことである。
このような抗体は、ポリクローナルであってもモノクローナルであってもよいが、モノクローナル抗体が好ましい。ポリクローナル抗体は、BENEDICT A.A. et al.(6)によって記述されているもののような周知の方法に従って調製することができる。唯一のエピトープに特異的でありかつより良い再現性を伴う結果を提供するということから、モノクローナル抗体が好まれるのである。モノクローナル抗体の産生方法は、技術的現状では周知のものであり、特にKOHLER及びMILSTEINによって記述されているものがある。この方法、ならびにその変形形態については、YELTON et al(7)によって記述されている。
本発明は同様に、LAG-3の内部イメージを有し従ってクラスIIのMHCに結合することのできる、本発明に従った抗体に対して導かれた抗イディオタイプ抗体をもその目的としている。このような抗体は、特に免疫抑制剤として、そして例えば自己免疫疾患において利用することができる。
本発明に従った治療用組成物は、上述のような可溶性LAG-3タンパク質又は抗体ならびに薬学的に受容可能な賦形剤を含んで成る。これらの組成物は、通常の技術に従って処方できる。賦形剤は、経口、非経口、舌下、直腸又は経鼻といったような、選択された投与経路に応じてさまざまな形をとり得る。
非経口投与組成物については、賦形剤は、一般に無菌水ならびに組成物の保存適性又は可溶性を促進するその他の任意の成分を含むことになる。非経口投与経路は、静脈内注射、筋肉注射又は皮下注射などから成ると考えられる。
治療用組成物は、特に例えば自己免疫疾患の場合のように長期にわたる治療のために、緩慢放出性のものであってよい。投与すべき用量は、治療対象患者、特に望ましい防御度に達する患者の免疫系の能力によって異なる。投与すべき有効成分の精確な量は、治療を開始する臨床医が難無く決定できるものである。
本発明に従った治療用組成物は、本発明に従った可溶性LAG-3又は抗体に加えて、場合によって化学結合によって本発明に従ったLAG-3又は抗体に結合させられるもう1つの有効成分を含むことができる。一例を挙げると、クラスIIのMHC分子に固定し例えば白血病細胞又は黒色腫細胞といった標的細胞を殺すことのできるリシン又はジフテリアアナトキシンといった毒素に融合された、又は放射性同位元素に融合された本発明に従った可溶性LAG-3タンパク質がある。
以下の例ならびに添付の参考図面は、本発明をさらに詳細に例示するものである。
例 1
抗−LAG-3モノクローナル抗体の存在下での活性Tリンパ球系統の増殖
利用された抗−LAG-3モノクローナル抗体は、BAIXERAS et al(2)の中で記述され1992年7月10日にI-1240という番号でCNCMに寄託された17 B4及び、HUARD et al.(8)の中で記述されている11 E3であった。
これらの抗体は、イソタイプIgG1に属する。これらの抗体は、LAG-3を発現する自己由来の抗原提示細胞によって発現されたクラスIIのMHCの分子によって提示される組換えされた抗原又は特異的抗原ペプチドによる刺激を受けて、活性化されたTリンパ球に対するその生物学的効果についてテストされた。
10 H3と呼ばれる抗CD48モノクローナル抗体を無関与IgG1抗体(負の対照)としてとして利用した。
PHA(フィトヘムアグルチニン)−萌細胞及びエプスタイン−バーウイルス(EBV)により形質転換された細胞系統について、免疫螢光検査法により、抗−LAG-3及び抗−CD48抗体の飽和濃度を測定した。増殖試験においては、飽和濃度の5倍の割合でモノクローナル抗体を添加した。
利用されたTリンパ球系統は、一方では、アミノ酸306〜329に広がるアミノ酸配列をもつインフルエンザヘムアグルチニン(HA)のフラグメントを模擬するペプチド(ペプチドp20)に対して生起された末梢血のリンパ球から誘導されたクローン154、又他方では、ジフテリアアナトキシン(DT)に対して生起された唯一の人間の供与者の末梢リンパ球から誘導されたTリンパ球のクローンであるクローン28であった。クローン154に対応する抗原提示細胞(APC)は、T154と同じ供与体(CD3/DR11)のEBVによって形質転換されたBリンパ球であった。クローン28に対応する抗原提示細胞は、同じ供与体のEBVによって形質転換されたBリンパ球であった。このクローンは、HLA DR7に制限されていた。
クローン154については、APC(5×106)を、可変的用量のペプチドp20と共に1時間半の間、37℃でインキュベートさせ、次に洗浄し、照射した(10000ラド)。3/1の比で、これらの細胞を、クローン154の細胞(0.5×105〜10×105細胞/ml)と同時に、96のウェルをもつマイクロタイトレーションプレート上に延展させた。クローン28については、応答細胞と刺激細胞の比は1であった。
細胞APC HLA DR7/EBVをマイトマイシンで処理するか又は照射して、次に(培養内に残っていた)DTの存在下でTリンパ球にこれらの細胞を添加した。クローン28の細胞最終濃度は100000細胞/mlであった。
培養2日目から10日目まで、時間的間隔を変えながら、3H−チミジン(1μCi/ウェル)を添加した。
各々の実験は、3セットで実施した。
結果は、負の対照(免疫原が充てんされていないAPCと同時培養させたTリンパ球)の中に見られたcpmを控除した後、cpmの平均として表わした。増殖試験は、96ウェルをもつプレート上で実施した。培養の最後の18時間について、1μCiのチミジンの添加後に、200μlの個々のウェルのトリチウム標識チミジンの吸収を測定した。結果は、3回の試験の平均の形で表わされた。標準偏差は通常12%未満(非常に低いcpmの測定についてはこれよりやや高い)であった。一方、混合培養(クローン154/APC)の上清を、収集し、0.22μmの膜上でろ過し、複数の標本に分け、Immuno-techのIL-2及びINFの滴定キット、GenzymeのIFN-γキット及びCayman ChemicalsのIL-4キットといった市販の免疫検定キットを用いての滴定の時点まで、−20℃に凍結させた。
さまざまな濃度での特異的抗原p20の存在下、かつ抗LAG-3モノクローナル抗体又は無関与モノクローナル抗体(負の対照)の存在下又は不在下に置かれたクローン154の増殖プロフィールを設定するために、用量の測定研究を行なった。
全く異なる16の試験の個々の結果は、添加される抗原の濃度の如何に関わらず、増殖ピークまでの初期点が修正されず、抗−LAG-3モノクローナル抗体と共にインキュベートされたTリンパ球の増殖の有意な延長が系統的に観察される、ということを示した。モノクローナル抗体17B4のフラグメントFabが調製され、クローン154の増殖試験において使用された。フラグメントFab 17B4(15μg/ml)を用いて抗原により活性化されたTリンパ球の増殖プロフィールは、完全なモノクローナル抗体17B4(40μg/ml)の存在下でインキュベートされた細胞のプロフィールと類似していた(図1)。これらの結果は、観察された生物学的効果が抗−LAG-3モノクローナル抗体の領域Fcによって誘発される非特異的反応に帰すべきものでない、ということを示している。
抗−LAG-3 11E3モノクローナル抗体の場合にも類似の結果が得られた。
クローン28を、同様にDTの存在下で対応するAPCと同時培養した後、モノクローナル抗体17B4の存在下で抗原(破傷風アナトキシン10mcg/ml)によって刺激した。結果は図2に表わされている。
クローン28で見られた抗LAG-3モノクローナル抗体の効果、すなわち増殖の延長は、クローン154で観察されたものと類似している。
抗LAG-3モノクローナル抗体の存在下でインキュベートされたクローン154の細胞の抗原刺激の後に起こるさまざまな細胞事象を測定するための検査が実施された。
抗LAG-3又は抗CD48モノクローナル抗体の存在下で又は抗体の不在下でのクローン154の従来の抗原刺激中に、細胞を収穫し、LAG-3及びCD25膜内外レセプタの発現についてテストし、刺激の後異なる時間的間隔にて培養上清の標本を収集し、IFN−γ, TNF−α, IL-4及びIL-2の存在についてテストした。
2色(抗CD3モノクローナル抗体と抗CD25モノクローナル抗体)での直接免疫螢光測定法により、IL-2についてのレセプタが抗原刺激の後5日目にわずかではあるが有意な形で増大していたことがわかった。抗CD3及び11E3(抗−LAG-3)モノクローナル抗体での類似の試験は、活性化の翌日から直ちにLAG-3が削除されたことを示した。さらに、IL-2, IL-4, IFN−γ及びTNF−αの分泌は抗−LAG-3モノクローナル抗体でのインキュベーションによっても同様に変調され、かくして抗−LAG-3モノクローナル抗体の存在によって様々な細胞事象が修正されることそして或る種の事象が刺激の24時間後にすでに発生することが示された。
これらの結果は、LAG-3が細胞CD4+に対して調節物質の役割を果たしていることを間接的に示している。抗LAG-3モノクローナル抗体が増殖を増加し、ひいては免疫強化物質として作用するという事実は、LAG-3が、抗原依存性刺激に対するマイナスの役割と共に、Tリンパ球CD4+の「不活性化」に関与していることを示唆している。
例 2
融合タンパク質LAG-3の過渡的発現
LAG-3から誘導された可溶性タンパク質を、LAG-3についてコードするDNA及び免疫グロブリンフラグメントについてコードするDNAを含む適切なベクターを用いて、組換え型DNA技術により得た。過渡的発現系は、トランスフェクションを受けたCos細胞から成る。この系は、数mgの組換え型融合タンパク質の産生を可能にする。組換え型DNAの技術は、MANIATIS et al.(22)によって記述されている通りに使用した。メーカーの推奨通り、修正を加えた。
LAG-3 D1-D4 Ig及びLAG-3 D1D2 Igの構築
領域D1D2又はD1-D4についてコードするフラグメントを、5′−エンドヌクレアーゼの活性が無く非常に高い温度に露呈しても比較的耐性をもつポリメラーゼTaqを用いて、LAG-3 cDNA(TRIEBEL et al.(1))を包括するcDNAフラグメント(FDC配列)から増幅した(30サイクル);増幅の後ひきつづき98℃で変性させた(「DNA熱サイクルPerkin Elmer Cetus」を用いて)。
以下の表で報告した通り、特異的プライマを利用した。
Figure 0003700859
の中に、結果として得られた増幅したフラグメント(それぞれLAG-3 D1D2及びLAG-3 D1-D4について739pb及び1312pb)を挿入した。
図3に示されている通り、LAG-3のサブフラグメントについてコードするDNA配列でCD8についてコードするDNA配列を交換するべく、XhoI及びBal IIでの消化の後にインサートを調製しベクターpCDM7-CD8-IgG1(pCDM7は
Figure 0003700859
により商品化されたpCDM8から誘導されたものである)のXhoI/BamHI部位の中にこれを導入した。結果として得られた発現ベクターは、ヒトIgG1連鎖の結合領域−CH2-CH3についてコードするDNA配列に対し融合されたD1D2又はD1-D4についてコードする配列を含んでいた。
Figure 0003700859
CDM7は、DNAクローニング及びE.coli及び真核細胞内でのその発現のためにSEED et al.(10)によって開発されたベクターから誘導された真核細胞発現ベクターである。CDM7は、以下のような特徴をもつ:すなわち(i)哺乳動物の細胞内での過渡的発現のためのヒトサイトメガロウイルスのプロモータ;(ii)T抗原を発現する哺乳動物の細胞の常染色体性複製のためのSV40のウェル性起点;(iii)多くのコピーのためのプラスミド起点としてのπVX(Col E1タイプ);(iv)E.coli菌株内でのアンピシリン及びテトラサイクリン耐性Tetamb及びAmpambについてのSup F選択;(v)一本鎖の解放のためのM13の複製起点;(vi)T7のRNAプロモータ;及び(vii)非相同DNAの効果的なクローニングのためのポリリンカー。
Cos細胞内の過渡的発現
Cos細胞(5×106)を、
Figure 0003700859
を用いて電気穿孔法(200V、1500μF、30〜40msec)により、(LAG-3 D1D2 Ig又はLAG-3 D1-D4 Ig又はCD8 Igについてコードする)適切な発現ベクターのDNA30μgでのトランスフェクションに付した。細胞を、5%のウシ胎児血清を含む培地上で再度展延させ、培養した。トランスフェクションから6日後に上清を除去した。
結果として得られる融合タンパク質を、17B4モノクローナル抗体でのウェスタンブロット分析により、トランスフェクションを受けた細胞の細胞抽出物ならびに上清から分析した。LAG-3 D1D2 Ig又はLAG-3 D1-D4 IgについてコードするDNAと共に、トランスフェクションを受けた細胞の上清の中で、免疫反応性物質を観察した。
これと並行して、同じ発現系及び発現ベクターpCDM7-CD8を用いて、負の対照として、組換え型イムノアデシンCD8/CD8 Igを得た(図3)。
プロテインA−セファロース上で従来の方法により、組換え型タンパク質LAG-3 D1D2 Ig, LAG-3 D1-D4 Ig及びCD8 Igを精製した。結果として得られた物質をSDS-PAGE及びそれに続くクーマッシー染色又は抗ヒトIg抗体を用いたウェスタンブロット分析により分析した。
例 3
LAG-3の可溶性サブフラグメントの産生
大量の組換え型タンパク質を産生するため、トランスフェクションを受けた哺乳動物の細胞から成る安定した発現系を開発した。宿主細胞は、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)が欠損し従ってその成長のためにグリシン、プリン及びチミジンを必要としているCHO細胞から分離された、足場依存性ハムスター卵巣細胞(CHO)である。核前駆体の合成におけるdhfrの中心的役割は、メトトレキセート(MTX)といったテトラヒドロ葉酸塩の類似体に対するdhfr欠損細胞の感受性と組合わさって、2つの重要な利点を示す。dhfr遺伝子を含む発現ベクターでのこれらの細胞のトランスフェクションは、組換え型dhfr耐性クローンの分泌を可能にし、増大する量のMTXを含む選択培地上のこれらの細胞の培養は、dhfr遺伝子及びそれに結びつけられたDNAの増幅という結果をもたらす。
LAG-3 D1, LAG-3 D1D2, LAG-3 D1-D4の構築
領域D1, D1D2又はD1-D4についてコードするDNAフラグメントを、以下の表に記すプライマーを用いて前述のものと同じPCR法により増幅させた。
Figure 0003700859
結果として得られた増幅されたフラグメントをSal1により消化させ、
Figure 0003700859
のSalI部位の中に挿入した。
増幅された配列を確認し、インサートをCOLE et al.(Biotechnology 11, 1014-1024, 1993)によって記述されている通りに発現ベクターpCLH3 AXS V2 DHFR ha IVSの中でサブクローニングさせた(図4)。
このベクターは、真核細物内でのcDNAの発現及びその増幅のための多機能型真核生物発現ベクターである。これは、以下のような特徴をもつ;すなわち(i)対象遺伝子の転写を行なうための(供与体−受容体スプライシング部位を含む)SV40のポリアデニル化配列及びメタロチオネイン1の遺伝子のマウスプロモータ;(ii)cDNAの高い転写率を得るための、糖タンパク質αのサブユニットの遺伝子の供与体−受容体スプライシング部位を内含するヒト介入配列A、(iii)細菌増幅のためのアンピシリン耐性遺伝子及びpBR322の複製起点を含むpML配列及びトランスフェクタントの選択及び増幅のために利用される配列の転写を行なうためのSV40のdhfrの転写ユニット。
CHO細胞内の安定した発現
CHO DUKX細胞をトランスフェクションするために、LAG-3, D1, LAG-3 D1D2及びLAG-3 D1-D4についてコードする発現ベクターを利用し、これらの細胞を選択培地上で培養した。これらの条件下で増殖能力をもつ細胞を集め、増大する量のMTXを含む培地上で培養した。モノクローナル抗体17B4を用いたウェスタンブロット分析により、発現率を測定した。LAG-3から誘導された組換え型可溶性分子を高い率で産生するクローンを、バイオリアクターの中で繁殖させ、イオン交換及びイムノアフィニティークロマトグラフィにより、LAG-3から誘導された物質を精製した。
ウェスタンブロット分析は、LAG-3 D1, LAG-3 D1D2及びLAG-3 D1-D4についてコードする発現ベクタでのトランスフェクションを受けた細胞の上清の中に、15〜18kD, 34−36kD(2重じま)及び55kD(2バンド可)の見かけのMrをもつバンドを明らかにした。これらの免疫反応性物質のそれぞれのMrは、グリコシル化されたLAG-3 D1 Ig(139のアミノ酸及び1つの推定上のNグリコシル化部位)、LAG-3 D1D2 Ig(3つのグリコシル化部位を有する239のアミノ酸)及びLAG-3 D1-D4 Ig(4つのグリコシル化部位を有する412のアミノ酸)の予想Mrに対応していた。
例 4
クラスIIのMHCを発現する細胞に対するLAG-3 Igの特異的結合
間接免疫螢光測定法により、モノクローナル抗体及びLAG-3 D1-D4 Igの反応性を研究した。LAG-3 D1-D4 Ig, CD8 Ig、すなわちCoulterクローンのFITC(イソチオシアン酸フルオリド)に接合された抗−ヒトクラスII MHCマウスモノクローナル抗体(949)(DR, DP, DQ)、又はFITCに接合された非関連免疫グロブリンGであるマウスIg-FITCの存在下で、4℃で30分間、標的細胞(4×105)をインキュベートに付した。細胞を洗浄し、フルオレセインに接合された抗ヒトIgヤギポリクローナルF(ab′)2か又はフルオレセイン(Coulterクローン)に接合された抗−マウスIgヤギポリクローナル抗体を用いて、30分間4℃でこれをインキュベートさせた。
LAG-3/クラスII MHCの結合を確認するため、LAG-3 D1-D4 Igを、正又は負のクラスIIのMHC細胞と共にインキュベートさせた。クラスIIのMHCを発現するBリンパ球の4つの系統(L31, Phil EBV, Raji, Sanchey et Personnaz)を、抗−クラスIIモノクローナル抗体949又は、LAG-3 D1-D4 Ig又はCD8 IgについてコードするDNAのトランスフェクションを受けたCos細胞の上清で処理した。クラスIIのMHCの分子の異なるハプロタイプを発現する5つの細胞系統は、抗−クラスIIモノクローナル抗体(正の対照)による場合と同じ要領でLAG-3 Igにより認識され、一方、CD8 Ig(負の対照)を含む上清は、予想通りこれらの細胞系統に結合しなかった。負のクラスIIのMHCの4つの細胞系統(CEM, RJ, HSB2, K562)を上述のものと同じ試薬を用いて処理した。いずれのものも、抗−クラスII MHC(負の対照)ともLAG-3 D1-D4 Igとも反応せず、このことはすなわち、LAG-3 D1-D4の結合がクラスIIのMHCの分子に特異的であることを示している。
(i)ヒトDR7又はヒトDP4についてコードする遺伝子でのトランスフェクションを受けた又は受けないマウスの線維芽細胞、(ii)クラスIIのMHCの分子を発現する又は発現しないマウス細胞、(iii)活性化されたヒト細胞CD4-又はCD8-及び(iv)クラスIIのMHCの分子の異なるハプロタイプを発現するTリンパ球系統を用いて補足的実験を実施した。
CD8 Igとは反対に、LAG-3 D1-D4 Igは、抗−クラスII MHCモノクローナル抗体949と同じ位効率良くクラスII MHCを発現する全ての細胞に結合する。LAG-3 D1-D4 Igは、テストされた全てのハプロタイプDR及びDP、トランスフェクションを受けたマウス細胞により発現されたヒトクラスII MHCの分子、マウスクラスII MHCの分子、ならびにTリンパ球CD4-又はCD8-によって発現されたクラスIIのMHCの分子に対して結合する。
これらの結果は、初めて、クラスII MHCのリガンドから誘導された可溶性分子がクラスII MHCを発現する細胞に固定する能力をもつということの証拠を表わしている。
類似の実験により、LAG-3 D1D2がLAG-3 D1-D4と同じ効力で同じく特異的にクラスIIのMHCを発現する細胞に結合することが示された。
LAG-3 Igの結合活性及びLAG-3 Igのリガンドの細胞分布
細胞リガンドに対して結合するこのイムノアデシンの能力を、フルオレセインで標識付けしたヒト免疫グロブリンに対して導かれたヤギ血清を用いて測定する。
これらの実験において、標的細胞はまず最初に、FCS(ウシ胎児血清)を10%含むRPMI1640の中で4℃で30分間ヒトモノクローナル抗体又はイムノアデシンと共にインキュベートさせられる。次に、マウスモノクローナル抗体についてFITC(Coulter)で標識付けされた抗マウス免疫グロブリンヤギ血清と、又はイムノアデシンについてFITC(Tago)で標識付けされた抗ヒト免疫グロブリンヤギ血清と共に、細胞をインキュベートさせる。Elite血球計算器(Coultronics, Hialeah, FL)上で3000の細胞を分析することにより2回の洗浄後に螢光を測定する。図9は、測定された螢光強度の対数に応じての計数された細胞の数によって表わされた、LAG-3 Ig, CD8 Ig、抗体949又は抗体OKT3(抗−CD3, ATCC)の固定率を示している。
LAG-3 Igは、分子HLA DR4の遺伝子についてトランスフェクションを受けたマウス線維芽細胞に固定され、トランスフェクションを受けていない細胞上には固定されない。CD8 Igは、同じ条件下で線維芽細胞HLA DR4 +に結合できない。
免疫螢光測定法により、細胞集団標本について、LAG-3 Igのリガンドの細胞分布を評価した。
(DR1〜DR10の型別の10の同型接合体系統を含む、一般に共通点の無い供与体から誘導された)エプスタイン−バーウイルスにより形質転換されたB細胞系統を含めた、テストされた全ての陽性クラスII細胞、ならびに活性化されたT及びNK細胞上で、LAG-3 Igが明らかにされる。
図9は一例として、クラスIIの抗原についての陽性DAUDI細胞上のLAG-3 Igの結合を示している。
LAG-3 Igでの平均螢光強度は、クラスIIの抗原の特異的抗体949で見られたものと類似している。マウスの線維芽細胞の表面で発現されたDR4(図9), DR2, DR7又はDPw4(図示せず)に対するLAG-3 Igの固定は、反対に、抗体949について見られたものよりも低い。
T由来(末梢血のT細胞、系統CEM, HSB2, REX)、B由来(系統RJ2, 2.5)又は非リンパ系由来(クリスロミクロイド由来のヒト系統K562及び黒色腫細胞由来の系統(図示せず))のクラスII抗原に対して陽性の細胞系統上ではいかなる結合も検出されない。
なお、LAG-3 Igは、マウスリンパ腫A20によって発現された抗原及びフィトヘムアグルチニンで刺激された芽細胞により発現されたサルのクラスII(データ図示せず)といった外国性MHCクラスII分子に固定される。
LAG-3 Igの固定の特異性は同様に、細胞付着試験におけるそのLAG-3/クラスII MHC相互作用遮断能力が以前に立証された(図10)モノクローナル抗体17B4を利用することによっても確認された。
これらの実験においては、分子LAG-3 Igは、細胞DAUDIの存在下に置かれる前に、培地単独、又は17B4(1mg/ml)又はOKT3(1mg/ml)を用いて、4℃で30分間予備インキュベートされる。
図10は、対照OKT3の場合いかなる阻害も見られないのに対して、17B4でのLAG-3 Igの予備インキュベーションがクラスII-の細胞に対する固定を阻害するということを示している。
例 5
LAG-3可溶性フラグメントによるLAG-3/クラスII MHCの相互作用の阻害
LAG-3の可溶性フラグメントによるLAG-3/クラスII MHCの相互作用の阻害は、可溶性フラグメントとの競合実験により、クラスII MHCに対するLAG-3 Igの固定のレベルで直接観察することができる。
CHOにより産生された可溶性フラグメントLAG-3D1D2がLAG-3から誘導されたイムノアデシンの結合を移動させることができたか否かを確認するために、以下の試験を行なった:
DAUDI細胞の表面で発現されたMHCのクラスIIの抗原に対するこれらの分子の固定を可能にする形で、DAUDI細胞を、可溶性フラグメントLAG3-D1D2と共にインキュベートする。
第2段階では、2量体形態のLAG-3D1D4Ig又は単量体形態のLAG-3D1D2Igの存在下で細胞をインキュベートする。
LAG-3から誘導されたこれらのイムノアデシンの固定は、フルオレセインに接合された抗ヒトIgヤギF(ab′)2(GAH FITC)を用いて測定される。
対照グループは、可溶性LAG-3D1D2フラグメントとの予備インキュベーション無く、2量体LAG-3D1D4Ig又は単量体LAG-3D1D2Igを用いてインキュベートされたDAUDI細胞により代表されている。
結果は、表5で報告されており、この表には、可溶性LAG-3D1D2フラグメントが単量体又は2量体形態のLAG-3から誘導されたイムノアデシンを移動させることができる、ということが示されている。
Figure 0003700859
これらのデータは、可溶性フラグメントLAG-3D1D2がMHCのクラスIIの分子上に固定されるということを確認している。
LAG-3/クラスII MHC及びCD4/クラスII MHCの相互作用の阻害
野生型LAG-3によるトランスフェクションを受けたCos細胞とクラスII MHCの分子を発現するEBVによる形質転換を受けたBリンパ球の間のロゼット形成は、BAIXERAS et al(2)によって実証された。
Bリンパ球に結合するCos細胞の視覚化及び計数を、51Crで標識付けされたBリンパ球のLAG-3を発現するCos細胞とのインキュベーションの後の残留放射能の計数(総合試験)によって置き換えることによって、この出版物の中で記述されている方法を修正した。
LAG-3/クラスII MHCの相互作用のみならずCD4/クラスII MHCの相互作用に対するLAG-3から誘導された可溶性分子の阻害効果がある場合に、それについて研究した。
適切な発現ベクター(野生型LAG-3又はCD4についてコードする)を用いて、Cos細胞をトランスフェクションに付した。2日後、Cos細胞をトリプシンで処理し、12ウェルのある平底の組織培養用プレート上にウェルあたり0.05×106細胞の割合で新たに展延させた。24時間後、Cos細胞のこの単層(最終体積1ml)上で、51Crで標識付けされたDAUDI細胞(5.5×106)をインキュベートした。このとき、標識B細胞を吸い込み、1mlの培地を一滴ずつゆっくりと加えながら、5〜7回ウェルを洗浄した。ウェルの縁部は、パスツールピペットを用いて吸込みにより洗浄した。37℃で15分間、1mlのPBS(1%Triton)を用いて、細胞を溶解させた。リゼイトを10分間3000tpmで遠心分離に付し、結果として得られた上清100μlを計数した。
51Crに対する総合試験においてLAG-3/クラスII MHC及びCD4/クラスII MHCの相互作用を阻害するために、LAG-3 D1-D4 Igを利用した。並行してヒトCD8 Ig及びIgG1をテストし、負の対照としてこれを利用した。
LAG-3 D1-D4 IgによるLAG-3/クラスIIの相互作用の有意な阻害が検出された(図5A)。しかしながら、LAG-3/クラスII MHCの相互作用は、ヒトCD8 Ig及びIgG1により非特異的かつ部分的に阻害され得る。一方、LAG-3 Igは、ヒトCD8 Ig又はIgG1によってCD4/クラスII MHCの相互作用が修正されなかった実験条件下で、CD4/クラスIIの相互作用の潜在的阻害物質であることがわかった(図5B)。このことは、LAG-3/クラスIIの相互作用がCD4/クラスIIの相互作用よりもさらに低いことを示唆している。これらの結果は、クラスIIのMHCとそのリガンドとの相互作用に対する可溶性分子の考えられる競合を初めて証明している。
例 6
LAG-3 D1-D4 Igの免疫抑制活性
抗LAG3モノクローナル抗体の生物活性について、以下に記す増殖試験を用いて、機能的試験を実施した。
抗原刺激から3日及び5日後(J3及びJ5)に、LAG-3 D1-D4 Igは、クローン28の増殖の強い阻害を示し、一方ヒトCD8 Ig及びIgGは、いかなる効果ももたらさなかった(図6)。類似の実験をクローン154(図7)で実施したところ、LAG-3 Igの存在下で部分的阻害を示した。抗−LAG-3モノクローナル抗体で実現された対照は、以前に観察された通り、逆の効果をもたらした。
クローン28については、LAG-3 D1-D4 Igの存在下でインキュベートされた細胞の細胞増殖の有意な阻害も同様に観察された。
これらの観察事実は、LAG-3 D1-D4 Igが抗原により刺激されるTリンパ球の増殖の潜在的な免疫抑制物質であることを示し、LAG-3が、活性化された助Tリンパ球CD4+によって誘発される二次免疫応答の「消去物質」として作用し得ることを表わしている。
T細胞の免疫応答の負の調節におけるLAG-3 Igの役割
膜分子の機能を模擬するLAG-3の可溶性形態が、抗原によって刺激されるクローンTCD4 +の活性化を阻害し得るということを実証するために、クローンT154について以下の試験を実施した:すなわち、まず、飽和量のLAG-3 Ig(100nM)を用いて、T細胞を予めインキュベートする。次に細胞を、低温RPMIで2回洗浄し、30分間4℃でヒト免疫グロブリン(Tago)に対して導かれたヤギ抗体100μg/mlを用いてインキュベートする。
新たに2回洗浄した後、細胞を、10%のウシ胎児血清を含むRPMIの中に再懸濁させ、シグナルを添加する前に37℃で2時間インキュベートさせる。モノクローナル抗体をカップリング(「架橋」)させるため、10μg/mlの割合で抗マウスヤギ抗体(Tago)を利用する。
図11は、クローンT154が第2の試薬(ヒト免疫グロブリンの定常領域に特異的なポリクローナル抗体)に結合(「架橋」)されたLAG-3 Igと共に予備インキュベートされた1つの実験を表わしている。細胞に対するLAG-3 Igの固定率は、免疫螢光測定法によって測定される(図11A)。図11Bは、クローンT154の増殖の50%以上の阻害がLAG-3 Igによって生成されることを示している。同じ実験条件下で、「架橋」無しのLAG-3 Ig又は対照CD8 Igの場合、いかなる効果も観察されない(図示せず)。
図11Cは同様に、抗原提示B細胞によって発現されたMHCのクラスIIの分子を結合(「架橋」)させるためにLAG-3 Igを用いた場合いかなる効果も観察されない、ということも示している。
T細胞の増殖のレベルでの結合(「架橋」)された抗クラスIIモノクローナル抗体の効果がみられた場合、これをLAG-3 Igのものと比較した。抗マウスヤギポリクローナル血清に結合された抗体D1, 12(抗DR)及び抗体949で、低い阻害(50%未満)が観察される(図12)。従って増殖の阻害は、エピトープ依存性をもち、最も大きな効果は、クラスIIへの結合に特異的なLAG-3のエピトープの場合に得られる。
T細胞の増殖に対するLAG-3 Igの効果も同様に、もう1つのクローンすなわち塩基性ミエリンタンパク質のペプチド34−53に特異的なクローンTDEL上で異なるシグナルと利用することによって研究された。
TDELが抗原(図示せず)、固定化されたOKT3(図13A)、レクチン(PHA+PMA)(図13B)及び5μl/mlのIL2(図13C)で刺激された場合に、増殖の阻害が観察される(n=2)。100UI/mlのIL2(図13D)ではいかなる阻害も観察されない。
結論としては、これらの結果は全体として、各々T細胞の活性化抗原であるクラスIIのMHC分子とLAG-3が、T細胞の応答の不活性化段階に関与するエフェクター分子と同一視できるものであるということを表している。なお、これらの結果は、細胞免疫応答の制御におけるT細胞間の相互作用の重要さを例示している。
例 7
LAG-3 Igによる細胞の細胞障害性刺激
細胞の細胞障害性レベルでのLAG-3 Igの役割について、次の2つのタイプのエフェクタ細胞に関し研究する:
−採取したばかりのヒト末梢血リンパ球(PBL)、
−SIB5系統の細胞(ヒトNK細胞のクローン)。
これらの細胞の細胞障害活性は、培地中のLAG-3 Igの存在下又は不在下で、予め標識付けされた標的細胞により培地内で塩析された51Crを計数することによって、測定される。
図14は、培養に添加されたさまざまな試薬に応じての、主要組織適合性複合体のクラスI及びIIの抗原を支持しエプスタイン−バー−ウイルスによって形質転換されたヒトB細胞系統(LAZ388系統)についてのS1B5の細胞障害性率を示す。
3/1(白色カラム)又は1/1(黒色カラム)というエフェクター細胞対標的細胞(S1B5/LAZ388)比について、4時間の同時培養の後に測定を行なう。
負の対照は培地単独(MED)、イムノアデシンCD8 Ig及びモノクローナル抗体17, B4(抗−LAG-3)によって構成されている。
正の対照は、次の異なる3つのモノクローナル抗体により構成される:
−クラスIIの抗原DRに対して導かれた抗体L243;
−クラスIIの抗原DRに対して導かれた抗体9.49、
−ヒト主要組織適合性複合体のクラスIの抗原に対して導かれた抗体W632。
抗クラスI(W632)又はクラスII(L2−43)HLA抗体が、(対照17B4ではなく)標的細胞の溶解を増大させる。イムノアデシンLAG-3 Igは溶解を増大させる。対照CD8 Igは効果をもたらさない。
図15は、50/1(白色カラム)及び15/1(黒色カラム)というエフェクタ−/標的比について、DAUDI(クラスI-H2A)に対するPBLの細胞障害性が測定されている、前出のものに類似した実験の結果を表わしている、培地に添加された試薬は、抗体9.49及び抗体17, B4を除いて、最初の実験において利用されたものと同じである。抗体10H3は、表面抗原CD45に特異的なイソタイプ免疫グロブリンIgG1である。これは負の対照として利用される。
主要組織適合性複合体のクラスIの抗原に対して導かれた抗体(W632)では、いかなる変更も観察されていない。
これらの2回の一連の測定のデータは、負の対照と比べ、LAG-3 IgがNK細胞の細胞障害性を活性化することを示している。この効果は、MHCのクラスIIの分子に対して導かれた抗体で見られた効果と類似している。
配列リスト
I.一般情報
(1)出願人:INSTITUT GUSTAVE ROUSSY/IN-SERM, APPLIED RESEARCH SYSTEMS ARS HOLDING NV
(2)発明の名称:
LAG-3から誘導された可溶性ポリペプチド分画:その治療用組成物、抗LAG-3抗体の利用
(3)配列数:1
II.−配列番号1の配列に関する情報
配列の特徴
タイプ:ヌクレオチド
長さ:476
ストランド数:2本
形態:線形
分子タイプ:CDNA
生体:ホモサピエンス
組織:Tリンパ球
名称:LAG-3
配列の詳細:
リーダーペプチド
Figure 0003700859
Figure 0003700859
Figure 0003700859
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Figure 0003700859
Figure 0003700859
Figure 0003700859

Claims (10)

  1. タンパク質LAG-3の4つのイムノグロブリンタイプ細胞外ドメインのうちの第1ドメイン(配列番号1のアミノ酸1〜149)を含んで成り、配列番号1の位置73, 75及び76のアルギニン残基(Arg)のうちの単数又は複数がグルタミン酸(Glu)により置換されている、可溶性ポリペプチドフラクション。
  2. タンパク質LAG-3のイムノグロブリンタイプ細胞外ドメインの他の3つのドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸150〜239, 240〜330及び331〜412)のうちの単数又は複数を更に含んで成る、請求項1記載の可溶性ポリペプチドフラクション。
  3. C末端及び/又はN末端に、融合タンパク質を構成するような形で補足的ペプチド配列を更に含んで成る、請求項1又2記載の可溶性ポリペプチドフラクション。
  4. 前記補足的ペプチドがイムノグロブリンの一部を含んで成る、請求項3記載の可溶性ポリペプチドフラクション。
  5. 前記補足的ペプチドがイソタイプIgG4のイムノグロブリンの一部を含んで成る、請求項4記載の可溶性ポリペプチドフラクション。
  6. 更に毒素又は放射性同位元素に結合していることを特徴とする、請求項1〜5項のいずれか1項記載の可溶性ポリペプチドフラクション。
  7. 請求項4又は5記載の可溶性ポリペプチドフラクションの産生方法であって、適宜PCR増幅後のLAG-3に相当する又はLAG-3から誘導された当該ポリペプチド領域をコードするcDNAのフラグメント、及び当該LAG-3の対応のポリペプチド領域又は誘導体をコードするcDNAに融合されたイムノグロブリンの対応の領域をコードするcDNAをベクターの中に挿入し、そしてトランスフェクションの後に、当該cDNAのフラグメントを発現系において発現させることを特徴とする、方法。
  8. 前記発現系が哺乳動物細胞である、請求項7記載の方法。
  9. 前記哺乳動物細胞がハムスターの卵巣細胞である、請求項8記載の方法。
  10. 適切な切断部位を内含するような形で構成されたLAG-3/イムノグロブリン接合体の切断を実施することを特徴とする、請求項7〜9項のいずれか1項記載の可溶性ポリペプチドフラクションの産生方法。
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