JP3777976B2 - 演奏情報解析装置及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、演奏情報の音高解析を行い調や和音などを検出するのに好適な演奏情報解析装置、方法及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、SMF(Standard MIDI File)形式の演奏情報を解析して音高成分から調や和音を検出する場合、解析に利用される音高成分としては、発音する音高を表わす音高データ(ノートナンバデータ)のみであった。一般に、再生時に発音される実際の音高は、ノートナンバデータに対して音高変更データ(ピッチベンドチェンジデータ又はピッチチェンジデータ)を反映させたものであり、ノートナンバデータのみで解析を行うと間違えた音高で解析することになる。従って、この解析により得られる調や和音は、解析した演奏情報に最適なものとならない場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような従来技術の欠点に鑑み、演奏情報の音高解析を正確に行うことができ、演奏情報に最適な調や和音を検出することができる演奏情報解析システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の主たる特徴に従うと、音高データ及び音高変更データを含む演奏情報を解析する演奏情報解析装置であって、演奏情報中の音高データで表わされる音高を音高変更データに応じて変換する音高変換手段と、変換後の音高に基づいて演奏情報を解析する解析手段とを具備する演奏情報解析装置(請求項1)、並びに、音高データ及び音高変更データを含む演奏情報を解析する演奏情報解析装置として機能するコンピュータに、演奏情報中の音高データで表わされる音高を音高変更データに応じて変換するステップと、変換後の音高に基づいて演奏情報を解析するステップとから成る手順を実行させるプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体(請求項5)が提供される。
【0005】
この発明による演奏情報解析装置においては、解析手段は、変換後の音高から成る音高列を生成し、生成された音高列を解析する(請求項2)ように構成される。この発明による演奏情報解析装置においては、さらに、音高変更データの変化に基づいて、一つの音高データで表わされる楽音を複数の楽音に分割する手段を具備し、音高変換手段は、分割後の楽音を音高変更データに応じて変換する(請求項3)ように構成される。また、この発明による演奏情報解析装置においては、解析手段は、演奏情報に含まれている音高の頻度を解析し、解析結果に基づいて、演奏情報に適した調又は和音を決定する(請求項4)ように構成される。
【0006】
〔発明の作用〕
この発明の主たる特徴によると、音高データ(ノートナンバデータ)及び音高変更データ(ピッチチェンジデータ)を含む演奏情報を解析するに際し、演奏情報中の音高データが表わす音高を、対応する音高変更データで変換し、変換後の音高を利用して演奏情報を解析するようにしている(なお、括弧書きは、理解の便のために、後で詳述する実施例において用いられる対応用語である。)。従って、演奏情報の音高解析を正確に行うことができ、演奏情報に最適な調や和音を検出することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0008】
〔ハードウエア構成〕
図1には、この発明の一実施例による演奏情報解析システムのハードウエア構成のブロック図が示されている。このシステムの例では、パーソナルコンピュータ(PC)端末に、演奏情報解析プログラムを含むソフトウエアをインストールし、ユーザは、操作子、表示装置、電子楽器を使って演奏情報解析処理を実行する構成がとられている。システムは、中央処理装置(CPU)1、タイマ2、読出専用メモリ(ROM)3、ランダムアクセスメモリ(RAM)4、外部記憶装置5、検出回路6、表示回路7などの外に、音源回路8や通信インターフェイス(I/F)9、MIDIインターフェース(I/F)10などを備え、これらの装置1〜10は、通信バス11を介して互いに接続されている。
【0009】
システム全体を制御するCPU1は、所定のソフトウエア・プログラムに従いタイマ2によるクロックを利用して種々の制御を行い、特に、後述する演奏情報解析処理などを中心的に遂行する。ROM3には、このシステムを制御するための所定の制御プログラムが記憶されており、これらの制御プログラムには、基本的な情報処理と共に、この発明による演奏情報解析処理プログラムや、演奏情報作成処理、演奏情報再生処理などに関する各種プログラムの外、これらの処理に付随する各種テーブル及び各種データが含まれる。例えば、予め用意された演奏情報や、演奏情報解析時に利用されるテーブル(調や和音を検出するためのルールを記憶したテーブル)などが記憶されている。また、RAM4には、これらの処理に際して利用されるフラグやバッファなどが記憶され、特に、演奏情報解析処理で用いられる演奏情報や解析音高列情報が記憶される。
【0010】
外部記憶装置5は、ハードディスクドライブ(HDD)の外に、コンパクトディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)、フロッピィディスク(FD)、光磁気(MO)ディスク、ディジタル多目的ディスク(DVD)、メモリカード等の可搬型記憶媒体を用いた装置から成り、各種制御プログラムや各種データを記憶することができ、演奏情報ファイル内には演奏情報が記憶される。例えば、演奏情報解析などに必要なプログラムや各種データは、ROM3を利用するだけでなく、外部記憶装置5からRAM4内に読み込むことができ、必要に応じて、処理結果を外部記憶装置5に記録しておくこともできる。
【0011】
検出回路6には操作子装置12が接続され、操作子装置12は、各種の設定や情報入力を行うためにユーザが用いるキーボード及びポインチングデバイス(マウス等)を備える。なお、操作子については、これらに限らず、特殊なスイッチや電子演奏などに特化した操作子など、情報入力用操作子として利用できるものであればどのようなものであってもよい。表示回路7はディスプレイ13や各種インジケータを備えており、ディスプレイ13上には、ポインチングデバイス等の操作子で操作可能なカーソルやスイッチボタンが表示される。
【0012】
音源回路8には、DSP等で構成される効果回路やスピーカを含むサウンドシステム14が接続されており、RAM4などに記憶される演奏情報などを読み出して、対応する楽音を発音再生することができる。また、通信I/F9には、ローカルエリアネットワーク(LAN)やインターネット、電話回線等の通信ネットワーク15が接続され、通信ネットワーク15を介してサーバコンピュータ等から制御プログラムや演奏情報などの各種データを外部記憶装置5にストアすることもできる。
【0013】
MIDII/F10には、電子楽器などの演奏情報発生源16が接続され、演奏情報をMIDI形式で授受することができる。なお、図1は、PC端末を用いるシステムについて説明したが、電子楽器を用いて演奏情報解析システムを構成してもよい。いずれの場合も、電子楽器は、打楽器型、鍵盤型、管楽器型、弦楽器型など、どのようなものであってもよい。
【0014】
〔演奏情報の構成例〕
図2は、この発明の一実施例による演奏情報解析システムにおいて解析対象となる演奏情報の一構成例である。演奏情報は、楽曲を再生(自動演奏)させるための情報であり、例えば、SMFの形式で外部記憶装置5の演奏情報ファイル内に記憶されている。以下の実施例では、複数あるパートのうちのメロディパートを解析対象のパート(解析パート)とし、メロディパートの情報(メロディ情報)の内容が解析される。
【0015】
この演奏情報は、図2の左側に示されるように、設定情報、メロディ情報及び伴奏情報から成る。設定情報は、自動演奏の際(再生時)の各種の再生態様を設定するための情報であり、テンポデータ、音色データ、音量データなどが含まれる。また、メロディ情報及び伴奏情報は、楽曲の再生内容を表わす情報である。つまり、メロディ情報は、主旋律を再生するための情報であり、伴奏情報は、和音演奏、べース演奏、リズム演奏などの主旋律以外の部分を再生するための情報である。メロディ情報及び伴奏情報は、図2の右側に示されるように、各パート毎にタイミングデータとイベントデータの組みが再生進行順に記憶されたものである。
【0016】
タイミングデータは、これに続いて記憶されるイベントが処理されるべき時間(タイミング)を表わすデータあり、イベントデータは、楽曲を再生させるための各種イベントの内容を表わすデータである。それぞれのイベントデータはタイミングデータと対応して記憶されており、一つのタイミングに複数のイベントが対応している場合もある。イベントの内容には、ノートオンイベント、ピッチチェンジ(変更)イベント、ノートオフイベント、テンポチェンジ(変更)イベント、音色チェンジ(変更)イベントなどがある。
【0017】
図3は各イベントデータ例を示すものであり、図3(a)はノートオンイベントデータの構成例を示し、図3(b)はピッチチェンジイベントデータの構成例を示す。ノートオンイベントデータは、楽音の発音を指示するデータであり、図3(a)にも示すように、ステータスデータ、ノートナンバデータ、ゲートタイムデータ、ベロシティデータ、チャンネルデータなどを含む。
【0018】
ここで、ステータスデータ(「ステータス」と呼ぶ。)は、当該イベントデータがノートオンイベントデータであることを表わすデータであり、ノートナンバデータ(「ノートナンバ」と呼ぶ。)は、発音する楽音の音高を表わすデータ(音高データ)であり、ゲートタイムデータ(「ゲートタイム」と呼ぶ。)は、発音する楽音の発音長を表わすデータである。その他のデータについては、例えば、べロシティデータは、発音する楽音の音量を表わすデータであり、チャンネルデータは、当該イベントデータを処理する(MIDI)チャンネルを表わすデータである。
【0019】
次に、ピッチチェンジイベントデータ(「ピッチチェンジ」と呼ぶ。)は、音高の変更量(変更値)を指示するデータであり、図3(b)に示されるように、ステータスデータ、変更量データ、チャンネルデータなどを含む。ここで、ステータスデータ(「ステータス」)は、当該イベントデータがピッチチェンジイベントデータであることを表わすデータであり、変更量データ(「変更量」又は「変更値」と呼ぶ。)は、音高の変更量(値)を表わすデータ(音高変更データ)であり、チャンネルデータは、当該イベントデータを処理する(MIDI)チャンネルを表わすデータである。
【0020】
〔演奏情報解析処理〕
この発明の一実施例による演奏情報解析システムにおいては、「演奏情報解析処理」プログラム(解析処理)を含むソフトウェアを実行することができ、このソフトウエアには、操作子装置12の操作子を用いて入力される楽譜情報等に基づいて演奏情報を作成し、外部記憶装置5に格納する「演奏情報作成処理」や、このようにしてシステム内で作成された演奏情報或いは電子楽器などの演奏情報入力源16からの演奏情報を再生する「演奏情報再生処理」を実行するためのプログラムなども含まれている。図4は、この発明の一実施例による演奏情報解析処理の動作例を表わすフローチャートである。この解析処理フローは、演奏情報解析プログラム(解析処理)を含むソフトウェアを起動した後に、解析したい演奏情報及びパートを選択し、操作子装置12において解析開始を指示するための所定の解析開始スイッチを操作すると、起動する。
【0021】
この処理フローがスタートすると、最初のステップS1で、今回の解析対象となるノートオンを検出する。つまり、解析対象とされた演奏情報のメロディ情報の先頭からノートオンを一つずつ検出していく。次のステップS2で「ノートオン有り」が判定されると(YES)、ステップS3に進み、ノートオンが検出される毎に音高決定処理が行われる。
【0022】
次いで、ステップS4において、ステップS3での音高決定処理により決定された音高を、対応するゲートタイムと共に、解析音高列情報に追記する。解析音高列情報は、解析毎にRAM4内に用意される解析用バッファであり、このバッファ内に、音高決定処理により決定された音高が、その音高の発音長を表わす情報(ゲートタイム)と共に順に記憶される。つまり、解析音高列情報には、ピッチチェンジデータを反映させた後の解析対象パートの音高列が記憶されることになる。ステップS4の追記の後は、ステップS1に戻って次のノートオンを検出し、ステップS2で「ノートオン有り」が判定される毎にステップS3,S4の処理を繰り返し、メロディ情報の先頭からノートオンの検出ごとに音高の決定及び追記を順次行っていく。
【0023】
ステップS2で、「ノートオン有り」が判定されなくなると(NO)、ステップS5に進んで、作成された解析音高列情報に基づいて、解析対象の演奏情報に対応する調や和音を判定する。つまり、ステップS5では、メロディ情報の全ノートオンの音高決定が終了した後の解析音高列情報から、従来からある方法を利用して、調や和音を検出する。そして、調や和音を判定する処理を実行した後、この処理フローを終了する。
【0024】
〔音高決定処理〕
この発明の一実施例においては、読み出したノートオンのノートナンバに、対応するピッチチェンジの変更値(変更量)を考慮して、実際の解析(調や和音を検出する処理)に利用する音高を決定するための音高決定処理が実行される。図5は、この発明の一実施例による音高決定処理の動作例を表わすフローチャートである。この音高決定処理は、前述した演奏情報解析処理(図4)のステップS3で実行される。
【0025】
この処理ルーチンの第1ステップR1では、検出されたノートオン(今回ノートオン)の音高に影響を及ぼすピッチチェンジを検出する。つまり、今回ノートオンが開始される前に設定されているピッチチェンジも検出する。これにより、今回ノートオンの発音開始以前にピッチチェンジが行われている場合には、そのピッチチェンジによる変更量も考慮して音高決定を行う。
【0026】
次のステップR2で「ピッチチェンジ有り」が判定されたときは(YES)ステップR3に進むが、そうでないときは(NO)、ステップR4に進んで、今回ノートオンのノートナンバ(音高)及びゲートタイムを、そのまま、今回ノートオンの区間における音高及びゲートタイムに決定し、演奏情報解析処理のステップS4にリターンする。
【0027】
ステップR2からステップR3に進んだときは、今回ノートオンの発音長に相当する区間を、ピッチチェンジの出現タイミングを区切りとした区間に分割し、続くステップR5において、区間毎に、ピッチチェンジの変更値をノートオンのノートナンバに反映させて、音高を算出(決定)する。ここで、算出される音高は、ノートナンバにピッチチェンジの変更値を反映させた音の高さを12音階の何れかに丸め込んだもとする。
【0028】
次に、ステップR6にて、連続する区間で音高が同一となっている箇所を検出し、音高同一の連続区間を一つの区間に修正し、さらに、ステップR7において、ステップR5,R6で算出乃至区間修正されたそれぞれの音高について、そのの発音長(ゲートタイム)を算出し、演奏情報解析処理のステップS4にリターンする。
【0029】
〔音高決定の処理例〕
この発明の一実施例による演奏情報解析システムでは、演奏情報解析処理のステップS3(図4)で、上述した音高決定処理(図5)が実行される。図6は、この発明の一実施例による音高決定の処理例を表わす図である。この演奏情報解析システムでは、図6(a)〜(c)に示される経過を経て、音高データ(ノートナンバデータ)N1〜N3及び音高変更データ(ピッチチェンジデータ:次のピッチチェンジデータの出現まで各ノートに影響を及ぼす。)B1〜B3を含む演奏情報から音高列N1A〜N3Aを生成する。つまり、演奏情報中の音高データN1,N2,N3で表わされる音高を音高変更データB1,B2,B3に応じて音高N1A,N2A,N2B,…に変換する。
【0030】
図6の例では、音高変更データは、時点t2,t3,t4にて変更量(値)B1〜B3をもって変化し、音高データN2,N3の音高に影響を与える。音高データN2は、この変化に基づいて複数の楽音N21〜N24に分割され、分割後の楽音が音高変更データB1〜B3により音高N2A〜N2Cに変換される。また、音高データN3は、音高N31への音高変換を介して音高N3Aに変換される。そして、このような変換を介して得られた音高列N1A〜N3Aにつき音高出現頻度を解析し、演奏情報に適した調又は和音を決定する。
【0031】
このような音高決定の処理内容をより具体的に説明する。図6(a)は、ノート列N1〜N3のうち或る1つのノートN2の区間内において、複数のピッチチェンジ(変更量)B1〜B3でピッチ変更されている場合を示している。このピッチチェンジB1〜B3をノート列N1〜N3に反映させるには、まず、1つのノートに着目して、そのノート区間(内部時間)の間に発生するピッチベンドを探す(ステップR1)。すると、ノートN1にはピッチチェンジがなく(ピッチチェンジ値=“0”:ステップR2→NO→ステップR4)、ノートN2において、ピッチチェンジB1,B2、B3が見つかる(ステップR2→YES)。
【0032】
各ノートN1〜N3は、それぞれ、ピッチチェンジB1〜B3により、ノートN1の全域、ノートN2の期間t1〜t2,t2〜t3,t3〜t4,t4〜t5及びノートN3の全域のように、区間に分割されることになる(ステップR3)。ここで、各区間におけるピッチチェンジ値(変更値)は、左側から、例えば、“0”(N1),“0”(t1〜t2),B1=“4096”(“4096”は、半音分のピッチ変更に相当する値)(t2〜t3),B2=“2978”(t3〜t4),B3=“−5957”(t4〜t5),B3=“−5957”(N3)とする。
【0033】
各区間におけるピッチチェンジによる音高シフト量は、ピッチチェンジ値が正のときは次式(1)により、ピッチチェンジ値が負のときは次式(2)により、半音を“1”として小数点付きで計算される(ステップR5):
音高シフト量=ピッチベンド感度×ピッチチェンジ値÷8191 ……(1)
音高シフト量=ピッチベンド感度×ピッチチェンジ値÷8192 ……(2)
【0034】
これにより、各区間の音高シフト量は、左側から、“0.00”(N1),“0.00”(t1〜t2),“1.00”(t2〜t3),“0.73”(t3〜t4),“−1.45”(t4〜t5),“−1.45”(N3)となる(但し、ピッチベンド感度=“2”)。図6(b)には、各音高シフト量で音高がシフトされたノートN21,N22,N23,N24,N31が示されている。
【0035】
次に、各区間における音程シフト量を整数に丸め、さらに、整数値に丸めた音程シフト値が同じノートで且つ連続する場合には区間を1つにまとめる(ステップR6)。まず、丸め処理では、例えば、小数点第一位での四捨五入を利用し、左から、整数値“0”(N1),“0”(N21),“1”(N22),“1”(N23),“−1”(N24),“−1”(N31)となる。続いて、同ノート且つ連続する区間を1つにまとめる。図6の例では、ノートN1の全域とノートN2の分割ノートN21は、シフト値は同じであるが元のノートが別であるので、再接続しない。分割ノートN22,N23は、同じ音高になるので、再接続する。分割ノートN24とノートN31の全域も、同一シフト値であるがもともとのノートN2,N3が異なるので、再接続はしない。
【0036】
そして、各区間の整数シフト値を、対応する元のノートN1〜N3の音高値に加算して、最終的な音高を計算し、また、区間の発音長については、分割/再接続をした区間ごとに修正する(ステップR7)。この結果、図6(c)に示されるように、音高決定処理後のノート列N1,N2A,N2B,N2C,N3Aが得られる。なお、ノートN1は、ステップR4の処理により、元のノートデータをそのまま用いる。
【0037】
このような音高決定処理により得られるピッチチェンジを反映したノート列に対して、演奏情報解析処理のステップS5(図4)で、調や和音を検出する解析処理が実行される。この解析処理には、例えば、調検出の場合は、メロディ音程の出現度数を音階ごとに計算するというように、従来の方法を利用する。この方法では、例えば、次式(3)のように、ノート列が表わすメロディの音高について、12種の調(ここでは、長調のみ)C,C♯,D,D♯,E,F,F♯,G,G♯,A,A♯,Bごとに、各調に含まれる音名の出現頻度を求め、最大出現頻度を示す調を当該メロディ(ノート列)の調とするものである:
【数1】
Figure 0003777976
【0038】
このような調検出の結果から分かることは、ピッチチェンジを考慮した音高データを利用することにより、「聴感」に近い音程での処理が可能となり、調やコードの判定の間違いを減らすことができるということである。
【0039】
つまり、このような音高決定処理をした後のメロディは、図6(a)のノート列N1〜N3及びピッチチェンジ“0”〜B3によるメロディに比べると、同じように聞こえるとは限らない。ほぼ正確な半音位置でピッチベンドが発生している場合には酷似してくる場合もあるが、それ以外の場合には精度を落とす作業に他ならず、聞こえ方がかなり違ってくる。しかしながら、ノート列N1〜N3をそのままにピッチチェンジを無視してピッチチェンジ値=“0”としたメロディに比べれば、はるかに元のメロディの鳴り音に近い状態であるといえる。従って、図6(c)のメロディを使って分析したほうが、結果として、精度の向上を大いに期待することができる。
【0040】
なお、ピッチチェンジを反映したメロディ(ノート列)を予め作成しておき、そのノート列に対して調検出やコード検出などの処理を行うことにより、調検出やコード検出など複数の音程を利用したプログラムを実行するたびに、音高決定処理を実行しなくて済み、また、調検出やコード検出のプログラムが簡素化されるなどの利点が得られる。
【0041】
〔種々の実施態様〕
以上、この発明を一実施例について説明したが、この発明は種々の態様で実施することができる。音高解析時にノートナンバに反映させるデータは、ピッチチェンジデータに限らず、発音音高に影響を及ぼす全てのデータである。ピッチチェンジデータ以外にトランスポーズデータなどがある。
【0042】
また、実施例においては、発音長を表わすデータとしてゲートタイムを記録するようにしているが、ノートオンとそれに対応するノートオフとの発生タイミングを参照して発音長を算出するようにしてもよい。
【0043】
実施例においては、解析対象とするパートをメロディパートとしているが、もちろん、他のパートであってもよい。また、解析するパートを所定の選択手段によりユーザが選択できるようにしてもよいし、複数のパートを同時に選択してパート毎の解析を同時に行うようにしてもよいし、さらに、複数のパートの情報を合わせて(複合して)、調や和音を検出(解析)するのに利用するようにしてもよい。
【0044】
なお、演奏情報解析処理プログラムなどの制御プログラムを取得するには、HDDやCD−ROMドライブを利用することができる。HDDは制御プログラムや各種データを記憶しておく記憶装置であるが、例えば、ROMに制御プログラムが記憶されていない場合、このHDD内のハードディスクに制御プログラムを記憶させておき、それをRAMに読み込むことにより、ROMに制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPUにさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行うことができる。また、CD−ROMドライブは、CD−ROMに記憶されている制御プログラムや各種データを読み出す装置であるが、CD−ROMから読み出した制御プログラムや各種データは、HDD内のハードディスクにストアすることにより、制御プログラムの新規インストールやバージョンアップ等を容易に行うことができる。なお、このCD−ROMドライブ以外にも、外部記憶装置として、フロッピィディスク装置、光磁気ディスク(MO)装置等、様々な形態のメディアを利用するための装置を設けるようにしてもよい。
【0045】
また、演奏情報解析処理プログラムなどの制御プログラムをネットワークを利用してダウンロードすることもできる。通信インターフェースは LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネット、電話回線などの通信ネットワークに接続されており、このような通信ネットワークを介してサーバコンビュータと接続されるので、HDD内に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合、サーバコンビュータからプログラムやデータをダウンロードするために用いることができる。例えば、クライアントとなる本システムは、通信インターフェース及び通信ネットワークを介してサーバコンピュータへとプログラムやデータのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータは、このコマンドを受け、要求されたプログラムやデータを通信ネットワークを介して本システムへと配信し、本システムは、通信インターフェースを介して、これらプログラムやデータを受信してハードディスク装置に蓄積することにより、ダウンロードが完了する。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、音高データ(ノートナンバデータ)及び音高変更データ(ピッチチェンジデータ)を含む演奏情報を解析するに際し、演奏情報中の音高データが表わす音高を、対応する音高変更データで変換し、変換後の音高を利用して演奏情報を解析するようにしているので、演奏情報の音高解析を正確に行うことができ、演奏情報に最適な調や和音を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例による演奏情報解析システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例における演奏情報の一構成例である。
【図3】図3は、この発明の一実施例における各イベントデータの一構成例である。
【図4】図4は、この発明の一実施例による演奏情報解析処理の動作例を表わすフローチャートである。
【図5】図5は、この発明の一実施例による音高決定処理の動作例を表わすフローチャートである。
【図6】図6は、この発明の一実施例による音高決定の処理例を表わす図である。
【符号の説明】
N1〜N3 ノート、
0,B1〜B3 ピッチチェンジ量、
N21〜N31 音高が変更されたノート、
N1A〜N3A 音高決定処理後のノート。

Claims (5)

  1. 音高データ及び音高変更データを含む演奏情報を解析する演奏情報解析装置であって、
    演奏情報中の音高データで表わされる音高を音高変更データに応じて変換する音高変換手段と、
    変換後の音高に基づいて前記演奏情報を解析する解析手段と
    を具備することを特徴とする演奏情報解析装置。
  2. 前記解析手段は、変換後の音高から成る音高列を生成し、生成された音高列を解析することを特徴とする請求項1に記載の演奏情報解析装置。
  3. さらに、
    前記音高変更データの変化に基づいて、一つの音高データで表わされる楽音を複数の楽音に分割する手段
    を具備し、
    前記音高変換手段は、分割後の楽音を音高変更データに応じて変換する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の演奏情報解析装置。
  4. 前記解析手段は、前記演奏情報に含まれている音高の頻度を解析し、解析結果に基づいて、前記演奏情報に適した調又は和音を決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の演奏情報解析装置。
  5. 音高データ及び音高変更データを含む演奏情報を解析する演奏情報解析装置として機能するコンピュータに、
    演奏情報中の音高データで表わされる音高を音高変更データに応じて変換するステップと、
    変換後の音高に基づいて前記演奏情報を解析するステップと
    から成る手順を実行させるプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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