JP3697811B2 - カラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラオケ歌唱の合間にカラオケ装置利用者の顔をプリントする機能を備えたカラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アーケードゲーム装置として、利用者の顔をビデオカメラで撮影した画像をシール用紙にプリントして出力する装置(プリントクラブ:商標)が人気を集めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、カラオケボックスなどでもこのプリント装置を設置することによって顧客サービスを向上したいが、カラオケ装置と別体にこのような装置を設置しようとすると設置場所や操作方法に問題が生じる。したがって、カラオケ装置に接続して使用し、カラオケ装置の機能の1つとしてこのプリント機能を提供することが提案されているが、単にカラオケ演奏とは別の一機能として提供されるのみで本来のカラオケ装置の機能と結合していなければ、カラオケボックスならではのサービスの提供にならず、多くの利用者の利用を図ることが期待できない。
【0004】
この発明は、カラオケ装置の本来の機能である背景映像表示機能を結合して、利用者の顔をプリントする機能を備えたカラオケ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この出願の請求項1の発明は、カラオケ曲を演奏する演奏手段と、前記演奏手段が演奏するカラオケ曲に対応する背景映像を再生する映像再生手段と、をそれぞれ独立して備えるとともに、装置利用者の姿を撮影するビデオカメラと、飾り枠画像であるフレームを記憶するフレーム記憶手段と、カラオケ曲を演奏することなく、前記映像再生手段に、装置利用者によって選択されたカラオケ曲に対応する背景映像を再生させ、再生された背景映像に前記ビデオカメラで撮影した装置利用者の画像および前記フレーム記憶手段に記憶されているフレームを合成し、さらにその上に前記装置利用者によって選択されたカラオケ曲の曲名を合成した合成画像を作成する画像作成手段と、該画像作成手段が作成した合成画像をプリントするプリント手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明は、前記フレーム記憶手段が、前記ビデオカメラで撮影する装置利用者の人数(ジャンル)別に複数のフレームを記憶しており、前記画像作成手段において使用されるフレームを選択するフレーム選択手段を備えたことを特徴とする。
この発明は、前記フレーム記憶手段が記憶するフレームを、ホスト装置からダウンロードするフレームダウンロード手段を備えたことを特徴とする。
この発明は、前記フレームダウンロード手段が、前記フレーム選択手段によるフレームの選択履歴を記録し、この選択履歴に基づいて前記フレーム記憶手段が記憶するフレームを入れ換えることを特徴とする。
この発明は、前記演奏手段が、前記プリント手段が前記合成画像をプリントしている間を利用して前記装置利用者によって選択されたカラオケ曲を演奏することを特徴とする。
【0006】
この出願の請求項2の発明は、前記映像再生手段を動画の背景映像を再生する手段とし、前記画像作成手段を連続して複数枚の合成画像を作成する手段としたことを特徴とする。
【0007】
カラオケ装置は、カラオケ曲の演奏時にカラオケ演奏音を発生するとともに、モニタに歌詞を表示する。歌詞のみでは表示に面白みがないため、その曲の雰囲気にあった映像を歌詞の背景映像として表示する。請求項1の発明では、カラオケ演奏時でないとき(たとえばビデオプリントモード時)に上記背景映像を再生させ、カラオケ装置の利用者を撮影した画像をこの背景映像に合成した合成画像を作成する。そして、これをプリント手段でプリントすることにより、カラオケ装置が備えている極めて多種の背景映像データを有効に利用し、カラオケ装置の機能と結合したプリント機能を実現することができる。
【0008】
また、一般的にカラオケ演奏時の背景映像は動画であり、上記合成画像を作成する場合にカラオケ利用者がポーズを決めて静止しても背景が動いており、最良の撮影タイミングを捉えることが難しい。そこで、以下の実施形態では、合成画像を連続して複数枚作成するようにした。複数枚作成することによりそのなかから最良のものを選択することができるとともに、動画の特性を活かしてそのままコマ撮りのプリントを作成することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図、図2は同カラオケ装置の設置形態を示す図である。利用者は赤外線リモコンであるコマンダ15を操作することによって演奏する曲を選択することができる。曲が選択されると、カラオケ装置は、この曲を演奏するための楽曲データを読み出して音源装置29などを駆動してカラオケ演奏音を発生してスピーカ3から放音するとともに、LDチェンジャ4が再生する背景映像に文字パターン展開部36が展開した歌詞の文字パターンを合成してモニタ7,8に表示する。モニタ7は大型モニタであり、グループ席に向けて設置されている。モニタ8は歌唱用モニタであり、図2に示すように歌唱者が歌うステージに向けて設置されている。
【0010】
歌唱用モニタ8の上にはビデオカメラ6が設置されており、ステージ上の歌唱者(利用者)の顔を撮影することができる。ステージの背面壁13はブルーになっており、画像処理によって、前記ビデオカメラ6が撮影した画像のうちこのブルーの背面壁の部分に他の画像を合成することができる。合成される画像は、前記LDチェンジャ4が再生するカラオケ演奏用の動画の背景映像やCD−ROMチェンジャ5が再生する静止画の背景映像などである。また、ハードディスク記憶装置27に画像データとして記憶されているイラストフレームを上記合成された画像の前面枠としてさらに合成することもできる。また、このカラオケ装置にはビデオプリンタ9が接続されており、前記利用者の顔を含む合成画像をプリントすることができる。
【0011】
このビデオプリント機能は、カラオケ装置を用いてカラオケ演奏以外の機能を実現するICMデータを用いて実現される。このICMデータは前記カラオケ曲の選択と同様に前記コマンダ15から特定の曲番号(8900−00)を入力することによって読出・起動される。ICMデータは、実行すべき処理の手順を指示するスクリプトデータやこの手順実行時に使用される文字データや画像データを含んでおり、カラオケ演奏用の楽曲データと同様に、通信回線−通信制御部26を介して配信センタからダウンロードされ、ハードディスク装置27に記憶される。
【0012】
図1において、カラオケ装置全体の動作を制御するCPU20には、バスを介してROM21,RAM22,ハードディスク装置27,通信制御部26,コマンダ受信部23,操作部24,表示部25,音源29,音声データ処理部30,DSP31,文字パターン展開部36,表示制御部38,シリアルインタフェース41が接続されているほか、外付けのLDチェンジャ4,CD−ROMチェンジャ5が接続されている。また、シリアルインタフェース41にはビデオプリンタ9および課金装置10が接続されている。
【0013】
また、表示制御部38には、内蔵の文字パターン展開部36のほか、外付装置であるLDチェンジャ4,CD−ROMチェンジャ5,ビデオカメラ6,大型モニタ7,歌唱用モニタ8およびビデオプリンタ9が接続されている。表示制御部38はVRAM38aを備えており、カラオケ演奏時における背景映像への歌詞文字パターンの合成やビデオプリントモード時における利用者の画像,背景映像,イラストフレームの合成はこのVRAM38a上で処理される。また、ビデオプリンタ9は昇華熱転写型プリンタで構成されており、VRAM38aから入力された画像データを銀塩写真に近い階調で光沢のある専用紙にプリントする。ビデオプリンタ9にセットされる専用紙は裏糊のシール用紙である。このシール用紙は、無分割用,4分割用,9分割用,16分割用の4種類があり、それぞれ1個,4(2×2)個,9(3×3)個,16(4×4)個の角丸四角形の型抜きが施されている。
【0014】
ROM21には、システムプログラム,カラオケ演奏プログラム,ICM実行プログラム,ローダおよび文字パターンデータが記憶されている。システムプログラムは、この装置の基本動作を制御するプログラムである。カラオケ演奏プログラムは、楽曲データを読み出してカラオケ演奏を実行するプログラムであり、カラオケ装置が起動するとこのプログラムはRAM22に常駐する。
【0015】
ここで、カラオケ演奏用の楽曲データは、図4に示すように楽曲トラック、歌詞トラック、音声制御トラック、DSP制御トラックおよび音声データ部を有しており、カラオケ演奏プログラムは、楽音トラックのデータで音源29を駆動するとともに楽曲データを音声データ処理部30で再生し、これらの信号が入力されるDSP31をDSP制御トラックのデータに基づいて制御してカラオケ演奏音を発生する。また、カラオケ演奏プログラムは、歌詞トラックのデータを文字パターン展開部36に入力することによって歌詞の文字パターンを生成し、ヘッダに含まれるジャンルデータに基づいて背景映像を選択してLDチェンジャ4に指示する。LDチェンジャ4は複数枚のLDを内蔵しており、100シーン程度の動画を再生することができるが、この指示に応じて1つのシーンを選択し、これを再生して表示制御部38に入力する。表示制御部38で背景映像上に歌詞の文字パターンを合成してモニタ7,8に表示する。
【0016】
ICM実行プログラムは、上記ビデオプリント機能のICMデータなどのICMデータを読み出し、このICMデータに含まれるスクリプトの手順を実行するプログラムである。ビデオプリントICMデータによる動作については後述する。ローダは、配信センタから楽曲データやICMデータをダウンロードするためのプログラムである。文字パターンデータは、コード情報として与えられる歌詞,曲名や情報の内容などを文字パターンに展開するためのデータである。この文字パターンデータは文字パターン展開部36が歌詞データに基づいて歌詞を表示するときやICMデータに基づいてモニタ7,8に文字を表示するときに用いられる。
【0017】
RAM22には、カラオケ演奏実行時にハードディスク記憶装置27から読み出された楽曲データを記憶するエリアやICM実行プログラムの実行時にハードディスク記憶装置27から読み出されたICMデータを記憶するエリアが設けられている。また、カラオケ演奏やICM実行に応じて発生する各種データを記憶するレジスタエリアも設定される。
【0018】
通信制御部26は通信回線を介して配信センタと交信し、楽曲データやICMデータをダウンロードするための制御部である。通信制御部26はDMA回路を内蔵しており、ダウンロードされた楽曲データやICMデータをCPU20を介さずに直接ハードディスク記憶装置27に書き込むことができる。ハードディスク記憶装置27には約1万曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶エリア27aおよび複数のICMデータを記憶したICMデータ記憶エリア27bが設定されている。
【0019】
また、コマンダ15は、図3に示すように種々のキー群51〜56、赤外線発光部57およびLCD表示部58を備えている。キー群はAキー,Bキーを含むテンキー51,メモリ/セットキー52,スタートキー53,転送キー54,取り消しキー55,キーコンキー56からなっている。曲番号をカラオケ装置本体に入力する場合には、まず、メモリ/セットキー52をオンして今から曲番号の送信を行う旨を装置本体に知らせ、テンキー51を操作して曲番号を入力する。入力内容はLCD表示部58に表示される。曲番号を間違った場合には取り消しキー55をオンして入力内容を取り消して入力しなおすことができる。曲番号は6桁の数値「XXXX−YY」で構成されており、上位4桁のXXXXが歌手番号、下位2桁のYYがその歌手の歌手別歌番号になっている。また、8900の歌手番号はICMデータを指定する歌手番号になっており、8900−yyの曲番号を入力すると、カラオケ曲の演奏ではなく、その番号で指定されるICMデータが指定され、このICMデータによるカラオケ演奏以外の機能が実行される。上記ビデオプリントICMデータの曲番号は8900−00である。曲番号の入力ののち、転送キー54をオンすると入力された曲番号がカラオケ装置本体に転送され、置数バッファに記憶される。この置数バッファに記憶された内容をカラオケ曲の予約リストに登録するためには、再度メモリ/セットキー52をオンする。予約リストに登録されたカラオケ曲を演奏するためには、スタートキー53をオンする。カラオケ曲の演奏中に取り消しキー55をオンするとその曲の演奏が中止される。
【0020】
また、キーコンキー56はシーソー構造になっており、キーの右側が▲キー56b、キーの左側が▼キー56aになっている。▲キー56bを1回オンすると演奏のキーが半音上昇する。また、▼キー56aを1回オンすると演奏のキーが半音低下する。また、キーコンキー56,スタートキー53および取り消しキー55は、後述のビデオプリントモード時にもフレームの選択やカラーモードの選択のために使用される。
【0021】
上記のようにキーが操作されると、コマンダ15は、その操作されたキーに対応する赤外線コード信号を赤外線発光部57から出力する。コマンダ受信部23は、この赤外線コード信号を受信してデータに復元し、このデータをCPU20に伝達する。CPU20はこのデータに対応する処理を実行する。操作部24はカラオケ装置のフロントパネルに設けられており、上記コマンダ15と同様のテンキーなどのキースイッチ群を備えている。表示部25も操作部24と同様カラオケ装置のフロントパネルに設けられており、現在演奏中の曲番号や予約曲数などを表示するLEDマトリクス表示器を含んでいる。
【0022】
音源29は、楽曲データに含まれる楽音データに基づいて楽音信号を形成する。音声データ処理部30は、楽曲データに含まれる音声データに基づいてバックコーラスなどの音声信号を再生する。音源29が形成した楽音信号および音声データ処理部30が再生した音声信号はDSP31に入力される。DSP31は、これら楽音信号および音声信号に対してリバーブ,エコーなどの効果を付与する。DSP31が付与する効果の種類や程度は、楽曲データに含まれているDSP制御データに基づいて制御される。効果が付与された楽音信号,音声信号はD/Aコンバータ33でカラオケ演奏音のアナログ信号に変換されたのちアンプ33に出力される。アンプにはマイク11から歌唱音声信号も入力される。アンプ33はカラオケ演奏音と歌唱音声信号をミキシング・増幅してスピーカ35を駆動する。
【0023】
シリアルインタフェース41は、RS232Cなどの規格のものであり、カラオケ装置本体は、このシリアルインタフェース41を介してビデオプリンタ9および課金装置10とデータを交換する。ビデオプリンタ9,課金装置10はともにカラオケ装置本体やLDチェンジャ4などとともに縦積みのラックに収納されている。課金装置10はコインチェッカ44,クレジットカウンタ45および表示器46を有している。コインチェッカ44は投入されたコインが真貨であるか否かを判定し、真貨であればクレジットカウンタ45にカウントアップを指示する装置である。コインとしては専用のコインを用いてもよいが一般的には100円硬貨が使用される。クレジットカウンタ45はコインチェッカ44からの指示に基づいてカウント値を加算し、カラオケ装置本体のCPU20からの指示に基づいてカウント値を減算または加算する。カラオケ装置は、プログラムやICMデータの設定により、カラオケ曲の演奏やビデオプリントなどの機能に課金をすることができる。たとえば、カラオケ演奏に1クレジットの課金をした場合、1曲のカラオケ演奏を実行したときCPU20から課金装置10に対して1クレジットの課金指示が入力され、クレジットカウンタ45はこの指示に基づいてカウント値から1クレジットを減算する。コインとして100円硬貨を用いた場合、1クレジットは100円となる。なお、一般的なカラオケボックスなどではカラオケ曲の演奏を課金対象とせず、ビデオプリント機能に対して3クレジット程度を課金するよう設定される。表示器46は現在のクレジット数を表示するためのものであり、2桁程度の7セグメント表示器で構成されている。
【0024】
図4は楽曲データおよびICMデータの構成例を示す図である。同図(A)楽曲データ全体の構成を示しており、同図(B)はトラックの例として楽音トラック中のメロディトラックの構成を示している。楽曲データは、ヘッダ,楽音トラック,歌詞トラック,音声制御トラック,DSP制御トラックおよび音声データ部からなっている。ヘッダは、この楽曲データに関する種々のデータが書き込まれる部分であり、曲名,ジャンル,発売日,曲の演奏時間などのデータを含んでいる。
【0025】
楽音トラック,歌詞トラック,音声制御トラック,DSP制御トラックの各トラックは全て同図(B)に示すようなMIDIフォーマットで記述されている。MIDIフォーマットは、複数のイベントデータと各イベントデータ間の時間間隔を示すデュレーションデータΔtからなっている。シーケンスプログラムは、所定のテンポクロックでΔtをカウントし、Δtをカウントアップしたときこれに続くイベントデータを読み出して所定の処理部へ出力する。
【0026】
楽音トラックは、メロディトラック,リズムトラックを初めとして種々のパートのトラックを含んでいる。楽音トラックのイベントデータは楽音の発音や楽音の消音などを指示するノートオンイベントデータやノートオフイベントデータなどで構成されている。
【0027】
歌詞トラックは、モニタ7,8上に歌詞を表示するためのシーケンスデータを記憶したトラックである。このシーケンスデータは楽音データではないが、インプリメンテーションの統一をとり、作業工程を容易にするためこのトラックもMIDIデータ形式のシステム・エクスクルーシブ・メッセージで記述されている。音声制御トラックは、音声データ部に記憶されている音声データの発生タイミングや再生ピッチなどを指定するシーケンストラックである。音声データ部には、音源29で合成しにくいバックコーラスやハーモニー歌唱などの人声が記憶されている。DSP制御トラックには、DSP31の動作を制御するDSP制御データがデュレーションデータとともに書き込まれている。
【0028】
同図(C)はICMデータの構成を示す図である。ICMデータも上記楽曲データと類似した構成になっており、このICMデータのスクリプト名,リリース日などのデータが書き込まれるヘッダ、動作手順を指示する複数のスクリプトデータ、および、該スクリプトの実行時に使用される複数の画像データ,文字データなどからなっている。ビデオプリントICMデータの場合、スクリプトデータは図5のメインルーチンを実行するためのメインスクリプトデータ、図6〜図14の動作を実行するためのサブスクリプトデータなどで構成され、画像データとしては図15に示す種々のメニュー画面表示用の画像データやイラストフレームのデータなどで構成されている。
【0029】
図5〜図14は同カラオケ装置のビデオプリントICMデータによって実行されるビデオプリントモードの動作を示すフローチャートである。また、図15はビデオプリントモード時のモニタ7,8の表示例を示す図である。上述したようにビデオプリントモードは、ビデオカメラ9で撮影された利用者の画像をビデオプリンタ10でプリントするモードである。また、単に利用者の画像をプリントするのみでなく、プリントにイラストのフレームをはめ込んだり、好きな曲の曲名・曲番号を表示したりすることができ、また、1枚のシートを4分割,9分割,16分割などの分割数に分割して各区画に同じプリントをすることもできる。また、上述したようにこのプリントは、裏糊面のシール用紙に行われるためノートなどの任意のものに利用者の姿や顔が写ったシールを貼りつけることができる。
【0030】
図5はこのビデオプリントモードのメイン動作を示すフローチャートである。曲番号が入力されると(s1)、この曲番号が8900−00であるかを判断する(s2)。上述したようにこの8900−00がビデオプリントICMデータを指定する曲番号である。これ以外の番号が入力された場合には対応するカラオケ演奏や他のICMデータの読み出しなどの処理動作に進む。8900−00が入力された場合には、ビデオプリントモードに移行し、ビデオプリントICMデータを読み出すことによってs3以下の動作を実行する。
【0031】
ビデオプリントスクリプトデータの読み出しにより、まず、図15(A)に示すような初期表示画面を表示するとともに(s3)、初期設定処理を実行する(s4)。初期設定処理は、レジスタのリセットやビデオプリンタ10の状態の確認などの動作である。なお、この場合において、ビデオプリンタ10が動作できない状態の場合には、このビデオプリントモードの動作を中断して、ビデオプリンタ10の状態をモニタ7,8に表示する。
【0032】
初期設定が正常に終了すると、プリントの分割数を選択する(s5)。この動作では1枚のシート全体に1個の画像をプリントするか、これを1/2(線比率)に縮小して4(2×2)個の画像をプリントするか、1/3に縮小して9(3×3)個の画像をプリントするか、または、1/4に縮小して16(4×4)個の画像をプリントするかを選択する。この分割数の選択を利用者に開放してもよいが、この実施形態のビデオプリンタ10では、分割数に合わせて型抜きしたシール用紙を使用するため、この分割数の設定は、事前に用紙のセット時に係員モードで行われ、ここではその設定内容を読み込むようになっている。なお、常に型抜きしないシートを使用する場合や複数種類の型抜きシートを複数トレイから選択できる場合などは、利用者が分割数を選択できるようにすればよい。
【0033】
そして、曲番号入力動作を実行する(s6:図6)。ここで入力される曲番号は、その曲番号と曲名をプリントに焼き込むためのものであり、このビデオプリントモードにおいて演奏されるものではないが、ビデオプリントモード終了後カラオケ演奏モードに移行したときに優先的な割込動作でこの曲の演奏を行わせることもできる。
【0034】
図6に曲番号入力動作の詳細を示す。まず、図15(B)のような選択画面を表示する(s20)。この画面は、ビデオプリント時に好みの曲名、選曲番号をプリントするか否かを選択させる画面である。この画面の表示中に、▼キー56aまたは▼キー56bを押下してYES/NOを選択し、スタートキー53をオンすることによって選択した内容を確定する(s21)。この選択内容がYESであればs22以下の動作に進み、選択内容がNOであればこの曲番号入力動作を終了してメイン動作に戻る。
【0035】
なお、このビデオプリントモードの動作において、他の画面が表示されている場面でも、上記キーコンキー56(▼キー56a,▲キー56b)およびスタートキー53を操作することによって全ての選択操作をすることができる。また、どの画面表示時においても取り消しキー55をオンすることによってこのビデオプリントモードを中止しカラオケ演奏モードにもどることができる。
【0036】
s22では曲番号の入力を受け付ける。ここで入力される曲番号は通常のカラオケ演奏モード時に入力されるものと同じ歌手番号−歌手別曲番号からなる6桁のものである。曲番号が入力されると、この曲番号のカラオケ曲の曲名を楽曲データ記憶エリア27aに含まれるディレクトリファイルから検索する(s23)。この曲番号に対応する曲名がある場合には、その曲番号・曲名を表示中の画面(図15(B))の該当欄に表示するとともにこの曲名と曲番号をRAM22に設定されているレジスタに記憶する(s25)。そしてこの動作を終了する。動作を終了したとき、図15(B)の画面はモニタ7,8から消去されるがレジスタの記憶内容は保持される。もし検索の結果、入力された曲番号に対応する曲がない場合には(s24)、s22にもどって再度曲番号の入力を受け付ける。
【0037】
図5において、曲番号入力動作(s6)を終了すると、次はフレーム選択動作を実行する(s7:図7)。フレームは、図15(D)にその一例を示すように、プリントの周辺部を装飾するイラストであり、ジャンルに応じて20種類が用意されている。このイラストフレームはビデオプリントICMデータ中に画像データとして記憶されている。利用者はキーコンキー56、スタートキー53を操作して20種類のフレームのなかから1つを選択することができる。
【0038】
図7はフレーム選択動作の詳細を示すフローチャートである。まず、図15(C)に示すようなジャンル選択画面を表示する(s30)。ここで、ジャンルは撮影人数によって分けられており、1人用のジャンルとして「一人で撮ろう!」、2人用のジャンルとして「二人で撮ろう!」、3人以上用のジャンルとして「みんなで撮ろう!A」、「みんなで撮ろう!B」、「みんなで撮ろう!C」が割り当てられている。また、フレームなしでプリントするために「フレームなし」のジャンルも設定されている。「一人で撮ろう!」、「二人で撮ろう!」、「みんなで撮ろう!A」、「みんなで撮ろう!B」、「みんなで撮ろう!C」の各ジャンルはそれぞれ4つのフレームを含んでおり、いずれかのジャンルが選択されると、そのジャンルに含まれるフレームが一覧表示され、さらにこのなかから1つが選択可能になる。
【0039】
図15(C)のジャンル選択画面を表示したのち、利用者によって▲キー56bがオンされるとジャンルを指定しているカーソルを1つ上に移動する(s31→s35)。また、▼キー56aがオンされるとカーソルを1つ下に移動する(s32→s36)。またスタートキー53がオンされた場合にはそのときの選択を確定したことになるため、s34からs37に進み、選択内容、すなわち、現在カーソルのあるジャンルが「フレームなし」であるかを判断する(s37)。フレームなしが選択された場合にはs37から直接s46に進んで選択結果のログを記録してこの動作を終了する。
【0040】
フレームなし以外のジャンルが選択された場合には(s37)、s38に進んで選択されたジャンルのフレーム群を表示する。図15(D)はジャンル「1人で撮ろう!」のフレーム群の表示例を示している。このような画面が表示されているときに▲キー56b,▼キー56aがオンされると(s39,s40)、フレームを指定するカーソルを1つずつ上または下に移動させる(s42,s43)。ここで、フレーム群の上下は図7(B)に示すような順に設定されているものとする。ただし、中央の5番のフレームは「戻る」の選択ボタンである。すなわち、▼キー56bがオンされることにより図7(B)の矢印の順序でカーソルを移動させ、▲キー56aがオンされるとこれと逆の順序でカーソルを移動させる。そしてスタートキー53がオンされた場合にはs41からs44に進み、選択対象が「戻る」であるか否かを判断する。「戻る」が選択された場合にはs44からs30に戻って、もう一度ジャンル選択画面の表示からやり直す。また「戻る」以外のフレームが選択された場合には、選択されたフレームの識別番号をRAM22に設定されているレジスタに記憶し(s45)、選択結果のログを記録して(s46)、この動作を終了する。
【0041】
図5において、上記フレーム選択動作が終了すると、背景画選択動作(s8:図8)を実行する。上述したようにステージの背面壁13はブルーになっており、クロマキー処理によってこのブルーを透明にして背景映像を合成することができる。この動作は、この合成する背景映像を選択する動作であり、LDチェンジャ4が再生する複数種類の動画背景画像またはCD−ROMチェンジャ5が再生する複数種類の静止画背景映像のなかから1つを選択する動作である。
【0042】
図8において、まず、動画または静止画の選択画面を表示する(s50)。利用者によって▲キー56bがオンされると動画を選択/解除する(s51→s55)。すなわち、動画が選択されていない状態(静止画が選択されている状態を含む)で▲キー56bがオンされた場合には動画の選択状態に設定し、動画が選択されている状態で▲キー56bがオンされた場合には動画の選択を解除して背景なし状態に設定する。また、利用者によって▼キー56aがオンされると静止画を選択/解除する(s52→s56)。すなわち、静止画が選択されていない状態(動画が選択されている状態を含む)で▼キー56aがオンされた場合には静止画の選択状態に設定し、静止画が選択されている状態で▼キー56aがオンされた場合には静止画の選択を解除して背景なし状態に設定する。スタートキー53がオンされた場合にはそのときの選択を確定したことになるため、s54からs57に進み、選択内容、すなわち、現在選択されている背景画が「背景なし」であるかを判断する(s57)。背景なしが選択された場合にはs57から直接s69に進んで選択結果のログを記録してこの動作を終了する。
【0043】
動画または静止画が背景画として選択された場合には(s57)、s58に進んで、曲番号入力動作(図6)で曲番号が入力されたかを判断する。曲番号が入力されている場合には、その曲のジャンルに基づいて候補画像を選択(s59)したのちs61に進む。一方、曲番号入力動作で曲番号が入力されなかった場合には、選択された動画または静止画のなかからランダムに数個の候補画像を選択(s60)したのちs61に進む。
【0044】
s61では、上記選択された候補画像の縮小画像(サムネール)を配列表示する。サムネールの表示中に▲キー56b,▼キー56aがオンされると(s62,s63)、カーソルを指定するカーソルを1つずつ上(左)または下(右)に移動させる(s65,s66)。ただし、サムネール中には「戻る」の選択ボタンが含まれこれを選択するとs50にもどる。スタートキー53がオンされると、現在カーソルのある候補画像が選択されたためs64からs67に進み、選択対象が「戻る」であるか否かを判断する。「戻る」が選択された場合にはs67からs50に戻って、もう一度動画・静止画の選択からやり直す。また「戻る」以外の候補画像が選択された場合には、選択された候補画像の識別番号をRAM22に設定されているレジスタに記憶し(s68)、選択結果のログを記録して(s69)、この動作を終了する。
【0045】
なお、上記背景画選択動作では動画または静止画の選択ののち、そのなかから1つを選択可能にしているが、装置が自動的に1つを選択するようにしてもよい。また、s6の曲番号入力動作によって曲番号が入力された場合には、この曲を演奏するときに表示される背景映像を自動的に選択するようにしてもよい。
【0046】
以上の動作によりフレーム,背景画の選択が終了し、こののち、図5の課金処理動作(s9:図9)およびカラーモード選択動作(s10:図10)を実行する。
課金処理動作は課金装置10から一定のクレジット数を減算する処理である。図9の課金処理動作の詳細フローにおいて、課金装置10から現在のクレジット数を読み込み(s70)、これが課金額以上であれば(s71)、該課金額に対応するクレジット数の減算を課金装置10に対して指示して(s73)、カラーモード選択動作(s10:図10)およびプリント実行動作(s11:図11)に進む。課金装置10は上記減算指示に基づいてクレジットカウンタ45のカウント値を減算する。一方、課金装置10から入力されるクレジット数が前記課金額に満たない場合には、モニタ7,8に「クレジットが足りません。コインを投入してください。」の文言を表示して(s72)、s70にもどる。こののち、s70→s71→s72の動作を繰り返し、課金装置10にコインが投入され、クレジットカウンタ45がカウントアップされてその値が前記課金額以上になればs71からs73に進む。なお、s70→s71→s72の動作を繰り返しているときにコマンダ15の取り消しキー55がオンされるとこのループから抜けてビデオプリントモードを終了する。
【0047】
なお、ビデオプリントモードの課金額は一律であってもよく、選択された内容に応じて課金額を変更するようにしてもよい。たとえば、後述の連写モードが選択された場合には単写モードよりも課金額を高くするなどである。
【0048】
課金処理ののち実行されるカラーモード選択動作(図10)において、まず、図15(E)に示すようなカラーモード選択画面を表示する(s80)。同図に示すように、利用者はカラーモードとして「モノクロ」、「カラー」、「セピア」のいずれかを選択することができる。図15(E)のカラーモード選択画面が表示されたのち、利用者によって▲キー56bがオンされるとカラーモードを指示するカーソルを1つ左に移動する(s81→s84)。また、▼キー56aがオンされるとカーソルを1つ右に移動する(s82→s85)。またスタートキー53がオンされた場合にはそのとき指示されているカラーモードの選択を確定するためs83からs86に進み、現在カーソルが指示しているカラーモードの番号をRAM22に設定されているレジスタに記憶する。こののち、この選択結果のログを記録してカラーモード選択動作を終了する。
【0049】
カラーモード選択動作が終了すると、プリント実行動作(s11:図11)を実行する。図11はプリント実行動作を示すフローチャートである。この動作は、ビデオカメラ6で撮影した利用者の顔に対して、s6で入力された曲名(曲番号)およびs7で選択されたイラストフレームを前景としてはめ込み、さらに、s8で選択された背景画を背景として合成した画像を作成してビデオプリンタ9でプリントする動作である。まず、s7(図7)のフレーム選択動作で20種類のフレームのうちいずれかが選択されたかを判断し(s90)、フレームが選択されている場合には選択されたフレームの画像データをビデオプリントICMデータ中から読み出して表示制御部38に入力する(s91)。表示制御部38はこのフレームの画像データをVRAM38aに書き込むことによってモニタ7,8に表示する。そして、s6(図6)の曲番号入力動作で曲番号の入力があったかを判断し(s92)、曲番号の入力があった場合には入力された曲番号および曲名を表示制御部38に入力する(s93)。表示制御部38は、VRAM38a上でこの曲名・曲番号を前記フレームの前面に合成する。合成結果はモニタ7,8に表示される。フレームと曲名・曲番号とを合成した合成画像データの表示例を図15(F)に示す。この表示ののち、背景画が選択されているかを判断し(s94)、選択されていない場合には直接単写処理(s97)に進む。背景画が選択されている場合には選択された背景画が動画であるか静止画であるかを判断する(s95)。選択された背景画が静止画であればCD−ROMチェンジャ5に指示を送って選択された静止画を再生し(s96)、単写処理を実行する(s97)。一方、選択された背景画が動画であればLDチェンジャ4に指示を送って選択された動画を再生し(s98)、連写処理を実行する(s99)。ここで、単写処理とは、利用者の顔を1枚キャプチャする処理であり、連写処理とは利用者の顔を複数枚キャプチャしてそのなかから1枚を選択する処理である。すなわち、動画を背景映像とする場合、利用者自身だけでなく背景も動くため、複数枚を連続してキャプチャしてそのなかから適当なものを選択できるようにしている。
【0050】
図12を参照して単写処理(s97)を詳細に説明する。s96またはs94からs97に進んだ段階で、モニタ7,8には、曲名(曲番号)、フレームの前景および静止画の背景画(s94から進んだ場合には無地の背景)が表示されており、ここにビデオカメラ6が撮影した利用者のライブ画像を合成する(s110)。ライブ画像の表示中に、利用者は自由に移動して映る大きさや位置を好みに合わせてポーズを決めたのち▲キー56aをオンする。▲キー56bがオンされると(s111)、ビデオカメラ6の入力をマスクしてオンされた瞬間の画像を、前景・背景とともにVRAM38aにキャプチャする(s112)。利用者は、キャプチャされた画像が好みでない場合には▼キー56aをオンする。キャプチャされた画像が好みの画像であった場合にはスタートキー53をオンする。▼キー56aがオンされると(s113)、合成画像データのキャプチャすなわちビデオカメラ6の入力マスクを解除して再度リアルタイムのライブ画像をモニタ39に表示する(s110)。また、合成画像データがキャプチャされているときにスタートキー53がオンされた場合には(s114)、そのときVRAM38aに記憶されている合成画像データをシール用紙にプリントできるように縮小・複数配置してビデオプリンタ9に出力する(s115)。ビデオプリンタ9はこの合成画像データをシール用の専用紙にプリントして放出する。
【0051】
なお、このプリント動作に約1分の時間が必要であるため、この時間にカラオケ装置は図11のs100以下の動作を実行する。まず、ビデオプリントモードの実行を完了した旨のログを記録したのち(s100)、曲番号入力動作(s6)で曲番号の入力があったかを判断する(s101)。曲番号の入力があった場合には、その曲を歌うか否かを訊ねる画面を表示し(s102)、歌う旨のキー入力があった場合には(s103)、割込予約モードで優先的にこの曲のカラオケ演奏動作に進む。これにより、プリント待ちの時間を利用してそのプリントに合成した曲を歌うことができる。一方、歌わない旨のキー入力があった場合(s103)、または、曲番号の入力がなかった場合(s101)には終了画面を表示したのち(s104)、通常のカラオケ演奏モードに移行する。
【0052】
図13,図14を参照して、s99の連写処理について説明する。
図13は自動連写処理動作を示すフローチャートである。自動連写処理動作は、利用者がスタートキー53を操作してキャプチャを指示すると1秒間隔で自動的に9枚の画像をキャプチャする動作である。
まず、選択された動画のチャプタナンバをLDチェンジャ4に指示して再生をスタートするとともに(s120)、撮影枚数をカウントするカウンタnに1をセットする(s121)。この段階で、モニタ7,8には、曲名(曲番号)、フレームの前景および再生がスタートした動画の背景画が表示されており、ここにビデオカメラ6が撮影した利用者のライブ画像を合成する(s122)。このライブ画像の表示中に、利用者は自由に移動して映る大きさや位置を好みに合わせてポーズを決めたのちスタートキー53をオンする。スタートキー53がオンされると(s123)、連続して9枚の画像をキャプチャする(s124〜s128)。すなわち、n番目の画像をキャプチャしたのちこれが9枚目に達していない場合には再度ビデオカメラ6の入力を受け付けてライブ画像を前景・背景と合成する(s126)。nを1加算するとともに1秒ウェイトして(s128)、s124のキャプチャ動作に戻る。s125でn=9と判断された場合にはs129以下の動作に進む。ここで、9枚の画像をキャプチャするために表示制御部38に9フレーム分のVRAM38aを内蔵してもよく、1フレームのVRAM38aを9分割して画像を縮小して記憶してもよい。
【0053】
9枚の合成画像データをキャプチャし終えると、動画の再生をストップし(s129)、キャプチャした9枚の合成画像データをモニタ画面を9(3×3)分割して表示する(s130)。利用者は9枚のキャプチャ画像のなかから所望のものを▲キー56b,▼キー56aの操作によって選択する。▲キー56b,▼キー56aがオンされると(s131)、カーソルを指定するカーソルを1つずつ上(左)または下(右)に移動させてキャプチャ画像の選択を変更する(s133)。スタートキー53がオンされると、現在カーソルのあるキャプチャ画像が選択されたためs132からs134に進み、そのとき選択されているキャプチャ画像をシール用紙にプリントできるように縮小・複数配置してビデオプリンタ9に出力する。ビデオプリンタ9はこの合成画像データをシール用の専用紙にプリントして放出する。なお、ビデオプリンタ9が9分割でプリントする場合には、モニタに表示した画像サイズをそのまま出力すればよい。
【0054】
なお、このプリント動作に約1分の時間が必要であるため、この時間にカラオケ装置は図11のs100以下の動作を実行する。まず、ビデオプリントモードの実行を完了した旨のログを記録したのち(s100)、曲番号入力動作(s6)で曲番号の入力があったかを判断する(s101)。曲番号の入力があった場合には、その曲を歌うか否かを訊ねる画面を表示し(s102)、歌う旨のキー入力があった場合には(s103)、割込予約モードで優先的にこの曲のカラオケ演奏動作に進む。これにより、プリント待ちの時間を利用してそのプリントに合成した曲を歌うことができる。一方、歌わない旨のキー入力があった場合(s103)、または、曲番号の入力がなかった場合(s101)には終了画面を表示したのち(s104)、通常のカラオケ演奏モードに移行する。
【0055】
図14はマニュアル連写処理動作を示すフローチャートである。マニュアル連写処理動作は、利用者がキーコンキー56すなわち▼キー56aまたは▲キー56bを操作してキャプチャを指示する毎に9枚まで画像をキャプチャする動作である。
まず、選択された動画のチャプタナンバをLDチェンジャ4に指示して再生をスタートするとともに(s140)、撮影枚数をカウントするカウンタnに1をセットする(s141)。この段階で、モニタ7,8には、曲名(曲番号)、フレームの前景および再生がスタートした動画の背景画が表示されており、ここにビデオカメラ6が撮影した利用者のライブ画像を合成する(s142)。このライブ画像の表示中に、利用者は自由に移動して映る大きさや位置を好みに合わせてポーズを決めたのちキーコンキー56(▼キー56aまたは▲キー56b)をオンする。キーコンキー56がオンされると(s143)、その瞬間の前景・背景を含む合成画像データをキャプチャする(s144)。ここでキャプチャ枚数nを判断し(s145)、nが9に達していない場合には、nに1を加算したのち(s146)、s142に戻ってライブ画像を前景・背景と合成する。
【0056】
s145でn=9と判断された場合にはs147以下の動作に進む。ここで、9枚の画像をキャプチャするために表示制御部38に9フレーム分のVRAM38aを内蔵してもよく、1フレームのVRAM38aを9分割して画像を縮小して記憶してもよい。s147では、動画の再生をストップし、キャプチャした9枚の合成画像データをモニタ画面を9(3×3)分割して表示する(s148)。利用者は9枚のキャプチャ画像のなかから所望のものを▲キー56b,▼キー56aの操作によって選択する。▲キー56b,▼キー56aがオンされると(s149)、カーソルを指定するカーソルを1つずつ上(左)または下(右)に移動させてキャプチャ画像の選択を変更する(s150)。スタートキー53がオンされると、現在カーソルのあるキャプチャ画像が選択されたためs151からs152に進み、そのとき選択されているキャプチャ画像をシール用紙にプリントできるように縮小・複数配置してビデオプリンタ9に出力する。ビデオプリンタ9はこの合成画像データをシール用の専用紙にプリントして放出する。なお、ビデオプリンタ9が9分割でプリントする場合には、モニタに表示した画像サイズをそのまま出力すればよい。
【0057】
なお、このプリント動作に約1分の時間が必要であるため、この時間にカラオケ装置は図11のs100以下の動作を実行する。まず、ビデオプリントモードの実行を完了した旨のログを記録したのち(s100)、曲番号入力動作(s6)で曲番号の入力があったかを判断する(s101)。曲番号の入力があった場合には、その曲を歌うか否かを訊ねる画面を表示し(s102)、歌う旨のキー入力があった場合には(s103)、割込予約モードで優先的にこの曲のカラオケ演奏動作に進む。これにより、プリント待ちの時間を利用してそのプリントに合成した曲を歌うことができる。一方、歌わない旨のキー入力があった場合(s103)、または、曲番号の入力がなかった場合(s101)には終了画面を表示したのち(s104)、通常のカラオケ演奏モードに移行する。
【0058】
上記動作ではキャプチャのトリガをコマンダ15のスタートキー53やキーコンキー56で入力するようにしているが、カラオケ歌唱者が使用するマイク11でこのトリガを入力できるようにしてもよい。たとえば、マイク11のオン/オフスイッチをトリガスイッチとしたり、マイク11から特定の音声信号をトリガとするなどである。
【0059】
また、上記連写動作では、9枚の合成画像データを連続してキャプチャできるようにしているが、この枚数は9枚に限定されない。また、自動連写動作では1秒間隔でキャプチャするようにしているが、この間隔も1秒に限定されない。
【0060】
また、上記連写動作では、複数枚の合成画像データをキャプチャしたのち、利用者に1枚を選択させ、この1枚のみをプリントするようにしているが、連続してキャプチャした複数枚の合成画像データを画面のコマ分割で全てプリントするようにしてもよい。
【0061】
上記機能を実現するICMデータは楽曲データと同様に配信センタからダウンロードすることができる。上述したようにICMデータは複数のスクリプトデータや複数の画像データ,文字データなどで構成されているため、各スクリプトデータ,画像データ,文字データ毎に更新することができる。
【0062】
図16は上記ICMデータのダウンロード動作を示すフローチャートである。ICMデータのダウンロードは楽曲データのダウンロードと同じ機会に行うようにしてもよく、別の機会に行うようにしてもよい。配信センタは、新規のICMデータのダウンロードや既に配信されているICMデータの更新、すなわち、一部データのダウンロードを10日程度の間隔でまとめて行い、このまとめたデータきにバージョンナンバを付している。カラオケ装置は、配信センタと回線が接続されると、まず、配信センタに対して既にダウンロード済の最終バージョンを通知する(s160)。配信センタはこの最終バージョンを受信してこれよりも新しいバージョンのデータを選択し、このデータをダウンロードしてくる。まず、配信センタからダウンロードするデータの内容を受信する(s161)。ダウンロードするデータの内容とは、新規ICMデータであるか既にダウンロード済のICMデータの更新であるか、更新の場合にはデータの全部を更新するか一部のみ更新するかなどの内容である。この内容をs162,s163で判断し、新規データのダウンロードの場合にはs162からs164に進む。s164では、ダウンロードされるICMデータの曲番号(8900−XX)を受信する。続いてこのICMデータのデータ本体を受信し(s165)、上記曲番号でハードディスク装置27上に確保された新規エリアにこれを書き込む(s166)。また、既にダウンロード済のICMデータの全部を更新する場合には、s163からs170に進み、更新されるICMデータの曲番号を受信する(s170)。次にこのICMデータのデータ本体を受信し(s171)、上記曲番号の古いICMデータを全部この新たなデータに書き換える(s172)。また、既にダウンロード済のICMデータの一部を更新する場合には、s163からs173に進み、更新されるICMデータの曲番号および更新するデータ名、すなわち、スクリプトデータ,画像データまたは文字データのファイル名を受信する(s173,s174)。次にこの更新するデータの本体を受信し(s175)、上記指定されたデータをこの新たなデータに書き換える(s176)。ダウンロードすべき全てのデータが終了するまで(s177)上記動作を繰り返し実行する。ダウンロードが終了するとICMデータの実行履歴を記録したログをアップロードして動作を終了する。上記ログはビデオプリントモードの場合、s46,s69およびs87で記録されたものである。
【0063】
このように、ICMデータは、楽曲データと同様に、配信センタからダウンロードされてハードディスク記憶装置27に記憶される。また、既にダウンロードされているICMデータの一部に対応する新たなデータをダウンロードしてこのICMデータを更新することもできる。たとえば、上記ビデオプリントスクリプトデータにおいては、ログを検査した結果、人気のないイラストフレームがあった場合、新たなイラストフレームの画像データをダウンロードして前記人気のないフレームと差し換えることができる。また、ICMデータの機能の一部を変更する場合には、変更すべき機能を実行するスクリプトデータのみをダウンロードして差し換えるなどの処理が可能になる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、カラオケ演奏時でないときに背景映像を再生し、カラオケ装置の利用者の画像をこの背景映像に合成した合成画像をプリントするようにしたことにより、カラオケ装置がカラオケ曲演奏時に再生する多種の背景映像データをプリントのフレームとして有効に利用することができ、カラオケ装置ならではのプリント機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図
【図2】同カラオケ装置のモニタおよびビデオカメラの設置形態を示す図
【図3】同カラオケ装置に付属するコマンダの外観図
【図4】同カラオケ装置で使用される楽曲データおよびICMデータの構成を示す図
【図5】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図6】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図7】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図8】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図9】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図10】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図11】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図12】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図13】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図14】ビデオプリントモード時の動作を示すフローチャート
【図15】ビデオプリントモード時のモニタ表示の例を示す図
【図16】ICMデータのダウンロード時の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1…カラオケ装置本体、2…アンプ、3…スピーカ、4…LDチェンジャ、
5…CD−ROMチェンジャ、6…ビデオカメラ、7,8…モニタ、
9…ビデオプリンタ、10…課金装置、15…課金装置、
27…ハードディスク記憶装置、
27a…楽曲データ記憶エリア、27b…ICMデータ記憶エリア、
38…表示制御部、38a…VRAM
Claims (5)
- カラオケ曲を演奏する演奏手段と、
前記演奏手段が演奏するカラオケ曲に対応する背景映像を再生する映像再生手段と、
をそれぞれ独立して備えるとともに、
装置利用者の姿を撮影するビデオカメラと、
飾り枠画像であるフレームを記憶するフレーム記憶手段と、
カラオケ曲を演奏することなく、前記映像再生手段に、装置利用者によって選択されたカラオケ曲に対応する背景映像を再生させ、再生された背景映像に前記ビデオカメラで撮影した装置利用者の画像および前記フレーム記憶手段に記憶されているフレームを合成し、さらにその上に前記装置利用者によって選択されたカラオケ曲の曲名を合成した合成画像を作成する画像作成手段と、
該画像作成手段が作成した合成画像をプリントするプリント手段と、
を備えたことを特徴とするカラオケ装置。 - 前記フレーム記憶手段は、前記ビデオカメラで撮影する装置利用者の人数(ジャンル)別に複数のフレームを記憶しており、
前記画像作成手段において使用されるフレームを選択するフレーム選択手段を備えた請求項1に記載のカラオケ装置。 - 前記フレーム記憶手段が記憶するフレームを、ホスト装置からダウンロードするフレームダウンロード手段を備えた請求項1または請求項2に記載のカラオケ装置。
- 前記フレームダウンロード手段は、前記フレーム選択手段によるフレームの選択履歴を記録し、この選択履歴に基づいて前記フレーム記憶手段が記憶するフレームを入れ換える請求項3に記載のカラオケ装置。
- 前記演奏手段は、前記プリント手段が前記合成画像をプリントしている間を利用して前記装置利用者によって選択されたカラオケ曲を演奏する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカラオケ装置。
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