JP3698057B2 - 自動アレンジ装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アレンジの元となる曲(以下これをオリジナル曲という)の演奏データに基づきこれをアレンジした曲の演奏データを生成する自動アレンジ装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
MIDI規格に従う演奏データ(以下単にMIDIデータという)に基づき楽音信号を発生することのできる音源装置は、一般に「MIDI音源」と言われる。MIDI音源は、電子楽器等の専用楽器の音源としては勿論のこと、カラオケの伴奏音源や携帯電話の「着信メロディ」の音源などその他の種々の用途の機器における音源として現在では広く使用されている。これに伴い、音楽ソフトウェアとしてのMIDIデータも、多くの楽曲について用意されており、流通販路を介して一般ユーザが購入することも可能である。しかし、既存楽曲のMIDIデータの多くは、元となった楽曲のオリジナル演奏(当該曲のCD等に録音された演奏)を再現できるように作成されているので、曲によってはオーケストラ編成の複数楽器の演奏パートからなっていたり、複雑な音楽編成からなっている場合が多い。そのため、原曲がオーケストラ編成からなっているような場合、例えば、ユーザがピアノソロのバージョンに編曲した演奏データを希望する場合、曲演奏データの提供者は、そのようなユーザの希望にたやすく応ずることは困難であった。例えば、オーケストラ編成の原曲演奏データのうち、ピアノパートあるいはキーボードパートのみを取り出したとしても、ピアノソロ用に編曲した演奏データとはならず、原曲の雰囲気が損なわれてしまう。そのため、ピアノソロ用に初めから本格的に編曲し直さねばならない。従って、曲演奏データの提供者は、個別のユーザーの細々としたアレンジ希望にいちいち答えることができなかった。また、本格的な編曲には高度な音楽的知識が要求されるので、多くの一般ユーザにとっては、自分自身で望みの編曲を行なうことも困難である。ピアノソロに限らず、ギターソロやその他の特定楽器のソロに適したアレンジにあっても、同様の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、既存の演奏データに基づき容易に所望のアレンジの演奏データを生成することができる自動アレンジ装置及び方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る自動アレンジ装置は、複数トラックの演奏データからなるオリジナル曲の演奏データを取得する手段と、前記オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラックの演奏データを取り出し、取り出した該トラックの演奏データを基にしてアレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成するアレンジメロディ生成手段と、前記オリジナル曲の演奏データのうち前記メロディパートに該当するトラック以外の複数のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づきアレンジ曲における少なくとも1つの伴奏用パートの演奏データを生成するアレンジ伴奏生成手段とを具える。
【0005】
例えば、ピアノソロ形式のアレンジ曲を得たい場合は、典型例として、メロディをリードする右手演奏パート(メロディパート)と伴奏を奏でる左手演奏パート(伴奏パート)のアレンジ曲構成とするとよい。その場合、アレンジメロディ生成手段でアレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成し、アレンジ伴奏生成手段でアレンジ曲における1つの伴奏用パートの演奏データを生成すればよい。伴奏用パートの演奏データは、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパート以外のパートの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき生成されるので、オリジナル曲における各部分的区間毎の伴奏の良い部分を取り出すことで、比較的簡単に、良い伴奏アレンジを作成できる。なお、各部分的区間とは、曲全体を時間軸に沿って適宜に分割した区間であり、1小節あるいは2小節あるいは4小節など、適宜の数の小節に対応する区間で区切るようにしてよい。
【0006】
また、例えば、ピアノ弾き語り形式のアレンジ曲を得たい場合は、典型例として、メロディをリードする「語り」(ボーカル又は歌)パート(つまりメロディパート)と、伴奏の高音部を演奏する右手演奏パート(伴奏パート1)と伴奏の低音部を演奏する左手演奏パート(伴奏パート2)のアレンジ曲構成とするとよい。2つの伴奏パートのアレンジ演奏データを作成するためには、例えば、アレンジ伴奏生成手段で、前記取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき1つの伴奏用パートの演奏データを1次的に生成し、1次的に生成した1つの伴奏用パートの演奏データを音域に応じて2つのパートに分けることにより2つの伴奏用パートの演奏データを生成するとよい。
【0007】
前記アレンジメロディ生成手段及びアレンジ伴奏生成手段では、単に、オリジナル曲の演奏データを取り出すだけでなく、これら演奏データに対して適宜加工を加えることができるようにしてよい。
【0008】
例えば、前記アレンジメロディ生成手段は、前記オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当する1トラックの演奏データを取り出すと共に、前記オリジナル曲の演奏データのうち前記1トラックの他のトラックの演奏データから一部の区間の演奏データを取り出し、取り出した前記1トラックの演奏データに前記他のトラックの一部の区間の演奏データを追加することに基づき前記アレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成するようにしてよい。これにより、オリジナル曲におけるイントロや間奏あるいはエンディングなど主旋律以外の部分をアレンジ曲のメロディパートに含めることができる。あるいはオリジナル曲でメロディ演奏が複数のトラックで分担して行われている場合や、本来のメロディトラックとは別のトラックで一時的にメロディフレーズが演奏されている場合などに対応して、アレンジ曲のメロディを的確に定めることができる。例えば、オリジナル曲でメロディパートに該当するものとして選定した1トラックの演奏データに、所定期間以上の無音区間が存在しているような場合は、その区間で、別のトラックでメロディ演奏を行っていたり、イントロや間奏などが行われていることがありうるので、そのような場合は、該無音区間に該別のトラックでのメロディ演奏データあるいはイントロや間奏などの演奏データを付加する(マージする)ことで、1トラック分のアレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成し、アレンジ曲のメロディを的確に定めることができる。また、アレンジ曲に特有のメロディアレンジを容易に施すことも可能となる。例えば、オリジナル曲のメロディパートのうち音符数が少ない区間について、他パートの演奏データを追加することで、アレンジ曲のメロディを豊かにすることができる。この場合、アレンジ曲のメロディパートに追加したオリジナル曲の他トラック又は他パートの一部区間の演奏データは、アレンジ曲の伴奏用パートの演奏データとして使用しないようにするのがよい。これは、メロディと伴奏が同じ旋律になってしまうと単調になるから、これを防ぐためである。
【0009】
また、この発明の別の観点に従う自動アレンジ装置は、複数トラックの演奏データからなるオリジナル曲の演奏データを取得する手段と、前記オリジナル曲の複数のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき1トラック分のアレンジ曲演奏データを生成する1次的データ生成手段と、前記生成した1トラック分のアレンジ曲演奏データを音域に応じて2つのパートに分けることにより2トラックからなるアレンジ曲の演奏データを生成する2次的データ生成手段とを具える。これは、上述の「弾き語り」タイプのアレンジにおいて「語り」(ボーカル又は歌)パート(つまりメロディパート)の演奏データの作成を省略したものに対応している。これによっても、高音部(右手演奏パート)と低音部(左手演奏パート)とからなるピアノ用のアレンジを容易に作成できる。勿論、ピアノに限らず、他の楽器用の簡易なアレンジにも適用できる。
【0010】
なお、本発明において「オリジナル曲」とは、アレンジの元となる曲を意味する広い用語であり、或る楽曲の初版のもののみを指しているのではない。よって、アレンジの元となる曲でありさえすれば、どのような曲であってもよい。換言すれば、目的とする楽器演奏形態のアレンジと相違するアレンジでデータが作成・保存されている楽曲を、「オリジナル曲」という。たとえば、或る楽曲の初版のレコードやCDに記録された演奏に聴覚的に似せて、あるいは初版の楽譜を再現した複数楽器のアレンジで作成・保存された楽曲は勿論「オリジナル曲」となりうるし、初版のレコードやCDに記録された演奏とは聴覚的に異なる複数楽器のアレンジで作成・保存された楽曲も「オリジナル曲」となりうる。また、複数楽器のアレンジに限らず、単一楽器のアレンジで作成・保存された楽曲も「オリジナル曲」となりうる。例えば、ピアノ弾き語り用にアレンジされた「メロディパート」と「鍵盤右手演奏パート」と「鍵盤左手演奏パート」とからなる楽曲を、「鍵盤右手演奏パート」と「鍵盤左手演奏パート」とからなるピアノソロ形式の楽曲にアレンジしようとする場合は、その元となる「ピアノ弾き語り形式の楽曲」が「オリジナル曲」に該当する。また、本発明において「アレンジ曲」とは今回のアレンジ処理の結果得られる曲のことを示す。よって、本発明に従うアレンジ処理によって過去に得られた曲を元にして、更に別の形態にアレンジしようする場合は、本発明に従うアレンジ処理によって過去に得られた曲が、本発明でいう「オリジナル曲」に該当することになる。
【0011】
本発明は、装置の発明として構成し、実施することができるのみならず、方法の発明として構成し、実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記録媒体の形態で実施することもできる。また、プロセッサとしては、任意のソフトウェアプログラムを実行するコンピュータのような汎用プロセッサを使用できるのは勿論のこと、専用ロジックをハードウェアで組んだ専用プロセッサを用いてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、この発明に係る自動アレンジ装置及び方法を実施するために使用可能な電子楽器若しくはコンピュータのハード構成例を示すブロック図である。図1において、電子楽器若しくはコンピュータは、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。この発明に係る自動アレンジ方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムがROM2又はRAM3に格納されており、該制御プログラムに従って自動アレンジ処理を実行することにより、この発明に係る自動アレンジ方法の一実施例が実施される。また、該制御プログラムを実行可能に搭載した該電子楽器若しくはコンピュータによってこの発明に係る自動アレンジ装置の一実施例が構成される。勿論、自動アレンジ処理のプログラムに限らず、自動演奏処理や楽音波形生成処理などその他種々のアプリケーションの制御プログラム及び各種データをメモリ(ROM2又はRAM3又はHDDあるいはその他外部記憶媒体)に記憶していて、それらのアプリケーションを実行可能である。
【0013】
CPU1に対して、データ及びアドレスバス4を介してリードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3、外部記憶装置ドライブ6、MIDIインタフェース(I/F)7、通信インタフェース8、演奏操作子(鍵盤等)9、パネル操作子10、電子的ディスプレイ(CRTあるいは液晶表示パネルなど)11、プリンタ12、音源回路13、効果回路14がそれぞれ接続されている。音源回路13で発生され、効果回路14で効果付与された楽音信号はサウンドシステム15を介して音響的に発音可能である。また、演奏操作子(鍵盤等)9に関連して、ユーザによる演奏操作を支援するための演奏ガイド用指示手段(図示せず)が設けられていてもよい。CPU1にはタイマ5が接続されており、各種時間を計時したり、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込みクロックや、自動演奏の再生テンポを設定するテンポクロックパルスなどを発生する。
【0014】
外部記憶装置ドライブ6にセットする外部記憶媒体はハードディスク(HD)のような固定した形態の外部記憶装置であってもよいし、フロッピィーディスク(FD)、コンパクトディスク(CD−ROM・CD−RAM)、光磁気ディスク(MO)、ディジタル多用途ディスク(DVD)、あるいはRAMカードのような半導体メモリ等の着脱自在な形態の外部記憶媒体であってもよい。これらの外部記憶媒体には、いろいろなオリジナル曲の演奏データを記憶していてもよいし、アレンジされた曲の演奏データを書き込んで記憶するようにしてもよい。勿論、この実施例に係る自動アレンジ方法を実施する制御プログラムが外部記憶媒体に記憶されていてもよい。
MIDIインタフェース(I/F)7は、他のMIDI機器(図示せず)等からMIDIデータを当該電子楽器若しくはコンピュータへ入力したり、あるいは当該電子楽器若しくはコンピュータからMIDIデータを他のMIDI機器等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器はユーザによる操作に応じてMIDIデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、ギター型、管楽器型、打楽器型、ミブリ型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。MIDIインタフェース7は専用のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS232−C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインタフェースを用いてMIDIインタフェース7を構成するようにしてもよい。この場合、MIDIイベントデータ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。MIDIインタフェース7として上記したような汎用のインタフェースを用いる場合には、他のMIDI機器はMIDIイベントデータ以外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、音楽演奏データのデータフォーマットはMIDI形式のデータに限らず、他の形式であってもよく、その場合はMIDIインタフェース7と他のMIDI機器の適合するデータ形式はそれにあった構成とする。
【0015】
通信インタフェース8は、例えばLANやインターネット、光ケーブルや電話回線、ISDN等の有線あるいは無線の通信ネットワー18に接続され、該通信ネットワーク18を介して、図示しない他のコンピュータ(例えば自機がサーバーのときは他のクラエント;自機がクラエントのときは他のクラエント又はサーバー)と接続され、オリジナル曲の演奏データやアレンジした曲の演奏データや制御プログラムや各種データなどを授受するためのインタフェースである。
図1に示すハードウェア構成は電子楽器を想定しているため、演奏操作子9や演奏ガイド用指示器16などを具備しているが、汎用パーソナルコンピュータの場合はこれらを具備していなくてもよい。また、自動アレンジ処理機能のみを具備し、自動演奏機能や楽音発生機能は具備してなくてもよい。特に、自動アレンジサービスをクライアントに提供するサーバーコンピュータにあっては、音源回路13、効果回路14、サウンドシステム15等の楽音発生機能を持っていなくてもよい。本発明が適用可能なハードウエアは、電子楽器やパソコンに限らず、携帯電話端末やカラオケ端末などその他マルチメディア機器であってもよい。従って、本発明が適用される機器のタイプに応じて、そのハードウェア構成が図1に示すものから、上記のように、適宜取捨択一されてよい。
【0016】
〔第1実施例〕
本発明に従う自動アレンジの第1の実施例として、「ピアノソロ」タイプのアレンジ例について説明する。図2は、「ピアノソロ」タイプの自動アレンジ処理を実行するプログラムの一例を略示するフロー図である。このプログラムはCPU1によって実行される。図3は、本実施例に従って「ピアノソロ」タイプの自動アレンジ処理を行い、オリジナル曲の演奏データからアレンジ曲の演奏データを生成する一例を、理解しやすくするために示す模式図である。
【0017】
図2のステップS1では、これからアレンジしようとするオリジナル曲の演奏データを取得する。オリジナル曲の構成は複数の演奏パートからなっており、該オリジナル曲の演奏データは複数トラックで構成される。このような複数トラックからなる演奏データの構成それ自体は公知であるため特に詳しく説明しない。該演奏データのデータ形式は例えばMIDI規格に従っているものとするが、他の規格であってもさしつかえない。このステップS1では、例えば、既存のMIDI曲データ群の中から所望のものを、これからアレンジしようとするオリジナル曲の演奏データとして、選択するようにすればよい。アレンジしようとする所望のオリジナル曲の演奏データの取得は、通信ネットワークを介して取得するようにしてもよいし、あるいはFD等の記憶媒体に記録済みのMIDI曲データの中から選択して取得するようにしてもよい。取得したオリジナル曲の演奏データは、RAM3のような内部メモリに保存され、以後のアレンジ処理の過程で必要な時にアクセスされて、必要なトラック又はパートの演奏データを必要な区間で取り出すことが可能とされる。
【0018】
なお、この明細書で「パート」とは演奏データを主に音楽的見地から分類しようとする用語であり、「トラック」とは演奏データを主にデータ記憶所在のあり方から分類しようとする用語であり、両語の技術意義は共通している場合もあれば異なっている場合もある。例えば、メモリ内に記憶する演奏データはトラックを単位とするトラック情報によってアクセス可能であり、望みの演奏パートに関する演奏データは該演奏パートに該当するトラックのトラック情報によってアクセス可能である。各トラックは音楽的な演奏パートに対応して設定されるが、必ずしも両者がイコールであるとは限らない。例えば、或る1つの楽器パートの演奏データが複数のトラックで記憶されていることもありうる。
【0019】
ステップS2では、上記のように取得したオリジナル曲全体を時間軸に沿って複数の部分的区間に区切る(若しくは分割する)。この部分的区間の区切り方は、種々のやり方があり、どのようなやり方であってもよい。例えば、1小節あるいは2小節あるいは4小節など、適宜の数の小節に対応する区間で区切るようにしてよい。その場合、一律の小節数(例えば4小節)で区切るようにしてもよいし、各部分的区間毎に適宜の数で区切る(例えば第1小楽節と第2小楽節は2小節毎に区切り、第3小楽節は4小節で区切る、など)ようにしてもよい。小節線を基準とする区切り処理は、オリジナル曲の演奏データ中に小節線データを持つ場合は、その小節線データを利用して自動的に区切り処理を行うようにしてよい。別の区切り方として、オリジナル曲のメロディパートの演奏データを自動分析してフレーズの切れ目を検出し、検出したフレーズの切れ目を1つの部分的区間の区切り箇所とする、やり方がある。この場合の自動分析の仕方としては、例えば演奏データにおける音符列を分析するやり方があり、別の例としては、演奏データ中にフレーズ区切りを示すフレーズマークを含んでいる場合は、そのフレーズマークの配置箇所を区切り箇所とするやり方がある。勿論、小節数に基づく区切り方とフレーズに基づく区切り方を組み合わせて、あるいは更に別のやり方を組み合わせて、オリジナル曲全体を時間軸に沿って複数の部分的区間に区切るようにしてよい。なお、オリジナル曲の部分的区間の区切り方は全パート共通であってよいが、必要に応じて一部のパートの区間の区切り方が他のパートのそれよりも細かったり又は粗かったりしてもよい。
また、部分的区間の区切り方の別の例としては、オリジナル曲の演奏データが該オリジナル曲の曲構成を音楽的区間(イントロ、メイン、フィルイン、エンディングなど)で区別するセクション情報を含んでいる場合は、このセクション情報を利用するやり方がある。すなわち、オリジナル曲のセクション情報が示す音楽的区間毎に区切って部分的区間を設定する。この場合、必要に応じて、セクション情報に従って区切った区間を更に細かく区切って部分的区間を設定するようにしてもよい。
【0020】
ステップS3では、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当する1トラックの演奏データを取り出し、取り出した該1トラックの演奏データをアレンジ曲のメロディトラックにストアし、メロディパートの1次的な演奏データとする。そして、この実施例では「ピアノソロ」タイプのアレンジを行うため、アレンジ曲のメロディパートのための音色指定データをピアノ音色又はピアノ類似の音色を指定するデータに設定する。一具体例としては、まず、オリジナル曲の演奏データを記憶している複数のトラックのうちメロディパートがどのトラックに該当するかを検索する。この検索の仕方としては、曲データの種類によっては、所定のトラック(例えば第1トラック)がメロディトラックに固定されているので、当該オリジナル曲が該曲データ種類に該当する場合は、該所定のトラック(例えば第1トラック)を検索し、検索した該トラックの演奏データを、オリジナル曲の演奏データから取り出してこれをアレンジ曲のメロディパートの1次的な演奏データとして、RAM3等の内部メモリに設定されているアレンジ曲のメロディトラックにストアする。あるいは、別の曲データ種類によっては、各トラック毎に当該トラックの演奏パート等の特徴を記述する文字情報等の補助データを含んでいるものがあるので、当該オリジナル曲が該曲データ種類に該当する場合は、各トラックの該補助データ中に「メロディ」あるいはそれに相当する記述を含むトラックを検索し、検索した該トラックの演奏データを、オリジナル曲の演奏データから取り出して、アレンジ曲のメロディパートの1次的な演奏データとして、メロディトラックにストアする。あるいは、別のやり方として、オリジナル曲の各トラックの音色情報から、メロディパートとして使われる音色がどのトラックに割り当てられているかを検索し、検索した該トラックの演奏データを、オリジナル曲の演奏データから取り出して、アレンジ曲のメロディパートの1次的な演奏データとして、メロディトラックにストアする。この場合、検索のキーワードとなる「メロディパートとして使われる音色」をどの音色とするかは、ユーザがオリジナル曲を聴くことなどに基づき決定し、これを設定入力してやればよい。別の例として、メロディパートとして選択するトラック番号をユーザが入力し、入力されたトラック番号の演奏データを、オリジナル曲の演奏データから取り出して、アレンジ曲のメロディパートの1次的な演奏データとして、メロディトラックにストアする。
【0021】
なお、ここで、オリジナル曲のメロディパートに該当するトラックの演奏データを1トラック分そっくりアレンジ曲のメロディトラックにストアしてよいのは勿論であるが、そうせずに、アレンジに際して適宜必要な部分のみを取り出してアレンジ曲のメロディトラックにストアするようにしてもよい。例えば、オリジナル曲のメロディを1コーラス分だけ取り出してアレンジ曲のメロディとしてもよいし、あるいは第1小楽節の4小節とそれから数小楽節離れたサビの数小節とを取り出してこれらを時間系列的につなぎ合わせてアレンジ曲のメロディとしてもよい。例えば、携帯電話の「着信メロディ」をアレンジするような場合に、アレンジ曲をオリジナル曲よりも短くすることがある。そのように、オリジナル曲のメロディを部分的に抽出してアレンジ曲のメロディを作成する場合は、ステップS2で区切った部分的区間についても、以後の処理(メロディパートの演奏データ追加処理及び伴奏用パートのアレンジ処理など)に際しては、アレンジ曲のメロディパートとして抽出された区間だけを対象にして処理するようにするのがよい。
【0022】
これまでの説明を理解しやすくするために、図3を参照して付加的説明を行う。図3では、演奏データの所在は棒グラフ状に模式的に示している。一例として、オリジナル曲のトラックはトラックTR1〜TR8の8トラックが示されており、トラックTR1がメロディパート、トラックTR2がベース、TR3がドラム、TR4がトランペット、TR5とTR6がピアノ、TR7がギター、TR8がサックスの各楽器パートに対応しているものとしている。部分的区間として、区間1〜6の6区間が区分されているものとして図示されている。オリジナル曲のメロディパートに該当するトラックTR1が検索され、該トラックTR1の演奏データがそっくりアレンジ曲のメロディパートの演奏データとして、アレンジ曲のメロディトラックAMTにコピーされる例が図示されている。なお、アレンジ曲のメロディパートは、「ピアノソロ」タイプのアレンジでは、ピアノの右手演奏パートと換言することができる。
【0023】
図2に戻り、ステップS4では、上記のようにアレンジ曲のメロディパートの1次的な演奏データとしてアレンジ曲のメロディトラックにストアした演奏データの中から、所定期間以上にわたって無音区間が存在しているかどうかを調べ、その無音区間がどこにあるかを検出する。オリジナル曲におけるメロディトラックには一般にイントロや間奏あるいはエンディングなど主旋律以外の部分は含まれていないのに対して、ピアノソロのような場合は、イントロや間奏あるいはエンディングなどであってもメロディラインはメロディパートとしてアレンジすることが望まれる。また、それ以外の場合でも、オリジナル曲においてメロディパートの演奏が2又はそれ以上のトラックで分担されていることは有りうることである。例えば、オリジナル曲で、1コーラスのメロディをサックスが演奏し、それに続くサビのメロディをトランペットが演奏するような演奏スタイル、あるいは或る楽器がメロディを演奏している区間で或る極く短いフレーズだけ別の楽器がメロディを担当するような演奏スタイル、などがありうる。その場合、1つの楽器(例えばサックス)のトラックをメロディトラックとして検出し、これをアレンジ曲のメロディパートとして使用するだけでは不十分であり、別の楽器(例えばトランペット)でメロディを演奏している区間をもアレンジ曲のメロディパートとして採用して付加する必要がある。そのために、このステップS4及び次のステップS5の処理を行う。つまり、このステップS4で検出した無音区間は、オリジナル曲では別のトラックでメロディパートの演奏がなされているか、あるいはイントロや間奏あるいはエンディングなどが行われていると推定する。よって、ここで、無音区間の有無を調べる条件となる所定期間以上とは、少なくとも所定フレーズ長(例えば1小節分の長さ)以上に設定されてよい。勿論、これに限らず、或るフレーズの末尾でメロディそれ自体は休符となっている又は最後の音符の小音量サステインを持続していることで無音区間となっているような場合、アレンジ曲ではその無音区間に装飾的にメロディを付加することで、アレンジ曲に特有の豊かなメロディを作りたいような場合にも、このステップS4での無音区間の検出と次のステップS5でのメロディ付加を行ってよい。例えば、オリジナル曲で、メロディを奏でる管楽器はフレーズ最後の長音符をサステインしているとき、伴奏音としてピアノが装飾的にメロディを付加するような演奏スタイル、などがありうる。その場合、無音区間の有無を調べる条件となる所定期間以上とは、1小節より短い長さのことがありうる。なお、無音区間の意味は、音(サステイン音すらもが)が全く存在していない(つまり完全な休符状態)という意味に限定解釈されるべきではなく、ノートオンイベントが存在していない(サステイン音は残っていてもよい状態)という意味にも解釈されるべきであり、設計上どちらであってもよい。
【0024】
ステップS5では、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するものとして前記ステップS3で検索された1トラック以外の他のトラックから、前記無音区間にマージされるべき一部の区間の演奏データを有しているトラックを検索し、検索した該トラックの一部の区間の演奏データを取り出して、該取り出した一部の区間の演奏データを前記アレンジ曲のメロディトラックにおける前記無音区間に対して付加する(マージする)。この検索の仕方としては、前述のメロディパートに該当するトラックの検索の仕方と同様の手法を適宜取捨択一的に採用してよい。例えば、オリジナル曲を聴いてみて、1コーラスのメロディをサックスが演奏し、それに続くサビのメロディをトランペットが演奏しているような場合、ステップS3の処理でサックスのパートをメロディトラックとして検索してこの演奏データをアレンジ曲のメロディトラックにストアしているような場合、トランペットのパートのトラックをオリジナル曲のデータから検索し、前記ステップS4で検出したサックスのパートの無音区間に対応する一部区間分のトランペットのパートの演奏データを該検索したトランペットのパートのトラックから取り出す。こうして取り出した一部区間分のトランペットのパートの演奏データを、アレンジ曲のメロディトラックにストアしている演奏データの無音区間に対して付加する(マージする)ことで、オリジナル曲におけるサックスパートのメロディ演奏とトランペットのメロディ演奏とをマージした、新しい1トラック分のアレンジ曲のメロディパートの演奏データが生成され、アレンジ曲のメロディトラックにストアされる。
【0025】
別の検索例としては、前述したようなセクション情報に基づき自動的に、上記無音区間に対応してオリジナル曲においてイントロ演奏や間奏あるはエンディング演奏を受け持っているパートのトラックを抽出し、該抽出したトラックの該無音区間に対応する区間における演奏データを取り出して、前記アレンジ曲のメロディトラックにおける前記無音区間に対して付加する(マージする)。
更に別の検索例として、ドラムパートのトラックを除く残りのトラックから、当該無音区間に対応する区間内で音符数(ノートオンイベント数)の最も多いトラックを検出するというやり方もありうる。あるいは、ドラムパートのトラックを除く残りのトラックから、当該無音区間に対応する区間内で各音符(ノートオンイベント)における音量ボリューム値とベロシティ値の総和が最も大きいトラックを検出するというやり方もありうる。ドラムパートを除く理由は、メロディパートとして使用するのにあまり適さないからである。
なお、前述の通り、ピアノソロタイプのアレンジでは、このアレンジ曲のメロディパートにピアノ系の音色データが設定されるので、新しいメロディパートの音色はピアノ系音色となる。勿論、曲全体を通して複数の無音区間が検出された場合は、各無音区間に対応して検索されるオリジナル曲の他のトラックはそれぞれ異なるトラックであってもよい。
【0026】
このステップS4とS5の処理によってアレンジ曲のメロディパートの演奏データをマージで作成する例を理解しやすくするために、図4を参照して付加的に説明する。図4の描き方は図3と同様である。この例では、オリジナル曲のトラックTR1(メロディパート)では、区間1、3、6が無音区間であるとし、区間1に対応してトラックTR2(ベースパート)を選択し、区間3に対応してトラックTR7(ギターパート)を選択し、区間6に対応してトラックTR8(サックスパート)を、選択する例が示されている。なお、ステップS4とS5の処理は省略してもよい。
【0027】
図2に戻ると、ステップS6では、前記オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するものとして前記ステップS3で検索されたトラック以外の複数のトラックから、前記ステップS2で区切った各部分的区間毎に、特徴的な演奏データを持つトラックを抽出する。なお、前述の通り、アレンジ曲のメロディをオリジナル曲のメロディから部分的に取り出した場合は、このステップS6で抽出の対象となるのは、アレンジ曲のメロディとして抽出された部分に対応する区間である。また、1つの部分的区間につき1つのトラックのみを抽出することに限らず、2又はそれ以上のトラックを抽出してもよい。
【0028】
ステップS7では、前ステップS6で各部分的区間毎に抽出したトラックの演奏データをそれぞれ取り出してこれらを各部分的区間の時系列順に並べて組み合わせることで、アレンジ曲の1つの伴奏用パートの演奏データを生成する。なお、1つの部分的区間につき複数のトラックが抽出されている区間については、これらのトラックの演奏データを合併(マージ)して1つの部分的区間分の演奏データとする。生成したアレンジ曲の伴奏用パートの演奏データは、アレンジ曲の伴奏用パートの1次的な演奏データとして、RAM3等の内部メモリに設定されているアレンジ曲の伴奏用トラックにストアする。そして、この実施例では「ピアノソロ」タイプのアレンジを行うため、アレンジ曲の伴奏用パートのための音色指定データをピアノ音色又はピアノ類似の音色を指定するデータに設定する。なお、前記ステップS5でアレンジ曲のメロディパートに追加したオリジナル曲の前記他のトラックの前記一部の区間については、アレンジ曲の伴奏用パートの演奏データとして使用しないように、前記ステップS6での抽出対象から除外するものとする。これは、メロディと伴奏が一部区間でも同じ旋律になってしまうと単調になるから、これを防ぐためである。
【0029】
オリジナル曲におけるメロディパートに該当するトラック以外のトラックには、概ね伴奏パートの演奏データが記憶されている。概して、オリジナル曲においては、これらの伴奏パートの演奏データによって複数の楽器のアンサンブルによる複雑な伴奏が行われることになる。本実施例に従うアレンジに従えば、このオリジナル曲の複雑な伴奏アンサンブルから、部分部分で特徴的なパート(オイシイところ)の演奏データを取り出し、これらを継ぎはぎ的に組み合わせて伴奏パートのアレンジを作成することになる。従って、前記ステップS6における特徴的な演奏データを持つトラックの抽出基準は、各部分的区間毎に代表的な伴奏演奏を示している演奏データを検出することからなっていてよい。そのような代表的な伴奏演奏を示す演奏データの検出の仕方としては、適宜のやり方を用いてよく、そのいくつかの例については後述する。
【0030】
ここで、伴奏用パートのためのアレンジ例を理解しやすくするために、再び図3を参照して付加的説明を行う。図3の例では、区間1でオリジナル曲のトラックTR2(ベースパート)を選択し、区間2でトラックTR5(ピアノパート)を、区間3でトラックTR4(トランペットパート)及びTR7(ギターパート)を、区間4でトラックTR6(ピアノパート)を、区間5でトラックTR5(ピアノパート)を、区間6でトラックTR8(サックスパート)をそれぞれ選択して伴奏用の演奏データを生成し、これをアレンジ曲の伴奏用トラックAATにストアするようにした例が示されている。前述の通り、区間3で選択されたオリジナル曲の2つのトラックTR4,TR7の演奏データは合併される。なお、アレンジ曲の伴奏用パートは、「ピアノソロ」タイプのアレンジでは、ピアノの左手演奏パートと換言することができる。
【0031】
次に、前記ステップS6における特徴的な演奏データを持つトラックの抽出の仕方についてのいくつかの例を示す。
その一例は、アレンジ曲の伴奏用データとして、オリジナル曲の演奏データから優先的に選択する音色(又は楽器名)を設定し、設定された音色に該当するパートのトラックを抽出するやり方である。例えば、第1優先はグランドピアノ、第2優先はエレクトリックピアノ、というようにいくつかの優先順位で優先音色を設定するようにしてもよい。この場合、オリジナル曲のメロディパートのトラック以外の各トラックについて、各部分的区間毎に音符数(ノートオンイベント数)を検出し、この音符数と優先音色とを組み合わせてトラック抽出を行うようにしてもよい。例えば、優先順位1の音色のトラックでも或る部分的区間における音符数が0または少数ならばその区間ではそのトラックを抽出せずに、それよりも下位の優先順位の音色のトラックであって音符数が少なくないトラックを抽出する。あるいは、各部分的区間毎に音符数(ノートオンイベント数)を検出することに代えて、各部分的区間毎に音量レベル(音量ボリューム設定値とベロシティ値の合計)の総和を検出し、この音量レベル総和値と優先音色とを組み合わせてトラック抽出を行うようにしてもよい。あるいは、複数の優先音色を設定し、設定した複数の優先音色内では順位をつけずに、各部分的区間毎の前記音符数(ノートオンイベント数)あるいは前記音量レベル総和値を検出し、複数の優先音色に対応するトラックのうち、この検出値の最も大きいトラックを抽出するようにしてもよい。このアレンジ曲の伴奏用パートの音色として設定される音色(ピアノソロアレンジにあってはピアノ系の音色)を、優先させる音色として設定するようにすると、オリジナル曲の雰囲気をうまく引き継ぐことがしやすい。しかし、これに限らない。
【0032】
別の一例として、上記のように、オリジナル曲のメロディパートのトラック以外の各トラックについて、各部分的区間毎に音符数(ノートオンイベント数)を検出し、各部分的区間毎に音符数(ノートオンイベント数)の最も多いトラックを抽出するようにしてもよい。
また、別の一例として、上記のように、各部分的区間毎に音量レベル(音量ボリューム設定値とベロシティ値の合計)の総和を検出し、各部分的区間毎にこの音量レベル総和値の最も大きいトラックを抽出するようにしてもよい。
更に別の例として、各部分的区間毎の音符数と音量レベル総和値との組み合わせでトラック抽出を行うようにしてもよい。
【0033】
別の一例として、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラックとベースパートに該当するトラック以外のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出す一方で、オリジナル曲の演奏データのうちベースパートに該当するトラックの演奏データを少なくとも一部の区間で取り出し、取り出した前記各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに対して前記取り出した一部の区間のベースパートの演奏データを付加する(つまり合併・マージする)ことに基づきアレンジ曲における伴奏用パートの演奏データを生成するようにしてもよい。こうすれば、アレンジ曲における伴奏用パートにオリジナル曲のベースパートの演奏データが組み込まれるので、ベースの特徴を伴奏に生かしたアレンジを行うことがやりやすい。この場合、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラックとベースパートに該当するトラック以外のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出すやり方は、上述した伴奏データ用のトラック抽出法のどれを採用して実施してもよい。
【0034】
別の一例として、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパート、ベースパート及びドラムパート以外のパートに該当する複数のトラックのうち、各部分的区間毎に、音楽的に目立つ演奏データ(音符列)を含むトラックを抽出するようにしてもよい。音楽的に目立つ演奏データ(音符列)とは、例えば、その曲の基本リズム(ビート)にのっている音符列からなる部分、あるいはメロディックな音符列からなる部分、あるいは伴奏らしい音符列(例えばアルペジオ進行の音符列)からなる部分、である。
【0035】
図2に戻ると、ステップS8では、内部メモリ内に1次的な演奏データとしてストアされた、アレンジ曲のメロディトラックAMTの演奏データ及び/又は伴奏用トラックAATの演奏データに対して、適宜のデータ加工処理を施す。データ加工処理例としては、音符数(イベント数)を減少すること若しくは増加すること、あるいは各音符毎のベロシティ値を変更すること、あるいは各音符毎の音符長を変更すること、あるいはピッチベンドデータ等の制御データを削除して標準的な演奏データにすること、などがある。
【0036】
別の演奏データ加工例としては、アレンジ曲の伴奏用トラックAATの演奏データを加工するにあたって、オリジナル曲の演奏データのうち所定のドラム音(例えばバスドラム音)のパートの演奏データの発音タイミングを利用して、特定の発音イベントの演奏データを選択することである。これは、オリジナル曲のベースパートのトラックから取り出した演奏データの1小節中の音符数が多い場合、そのうち必要なベース音のみを選択するような場合に有効である。例えば、バスドラムの発音タイミングに一致するベース音は重要であるから、これを選択して残し、1小節中の残りのベース音の演奏データは削除する。こうして、精製したベースパートの演奏データを、他のトラックから抽出した演奏データに合併(マージ)すれば、低音部(ベース)が邪魔にならない程度の必要な音数だけ伴奏データ中に挿入することができる。
【0037】
別の演奏データ加工例として、アレンジ曲のメロディトラックAMTの演奏データ及び/又は伴奏用トラックAATの演奏データを加工するにあたって、曲の調又は各区間におけるコード(和音)に応じて付加音(ハーモニー音や装飾音など)の演奏データを生成し、生成した付加音の演奏データを、アレンジ曲のメロディパート又は伴奏パートの演奏データに付加するようにしてもよい。例えば、メロディパートにおいて一部の音に3度上の音程の音を追加してデュエット音を作ったり、伴奏パートにおいて和音構成音の一部を追加して伴奏音に厚みを作ったりするようにしてよい。あるいは、メロディパート又は伴奏パートにおいて、一部の音に装飾音を付加するようにしてもよい。すなわち、調音階音(スケールノート)やその区間でのコード構成音から適宜に選ばれた音高の音符を装飾音として付加する。また、装飾音ではなく、オリジナル曲における元の音符の音符長を1/2あるいは1/4の長さに縮め、その残りの長さ分の1又は複数の音符として、調音階音(スケールノート)やその区間でのコード構成音から適宜に選ばれた音高の音符を付加して、音符列に躍動感をつける、若しくは音に動きをつける、ようにしてもよい。これらの場合、曲の調を示す調データがオリジナル曲の演奏データに含まれている場合は、それを利用する。また、コード進行に従うコードデータがオリジナル曲の演奏データに含まれている場合は、それを利用する。また、これらの調データやコードデータがオリジナル曲の演奏データに含まれていない場合は、オリジナル曲のメロディトラックやその他のトラックの演奏データを分析することで、調データやコードデータを得るようにしてよい。また、ユーザがこれらのデータを入力してやるようにしてもよい。
【0038】
別の演奏データ加工例として、アレンジ曲のメロディトラックAMTの演奏データ及び/又は伴奏用トラックAATの演奏データを加工するにあたって、オリジナル曲から取り出した演奏データから同時演奏数を考慮して演奏データを減らすようにしてもよい。例えば、ピアノでは、右手及び左手共に、一般に同時演奏可能音数は最大で5であるから、同時演奏音数が6音以上ある場合は、5音以下になるように演奏データを減らす。また、1つの部分的区間内での演奏音数が多すぎたり、時間的に隣合う音符の間隔が離れすぎていたりして、実演奏テクニックの面で演奏困難であるような場合も、当該区間での演奏データを適宜減らす。その場合、どの演奏データを減らす(間引きする)かは音楽理論を考慮して優先順位を設定しておくとよい。例えば、伴奏用の演奏データを減らす(間引きする)場合は、メロディ音と響きの悪い音高(例えば2度音程)を優先的に間引きしたり、メロディ音と響きのよい音高でもメロディ音に対するその音程によって異なる優先順位をつけたり(例えば5度音程は3度音程に優先して間引く)、あるいは当該区間でのコード構成音に該当する音高の演奏データは他に優先して残すようにしたり、あるいはコード構成音の中でも優先順位をつけたり(例えば5度音は3度音に優先して間引く)、するようにしてよい。
上述の各データ加工処理に際して、加工対象の演奏データを発音して確認聴取できるようにしてもよい。
【0039】
図2のステップS9では、上述のような加工若しくは編集処理を終えたアレンジ曲のメロディトラックAMTの演奏データ及び伴奏用トラックAATの演奏データを、完成したアレンジ曲のメロディパート及び伴奏パートの演奏データとして内部メモリ又は外部メモリの所定の領域に保存する。
こうして、メロディをリードする右手演奏パート(メロディパート)の演奏データと伴奏を奏でる左手演奏パート(伴奏パート)の演奏データとがそれぞれピアノ系音色の音色データが付加されて生成され、ピアノソロタイプのアレンジを容易に行うことができる。なお、この第1の実施例は、ピアノソロタイプに限らず、ギターソロタイプなど任意の楽器のソロ演奏用アレンジに応用できる。その場合、図2ステップS3,S7でメロディパート及び伴奏パートに対応して設定される音色データは、当該ソロ楽器の音色に対応したものとされる。
【0040】
〔第2実施例〕
本発明に従う自動アレンジの第2の実施例として、「弾き語り」タイプのアレンジ処理例について説明する。図5は、「弾き語り」タイプの自動アレンジ処理を実行するプログラムの一例を略示するフロー図である。このプログラムはCPU1によって実行される。図6は、本実施例に従って「弾き語り」タイプの自動アレンジ処理を行い、オリジナル曲の演奏データからアレンジ曲の演奏データを生成する一例を、理解しやすくするために示す模式図である。
【0041】
まず、図6を参照して概要を説明する。アレンジ曲のメロディトラックAMTにストアする演奏データを、オリジナル曲のメロディパートのトラックから抽出するようにする点は、上記第1の実施例の場合と同様であってよい。ただし、「弾き語り」タイプのアレンジにあっては、メロディはボーカルパートであり、少なくとも伴奏用パートの音色(例えばピアノ系音色)とは異なる音色に設定する。アレンジ曲用の伴奏データを1次的に準備するために1つの伴奏トラックAATが準備され、ここに、上記第1の実施例の場合と同様に、オリジナル曲のメロディパートに該当するトラック以外のトラックから各部分的区間毎に取り出した演奏データを1次的にストアする。アレンジ曲用の1次的な伴奏用演奏データの取り出し方は、上記第1の実施例において説明した種々のやり方を適宜採用してよい。図6では、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラックTR1とベースパートに該当するトラックTR2以外のトラックの演奏データから各部分的区間1〜6毎の演奏データを選択的に取り出す一方で、オリジナル曲の演奏データのうちベースパートに該当するトラックTR2の演奏データを少なくとも一部の区間2〜5で取り出し、取り出した前記各部分的区間1〜6毎の演奏データの組み合わせに対して前記取り出した一部の区間2〜5のベースパートの演奏データを付加する(つまり合併・マージする)ことに基づきアレンジ曲における伴奏用パートの1次的な演奏データを生成し、1次伴奏トラックAATにストアする例を示している。こうすれば、1次伴奏トラックAATにストアした演奏データ中にベースパートの演奏データが組み込まれるので、次に、これを音域に応じて2つのパートに分離する場合にベースの特徴を生かした分離がしやすい。アレンジ曲用の2次的な伴奏用演奏データをストアするために2つの2次的伴奏トラック(左手伴奏トラックAAT1と右手伴奏トラックAAT2)が用意される。前述のように1次伴奏トラックAATにストアされた伴奏用パートの1次的な演奏データを、音域に応じて低音部と高音部の2つのパートに分離し、低音部パートの演奏データを左手伴奏トラックAAT1にストアし、高音部パートの演奏データを右手伴奏トラックAAT2にストアする。これらの2つの伴奏パートの音色は、共通であってよいし、あるいは異ならせてもよい。例えば、ピアノ弾き語りタイプであれば、これらの2つの伴奏パートの音色は、ピアノ系音色とする。この第2の実施例では、2パート分の伴奏パートのアレンジ演奏データを作成するにもかかわらず、1次処理でオリジナル曲に基づき作成する伴奏用パートの演奏データは1トラック分だけでよいため、各部分的区間毎の抽出処理等の手間がかからない、という利点がある。
【0042】
次に、図5を参照して具体的処理手順について説明する。図5において、ステップS1、S2、S4、S5、S8は、図2における同じ番号のステップでの処理と同じ内容の処理であるため、これらの詳しい説明は省略する。
ステップS13は図2のステップS3に対応するもので、該ステップS3での処理と同様にアレンジ曲のメロディパートの演奏データをオリジナル曲のメロディパートに該当するトラックから取り出すが、アレンジ曲のメロディパートの音色として非ピアノ系音色に設定する点が図2のステップS3での処理と相違している。この理由は上述の通り、この例ではピアノ系弾き語りタイプのアレンジをすることを意図しているので、メロディパートはピアノ系以外の音色とするのである。
【0043】
ステップS16は図2のステップS6に対応するもので、該ステップS6での処理と同様にオリジナル曲のメロディパートに該当するトラック以外のトラックから各部分的区間毎に特徴的な演奏データを持つトラックを抽出するが、後で2パートに分けることを考慮して、音数を増す若しくは音域を広くするために、各区間につきに複数のトラックを抽出する点が図2のステップS6での処理と相違している。
【0044】
ステップS17は図2のステップS7に対応するもので、該ステップS7での処理と同様に各部分的区間毎に抽出したトラックから演奏データを取り出して伴奏トラックAATにストアするが、この第2の実施例では、伴奏トラックAATは1次的なトラックであり、また、前ステップS16で各部分的区間毎に抽出した複数のトラックから取り出した演奏データをマージして1トラック分の演奏データを生成し、1次的伴奏用演奏データとして1次的伴奏トラックAATにストアする。なお、この例ではピアノ系弾き語りタイプのアレンジをすることを意図しているので、伴奏用パートはピアノ系音色に設定する。
【0045】
次のステップS8では、図2のステップS8と同様に、メロディトラックAMT及び伴奏トラックAATにストアされた演奏データに対して適宜の加工処理を施す。
次のステップS18は、この第2の実施例に特有の処理を行うものである。すなわち、1次伴奏トラックAATにストアされた演奏データを音域に応じて低音部と高音部の2つのパートに分離し、低音部パートの演奏データを左手伴奏トラックAAT1にストアし、高音部パートの演奏データを右手伴奏トラックAAT2にストアする。こうして、音域に応じた2パートの伴奏用演奏データを生成する。なお、ピアノ系弾き語りタイプの場合、低音部パートとは左手での鍵盤演奏に適したパートという意味であり、高音部パートとは右手での鍵盤演奏に適したパートという意味である。1トラックの演奏データを2パートに分離するやり方には種々のやり方があり、任意のものを採用してよい。
【0046】
その一例として、固定された音高を分割点として高音部と低音部に振り分けるようにしてもよい。この場合は、高音部と低音部の音域がそれぞれ固定される。別の一例として、所定区間毎の演奏データ中の最低音(又は最高音)を基準にして、そこから数えて所定数分の演奏データを低音部(又は高音部)に分類し、残りを高音部(又は低音部)に分類するようにしてもよい。この場合は、各所定区間毎に高音部と低音部の音域が実質的に変動することになり、かつ低音部(又は高音部)において所定数分の演奏音符を確保することができる。
別の一例として、所定区間毎の演奏データ中の最低音(又は最高音)を基準にして、そこから所定音域(例えば1オクターブ等)以内に存在する演奏データを低音部(又は高音部)に分類し、残りを高音部(又は低音部)に分類するようにしてもよい。この場合も、各所定区間毎に高音部と低音部の音域が実質的に変動することになる。
別の一例として、所定区間毎の演奏データ中の最低音と最高音の中間を分割点として高音部と低音部に振り分けるようにしてもよい。この場合も、各所定区間毎に高音部と低音部の音域が実質的に変動することになる。
【0047】
更に別の一例として、演奏時における右手と左手の理想的負荷率を、例えば右手70%、左手30%、というように設定し、この理想的負荷率をできるだけ満足させるように、分割点を可変的に決定するようにしてもよい。そのためには、例えば、所定区間の演奏データについて暫定的な分割位置で低音部と高音部に暫定的に分割し、この暫定的低音部と高音部に含まれる演奏データの音符数などからそれぞれの負荷率を計算し、この負荷率が理想的負荷率にできるだけ近づくように暫定的な分割位置をずらすことにより、理想的な分割位置を決定するようにするとよい。なお、負荷率の計算にあたっては、当該区間における暫定的低音部と高音部に含まれる演奏データの音符数のみならず、音符の並び具合や、運指の困難度などを数値化して計算アルゴリズムに組み入れるようにするのがよい。
【0048】
上記で暫定的な分割位置の決定の仕方としては、当該区間内の全演奏データの各音高をその音符長で重み付けして、各音高毎の合計音符長の分布図を作成し、該分布図において、低音域と高音域を理想的負荷率で分割できる位置を概略定め、その位置を暫定的な分割位置とするやり方がありうる。また、これにかぎらず、もっと単純に、例えば、当該区間内の演奏データの最低音と最高音の中間位置を暫定的な分割位置とするやり方でもよい。あるいは、当該区間内の演奏データの音高平均を求め、この平均値に該当する音高位置を暫定的な分割位置とするやり方でもよい。また、理想的負荷率に応じた分割点を決定するに際して、暫定的な分割位置を使用せずに、当該区間内の全演奏データの各音高をそれぞれ候補分割位置として、それぞれの場合の負荷率を計算し、その中で理想的負荷率に最も近い負荷率をもたらす音高位置を分割点と定めるようにしてもよい。
また、上述した各種の分割位置決定方法を適宜組み合わせて処理することで、1トラックの伴奏用演奏データを低音部と高音部の2パートに分離するようにしてもよい。
【0049】
図5に戻ると、ステップS19では、上述のような加工若しくは編集処理及び2パート分離処理を終えたアレンジ曲のメロディトラックAMTの演奏データ及び左手及び右手伴奏用トラックAAT1,AAT2の演奏データを、完成したアレンジ曲のメロディパート及び伴奏パートの演奏データとして内部メモリ又は外部メモリの所定の領域に保存する。
こうして、ボーカルパートに相当するメロディパートの演奏データには非ピアノ系音色の音色データが付加され、低音部と高音部の2パートからなる伴奏用の演奏データにはピアノ系音色の音色データが付加されて生成され、ピアノ系弾き語りタイプのアレンジを容易に行うことができる。なお、この第2の実施例は、ピアノ系弾き語りタイプに限らず、ギター系弾き語りタイプなど任意の楽器の弾き語り演奏用アレンジに応用できる。その場合、図5のステップS13でメロディパートに対応して設定される音色データは当該弾き語り楽器の音色に対応していないものとされ、ステップS17で伴奏パートに対応して設定される音色データは当該弾き語り楽器の音色に対応したものとされる。
なお、弾き語りアレンジの変形例として、2パートの伴奏用演奏データのみをアレンジ作成するようにしてもよい。その場合は、アレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成するための処理(例えば図5のステップS13,S4,S5の処理など)を省略してよい。
【0050】
〔第3実施例〕
本発明に従う自動アレンジの第3の実施例として、オリジナル曲以外の伴奏データを一部利用してアレンジ曲の伴奏用演奏データを作成する例について説明する。この第3の実施例は、上記第1及び第2の実施例のいずれのケースにおいても、アレンジ曲の伴奏用演奏データを作成する際に適用可能である。
図7は、第3の実施例の概念図である。複数トラックからなるオリジナル曲の演奏データに基づきアレンジ曲のメロディパートと伴奏パートの演奏データを生成する基本構成は、上記第1又は第2の実施例と同様である。この第3の実施例では、伴奏パターン発生部20を具備し、オリジナル曲の演奏データとは別に伴奏データを提供する。上記第1又は第2の実施例に従って各部分的区間ごとにオリジナル曲の各トラックの演奏データを選択するとき、適当な演奏データを持つトラックが検索できなかった区間に関して、伴奏パターン発生部20から適切な伴奏パターンに基づき発生された伴奏データを選択し、当該区間についてのアレンジ曲の伴奏用パートの演奏データとして採用する。伴奏パターン発生部20から発生する伴奏データは、1乃至数小節程度の短いパターンに基づく伴奏パターン音を和音に応じた音高で発生させるものであり、公知の伴奏パターン発生手段を採用してよい。これによって、伴奏アレンジをより豊富なバリエーションでかつ容易に行うことができる。
【0051】
〔各種の応用形態〕
上記各実施例に従う自動アレンジ装置及び方法における各種の応用形態について以下例示的に説明する。
図8は、上記各実施例に従って生成したアレンジ曲の演奏データに基づき、該アレンジ曲を実際に演奏して発音する応用形態を示す概念ブロック図である。上記各実施例に従ってオリジナル曲(ブロック30)に基づきアレンジ処理(ブロック31)が行われ、アレンジ曲のメロディパート及び伴奏用パートの演奏データが生成される。公知の自動演奏処理手順に従ってこのアレンジ曲の演奏データに基づく再生演奏処理(ブロック32)が行われ、再生される演奏データに対応する楽音信号が音源処理(ブロック33)で発生され、スピーカ(ブロック34)を介して音響的に発音される。図1との対応を示せば、例えば、再生演奏処理(ブロック32)はCPU1によって実行され、音源処理(ブロック33)は音源回路13で実行され、スピーカ(ブロック34)はサウンドシステム15に含まれる。
【0052】
図9は、上記各実施例に従って生成したアレンジ曲の演奏データに基づき、該アレンジ曲の楽譜を電子的ディスプレイ11(図1)で可視的に表示する、あるいはプリンタ12(図1)でプリントアウトして可視的楽譜印刷物を提供する応用形態を示す概念ブロック図であり、(A)はその基本的応用形態、(B)〜(E)はその改良的応用形態、を示す。上記各実施例に従ってオリジナル曲(ブロック30)に基づきアレンジ処理(ブロック31)が行われ、アレンジ曲のメロディパート及び伴奏用パートの演奏データが生成される。このアレンジ曲の演奏データに基づき楽譜化処理(ブロック35)が行われ、表示ドライバ(ブロック36)を介してディスプレイ11(図1)の画面にアレンジ曲の楽譜を表示する。あるいは、プリンタ12(図1)でプリントアウトしてアレンジ曲の楽譜印刷物を提供する。楽譜化処理(ブロック35)はCPU1によって実行される。楽譜の形式は、五線譜形式は勿論のこと、それに限らず他の任意の形式を採用してよい。
【0053】
図9(B)では、(A)に示す基本的応用形態に対して楽譜記号読出及び付加処理(ブロック37)が追加されている。この例では、オリジナル曲の演奏データには各演奏パート毎に楽譜記号を含んでおり、楽譜記号読出及び付加処理(ブロック37)では、アレンジ処理(ブロック31)においてオリジナル曲から取り出したトラックの当該部分的区間に対応して楽譜記号が存在しているならば、該楽譜記号をオリジナル曲のデータから読み出し、読み出した該楽譜記号を該部分的区間におけるアレンジ曲の楽譜記号として使用するように、楽譜化処理(ブロック35)を制御する。楽譜記号読出及び付加処理(ブロック37)はCPU1によって実行される。この楽譜記号とは、例えば、強弱記号、テンポ記号、反復記号、ペダル記号などである。このような楽譜記号の追加表示によって、印刷物等で提供されるアレンジ曲の楽譜表示物の品質が向上する。
【0054】
図9(C)では、(A)に示す基本的応用形態に対して楽譜記号生成処理(ブロック38)が追加されている。この例では、オリジナル曲の演奏データに楽譜記号を含んでいない場合、楽譜記号生成処理(ブロック38)において、アレンジ処理(ブロック31)で生成したアレンジ曲の演奏データから各種楽譜記号に対応する音楽的特徴を検出し、該検出した音楽的特徴に対応して楽譜記号を生成し、生成した楽譜記号を該アレンジ曲の楽譜記号として使用するように、楽譜化処理(ブロック35)を制御する。この音楽的特徴の検出は、アレンジ曲の特定のパート例えばメロディパートを対象にして行うようにしてよい。
一例として、強弱記号の生成は、1小節内又は適宜の所定区間内の演奏データに含まれる音量ボリューム設定値と各音符毎のベロシティ値及びエキスプレッションペダル値の総和を求め(例えば実際は各音符毎にこれらの値を掛算して各音毎のトータル音量値を求め、各音毎のトータル音量値を合計して当該区間内の音量総和値を求める)、この当該区間の音量総和値の大きさに応じて、当該区間が、ppp,pp,p,mp,mf,f,ff,fffなどの強弱記号のいずれに該当するかを判定する。この判定のために適宜の判定テーブルを参照するようにしてよい。
【0055】
強弱記号の生成の仕方の別の例として、演奏データにおける音符の時系列配列(トラジェクトリ)に対応して、各音符毎に音量ボリューム設定値とベロシティ値とエキスプレッションペダル値を掛算して各音符毎のトータル音量値を算出し、この各音符毎のトータル音量値の時系列的配列(トラジェクトリ)を得る。そして、この各音符毎のトータル音量値の時系列的配列(トラジェクトリ)を基に、分析を行って、強弱記号を生成するようにしてもよい。その具体的な手順としては、各音符毎のトータル音量値の時系列的配列(トラジェクトリ)において、各音符毎のトータル音量値を個別の強弱記号にそれぞれ変換し、各音符毎の強弱記号の時系列的配列(トラジェクトリ)を得る。そして、各音符毎の強弱記号の時系列的配列(トラジェクトリ)において隣接する音符間で強弱記号が一致しているものをグループ化し、グループ化された強弱記号の時系列的配列(トラジェクトリ)を得る。原則的には、グループ化された強弱記号の時系列的配列(トラジェクトリ)における各グループの先頭の音符の位置に対応して、該グループの強弱記号を付加する。
【0056】
上記例で、mp(メゾピアノ)やpp(ピアニシモ)等の記述的強弱記号に代えてアクセント記号(∨)をつける例について説明する。強弱記号を付与する区間の最小分解能に相当する記号付与区間最小値を定めておき、上記グループ化された強弱記号の時系列的配列(トラジェクトリ)における1グループの時間幅が記号付与区間最小値よりも短く、かつ、その両隣のグループの強弱記号が同じであり、かつ、該記号付与区間最小値よりも短い時間幅のグループの強弱記号がその両隣のグループの強弱記号よりも強い場合、該記号付与区間最小値よりも短い時間幅のグループの強弱記号をキャンセルし、その両隣のグループの強弱記号と同じ記号にし、これらを全て同じグループにすると共に、該記号付与区間最小値よりも短い時間幅のグループの音符の位置にアクセント記号(∨)をつける。
例えば、各音符毎の強弱記号の時系列的配列(トラジェクトリ)が、
「…pp,pp,pp,mp,mp,pp,pp,pp,…」
であるとし、「mp,mp」のグループの時間幅が記号付与区間最小値よりも短い場合、上記を全てグループとして「pp」記号を付与し、元の「mp,mp」のグループの音符の位置にアクセント記号(∨)をつける。
【0057】
図9に戻り、(D)では、(A)に示す基本的応用形態に対してマスタ楽譜記号生成処理(ブロック39)が追加されている。この例では、オリジナル曲の演奏データに全演奏パートに共通のマスタ楽譜記号(たとえぱテンポを増/減制御する記号)を含んでいる場合、マスタ楽譜記号生成処理(ブロック39)では、該オリジナル曲から読み出した共通のマスタ楽譜記号を、アレンジ処理(ブロック31)で生成したアレンジ曲の演奏データでも共通の楽譜記号として使用するように、楽譜化処理(ブロック35)を制御する。また、オリジナル曲の演奏データに共通のマスタ楽譜記号が含まれていない場合は、マスタ楽譜記号生成処理(ブロック39)では、アレンジ処理(ブロック31)で生成したアレンジ曲の演奏データから全パートに共通のマスタ楽譜記号に対応する音楽的特徴を検出し、該検出した音楽的特徴に対応してマスタ楽譜記号を生成し、生成したマスタ楽譜記号を該アレンジ曲のマスタ楽譜記号として使用するように、楽譜化処理(ブロック35)を制御する。例えば、テンポが徐々に遅くなる(又は速くなる)区間を検出した場合は、その区間に対応して「リタルダンド記号」(又は「アッチェレランド記号」)を挿入する。マスタ楽譜記号生成処理(ブロック39)はCPU1によって実行される。なお、マスタ楽譜記号生成処理(ブロック39)では、オリジナル曲からの読出に基づくマスタ楽譜記号付与処理のみを行い、アレンジ曲演奏データに基づくマスタ楽譜記号の生成処理は、(C)の楽譜記号生成処理(ブロック38)で行うようにしてもよい。
【0058】
図9(E)では、(A)に示す基本的応用形態に対して演奏支援情報生成処理(ブロック40)が追加されている。この演奏支援情報生成処理(ブロック40)では、アレンジ処理(ブロック31)で生成したアレンジ曲の演奏データから鍵盤演奏の運指情報のような演奏支援情報を生成し、生成した演奏支援情報を楽譜記号として使用するように、楽譜化処理(ブロック35)を制御する。この場合、楽譜に可視表示されるような演奏支援情報(運指情報)には様々なタイプのものがあってよい。例えば、「ゆっくり」とか「はやめに」とかの言葉で、弾き方をアドバイスするような情報であってもよい。また、演奏支援情報はアレンジ曲の演奏データに付属させて提供することで、該アレンジ曲の演奏データを再生するときに該演奏支援情報を一緒に読み出し、アレンジ曲の演奏ガイドを行うように制御することもできる。
【0059】
〔通信ネットワークを介在させた自動アレンジシステムへの応用〕
上記各実施例に従う自動アレンジ装置及び/又は方法を使用して、通信ネットワークを介在させた自動アレンジシステムを構築することができる。このシステムを使用する事業は、有償又は無償の楽曲自動アレンジビジネス若しくはアレンジ楽譜提供ビジネスとして展開することができる。
このシステムは、基本的には、複数のクライアントコンピュータと少なくとも1つのサーバーコンピュータが通信ネットワークを介して接続されてなる。クライアントコンピュータ及びサーバーコンピュータの基本的ハードウェア構成は、図1に示したものと同様であってよい。なお、ユーザー(クライアント)の依頼を受けてサーバーで自動アレンジ処理を行う業務形態をとるものとするため、図2及び図5等を参照して説明した自動アレンジ処理のためのプログラムは、少なくともサーバーコンピュータ側に具備していればよい。勿論、クライアントコンピュータの側にそのような自動アレンジ処理プログラムを具備する実施形態を排除するものではない。一方、サーバーコンピュータ側では、自動アレンジ処理のために必要なハードウェア及びソフトウェアを具備していればよいので、音源回路13や効果回路14、サウンドシステム15、演奏操作子9などは具備していなくてもよい。
【0060】
図10は、通信ネットワークを介してアレンジを提供するためのシステムの第1の実施形態を示す概略的なフローチャートである。左側で「クライアントコンピュータ」と標記されたフローは、クライアントコンピュータにおける処理の流れを略示している。右側で「サーバーコンピュータ」と標記されたフローは、サーバーコンピュータにおける処理の流れを略示している。
まず、ステップS31では、クライアント(ユーザー)がアレンジしたいオリジナル曲の演奏データを用意し、クライアントコンピュータにロードすることで、クライアントコンピュータが該オリジナル曲の演奏データを取得する。ステップS32では、取得したオリジナル曲の演奏データをクライアント(ユーザー)の操作に従って、通信ネットワーク18を介してサーバーに送信する。
サーバーコンピュータでは、通信ネットワーク18を介して送信されてきたオリジナル曲の演奏データを受信し内部メモリに取り込む(ステップS41)。これによって、クライアントコンピュータは、アレンジすべきオリジナル曲の演奏データを取得することになる。なお、この変形例として、クライアント側では、アレンジ依頼したいオリジナル曲の名称等の情報のみをサーバーに送信することでオリジナル曲を指定し、該指定されたオリジナル曲の演奏データはサーバー側の処理によって適宜のデータベースから取得するようにしてもよい。
【0061】
次に、サーバーコンピュータでは、上述の各実施例に従うやり方で、オリジナル曲の演奏データに基づきアレンジ曲の演奏データを生成し、これに対応する楽譜データを生成する(ステップS42,S43)。そして、生成したアレンジ曲の楽譜データを依頼元のクライアントコンピュータに対して通信ネットワーク18を介してディジタルデータ通信形式で配信する(ステップS44)。
依頼元のクライアントコンピュータ側では、サーバーからディジタルデータ通信形式で配信されたアレンジ曲の楽譜データを通信ネットワーク18を介して受信する(ステップS33)。そして、受信したアレンジ曲の楽譜データをディスプレイ表示したり、プリンタで印刷出力したりして使用する(ステップS34)。なお、サーバーから送信するアレンジ曲の楽譜データは、可視的に楽譜を表示するための画像データあるいはテキストデータ等のみからなっていて、アレンジ曲の自動演奏を可能にするMIDIデータ等の演奏データを含んでいなくてもよい。勿論、サーバーから送信するアレンジ曲の楽譜データと共にMIDIデータ等の演奏データを含むようにしてもよく、その場合は、該演奏データに基づき自動演奏を行わせることでユーザー(クライアント)はアレンジ曲のできばえを即座に確認できる。
【0062】
図11は、通信ネットワークを介してアレンジを提供するためのシステムの第2の実施形態を示す概略的なフローチャートである。この第2の実施形態では、クライアントコンピュータからサーバーコンピュータに対するアレンジ依頼(オリジナル曲の演奏データの送付)は通信ネットワーク18を介してディジタルデータ通信形式で行うが、サーバーコンピュータで完成したアレンジ曲の楽譜データは、ファクシミリでユーザー(クライアント)に電子写真電送される。図11において、図10と同一符号のステップは同一処理を行うので詳しい説明は省略する。この場合、サーバーコンピュータでは完成したアレンジ曲の楽譜をプリンタで印刷出力し(ステップS45)、この楽譜をファクシミリでユーザー(クライアント)に電子写真電送する(ステップS46)。なお、サーバーコンピュータがアレンジ曲の楽譜データを印刷出力することなく、ファクシミリ電送できる機能を有している場合は、ステップS45は省略できる。
ユーザー(クライアント)側では、サーバーからファクシミリ電送されてきたアレンジ曲の楽譜を自己のファクシミリ装置で受信し(ステップS35)、受信した楽譜を印刷出力する(ステップS36)。
【0063】
図12は、通信ネットワークを介してアレンジを提供するためのシステムの第3の実施形態を示す概略的なフローチャートである。この第3の実施形態では、クライアントコンピュータからサーバーコンピュータに対するアレンジ依頼(オリジナル曲の演奏データの送付)は通信ネットワーク18を介してディジタルデータ通信形式で行うが、サーバーコンピュータで完成したアレンジ曲の楽譜データは、郵便又は宅配便等でユーザー(クライアント)に配達される。図12において、図10、図11と同一符号のステップは同一処理を行うので詳しい説明は省略する。この場合、サーバーコンピュータでは完成したアレンジ曲の楽譜をプリンタで印刷出力し(ステップS45)、この楽譜印刷物を郵便又は宅配便等でユーザー(クライアント)宛に送付する(ステップS47)。ユーザー(クライアント)側では、サーバーから配達されてきたアレンジ曲の楽譜印刷物を受理する(ステップS37)。
【0064】
上記実施例では、アレンジのタイプが「ピアノソロ」タイプ(若しくはその他楽器のソロタイプ)と「弾き語りタイプ」の例について説明したが、これらのタイプの例示は説明のための便宜的一例にすぎないものである。よって、本発明の要旨はこれらのタイプ名や実施例に限定されるものではない。
また、本発明で「演奏データ」とは、MIDIデータ等の自動演奏データに限定されるものではなく、楽譜データ等をも含むものであり、要するに演奏に関連するデータであればよい。
また、「オリジナル曲」及び「アレンジ曲」のいずれにおける演奏データの形式も、MIDI規格のものに限定されず、カラオケ曲や携帯通信端末用の着信メロディ等で使用されているように非MIDI規格のデータであってもよい。
また、「オリジナル曲」及び「アレンジ曲」の演奏データのデータ形式が相違していてもよい。その場合は、例えば、上記各実施例に従って、まず、「オリジナル曲」の演奏データと同じデータ形式で「アレンジ曲」の演奏データを生成し、その後、生成した「アレンジ曲」の演奏データを所望のデータ形式に変換すればよい。あるいはその逆に、まず「オリジナル曲」の演奏データを所望のデータ形式に変換し、その後、上記各実施例に従って、「オリジナル曲」の演奏データから「アレンジ曲」の演奏データを生成するようにしてもよい。
また、もちろん、本発明は、図10〜12に示したような通信ネットワークを介在させたシステム構成に限らず、図1に示すような単体装置だけでもって構成することもできるものである。
【0065】
【発明の効果】
以上の通り、この発明によれば、アレンジ曲の伴奏用パートの演奏データは、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラック以外のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき生成されるので、オリジナル曲における各部分的区間毎の伴奏の良い部分を取り出すことで、比較的簡単に、オリジナル曲の雰囲気を生かした、良い伴奏アレンジを作成できる。
また、オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラック以外のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき1次的な伴奏用データを生成し、この1次的な伴奏用データを音域に応じて2つのパートに分けることにより2つの伴奏用パートの演奏データを生成するようにした場合は、2パートからなるアレンジを容易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る自動アレンジ装置及び方法を実施するために使用可能な電子楽器若しくはコンピュータのハード構成例を示すブロック図。
【図2】 図1のCPUで実行可能な本発明の一実施例に従う自動アレンジ処理のプログラムの一例を略示するフロー図。
【図3】 図2の実施例に従って「ピアノソロ」タイプの自動アレンジ処理を行い、オリジナル曲の演奏データからアレンジ曲の演奏データを生成する一例を、理解しやすくするために示す模式図。
【図4】 図2の実施例においてアレンジ曲のメロディパートの演奏データをマージで作成する例を理解しやすくするために示す模式図。
【図5】 図1のCPUで実行可能な本発明の別の一実施例に従う自動アレンジ処理のプログラムの一例を略示するフロー図。
【図6】 図5の実施例に従って「弾き語り」タイプの自動アレンジ処理を行い、オリジナル曲の演奏データからアレンジ曲の演奏データを生成する一例を、理解しやすくするために示す模式図。
【図7】 本発明の更に別の一実施例に従う自動アレンジ処理の概念的略図。
【図8】 上記各実施例に従って生成したアレンジ曲の演奏データに基づき、該アレンジ曲を実際に演奏して発音する応用形態を示す概念的ブロック図。
【図9】 上記各実施例に従って生成したアレンジ曲の演奏データに基づき、該アレンジ曲の楽譜を電子的ディスプレイで可視的に表示する、あるいはプリンタでプリントアウトして可視的楽譜印刷物を提供する応用形態を示す概念的ブロック図であり、(A)はその基本的応用形態、(B)〜(E)はその改良的応用形態、を示す。
【図10】 通信ネットワークを介してアレンジを提供するためのシステムの第1の実施形態を示す概略的なフローチャート。
【図11】 通信ネットワークを介してアレンジを提供するためのシステムの第2の実施形態を示す概略的なフローチャート。
【図12】 通信ネットワークを介してアレンジを提供するためのシステムの第3の実施形態を示す概略的なフローチャート。
【符号の説明】
1 CPU
2 リードオンリメモリ(ROM)
3 ランダムアクセスメモリ(RAM)
6 外部記憶装置ドライブ
7 MIDIインタフェース
8 通信インタフェース
9 演奏操作子(鍵盤等)
10 パネル操作子
11 ディスプレイ
12 プリンタ
13 音源回路
20 伴奏パターン発生部

Claims (27)

  1. 複数トラックの演奏データからなるオリジナル曲の演奏データを取得する手段と、
    前記オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラックの演奏データを取り出し、取り出した該トラックの演奏データを基にしてアレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成するアレンジメロディ生成手段と、
    前記オリジナル曲の演奏データのうち前記メロディパートに該当するトラック以外の複数のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づきアレンジ曲における少なくとも1つの伴奏用パートの演奏データを生成するアレンジ伴奏生成手段と
    を具える自動アレンジ装置。
  2. 前記アレンジ伴奏生成手段は、前記取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき1つの伴奏用パートの演奏データを1次的に生成し、1次的に生成した1つの伴奏用パートの演奏データを音域に応じて2つのパートに分けることにより2つの伴奏用パートの演奏データを生成する請求項1に記載の自動アレンジ装置。
  3. 前記アレンジメロディ生成手段は、前記オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当する1トラックの演奏データを取り出すと共に、前記オリジナル曲の演奏データのうち前記1トラック以外の他のトラックの演奏データから一部の区間の演奏データを取り出し、取り出した前記1トラックの演奏データに前記他のトラックの一部の区間の演奏データを追加することに基づき前記アレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成する請求項1又は2に記載の自動アレンジ装置。
  4. 前記アレンジメロディ生成手段では、前記オリジナル曲の演奏データから取り出した前記メロディパートに該当する1トラックの演奏データのうち所定期間以上の無音区間を検出する手段を含み、検出した無音区間に対応して前記他のトラックの一部の区間の演奏データを取り出し、取り出した前記1トラックの演奏データの前記無音区間に前記他のトラックの一部の区間の演奏データを追加することに基づき前記アレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成する請求項3に記載の自動アレンジ装置。
  5. 前記アレンジ伴奏生成手段では、前記アレンジメロディ生成手段において前記アレンジ曲のメロディパートの演奏データとして使用された前記他のトラックの前記一部の区間の演奏データは、前記アレンジ曲の伴奏用パートの演奏データとして使用しないようにする請求項3又は4に記載の自動アレンジ装置。
  6. 優先させる音色を設定する手段を具備し、前記アレンジ伴奏生成手段は、前記オリジナル曲の演奏データのうちメロディパート以外のパートのうち前記優先させる音色に該当するパートの演奏データを優先して、前記部分的区間の演奏データを取り出す請求項1乃至5のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  7. 前記アレンジ曲の伴奏用パートの音色として設定される音色を、前記優先させる音色として設定する請求項6に記載の自動アレンジ装置。
  8. 前記アレンジ伴奏生成手段は、前記オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラックとベースパートに該当するトラック以外のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出すと共に、前記オリジナル曲の演奏データのうちベースパートに該当するトラックの演奏データを少なくとも一部の区間で取り出し、取り出した前記各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに対して前記取り出した一部の区間のベースパートの演奏データを付加することに基づきアレンジ曲における前記少なくとも1つの伴奏用パートの演奏データを生成する請求項1乃至5のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  9. 前記アレンジメロディ生成手段は、前記オリジナル曲から取り出した演奏データを加工し、加工した演奏データをアレンジ曲のメロディパートの演奏データとして使用することを含み、
    前記アレンジ伴奏生成手段は、前記オリジナル曲から取り出した演奏データを加工し、加工した演奏データをアレンジ曲の伴奏パートの演奏データとして使用することを含む請求項1乃至のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  10. 前記アレンジ伴奏生成手段における演奏データの加工は、特定の発音イベントの演奏データを選択し、選択した演奏データをアレンジ曲の伴奏パートの演奏データとして使用することを含み、前記オリジナル曲の演奏データのうち所定のドラム音のパートの演奏データの発音タイミングを利用して該特定の発音イベントの演奏データの選択を行なうようにした請求項に記載の自動アレンジ装置。
  11. 前記アレンジメロディ生成手段及び前記アレンジ伴奏生成手段の少なくとも一方は、曲の調又はコードに応じて付加音の演奏データを生成する手段を含み、生成した付加音の演奏データを、アレンジ曲のメロディパート又は伴奏パートの演奏データに付加する請求項1乃至のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  12. 前記アレンジメロディ生成手段及び前記アレンジ伴奏生成手段の少なくとも一方は、前記オリジナル曲から取り出した演奏データから同時演奏数を考慮して演奏データを減らすことを含む請求項1乃至のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  13. 前記オリジナル曲の演奏データは、該オリジナル曲の曲構成を音楽的区間で区別するセクション情報を含んでおり、
    前記アレンジ伴奏生成手段は、前記セクション情報が示す音楽的区間毎に、前記オリジナル曲の演奏データのうち前記メロディパートに該当するトラック以外の前記複数のトラックの演奏データから該区間毎の演奏データを選択的に取り出すことを含む請求項1乃至12のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  14. 更に、前記オリジナル曲の演奏データとは別に伴奏データを提供する伴奏データ提供手段を具備し、
    前記アレンジ伴奏生成手段は、前記オリジナル曲の演奏データのうち前記メロディパートに該当するトラック以外のトラックの演奏データと前記伴奏データ提供手段からの伴奏データとから各部分的区間毎に演奏データまたは伴奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データ及び伴奏データの組み合わせに基づきアレンジ曲における前記少なくとも1つの伴奏用パートの演奏データを生成する請求項1乃至13のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  15. 複数トラックの演奏データからなるオリジナル曲の演奏データを取得する手段と、
    前記オリジナル曲の複数のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき1トラック分のアレンジ曲演奏データを生成する1次的データ生成手段と、
    前記生成した1トラック分のアレンジ曲演奏データを音域に応じて2つのパートに分けることにより2トラックからなるアレンジ曲の演奏データを生成する2次的データ生成手段と
    を具える自動アレンジ装置。
  16. 前記オリジナル曲の演奏データは、各演奏パート毎に楽譜記号を含んでおり、
    前記オリジナル曲から取り出した演奏データに対応して楽譜記号が存在しているならば、該楽譜記号をアレンジ曲の楽譜記号として使用するようにした請求項1乃至15のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  17. 生成した前記アレンジ曲の演奏データから各種楽譜記号に対応する音楽的特徴を検出する手段を含み、検出された音楽的特徴に対応して楽譜記号を生成し、生成した楽譜記号を該アレンジ曲の演奏データに付属させて提供するようにした請求項1乃至15のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  18. 前記オリジナル曲の演奏データは、全演奏パートに共通の楽譜記号を含んでおり、
    前記共通の楽譜記号を前記生成したアレンジ曲の演奏データに共通の楽譜記号として使用する請求項1乃至15のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  19. 前記生成したアレンジ曲に関連して演奏支援情報を供給する手段を含み、該演奏支援情報を該アレンジ曲の演奏データに付属させて提供するようにした請求項1乃至18のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  20. 生成した前記アレンジ曲の演奏データを楽譜形式で可視的に提供する手段を更に具えた請求項1乃至19のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  21. 前記オリジナル曲の演奏データを取得する手段では、通信ネットワークを介したクライアントからの依頼に基づき該クライアントのコンピュータから該オリジナル曲の演奏データを取得し、
    前記生成したアレンジ曲の演奏データを通信ネットワークを介して前記クライアント宛に配信する手段を更に具えた請求項1乃至19のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  22. 前記オリジナル曲の演奏データを取得する手段では、通信ネットワークを介したクライアントからの依頼に基づき該オリジナル曲の演奏データを取得し、
    前記生成したアレンジ曲の演奏データの楽譜を通信ネットワークを介して前記クライアント宛にファクシミリ配信する手段を更に具えた請求項1乃至19のいずれかに記載の自動アレンジ装置。
  23. コンピュータに、
    複数トラックの演奏データからなるオリジナル曲の演奏データを取得するステップと、
    前記オリジナル曲の演奏データのうちメロディパートに該当するトラックの演奏データを取り出し、取り出した該トラックの演奏データを基にしてアレンジ曲のメロディパートの演奏データを生成するステップと、
    前記オリジナル曲の演奏データのうち前記メロディパートに該当するトラック以外の複数のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づきアレンジ曲における少なくとも1つの伴奏用パートの演奏データを生成するステップと
    実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
  24. 前記アレンジ曲における少なくとも1つの伴奏用パートの演奏データを生成するステップは、前記取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき1つの伴奏用パートの演奏データを1次的に生成し、1次的に生成した1つの伴奏用パートの演奏データを音域に応じて2つのパートに分けることにより2つの1つの伴奏用パートの演奏データを生成する請求項23に記載の記憶媒体。
  25. 前記プログラムは、コンピュータに、更に、前記オリジナル曲の演奏データとは別に伴奏データを提供する伴奏データ提供ステップを実行させることを含み
    前記アレンジ曲における少なくとも1つの伴奏用パートの演奏データを生成するステップは、前記オリジナル曲の演奏データのうち前記メロディパートに該当するトラック以外のトラックの演奏データと前記伴奏データ提供手段からの伴奏データとから各部分的区間毎に演奏データまたは伴奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データ及び伴奏データの組み合わせに基づきアレンジ曲における前記少なくとも1つの伴奏用パートの演奏データを生成する請求項23又は24に記載の記憶媒体。
  26. コンピュータに、
    複数トラックの演奏データからなるオリジナル曲の演奏データを取得するステップと、
    前記オリジナル曲の複数のトラックの演奏データから各部分的区間毎の演奏データを選択的に取り出し、取り出した各部分的区間毎の演奏データの組み合わせに基づき1トラック分のアレンジ曲演奏データを生成するステップと、
    前記生成した1トラック分のアレンジ曲演奏データを音域に応じて2つのパートに分けることにより2トラックからなるアレンジ曲の演奏データを生成するステップと
    実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
  27. 前記オリジナル曲の演奏データを取得するステップは、通信ネットワークを介したクライアントからの依頼に基づき該クライアントのコンピュータから該オリジナル曲の演奏データの提供を受ける請求項23乃至26のいずれかに記載の記憶媒体。
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