JP3698408B2 - カソード電極材及びそのカソード電極材を用いた電解銅箔製造用の回転陰極ドラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解銅箔の製造に用いる電解銅箔製造用のカソード電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電解銅箔と称する場合には、電解工程と表面処理工程とを経て製造されるものを指すことが多い。この電解銅箔は、主には電気、電子産業の分野で用いられるプリント配線板製造の基礎材料として用いられるものである。
【0003】
通常の電解銅箔の製造プロセスは、次に述べるような手法が採られてきた。電解銅箔(表面処理後の電解銅箔を基準にする場合には、厳密に電解銅箔の「バルク銅層」と称する場合もある。)の製造は、ドラム形状をした回転陰極(以下、「回転陰極ドラム」と称する。)と、その回転陰極ドラムの形状に沿って対向配置する鉛系陽極等との間に、硫酸銅溶液等の銅電解液を流しつつ、電解反応を利用して銅を回転陰極ドラムの表面に析出させ、この析出した銅が箔状態となり、回転陰極ドラムから連続して引き剥がして巻き取るものである。この様子を、模式的に表した図2から見て取ることが可能である。本明細書では、この段階の銅箔をもって「電解銅箔」と称することとする。この電解銅箔の段階では、防錆処理等の表面処理は何ら行われていない状況であり、電析直後の電解銅箔は活性化した状態にあり空気中の酸素と結合しやすく、非常に酸化しやすい状態にある。
【0004】
この電解銅箔の回転陰極ドラムと接触した状態から引き剥がされた面は、鏡面仕上げされた回転陰極ドラムの表面形状が転写したものとなり、光沢を持ち滑らかな面であるため、一般に光沢面と称する。これに対し、析出サイドであった方の電解銅箔の表面形状は、析出する銅の結晶成長速度が結晶面ごとに異なるため、山形の凹凸形状を示すものとなり、これを一般に粗面と称する。この粗面を銅張積層板を製造する際の絶縁材料との張り合わせ面として用いるのである。
【0005】
次に、この電解銅箔は、表面処理工程により、粗面への粗化処理と防錆処理とが施される。ここでは、表面処理工程を経た銅箔を「表面処理銅箔」と称することとする。粗面への粗化処理とは、硫酸銅等の溶液中で、いわゆるヤケメッキ条件の電流を流し、粗面の山形の凹凸形状に微細銅粒を析出付着させ、直ちに平滑メッキ条件の電流範囲で被せメッキする事で、微細銅粒の脱落を防止するものである。このようにして、銅張積層板に加工したとき、表面処理銅箔の微細銅粒が絶縁樹脂層に食い込み、いわゆるアンカー効果を示すことになるのである。従って、微細銅粒を析出付着させた粗面のことを「粗化処理面」と称することとする。
【0006】
表面処理工程では、粗化処理面の形成が終了した銅箔の表裏に、亜鉛、亜鉛合金、クロム系の金属メッキや、ベンゾトリアゾール、イミダゾール等を用いた有機剤による防錆処理が行われ、乾燥して、巻き取ることで製品としての表面処理銅箔が完成するのである。
【0007】
電解銅箔の基本的要求品質は、(1)電解銅箔そのものの物性である引っ張り強さ、伸び率、硬度、耐折性等と、(2)電解銅箔をプリント配線板に適用して用いる場合の引き剥がし強さ、エッチング性能、レジスト密着性能、半田乗り性等の事後的要求特性に大別して考えることができる。電解銅箔の場合、これらの要求特性を満足させるためには、電解銅箔の電解工程にて決まる特性と表面処理工程にて決まる特性とを分別して考えなければならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した(1)に属する特性は、主に硫酸銅溶液を電解して得られる電解銅箔であって、表面処理前の電解工程で作り込まれる物性により殆どが定まるものである。これに対し、前記した(2)に属する特性の殆どは、電解工程で作られる表面処理前の電解銅箔の析出結晶の状態、表面粗さ等の形状等と、表面処理工程での条件との組み合わせにより変動する要素であり、非常に繊細な制御が求められるものである。
【0009】
即ち、一例を挙げて説明すると、電解銅箔の粗面の凹凸の持つプロファイルが均一でなく、ばらついていると、表面処理工程で粗面に微細銅粒を付着形成し粗化面を形成する段階で、突出した凹凸部位に電流集中を起こすなどして、微細銅粒の異常成長を引き起こす箇所が生じ、極端な場合には、エッチング時に除去されず、微細銅粒部が残留するエッチング残を引き起こす原因ともなっていた。
【0010】
従って、電解銅箔製造業者の間では、電解工程において製造する電解銅箔の物性をコントロールし、電解銅箔の粗面形状を一定の形状に安定化させることが大きな課題として常に存在してきた。そのため、電解銅箔の物性は銅の析出条件としてみたときの、電極材料、溶液組成、電解電流等多岐に渡る要因が制御の対象となってきた。
【0011】
電極材料としての回転陰極ドラムには、大別して、クロムメッキを施したステンレス材、若しくはチタニウム材が用いられてきた。電極材料は、その材質を変更するだけで、通電分極時の分極曲線のターフェル勾配に影響を与え、銅電解の場合の析出効率に大きな影響を与えることになる。また、陰極電極として用いた材料によっては、銅の析出サイトの存在状況の如何によって、析出銅の結晶構造に大きな影響を与えるものとなる。
【0012】
一方では、電解銅箔の製造に当たっては、硫酸銅溶液等を用いて連続通電して長時間の電解を行うことから、カソードに分極された回転陰極ドラムの表面酸化被膜、チタニウム製ドラムの場合にはメタルハイドライトの形成等により、使用を継続するに従って、銅の析出状態が不均一になり、電解銅箔の管理水準をはずれるようになると、一旦、電解槽より回転陰極ドラムを取り出し、再研摩作業を要する事になり、この回転陰極ドラムの管理維持費用というものは、非常に多大な費用を必要としていた。
【0013】
従って、メンテナンスが容易で、且つ物性面及び形状面から見た場合に良好な電解銅箔の製造の可能な電極材料が望まれてきた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、チタニウム製回転陰極ドラムの表面状態を、通常の酸化被膜の存在する状態ではなく、他の材質に改質することにより、チタニウム製回転陰極ドラムの長寿命化を図り、同時に製造される電解銅箔が、従来に無いほど安定した物性と粗面の凹凸形状が良好な銅箔を製造できるカソード電極材に想到したのである。なお、以下で説明する電極材料は、電解銅箔で使用することを中心に話を進めるが、本件の発明者等の確認した結果として、亜鉛の電解精錬等の他の電解採取することのできる金属の電解精錬法の電極材としての使用も可能である。
【0015】
本件明細書に記載の発明を行うに当たり、本件発明者等は、次の様に考えたのである。チタニウム製回転陰極ドラムは、銅の析出するカソード面がチタニウムで出来ているものである。そして、このチタニウム材は、軽量で、耐酸性も含めた耐腐食性能の点において、ステンレス鋼を遙かにしのぐ金属材料として知られている。このチタニウム材の耐腐食性能は、チタニウムの表面に形成される酸化被膜に起因するもので、通常はルチル型、アナターゼ型の複合酸化被膜として存在している。
【0016】
この状態のチタニウム製回転ドラムを、電解銅箔の製造では陰極として用いるのである。従って、チタニウム製回転陰極ドラムは、銅電解液中でカソード分極を受け、酸化被膜の還元を受け、当初の酸化被膜は通電時間の進行と共に、薄くなっていくものと考えられる。そして、カソード分極されたチタニウム製回転陰極ドラムの表面では、僅かながらの水素の発生が起こることになる。その結果、水素の吸蔵材としても知られるチタニウム電極は、その発生水素の一部を吸収し、チタンハイドライトの形で結晶内部にトラップされることとなる。この水素吸蔵が進行してくると、チタニウム製回転陰極ドラムの表面は、本来の表面粗さを維持できないこととなる。このような現象が起こると、上述した電解銅箔の光沢面粗さが、一定の範囲内に収まらなくなるのである。
【0017】
このような現象は、通常のチタニウム材を用いる限り、不可避的な問題であり、チタニウム製回転陰極ドラムの表面を定期的にバフ研磨する等の手法を持って、これらの問題に対処してきた。ここまでに述べたことを前提として、より耐腐食性に優れ、水素の吸蔵現象を効果的に抑制できるチタニウム製回転陰極ドラムとするため、チタニウム表面にセラミック層を設けることを考えたのである。以下、本件発明について、説明する。
【0018】
本願発明は、金属を電解析出させるために用いるカソード電極材であって、カソード電極はチタニウムよりなり、金属を電解析出させる面にセラミック層を備えたことを特徴とするカソード電極材としている。
【0019】
そして、本願発明におけるセラミック層はTiN層、TiCN層、TiAlN層、TiCrN層のいずれかであるカソード電極材としている。
【0020】
本件発明では、チタニウム材の上に、セラミック層を設けることを前提として、セラミックに分類される中でもTiN層、TiCN層、TiAlN層、TiCrN層のいずれかを採用することが特に有利であるため、上記の2つの発明を請求の範囲に記載している。より簡単に言い表せば、チタニウム材料の上にセラミック層を形成し、これをカソード電極材として用いるのである。このような構成を採ることで、セラミック層が下地のチタニウム材の水素吸収のバリアとして機能し、チタンハイドライトの形成を抑制し、しかも通常にチタニウム材に比べても極めて高い耐腐食性能を得ることが可能となるのである。
【0021】
ここに具体的に掲げたTiN、TiCN、TiAlN、TiCrN及び他のセラミック層は、本来導電性に欠けるものであるが、一定の厚さであれば、電極材として用いる場合に特に支障は来さない。特に、電解銅箔製造や亜鉛電解等の通電量を考えれば、極めて大きな電流が負荷されるため、析出速度を支配するのはカソード電極近傍における、金属イオンの供給速度と考えられる。従って、電解溶液の供給量を十分なものとすれば、多少導電性に劣る電極となっても、実操業に支障は生じないものとなる。ここで、研究を通じて確認する限り、前記セラミック層が5μm以内の厚さであれば、何ら支障はないものと考えられる。
【0022】
TiN層、TiCN層、TiAlN層、TiCrN層等は、チタニウム材の表面にスパッタリング法を用いて形成することが可能である。例えば、TiN層は、チタニウム材をスパッタリング装置のチャンバー内に納め、所定の真空度レベルにした後、雰囲気中に窒素ガスをスローリークし、チタニウム材表面に電子ビーム照射することで、表層にTiNを形成するのである。TiCN層も同様に、雰囲気中に窒素ガス及び炭素源となる有機ガスを同時に導入して、表層にTiCNを形成することができる。TiAlN層は、所定の真空度レベルにした後、スパッタリング装置のチャンバー内でアルミニウムを加熱蒸発させつつ、雰囲気中に窒素ガスをスローリークし、チタニウム材表面に電子ビーム照射することで、表層にTiAlN層を形成するのである。TiCrN層も、TiAlN層と同様の方法で形成することが可能である。
【0023】
このカソード電極材を用いて陰極を構成し、析出させた金属には、一般的に次のような特徴が見られる。(1)析出表面が滑らかで平滑性に優れた電析ができる。(2)析出金属の持つ内部歪みが小さく、電極から析出金属を引き剥がしたときの、析出金属の反り、捻れ等の変形が少ない。いずれの金属を電解して、析出した金属を引き剥がして観察しても、単にチタニウム材を用いた場合に比べ、上記した(1)及び(2)の特徴を備えているようである。
【0024】
このことが、電解銅箔の製造においても、如実に反映されているのである。即ち、本件発明に係るカソード電極材を陰極として、電解銅箔の製造を行うと、得られる電解銅箔は、単にチタニウム材を陰極として用いた場合に比べ、粗面の凹凸粗さが小さくなり、この山形の凹凸形状の先端部が先鋭化し、しかも、広域の平面領域として見たときの畝りも軽減されるのである。このことを、比較するため図1(a)に本件発明に係るカソード電極材を用いて製造した電解銅箔の粗面の走査電子顕微鏡像を示しており、図1(b)には、単にチタニウム材を陰極として用いて製造した電解銅箔の粗面の走査電子顕微鏡像を示している。この2つの走査電子顕微鏡像を対比することで、上述した相違点が存在することが明らかである。
【0025】
加えて、析出時の内部歪みも軽減されていると考えられる現象として、単にチタニウム材を陰極として用いた場合に比べ、本件発明に係るカソード電極材を陰極として製造した電解銅箔のカールの程度が明らかに軽減されるのである。ここで、カールとは、電解銅箔を所定のサイズの正方形、例えば5cm角、10cm角等、を光沢面を下にして平面上静置し、正方形の4隅の平面からの浮き上がり高さの最高値を測定したものである。本件明細書中において、カールの測定値を示す場合は、5cm角の試料を用いて測定した値を掲載している。
【0026】
電解銅箔は、その製法上からくる析出時の内部歪みにより、陰極側から引き剥がした電解銅箔の光沢面側が粗面側に巻き込む性質(カール現象)を有している。このカール現象は、電解銅箔の厚さが薄いほど、測定試料のサイズが小さい程大きな値となる傾向にある。この銅箔のカール現象は、銅張積層板製造のプレス工程におけるレイアップを自動で行う場合に、電解銅箔を自動チャッキングして、プリプレグ等の上に乗せる作業を行う上で、円滑な作業の妨げとなることがあり、よりカールの少ない銅箔が要望されてきた。
【0027】
本件発明者等が確認した結果として、公称厚さ12μm、IPC規格のグレード3に分類される電解銅箔で比較したものであるが、単にチタニウム材を陰極として用いた場合のカール測定値が20mmであったのに比べ、本件発明に係るカソード電極材を陰極として製造した電解銅箔のカール測定値は2.7mmと激減しており、非常に使い勝手の良い銅箔が得られることが分かった。
【0028】
更に、電解銅箔の場合、伸び率、引張り強さが共に、単にチタニウム材を陰極として用いた場合に比べ、約2割程度向上するようである。例えば、公称厚さ12μm、IPC規格のグレード3に分類される電解銅箔を、同様の電解液を用いて製造した際の物性を比較したものであるが、単にチタニウム材を陰極として用いた場合の常態伸び率1.8%、熱後伸び率5.5%、常態引張り強さ43.4kg/mm2、熱後引張り強さ27.7kg/mm2であったのに対し、本件発明に係るカソード電極材を陰極として製造した電解銅箔の常態伸び率4.2%、熱後伸び率11.8%、常態引張り強さ52.3kg/mm2、熱後引張り強さ25.2kg/mm2であり、物性的にも非常に優れたトータルバランスの電解銅箔であることが分かる。
【0029】
このことから、本件発明者等は、この電極材料を、電解銅箔の製造に応用することを考えたのである。従って、本願発明では、電解銅箔の製造に用いる陰極に、本願発明に係るカソード電極材を用いた電解銅箔製造用の回転陰極ドラムとしているのである。
【0030】
電解ドラムの製造に用いる回転陰極ドラムは、図2から分かるように、カソード電極となるのは、回転陰極ドラムの円筒状側壁面であり、ここをチタニウム材で構成し、このチタニウム材の表面にセラミック層として、TiN層、TiCN層、TiAlN層、TiCrN層のいずれかを形成するのである。回転陰極ドラムの円形壁面は、チタニウム材ではなく、ステンレス鋼等の他の材質で構成しても構わない。銅を析出させる面として使用することは無いからである。
【0031】
このような構成の回転陰極ドラムを、電解銅箔の製造に用いることで、回転陰極ドラムの長期に渡っての安定使用が可能となり、バフ研磨等を定期的に使用する必要もなくなり、工程管理が非常に簡略化されるのである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図2を参照しつつ、説明する。本件発明に係るカソード電極材を用いた回転陰極ドラム1を製造し、電解銅箔製造装置2を構成し、電解銅箔3を製造した結果を実施形態として示すこととする。ここでは、回転陰極ドラム1のカソード電極面4にチタニウム材を用い、そのチタニウム材上に3μmのTiN層を形成した。このときの回転陰極ドラムは、直径8cm、カソード電極面4の幅5cmの小型のものを用いた。TiN層は、この回転陰極ドラム1を図示せぬスパッタリング装置内に納め、内部を1.33×10−3Pa(1×10−5torr)程度の真空度となるまで排気し、その雰囲気中に窒素ガスをスローリークしつつ、電子銃を用いてカソード電極面4表面に電子ビームを照射することで形成した。
【0033】
この回転陰極ドラム1を、電解銅箔製造装置2に取り付け、硫酸銅溶液を電解液として用いて、電解銅箔の製造を行った。電解銅箔製造装置2の電解槽5内部では、その回転陰極ドラム1の形状に沿った形状をした鉛陽極6を対向させ間隙を設けて離間配置し、硫酸銅溶液を銅電解液として用い、鉛陽極6の底面部より硫酸銅溶液供給口7より回転陰極ドラム1と鉛陽極6との間隙に流入させ、鉛陽極6の上端部よりオーバーフローして循環するものとした。このときの硫酸銅溶液は、銅濃度83g/l、硫酸濃度150g/l、膠1.0mg/l、液温48〜52℃のものを用いた。電解条件は、電流密度78.8A/dm2として、回転陰極ドラム1を回転させつつ電解し、12μm厚の電解銅箔3を得た。
【0034】
この電解銅箔のカール測定値は2.3mm、常態伸び率4.6%、熱後伸び率12.3%、常態引張り強さ52.5kg/mm2、熱後引張り強さ26.3kg/mm2であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係るカソード電極材を用いることで、電解銅箔に限らず、電解採取可能な通常の銅採取、亜鉛の電解採取、ニッケル、鉄等の電解用途に用いることができ、採取された金属成分を容易にカソード電極より引き剥がすことが可能となる。しかも、カソード電極として、極めて長期間に渡って、メンテナンスを不要とするため工程管理の持つ煩雑さを解消することが可能となり、トータル的に見た製造コストの低減化をも達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電解銅箔の粗面の走査型電子顕微鏡観察像。
【図2】 電解銅箔の製造装置を表す模式図。
【符号の説明】
1 回転陰極ドラム
2 電解銅箔製造装置
3 電解銅箔
4 カソード電極面
5 電解槽
6 鉛陽極
7 硫酸銅溶液供給口
Claims (2)
- 金属を電解析出させるために用いるカソード電極材であって、
カソード電極はチタニウムよりなり、金属を電解析出させる面に、TiN層、TiCN層、TiAlN層、TiCrN層のいずれかで、5μm以内の厚さを有するセラミック層を備えたことを特徴とするカソード電極材。 - 電解銅箔の製造に用いる陰極に請求項1に記載のカソード電極材を用いた電解銅箔製造用の回転陰極ドラム。
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