JP4089447B2 - 演奏データ処理装置および演奏データ処理用プログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏データを移調する演奏データ処理装置に関するものである。特に、カラオケの歌唱やメロディパートの手弾き演奏に対する、自動演奏用の演奏データを処理するのに適したものである。
【0002】
【従来の技術】
演奏に合わせてユーザが歌うときに、歌いやすくするため、楽曲の音高を自分の声域に合うように移調して自動伴奏させる場合がある。例えば、特許文献1参照。
この他、ユーザがメロディパートを手弾き演奏する際に、メロディパートを演奏しやすくするために移調して弾く際に、伴奏パートの音高も同様に移調して自動伴奏させる場合がある。
ところが、自然楽器には楽器毎に固有の発音可能音域がある。例えば、ピアノでは鍵盤の範囲によって音域が制限される。弦楽器では、低音弦の開放音が下限となり、上限も自ずから限界がある。
これに対し、電子楽器はこのような固有の音域を超えて発音が可能である。従って、移調によって楽器固有の音域から外れてしまうと、音源により生成された楽音信号が聞きづらくなるという問題がある。
【0003】
その理由として、自然楽器では発音されないために聞き慣れない音高である、また、自然楽器の楽音波形をサンプリングして音源波形とする音源では、自然楽器が発音可能な音域の楽音波形をサンプリングし、データ処理して音源波形を作成することがあげられる。しかも、音源の品質のグレードによっては、自然楽器の発音可能音域内であっても、周辺音域に関しては、中央音域の楽音波形をサンプリングしたデータを処理して音源波形を作成する場合がある。
また、低い方へ移調する場合、和音などのように同時発音される楽音信号の音高が、いわゆるロー・インターバル・リミット(Low Interval Limit)以下になると、2つの楽音信号の響きが悪くなる。
従って、移調をすると、生成される楽音信号が聴感上、聞きづらくなる場合があるという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特公昭63−065157
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解決するために、移調された後の楽音信号が聴感上聞きづらくなるのを防止する演奏データ処理装置、演奏データ処理用プログラムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載の発明においては、演奏データ処理装置において、移調手段と、新たな演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた音符イベントの音高が、前記所定の1または複数のパートのそれぞれに設定された所定の音域内にあるか否かを判定する音高判定手段と、前記新たな演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた第1の音符イベントの音高が前記所定の音域内にないと判定されたときは、前記第1の音符イベントの音高を前記所定の音域内の音高に変換する音高変換手段と、前記音高が変換された前記第1の音符イベントに隣接する第2の音符イベントの音高が、前記所定の音域内にあると判定されたときに、前記音高が変換された第1の音符イベントと前記第2の音符イベントとの間の音高の進行状況を判定する音高進行状況判定手段を有し、前記音高変換手段は、前記音高進行状況判定手段により判定された前記音高の進行状況に応じて、前記第2の音符イベントの音高を前記第1の音符イベントの音高と同様に変換するものである。
従って、移調された後の音高が所定の音域内の音高になるように音高変換され、かつ、音高の進行状況に応じて音高が変換されることから、楽音信号が聴感上聞きづらくなるのが防止される。
所定の音域は、所定の1または複数のパートのそれぞれに割り当てられた楽器音色に応じて決定するとよい。また、音高変換はオクターブシフトとして、音程のみを変更し、音名を変えないようにすることが望ましい。
【0007】
請求項2に記載の発明においては、演奏データ処理装置において、原演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた音符イベントの音高を低い方へ移調して新たな演奏データを作成する移調手段と、該移調手段により作成された前記新たな演奏データの前記所定の1または複数のパートに含まれた、同時発音される複数の音符イベントの音高を判定する音高判定手段と、該音高判定手段により判定された、同時発音される第1の音符イベントと第2の音符イベントの各音高、および、該各音高間の音程に応じて、該第1,第2の音符イベントの音高の組合せが、ロー・インターバル・リミットの規則に適合するか否かを判定し、適合しないときにのみ、前記第1,第2の音符イベントのいずれか一方の音高を上方向に変換することにより、前記第1,第2の音符イベントの変換後の音高の組合せが、前記ロー・インターバル・リミットの規則に適合するように音高変換する音高変換手段を有するものである。
従って、同時発音される音符イベントの音高および音程に応じて、ロー・インターバル・リミットの規則に適合しないときに音高変換されることから、楽音信号が聴感上聞きづらくなるのが防止される。
音高変換はオクターブシフトとして、音程のみを変更し、音名を変えないようにすることが望ましい。また、音高変換は、第1の音符イベントと第2の音符イベントのうち、音高の低い音符イベントに対して行うとよい。
【0008】
また、本発明は、請求項3,請求項4に記載のように、演奏データ処理用プログラムの形態で実現することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態を説明するためのフローチャートである。パーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit)あるいは、電子楽器等に組み込まれたCPUがプログラムに従って各ステップを実行する。
楽器音色にふさわしい音域にない音符イベントについて音高変換をするとともに、音高の進行規則を満たすように音高変換する。
S1において、ハード磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶装置に予め記憶された楽曲データの中から、演奏させたい曲名の楽曲データを原曲データとして選択し、メモリにロードする。原曲データは、メロディパート、ベース等の1または複数の自動伴奏パート、リズム(ドラム)パートなどの複数の演奏パートに対応するチャンネルが識別できるように、音符イベント列が記述されているものとする。この実施の形態では、メロディパート、1または複数の自動伴奏パートには、楽器音色が予め曲データ中に指定されているか、あるいは、演奏時に楽器音色が指定される。
【0010】
S2において、原曲データに含まれる音符イベントの音高を、例えば、ユーザが歌える音域の音高に移調する。
ただし、リズムパートは移調させない。リズムパートでは、音符イベントのノートナンバがリズム楽器名を表す。また、メロディチャンネルは、ユーザ自身が歌ったり、手弾き演奏するので、発音させないか小音量でしか発音させないので移調しなくても差し支えない。
メロディ,ベース,リズム(ドラム)のパートがどのチャンネルに割り当てられているかを知る必要がある。通常、メロディは第1チャンネルに割り当てられ、リズム(ドラム)は第10チャンネルに割り当てられる。また、ベースはカラオケでは第3チャンネルがよく割り当てられる。しかし、それぞれ、別のチャンネルを指定して元の曲データを作成しておいてもよい。
【0011】
ユーザが移調させたいパートを指定入力するか、自動的に予めわかっているチャンネルを自動選択する。また、ベースパートのチャンネルが不明の時は、低音の音符イベントの出現頻度が高いチャンネルを自動検索してベースパートとするなど、音符イベントを統計的に分析することにより、演奏パートを自動識別することもできる。
移調量の設定はユーザ自身の操作により行う。あるいは、歌声をマイクロホンから入力して音域を自動分析することにより、この音域にふさわしい移調量を自動設定する。
S3において、1つのチャンネルを選択する。初期設定時には第1チャンネルが指定され、後述するS14からこのS3に処理を戻すときにチャンネル番号を+1更新させて次のチャンネルを選択する。
【0012】
S4において、音高変換が必要なチャンネルか否かを判定する。音高変換が必要であればS5に処理を進め、そうでないときにはS14に処理を進める。
音高変換は移調に伴う問題解決のために行うものであるから、移調されていないパート、例えば、リズムパートについては除外する。メロディパートは、単にユーザが歌えたり、弾いたりできる音域に移調されるだけで十分であるため、音高変換をしなくてもよい。
S5において、チャンネルに割り当てられた音色番号に基づいて楽器名(楽器音色)を検出する。
S6において、検出された楽器音色にふさわしい音域を、楽器別音域テーブルを参照して設定する。
例えば、楽器音色が「ベース」の場合、単に自然楽器「ベース」の固有音域を設定するとすれば、下限は実音でE0(28)である。しかし、聞きやすい音域としてこれよりも高い音高に設定することができる。図2を参照して後述する具体例では、これをC1(36)に設定している。なお、以後、大譜表の中央Cの音高(MIDI規格のノートナンバでは60)をC3として表記する。
【0013】
S7において、処理対象音符イベントを順次選択する。
S8において、選択された音符イベントの音高が、S6において設定された、ふさわしい音域を超えるか否かを検出し、上または下に超えていればS9に処理を進め、音高変換(下に超えるときは1オクターブアップ、上に超えたときには1オクターブダウン)し、超えていなければS10に処理を進める。
S10〜S12において、ふさわしい音域を超える音符イベントについて音高変換した結果、超えない音符イベントが音楽規則に適合しなくなるときには、超えない音符イベントであっても同様に音高変換する。
ここでいう音楽規則とは、音符イベントの音高が自然につながるようにするための音高進行の規則である。
具体的には、「ある音符がコード音(和音に含まれている音高の音符)であれば、次の音符は跳躍進行できる」、言い換えると、「直前音が非コード音の場合には、順次進行を保たなければいけない」ともいえる。順次進行は、2度進行(短2度,長2度)までである。また、どの音高がコード音であるかは、原曲の調性情報と移調量とから求めた移調後の調性、あるいは、過去の音符イベントの音高の出現頻度から自動判別するものとする。
あるいは、曲データ中にコードデータが含まれている場合は、該コードデータの根音を移調した移調後コードデータに基づいて判別してもよい。
【0014】
S10において、楽曲の先頭音の場合は直前音符が存在しないので、音楽的つながりを考慮する必要がないためにS9をスキップさせる。
S11において、直前音が音高変換されていなければ、原曲のままであるのでS9をスキップさせる。原曲が音楽規則を満たさない場合もあり得るが、原則として音楽規則を満たしているとする。
S12において、直前音がコード音であれば跳躍できるのでS9をスキップさせる。
従って、直前に音符イベントが存在すると判定され、この音符イベントは音高変換されたものであり、この音符イベントはコード音でないと判定されたときは、音楽規則に適合しないことがわかる。この場合は、S9に処理を進め、この音符イベントについても同様の音高変換する(1オクターブアップまたは1オクターブダウン)。音高変換することにより順次進行となる。
【0015】
S9において音高変換したとき、および、S9をスキップさせたときに、S13に処理を進め、当該チャンネル内の処理対象音符イベントの全てについて処理を終了したか否かを判定する。処理を終了していないときにはS7に処理を戻し、終了したときにはS14に処理を進める。
S14において、処理対象の全チャンネルの処理が終了していないときにはS3に処理を戻し、終了したときには、S15において、メモリに記憶された新たな移調曲データをハード磁気ディスクやフラッシュメモリ等の記録媒体に格納する。
その際、原曲データとは別の領域に保存するようにしてもよいし、原曲データの記憶の領域を移調された新たな移調曲データで上書きしてもよい。
メモリに記憶された段階で移調曲の自動演奏を開始させたり、上述した記録媒体に記憶させたものを読み出してから移調曲の自動演奏を開始させたりする。本装置内に備え付けの記録媒体に格納させるか、あるいは、インターフェースを介して外部装置、例えば、電子楽器、音源装置、シーケンサ装置などに転送し、それらのメモリあるいは上述した記録媒体に格納するようにしてもよい。
【0016】
図2は、図1に示した第1の実施の形態による移調の具体例を示す説明図である。
楽器音色「ベース」が指定されたベースパートの移調および音高変換の具体例である。ここでは、5半音下げる移調を実行するものとし、音域の下限をC1(36)とし、この場合の音高変換は1オクターブアップとする。一方、上限は設定していない。
図2(a)に示す移調前において、音符イベント21〜音符イベント27が示されている。
図2(b)に示す移調後の演奏データにおいて、音符イベント22,23,25,26については、図1のS8において、ふさわしい音域の下限(C1)28を超えている(C1未満である)と判定されるので、図1のS9において、これらを無条件で29,30,31,32に音高変換(1オクターブアップ)する。
【0017】
残りの音符イベント21,24,27は音域内であるが、図1のS10〜S12において、音楽規則に基づいて変換が必要な音符イベントを検出し、S9において音高変換する。
前提として、音符イベント列のコードを識別する必要があるが、説明を簡単にするため、移調後のコードはCメジャーであることがわかっているものとする。従って、コード音はC,E,Gである。
音符イベント21は、その前に音符イベントがないのでそのままにする。音符イベント24は、直前の音符イベント30の音高がG1でコード音であるために跳躍可能であるので、そのままにする。
ところが、音符イベント27については直前が32であり、B1という非コード音であるために、C1に跳躍できない。そこで、音符イベント27についても同様の音高変換(1オクターブアップ)をして、C2の音符イベント33として、音符イベント32から順次進行するようにする。このように直前の音符イベントの音高が非コード音である場合は順次進行するように、音域内の音符イベントであっても音高変換することになる。
なお、音楽規則としては、ある音符とその直前の音符との間の音高進行状況が所定条件を満たすというものに限らず、ある音とその直後の音符や、前及び後の音符との間についての音楽規則でもよい。
【0018】
図3は、本発明の第2の実施の形態を説明するためのフローチャートである。図1に示したフローチャートと同一の処理をするステップについては、同じ番号を付している。図1と同様、パーソナルコンピュータのCPUあるいは、電子楽器等に組み込まれたCPUがプログラムに従って各ステップを実行する。
この実施の形態では、ロー・インターバル・リミットの規則を満たさない音符イベントについて音高変換する。
和音でバッキングする和音伴奏パートに対応したチャンネルである場合、同時発音される音符イベントの音高に関しては、楽器音色にふさわしい音域内にあっても、移調によってロー・インターバル・リミット以下になる音符イベントの組み合わせが生じると、和音の響きが悪くなる。そのため、この実施の形態においては、ロー・インターバル・リミット以下になる音符イベントの組み合わせの、少なくとも一方の音高を変換することにより、ロー・インターバル・リミットを超えないようにする。
【0019】
S41において、音高変換が必要なチャンネルか否かを判定する。音高変換が必要なチャンネルであればS42に処理を進め、そうでないときにはS14に処理を進める。
図1のS4と同様に、S2において移調されていないパートのチャンネル、例えば、リズムパート、メロディパートのチャンネルは除外する。和音が割り当てられているパートが予め指定されている場合には、その指定されたパートに対応したチャンネル番号で識別する。音符イベント列を自動解析して同時発音の頻度が高いチャンネルを自動検出することにより、音高変換の必要なチャンネルであるか否かを判定してもよい。しかし、和音が割り当てられていないチャンネルであっても、同時発音されるときがあるので、和音が割り当てられたチャンネルに限定しなくてもよい。
なお、図1,図2を参照して説明した場合と同様に、必要なら、楽器音色にふさわしい音域にない音符イベントがあれば音高変換してもよい。その際、和音に使用される音は、コード音やテンションノート(コード音扱い)であるため、音程の進行規則はいつでも満足する。従って、図1のS10〜S12のステップは不要となる。
【0020】
S42において、同時に発音される2つの音符イベントの組み合わせを順次選択する。
ここで、同時発音とは、原則として、ノートオンからノートオフまでの発音期間が相互に重なり合うことを意味する。しかし、ノートオフ後も減衰期間として発音されている場合には、無視できない所定レベル以上のレベルにある減衰期間は発音期間として取り扱うのがよい。また、3以上の音符イベントが同時発音されている場合には、2つの音符イベントの全ての組み合わせを順次選択する。
S43において、この2つの音符イベントの音高を検出する。
S44において、S43で検出された音高を前提条件として、この2つの音符イベントの音高の関係がロー・インターバル・リミットの規則に適合するか否かを判定する。適合しないときにのみS9に処理を進める。
図4は、ロー・インターバル・リミットとして知られている、各音程における2つの音符の音高を示す説明図である。音高は、図2や図5と同様に、大譜表の中央CをC3(60)として表記している。
ロー・インターバル・リミットは、同時発音される音符の音程によって異なる。従って、音程別に2つの音符の音高が記述されたテーブルをメモリに記憶させておき、このテーブルを参照することにより、ロー・インターバル・リミットの音楽規則に適合するか否かを判定する。
S9において音高変換を行う。音楽規則に適合しない2つの音符イベントの少なくとも一方、特に、下に位置する方の音符イベントの音高を1オクターブアップする。
【0021】
図5は、図3に示した第2の実施の形態による移調の具体例を示す説明図である。
図5(a)に示す移調前において、和音51〜和音55が示されている。ここでは、5半音下げる移調を実行する。
図5(b)に示す移調後の演奏データにおいて、移調された和音51〜和音55の内、和音51,54に関しては、長3度の音程にあることから、最下音(C2)と中間音(E2)とが、図3のS44において、ロー・インターバル・リミット56,5以上であると判定されるので、S9の音高変換をスキップする。
【0022】
移調後の和音52は、図3のS44において、最下音(A1)と中間音(D2)とが完全4度の音程にあることから、ロー・インターバル・リミット57以下であると判定されるので、S9において、最下音(A1)を1オクターブアップさせてA2に音高変換する。
移調後の和音53は、図3のS44において、最下音(G1)と中間音(B1)とが長3度の音程にあることから、ロー・インターバル・リミット5以下であると判定されるので、S9において、最下音(G1)を1オクターブアップさせてG2に音高変換する。
移調後の和音55は、図3のS44において、最下音(A1)と中間音(C2)とが短3度の音程にあることから、ロー・インターバル・リミット60以下であることが判定されるので、S9において、最下音(A1)を1オクターブアップさせてA2に音高変換する。
【0023】
上述した第2の実施の形態では、ロー・インターバル・リミット以下の少なくとも一方の音符イベントを音高変換しているが、少なくとも一方を削除してコード音を削除するようにしてもよい。また、ロー・インターバル・リミット以下の音符イベントの削除を、同時発音数が4音符イベント以上である時に実行するようにしてもよい。
削除に代えて、音符イベントの音量レベルを小さくして目立たないようにしてもよい。
また、音高変換された音符イベントは、メロディパートの音符イベントと音程が2度以内となったときには、メロディパートのチャンネルの楽音信号との響きが問題となるので、この音高変換された音符イベントを削除、すなわち、発音させないようにしてもよい。
【0024】
上述した説明では、原楽曲データの移調後において、楽器音色にふさわしい音域になり、かつ、音高の進行に関する音楽規則に適合するように音高変換して聴感上聞きづらくないようにする第1の実施の形態と、同時発音される2以上の音符イベントの音高がロー・インターバル・リミットの音楽規則に適合するように音高変換して聴感上聞きづらくならないようにする第2の実施の形態とを別構成として示した。
しかし、上述した各実施の形態における、音高変換するか否かの判定処理と音高変換処理、を直列的に実行するようにしてもよい。
上述した説明では、音高変換はオクターブアップまたはオクターブダウン(オクターブシフト)として、音程のみを変更し、音名を変えないようにした。しかし、音名を変更しても差し支えない場合には、オクターブ以外の音高変換を実行してもよい。
【0025】
図6は、本発明の実施の一形態のハードウェア構成例を示す図である。
本発明の機能は、パーソナルコンピュータがシーケンサ等のアプリケーションプログラムに含まれる自動演奏処理プログラムを実行することにより実現される。
図中、CPU71は、バス61を介してパーソナルコンピュータの全体的な制御動作を行う。CPU71は、ROM70に記憶されたプログラムにより、外部記憶装置72の1つであるHDD(ハード磁気ディスクドライブ)に記憶されたオペレーティングシステムプログラムをRAM69にロードし、オペレーティングシステムの制御の下でHDDに記憶されたアプリケーションプロクラムを起動して、RAM69をワークエリアとして動作する。
【0026】
自動演奏データは、例えば、外部記憶装置72に記憶されており、RAM69に読み込まれて図1,図3に示した移調および音高変換処理が行われ、移調後の新たな自動演奏データはRAM69に一時的に蓄積され、必要であれば、再び外部記憶装置72に記憶される。
自動演奏データは、また、専用のハードウェアを用いた音源回路66に出力されて、楽音信号が生成される。楽音信号は、効果回路67においてリバーブを付加され、サウンドシステム68に出力される。音源回路66の機能は、CPU71による「ソフトウェア音源」で構成し、生成された楽音信号を図示しないD/A変換器を通してサウンドシステム68に出力してもよい。
各パートの楽器音色のみによってではなく、各パートの楽器音色および音源回路66の性能のグレード、あるいは、音源回路66の性能のグレードのみに応じて所定の音域が設定されるようにしてもよい。
【0027】
外部記憶装置72に記憶される自動演奏データファイルのフォーマットは、パート、トラック、チャンネルが1対1対応しているものとする。
各トラックは、例えば、タイミングデータとイベントデータのセットが時系列に沿って記憶されている。タイミングデータは、演奏イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表す場合と、演奏イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表す場合がある。
イベントデータには、キーオンイベント、キーオフイベント等が記述され、これらによって音符イベントの開始、終了を示し、いずれも音符イベントの音高がノートナンバによって規定されている。イベントデータには、曲の最初や曲の途中に、調指定イベントデータを含む場合がある。
その他、音符イベントの音高と符長あるいは休符イベントと休符長で演奏データを表した「音高(休符)+符長」、演奏の最小分解能毎にメモリ領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域に演奏イベントを記憶した「ベタ方式」等でもよい。
複数チャンネル分の自動演奏データは、トラック毎に記憶されている形式でも、複数のチャンネルのデータがチャンネルを特定する情報とともに混在記憶された形式でもよい。
【0028】
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)インターフェース73は、MIDI鍵盤,外部MIDI音源装置などの、MIDI機器74に接続される。これに代えて、RS-232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394等の汎用インターフェースを用いてもよい。
通信インターフェース75は、通信ネットワーク76を介してサーバコンピュータ77等に接続する。外部記憶装置72は、外部記憶媒体から、あるいは、サーバコンピュータ77からアプリケーションプログラムや自動演奏データの提供を受けることもできる。
【0029】
図6に示したパーソナルコンピュータでは、自動演奏データの移調処理をする装置と移調後の自動演奏データを利用する装置とが一体のものである。
このほか、自動演奏データの移調処理をする装置として単独で構成することもできる。例えば、一般の自動演奏データを本発明の演奏データ処理装置で新たな自動演奏データにして、これを記録した記録媒体をユーザの電子楽器等に配布する。
あるいは、パーソナルコンピュータ等のクライアントからサーバコンピュータに対して、一般の自動演奏データを送り、サーバにて移調処理をした後、クライアントに移調後の自動演奏データを返すサービスをしてもよい。
【0030】
本発明を適用する用途においては、必ずしも予め記憶装置に自動演奏データを記憶しておき、これを読み出して処理する場合に限られない。実演奏されている演奏データ、あるいは、インターフェースを経由してリアルタイムで入力されてきた演奏データを、リアルタイムで移調処理して記憶させる場合がある。
この場合、図1,図3では、チャンネル別に処理を行っているが、複数のチャンネルの演奏データをリアルタイムで同時処理するか、自動伴奏用の1つのチャンネルを指定して移調処理する。移調された演奏データは、MIDIインターフェース73あるいは通信インターフェース75を通して外部の機器に出力することができる。
本発明は、パーソナルコンピュータに限らず、電子楽器、自動演奏ピアノ、カラオケ装置、ゲーム装置、着信メロディや音符イベントデータの再生手段を有した携帯型通信端末(携帯電話,PDA(Personal Digital Assistant))等に適用できる。
電子楽器の形態を取った場合、鍵盤楽器の形態に限らない。また、音源装置、自動演奏装置等が、別体の装置であり、MIDIインターフェースや通信ネットワーク等を用いて各装置を接続するものであってもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、上述した説明から明らかなように、演奏データに含まれる音符の楽音信号が移調後に聴感上聞きづらくならないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図2】 図1に示した第1の実施の形態による移調の具体例を示す説明図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図4】 ロー・インターバル・リミットとして知られている、各音程における2つの音符の音高を示す説明図である。
【図5】 図3に示した第2の実施の形態による移調の具体例を示す説明図である。
【図6】 本発明の実施の一形態のハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21〜27…音符イベント、28…ふさわしい音域の下限、51〜55…和音、56〜60…ロー・インターバル・リミット

Claims (4)

  1. 原演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた音符イベントの音高を移調して新たな演奏データを作成する移調手段と、
    該移調手段により作成された前記新たな演奏データの前記所定の1または複数のパートに含まれた音符イベントの音高が、前記所定の1または複数のパートのそれぞれに設定された所定の音域内にあるか否かを判定する音高判定手段と、
    該音高判定手段により、前記移調手段により作成された新たな演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた第1の音符イベントの音高が前記所定の音域内にないと判定されたときは、前記第1の音符イベントの音高を前記所定の音域内の音高に変換する音高変換手段と、
    該音高変換手段により前記音高が変換された前記第1の音符イベントに隣接する第2の音符イベントの音高が、前記音高判定手段により前記所定の音域内にあると判定されたときに、前記音高が変換された第1の音符イベントと前記第2の音符イベントとの間の音高の進行状況を判定する音高進行状況判定手段を有し、
    前記音高変換手段は、前記音高進行状況判定手段により判定された前記音高の進行状況に応じて、前記第2の音符イベントの音高を前記第1の音符イベントの音高と同様に変換する、
    ことを特徴とする演奏データ処理装置。
  2. 原演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた音符イベントの音高を低い方へ移調して新たな演奏データを作成する移調手段と、
    該移調手段により作成された前記新たな演奏データの前記所定の1または複数のパートに含まれた、同時発音される複数の音符イベントの音高を判定する音高判定手段と、
    該音高判定手段により判定された、同時発音される第1の音符イベントと第2の音符イベントの各音高、および、該各音高間の音程に応じて、該第1,第2の音符イベントの音高の組合せが、ロー・インターバル・リミットの規則に適合するか否かを判定し、適合しないときにのみ、前記第1,第2の音符イベントのいずれか一方の音高を上方向に変換することにより、前記第1,第2の音符イベントの変換後の音高の組合せが、前記ロー・インターバル・リミットの規則に適合するように音高変換する音高変換手段、
    を有することを特徴とする演奏データ処理装置。
  3. 原演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた音符イベントの音高を移調して新たな演奏データを作成する移調ステップと、
    該移調ステップにより作成された前記新たな演奏データの前記所定の1または複数のパートに含まれた音符イベントの音高が、前記所定の1または複数のパートのそれぞれに設定された所定の音域内にあるか否かを判定する音高判定ステップと、
    該音高判定ステップにより、前記移調ステップにより作成された新たな演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた第1の音符イベントの音高が前記所定の音域内にないと判定されたときは、前記第1の音符イベントの音高を前記所定の音域内の音高に変換する音高変換ステップと、
    該音高変換ステップにより前記音高が変換された前記第1の音符イベントに隣接する第2の音符イベントの音高が、前記音高判定ステップにより前記所定の音域内にあると判定されたときに、前記音高が変換された第1の音符イベントと前記第2の音符イベントとの間の音高の進行状況を判定する音高進行状況判定ステップ、
    をコンピュータに実行させる演奏データ処理用プログラムであって、
    前記音高変換ステップは、前記音高進行状況判定ステップにより判定された前記音高の進行状況に応じて、前記第2の音符イベントの音高を前記第1の音符イベントの音高と同様に変換するものである、
    演奏データ処理用プログラム。
  4. 原演奏データの所定の1または複数のパートに含まれた音符イベントの音高を低い方へ移調して新たな演奏データを作成する移調ステップと、
    該移調ステップにより作成された前記新たな演奏データの前記所定の1または複数のパートに含まれた、同時発音される複数の音符イベントの音高を判定する音高判定ステップと、
    該音高判定ステップにより判定された、同時発音される第1の音符イベントと第2の音符イベントの各音高、および、該各音高間の音程に応じて、該第1,第2の音符イベントの音高の組合せが、ロー・インターバル・リミットの規則に適合するか否かを判定し、適合しないときにのみ、前記第1,第2の音符イベントのいずれか一方の音高を上方向に変換することにより、前記第1,第2の音符イベントの変換後の音高の組合せが、前記ロー・インターバル・リミットの規則に適合するように音高変換する音高変換ステップ、
    をコンピュータに実行させる演奏データ処理用プログラム。
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