JP3698092B2 - 自動車のコクピットモジュール把持構造および把持方法 - Google Patents

自動車のコクピットモジュール把持構造および把持方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリングメンバを主体として各種部品が組み付けられるコクピットモジュールを、車体のダッシュ部に取り付ける際に、コクピットモジュールを搭載治具により把持する自動車のコクピットモジュール把持構造および把持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コクピットモジュールを車体のダッシュ部に取り付ける際に、ロボットや、助力装置などのハンドリング装置により、車幅方向に延長されるステアリングメンバの両端部を、車体内側に向けて把持するものがある(特開平11−254998号公報参照)。また、上記のようにして把持したコクピットモジュールを、必要に応じてステアリングメンバの長手方向を軸心として回転させて位置調整して車体に取り付けるものもある(特開平10−67345号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のものは、ハンドリング装置に設けた例えば把持用ピンを外側から内側へ向けて進出移動させて、ステアリングメンバの両端に設けた位置決め孔に挿入して把持するので、コクピットモジュールの一部が、車体への取付状態で、フロントドアの開口部から露出する構造であれば、この露出部をハンドリング装置の把持用ピンにて把持可能であるが、露出しない場合には、コクピットモジュールを上記したハンドリング装置で把持できず、別構造のハンドリング装置を使用する必要が生じ、この結果車種によって異なるハンドリング装置が必要となって生産コストの上昇を招くこととなる。
【0004】
そこで、この発明は、フロントドアの開口部から露出部がほとんどないコクピットモジュールであっても、これに対応するハンドリング装置を別途必要とすることなく、搭載把持作業を容易に行えるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、ステアリングメンバを主体として各種部品が組み付けられるコクピットモジュールを、車体のダッシュ部に取り付ける際に、前記コクピットモジュールを搭載治具により把持する自動車のコクピットモジュール把持構造において、前記ステアリングメンバの両端に対し着脱可能に装着され、かつ前記搭載治具によって車幅方向外側から把持される被把持部を備えた把持用ブラケットを備え、前記ステアリングメンバに装着された状態の前記把持用ブラケットは、前記コクピットモジュールが前記車体のダッシュ部に取り付けられた状態で、車体のフロントドア開口部に対して車幅方向外側に前記被把持部が露出している構成としてある。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとのいずれか一方に、車幅方向に向けて突出する係合ピンを備え、いずれか他方には、前記係合ピンが係合する係合孔を備えている構成としてある。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2の発明の構成において、係合孔は、車体前方側が上方となるよう傾斜する長孔状に形成され、搭載治具により把持用ブラケットを把持した状態で、係合ピンが前記係合孔を移動して、把持用ブラケットが車体前方側に移動したときに、互いに車体前後方向に当接する前後当接面部が、ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとにそれぞれ設けられている構成としてある。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3の発明の構成において、ステアリングメンバの両端および把持用ブラケットには、互いに車幅方向に当接する左右当接面部が設けられている構成としてある。
【0009】
請求項5の発明は、請求項2の発明の構成において、係合ピンは、軸部の先端に、この軸部より大径となる大径部を備え、係合孔は、前記軸部が移動可能に挿入される長孔部と、この長孔部の端部に形成されて前記大径部が挿入可能な大径孔とを備えている構成としてある。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5の発明の構成において、車体側ブラケットにはコクピットモジュールを保持固定する仮保持機能付き位置決めピンを、ステアリングメンバ側には前記仮保持機能付き位置決めピンが挿入される位置決め孔をそれぞれ設けるとともに、把持用ブラケットには、前記仮保持機能付き位置決めピンが挿入されるガイド孔を設け、前記仮保持機能付き位置決めピンが前記位置決め孔に挿入されて仮保持状態のときに、ステアリングメンバの両端を前記車体側ブラケットに対し車体前方に向けて締結固定することで、係合ピンが係合孔の長孔部を大径孔に向けて移動するよう、前記ガイド孔の下縁に摺接する傾斜部を、前記仮保持機能付き位置決めピンに設けた構成としてある。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6の発明の構成において、傾斜部は、仮保持機能付位置決めピンに形成した仮保持部となる細径部の車体前方側に連続して設けられている構成としてある。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7の発明の構成において、合ピンの先端が当接した状態で、係合ピンを係合孔までガイドする凹部を、前記係合孔が設けられた側に設けた構成としてある。
【0013】
請求項9の発明は、請求項8の発明の構成において、凹部は、係合孔から離れるに従って幅広に形成されている構成としてある。
【0014】
請求項10の発明は、請求項7の発明の構成において、ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとのいずれか一方に、車幅方向に向けて突出して係合ピンより長い突起を設け、いずれか他方には、前記突起に比べて充分大きなガイド孔を設け、前記係合ピンと係合孔とが整合する位置関係にある状態で、前記ガイド孔に挿入した前記突起がガイド孔の周縁に当接している構成としてある。
【0015】
請求項11の発明は、請求項10の発明の構成において、突起は、ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとのいずれか一方に一体化して設けられている構成としてある。
【0016】
請求項12の発明は、請求項2の発明の構成において、係合ピンを係合孔に挿入して把持用ブラケットをステアリングメンバ側に装着した状態での前記把持用ブラケットのステアリングメンバ側からの落下を規制する落下規制部を設け、前記ステアリングメンバ側の両端を車体側ブラケットに対し車体前方に向けて締結固定してガイド孔が傾斜部を摺接する際に、前記落下規制部による前記把持用ブラケットに対する落下規制を解除する解除部を、前記車体側ブラケットに設けた構成としてある。
【0017】
請求項13の発明は、請求項12の発明の構成において、落下規制部は、ステアリングメンバ側に設けた規制孔と、この規制孔に入り込む把持用ブラケットに設けた規制突起で構成され、解除部は、前記規制孔を通して前記規制突起を押し付けて把持用ブラケットをステアリングメンバ側から離反させる押付突起で構成されている。
【0018】
請求項14の発明は、請求項12の発明の構成において、落下規制部は、ステアリングメンバ側に設けた規制孔と、この規制孔に先端が入り込みかつ、前記規制孔に対して接近離反する方向に移動可能となるよう把持用ブラケットに設けられて、弾性手段によりステアリングメンバ側に押圧されて突出する規制部位で構成され、解除部は、前記規制孔を通して前記規制部位を前記弾性手段に抗して押し付ける押付突起で構成されている。
【0019】
請求項15の発明は、請求項1の発明の構成において、把持用ブラケットの被把持部は、車幅方向に対向して形成される把持用孔と、車幅方向に向けて突出する把持用ピンとのいずれか一方で構成され、搭載治具には、前記把持用孔に挿入される治具側把持用ピンと前記把持用ピンが挿入される治具側把持用孔とのいずれか一方を備えている構成としてある。
【0020】
請求項16の発明は、請求項1ないし15のいずれかの発明の構成において、コクピットモジュールが載置される載置台上に、ステアリングメンバを位置決め支持するメンバ支持部と、前記ステアリングメンバの端部に装着された状態の把持用ブラケットを位置決め支持するブラケット支持部とをそれぞれ設けた構成としてある。
【0021】
請求項17の発明は、請求項16の発明の構成において、ブラケット支持部は、搭載治具により把持用ブラケットの被把持部を把持する際に、その把持方向に対向して位置して前記把持用ブラケットを受ける受け部を備えている構成としてある。
【0022】
請求項18の発明は、請求項1の発明の構成において、ステアリングメンバの両端に、車体後方に対向する取付面を設け、把持用ブラケットには、この取付面に当接する当接面および、搭載治具に設けた車幅方向に突出する治具側把持用ピンが挿入される挿入孔を被把持部として備えたサイド面をそれぞれ有するブラケット本体と、前記治具側把持用ピンが挿入される挿入孔を備えかつ前記ブラケット本体に対し車体前後方向に移動可能なインナブラケットとをそれぞれ設け、前記インナブラケットは、前記治具側把持用ピンをブラケット本体およびインナブラケットの各挿入孔に挿入することで、車体後方側に移動して前記ステアリングメンバに係合する係合部を、車体前方側の端部に備えている構成としてある。
【0023】
請求項19の発明は、請求項18の発明の構成において、インナブラケットは、弾性手段によりブラケット本体に対して車体前方側に押し付けられ、この押し付け作用により前記インナブラケットがブラケット本体に対し車体前方側に移動している状態で、インナブラケットの挿入孔は、ブラケット本体の挿入孔に対し、各挿入孔の一部が整合した状態で車体前方へずれている構成としてある。
【0024】
請求項20の発明は、請求項18または19の発明の構成において、係合部は、車体後方側に向けて突出する係合爪で構成され、この係合爪が車体後方に向けて挿入されて係合する係合孔が、ステアリングメンバの取付面に設けられている構成としてある。
【0025】
請求項21の発明は、請求項20の発明の構成において、係合爪が係合孔に挿入された状態で、ステアリングメンバの取付面を車体後方に向けて押圧して把持用ブラケットの当接面に圧接させる押圧部を、インナブラケットに設けた構成としてある。
【0026】
請求項22の発明は、ステアリングメンバを主体として各種部品が組み付けられるコクピットモジュールを、車体のダッシュ部に取り付ける際に、前記コクピットモジュールを搭載治具により把持する自動車のコクピットモジュール把持構造において、前記ステアリングメンバの両端を車体前後方向への移動により車体前方の先端側で把持するアタッチメントを、前記搭載治具として搭載ハンドの車幅方向両端に設け、前記ステアリングメンバの両端と前記アタッチメントとのいずれか一方に、車幅方向に突出する係合ピンを設け、いずれか他方には、前記係合ピンが係合する係合溝を設けた構成としてある。
【0028】
請求項23の発明は、請求項22の発明の構成において、係合溝は、車体前方側が上方となるよう傾斜している長孔状に形成され、搭載治具により把持用ブラケットを把持する際に、係合ピンが係合孔を移動して、アタッチメントが車体前方側に移動したときに、互いに車体前後方向に当接する前後当接面部が、ステアリングメンバの両端と前記アタッチメントとにそれぞれ設けられている構成としてある。
【0029】
請求項24の発明は、請求項23の発明の構成において、ステアリングメンバの両端およびアタッチメントには、互いに車幅方向に当接する左右当接面部がそれぞれ設けられている構成としてある。
【0030】
請求項25の発明は、ステアリングメンバを主体として各種部品が組み付けられるコクピットモジュールを、車体のダッシュ部に取り付ける際に、前記コクピットモジュールを搭載治具により把持する自動車のコクピットモジュール把持方法において、前記ステアリングメンバの両端に対し着脱可能に装着される把持用ブラケットを、前記ステアリングメンバに装着し、前記コクピットモジュールが車体のダッシュ部に取り付けられた状態で前記車体のフロントドア開口部に対して車幅方向外側に露出する前記把持用ブラケットの被把持部を、前記搭載治具により車幅方向外側から把持する構成としてある。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ステアリングメンバに装着された状態の把持用ブラケットは、コクピットモジュールが車体のダッシュ部に取り付けられた状態で、車体のフロントドア開口部に対して車幅方向外側に、搭載治具により把持される被把持部が露出しているので、コクピットモジュールが車体への取付状態でフロントドアの開口部から露出しない場合であっても、フロントドア開口部に対して車幅方向外側に露出している把持用ブラケットの被把持部を、搭載治具が把持することで、搭載把持作業を行うことができる。
【0032】
請求項2の発明によれば、把持用ブラケットは、係合ピンと係合孔との相互の係合により、ステアリングメンバの両端に対して容易に着脱することができる。
【0033】
請求項3の発明によれば、搭載治具により把持用ブラケットを把持した状態で、把持用ブラケットとステアリングメンバの両端とは、前後当接面部により互いに車体前後方向に当接するので、搭載治具によるコクピットモジュールの把持を確実に行うことができる。
【0034】
請求項4の発明によれば、ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとは左右当接面部により互いに車幅方向に当接するので、搭載治具によるコクピットモジュールの把持をより確実に行うことができる。
【0035】
請求項5の発明によれば、把持用ブラケットをステアリングメンバの両端に対して着脱する際には、係合ピンの大径部を係合孔の大径孔を通して行うことで、容易にでき、把持用ブラケットを搭載治具にて把持する際には、係合ピンの軸部が係合孔の長孔部に入り込んで、把持動作を確実に行うことができる。
【0036】
請求項6の発明によれば、車体側ブラケットに対し仮保持状態となっているステアリングメンバの両端を、車体側ブラケットに対し車体前方に向けて締結固定することで、係合ピンが大径孔に向けて係合孔を移動するので、その後の把持用ブラケットのステアリングメンバからの取り外し作業が容易なものとなる。
【0037】
請求項7の発明によれば、仮保持状態となっているステアリングメンバの両端を車体側ブラケットに対し車体前方に向けて締結固定する際に、仮保持機能付位置決めピンに形成した仮保持部となる細径部の傾斜部に、把持用ブラケットのガイド孔の下縁がガイドされ、これに伴い把持用ブラケットが下方に移動して係合ピンを係合孔の大径孔に向けて移動させることができる。
【0038】
請求項8の発明によれば、係合ピンの先端を凹部に当接させた状態で凹部に沿ってスライド移動させることで、係合ピンの係合孔に対する位置合わせを短時間で容易に行うことができ、新たな部品追加が不要で各部の強度剛性を所望に維持しつつ、作業性の向上を図ることができる。
【0039】
請求項9の発明によれば、係合ピンを幅広となっている凹部に当接させることで、凹部への当接作業が容易となり、その後、徐々に狭くなる凹部に沿って係合ピンを移動させることで、係合ピンを係合孔に確実に係合させることができる。
【0040】
請求項10の発明によれば、ガイド孔に先端を挿入した突起をガイド孔の周縁に当接させることで、係合ピンが係合孔に整合するので、係合ピンの係合孔に対する位置合わせを短時間で容易に行うことができ、新たな部品追加を必要とすることなく作業性の向上を図ることができる。
【0041】
請求項11の発明によれば、突起を、ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとのいずれか一方に一体化させることで、部品点数および重量増を招くことなく、作業性の向上を図ることができる。
【0042】
請求項12の発明によれば、把持用ブラケットは、落下規制部によってステアリングメンバ側からの落下を防止できるとともに、ステアリングメンバ側を車体側ブラケットに締結固定する際に落下規制部が解除されて取り外しが容易にできるので、把持用ブラケットの取付信頼性および取外作業性が向上する。
【0043】
請求項13の発明によれば、落下規制部は、ステアリングメンバ側に規制孔を、把持用ブラケットに規制突起をそれぞれ設け、解除部は、車体側ブラケットに押付突起を設けるという簡単な構成で、把持用ブラケットの取付信頼性および取外作業性を向上させることができる。
【0044】
請求項14の発明によれば、ステアリングメンバ側の規制孔に入り込む把持用ブラケットの規制部位が、解除時には車体側ブラケットの押付突起に押し付けらて把持用ブラケットに対して移動する構成であるので、規制突起が押圧されて把持用ブラケットを後退させる構成に比べ、耐久性の向上を図ることができる。
【0045】
請求項15の発明によれば、搭載治具による把持用ブラケットの把持動作は、治具側把持用ピンが把持用孔に挿入されるか、または把持用ピンが治具側把持用孔に挿入されることで、容易かつ確実に行うことができる。
【0046】
請求項16の発明によれば、把持用ブラケットの被把持部が一定位置に位置決めされるので、搭載治具による把持動作を確実に行うことができる。
【0047】
請求項17の発明によれば、搭載治具により把持用ブラケットの被把持部を把持する際に、把持用ブラケットがブラケット支持部の受け部に当接して把持方向への移動が規制されるので、搭載治具による把持動作をより確実かつ容易に行うことができる。
【0048】
請求項18の発明によれば、搭載治具の治具側把持用ピンをブラケット本体およびインナブラケットの各挿入孔に挿入することで、インナブラケットの係合部が車体後方側に移動してステアリングメンバに係合するので、搭載治具による把持用ブラケットを介してのステアリングメンバの両端に対する把持動作を容易に行うことができる。
【0049】
請求項19の発明によれば、搭載治具の治具側把持用ピンを、ブラケット本体およびインナブラケットの各挿入孔に挿入された状態から引き抜くことで、インナブラケットが弾性手段によって車体前方側へ移動し、これに伴い係合部がステアリングメンバから外れるので、搭載治具による把持用ブラケットを介してのステアリングメンバの両端に対する把持解除動作を容易に行うことができる。
【0050】
請求項20の発明によれば、把持用ピンのブラケット本体およびインナブラケットの各挿入孔への挿入動作に伴うインナブラケットの車体後方への移動により、係合爪がステアリングメンバの取付面に設けた係合孔に係合するので、搭載治具による把持用ブラケットを介してのステアリングメンバの両端に対する把持動作を確実に行うことができる。
【0051】
請求項21の発明によれば、係合爪が係合孔に挿入された状態で、ステアリングメンバの取付面が車体後方に押圧されて把持用ブラケットの当接面に圧接されるので、持用ブラケットのステアリングメンバへの装着状態が安定したものとなる。
【0052】
請求項22の発明によれば、ステアリングメンバの両端を車体前後方向の移動により車体前方の先端側で把持するアタッチメントを、搭載治具として搭載ハンドの車幅方向両端に設けたため、コクピットモジュールが車体への取付状態でフロントドアの開口部から露出しない場合であっても、アタッチメントを介してコクピットモジュールを容易に把持することができる。
また、アタッチメントは、係合ピンと係合溝との相互の係合により、ステアリングメンバの両端に対して容易に着脱することができる。
【0054】
請求項23の発明によれば、アタッチメントを介してコクピットモジュールを把持した状態で、アタッチメントとステアリングメンバの両端とは、前後当接面部により互いに車体前後方向に当接するので、アタッチメントによるコクピットモジュールの把持を確実に行うことができる。
【0055】
請求項24の発明によれば、ステアリングメンバの両端とアタッチメントとは左右当接面部により互いに車幅方向に当接するので、アタッチメントによるコクピットモジュールの把持をより確実に行うことができる。
【0056】
請求項25の発明によれば、ステアリングメンバに装着された状態の把持用ブラケットは、コクピットモジュールが車体のダッシュ部に取り付けられた状態で、車体のフロントドア開口部に対して車幅方向外側に、搭載治具により把持される被把持部が露出しているので、コクピットモジュールが車体への取付状態でフロントドアの開口部から露出しない場合であっても、フロントドア開口部に対して車幅方向外側に露出している把持用ブラケットの被把持部を、搭載治具が把持することで、搭載把持作業を行うことができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0058】
図1は、この発明の実施の一形態に係わる自動車のコクピットモジュール把持構造を示す斜視図である。コクピットモジュール1は、車体のダッシュ回りのインストルメントパネル3などの各種部品を、図2に示されている車幅方向に延長されるステアリングメンバ5を中心としてひとまとめにしてモジュール化したもので、図示しない車体搬送ラインの近傍に配置されたワーク載置台6上にセットされている。ワーク載置台6上には2本の支持ポスト7が立設され、この支持ポスト7の上端でステアリングメンバ5を支持している。
【0059】
上記したコクピットモジュール1を、搭載治具9を左右両端に備えた搭載ハンド11により把持して図示しない搬送ライン上の車体の内部にフロントドアの開口部から搬入して取り付ける。搭載ハンド11は、長手方向中央部の取付部13に、ロボットや助力装置のアーム15の先端が取り付けられ、ロボットの教示動作に従って移動したり、あるいは助力装置の場合は作業者が直接操作して移動することになる。
【0060】
ステアリングメンバ5の両端は、その左側の端部を示す図2のように、サイドブラケット17が形成されている。このサイドブラケット17に、図1に示すように、把持用ブラケット19を装着した状態で、この把持用ブラケット19に対して搭載治具9により把持動作を行う。車体内に搬入されたコクピットモジュール1は、サイドブラケット17が車体側ブラケット21に、2本のボルト23により締結固定される。なお、図2において、矢印FRで示す方向が車体前方側である。
【0061】
上記したサイドラケット17,把持用ブラケット19および車体側ブラケット21は、左右両側のものが、左右対称な構造であり、したがって以後は図2に示す左側部分のみについて説明し、右側部分については説明を省略する。
【0062】
車体側ブラケット21は、L字形状に屈曲形成され、車体前後方向に対向する固定面25には、車体後方に向けて突出する仮保持機能付位置決めピン27が設けられている。
【0063】
仮保持機能付位置決めピン27は、図4に示すように、車体後方側の先端に、先細のテーパ部29を備え、ほぼ中央に形成してある細径部31に、コクピットモジュール1を仮保持する機能を備えている。細径部31とテーパ部29との間はガイド部33であり、細径部31より基部側はガイド部33よりやや大径の位置決め部35となっている。細径部31の位置決め部35側には、傾斜部37が連続して形成されている。
【0064】
車体側ブラケット21の固定面25の上下両端には、コクピットモジュール1をボルト23により締結するためのねじ孔39が形成されている。
【0065】
サイドブラケット17は、ステアリングメンバ5の軸部が連結される連結部40を有し、この連結部40の車体後方側の縁部に、車体前後方向に対向する前後当接面部としての前後対向面41と、この前後対向面41の車体内側の端部に連続して車体後方側へ向けて屈曲する左右当接面部としての左右対向面43とが、互いにL字形状を呈し一体となっている。
【0066】
前後対向面41には、前記した仮保持機能付位置決めピン27が挿入される位置決め孔45が形成されている。この位置決め孔45の内径は、仮保持機能付位置決めピン27の大径部35の外径より僅かに大きく形成され、大径部35が位置決め孔45に挿入されることで、コクピットモジュール1が車体側に位置決めされることになる。
【0067】
前後当接面41の上下両端には、車体側ブラケット21のねじ孔39に整合するボルト挿入孔47が形成されている。下部のボルト挿入孔47は上下方向に長い長孔となっている。
【0068】
左右対向面43には、把持用ブラケット19の後述する係合ピン49が係合する係合孔51が上下2箇所に形成されている。係合孔51は、車体前方側が上方となるよう傾斜する長孔状に形成され、上部側に長孔部51aを、その下端に大径孔51bをそれぞれ備えている。
【0069】
左右対向面43の下端には、把持用ブラケット19の落下防止用のエンボス53が、車幅方向外側に向けて突出して形成されるとともに、同上部には、把持用ブラケット19の上方への移動を規制する切り起こし部55が、車幅方向外側に向けて突出して形成されている。
【0070】
把持用ブラケット19は、車体前後方向に対向する前後当接面部としての前後対向面57と、この前後対向面57の車体内側の端部に連続して車体後方側へ向けて屈曲する左右当接面部としての左右対向面59とでL字形状を呈している。
【0071】
前後対向面57には、サイドブラケット17の位置決め孔45に整合するガイド孔60が形成されている。ガイド孔60は、上下方向長さが位置決め孔45の上下方向長さより長く形成され、下縁60aが水平に形成されている。前後対向面57の上下両端には、サイドブラケット17のボルト挿入孔47に整合する締結作業孔61が形成されている。この締結作業孔61は、ボルト23の締結後に把持用ブラケット19をサイドブラケット17から取り外せるよう、ボルト23の頭部の外径より大径となっており、下部のものは上下方向に長い長孔となっている。
【0072】
把持用ブラケット19の左右対向面59には、サイドブラケット17の係合孔51に挿入されて係合する係合ピン49が、車体内側に向けて突出して設けられている。係合ピン49は、軸部49aの先端に、この軸部49aより大径となる大径部49bを備えている。軸部49aの外径は、係合孔51の長孔部51aの幅寸法よりより僅かに小さく、長孔部51a内を移動可能である。大径部49bは、大径孔51bより僅かに小径でかつ長孔部51aの幅寸法より大きく形成されている。したがって、大径部49bを大径孔51bから挿入して軸部49aを長孔部51aに沿って斜めに上昇移動させることで、把持用ブラケット19は、サイドブラケット17に対し、車幅方向外側への抜けが大径部49bによって規制されることになる。
【0073】
上記した左右対向面59の車体後方側端部の上下両端には、搭載治具9の後述する先端が先細のテーパ部を備えた治具側把持用ピン63が挿入される被把持部としての把持用孔65が形成されている。下部の把持用孔65は上下方向に長い長孔となっている。
【0074】
図1に示されてる搭載ハンド11は、左右に延長されるハンド本体67の両端に車体前方側へ突出するアーム部69を備え、このアーム部69の先端に搭載治具9が設けられている。
【0075】
図1中で左側の搭載治具9は、アーム部69の先端に固定されたアクチュエータ71により、前述した治具側把持用ピン63が、反対側の搭載治具9に対して接近離反する方向に進退移動可能である。図1中で右側の搭載治具9については、図1に示されている右側の把持用ブラケット19の把持用孔65に挿入される把持用ピン73が、アーム部69の先端の取付部75に固定されている。
【0076】
次に作用を説明する。まず、把持用ブラケット19のサイドブラケット17への装着について説明する。把持用ブラケット19の係合ピン49を、サイドブラケット17の係合孔51に大径孔51bを介して挿入し、その後、軸部49aを長孔部51aに沿って移動させつつ、把持用ブラケット19を斜め上方に移動させる。このとき把持用ブラケット19は、エンボス53を乗り越えその上部に位置させることで、サイドブラケット17に仮組み付けされて自重での落下は回避される。
【0077】
次に、搭載ハンド11を、左右の搭載治具9が、図1のようにサイドブラケット17に仮組み付けされている把持用ブラケット19に対し、車幅方向外側となるよう移動させ、この状態で搭載ハンド11全体を、車幅方向左側へ水平移動させて右側の治具側把持用ピン73を同右側の把持用ブラケット19の把持用孔65に挿入する。挿入後、左側の搭載治具9のアクチュエータ71を駆動して治具側把持用ピン63を左側の把持用ブラケット19の把持用孔65に挿入する。
【0078】
左右の治具側把持用ピン63,73を把持用ブラケット19の把持用孔65にそれぞれ挿入したら、搭載ハンド11を上昇させてコクピットモジュール1を持ち上げる。このとき、図3に示すように、把持用ブラケット19は上方向Aへ、コクピットモジュール1(サイドブラケット17)は下方向Bへ、それぞれ力が働き、係合孔51では係合ピン49が車体斜め前上方に移動しようとするので、サイドブラケット17と把持用ブラケット19とは、前後対向面41,57が矢印C,Dで示すように互いに押し合って強力に嵌合する。サイドブラケット17と把持用ブラケット19とは、上記したように前後対向面41,57相互が押し合って嵌合するほか、左右対向面43,59相互についても当接するので、車体前後方向および同左右方向(車幅方向)の2面にて強固に嵌合することになる。
【0079】
この状態で、搭載ハンド11を移動させてコクピットモジュール1を車体内にフロントドア開口部から搬入後、車体前方側へ移動させてサイドブラケット17の位置決め孔45に車体側ブラケット21の仮保持機能付位置決めピン27を入り込ませ、コクピットモジュール1を車体側に仮保持させる。図4(a)がこの仮保持状態での仮保持機能付位置決めピン27の位置決め孔45への挿入状態を示しており、仮保持機能付位置決めピン27の細径部31によってサイドブラケット17の位置決め孔45を支持している。このときサイドブラケット17の位置決め孔45の下縁45aは、図4(a)に示すように、把持用ブラケット19のガイド孔60の下縁60aより下方位置となるよう設定されている。また、このときの係合ピン49と係合孔51との関係を、図5(a)に示す。
【0080】
上記したコクピットモジュール1の車体への搭載状態では、車体側方からの概略図である図6に示すように、コクピットモジュール1は、車体のフロントドア開口部77にほとんど露出しておらず、把持用ブラケット19に対する搭載治具9による把持部79周辺、すなわち治具側把持用ピン63,73による把持用孔65への挿入部分周辺が、フロントドア開口部77に露出している。
【0081】
このため、上記したようなフロントドア開口部77にほとんど露出部のないコクピットモジュール1であっても、左右の搭載治具9の治具側把持用ピン63,73により、車幅方向外側から挟むようにして把持した状態でのダッシュ部への搭載が可能であり、フロントドア開口部77に露出部のあるコクピットモジュールに対する搭載治具と共用して使用でき、フロントドア開口部77に露出部のない、あるいはほとんどないコクピットモジュール専用の搭載治具を別途用意する必要がなく、生産コストの上昇を抑えることができる。
【0082】
コクピットモジュール1が車体側に仮保持されたら、搭載治具9のアクチュエータ71により治具側把持用ピン63を後退させ、さらに、搭載ハンド11全体を、図6中で紙面裏側へ移動させて、左右の治具側把持用ピン63,73を把持用孔65から抜き取る。その後、搭載ハンド11全体を、搭載治具9が把持用ブラケット19に干渉しない位置まで車体後方側へ移動させた後、車外へ移動させる。
【0083】
この状態で、2本のボルト23を、把持用ブラケット19の締結作業孔61からサイドブラケット17のボルト挿入孔47に挿入し、車体側ブラケット21のねじ孔39に締結する。この締結作業は、図4(a)および図5(a)の状態で行われるが、締結するに従ってサイドブラケット17の位置決め孔45の上縁が、仮保持機能付位置決めピン27の傾斜部37の上部を乗り上げながら、把持用ブラケット19もサイドブラケット17と一体となって移動する。
【0084】
位置決め孔45の上縁が、仮保持機能付位置決めピン27の傾斜部37の上部を乗り上げる過程で、位置決め孔45の下縁45aより上方に位置している把持用ブラケット19のガイド孔60の下縁60aが、傾斜部37の下部にガイドされて下方に押し下げられ、最終的には図4(b)で示すように、位置決め孔45およびガイド孔60が、いずれも仮保持機能付位置決めピン27の大径部35に整合した位置となる。このときの係合ピン49と係合孔51との関係を、図5(b)に示す。
【0085】
ガイド孔60の下縁60aが、傾斜部37の下部によって下方に押し下げられると、把持用ブラケット19は、係合ピン49が係合孔51を斜め後方に移動するので、車体後方へ移動し、サイドブラケット17との嵌合が解除される。この状態で、把持用ブラケット19は、係合ピン49が図5(b)に示す位置から大径部51bに整合する位置まで移動させた後、車幅方向外側へ移動させることで、サイドブラケット17から簡単に取り外すことができる。
【0086】
取り外した把持用ブラケット19は回収し、次のコクピットモジュールの搭載作業に使用する。
【0087】
なお、上記実施の形態では、搭載ハンド11の左右の治具側把持用ピン63,73のうち、左側の治具側把持用ピン63のみをアクチュエータ71の駆動により進退移動させるようにしているが、アクチュエータ駆動は、右側の治具側把持用ピン73のみとしてもよく、また左右両方の治具側把持用ピン63,73としてもよい。
【0088】
また、搭載治具9側に治具側把持用孔を設けるとともに、この治具側把持用孔に挿入される把持用ピンを把持用ブラケット19側に設けるようにしてもよい。
【0089】
さらに、把持用ブラケット19に設けてある係合ピン49をサイドブラケット17側に、サイドブラケット17に設けてある係合孔51を把持用ブラケット19側にそれぞれ設けるようにしてもよい。ただし、この場合には、係合孔51の大径部51bは車体前方側の端部に形成する必要がある。
【0090】
図7は、図1に示したインストルメントパネル3を省略してあるコクピットモジュール1のステアリングメンバ5を、ワーク載置台6上のメンバ支持部としてのメンバ支持ポスト81で位置決め支持するとともに、サイドブラケット17に装着した状態の把持用ブラケット19を、ワーク載置台6上のブラケット支持部としてのブラケット支持ポスト83で位置決め支持するものである。
【0091】
メンバ支持ポスト81は、上端の二股部85にてステアリングメンバ5を支持する。一方、ブラケット支持ポスト83は、図7の拡大されたE矢視図である図8に示すように、上端に車幅方向内側へ突出する水平部83aと、水平部83aの先端から上方へ突出する受け部としての直立部83bとを備えている。
【0092】
把持用ブラケット19は、下端が水平部83aに載置されて位置決めされるので、ステアリングメンバ5の長手方向の軸心を中心としたコクピットモジュール1の回転が規制され、搭載治具9の治具側把持用ピン63,73の把持用孔65への挿入作業が容易かつ確実となり作業性が向上する。また、この挿入作業時には、受け部83bが把持用ブラケット19を受けて車幅方向内側への把持用ブラケット19の逃げが抑制されるので、作業性がさらに向上する。
【0093】
図9は、図2に示してあるステアリングメンバ5の両端に形成されているサイドブラケット17の変形例である。このサイドブラケット17は、図2に示されている把持用ブラケット19における係合ピン49の先端を係合孔51までガイドする凹部としてのエンボス部201を、ステアリングメンバ5の取付面と反対側の面に備えている。その他の構成は図2のものと同様であり、図2と同一構成部分には同一符号を付してある。
【0094】
エンボス部201は、係合孔51よりも下方位置の車体後方側の端部201aから係合孔51の大径孔51bに達する位置まで形成され、車体後方側の端部201aにおける上下方向の幅が最も広く、大径孔51bに近づくに従って同幅が徐々に狭くなり、大径孔51bに近接する位置では、大径孔51bの直径とほぼ同等となっている。また、エンボス部201は、端部201aから大径孔51bに沿ってステアリングメンバ5側が凸となるよう湾曲形成されている。
【0095】
このようなエンボス部201を備えたサイドブラケット17に対し、把持用ブラケット19を装着する際には、図2に示してある把持用ブラケット19の係合ピン49を、エンボス部201の車体後方側の端部201a付近にラフに接近させる。その後、係合ピン49の大径部49bを、図10のようにエンボス部201に押し付けた状態でエンボス部201の形状に沿って、係合孔51に向けてスライド移動させる。そして、係合ピン49が係合孔51に達した時点で、係合ピン49は係合孔51の大径孔51bに入り込み、その後は図2のものと同様にして、把持用ブラケット19を斜め上方に移動させることでサイドブラケット17に装着される。
【0096】
このように、把持用ブラケット19をサイドブラケット17に装着する作業において、把持用ブラケット19をサイドブラケット17にラフに接近させるだけで、その後はエンボス部201の形状によってガイドされるため、上下2本の係合ピン49を、対応する係合孔51に短時間で容易に係合させることができ、かつ作業に習熟するための時間も短縮され、新たな部品追加もなく、サイドブラケット17の強度剛性を所望に維持しつつ作業性の向上を図ることができる。
【0097】
図11は、サイドブラケット17のさらに他の変形例であり、これに対応した把持用ブラケット19も示してある。ここでのサイドブラケット17は、上下二つの係合孔51相互間に、菱形状のガイド孔203が形成されている。ガイド孔203は、その周縁となる下縁203aがほぼ水平となっている。
【0098】
一方、把持用ブラケット19は、上下二つの係合ピン49相互間に、前記したガイド孔203に挿入される突起としての切り起こし爪205が形成されている。この切り起こし爪205は、上方から下方に向けてほぼ水平となるよう折り曲げられて先端が円弧状に形成され、かつ突出方向長さが係合ピン51より長く形成されている。
【0099】
上記したガイド孔203は切り起こし爪205より充分大きく形成されており、切り起こし爪205がガイド孔203に挿入されて下縁203aに載置され当接した状態で、係合ピン49が係合孔51の大径孔51bに整合した状態となる。ただし、ガイド孔203の下縁203aの長さ寸法(幅寸法)Hは、切り起こし爪205の幅寸法hとほぼ同程度としてある。
【0100】
このようなガイド孔203を備えたサイドブラケット17に対し、把持用ブラケット19を装着する際には、把持用ブラケット19の係合ピン49をサイドブラケット17の係合孔51にラフに接近させていき、把持用ブラケット19の切り起こし爪205の先端をサイドブラケット17のガイド孔203に挿入する。このとき、係合ピン49は、図12(a)に示すように、ガイド孔203まで達しないようにしておく。
【0101】
次に、、切り起こし爪205を、図12(a)および図13(a)のように、ガイド孔203の下縁203aに載置し当接させると、係合ピン49は係合孔51の大径孔51bに整合した状態となる。この状態で、把持用ブラケット17を図12(a)中で右方向に押し込むと、図12(b)に示すように、係合ピン49が係合孔51に入り込み、その後は図2のものと同様にして、把持用ブラケット19を斜め上方に移動させることでサイドブラケット17に装着される。把持用ブラケット19の斜め上方への移動時には、図13(b)のように、係合ピン49が係合孔51の長孔部51a内を移動すると同時に、切り起こし爪205もガイド孔203内を移動する。
【0102】
このように、把持用ブラケット19をサイドブラケット17に装着する作業において、把持用ブラケット19をサイドブラケット17にラフに接近させて切り起こし爪205をガイド孔203に挿入してその下縁203aに当接させるだけで、係合ピン49が係合孔51に整合した位置となるので、上下2本の係合ピン49を対応する係合孔51に短時間で容易に係合させることができかつ、作業に習熟するための時間も短縮され、作業性の向上を図ることができる。
【0103】
また、切り起こし爪205をガイド孔203に挿入する際には、切り起こし孔207を通してサイドブラケット17を見ることができるので、切り起こし爪205のガイド孔203への挿入作業が容易になる。
【0104】
把持用ブラケット19をサイドブラケット17から取り外す際にも、切り起こし爪205をガイド孔203の下縁203aに当接させた状態で、係合ピン49を係合孔51から引き抜くことで、係合ピン49の大径部49bが係合孔51に引っ掛かることなく容易に取り外し作業を行うことができる。
【0105】
上記したような作業性向上を達成するにあたっては、サイドブラケット17にガイド孔203を設けるとともに、把持用ブラケット19には一体化した切り起こし爪205を形成するだけなので、部品点数および重量増を招くことはない。
【0106】
なお、切り起こし爪205をサイドブラケット17におけるステアリングメンバ5の取付面と反対側に突出させるよう設けるとともに、ガイド孔203を把持用ブラケット19に設けるようにしてもよい。ただし、この場合には、ガイド孔203に挿入した切り起こし爪205は、ガイド孔203の上部の周縁に当接させた状態で、係合ピン49と係合孔51の大径孔51bとが整合した位置関係となる。
【0107】
図14は、サイドブラケット17に装着した状態の把持用ブラケット19のサイドブラケット17からの落下を防止するエンボス53(図2,図3参照)に代えて、落下を規制する落下規制部および、落下規制部による把持用ブラケット19に対する落下規制を解除する解除部を設けた例を示している。
【0108】
まず、落下規制部について説明する。サイドブラケット17の前後対向面41における位置決め孔45と下部のボルト挿入孔47との間には、矩形状の規制孔209が形成され、この規制孔209に対応する把持用ブラケット19の前後対向面57におけるガイド孔60と締結作業孔61との間には、規制孔209に入り込む規制突起211が形成されている。
【0109】
この規制突起211は、上端を支点として下部側をサイドブラケット17側に切り起こして形成したものである。上記した規制孔209と規制突起211とで落下規制部を構成している。
【0110】
一方、車体側ブラケット21における固定面25の前記規制孔209に対応する位置には、解除部としての押付突起213がサイドブラケット17に向けて突出して形成されている。押付突起213は、例えばエンボス加工によって形成され、その突出量はサイドブラケット17における前後対向面41の板厚より大きくしてある。
【0111】
このような落下規制部および解除部を設けた場合に、把持用ブラケット19をサイドブラケット17に装着する際には、把持用ブラケット19の係合ピン49をサイドブラケット17の係合孔51に挿入して前記図3に示したように係合孔51内を移動させることで、図15(a)に示すように、規制突起211が規制孔209に入り込み、規制突起211の下端が規制孔209の下縁に乗り上げた状態となる。このとき、把持用ブラケット19の前後対向面57とサイドブラケット17の前後対向面41との間には、図3に示す状態と同様に隙間が形成されている。
【0112】
規制突起211の下端が規制孔209の下縁に乗り上げることにより、把持用ブラケット19はサイドブラケット17からの落下を、前記図2および図3に設けてあるエンボス53を落下防止として設けた場合に比べ、確実に規制防止することができる。このため、搭載ハンド11の治具側把持用ピン63,73を把持用ブラケット19の把持用孔65から引き抜く際にも、把持用ブラケット19のサイドブラケット17からの落下が確実に防止され、作業性が向上する。
【0113】
把持用ブラケット19がサイドブラケット17に装着された後は、搭載ハンド11により把持用ブラケット19を把持しつつコクピットモジュール1を車室内に移動させ、前記図4(a)と同様にして、図15(b)に示すように、サイドブラケット17の位置決め孔45に車体側ブラケット21の仮保持機能付位置決めピン27を挿入し、その細経部31にてコクピットモジュール1を仮保持させる。仮保持後は、搭載ハンド11を車外へ移動させる。
【0114】
上記した図15(b)の仮保持状態では、図15(a)の状態に対して把持用ブラケット19が車体前上方に移動するので、前後対向面57がサイドブラケット17の前後対向面41に接触し、規制突起211の下端と規制孔209の下縁との間には間隔Tが形成される。
【0115】
次に、前記図2のものと同様に、2本のボルト23を、締結作業孔61およびボルト挿入孔47を通して車体側ブラケット21のねじ孔39に締結する。このとき、サイドブラケット17の位置決め孔45の上縁が、仮保持機能付位置決めピン27の傾斜部37の上部を乗り上げながら、把持用ブラケット19もサイドブラケット17と一体となって移動するが、この動きに伴って、図15(c)に示すように、車体側ブラケット21の押付突起213の先端が規制突起211の下端付近を押し付け、規制突起211の規制孔209に対する係合を解除する。これにより、把持用ブラケット19のサイドブラケット17からの取り外しが容易に行え、把持用ブラケット19の取付信頼性および取外作業性が向上する。
【0116】
なお、図15(b)の仮保持状態において、規制突起211の下端と規制孔209の下縁との間隔Tと、把持用ブラケット19におけるガイド孔60の下縁60aのサイドブラケット17の位置決め孔45の下縁45aに対する上方への出代Sとの関係を、T>Sに設定してある。これにより、規制突起211の下端がサイドブラケット17における規制孔209の下縁に干渉することなく、把持用ブラケット19におけるガイド孔60の下縁60aが傾斜部37にガイドされてサイドブラケット17から外れるという、把持用ブラケット19本来の取外機能を損なうことはない。
【0117】
また、上記した把持用ブラケット19の落下規制および、落下規制の解除にあたっては、サイドブラケット17に規制孔209を、把持用ブラケット19に規制突起211をそれぞれ設けるとともに、車体側ブラケット21に押付突起213を設けるという簡単な構成で達成でき、新たな部品追加を行うことなく、把持用ブラケット19の取付信頼性および取外作業性を向上させることができる。
【0118】
図16は、上記した図14における把持用ブラケット19の規制突起211に代えて規制部位としての規制ピン215を用いたものである。規制ピン215は、図16のF矢視断面図である図17に示すように、把持用ブラケット19における前後対向面57に形成した貫通孔217と、左右対向面59から切り起こした切り起こし片219に形成した貫通孔219aとに、両端がそれぞれ挿入されて、把持用ブラケット19に移動可能に支持されている。
【0119】
規制ピン215の貫通孔217側の端部付近における前後対向面57より切り起こし片219側には、フランジ215aが形成され、フランジ215aと切り起こし片219との間には、規制ピン215を図17中で左側の前後対向面57に向けて押圧する弾性手段としてのスプリング221が介装されている。
【0120】
上記図16の場合には、把持用ブラケット19をサイドブラケット17に装着する際に、把持用ブラケット19の係合ピン49をサイドブラケット17の係合孔51に挿入して前記図3に示したように係合孔51内を移動させることで、図15(a)で示した規制突起211と同様にして、規制ピン215のフランジよ215aより先端側の突出部が規制孔209に入り込み、規制ピン215の下端が規制孔209の下縁に乗り上げた状態となる。
【0121】
これにより、図14の規制突起211と同様にして把持用ブラケット19のサイドブラケット17からの落下を確実に規制防止することができる。
【0122】
把持用ブラケット19をサイドブラケット17から取り外す際には、前記図15(c)の動作と同様して、車体側ブラケット21の押付突起213の先端が、規制ピン215の先端をスプリング221の弾性力に抗して押し付け、規制ピン215の規制孔209に対する係合を解除する。この場合、押付突起213は、規制ピン215を押し付けられるように、貫通孔217に入り込む形状とする必要がある。
【0123】
これにより、把持用ブラケット19のサイドブラケット17からの取り外しが容易に行え、把持用ブラケット19の取付信頼性および取外作業性が向上する。また、この例では、解除時に規制ピン215が把持用ブラケット19に対して移動する構成であるので、繰り返し使用による摩耗や規制突起211の切り起こし角度の変化を招く恐れがある図14のものに比べ耐久性に優れている。
【0124】
図18は、この発明の他の実施形態を示している。この実施形態は、前記した実施形態における把持用ブラケット19を用いずに、搭載ハンド11におけるハンド本体67の左右両端に、把持用ブラケット19に代わるアタッチメント87を固定装着している。
【0125】
アタッチメント87は、前後当接面部としての前後対向面89に、図2に示した把持用ブラケット19と同様なガイド孔60と、締結作業孔61および締結作業切欠部61aとがそれぞれ形成され、車幅方向に対向する左右当接面部としての左右対向面91には、把持用ブラケット19と同様な係合ピン49が車幅方向内側に突出して設けられている。
【0126】
一方、ステアリングメンバ5の端部に形成されるサイドブラケット93は、前後対向面41に、図2に示したサイドブラケット17と同様な位置決め孔45およびボルト挿入孔47が形成されている。このサイドブラケット93の左右対向面43に前記図2のサイドブラケット17の係合孔51に代わる係合溝95が形成されている。この係合溝95は、車体前方側が上方となるよう傾斜している長孔状に形成され、開口側の上側縁部に切欠95aが形成されて広くなっている。また、左右対向面43の上部には、アタッチメント87の上方への移動を規制する切り起こし部55が、車幅方向外側に向けて突出して形成されている。
【0127】
上記図18の構成では、アタッチメント87の係合ピン49を、サイドブラケット93の係合溝95に車体後方から前方へ向けて移動させて係合させ、これにより搭載ハンド11によりコクピットモジュール1を把持することになる。この状態で、搭載ハンド11を移動させてコクピットモジュール1を、前記図1のものと同様にしてフロントドア開口部から車体内に搬入し、図4(a)と同様にして車体側ブラケット21の仮保持機能付位置決めピン27に仮保持させる。
【0128】
その後のサイドブラケット93の車体側ブラケット21に対するボルト23の締結作業時には、図4にて把持用ブラケット19に代わる動きをアタッチメント87が行うだけで、図4と同様である。そして、図4(b)と同様な状態となった時点で、アタッチメント87のサイドブラケット93への嵌合作用が解除され、さらにアタッチメント87を係合溝95に沿って車体後方の下部に向けて移動させるよう搭載ハンド11を移動させることで、アタッチメント87をサイドブラケット93から取り外す。
【0129】
この状態から搭載ハンド11は、車体外部へ移動させ、次のコクピットモジュールの搭載作業に備える。
【0130】
この例においても、コクピットモジュール1が、車体への取付状態で図6に示してある車体のフロントドア開口部77にほとんど露出していなくても、アタッチメント87を車体前後方向に移動させることでその先端によりコクピットモジュール1を容易に把持することができる。
【0131】
また、この例では、アタッチメント87が搭載ハンド11に固定されており、図1におけるような別物となる把持用ブラケット19の着脱作業が不要となって作業性が向上するとともに、搭載ハンド11側の治具側把持用ピン63のスライド機構も不要となるので、コスト削減も達成される。
【0132】
なお、上記実施の形態では、アタッチメント87に設けてある係合ピン49をサイドブラケット93側に、サイドブラケット93に設けてある係合溝95をアタッチメント87側にそれぞれ設けてもよい。
【0133】
図19は、この発明のさらに他の実施形態を示している。なお、この実施形態においては、図1と同一構成要素には同一符号を付してある。この実施形態は、図20で示す分解斜視図のように、ステアリングメンバ5の両端に設定してあるサイドブラケット97および、このサイドブラケット97に着脱可能に装着される把持用ブラケット99を、図1の実施形態と異なるものとしてある。搭載ハンド11は、図1の実施形態と同様である。
【0134】
図21は、左側のサイドブラケット97および把持用ブラケット99周辺を、車体内側から見た斜視図として示している。右側のサイドブラケット97および把持用ブラケット99は、左側のものと左右対称であるので、この左側のみについて説明する。
【0135】
把持用ブラケット99は、ブラケット本体101と、このブラケット本体101に対し車幅方向内側に位置して車体前後方向に移動可能なインナブラケット103とを備えている。ここで矢印FRで示す方向が車体前方側である。ブラケット本体101は、サイドブラケット97に当接する車体前後方向に対向する当接面105と、当接面105の車幅方向外側の縁部に連続して車体後方側へ延長されるサイド面107とでL字形状を呈している。
【0136】
サイド面107の車体後方側の上下には、治具側把持用ピン63が挿入される挿入孔となる被把持部としての把持用孔109が形成され、サイド面107の上縁および下縁の各近傍には、インナブラケット103の車体前後方向の移動をガイドするガイド爪111および113がそれぞれ形成されている。
【0137】
当接面105には、図示しない車体側ブラケットに設けた位置決めピンが挿入される位置決め孔115、ステアリングメンバ5を車体側ブラケットに固定するためのボルトを挿入して締結作業を行うための締結作業孔117、インナブラケット103が挿入される貫通孔119および係止孔121が、それぞれ形成されている。締結作業孔117は、ボルトの頭部より大径となっている。
【0138】
一方、インナブラケット103は、ブラケット本体101のガイド爪111,113にガイドされる上片123,下片125を備え、これら上片123と下片125とが、2箇所の連結片127,129により連結されている。車体後方側の連結片129と、連結片129より車体前方側のブラケット本体101とは、弾性手段としてのコイルスプリング130によって連結され、これによりインナブラケット103はブラケット本体101に対して車体前方側へ押し付けられた状態となる。
【0139】
上片123,下片125の車体後方側の端部には、治具側把持用ピン63が挿入される挿入孔としてのガイド孔124,126がそれぞれ形成されている。各ガイド孔124,126は、上記したコイルスプリング130によりインナブラケット103がブラケット本体101に対して車体前方側へ押し付けられて移動した状態では、ブラケット本体101の把持用孔109に対し、一部が整合した状態で全体としては車体前方側にずれた位置にある。このガイド孔124,126は、ブラケット本体101の把持用孔109と内径は同じであり、かつ治具側把持用ピン63の外径より僅かに大きい程度である。
【0140】
上片123,下片125の各車体前方側の端部には、車幅方向内側に向けて屈曲する第1の屈曲部131,133と、第1の屈曲部131,133から車体前方へ向けて屈曲する第2の屈曲部135,137と、第2の屈曲部135,137からさらに車幅方向内側に向けて屈曲する押圧部としての第3の屈曲部139,141とをそれぞれ備え、この第3の屈曲部139,141の下部側部分に、サイドブラケット97に係合する係合部としての係合爪143,145が車体後方へ向けて屈曲して形成されている。
【0141】
第2の屈曲部135,137がブラケット本体101の当接面105に形成してある貫通孔119に移動可能に挿入され、係合爪143,145は、当接面105の係合孔121に、サイドブラケット97側の後述する係合孔147を通して挿入される。
【0142】
サイドブラケット97は、ステアリングメンバ5の軸部が連結される連結部149を有し、この連結部149の車体後方側の縁部に、車体前後方向に対向する取付面151が一体となって形成されている。
【0143】
取付面151には、図示しない車体側ブラケットに設けた位置決めピンが挿入される位置決め孔153、ステアリングメンバ5を車体側ブラケットに固定するための上下2個のボルト挿入孔155、インナブラケット103の上部の第2の屈曲部135が上部から挿入される切欠157、インナブラケット103の下部の第3の屈曲部141が車体後方側から前方に向けて挿入される挿入貫通孔159、インナブラケット103の係合爪143,145がそれぞれ係合する前述した二つの係合孔147がそれぞれ形成されている。
【0144】
挿入貫通孔159に第3の屈曲部141が挿入される状態では、上部の第2の屈曲部135は取付面151の上方に位置し、この状態から第2の屈曲部135を切欠157に入り込ませるべく把持用ブラケット99を下方に移動させる。このため、挿入貫通孔159には、下部の第2の屈曲部137が入り込む切欠159aが形成されている。
【0145】
取付面151の車幅方向外側の縁部には、車体後方側に突出するフランジ161が形成され、このフランジ161に対し、把持用ブラケット99がサイドブラケット97に装着された状態での要部の平面図である図22に示すように、ブラケット本体101のサイド面107に形成した倒れ防止爪163が係止する構成となっている。
【0146】
次に作用を説明する。まず、把持用ブラケット99をステアリングメンバ5の両端のサイドブラケット97に取り付ける作業を行う。これは、ブラケット本体101の当接面105がサイドブラケット97の取付面151より車体後方側に位置する状態で、把持用ブラケット99の車体前方への移動および下方への移動により、インナブラケット103の第2の屈曲部135を取付面151の切欠157に入り込ませるとともに、インナブラケット103の第3の屈曲部141を取付面151の挿入貫通孔159に挿入後、第2の屈曲部137を切欠159aに入り込ませる。
【0147】
この状態の平面断面図が図23(a)である。このとき、図23では省略してあるが、前記した図22に示すように、ブラケット本体101のサイド面107に形成してある倒れ防止爪163が、サイドブラケット97のフランジ161に係止した状態となる。
【0148】
図23(a)の状態では、インナブラケット103の係合爪143,145は、サイドブラケット97の係合孔147には係合しておらず、インナブラケット103のガイド孔124,126は、ブラケット本体101の把持用孔109に対し、寸法mだけ車体前方側に位置している。
【0149】
次に、図19に示してある搭載ハンド11を、左右の治具側把持用ピン63,73が、左右の把持用ブラケット99の車幅方向外側位置となるよう移動させる。この状態で搭載ハンド11の右側の治具側把持用ピン73を、搭載ハンド11全体を移動させて把持用ブラケット99に係合させた後、同左側の治具側把持用ピン63をアクチュエータ71の駆動により前進させて把持用ブラケット99に係合させる。
【0150】
右側の治具側把持用ピン73が把持用ブラケット99に係合するときの動作は、左側治具側把持用ピン63が把持用ブラケット99に係合するときの動作と同様であるので、図21ないし図23に基づき左側の治具側把持用ピン63についてのみ説明する。
【0151】
図23(a)の状態で治具側把持用ピン63を車幅方向内側へ向けて移動させて、ブラケット本体101の把持用孔109およびインナブラケット103のガイド孔124,126に順次挿入する。このとき、インナブラケット103は、ガイド孔124,126が、ブラケット本体101の把持用孔109に対して車体前方側へずれているので、治具側把持用ピン63がガイド孔124,126に挿入される際に、ブラケット本体101に対して車体後方側へ移動する。
【0152】
このとき図23(b)に示すように、インナブラケット103の係合爪143,145が、サイドブラケット97の係合孔147およびブラケット本体101の係合孔121に順次入り込む。
【0153】
上記した動作により、インナブラケット103の第3の屈曲部139,141がサイドブラケット97の取付面151に当接して密着し、これにより、把持用ブラケット99がステアリングメンバ5のサイドブラケット97に確実に保持され、搭載ハンド11が、把持用ブラケット99を介してコクピットモジュール1を把持した状態となる。
【0154】
治具側把持用ピン63を把持用孔109に挿入する際には、図22に示すように、ブラケット本体101の倒れ防止爪163がサイドブラケット97のフランジ161に係止しているので、治具側把持用ピン63の挿入方向側へのブラケット本体101の倒れが回避され、治具側把持用ピン63の把持用孔109への挿入作業が確実に行える。
【0155】
このようにして、左右の治具側把持用ピン63,73が把持用ブラケット99にそれぞれ係合し、搭載ハンド11がコクピットモジュール1を把持した状態になると、搭載ハンド11を移動させてコクピットモジュール1を、図24に示すように、フロントドア開口部77から車体内に搬入する。
【0156】
搬入後、コクピットモジュール1を車体前方側へ移動させて、サイドブラケット97の位置決め孔153および把持用ブラケット99の位置決め孔115に、図示しない車体側ブラケットの位置決めピンを挿入してコクピットモジュール1を車体側に仮保持させる。
【0157】
このとき、コクピットモジュール1は、図24に示すように、車体のフロントドア開口部77にほとんど露出せず、把持用ブラケット99に対する搭載ハンド11による把持部165周辺、すなわち治具側把持用ピン63,73による把持用孔109への挿入部分周辺が、フロントドア開口部77に露出している。
【0158】
このため、上記したようなフロントドア開口部77にほとんど露出部のないコクピットモジュール1であっても、左右の治具側把持用ピン63,73により、車幅方向外側から挟むようにして把持した状態でのダッシュ部への搭載が可能であり、フロントドア開口部77に露出部のあるコクピットモジュールに対する搭載治具と共用して使用でき、フロントドア開口部77に露出部のないあるいはほとんどないコクピットモジュール専用の搭載治具を別途用意する必要がなく、生産コストの上昇を抑えることができる。
【0159】
コクピットモジュール1が車体側に仮保持されたら、搭載治具9のアクチュエータ71により治具側把持用ピン63を後退させ、さらに、搭載ハンド11全体を、治具側把持用ピン63の後退方向と逆方向へ移動させて、左右の治具側把持用ピン63,73を把持用孔109から抜き取る。その後、搭載ハンド11全体を、搭載治具9が把持用ブラケット99に干渉しない位置まで車体後方側へ移動させた後、車外へ移動させる。
【0160】
この状態で、図示しない2本のボルトを、上部の1本は把持用ブラケット99の締結作業孔117から、下部の1本はブラケット本体101の下方位置から、それぞれサイドブラケット97のボルト挿入孔155に挿入して車体側ブラケットに締結する。
【0161】
なお、この締結により、サイドブラケット97の取付面151が車体側ブラケットに密着するが、このとき把持用ブラケット99はサイドブラケット97に装着された状態であるので、把持用ブラケット99がサイドブラケット97から取り外せるように、インナブラケット103の第3の屈曲部139,141が車体側ブラケットに干渉しないような逃げ部を車体側ブラケットに設けておく必要がある。
【0162】
左右の治具側把持用ピン63,73が把持用孔109から抜き取られる際には、治具側把持用ピン63が、図23(b)の状態から図中で左方向(右側の治具側把持用ピン63については逆方向)に後退移動して、ガイド孔124,126から引き抜かれる。これにより、インナブラケット103は、コイルスプリング130によって車体前方側へ移動し、図23(a)の状態となる。この状態で、把持用ブラケット99を、前記したサイドブラケット97に対する装着動作と逆の動作により、サイドブラケット97から簡単に取り外すことができる。取り外した把持用ブラケット99は回収し、次のコクピットモジュールの搭載作業に使用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係わる自動車のコクピットモジュール把持構造を示す斜視図である。
【図2】図1の把持構造の要部の分解斜視図である。
【図3】図1の把持構造における把持用ブラケットの動作を示す説明図である。
【図4】図1の把持構造における動作を示す説明図で、(a)はコクピットモジュールを車体側に仮保持した状態を示し、(b)はコクピットモジュールを車体側に位置決めした状態を示す。
【図5】図1の把持構造における係合ピンと係合孔との関係を示す説明図で、(a)は図4(a)に、(b)は図4(b)にそれぞれ対応する。
【図6】図1の把持構造におけるコクピットモジュールを車体へ搭載した状態での車体側方から見た説明図である。
【図7】図1に示したインストルメントパネルを省略してあるコクピットモジュールをワーク載置台上にセットした状態を示す斜視図である。
【図8】図7の拡大されたE矢視図である。
【図9】図2におけるサイドブラケットの変形例を示す斜視図である。
【図10】図9の変形例の動作説明図である。
【図11】図2におけるサイドブラケットのさらに他の変形例を把持用ブラケットとともに示す斜視図である。
【図12】図11の変形例における動作を示す断面図で、(a)は切り起こし爪をガイド孔の下縁に当接させた状態を示し、(b)は(a)の状態から係合ピンを係合孔に挿入した状態を示す。
【図13】図11の変形例における動作を示す側面図で、(a)は切り起こし爪がガイド孔の下縁に当接している状態を示し、(b)は係合孔に挿入された係合ピンを移動させている状態を示す。
【図14】把持用ブラケットのサイドブラケットに対する落下規制部および、落下規制部による落下規制を解除する解除部を備えた例を示す、図2に対応する斜視図である。
【図15】図14の落下規制部および解除部の動作説明図で、(a)は規制突起を規制孔に係合させた状態、(b)はコクピットモジュールを車体側に仮保持した状態、(c)は押付突起により規制突起を押し付けて規制を解除している状態を示す。
【図16】図14における規制突起に代えて規制ピンを用いた例を示す把持用ブラケットの斜視図である。
【図17】図16のF矢視断面図である。
【図18】この発明の他の実施形態を示す把持構造の要部の分解斜視図である。
【図19】この発明のさらに他の実施形態を示す自動車のコクピットモジュール把持構造を示す斜視図である。
【図20】図19の把持構造の分解斜視図である。
【図21】図19の把持構造の要部の分解斜視図である。
【図22】図21の把持用ブラケットがサイドブラケットに装着された状態での倒れ防止爪の嵌合状態を示す平面図である。
【図23】図21の把持用ブラケットのサイドブラケットへの取付状態を示す平面断面図で、(a)は仮保持された状態、(b)は固定された状態である。
【図24】図19の把持構造におけるコクピットモジュールを車体へ搭載した状態での車体側方から見た説明図である。
【符号の説明】
1 コクピットモジュール
5 ステアリングメンバ
6 ワーク載置台
9 搭載治具
11 搭載ハンド
17,97 サイドブラケット(ステアリングメンバの両端)
19,99 把持用ブラケット
21 車体側ブラケット
27 仮保持機能付き位置決めピン
31 細径部
37 傾斜部
41 前後対向面(前後当接面部)
43 左右当接面(左右当接面部)
45 位置決め孔
49 係合ピン
49a 軸部
49b 大径部
51 係合孔
51a 長孔部
51b 大径孔
57 前後対向面(前後当接面部)
59 左右当接面(左右当接面部)
60 ガイド孔
63,73 把持用ピン
65 把持用孔(被把持部)
77 フロントドア開口部
81 メンバ支持部
83 ブラケット支持部
83b 直立部(受け部)
87 アタッチメント(搭載治具)
89 前後対向面(前後当接面部)
91 左右当接面(左右当接面部)
95 係合溝
101 ブラケット本体
103 インナブラケット
105 当接面
107 サイド面
109 把持用孔(挿入孔,被把持部)
124,126 ガイド孔(挿入孔)
130 コイルスプリング(弾性手段)
139,141 第3の屈曲部(押圧部)
143,145 係合爪(係合部)
147 係合孔
151 取付面
201 エンボス部(凹部)
203 ガイド孔
203a 下縁(周縁)
205 切り起こし爪(突起)
209 規制孔(落下規制部)
211 規制突起(落下規制部)
213 押付突起(解除部)
215 規制ピン(規制部位,落下規制部)
221 スプリング(弾性手段)

Claims (25)

  1. ステアリングメンバを主体として各種部品が組み付けられるコクピットモジュールを、車体のダッシュ部に取り付ける際に、前記コクピットモジュールを搭載治具により把持する自動車のコクピットモジュール把持構造において、前記ステアリングメンバの両端に対し着脱可能に装着され、かつ前記搭載治具によって車幅方向外側から把持される被把持部を備えた把持用ブラケットを備え、前記ステアリングメンバに装着された状態の前記把持用ブラケットは、前記コクピットモジュールが前記車体のダッシュ部に取り付けられた状態で、車体のフロントドア開口部に対して車幅方向外側に前記被把持部が露出していることを特徴とする自動車のコクピットモジュール把持構造。
  2. ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとのいずれか一方に、車幅方向に向けて突出する係合ピンを備え、いずれか他方には、前記係合ピンが係合する係合孔を備えていることを特徴とする請求項1記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  3. 係合孔は、車体前方側が上方となるよう傾斜する長孔状に形成され、搭載治具により把持用ブラケットを把持した状態で、係合ピンが前記係合孔を移動して、把持用ブラケットが車体前方側に移動したときに、互いに車体前後方向に当接する前後当接面部が、ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  4. ステアリングメンバの両端および把持用ブラケットには、互いに車幅方向に当接する左右当接面部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  5. 係合ピンは、軸部の先端に、この軸部より大径となる大径部を備え、係合孔は、前記軸部が移動可能に挿入される長孔部と、この長孔部の端部に形成されて前記大径部が挿入可能な大径孔とを備えていることを特徴とする請求項2記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  6. 車体側ブラケットにはコクピットモジュールを保持固定する仮保持機能付き位置決めピンを、ステアリングメンバ側には前記仮保持機能付き位置決めピンが挿入される位置決め孔をそれぞれ設けるとともに、把持用ブラケットには、前記仮保持機能付き位置決めピンが挿入されるガイド孔を設け、前記仮保持機能付き位置決めピンが前記位置決め孔に挿入されて仮保持状態のときに、ステアリングメンバの両端を前記車体側ブラケットに対し車体前方に向けて締結固定することで、係合ピンが係合孔の長孔部を大径孔に向けて移動するよう、前記ガイド孔の下縁に摺接する傾斜部を、前記仮保持機能付き位置決めピンに設けたことを特徴とする請求項5記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  7. 傾斜部は、仮保持機能付位置決めピンに形成した仮保持部となる細径部の車体前方側に連続して設けられていることを特徴とする請求項6記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  8. 係合ピンの先端が当接した状態で、係合ピンを係合孔までガイドする凹部を、前記係合孔が設けられた側に設けたことを特徴とする請求項7記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  9. 凹部は、係合孔から離れるに従って幅広に形成されていることを特徴とする請求項8記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  10. ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとのいずれか一方に、車幅方向に向けて突出して係合ピンより長い突起を設け、いずれか他方には、前記突起に比べて充分大きなガイド孔を設け、前記係合ピンと係合孔とが整合する位置関係にある状態で、前記ガイド孔に挿入した前記突起がガイド孔の周縁に当接していることを特徴とする請求項7記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  11. 突起は、ステアリングメンバの両端と把持用ブラケットとのいずれか一方に一体化して設けられていることを特徴とする請求項10記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  12. 係合ピンを係合孔に挿入して把持用ブラケットをステアリングメンバ側に装着した状態での前記把持用ブラケットのステアリングメンバ側からの落下を規制する落下規制部を設け、前記ステアリングメンバ側の両端を車体側ブラケットに対し車体前方に向けて締結固定してガイド孔が傾斜部を摺接する際に、前記落下規制部による前記把持用ブラケットに対する落下規制を解除する解除部を、前記車体側ブラケットに設けたことを特徴とする請求項2記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  13. 落下規制部は、ステアリングメンバ側に設けた規制孔と、この規制孔に入り込む把持用ブラケットに設けた規制突起で構成され、解除部は、前記規制孔を通して前記規制突起を押し付けて把持用ブラケットをステアリングメンバ側から離反させる押付突起で構成されていることを特徴とする請求項12記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  14. 落下規制部は、ステアリングメンバ側に設けた規制孔と、この規制孔に先端が入り込みかつ、前記規制孔に対して接近離反する方向に移動可能となるよう把持用ブラケットに設けられて、弾性手段によりステアリングメンバ側に押圧されて突出する規制部位で構成され、解除部は、前記規制孔を通して前記規制部位を前記弾性手段に抗して押し付ける押付突起で構成されていることを特徴とする請求項12記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  15. 把持用ブラケットの被把持部は、車幅方向に対向して形成される把持用孔と、車幅方向に向けて突出する把持用ピンとのいずれか一方で構成され、搭載治具には、前記把持用孔に挿入される治具側把持用ピンと前記把持用ピンが挿入される治具側把持用孔とのいずれか一方を備えていることを特徴とする請求項1記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  16. コクピットモジュールが載置される載置台上に、ステアリングメンバを位置決め支持するメンバ支持部と、前記ステアリングメンバの端部に装着された状態の把持用ブラケットを位置決め支持するブラケット支持部とをそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  17. ブラケット支持部は、搭載治具により把持用ブラケットの被把持部を把持する際に、その把持方向に対向して位置して前記把持用ブラケットを受ける受け部を備えていることを特徴とする請求項16記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  18. ステアリングメンバの両端に、車体後方に対向する取付面を設け、把持用ブラケットには、この取付面に当接する当接面および、搭載治具に設けた車幅方向に突出する治具側把持用ピンが挿入される挿入孔を被把持部として備えたサイド面をそれぞれ有するブラケット本体と、前記治具側把持用ピンが挿入される挿入孔を備えかつ前記ブラケット本体に対し車体前後方向に移動可能なインナブラケットとをそれぞれ設け、前記インナブラケットは、前記治具側把持用ピンをブラケット本体およびインナブラケットの各挿入孔に挿入することで、車体後方側に移動して前記ステアリングメンバに係合する係合部を、車体前方側の端部に備えていることを特徴とする請求項1記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  19. インナブラケットは、弾性手段によりブラケット本体に対して車体前方側に押し付けられ、この押し付け作用により前記インナブラケットがブラケット本体に対し車体前方側に移動している状態で、インナブラケットの挿入孔は、ブラケット本体の挿入孔に対し、各挿入孔の一部が整合した状態で車体前方へずれていることを特徴とする請求項18記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  20. 係合部は、車体後方側に向けて突出する係合爪で構成され、この係合爪が車体後方に向けて挿入されて係合する係合孔が、ステアリングメンバの取付面に設けられていることを特徴とする請求項18または19記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  21. 係合爪が係合孔に挿入された状態で、ステアリングメンバの取付面を車体後方に向けて押圧して把持用ブラケットの当接面に圧接させる押圧部を、インナブラケットに設けたことを特徴とする請求項20記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  22. ステアリングメンバを主体として各種部品が組み付けられるコクピットモジュールを、車体のダッシュ部に取り付ける際に、前記コクピットモジュールを搭載治具により把持する自動車のコクピットモジュール把持構造において、前記ステアリングメンバの両端を車体前後方向への移動により車体前方の先端側で把持するアタッチメントを、前記搭載治具として搭載ハンドの車幅方向両端に設け、前記ステアリングメンバの両端と前記アタッチメントとのいずれか一方に、車幅方向に突出する係合ピンを設け、いずれか他方には、前記係合ピンが係合する係合溝を設けたことを特徴とする自動車のコクピットモジュール把持構造。
  23. 係合溝は、車体前方側が上方となるよう傾斜している長孔状に形成され、搭載治具により把持用ブラケットを把持する際に、係合ピンが係合孔を移動して、アタッチメントが車体前方側に移動したときに、互いに車体前後方向に当接する前後当接面部が、ステアリングメンバの両端と前記アタッチメントとにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項22記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  24. ステアリングメンバの両端およびアタッチメントには、互いに車幅方向に当接する左右当接面部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項23記載の自動車のコクピットモジュール把持構造。
  25. ステアリングメンバを主体として各種部品が組み付けられるコクピットモジュールを、車体のダッシュ部に取り付ける際に、前記コクピットモジュールを搭載治具により把持する自動車のコクピットモジュール把持方法において、前記ステアリングメンバの両端に対し着脱可能に装着される把持用ブラケットを、前記ステアリングメンバに装着し、前記コクピットモジュールが車体のダッシュ部に取り付けられた状態で前記車体のフロントドア開口部に対して車幅方向外側に露出する前記把持用ブラケットの被把持部を、前記搭載治具により車幅方向外側から把持することを特徴とする自動車のコクピットモジュール把持方法。
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