JP3700189B2 - トラクタの走行伝動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、トラクタの走行伝動装置に係り、リバ−サクラッチを牽制するリバ−サ牽制装置を備えた走行伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】
トラクタの走行伝動装置に、メインクラッチからリバ−サクラッチを経て主変速装置へ伝動する形態では、主変速装置を変速操作するとき、メインクラッチを切るかリバ−サクラッチを切りにして、変速するが、リバ−サクラッチを用いて変速操作時のクラッチとするためには、このリバ−サクラッチをペタル操作すると同様に緩く操作できる構成とするか、昇圧制御弁等を用いて緩く操作できるようにしなければならず、高価なものとなる。
【0003】
リバ−サクラッチは、単に電磁弁の切替による油圧操作によって、しかも小形に構成するのが一般的であるから、メインクラッチが入りのとき、リバ−サクラッチが入りに操作されると、このリバ−サクラッチが急速に入って伝動のショックを生じ易い。このため、この発明は、メインクラッチが入りのときはこのようなリバ−サクラッチの入りを牽制することとし、メインクラッチを切ったときのみリバ−サクラッチを入りにしうるものとして、メインクラッチ操作のもとに主変速操作を円滑に行ないうるものとしたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、エンジン(E)の動力を共に湿式多板形態からなるメインクラッチ(1)からリバーサクラッチ(2)を経て主変速装置(3)へ伝動し車輪を駆動して走行するトラクタの走行伝動装置において、該メインクラッチ(1)のクラッチペダル(4)と連動して、このクラッチペダル(4)の踏込開放時にはこのリバーサクラッチ(2)の入りを牽制すると共に、クラッチペダル(4)の踏込時にはこのリバーサクラッチ牽制を解除するリバーサ牽制機構(5)を備え、このリバーサ牽制機構(5)は、リバーサクラッチ(2)の操作と連動するカム(8)と、クラッチペダル(4)の操作に連動されてこのカム(8)の作用位置に回動するストッパー(9)とを有し、リバーサクラッチ(2)の切り側のカム(8)の回動はストッパー(9)の位置に拘らず自由とし、リバーサクラッチ(2)の入り側のカム(8)回動をメインクラッチ(1)切りに連動されるストッパー(9)の係止位置によって牽制するカム機構(10)を構成してなるトラクタの走行伝動装置の構成とする。
【0005】
【作用、及び発明の効果】
走行伝動は、メインクラッチ1の入り、及びリバ−サクラッチ2の前進位置、又は後進位置への入りによって行なわれる。主変速装置3を変速するときは、クラッチペタル4を踏込んでメインクラッチ1を切りにして主変速を行う。リバ−サ牽制機構5は、クラッチペタル4を踏込まないときは、既に入り位置にある場合を除きリバ−サクラッチ2の切り位置からの入り位置への切替えが牽制される。しかし、リバーサ牽制機構(5)にはカム機構(10)を有し、リバーサクラッチ(2)の切り側のカム(8)の回動はストッパー(9)の位置に拘らず自由としたから、既に入り位置にあるリバ−サクラッチ2の切り位置への切替えは自由に行いうる。
【0006】
このため、メインクラッチ1が入りのときは、切り位置のリバ−サクラッチ2を前進位置、又は後進位置に入れようとしても該リバ−サ牽制機構5によって牽制されて入れることができない。リバ−サクラッチ2が急に入りになることがないからショックをなくし、リバ−サクラッチ2に無理を生じ難い。又、誤操作でリバ−サクラッチ2が入ることがない。
【0007】
クラッチペタル4を踏込むと、メインクラッチ1が切りになり、主変速装置3を変速操作することができるが、このクラッチペタル4の踏込みによって前記リバ−サ牽制機構5によるリバ−サクラッチ2の牽制が解除されて、リバ−サクラッチ2は切り位置から前進、又は後進位置に入り操作することができる。このようにクラッチペタル4の踏込みによって、リバ−サクラッチ2の入りを可能とするものであるから、主変速装置3と同様の操作によってリバ−サクラッチ2の切替操作を行うことができ、操作性をよくすることができる。
【0008】
【実施例】
トラクタの走行伝動装置は、エンジンEボディの後側に連結するクラッチハウジング13、フロントミッションケ−ス14、及びリヤミッションケ−ス15に内装されて、前車輪16および後車輪17を駆動して走行する前車輪駆動走行形態とし、又、動力取出軸18をも伝動する構成である。19は前車輪16を操向するステアリングハンドル、20は操縦席、21はフェンダ、22はリフトア−ムである。
【0009】
該走行伝動装置のメインクラッチ1及びリバ−サクラッチ2は、動力取出クラッチ23と共に、クラッチハウジング13内に配置されて、共に湿式多板形態として構成される。エンジンEのクランク軸から駆動される軸24からメインクラッチ1を介してクラッチ軸6へ伝動しうると共に、ギヤ25,26,27,28等を介して動力取出クラッチ23を有する軸29へ伝動し、この軸29からリヤミッションケ−ス15の動力取出軸18へ伝動しうる構成としている。
【0010】
クラッチ軸6上には、クラッチシフタ−30によって切り操作されるクラッチリング31が軸方向へ摺動自在に設けられ、このクラッチリング31は、ばね32及びブレ−キシュ−33を介して、メインクラッチ1のプレッシャプレ−ト34へ押圧されることによって、クラッチ切りとなるメインクラッチ1の付回りを制動しうる。このメインクラッチ1は常時は入りの状態にあるが、クラッチシフタ−30の操作で、クラッチリング31をこのメインクラッチ1側へ押すことによってクラッチ切りとなり、更にこのクラッチリング31を押すことによってばね32を介してブレ−キシュ−33をプレッシャプレ−ト34に押圧させて、このメインクラッチ1のクラッチ軸6側の付回りにブレ−キがかかる。このときのクラッチリング31の回り止めはクラッチシフタ−30によって行われるように、クラッチシフタ−30がクラッチリング31の係合部35に噛合している。
【0011】
前記リバ−サクラッチ2は、中立位置Nから前進位置Fと後進位置Rとに切替えられて伝動しうるもので、前進位置Fの切替えでは、前記クラッチ軸6のギヤ36から、ギヤ37,38の噛合を経てこの前進位置Fのリバ−サクラッチ2からリバ−サ軸39へ伝動され、又、後進位置Rでは、該ギヤ37からギヤ40,41,42を経てこの後進位置Rのリバ−サクラッチ2からリバ−サクラッチ2からリバ−サ軸39へ逆転伝動される。
【0012】
主変速装置3はシンクロメッシュ機構を有した変速クラッチ53,54を前記リバ−サ軸39から連動される変速軸43上に沿って配置されるギヤ45〜48と、これと平行なカウンタ軸44上のギヤ49〜52との噛合のもとに、変速クラッチ53をギヤ45側に噛合することによって一速を得ることができ、ギヤ46側に噛合して二速を得、変速クラッチ54をギヤ47側に噛合して三速を得、ギヤ48側に噛合して四速を得る。
【0013】
このようにして、主変速装置3において変速伝動されるカウンタ軸44の回転は、更に後側の副変速装置55で変速されて、後車輪17へデフ装置へ伝動されると共に、前輪伝動軸56を経て前車輪16へデフ装置へ伝動される。57は前輪伝動軸56の途中に設けた変速クラッチで、中立位置から、前車輪16を後車輪17と等速に伝動する四WD伝動と、前車輪16を後車輪17の二倍の速度に伝動する倍速四WD伝動とに切替えることができる。
【0014】
前記クラッチペタル4は、操縦フロア58の左側にあって、ペタル軸59の回りに踏込回動できる。このクラッチペタル4はタ−ンバックル60によって伸縮調節自在のロッド61を介してシフタア−ム62に連結され、シフタア−ム62は前記メインクラッチ1のクラッチシフタ−30のシフタ軸63に一体としている。これによって、クラッチペタル4を踏込むことにより、シフタア−ム62を回動して、クラッチシフタ−30を回動し、メインクラッチ1を切ることができる。
【0015】
前記リバ−サクラッチ2の操作は、ステアリングポスト64上のリバ−サレバ−65との連結によって回動されるカム軸7の下端部にリバ−サシフタ−66と、カム8とが設けられ、このリバ−サシフタ−66によって、前記リバ−サクラッチ2を中立位置Nから前進位置F、又は後進位置Rに切替え連動することができる。
【0016】
前記リバ−サクラッチ2の牽制を行うリバ−サ牽制機構5は、前記クラッチシフタア−ム62とカム8との間において設けられる。クラッチシフタア−ム62の上下回動によってピン69による係合で車体に対する軸70回りに前後揺動されるア−ム71が設けられ、又、車体に対して一体のブラケット72に対して回動自在の軸73回りに上下回動のプレ−ト状ストッパ−9が設けられ、これらア−ム71と軸73に一体のア−ム68との間をタ−ンバックル67で伸縮調節自在のロッド74によって連動し、このストッパ−9はばね75で常時上方へ回動されてカム8と係合しうる位置に付勢されて、ア−ム68はシフタア−ム62の上動によってこのばね75に抗する方向に連動する。これにより、リバ−サクラッチ2の牽制は、ばね75によって上方に回動されるストッパ−9をカム8の回動位置に弾発させて、このカム8を前記リバ−サクラッチ2の中立位置Nに係止させて、このリバ−サクラッチ2を切りの状態に維持する。このとき、リバ−サレバ−65を前進位置F又は後進位置Rへ操作しようとしても操作できないように牽制される。
【0017】
このようなリバ−サ牽制機構5においては、リバ−サクラッチ2の操作と連動して回動されるカム軸7に一体のカム8と、クラッチペタル4の操作に連動されてこのカム8の作用位置に回動するストッパ−9とからなり、リバ−サクラッチ2の切り側のカム8回動はストッパ−9の位置に拘らず自由であるが、リバ−サクラッチ2の入り側のカム8回動をメインクラッチ1切りに連動されるストッパ−9の係止位置によって牽制するカム機構10を有する構成とする。
【0018】
即ち、クラッチペタル4を踏んでメインクラッチ1を切りにすると、シフタア−ム62によってア−ム71が押し上げられて、ロッド74を介してストッパ−9が下動され、カム8の回動圏から外れるため、カム8の回動は自由となり、リバ−サレバ−65によるリバ−サクラッチ2の前進位置F、又は後進位置Rへの切替えを行いうる。
【0019】
又、前記のように、カム8が既に前進位置F、又は後進位置Rにあるとき、ストッパ−9がクラッチペタル4の踏込解除によってばね75力で上方へ回動して、押し上げられるような状態にあるときは、リバ−サクラッチ2の入りを牽制は行っていないが、このリバ−サレバ−65によるリバ−サクラッチ2の中立位置Nへの作動は自由であり、カム8が中立位置に回動すると、直ちにストッパ−9と噛合して、それ以降のカム8の回動を牽制する。即ち、一旦中立位置Nになった後のリバ−サクラッチ2の切替が牽制されることとなる。
【0020】
図5において、上例と異なる点は、前記カム機構10のストッパ−9に、このストッパ−9とカム8との間の間隔を、広A、狭Bの二段に形成して、広縁11と狭縁12とを設けたもので、前進位置F、又は後進位置Rに切替えたとき、中立位置Nでストッパ−9がばね75で軸73回りに回動されて復元し易く、確実にこのストッパ−9が戻る前にカム8が飛び越えることがなく、カム8を中立位置Nに固定する。又、中立位置Nでの間隔は狭B間隔を保持できる。
【0021】
図6において、上例と異なる点は、リバ−サクラッチ2の油圧回路77に設けられる開閉用の電磁弁76と、前進位置Fと後進位置Rとのリバ−サクラッチ2に切替える切替電磁弁78とを有し、前記クラッチペタル4の踏込によってONして該電磁弁76を開くリバ−サクラッチ79と、前記リバ−サレバ−65の中立位置からの操作によって前進位置への切替操作でONして該切替電磁弁78を前進位置F側へ切替える前進スイッチ80Fと、後進位置R側へ切替える後進スイッチ80Rとを有する。Pは油圧ポンプである。
【0022】
これによって、クラッチペタル4の踏込によりメインクラッチ1を切ると、電磁弁76が開かれ、リバ−サレバ−65によって、リバ−サ牽制機構5の解除のもとに切替えられた前進位置F又は後進位置R側のリバ−サクラッチ2が入りとなる。このため、メインクラッチ1とリバ−サクラッチ2とのタイミングは、メインクラッチ1の切りの後にリバ−サクラッチ2が切りとなり、リバ−サクラッチ2が入りの後にメインクラッチ1が入りとなり、円滑な伝動の入り切りを行うことができ、シンクロメッシュ形態の主変速装置3の変速伝動も円滑に行われる。
【0023】
図7、図8において、上例と異なる点は、前記リバ−サ牽制機構5を、リバ−サレバ−65と共にステアリングポスト64部に設けたもので、このリバ−サレバ−65と一体的に回動しうるプレ−トカム8のカム孔に、前記クラッチペタル4との間をワイヤ−81連動で上下動するピンストッパ−9を嵌合させて、このリバ−サレバ−65を中立位置Nに係止して、牽制する。又、該クラッチペタル4を踏込んでメインクラッチ1を切りにすると、このクラッチペタル4に連結のワイヤ−81を介してピンストッパ−9がカム孔から外れて、リバ−サレバ−65の前進位置F、又は後進位置Rへの切替ができる。
【0024】
なお、82はワイヤ−81先端に連結のピンストッパ−9を上方へ弾発するばねである。83はこのピンストッパ−9を摺動自在に嵌合するガイドパイプである。84はスロットルレバ−である。
【図面の簡単な説明】
【図1】リバ−サ牽制機構部の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】トラクタの側面図。
【図4】伝動機構の側面図。
【図5】一部別実施例を示すカム機構部の側面図。
【図6】一部別実施例を示すリバ−サクラッチの操作回路図。
【図7】一部別実施例を示すステアリングポスト部の背面図。
【図8】その平面図。
【符号の説明】
1 メインクラッチ
2 リバ−サクラッチ
3 主変速装置
4 クラッチペタル
5 リバ−サ牽制機構
8 カム
9 ストッパー
10 カム機構
【産業上の利用分野】
この発明は、トラクタの走行伝動装置に係り、リバ−サクラッチを牽制するリバ−サ牽制装置を備えた走行伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】
トラクタの走行伝動装置に、メインクラッチからリバ−サクラッチを経て主変速装置へ伝動する形態では、主変速装置を変速操作するとき、メインクラッチを切るかリバ−サクラッチを切りにして、変速するが、リバ−サクラッチを用いて変速操作時のクラッチとするためには、このリバ−サクラッチをペタル操作すると同様に緩く操作できる構成とするか、昇圧制御弁等を用いて緩く操作できるようにしなければならず、高価なものとなる。
【0003】
リバ−サクラッチは、単に電磁弁の切替による油圧操作によって、しかも小形に構成するのが一般的であるから、メインクラッチが入りのとき、リバ−サクラッチが入りに操作されると、このリバ−サクラッチが急速に入って伝動のショックを生じ易い。このため、この発明は、メインクラッチが入りのときはこのようなリバ−サクラッチの入りを牽制することとし、メインクラッチを切ったときのみリバ−サクラッチを入りにしうるものとして、メインクラッチ操作のもとに主変速操作を円滑に行ないうるものとしたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、エンジン(E)の動力を共に湿式多板形態からなるメインクラッチ(1)からリバーサクラッチ(2)を経て主変速装置(3)へ伝動し車輪を駆動して走行するトラクタの走行伝動装置において、該メインクラッチ(1)のクラッチペダル(4)と連動して、このクラッチペダル(4)の踏込開放時にはこのリバーサクラッチ(2)の入りを牽制すると共に、クラッチペダル(4)の踏込時にはこのリバーサクラッチ牽制を解除するリバーサ牽制機構(5)を備え、このリバーサ牽制機構(5)は、リバーサクラッチ(2)の操作と連動するカム(8)と、クラッチペダル(4)の操作に連動されてこのカム(8)の作用位置に回動するストッパー(9)とを有し、リバーサクラッチ(2)の切り側のカム(8)の回動はストッパー(9)の位置に拘らず自由とし、リバーサクラッチ(2)の入り側のカム(8)回動をメインクラッチ(1)切りに連動されるストッパー(9)の係止位置によって牽制するカム機構(10)を構成してなるトラクタの走行伝動装置の構成とする。
【0005】
【作用、及び発明の効果】
走行伝動は、メインクラッチ1の入り、及びリバ−サクラッチ2の前進位置、又は後進位置への入りによって行なわれる。主変速装置3を変速するときは、クラッチペタル4を踏込んでメインクラッチ1を切りにして主変速を行う。リバ−サ牽制機構5は、クラッチペタル4を踏込まないときは、既に入り位置にある場合を除きリバ−サクラッチ2の切り位置からの入り位置への切替えが牽制される。しかし、リバーサ牽制機構(5)にはカム機構(10)を有し、リバーサクラッチ(2)の切り側のカム(8)の回動はストッパー(9)の位置に拘らず自由としたから、既に入り位置にあるリバ−サクラッチ2の切り位置への切替えは自由に行いうる。
【0006】
このため、メインクラッチ1が入りのときは、切り位置のリバ−サクラッチ2を前進位置、又は後進位置に入れようとしても該リバ−サ牽制機構5によって牽制されて入れることができない。リバ−サクラッチ2が急に入りになることがないからショックをなくし、リバ−サクラッチ2に無理を生じ難い。又、誤操作でリバ−サクラッチ2が入ることがない。
【0007】
クラッチペタル4を踏込むと、メインクラッチ1が切りになり、主変速装置3を変速操作することができるが、このクラッチペタル4の踏込みによって前記リバ−サ牽制機構5によるリバ−サクラッチ2の牽制が解除されて、リバ−サクラッチ2は切り位置から前進、又は後進位置に入り操作することができる。このようにクラッチペタル4の踏込みによって、リバ−サクラッチ2の入りを可能とするものであるから、主変速装置3と同様の操作によってリバ−サクラッチ2の切替操作を行うことができ、操作性をよくすることができる。
【0008】
【実施例】
トラクタの走行伝動装置は、エンジンEボディの後側に連結するクラッチハウジング13、フロントミッションケ−ス14、及びリヤミッションケ−ス15に内装されて、前車輪16および後車輪17を駆動して走行する前車輪駆動走行形態とし、又、動力取出軸18をも伝動する構成である。19は前車輪16を操向するステアリングハンドル、20は操縦席、21はフェンダ、22はリフトア−ムである。
【0009】
該走行伝動装置のメインクラッチ1及びリバ−サクラッチ2は、動力取出クラッチ23と共に、クラッチハウジング13内に配置されて、共に湿式多板形態として構成される。エンジンEのクランク軸から駆動される軸24からメインクラッチ1を介してクラッチ軸6へ伝動しうると共に、ギヤ25,26,27,28等を介して動力取出クラッチ23を有する軸29へ伝動し、この軸29からリヤミッションケ−ス15の動力取出軸18へ伝動しうる構成としている。
【0010】
クラッチ軸6上には、クラッチシフタ−30によって切り操作されるクラッチリング31が軸方向へ摺動自在に設けられ、このクラッチリング31は、ばね32及びブレ−キシュ−33を介して、メインクラッチ1のプレッシャプレ−ト34へ押圧されることによって、クラッチ切りとなるメインクラッチ1の付回りを制動しうる。このメインクラッチ1は常時は入りの状態にあるが、クラッチシフタ−30の操作で、クラッチリング31をこのメインクラッチ1側へ押すことによってクラッチ切りとなり、更にこのクラッチリング31を押すことによってばね32を介してブレ−キシュ−33をプレッシャプレ−ト34に押圧させて、このメインクラッチ1のクラッチ軸6側の付回りにブレ−キがかかる。このときのクラッチリング31の回り止めはクラッチシフタ−30によって行われるように、クラッチシフタ−30がクラッチリング31の係合部35に噛合している。
【0011】
前記リバ−サクラッチ2は、中立位置Nから前進位置Fと後進位置Rとに切替えられて伝動しうるもので、前進位置Fの切替えでは、前記クラッチ軸6のギヤ36から、ギヤ37,38の噛合を経てこの前進位置Fのリバ−サクラッチ2からリバ−サ軸39へ伝動され、又、後進位置Rでは、該ギヤ37からギヤ40,41,42を経てこの後進位置Rのリバ−サクラッチ2からリバ−サクラッチ2からリバ−サ軸39へ逆転伝動される。
【0012】
主変速装置3はシンクロメッシュ機構を有した変速クラッチ53,54を前記リバ−サ軸39から連動される変速軸43上に沿って配置されるギヤ45〜48と、これと平行なカウンタ軸44上のギヤ49〜52との噛合のもとに、変速クラッチ53をギヤ45側に噛合することによって一速を得ることができ、ギヤ46側に噛合して二速を得、変速クラッチ54をギヤ47側に噛合して三速を得、ギヤ48側に噛合して四速を得る。
【0013】
このようにして、主変速装置3において変速伝動されるカウンタ軸44の回転は、更に後側の副変速装置55で変速されて、後車輪17へデフ装置へ伝動されると共に、前輪伝動軸56を経て前車輪16へデフ装置へ伝動される。57は前輪伝動軸56の途中に設けた変速クラッチで、中立位置から、前車輪16を後車輪17と等速に伝動する四WD伝動と、前車輪16を後車輪17の二倍の速度に伝動する倍速四WD伝動とに切替えることができる。
【0014】
前記クラッチペタル4は、操縦フロア58の左側にあって、ペタル軸59の回りに踏込回動できる。このクラッチペタル4はタ−ンバックル60によって伸縮調節自在のロッド61を介してシフタア−ム62に連結され、シフタア−ム62は前記メインクラッチ1のクラッチシフタ−30のシフタ軸63に一体としている。これによって、クラッチペタル4を踏込むことにより、シフタア−ム62を回動して、クラッチシフタ−30を回動し、メインクラッチ1を切ることができる。
【0015】
前記リバ−サクラッチ2の操作は、ステアリングポスト64上のリバ−サレバ−65との連結によって回動されるカム軸7の下端部にリバ−サシフタ−66と、カム8とが設けられ、このリバ−サシフタ−66によって、前記リバ−サクラッチ2を中立位置Nから前進位置F、又は後進位置Rに切替え連動することができる。
【0016】
前記リバ−サクラッチ2の牽制を行うリバ−サ牽制機構5は、前記クラッチシフタア−ム62とカム8との間において設けられる。クラッチシフタア−ム62の上下回動によってピン69による係合で車体に対する軸70回りに前後揺動されるア−ム71が設けられ、又、車体に対して一体のブラケット72に対して回動自在の軸73回りに上下回動のプレ−ト状ストッパ−9が設けられ、これらア−ム71と軸73に一体のア−ム68との間をタ−ンバックル67で伸縮調節自在のロッド74によって連動し、このストッパ−9はばね75で常時上方へ回動されてカム8と係合しうる位置に付勢されて、ア−ム68はシフタア−ム62の上動によってこのばね75に抗する方向に連動する。これにより、リバ−サクラッチ2の牽制は、ばね75によって上方に回動されるストッパ−9をカム8の回動位置に弾発させて、このカム8を前記リバ−サクラッチ2の中立位置Nに係止させて、このリバ−サクラッチ2を切りの状態に維持する。このとき、リバ−サレバ−65を前進位置F又は後進位置Rへ操作しようとしても操作できないように牽制される。
【0017】
このようなリバ−サ牽制機構5においては、リバ−サクラッチ2の操作と連動して回動されるカム軸7に一体のカム8と、クラッチペタル4の操作に連動されてこのカム8の作用位置に回動するストッパ−9とからなり、リバ−サクラッチ2の切り側のカム8回動はストッパ−9の位置に拘らず自由であるが、リバ−サクラッチ2の入り側のカム8回動をメインクラッチ1切りに連動されるストッパ−9の係止位置によって牽制するカム機構10を有する構成とする。
【0018】
即ち、クラッチペタル4を踏んでメインクラッチ1を切りにすると、シフタア−ム62によってア−ム71が押し上げられて、ロッド74を介してストッパ−9が下動され、カム8の回動圏から外れるため、カム8の回動は自由となり、リバ−サレバ−65によるリバ−サクラッチ2の前進位置F、又は後進位置Rへの切替えを行いうる。
【0019】
又、前記のように、カム8が既に前進位置F、又は後進位置Rにあるとき、ストッパ−9がクラッチペタル4の踏込解除によってばね75力で上方へ回動して、押し上げられるような状態にあるときは、リバ−サクラッチ2の入りを牽制は行っていないが、このリバ−サレバ−65によるリバ−サクラッチ2の中立位置Nへの作動は自由であり、カム8が中立位置に回動すると、直ちにストッパ−9と噛合して、それ以降のカム8の回動を牽制する。即ち、一旦中立位置Nになった後のリバ−サクラッチ2の切替が牽制されることとなる。
【0020】
図5において、上例と異なる点は、前記カム機構10のストッパ−9に、このストッパ−9とカム8との間の間隔を、広A、狭Bの二段に形成して、広縁11と狭縁12とを設けたもので、前進位置F、又は後進位置Rに切替えたとき、中立位置Nでストッパ−9がばね75で軸73回りに回動されて復元し易く、確実にこのストッパ−9が戻る前にカム8が飛び越えることがなく、カム8を中立位置Nに固定する。又、中立位置Nでの間隔は狭B間隔を保持できる。
【0021】
図6において、上例と異なる点は、リバ−サクラッチ2の油圧回路77に設けられる開閉用の電磁弁76と、前進位置Fと後進位置Rとのリバ−サクラッチ2に切替える切替電磁弁78とを有し、前記クラッチペタル4の踏込によってONして該電磁弁76を開くリバ−サクラッチ79と、前記リバ−サレバ−65の中立位置からの操作によって前進位置への切替操作でONして該切替電磁弁78を前進位置F側へ切替える前進スイッチ80Fと、後進位置R側へ切替える後進スイッチ80Rとを有する。Pは油圧ポンプである。
【0022】
これによって、クラッチペタル4の踏込によりメインクラッチ1を切ると、電磁弁76が開かれ、リバ−サレバ−65によって、リバ−サ牽制機構5の解除のもとに切替えられた前進位置F又は後進位置R側のリバ−サクラッチ2が入りとなる。このため、メインクラッチ1とリバ−サクラッチ2とのタイミングは、メインクラッチ1の切りの後にリバ−サクラッチ2が切りとなり、リバ−サクラッチ2が入りの後にメインクラッチ1が入りとなり、円滑な伝動の入り切りを行うことができ、シンクロメッシュ形態の主変速装置3の変速伝動も円滑に行われる。
【0023】
図7、図8において、上例と異なる点は、前記リバ−サ牽制機構5を、リバ−サレバ−65と共にステアリングポスト64部に設けたもので、このリバ−サレバ−65と一体的に回動しうるプレ−トカム8のカム孔に、前記クラッチペタル4との間をワイヤ−81連動で上下動するピンストッパ−9を嵌合させて、このリバ−サレバ−65を中立位置Nに係止して、牽制する。又、該クラッチペタル4を踏込んでメインクラッチ1を切りにすると、このクラッチペタル4に連結のワイヤ−81を介してピンストッパ−9がカム孔から外れて、リバ−サレバ−65の前進位置F、又は後進位置Rへの切替ができる。
【0024】
なお、82はワイヤ−81先端に連結のピンストッパ−9を上方へ弾発するばねである。83はこのピンストッパ−9を摺動自在に嵌合するガイドパイプである。84はスロットルレバ−である。
【図面の簡単な説明】
【図1】リバ−サ牽制機構部の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】トラクタの側面図。
【図4】伝動機構の側面図。
【図5】一部別実施例を示すカム機構部の側面図。
【図6】一部別実施例を示すリバ−サクラッチの操作回路図。
【図7】一部別実施例を示すステアリングポスト部の背面図。
【図8】その平面図。
【符号の説明】
1 メインクラッチ
2 リバ−サクラッチ
3 主変速装置
4 クラッチペタル
5 リバ−サ牽制機構
8 カム
9 ストッパー
10 カム機構
Claims (1)
- エンジン(E)の動力を共に湿式多板形態からなるメインクラッチ(1)からリバーサクラッチ(2)を経て主変速装置(3)へ伝動し車輪を駆動して走行するトラクタの走行伝動装置において、該メインクラッチ(1)のクラッチペダル(4)と連動して、このクラッチペダル(4)の踏込開放時にはこのリバーサクラッチ(2)の入りを牽制すると共に、クラッチペダル(4)の踏込時にはこのリバーサクラッチ牽制を解除するリバーサ牽制機構(5)を備え、このリバーサ牽制機構(5)は、リバーサクラッチ(2)の操作と連動するカム(8)と、クラッチペダル(4)の操作に連動されてこのカム(8)の作用位置に回動するストッパー(9)とを有し、リバーサクラッチ(2)の切り側のカム(8)の回動はストッパー(9)の位置に拘らず自由とし、リバーサクラッチ(2)の入り側のカム(8)回動をメインクラッチ(1)切りに連動されるストッパー(9)の係止位置によって牽制するカム機構(10)を構成してなるトラクタの走行伝動装置。
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JP27165694A JP3700189B2 (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | トラクタの走行伝動装置 |
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Family Applications (1)
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-
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- 1994-11-07 JP JP27165694A patent/JP3700189B2/ja not_active Expired - Fee Related
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