JP3700632B2 - 軒樋切断用補助具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軒樋切断用補助具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に実開昭62−173432号公報記載の軒樋切断用補助具を示す。図4に示すように従来の軒樋切断用補助具は軒樋の長手方向の一部の内面に着脱自在に嵌合するものが知られていた。
【0003】
上記従来の軒樋切断用補助具1′を利用して軒樋2を切断する場合は、軒樋切断用補助具1′の前後耳嵌合部3′、4′をそれぞれ軒樋2の前後耳部5′、6′に嵌合することで軒樋2に軒樋切断用補助具1′を取付けた後、軒樋2の長手方向に直交する軒樋切断用補助具1′の側端面に鋸等の切断治具7を沿わせて軒樋2を切断していた。
【0004】
しかしながら、上記従来の軒樋切断用補助具1′の肉厚は薄く成型されているため、面積の小さい側端面に鋸等の切断治具7を沿わせて軒樋2を切断することは難しかった。また軒樋切断用補助具1′を軒樋2の内面に取付けるために、軒樋2を切断する際は軒樋2の前耳部5′と後耳部6′との2箇所から切断し始めなければならず、最も切断の精度が要求される切断開始時において、正確に切断することが困難であった。さらに軒樋2を接地面8に接地して切断する場合においては、軒樋2底部を接地面8に接地する必要があり、軒樋2底部を切断する時に、鋸等の切断時具7が接地面8に当たってしまい、綺麗に軒樋2底部を切断することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の軒樋切断用補助具においては、軒樋2の切断の際、非常に手間がかかり、また精度良く軒樋2の長手方向に対して垂直に軒樋2を切断することは困難であった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、精度良く且つ容易に軒樋を切断できる軒樋切断用補助具を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る軒樋切断用補助具1は、軒樋2の長手方向の一部を被嵌するための着脱自在な枠体9を有し、軒樋2の長手方向に直交する枠体9の側端面に切断用工具7を沿わせて軒樋2を切断するための軒樋切断用補助具1において、
枠体9の前壁11上端部に軒樋2の前耳部5と嵌合するための前耳嵌合部3を設け、枠体9の後壁12上端部に軒樋2の後耳部6と嵌合するための後耳嵌合部4を設け、前耳嵌合部3と後耳嵌合部4を除いた枠体9外面の側端部に軒樋2の長手方向に対して垂直外向きに突出するガイド板部10を設け、該ガイド板部10側面と枠体9側端面とを面一として成ることを特徴とするものである。
【0008】
上記のようにガイド板部10を設けることで、軒樋2切断時にガイド板部10側面に鋸等の切断用工具7を沿わすことで切断の動作が安定する。また軒樋切断用補助具1は軒樋2の外面を被嵌するため、軒樋2底部から切断を開始することができる。
【0009】
またガイド板部10を前耳嵌合部3と後耳嵌合部4を除いた枠体9外面の側端部に設けることでガイド板部10が設けられていない前耳嵌合部3と後耳嵌合部4との弾性を保つことができる。
【0010】
また請求項2は請求項1において、外面に長手方向に連続し且つ断面が同一形状をした凹凸模様13を有する軒樋2を切断するための軒樋切断用補助具において、ガイド板部10に軒樋2の凹凸模様13と合致する掃除用櫛歯14を設けて成ることを特徴とするものである。
【0011】
上記のように掃除用櫛歯14を設けることで、軒樋2の切断の際にできる切り粉が軒樋2の凹凸模様13に入り込んでしまった場合、掃除用櫛歯14にて凹凸模様13に入り込んだ切り粉を掻き出すことができる。
【0012】
また請求項3は請求項1又は請求項2において、枠体9外面の両側端部に軒樋2の長手方向に対して垂直外向きに突出するガイド板部10を設けたことを特徴とする。
【0013】
上記のように両側端部にガイド板部10を設けることで、鋸等の切断用工具7の右側面と左側面のどちらの面にもガイド板部の側面10に沿わせることができるようになり、作業環境や作業者の右利き、左利きに関わらず、軒樋2を切断することができる。
【0014】
また請求項4は請求項1乃至請求項3において、前耳嵌合部3に嵌合された軒樋2の前耳部5が前耳嵌合部3を接地面8に接地した際接地面8から浮くように前耳嵌合部3の外面に軒樋2の長手方向に対して垂直外向きに突出した脚部15を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
上記のように脚部15を設けることで、軒樋切断用補助具1を接地面8に接地した際、軒樋2の前耳部5を接地面8から浮かすことができ、鋸等の切断用工具7が接地面8に当たることなく前耳部5を切断することができる。
【0016】
また請求項5は請求項1乃至請求項4において、前耳部5に上向きに突出する係止部16を設けた軒樋2を切断するための軒樋切断用補助具1において、軒樋2の前板17の前面上端部に対向して近接する前縦片18と、軒樋2の係止部16上面に対向して近接する上横片19と、軒樋2の係止部16後面に対向して近接する係止突起部20とを有する前耳嵌合部3を設け、前縦片18の前面に押圧によって係止部16と前耳嵌合部3との着脱を操作できる操作用押圧部21を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
上記のように係止突起部20と操作用押圧部21とを設けることで、前耳嵌合部3が前方に外れるのを防止し、且つ容易に前耳嵌合部3と前耳部5とを嵌合することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図2に示すように軒樋2は水平な底板22と底板22の前側端部に上向きに突出し且つ前側に傾斜した前板17と、底板22の後側端部に上向きに突出した後板23とを有し、軒樋2は上方に開口した溝形状をしている。軒樋2の前板17の外面には外見を向上させるために断面凹凸形状で且つ長手方向に向かって同一の形状をした凹凸模様13が形成されており、軒樋2の前板17の上端部には後方に向けて突出する前耳部5が設けられている。前耳部5は前板17から後向きに突出する横向き片29と、横向き片29先端部から下向きに突出する前耳突片30と、横向き片29から上向きに突出する係止部16とで構成されている。一方軒樋2の後板23の上端部内面には後耳部6が設けられている。
【0019】
上記軒樋2を切断する場合は補助具として本発明の軒樋切断用補助具1を利用する。以下に本発明の軒樋切断用補助具1の実施形態の一例を図1示す。軒樋切断用補助具1は枠体9を有し、枠体9は底壁24と、底壁24の前端部から上向きに突出し且つ前方に向かって傾斜する前壁11と、軒樋2の底壁24の後端部から上向きに突出する後壁12とで構成され、枠体9の内面は軒樋2の外周形状と略同じ形状をしている。前壁11の上面には軒樋2の前耳部5と着脱自在に嵌合できる前耳嵌合部3が設けられている。前耳嵌合部3は略コ字状に形成されており、前壁11の上面に下面後端部を接続した下横片25と、下横片25の外端部に設けた上向きに突出する前縦片18と、前縦片18上端部に設けた後方に向けて突出する上横片19とで構成される。軒樋2の係止部16を係止するために上横片19の後端部下面には下向きに突出する係止突起部20が設けられている。また上横片19の後端部には上向きに突出する脚部15が設けられている。前縦片18中央部には前向きに突出する操作用押圧部21が設けられている。一方後壁12の上端面には後耳嵌合部4が設けられており、後耳嵌合部4は下面を後壁12上面に接続した後縦片26と、後縦片26上端部に前方に向けて突出した横片27とで構成される。横片27の前端部下面には下向きに突出した後耳係止部28が設けられている。
【0020】
枠体9の外面の両側端部には軒樋2の長手方向に対して垂直外向きに突出するガイド板部10を設けている。両ガイド板部10の側面は枠体9側端面と面一となるように設けられている。またガイド板部10の前面の一部には軒樋2の凹凸模様13と合致する掃除用櫛歯14が設けられている。
【0021】
上記軒樋切断用補助具1を軒樋2に取付ける方法を以下に記す。まず枠体9が軒樋2の長手方向の一部を覆うようにして、軒樋切断用補助具1の後耳係止部28を軒樋2の後耳部6の前面に引っ掛けると共に軒樋切断用補助具1の係止突起部20を前耳嵌合部3上部に位置させる。次に操作用押圧部21を後方に向けて押圧することで前耳嵌合部3は弾性変形して係止突起部20の下面は係止部16の上面よりも上方に位置し、係止突起部20は係止部16を乗り越えて、係止突起部20の前面は係止部16の後面係止される。この時前縦片18の後面は軒樋2の前板17上端部前面に対向して近接し、上横片19の下面は係止部16の上面に対向して近接する。上記のようにして前耳嵌合部3を前耳部5に嵌合することができ、容易に軒樋2を軒樋切断用補助具1にて被嵌することができる。
【0022】
上記のようにして軒樋2を軒樋切断用補助具1にて被嵌した後、軒樋2を切断するのであるが、切断は軒樋切断用補助具1を接地面8に接地して切断することが好ましいものである。すなわち図3に示すように軒樋切断用補助具1を設置する場合は前耳嵌合部3の脚部15上面と後耳嵌合部4上面とを接地面8に接地する。この時、軒樋2の前耳部5と後耳部6とは軒樋切断用補助具1の前耳嵌合部3と後耳嵌合部4とで覆われているため接地面8とは接していない。上記のように軒樋切断用補助具1が被嵌した部分の軒樋2は接地面8とは接していないために、軒樋2切断時に接地面8に接する軒樋2が傷つくことを防止できる。
【0023】
上記のように軒樋2に軒樋切断用補助具1を取付けて、接地面8に接地した後、鋸等の切断用工具7にて軒樋2の切断を行う。軒樋2を切断する場合は軒樋切断用補助具1に設けられたガイド板10の側面に鋸等の切断時具7の刃面を沿わせて切断を行う。ガイド板10に切断用工具7を沿わせて軒樋2を切断することで、鋸等の切断用工具7の動きが安定し、正確に軒樋2の長手方向に対して垂直に切断することができる。
【0024】
また本実施例ではガイド板10を枠体9の外面の両側端部に設けているため、鋸等の切断用工具7の右側面と左側面のどちらの面にもガイド板部10の側面に沿わせることができ、作業環境や作業者の右利き、左利きに関わらず、軒樋2を切断することができる。
【0025】
ところで、軒樋2の切断作業において最も精度を要求されるのは切断開始時であり、図3に示すように変形し難い軒樋2の底部から軒樋2の切断を開始することが好ましい。従来の軒樋切断用補助具1′は軒樋2の内面を覆うために切断は軒樋2の耳部からしか開始できなかったのに対して、本実施例では軒樋切断用補助具1が軒樋2を外部から被嵌することができるため、変形し難い軒樋2の底部から切断を開始することができ、切断を精度良く行うことができる。
【0026】
また、軒樋2の切断が進むと軒樋2の前耳部5を切断する必要がある。本実施例では軒樋切断用補助具1に脚部15が設けられており、軒樋2の前耳部5と接地面8との間には隙間Aが形成されているので、軒樋切断用補助具1を接地面8に接地して軒樋2を安定させた状態で切断することができ、且つ鋸等の切断用工具7の先端が接地面8に接することなく前耳部5を切断することができる。
【0027】
また鋸等の切断用工具7によって軒樋2を切断すると、軒樋2から切り粉が出てしまい、外見を向上させるために断面凹凸形状で且つ長手方向に断面同一の形状を有する凹凸模様13を形成した軒樋2では、切り粉が凹凸模様13に入り込んでしまい、非常に取り除き難い。本実施例ではガイド板部10の前面の一部に軒樋2の凹凸模様13と合致する掃除用櫛歯14を設けることで、軒樋2の切断の際にできる切り粉が軒樋2の凹凸模様13に入り込んでしまった場合、軒樋切断用補助具1を軒樋2から取り外した後、軒樋切断用補助具1の掃除用櫛歯14にて凹凸模様13に入り込んだ切り粉を掻き出すことができる。
【0028】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、軒樋切断時にガイド板部側面に鋸等の切断用工具を沿わせることで切断の動作と位置が安定し、また軒樋外面に軒樋切断用補助具を被嵌することで、最も精度の要求される切断開始時において、変形し難い軒樋の底部から切断することができるために、正確且つ容易に軒樋を軒樋の長手方向に対して垂直に切断することができる。
【0029】
またガイド板部を前耳嵌合部と後耳嵌合部を除いた枠体外面の側端部に設けることで、ガイド板部を設けたにも関わらず、前耳嵌合部と後耳嵌合部とは弾性を保つことができるため、軒樋に軒樋切断用補助具を取付ける際、容易に前耳嵌合部及び後耳嵌合部とを前耳部及び後耳部とに嵌合することができる。
【0030】
また請求項2に記載の発明にあっては、上記請求項1の効果に加えて、掃除用櫛歯を設けることで、軒樋の切断の際にできる切り粉が軒樋の凹凸模様に入り込んでしまった場合、掃除用櫛歯にて凹凸模様に入り込んだ切り粉を掻き出すことができる。
【0031】
また請求項3に記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2の効果に加えて、両側端部にガイド板部を設けることで、鋸等の切断用工具の右側面と左側面のどちらの面にもガイド板部の側面に沿わせることができるようになり、作業環境や作業者の右利き、左利きに関わらず、軒樋を精度良く切断することができる。
【0032】
また請求項4に記載の発明にあっては、請求項1乃至請求項3の効果に加えて、脚部を設けることで、軒樋切断用補助具を接地面に接地した際、軒樋の前耳部を接地面から浮かすことができるために、軒樋切断用補助具を接地面に安定させた状態で、鋸等の切断用工具が接地面に当たることなく前耳部を切断することができ、また前耳部を容易に切断することができる。
【0033】
また請求項5に記載の発明にあっては、請求項1乃至請求項4の効果に加えて、係止突起部と操作用押圧部とを設けることで、前耳嵌合部が前方に外れるのを防止し、また容易に軒樋と軒樋切断用補助具とを嵌合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施形態の軒樋切断用補助具の断面図である。
(b)(a)の正面図である。
【図2】軒樋の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の軒樋切断用補助具を使用する際の断面図である。
【図4】従来の軒樋切断用補助具の斜視図である。
【符号の説明】
1 軒樋切断用補助具
2 軒樋
3 前耳嵌合部
4 後耳嵌合部
5 前耳部
6 後耳部
7 切断用工具
9 枠体
10 ガイド板部
11 前壁
12 後壁
13 凹凸模様
14 掃除用櫛歯
15 脚部
16 係止部
17 前板
18 前縦片
19 上横片
20 係止突起部
21 操作用押圧部

Claims (5)

  1. 軒樋の長手方向の一部を被嵌するための着脱自在な枠体を有し、軒樋の長手方向に直交する枠体の側端面に切断治具を沿わせて軒樋を切断するための軒樋切断用補助具において、枠体の前壁上端部に軒樋の前耳部と嵌合するための前耳嵌合部を設け、枠体の後壁上端部に軒樋の後耳部と嵌合するための後耳嵌合部を設け、前耳嵌合部と後耳嵌合部を除いた枠体外面の側端部に軒樋の長手方向に対して垂直外向きに突出するガイド板部を設け、該ガイド板部側面と枠体側端面とを面一として成ることを特徴とする軒樋切断用補助具。
  2. 外面に長手方向に連続し且つ断面の形状が同一である凹凸模様を有する軒樋を切断するための軒樋切断用補助具において、ガイド板部に軒樋の凹凸模様と合致する掃除用櫛歯を設けて成ることを特徴とする請求項1に記載の軒樋切断用補助具。
  3. 枠体外面の両側端部に軒樋の長手方向に対して垂直外向きに突出するガイド板部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軒樋切断用補助具。
  4. 前耳嵌合部に嵌合された軒樋の前耳部が前耳嵌合部を接地面に接地した際接地面から離れるように前耳嵌合部の外面に軒樋の長手方向に対して垂直外向きに突出した脚部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の軒樋切断用補助具。
  5. 前耳部に上向きに突出する係止部を設けた軒樋を切断するための軒樋切断用補助具において、軒樋の前板の前面上端部に対向して近接する前縦片と、軒樋の係止部上面に対向して近接する上横片と、軒樋の係止部後面に対向して近接する係止突起部とを有する前耳嵌合部を設け、前縦片の前面に操作用押圧部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の軒樋切断用補助具。
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