JP3587133B2 - 発音長決定方法と装置及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、楽曲の自動演奏に用いるに好適な発音長決定方法、発音長決定装置及び記録媒体に関し、特に音価の増大に伴って音価減少量の増大傾向がゆるやかになる変換特性に従って音価を自動演奏用の発音長に変換することにより自然な発音長での自動演奏を可能にしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シーケンサと呼ばれる自動演奏装置としては、所望の楽曲の演奏データを1音符分ずつ又はリアルタイムで入力し、入力に係る演奏データに従って自動演奏を行なうものが知られている。また、楽譜編集装置としては、楽譜をディスプレイの画面に表示して1音符ずつ編集し、編集内容を音で確認するために楽譜データを演奏データに変換すると共に変換に係る演奏データに従って自動演奏を行なうものが知られている。
【0003】
このような自動演奏装置又は楽譜編集装置にあっては、音符の音価通りの発音長で音が再生されるため、音のつながりが不自然になることがあった。そこで、自動演奏用の発音長を音符の音価の例えば8割というようにして割合で指定できる発音用指定手段を設けることが提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように発音長指定手段を設けた場合、音符の音価の例えば8割を発音長とするので、音価の長い音符ほど音価の減少量(音価−発音長)が大きくなる。人間による演奏では、ある程度以上の長さの音価の音符については必要以上に発音長を短くしない。従って、発音長指定手段を設けた場合には、長い音価の音符について発音長が短かすぎて不自然となる不都合があった。
【0005】
この発明の目的は、自然な発音長での自動演奏を可能にする新規な発音長決定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る第1の発音長決定方法は、
音符を表わす音符データに基づいて該音符の音価を検出するステップと、
音符の音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するために用いられる複数種類の補助情報を記憶した記憶手段から検出に係る音価に応じた補助情報を読出し、必要に応じて演算を行なうことにより検出に係る音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するステップと
を含むものである。
【0007】
第1の発音長決定方法によれば、図5のS,Q(又はR)のような変換特性に対応した複数種類の補助情報を記憶手段に記憶しておき、検出に係る音価に応じた補助情報を読出し、必要に応じて演算を行なうことにより検出に係る音価に応じた自動演奏用の発音長を決定する。補助情報として自動演奏用の発音長を指示する情報を用いた場合には、補助情報に応じて自動演奏用の発音長を決定することができ、演算が不要である。補助情報として減算値や割合を指示する情報を用いた場合には、減算や乗算等の演算により自動演奏用の発音長を決定することができる。いずれの場合にも、検出音価に適した自動演奏用の発音長が得られる。
【0008】
この発明に係る第2の発音長決定方法は、
音符を表わす音符データに基づいて該音符の音価を検出するステップと、
音符の音価値に応じた自動演奏用の発音長を決定するための複数の決定方法のうちから検出に係る音価に応じて1つの決定方法を選択するステップと、
選択に係る決定方法に従って検出に係る音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するステップと
を含むものである。
【0009】
第2の発音長決定方法によれば、図5のS,Q(又はR)のような変換特性に対応した複数の決定方法のうちから検出に係る音価に応じた決定方法を選択し、選択に係る決定方法に従って検出に係る音価に応じた自動演奏用の発音長を決定する。従って、検出音価に適した自動演奏用の発音長が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施形態に係る発音長決定装置を備えた音楽情報処理装置の回路構成を示すもので、この音楽情報処理装置は、パーソナルコンピュータPCに音楽情報入力・編集・再生用のソフトウェア(プログラム)をインストールすることにより構成されるものである。ここでいう音楽情報とは音楽に関連する情報を指し、具体的には、楽曲の楽譜を表示するための楽譜データや楽曲を再生するための楽曲演奏データなどである。
【0011】
バス10には、CPU(中央処理装置)12、ROM(リード・オンリィ・メモリ)14、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)16、検出回路18、表示回路20、タイマ22、外部記憶装置24、音源装置26、通信インターフェース28等が接続されている。
【0012】
CPU12は、ROM14にストアされたプログラムに従って音楽情報の入力、編集、再生(自動演奏)等の処理を実行するもので、発音長決定処理については、図8を参照して後述する。
【0013】
ROM14には、プログラムの他に、多数曲分の楽曲演奏データが記憶されている。RAM16は、CPU12による各種処理に際して利用される多数の記憶部を含むもので、この発明の実施に関係する記憶部としては、楽譜データ記憶部MS、演奏データ記憶部PF等が設けられている。
【0014】
検出回路18は、操作子群30から操作情報を検出するものである。操作子群30には、マウス及びキーボード等が含まれており、キーボードは、文字及び数値を入力可能である。
【0015】
マウス及びキーボードは、編集対象となる楽譜データを入力したり、入力した楽譜データを編集したり、自動演奏したい楽曲演奏データをROM14から選択したりするために使用される。
【0016】
表示回路20は、陰極線管又は液晶等からなるディスプレイ32の表示動作を制御することにより楽譜表示等の各種の表示を可能にするものである。
【0017】
タイマ22は、与えられるテンポデータTDに対応する周期でテンポクロック信号TCLとしてのクロックパルスを発生するもので、各クロックパルスは割込命令信号としてCPU12に供給される。テンポクロック信号TCLとしてのクロックパルスが発生されるたびに割込処理を実行することより記憶部PFの楽曲演奏データに基づいて楽曲の自動演奏を行なうことができる。自動演奏のテンポは、テンポデータTDに応じて決定される。
【0018】
外部記憶装置24は、HD(ハードディスク)、FD(フロッピーディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(ディジタル多目的ディスク)、MO(光磁気ディスク)等のうち1又は複数種類の記憶媒体を着脱可能なものである。記憶装置24に所望の記憶媒体を装着した状態では、記憶媒体からRAM16へデータを転送可能である。また、装着した記憶媒体がHDやFDのように書込可能なものであれば、RAM16のデータを記憶媒体に転送可能である。この実施形態では、ROM14の代りに記憶装置24の記憶媒体に多数曲分の楽曲演奏データを記憶させるようにしてもよい。
【0019】
プログラム記憶手段としては、ROM14の代りに記憶装置24の記憶媒体(前述のHD、CD、DVD、MO等)を用いることができる。この場合、記憶媒体に記憶したプログラムは、記憶装置24からRAM16へ転送する。そしてRAM16に記憶したプログラムに従ってCPU12を動作させる。このようにすると、プログラムの追加やバージョンアップ等を行なうことができる。
【0020】
音源装置26は、多数(例えば64個)の楽音発生チャンネルを有するものである。音源装置26には、ノートナンバ(音高情報)、ベロシティ(音量情報)、発音命令信号、消音命令信号等が供給される。
【0021】
記憶部PFからのデータ読出しに基づいて発音要求があると、CPU12は、発音要求に対応する発音命令信号とノートナンバとベロシティ値とを空き状態のいずれかの楽音発生チャンネルに割当てる。割当てに係る楽音発生チャンネルからは、割当てに応じてノートナンバに対応した音高を有する楽音信号がベロシティに対応した音量で発生される。また、記憶部PFからのデータ読出しに基づいて消音要求があると、CPU12は、消音要求に係るノートナンバに対応した楽音信号を発生中である楽音発生チャンネルに消音命令信号を供給して発生中の楽音信号の減衰を開始させる。音源装置26から発生される楽音信号は、サウンドシステム34に供給され、楽音として発音される。
【0022】
通信インターフェース28は、通信ネットワーク36(例えばLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、インターネット、電話回線等)を介してサーバコンピュータ(図示せず)と情報通信を行なうために設けられたものである。この発明の実施に必要なプログラムや各種データは、サーバコンピュータから通信ネットワーク36及び通信インターフェース28を介してRAM16又は外部記憶装置24へダウンロード要求に応じて取込むようにしてもよい。このようにすると、編集対象とする楽譜データ又は楽曲演奏データの取得が可能になると共に、プログラムの更新も容易となる。
【0023】
図2は、操作子群30中のマウス及びキーボードの操作によって入力された音符N〜N10を示すもので、これらの音符に関する情報は、楽譜データとして記憶部MSに記憶されると共にディスプレイ32の画面に楽譜形式で表示される。
【0024】
図3は、記憶部MSにおける楽譜データのフォーマットを示すものである。楽譜データは、先頭の設定データSDに続けて音符N,N…にそれぞれ対応した音符データを配置した構成になっている。
【0025】
設定データSDとしては、曲名を表わす曲名データSa、調(例えばハ長調)を表わす調データSb、拍子(例えば4/4拍子)を表わす拍子データSc、テンポ(毎分当りの4分音符数で例えば120)を表わすテンポデータSd、音色(例えばピアノ音色)をあらわす音色データSe等が記憶される。
【0026】
各音符データは、音符Nに関して代表的に示すように、音符種類(例えば付点4分音符)を表わす音符種類データNa,音高(例えばC)を表わす音高データNb、自動演奏用の発音長を表わす発音長データNc、音量をベロシティ値(例えば0〜127のいずれか)で表わすベロシティデータNd等を含んでいる。音符種類データNaは、音価に相当し、この実施形態における音価とは音符種類に相当する音符長をクロック数で表わした情報である。図2に示す例では4分音符の音価は480[クロック]であり、8分音符の音価は240[クロック]である。発音長データNcは、ユーザにより音符が入力されるたびに図8の発音長決定処理により自動的に決定されるデータである。
【0027】
図4は、記憶部PFにおける楽曲演奏データのフォーマットを示すものである。楽曲演奏データは、先頭の設定データSD’に続けて音符N,N…にそれぞれ対応したイベントデータを配置した構成になっている。設定データSD’は、前述の設定データSDと同様のものである。
【0028】
各イベントデータは、音符Nに関して代表的に示すように、オンイベントデータA及びオフイベントデータBを含んでいる。オンイベントデータAは、発音タイミングを表わすタイミングデータTM11と、発生すべき音の音高をノートナンバで表わすノートオンイベントデータNE11と、発生すべき音の音量をベロシティ値で表わすベロシティデータVL11とを含んでいる。オフイベントデータBは、消音タイミングを表わすタイミングデータTM12と、消去すべき音の音高をノートナンバで表すノートオフイベントデータNE12とを含んでいる。TM11,TM12等の各タイミングデータは、前のイベント(前のイベントがなければ拍頭)からの時間をテンポクロック信号TCLのクロックパルス数(カウント値)で表わす。
【0029】
ユーザは、記憶部MSの楽譜データを図2に示すような楽譜形式でディスプレイ32の画面に表示し、マウス及びキーボードを用いて適宜編集を行なうことができる。また、編集終了後には、編集内容を自動演奏音で確認することができる。このためには、変換プログラムを起動して記憶部MSの楽譜データを図4に示したような楽曲演奏データに変換する。変換に係る楽曲演奏データは、記憶部PFに書込まれ、記憶分PFの楽曲演奏データに基づいて自動演奏が行なわれる。
【0030】
一例として、音符Nについて楽譜データを楽曲演奏データに変換する場合、ノートオンイベントデータNE11及びノートオフイベントデータNE12のノートナンバは、音高データNbに応じて決定される。また、発音タイミングデータTM11の示すタイミングから消音タイミングデータTM12の示すタイミングまでの時間長は、発音長データNcに応じて決定される。さらに、ベロシティデータVL11のベロシティ値は、ベロシティデータNdに応じて決定される。
【0031】
次に、図2の入力音符に関する発音長決定処理を説明する。一例として、4分音符の分解能を480[クロック]とすると、2分音符は960[クロック]、8分音符は240[クロック]となる。
【0032】
図2に示すような譜例において、N〜N10の各音符の音価に一律に0.8を乗算する方法(従来方法に相当)では、自動演奏用の発音長は、
(C): 720×0・8=576
(D): 240×0・8=192
(E): 480×0・8=384
(F): 240×0・8=192
(G): 240×0・8=192
(A): 960×0・8=768
(B): 240×0・8=192
(C): 240×0・8=192
(B): 240×0・8=192
10(C): 240×0・8=192
のようになる。この場合、音符の音価をL、自動演奏用の発音長をLとし、音価減少量D=L−Lを求めると、Lの増大に伴うDの変化は、図5の直線S,Pで示すようになる。このような発音長で自動演奏を行なうと、長い音符の発音長が短すぎるため、音のつながりが不自然となる。
【0033】
別の方法として、図2に示すような譜例において、N〜N10の各音符の音価から一律に96(上記例で4分音符のD=480−384に相当)を減算する方法では、発音長Lは、
(C): 720−96=624
(D): 240−96=144
(E): 480−96=384
(F): 240−96=144
(G): 240−96=144
(A): 960−96=864
(B): 240−96=144
(C): 240−96=144
(B): 240−96=144
10(C): 240−96=144
のようになる。この場合、音価減少量Dを求めると、Lの増大に伴うDの変化は、図5の直線S’、Qで示すようになる。このような発音長で自動演奏を行なうと、短い音符の発音長が短すぎるため、音のつながりが不自然となる。
【0034】
このような問題点を解決するため、この発明の一実施形態では、図5の曲線S、Qで示すように音価Lが基準音価L(例えば4分音符の音価480[クロック])と等しいときは音価減少量Dが所定量D(例えば96)となるようにLをLに変換し、L<Lのときは変換特性Sに従う乗算方式でLをLに変換し、L>Lのときは変換特性Qにしたがう減算方式でLをLに変換する。この変換の結果は、
(C): 720−96=624
(D): 240×0・8=192
(E): 480×0・8=384(=480−96)
(F): 240×0・8=192
(G): 240×0・8=192
(A): 960−96=864
(B): 240×0・8=192
(C): 240×0・8=192
(B): 240×0・8=192
10(C): 240×0・8=192
のようになる。この結果、長い音符及び短い音符のいずれについても適切な発音長Lが得られ、自然な発音長での自動演奏が可能となる。
【0035】
基準音価Lは、拍子データScによって指示される拍子の分母音価とするのが音楽的に好ましい。例えば、4/4拍子の場合には、4分音符の音価とし、6/8拍子の場合には、8分音符の音価とする。
【0036】
上記したのは、入力した音符に関する情報を楽譜データとして処理する例であるが、入力した音符に関する情報を楽曲演奏データとして処理するようにしてもよい。図6は、操作子群30中のマウス及びキーボードの操作によって入力された音符N11〜N14を示すもので、これらの音符に関する情報は、楽曲演奏データとして記憶部PFに記憶されると共にディスプレイ32の画面に図6に示すような楽譜形式で表示される。
【0037】
図7は、図6の入力音符に関する発音長決定処理を示すものである。一例として、1小節長をテンポクロック信号TCLのクロックパルス数で160[クロック]とすると共に、基準音価を4/4拍子の分母音価に相当する4分音符の音価(40[クロック])とする。
【0038】
基準音価を有する4分音符N12については、40−8(又は40×0.8)により発音長を32[クロック]とする。基準音価より長い2分音符N11については、80−8により発音長を72[クロック]とする。基準音価より短い8分音符N13,N14については、いずれも20×0・8により発音長を16[クロック]とする。N14の後に入力される各音符についても同様にして発音長を決定する。すなわち、基準音価と等しい音符については発音長を32[クロック]とし、基準音価より長い音符については予め決められた所定の減算値(ここでは基準音価に相当する40[クロック]の2割を表わす8[クロック]という減算値)を減算する減算方式で発音長を決定し、基準音価より短い音符については予め定められた所定割合(ここでは8割を表わす0・8という乗算値)を乗算する乗算方式で発音長を決定する。なお、各音符毎に決定に係る発音長にしたがって記憶部PF内のTM12等のタイミングデータを修正する。
【0039】
図8は、発音長決定処理の流れを示すもので、この処理は、入力された音符に関する情報を楽譜データとして処理する場合において、音符が入力されるたびにスタートする。
【0040】
ステップ40では、入力された音符の音価を検出する。そして、ステップ42に移り、検出音価が基準音価より短いか判定する。ここで、基準音価は、図3の拍子データScに基づいて拍子の分母音価(例えば4/4拍子では4分音符の音価)とする。
【0041】
ステップ42の判定結果が肯定的(Y)であればステップ44に移り、予め設定されている割合を検出音価に乗算して発音長を決定する。設定割合を例えば0・8とすると、基準音価より短い音符については図5の直線Sで示すように音価値減少量Dが基準音価の音価減少量D=96に向けて増大するようになる。
【0042】
一方、ステップ42の判定結果が否定的(N)であったときは、ステップ46で検出音価から所定の減算値を減算して発音長を決定する。ここで、所定の減算値は、基準音価−基準音価対応の発音長として求められるもので、基準音価を480とし、基準音価対応の発音長(基準音価×設定割合)を480×0・8=384とすれば、480−384=96となる。このように所定の減算値を基準音価に関する音価減少量とすると、基準音価以上の長さの音符については図5の直線Qで示すように所定量D=96が減算されることになる。
【0043】
ステップ44で利用される設定割合とステップ46で利用される所定の減算値はRAM16又はROM14に音価に応じた情報として記憶されている。つまり、ステップ44では基準音価より小さい音価に応じた情報として設定割合を読出し、ステップ46では基準音価以上の音価に応じた情報として所定の減算値を読出す。
【0044】
ステップ44又は46の処理が終わったときは、ステップ48に移り、決定された発音長を記憶部MSに発音長データNcとして書込む。そして、処理エンドとする。
【0045】
図8の発音長決定処理は、入力された音符に関する情報を楽曲演奏データとして処理する場合(図6,7の場合)にも用いることができる。この場合、ステップ48では、記憶部MSに発音長を書込む代りに、各音符毎に決定に係る発音長に従って記憶部PF内のTM12等のタイミングを修正する。
【0046】
上記した図8の処理では、図5の変換特性Qの変わりに、変換特性Pより勾配がゆるやかな変換特性Rを用いるようにしてもよい。
【0047】
上記した実施形態によれば、短音符から長音符まで適切な発音長が得られるので、自然な発音長で自動演奏を行なうことができる。
【0048】
上記した実施形態では、基準音価を拍子の分母音価に一致させたが、テンポによってはそうでない方が好ましい結果を生む場合もある。例えば、図9(A),(B)に示すように基準テンポTより速いテンポでは、基準音価は、標準テンポTに対応する分母音価Kより短い音価(例えば4分音符の音価より短い8分音符の音価)とした方がよく、Tより遅いテンポでは、基準音価は、Kより長い音価とした方がよい。テンポに応じた基準音価の設定を自動化するには、テンポ範囲を複数に区分し、各区分範囲毎に基準音価を記憶したメモリを設け、このメモリから図3のテンポデータSdの指示するテンポの属する区分範囲に対応した基準音価を読出すようにすればよい。
【0049】
同じ楽譜であっても、音色によっては、発音長を長めにした方が自然なものと、発音長を短めにした方が自然なものとがある。従って、音色に応じて最適の音価減少量を設定するのが好ましい。
【0050】
一般に、1曲分の楽曲演奏データには、複数の音色や様々な音域に関する情報が含まれており、これらの情報は記憶トラックを異にして記憶されている場合がある。音色や音域によっては、発音長を長めにした方が自然なものと、発音長を短めにしたほうが自然なものとがあるから、記憶トラック毎(音色または音域毎)に適切な音価減少量を設定するのが好ましい。
【0051】
基準音価や音価減少量は、拍子に依存することが多い。従って、途中で拍子が変化する曲にあっては、各拍子区間毎に独立に基準音価や音価減少量を設定して発音長決定処理を行なうのが好ましい。
【0052】
この発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の改変形態で実施可能なものである。例えば次のような変更が可能である。
【0053】
(1)発音長の算出方式としては、減算方式と乗算方式の組合わせに限定されない。要は各音符にできるだけ適当な発音長が設定されるような方式であればよい。例えば、減算値Kを予め決めておき、音価に応じた割合Mを減算値Kに乗算して音価毎に減算値(K×M)を求め、求めた減算値を該音価から減算する方式、音価毎に予め定めた減算値を減算する方式、音価毎に予め定めた割合を乗算する方式等を用いてもよい。
【0054】
(2)基準音価Lとその上下の発音長算出方式との組合わせは、1つに限らず、複数としてもよい。すなわち、予め用意された複数の組合わせのうちからユーザが任意のものを選択したり、ユーザが種々の組合わせを設定可能としたりしてもよい。
【0055】
(3)基準音価Lを複数とし、各基準音価の上下で発音長の算出方式を変えたり、減算値又は乗算割合を変えたりしてもよい.
(4)基準音価としては、拍子の分母音価に相当するものに限らず、ユーザが設定したものを用いるようにしてもよい。
【0056】
(5)発音長を決定する際には、音価の他に、タイ、スタッカート、スラー等の音楽記号の情報を考慮するようにしてもよい。
【0057】
(6)図8の発音長決定処理は、音符入力のたびに行なうのではなく、記憶部MSに一連の楽譜データを書込んだ後、該楽譜データ中から各音符毎に音価を検出して行なうようにしてもよい。
【0058】
(7)図8の発音長決定処理は、記憶手段(ROM14又は外部記憶装置24)から所望の楽曲演奏データを記憶部PFに読出した後、該楽曲演奏データ中から各音符毎に音価を検出して行なうようにしてもよい。この場合、各音符毎に決定に係る発音長に従ってTM12等のタイミングデータを修正する。
【0059】
(8)発音長決定処理は、図8に示すような演算方式に限らずメモリ読出方式でも実行可能である。例えば、図5のS,Qに示すような変換特性に従った減算値や割合を表わす情報(補助情報)を音価に応じてメモリ(RAM16やROM14)に記憶しておき、このメモリから、検出された音価に対応した補助情報を読出して自動演奏用の発音長を算出する。具体的には、発音長=検出音価−(検出音価に応じた減算値(補助情報))又は発音長=検出音価×(検出音価に応じた割合(補助情報))等の算出式により算出する方法がある。さらに別の方法としては、各音価毎に変換特性S,Qに従った発音長そのものを前記メモリに記憶しておき、検出された音価に対応した発音長を前記メモリから読出す方法も考えられる。
【0060】
(9)減算方式における減算値又は乗算方式における乗算値は、上記した実施形態で示したものに限定されない。例えば、ユーザが任意に値を設定できるようにしてもよい。
【0061】
(10)演奏データのフォーマットは、イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの相対時間で表わす「イベント+相対時間」方式に限らず、イベントの発生時刻を曲や小節内の絶対時間で表わす「イベント+絶対時間」方式、音符の音高と音符長及び休符と休符長で曲の内容を表わす「音高(休符)+符長」方式、イベント発生の最小時間単位毎に記憶領域を確保し、イベントの発生時刻に対応する記憶領域にイベントを記憶する方式等の任意の方式を用いることができる。
【0062】
(11)この発明は、パーソナルコンピュータにアプリケーションソフトウェアをインストールする形態に限らず、処理装置、記憶装置、音源装置等を別体装置として備え、これらの装置をMIDIインターフェース又は通信ネットワーク等の通信手段で接続する形態、あるいは音源装置、自動演奏装置等を内蔵した電子楽器の形態でも実施可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、長音符及び短音符のいずれについても適切な発音長が得られるようにしたので、自然な発音長で自動演奏を行なえる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る発音長決定装置を備えた音楽情報処理装置を示すブロック図である。
【図2】入力音符群の一例を示す図である。
【図3】楽譜データのフォーマットを示す図である。
【図4】演奏データのフォーマットを示す図である。
【図5】音価と音価減少量との関係を示すグラフである。
【図6】入力音符群の他の例を示す図である。
【図7】図6の入力音符に関する発音長決定処理を示す図である。
【図8】発音長決定処理を示すフローチャートである。
【図9】テンポに応じて基準音価を決定する方法を例示する図である。
【符号の説明】
10:バス、12:CPU、14:ROM、16:RAM、18:検出回路、20:表示回路、22:タイマ、24:外部記憶装置、26:音源装置、28:通信インターフェース、30:操作子群、32:ディスプレイ、34:サウンドシステム、36:通信ネットワーク、MS:楽譜データ記憶部、PF:演奏データ記憶部。

Claims (10)

  1. 音符を表わす音符データに基づいて該音符の音価を検出するステップと、
    音符の音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するために用いられる複数種類の補助情報を記憶した記憶手段から検出に係る音価に応じた補助情報を読出し、必要に応じて演算を行なうことにより検出に係る音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するステップと
    を含む発音長決定方法。
  2. 音符を表わす音符データに基づいて該音符の音価を検出するステップと、
    音符の音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するための複数の決定方法のうちから検出に係る音価に応じて1つの決定方法を選択するステップと、
    選択に係る決定方法に従って検出に係る音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するステップと
    を含む発音長決定方法。
  3. 音符の音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するために用いられる複数種類の補助情報を記憶した記憶手段と、
    音符を表わす音符データに基づいて該音符の音価を検出する検出手段と、
    前記記憶手段から前記検出手段で検出された音価に応じた補助情報を読出し、必要に応じて演算を行なうことにより前記検出手段で検出された音価に応じた自動演奏用の発音長を決定する決定手段と
    を備えた発音長決定装置。
  4. 音符を表わす音符データに基づいて該音符の音価を検出する検出手段と、
    音符の音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するための複数の決定方法のうちから前記検出手段で検出された音価に応じて1つの決定方法を選択する選択手段と、
    前記選択手段で選択された決定方法に従って前記検出手段で検出された音価に応じた自動演奏用の発音長を決定する決定手段と
    を備えた発音長決定装置。
  5. 基準音価を設定する設定手段を更に備え、前記選択手段では、前記音価検出手段で検出された音価が前記設定手段で設定された基準音価より大きい場合と該基準音価より小さい場合とでは異なる決定方法を選択することを特徴とする請求項4記載の発音長決定装置。
  6. 前記選択手段で選択される異なる決定方法のうち第1の決定方法は音価から所定値を減算することにより自動演奏用の発音長を決定する減算方式による決定方法であり、第2の決定方法は音価に所定値を乗算することにより自動演奏用の発音長を決定する乗算方式による決定方法であることを特徴とする請求項5記載の発音長決定装置。
  7. 前記自動演奏用の発音長を用いて行なう自動演奏において使用される設定情報を記憶する設定情報記憶手段を更に備え、前記設定手段は、前記設定情報記憶手段に記憶された設定情報を参照して基準音価を設定することを特徴とする請求項5記載の発音長決定装置。
  8. 前記設定情報記憶手段に記憶されている設定情報は、少なくとも拍子、テンポ、音色のいずれかを含み、前記設定手段では、前記設定情報記憶手段に記憶されている拍子、テンポ、音色のいずれかを参照して基準音価を設定することを特徴とする請求項7記載の発音長決定装置。
  9. 音符の音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するために用いられる複数種類の補助情報を記憶した記憶手段を備えた発音長決定装置において使用される記録媒体であって、
    音符を表わす音符データに基づいて該音符の音価を検出するステップと、
    前記記憶手段から検出に係る音価に応じた補助情報を読出し、必要に応じて演算を行なうことにより検出に係る音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するステップと
    を含むプログラムを記録した記録媒体。
  10. 発音長決定装置において使用される記録媒体であって、
    音符を表わす音符データに基づいて該音符の音価を検出するステップと、
    音符の音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するための複数の決定方法のうちから検出に係る音価に応じて1つの決定方法を選択するステップと、
    選択に係る決定方法に従って検出に係る音価に応じた自動演奏用の発音長を決定するステップと
    を含むプログラムを記録した記録媒体。
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