以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では本発明に係る遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図、図2は本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤の正面側を示す図である。
<1.構成の概要、図1、図2>
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3a(図2参照)を前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出釦12(カード返却釦12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができるプッシュボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。さらに上受け皿9には記憶再生切替の操作部10が設けられ、ここに特別図柄の変動表示中に表示されたプレミアム画像を記憶するための記憶ボタン10a(記憶操作スイッチ)、記憶したプレミアム画像を特別図柄の変動表示が終了した所定の時期に再生するための再生ボタン10b(再生操作スイッチ)、再生するプレミアム画像を切り替えを行うための切替ボタン10c(切替操作スイッチ)が配設されている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号等による図柄(装飾図柄)を変動表示可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片(可動部材)47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その両側に一般入賞口43が計4つ配設されている。各一般入賞口43は、それぞれ内部にセンサを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)等が配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45等のランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御基板27(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescent Display)等で構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する液晶制御基板25(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出を生じさせ、特別図柄表示装置38における特別図柄の変動表示と連動するように図柄(装飾図柄)を3列に変動表示させて、上記装飾図柄変動表示ゲームを現出させる(以下、上記特別図柄変動表示ゲームや上記装飾図柄変動表示ゲームを「図柄遊技」と称する場合がある)。
したがって特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また特別図柄表示装置38の特別図柄に関しては、抽選結果が大当りを示す所定の停止表示態様(たとえば、3個の7セグが全て「7」表示状態)となり、液晶表示装置36の装飾図柄に関しては、左、中、右の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で上記抽選結果が大当りを示す所定の停止表示態様(たとえば、3個の装飾図柄が「7、7、7」表示状態)となる。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大15回(15ラウンド))繰り返されるようになっている。
また普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき普通図柄変動表示ゲームが開始され、普通図柄表示装置39が点滅等の変動表示を行い、一定時間経過後に、その普通図柄変動表示ゲームの結果を、LEDの点灯と非点灯の組み合わせまたは双方点灯の組み合わせにて停止表示する。すなわち、普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき乱数抽選が行われ、この抽選結果が補助当りであった場合には、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)に表示させ、その後に、可動翼片47が開状態となって、遊技者に有利な遊技状態である補助遊技状態が発生する。
この補助遊技状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば0.5秒)可動翼片47が閉まり下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返される。
また上記補助遊技状態中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に乱数抽選が行われ、上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。なお入賞されない遊技球はアウト口49を介して排出される。
上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球数)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、遊技機の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御基板27に設けられるRAM273(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
<2.制御装置、図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の構成の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板27と、主制御基板27から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板24と、この演出制御基板24からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板25と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板25には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。
また、主制御基板27には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御基板27)
主制御基板27は、主制御CPU271を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納したROM272と、ワークエリアが形成されるRAM273を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御基板27には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御基板27はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御基板27には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御基板27は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板27は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その結果に応じて特別図柄の変動パターンを決定し、この抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドを作成して演出制御基板24に送信する構成となっている。
主制御基板27からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御基板24を介して主制御基板27に入力されることを防止するためである。
(2−2.演出制御基板24)
演出制御基板24は、CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載していて、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路等が設けられている。この演出制御基板24の主な役割は、主制御基板27からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板25への液晶制御コマンドの送信、盤面・枠ランプ・LEDの制御、各種エラーの報知等である。
演出制御基板24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45a対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御基板24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせるべく、液晶制御基板25に対して液晶制御コマンドを送信する構成となっている。
(2−3.液晶制御基板25、図4)
図4は液晶制御基板25の構成を示すブロック図である。この図4には、液晶表示画面に表示されたプレミアム画像を記憶し再生する操作のための記憶再生切替の操作部10も一緒に示されている。
液晶制御基板25には、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP60に出力するCPU52(このCPUを「液晶制御CPU52」と称する)と、液晶制御CPU52の動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROM53と、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAM54とが設けられている。
また、液晶制御基板25には、液晶制御CPU52に接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)60と、VDP60が画像展開する必要な画像データを格納した画像データROM55と、VDP60が展開した画像データを一時的に記憶する第1VRAM56とが設けられている。そして、制御RAM54には、図柄変動中に表示された予告画像、特にプレミアム画像の記憶/再生を可能とすべく、プレミアム画像を指定する制御データを遊技の進行に影響を与えることなく記憶しておくための記憶手段として、記憶用RAM領域541が設けられている。
(2−3−1.画像データROM55)
画像データROM55には、図柄遊技における装飾図柄の変動パターンを構成する各シーンに係るデータ(映像の表示に必要なデータ)群が予め記憶されている。このデータ群は、各シーンの表示に必要な素材としての動画像データやスプライトデータを含み、この動画像データは、動画像を構成する一連のフレームに各々対応したフレーム画像データ群を含んでいる。図柄遊技に伴い現出する予告演出(キャラクタ演出や背景演出)の表示に必要な画像データも、このデータ群の一つとして画像データROM55に格納されている。これらのデータ群は特定の圧縮方法で圧縮された状態で、画像データROM55に格納されている。
上記予告演出の代表的なものには、大当り当選可能性を暗示する演出、たとえば液晶表示装置36に表示する装飾図柄に関し、左、中、右の各表示エリアにおいて「左」「中」「右」の3つの装飾図柄のうちの2つが同一の装飾図柄として停止することが確定する「リーチ」演出やそのリーチ演出の発生を予告する「リーチ予告」演出、一回の図柄変動をあたかも複数回変動しているかのように見せる擬似的連続変動表示演出(いわゆる、擬似連)の他、大当り当選期待度を暗示するアイテムを出現させる演出等の大当り当選期待度を暗示する「大当り予告」演出や、大当り当選確定を暗示する特別演出(いわゆる、プレミアム演出)等がある。この予告演出の違い、たとえばリーチ予告、大当り予告、擬似連等の演出の有無の違いで、たとえばリーチが発生した際に、いわゆる「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「プレミアムリーチ」等の区別が生じ、通常、この順で大当り当選可能性が高まるようになっている。特に、上記プレミアムリーチは、上記リーチの中でも、その確率が数百分の1〜数万分の1の超低確率で発生するように定められており、大当り当選確定時に出現するプレミアム演出の一態様である。
また画像データROM55には、メッセージ表示用データ領域が設けられ、ここには「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージ表示用データが格納されている。
(2−3−2.制御ROM53)
制御ROM53は、液晶制御CPU52が実行する図柄表示制御プログラムの他に、図柄の属性(キャラクタごとのアドレス、サイズ、表示位置、パレット番号等)を指定する属性テーブルを不揮発的に記憶している。キャラクタとは、所定数たとえば16×16ドットの画像を表示するドットの集合体であり、複数で1画面を構成する要素である。またこの属性テーブルにおいて、変動パターンに含まれるシーンの組み合わせや各シーンの表示順序が定められる。
(2−3−3.液晶制御CPU52)
液晶制御CPU52(表示制御手段)は、制御ROM53から制御RAM54に読み込んだ表示制御プログラムの動作によって、演出制御基板24からの液晶制御コマンドに基づきVDP60の動作を制御する。
(2−4.信号の流れ)
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる特別図柄等に必要となる基本情報が演出制御コマンドにより主制御基板27から演出制御基板24へと送信される。
演出制御基板24側では、主制御基板27から送られてくる演出制御コマンドに対応する複数種類用意された演出内容が定められた演出パターン群の中から、受信した演出制御コマンドに応じて現出させる演出と、場合により演出制御基板24側で新たに付加されることがある予告演出を含む演出パターンを抽選により選択し、この演出パターン群の中から抽選により選択された一つの演出パターンが、液晶制御コマンドにより演出制御基板24から液晶制御基板25へと送信される。この液晶制御コマンドにより、演出パターンに沿った演出の実行が指示される。送信される演出パターン中に予告演出が含まれているか否かは、演出制御基板24側で行われる上記演出パターンの抽選の結果により定まる。
(2−4−1.演出制御コマンド)
主制御基板27より演出制御基板24に対して送信される各種の演出制御コマンドについて簡単に説明しておく。演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、主制御CPU271は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)情報を送信し、次いでストローブ信号の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)情報を送信する。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されてくると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信して演出制御RAM243に格納する。
上記演出制御コマンドが主制御基板27から演出制御基板24に送信されると、このコマンド受けた演出制御基板24側で、あらかじめ複数種類用意された演出パターン群の中から、演出制御コマンドに対応した演出パターンが決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が演出制御基板24から音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターン対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLED等の点灯点滅駆動とが実現される。
また、上記決定された演出パターンに対応して、後述する液晶制御コマンドが演出制御基板24から液晶制御基板25に対して送信され、これを受けた液晶制御基板25側で処理され液晶表示装置36に演出パターンに対応した画像が表示される。また、上記演出制御コマンドだけでなく、払出制御基板29に対して遊技球の払い出しに関する制御信号を送信したり、特別図柄表示装置38や普通図柄表示装置39に対して表示制御信号を送信したりして、周辺装置の動作が実現される。
以下に、この演出制御コマンドの代表的なものについて説明する。
(a)「特別図柄変動パターン」コマンド
演出制御コマンドの代表例として、先ず、「特別図柄変動パターン」コマンドについて説明する(図14参照)。主制御CPU271は、特別図柄に関して、大当り抽選の結果が「大当り」の場合には、条件装置(大当りフラグ)が作動(大当りフラグ=オン)することとなる特定図柄の組み合わせ(たとえば組み合せA〜E)による振り分けの中から1つの組み合わせを抽選する。また、上記組み合わせA〜Eによる振り分けと、さらに変動パターン用乱数による振り分けとで、本実施形態では計5〜600通り用意された特別図柄の変動パターンの中から1つの特別図柄の変動パターンを抽選により決定する。一方、特別図柄に関して「ハズレ」の場合には、上記条件装置が作動することとなる図柄の組み合わせ(組み合わせA〜E)以外の振り分けの中から、ハズレに対応する図柄の組み合わせを抽選により決定して、ハズレの特別図柄変動パターンの中から1つの特別図柄変動パターンを抽選により決定する。
特別図柄の変動パターンは、変動パターンの識別子に、特別図柄の変動表示時間(特別図柄の変動開始から停止までに要する時間)や、擬似連の発生の有無や、作動保留球数や、上始動口や下始動口への入賞の別等の情報を対応付けたものであり、ROM272の変動パターンメモリ領域に変動パターン決定テーブル(特別図柄変動パターン振り分けテーブル)として予め記憶されている。
主制御CPU271は、特別図柄変動表示ゲームの実行毎に、上記特別図柄変動パターン振り分けテーブルから特別図柄変動パターンを抽選により選択し、この特別図柄変動パターンに関する情報を、演出制御コマンドとして演出制御基板24に対し送信する。このコマンドは、「特別図柄変動パターン」コマンドと称され、特別図柄の変動開始時に発生し、特別図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。指定する変動パターンの内容は、主として、特別図柄の変動時間であるが、最近では遊技性を高めるため、たとえば、上記擬似連が発生すると大当り当選期待度が高い、作動保留球数が4つのときにリーチがかかると大当り当選期待度が高い等の遊技性にバリエーションを持たせた演出を可能にするため、上記擬似連発生の有無や作動保留球数の情報も、変動パターンの内容として持たせている。また変動パターンの内容には、抽選結果が「大当り」または「ハズレ」のいずれに属するものかどうかの情報も含まれる。
(b)「特別図柄指定」コマンド
「特別図柄指定」コマンドは、特別図柄の変動開始時に発生し、大当り抽選の結果に対応して停止させる特別図柄情報を有する演出制御コマンドである。
(c)「演出停止(図柄停止)」コマンド
特別図柄の変動停止時に発生し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出(装飾図柄の変動表示を含む)の現出の終了を指定するための演出制御コマンドである。
(d)「遊技状態指定」コマンド
遊技状態の変化に伴い現在の遊技状態を指定する演出制御コマンドである。この遊技状態指定コマンドには、大当り(大当り遊技)中、通常遊技中や、いわゆる確率変動遊技中や時短遊技中等の遊技状態情報が含まれる。
(e)「デモ表示」コマンド
上述したデモ画面を現出させるための演出制御コマンドとして、「デモ表示」コマンドがある。このデモ表示コマンドは、一定時間経過しても特別図柄変動表示ゲームが行われていない場合に送信され、その送信タイミングは、一定時間経過しても上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれていないと判断されたタイミングで送信される(図8のステップS310)。
(f)その他のコマンド
その他、大当り中の演出を行わせる演出制御コマンドとして、特別図柄の停止後に送信される「大当り開始表示」コマンド、大入賞口40の開放時に送信される「開放表示」コマンド、大入賞口40の閉鎖時に送信される「開放インターバル表示」コマンド、最終ラウンドの大入賞口40の閉鎖後に開放インターバル表示コマンドの受信よりインターバル演出時間の経過後に送信される「大当り終了表示」コマンド、大当り終了後、大当り終了表示コマンドの受信より大当り終了演出時間経過後に送信される「遊技状態表示」コマンドがある。
(2−4−2.液晶制御コマンド)
上述したように、演出制御基板24は、主制御基板27から送信される演出制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドが液晶表示装置36に表示する画像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に対し送信される。なお、演出制御基板24からの液晶制御コマンドは一方向通信で送信され、原則として、液晶制御基板25へのコマンド送信は、主制御基板27からのコマンドを受信した順序で行なわれる。
基本的には、主制御基板27から送信される演出制御コマンドに対応したコマンド(液晶制御コマンド)が液晶制御基板25に送信される。この液晶制御コマンドの送信に際し、演出制御基板24は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板25にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。なお、ここでも不正な行為に対する安全性を確保するため、液晶制御基板25から主制御基板27へは信号が流れないように構成されている。以下に、演出制御基板24より各遊技動作の実行時に液晶制御基板25に対して送信される代表的な液晶制御コマンドについて簡単に説明しておく。
(a)「装飾図柄表示」コマンド
「装飾図柄表示」コマンドは、停止表示させる装飾図柄(左、中、右に停止させる装飾図柄の組み合わせ)を指定する液晶制御コマンドである。
なお本明細書においては、この装飾図柄表示コマンドと、次に述べる演出表示コマンドおよび遊技状態表示コマンドを含めて「表示コマンド」と総称する。
(b)「演出表示」コマンド
「演出表示」コマンドは、演出制御基板24側で決定された演出パターンに従った演出画像を表示するように指示する液晶制御コマンドである。この演出表示コマンドにより指定される内容は、「リーチ」演出の指定や、「キャラクタ」の種類とその表示位置および色情報の指定や、「背景」の種類の指定や、「擬似連」の種類の指定等である。この演出表示コマンドには装飾図柄の変動時間情報も含まれる。
ここで「演出パターン」とは、上記装飾図柄表示コマンドや演出表示コマンドや次に述べる演出停止コマンドや遊技状態表示コマンド等で特定される表示形態の総称であり、上記したリーチの有無、擬似連の回数、背景の種類、キャラクタの位置や色の表示等により演出パターンにおける演出シナリオが決定される。この演出シナリオを決定する要素はすべて予告演出としての役目を果たすことができる。プレミアム画像として出現する形態の代表的ものは、背景の中にキャラクタが出現する形態や、背景そのものが特定のものに替わる形態である。
(c)「演出停止」コマンド
「演出停止」コマンドは、液晶表示装置36に現出している演出(装飾図柄の変動表示を含む)の停止を指示する液晶制御コマンドである。
(d)「遊技状態表示」コマンド
各種遊技状態時の表示を行わせるコマンドである。この遊技状態表示コマンドには、大当り(大当り遊技)中、通常遊技中や、いわゆる確率変動遊技中や時短遊技中等の遊技状態情報が含まれる。
(e)その他のコマンド
その他、大当り動作中の演出を表示する液晶制御コマンドとして、特別図柄の停止後に送信される「大当り開始表示」コマンド、大入賞口40の開放時に送信される「開放表示」コマンド、大入賞口40の閉鎖時に送信される「開放インターバル表示」コマンド、最終ラウンドの大入賞口40の閉鎖後に開放インターバル表示コマンドの受信よりインターバル演出時間の経過後に送信される「大当り終了表示」コマンド、大当り終了後、大当り終了表示コマンドの受信より大当り終了演出時間経過後に送信される「遊技状態表示」コマンド等がある。
また液晶表示装置36にデモ画面を表示させる液晶制御コマンドとして、デモ画面表示コマンドがある。
(2−4−3.制御データ、図5)
液晶制御基板25側では、演出制御基板24から液晶制御コマンドにより演出パターンが送られてくる。この液晶制御コマンドにより、演出パターンに沿った演出表示が実行される。
具体的には、図5に示すように、液晶制御CPU52が表示制御プログラムに従って、図示してない入力ポートから入力される演出パターンを指定する表示コマンドを認識し、これを制御RAM54に一旦記憶する。この演出パターンを解析し、表示コマンドにしたがって制御ROM53の属性テーブルを参照して、制御ROM53から表示制御を行うための制御データを読み出す。そして制御RAM54を作業領域としてキャラクタや図柄、背景、動画キャラクタ等の画像データの演算を行い、これら画像データの演算結果を制御RAM54に格納し、VDP60に表示制御データとして出力する。
図5に示す点線は、プレミアム画像に関する再生用データを記憶用RAM領域541に記憶する場合の信号の流れを示している。遊技の進行途中において液晶表示装置36にプレミアム画像が表示されている期間中に記憶操作スイッチ10aが操作された場合、液晶制御CPU52は、その時点でのプレミアム画像の再生用データとしての制御データを制御RAM54の記憶用RAM領域541に記憶する。「再生用データとしての制御データ」とは、後にプレミアム画像を再生するのに必要となる制御データであり、この実施形態の場合、記憶操作時のシーンおよびコマ番号についての情報である。そして、制御RAM54の記憶用RAM領域541から上記制御データを読み出して、プレミアム画像を再生表示させる。詳細については後述する。
<3.主制御基板側の処理、図6〜図9>
次に、図6〜図9を参照して、主制御基板27側における処理内容について説明する。
(3−1.主制御側メイン処理:図6)
まず、遊技機本体に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御CPU271が図6に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
次いで、入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。しかしRAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、上記チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
次いで、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時の処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止状態(ステップS108)と割込許可状態(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
乱数の更新処理として、ステップS108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンコマンドの抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する。普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、前記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
(3−2.主制御側タイマ割込処理、図7)
図7は、主制御側メイン処理において、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、主制御CPU271は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS151)を実行する。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS152)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数(普通図柄当り判定用初期値乱数、普通図柄当り判定用乱数、特別図柄当り判定用初期値乱数、特別図柄当り判定用乱数、特別図柄用停止図柄乱数等)を定期的に更新する。
次いで、タイマ管理処理を実行する(ステップS153)。このタイマ管理処理では、遊技動作に用いられるタイマが管理制御され、遊技機の動作制御に用いる各種タイマのタイマ値はここで更新される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS154)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、遊技中継基板55を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43a等が検出した信号である。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS155)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、遊技機の異常を監視する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS156)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御信号(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を払出制御基板29に送信する。この賞球払出制御コマンドを受けた払出制御基板29は、遊技球払出装置19を駆動制御する。これにより、上記遊技球払出装置から所定個数の遊技球が上受け皿9に排出される。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS157)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定する。
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS158)。この普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS157)における当否抽選の結果に基づいてソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。
次いで、特別図柄管理処理を実行する(ステップS159)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(特別図柄停止図柄)を決定する。
(3−3.特別図柄管理処理、図8〜図9)
次に、大当り抽選に係るステップS159の特別図柄管理処理について説明する。図8および図9は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、上始動口34または下始動口35への入賞を検出したことを条件に、大当り判定処理、停止表示する特別図柄(特別図柄停止図柄)の設定、特別図柄の変動パターンの設定、特別図柄に関する演出制御コマンドの送信等の処理を実行する。
図8において、主制御基板(主制御CPU271)27は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS301)。入賞球を検出した場合(ステップS301:YES)、入賞を示す特別図柄始動口入賞コマンド(上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンド)を演出制御基板24に送信する(ステップS302)。この入賞コマンドは、入賞に伴うランプの点灯や特別図柄の作動保留球数を液晶表示装置25に表示する際に利用される。
続いてステップS303の処理に進み、特別図柄の作動保留球数が4以上であるか否か判断する(ステップS303)。特別図柄の作動保留球数(以下、「特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS303:NO)、特別図柄作動保留球数を1加算し(ステップS304)、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数、および変動パターン用乱数値のカウンタの現在値を取得して、それぞれRAM273の取得数値記憶エリアに格納する(ステップS305)。そしてステップS306の処理に進む。
ステップS301の処理において入賞球を検出していないかった場合(ステップS301:NO)や、ステップS303の処理において特別図柄作動保留球数が4以上の場合(ステップS303:YES)には、上記のステップS302〜ステップS305の処理を行わずに、ステップS306の処理に進む。
ステップS306の処理に進むと「大当り中」であるか否かを判断して、「大当り中」であれば(ステップS306:YES)、特別図柄を管理する必要がないので、これにより特別図柄管理処理を終了し、図7のステップS160の特別変動入賞装置管理処理(図7)に移行する。
一方、ステップS306の処理で「大当り中」でないと判断された場合(ステップS306:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS307、ステップS311、ステップS320)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
特別図柄待機中の場合は(ステップS307:YES)、特別図柄の作動保留球数がゼロかどうかを判断する(ステップS308)。
特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS308:YES)、遊技が全く行われていない可能性がある。そこでデモ演出を行なうべきデモ表示条件が成立しているか否かを判断する(ステップS309)。本実施形態では、上始動口34または下始動口35の検出信号入力が所定時間(たとえば60秒)経過しても、その入力がなかった場合に、上記デモ表示条件を満たしたと判断するようにしている。上記デモ表示条件が成立している場合は(ステップS309:YES)、デモ表示コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS310)。そして、この特別図柄管理処理を終了する。
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS308:NO)、図9のフローに進み、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS314)、ステップS305で取得した乱数値が大当り判定値に属するか否かの判定処理(大当り判定処理)を実行する(ステップS315)。
次いで、ステップS315における大当りの判定結果とステップS305で取得した特別図柄用停止図柄乱数値とに基づいて、特別図柄停止図柄を抽選により選択する(ステップS316)。この処理で抽選される特別図柄停止図柄により、大当りであれば、その大当りの種別が決定されることになる。本実施形態の大当りの種別には、大当り後の遊技状態が確率変動遊技に移行する確変大当りと、時短遊技に移行する非確変大当りとが設けられている。上記確率変動遊技では、大当り当選確率および補助当り当選確率が高確率となると共に、特別図柄や普通図柄の変動時間が通常遊技中よりも短縮され、補助当りとなった場合には通常遊技中よりも可動翼片47が開状態の期間が延長される。また上記時短遊技では、大当り確率が低確率となる点以外は確率変動遊技中と同じである。なお、確率変動遊技中は次回大当り遊技に移行するまで、時短遊技中は特別図柄の変動が所定回数(たとえば、100回)終了するまで継続し、所定回数が終了した後は通常遊技中へ移行するようになっている。
次いで、特別図柄の変動パターンを設定する(ステップS317)。この処理では、ステップS316の抽選結果とステップS305で取得した変動パターン用乱数値とに基づいて特別図柄の変動パターンが決定される。そして、処理状態を「特別図柄変動中」に切り替え(ステップS318)、特別図柄変動コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS319)。ここでいう「特別図柄変動コマンド」とは、特別図柄の変動開始条件が成立したことを条件に演出制御基板24に送信される特別図柄の挙動に関するコマンドであり、「特別図柄変動パターン」コマンドや「特別図柄指定」コマンドである。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図7)に移行する。
特別図柄変動中の場合は(ステップS311:YES)、特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS312:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS312:YES)、処理状態を「特別図柄停止中」に切り替え(ステップS312)、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す「図柄停止」コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS313)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図7)に移行する。
特別図柄停止中の場合は(ステップS320:YES)、特別図柄停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための一定時間が経過するのを待ち(ステップS321:NO)、一定時間が経過したならば(ステップS321:YES)、その停止図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS322)。大当り図柄である場合は(ステップS322:YES)、処理状態を「大当り中」に設定し(ステップS323)、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS324)。また停止図柄が大当り図柄でない場合は(ステップS322:NO)、ステップS323の処理を行わずにステップS324に進み、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS324)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図7)に移行する。
図7に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS159)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS160)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS159)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。
そして、上記のようにステップS152〜ステップS161の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS162)、タイマ割込処理を終了する。
<4.演出制御側の処理、図10〜図14>
次に、図10〜図14を参照して、演出制御基板24側における処理内容について説明する。
(4−1.演出制御側メイン処理:図10)
遊技機本体に電源が投入されると、電源基板31から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて、演出制御CPU241が図10に示す演出制御側メイン処理を開始する。
この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS501〜S502が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS503S〜507が行われる。
まず、演出制御基板24は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行し(ステップS501)、バックアップが正常であれば電源遮断(電断)前の処理状態に復帰させる復帰処理を実行する(ステップS502)。なお、電断前の処理データ(バックアップデータ)は、瞬停やノイズによる電断等に対応する全てのRAM情報のバックアップデータではなく、遊技復旧の際に必要となる最低限の遊技動作情報のバックアップデータである。
次いで、正常動作時の処理として、電断の発生の有無をチェックし(ステップS503)、電断の発生が確認された場合には(ステップS503:YES)、電断時におけるデータを所定のバックアップ領域に保存する(ステップS508)。
電断の発生を確認しない場合には(ステップS503:NO)、次いで演出用乱数更新処理を実行する(ステップS504)。ここでは、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用乱数値(演出パターン抽選用乱数値)を定期的に更新している。
次いで、コマンド受信割り込みやタイマ割り込み等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS505)、その後、割り込み禁止状態に設定し(ステップS506)て、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS507)。そして電断が発生しない限り、ステップS504からステップS507の処理を繰り返し実行する。
(4−2.コマンド受信割込処理、図11)
図11は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。ここではレジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS521)、演出制御コマンドをRAMの所定領域に格納する処理を行い(ステップS522)、レジスタを復帰(ステップS523)する。主制御基板27から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、演出制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図12)よりも優先して処理される。
(4−3.演出制御側タイマ割込処理、図12)
図12は、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御CPU241は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS531)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS532)。
次いで、定期更新処理を行う(ステップS533)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。
上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動されている変動期間内(特別図柄の変動期間内)と実質的に同一期間内である液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄の変動期間内)において、その時間軸上で、どのような演出の内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ45やスピーカ46や液晶表示装置36に現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。
次いで、演出決定管理処理として、主制御基板27から受信した演出制御コマンドに基づいて演出のシナリオを決定するコマンド解析処理(ステップS534)と、演出シナリオに基づき、液晶制御コマンド、音出力、LED出力設定を行う演出シナリオ更新処理(ステップS535)とを実行する。ここでの「演出シナリオ」とは、装飾図柄の変動パターンに対応する狭義の演出パターンに、予告演出を含めた広義の演出パターンを指す。
(4−4.コマンド解析処理、図13)
図13にコマンド解析処理(ステップS534)の詳細を示す。このコマンド解析処理では、主制御基板27から演出制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファ(図示せず)に演出制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視し(ステップS601)、演出制御コマンドが格納されている場合(ステップS601:YES)、コマンド受信処理として、この演出制御コマンドを読み出して、上記演出シナリオの主体である演出パターンを決定する(S602)。このコマンド解析処理では、上記コマンド受信割込処理で優先的に常に新しいものに更新された演出制御コマンドが処理されることになる。
また、この演出パターンの決定に関連して、演出表示抽選処理を実行する(ステップS603)。この演出表示抽選処理では、演出シナリオの追加的な構成要素である「予告演出パターン」を抽選する。「予告演出パターン」は、特別図柄が所定の変動パターンの変動を開始してから停止するまでの期間と等価的な時間幅である装飾図柄の変動中に、静止画像または動画像として表示させる演出であり、後述する複数種類の予告演出の内容が定められた演出パターン選択テーブル(図14)の中から抽選により選択される。
この抽選される「予告演出」の中には、選択確率が所定値より低い予告演出であるプレミアム演出の表示が含まれる。これについての詳細は後述するが、この「予告演出パターン」を指定するコマンドは、一方では、演出制御コマンドの一つとして演出制御基板24に送信されて音・ランプの制御に用いられ、他方では、液晶制御コマンドの一つとして液晶制御基板25に送信されて、液晶表示装置36による画像表示のために用いられる。
一方、演出制御コマンドを受信していなければ(ステップS601:NO)、何もしないでコマンド解析処理を終了する。
図12に戻り、次いで、演出シナリオ更新処理(ステップS535)を実行する。
この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド解析処理(図13)において決定された上記演出シナリオの内容に基づいてランプやスピーカ46を制御する制御信号(発光制御信号や音声制御信号)を作成し、また上記演出シナリオの内容に基づいて液晶制御コマンドを作成する。そして、作成した上記制御信号や液晶制御コマンドを、RAM243の所定の格納領域に格納して、演出シナリオ更新処理を終了する。
次いで、演出制御CPU241は、上記所定のコマンド格納領域における液晶制御コマンドの有無を判断する(ステップS536)。液晶制御コマンドが有る場合(ステップS536:YES)、演出制御CPU241は、液晶制御コマンドを、映像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に送信する(ステップS537)。これにより、液晶表示装置36において上記演出シナリオに沿って画像が変化するようになっている。
ここで送信される液晶制御コマンドには、装飾図柄表示コマンドやキャラクタや背景等の演出表示コマンドが含まれ、これらの表示コマンドは「予告演出」の発生を指定する情報である場合がある。したがって予告演出表示の一つであるプレミアム演出表示の表示コマンドも、ここで送信される。
上記ステップS537の処理に続いて、演出制御CPU241は、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声制御信号が有るか否かを判断し(ステップS538)、再生する音データの音声制御信号が有る場合には(ステップS538:YES)、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声制御信号を入力し、音源ICを通じてスピーカ46から音を出力させる(ステップS539)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ46から発生される。
続いて、LED出力処理を実行する(ステップS540)。このLED出力処理は、上記音声制御信号がサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光制御信号を装飾ランプ45やLED等に送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS541)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
(4−6.演出パターン選択テーブル、図14)
次に、図14を参照して、演出制御基板24のROM242に記憶される演出パターン選択テーブルの一例を説明する。この演出パターン選択テーブルは、主制御CPU271から演出制御コマンドを入力された場合にその内容から、演出制御CPU241が、これに対応する演出パターンを、あらかじめ定めた複数種類の演出パターン群の中から抽選により決定するための選択テーブルである。ここでは、図13のステップS603での予告演出の抽選に用いる演出パターン選択テーブルの一例を示す。
図14の左側には、主制御基板27から演出制御基板24に送られて来る特別図柄変動パターンコマンドや特別図柄指定コマンドに含まれる情報として代表的なものを、また右側には、演出制御基板24で抽選により決定される演出パターンを示してある。
主制御基板27から演出制御基板24に送られて来る上記各コマンドが持つ情報は、抽選結果の「ハズレ」と「大当り」の別や、最終的に停止する特別図柄(たとえば、「2」と「4」、「6.」と「4」、「2」と「6.」、「4.」と「2.」・・・等の組み合わせ)と、変動パターンの識別子ごとに付与された変動開始から図柄確定までに要する時間(変動時間)、等である。図14では、変動パターンの識別子の横に変動時間を括弧書で併記してある。
図14に示す演出パターンの場合、識別子01〜29の付いた変動パターン01〜29の各々に対して、共通識別子01A〜29Aを共有する演出パターンが対応付けられており、さらにこれらの共通識別子01A〜29Aに対して演出パターン用乱数値00〜99により振り分けた多数の演出パターンが用意されている。
たとえば、「変動パターン01」に対しては、共通識別子01Aを有する10種類の演出パターン(演出パターン用乱数値00〜09)が用意され、それぞれ演出制御基板24のROM24に格納されている。以下、変動パターン02〜29のものについても、同様に振り分けられた複数種類の演出パターンが格納されている。
これらの演出パターンは、液晶表示装置36による画像による演出に関して次のような内容が含まれている。(1)図柄遊技中(図柄変動期間中)において、3つの変動中の装飾図柄のうちで先に停止させる2つの装飾図柄(通常は、液晶表示装置36の表示エリア「左」「右」に表示する装飾図柄)が停止した際の「リーチ」演出の有無(図14中において白丸印はリーチありの場合を示す)、(2)左右の装飾図柄が一致するであろうことを暗示させる「リーチ予告」演出の種類に関して、その演出が「無し」「通常」「プレミアム」の別、(3)3つの装飾図柄が最終的に揃って停止するであろうことを暗示させる「大当り予告」演出の種類に関して、演出が「無し」「通常」「プレミアム」の別、等の内容が定めてある。なお、リーチ予告および大当り予告の「通常」には、図示はしていないが、大当り当選期待度に応じた複数種類のリーチ予告および大当り予告の演出が含まれる。
「ハズレ」に属する変動パターン01〜02に対応する演出パターン(共通識別子01A、02Aのもの)は、リーチすら発生しないものであり、ハズレ演出の代表的な演出形態である。また「ハズレ」に属する変動パターン02〜14に対応する演出パターン(共通識別子11A〜14Aのもの)は、リーチ演出が発生するものの、最終的には装飾図柄が3つ揃いとならない「ハズレ」となることを示す。このため、リーチ予告でも大当り予告でも、「無し」「通常」の2種類のみであり、大当り当選確定を暗示する演出「プレミアム」を含んだものとなっていない。
一方、「大当り」に属する変動パターン識別子21〜29に対応する演出パターン(共通識別子21A〜29Aのもの)は、リーチ予告である「無し」「通常」「プレミアム」の3種類と、大当り予告である「無し」「通常」「プレミアム」の3種類との組み合わせにより区分されている。以下に、「大当り」に属する変動パターン識別子に対応する各演出パターンについて、その内容を簡単に説明する。
(a)共通識別子21Aを有し、演出パターン用乱数値「00」〜「01」で振り分けられた計2種類の演出パターンは、非常にまれにしか出現しないものであり、リーチ予告および大当り予告共にプレミアム演出が発生する内容となっている。
(b)共通識別子22Aを有し、演出パターン用乱数値「02」〜「04」で振り分けられた計3種類の演出パターンは、非常にまれにしか出現しないものであり、リーチ予告は通常演出であるが、大当り予告にプレミアム演出が発生する内容となっている。
(c)共通識別子23Aを有し、演出パターン用乱数値「05」〜「08」で振り分けられた計4種類の演出パターンは、非常にまれにしか出現しないものであり、リーチ予告は演出なしであるが、大当り予告にプレミアム演出が発生する内容となっている。
(d)共通識別子24Aを有し、演出パターン用乱数値「09」〜「18」で振り分けられた計10種類の演出パターンは、まれに出現するものであり、リーチ予告にプレミアム演出が発生し、大当り予告が通常演出である、という内容となっている。
(e)共通識別子25Aを有し、演出パターン用乱数値「19」〜「55」で振り分けられた計37種類の演出パターンは、通常出現するものであり、リーチ予告および大当り予告共に通常演出である、という内容となっている。
(f)共通識別子26Aを有し、演出パターン用乱数値「56」〜「90」で振り分けられた計35種類の演出パターンは、通常出現するものであり、リーチ予告は演出なしであるが、大当り予告として通常演出が発生する、という内容となっている。
(g)共通識別子27Aを有し、演出パターン用乱数値「91」〜「94」で振り分けられた計3種類の演出パターンは、非常にまれにしか出現しないものであり、リーチ予告にプレミアム演出が発生し、大当り予告が演出なしである、という内容となっている。
(h)共通識別子28Aを有し、演出パターン用乱数値「95」〜「97」で振り分けられた計3種類の演出パターンは、通常出現するものであり、リーチ予告に通常演出が発生し、大当り予告が演出なしである、という内容となっている。
(i)共通識別子29Aを有し、演出パターン用乱数値「95」〜「97」で振り分けられた計3種類の演出パターンは、通常出現するものであり、リーチ予告および大当り予告ともに演出なし、という内容となっている。
<5.液晶制御側の処理、図15〜図22>
次に、図15〜図22を参照して、液晶制御基板25側における処理内容について説明する。
(5−1.液晶制御側メイン処理:図15)
図15は液晶制御側メイン処理を示すフローチャートである。この液晶制御側メイン処理は、液晶制御基板25の液晶制御CPU52により実行される。
この演出制御側メイン処理では、電源が投入されると、初めての処理としてステップS701〜S712が行われ、その後は正常動作時の処理としてステップS702〜S712が繰り返し行われる。
電源が投入されると、まず液晶制御CPU52は、自身のスタックポインタの設定、制御RAM54の初期化、レジスタのクリア等、表示制御始前における必要な初期設定を実行する(ステップS701)。次いで、ウオッチドック更新(ステップS702)、先頭スプライト設定(ステップS703)、コマンド解析(ステップS704)、コマンド別実行(ステップS705)、毎フレーム処理(ステップS706)、終了スプライト設定(ステップS707)、Vブランク待ち(ステップS708)、CPUレジスタ更新(ステップS709)、VDPレジスタ更新(ステップS710)、乱数取得(ステップS711)、ホットピンを0クリア(ステップS712)、の各処理を順次実行して行く。
先頭スプライト設定(ステップS703)ではスプライトの先頭アドレスを決定する。コマンド解析(ステップS704)では、大当り中、通常遊技中、確率変動遊戯中、時短遊技中等の遊技状態(モード)を解析する。コマンド別実行(ステップS705)の詳細は次に述べる。毎フレーム処理(ステップS706)では動作シーン分だけシーンの更新を行うとともに、動作スプライト分だけスプライトを更新する処理を行う。終了スプライト設定(ステップS707)ではスプライトの最終アドレスを決定する。
Vブランク待ち(ステップS708)では、VDP60が出力する外部信号である垂直同期信号(Vブランク)が発生したか否かを常時監視しており、Vブランクが発生した場合、ダブルバッファ反転(バンク切替)を行う。なお、Vブランクの発生の有無は、図17のVブランク割込処理(ステップS731)でVブランク毎に+1加算されるカウンタ(Vブランクカウンタ)の値を監視することで行われる。
CPUレジスタ更新(ステップS709)は液晶制御CPU52の内部レジスタを更新する処理である。VDPレジスタ更新(ステップS710)は、VDP60の内部レジスタ(VDPレジスタ)を更新する処理であり、VRAMインタフェース設定、割込クリア、割込極性設定、割込端子設定、ATPポインタモード設定、透明パレット設定、ランダムディザ設定、拡大表示モード設定、フレームカウンタ最大値設定、表示領域切替方法設定、VRAM空間表示領域設定、水平同期設定、垂直同期設定等が含まれる。
(5−2.受信割込処理、図16)
図11は、液晶制御コマンドの受信割込処理を示すフローチャートである。ここではまず演出制御コマンドを受信した場合(ステップS721)、受信したデータが図示してない入力ポート内のデータと同じか否かをチェックする(ステップS722)。入力ポート内のデータと同じでない場合、つまり演出制御基板24から新たな各種液晶制御コマンドを受けた場合(ステップS722:NO)、INT割り込みが発生し、この受信した液晶制御コマンドを制御RAM54(図4)内のコマンド受信バッファに格納する(ステップS723)。
(5−3.コマンド別実行処理、図18)
液晶制御CPU52は、制御RAM54に格納された演出制御コマンドを解析し(図15のステップS704)、その内容に応じ、図18に詳細を示すコマンド別実行処理を行う。これはコマンドノード分ルームの処理であり、1ループはステップS741で開始され、ステップS756で終了する。
図18において、液晶制御CPU52は、コマンド種類別の分岐に従い、装飾図柄の変動停止処理、変動開始処理、装飾図柄指定処理、保留処理、予告処理、大当り開始処理、ラウンド処理、インターバル処理、大当り終了処理、状態指定処理、回数処理、画像記憶処理および画像再生処理を行う(図15のステップS743〜S755)。
変動停止処理(ステップS743)では背景を表示し、図柄シーンを表示する。変動開始処理(ステップS744)では受信したコマンドに対応する変動シーンを再生する。装飾図柄指定処理(ステップS745)では受信した装飾図柄指定をセーブする。保留処理(ステップS746)では指定保留数をセーブする。予告処理(ステップS747)では該当データを予告ワークにセーブする。
大当り開始処理(ステップS748)では、変動中の状態、ラウンドの状態をそれぞれクリアし、ラウンドシナリオを初期化し、対応する大当り開始シーンを表示する。ラウンド処理(ステップS749)ではラウンドの状態に設定し、対応するラウンドシーンを表示する。インターバル処理(ステップS750)ではラウンド間に対応するラウンド間のインターバルシーンを表示する。大当り終了処理(ステップS751)では遊技状態の指定(確率変動遊技移行や時短遊技移行)に従って表示するシーンのモードを変更し、対応する大当り終了シーンを表示する。状態指定処理(ステップS752)は遊技状態のモードの変更先を指定する。回数処理(ステップS753)では大当りの連荘回数をセーブする。
画像記憶処理(ステップS754)および画像再生処理(ステップS755)については、次に述べる。
(5−4.通常の動作)
液晶制御CPU52は、図5に示すように、表示制御プログラムに従い、演出パターンを指定する表示コマンドを認識し、これを制御RAM54のバッファに一旦記憶する。この演出パターンを解析し、表示コマンドにしたがって制御ROM53の属性テーブルを参照して、制御ROM53から表示制御を行うための制御データを読み出す。そして制御RAM54を作業領域としてキャラクタや図柄、背景、動画キャラクタ等の画像データの演算を行い、これら画像データの演算結果を制御RAM54に格納し、VDP60に表示制御データとして出力する。この制御データは、表示する装飾図柄やキャラクタの属性を含むデータであるとともに、プレミアム画像により予告演出を行うようにシナリオが定められた演出パターンの映像を具現化するための制御データである。
VDP60はこの制御データを受けて、画像データROM55に記憶された画像データを読み出し、これにキャラクタの表示位置、および表示色等の演算を施し、その結果をVRAM56内のダブルバッファ(フレームバッファ)にバンク切替を伴いながらバックグラウンド時に一旦書き込む。そして、このダブルバッファからバンク切替を伴いながらフォアグラウンド時にフレーム画像データを読み出して、映像信号となる描画データを出力する。これを受けて、液晶表示装置36には、演出パターンに応じた各シーンの演出画像が表示される。
(6.画像記憶/再生処理、図19〜図22)
画像記憶処理(ステップS754)は遊技者の記憶ボタン操作により特定の予告演出画像(ここではプレミアム画像)を記憶することを可能にする処理であり、また画像再生処理(ステップS755)は遊技者の再生ボタン操作により記憶したプレミアム画像を再生することを可能にする処理である。
(6−1.画像記憶処理、図19〜図20)
図19に画像記憶処理(ステップS754)の詳細を示す。
プレミアム画像は、装飾図柄変動表示ゲームが行なわれている期間、つまり装飾図柄が変動表示を開始してからその変動が停止されるまでの図柄変動中の期間において、液晶表示画面における装飾図柄の背景画像としてまたはキャラクタ画像として表示される。この装飾図柄変動表示ゲームが行なわれている期間は、演出表示コマンドを受けた時点を起点として、演出停止コマンドを受けるまでの期間と実質的に同じ時間幅であり、実際には、特別図柄が変動表示を開始してからその変動が停止表示され、停止した特別図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための一定時間が経過する迄の期間となり、換言すれば、特別図柄変動表示ゲームが行なわれている期間と実質的に同じ時間幅となる。一方、装飾図柄が停止表示されている期間中、すなわち装飾図柄変動表示ゲームが行なわれていない期間中では、プレミアム画像表示の発生はないことになる。
そこで液晶制御CPU52は、まず現在特別図柄の変動に基づいて液晶表示装置36において装飾図柄が変動表示されている期間中であるか否かを判断する(ステップS761)。装飾図柄が変動表示されている期間中でない場合は(ステップS761:NO)、何もしないでこの処理を抜ける。
これに対し、装飾図柄が変動表示されている期間中(図柄変動中)である場合は(ステップS761:YES)、装飾図柄の背景またはキャラクタとしてプレミアム画像が表示されることがある。図20(a)に示す例では、時刻t1で開始した図柄変動表示期間T内の時刻t2でプレミアム画像によるシーンが次々と表示され始め、時刻t3で最後のシーンのプレミアム画像の表示が終了する。
そこで、この装飾図柄が変動表示されている期間中であることを条件として、プレミアム画像の表示中(図20の時刻t2〜t3の斜線区間)であるか否かを判断する(ステップS762)。
プレミアム画像を表示中である場合は(ステップS762:YES)、記憶ボタン10aが操作されたか否か判断する(ステップS763)。記憶ボタン10aの操作が有効に受け付けられる条件は、プレミアム画像が表示されている期間(記憶操作有効期間)(時刻t2〜t3の区間)中であることであり、この期間外に記憶ボタン10が操作されても無効な操作として扱われる。
記憶ボタン10aの操作が確認されるまで、上記ステップS761〜S763の処理を繰り返す。記憶ボタン10aの操作が確認されないまま、装飾図柄の変動表示が停止してしまったときは(ステップS761:NO)、プレミアム画像が表示されなかったか、または記憶/再生する必要がなかったときであるので、この画像データ記憶処理を抜ける。
しかし、プレミアム画像が表示され、かつ記憶操作有効期間(時刻t2〜t3の区間)内に記憶ボタン10aが操作された場合は(ステップS763:YES)(図20(c)参照)、その時点で液晶表示画面に表示されているプレミアム画像に関する制御データ、正確には当該シーンおよびコマ番号と表示位置を、図5に点線で示すように、制御RAM54の記憶用RAM領域541に記憶することにより(参照)、当該プレミアム画像を記憶する(ステップS766)。このプレミアム画像の制御データの記憶処理は、通常の画像データの表示処理と平行して行われる。
このようにすることにより、遊技の進行に伴って表示される液晶画面の表示処理と切り離して、つまり遊技進行の液晶表示に悪影響を与えることなく、プレミアム画像を記憶しておくことができる。
プレミアム画像を記憶したならば、記憶ボタン10aの操作回数の限度を規定する記憶操作カウンタC1の内容を+1加算する(ステップS767)。そして、記憶操作カウンタC1の内容が最大値nになった場合(ステップS769:YES)、記憶操作カウンタC1の内容をクリアする(ステップS771)。遊技者は、この記憶操作カウンタC1の内容が最大値nに達するまで、記憶操作を繰り返すことができる。
続いて、「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージを画面に表示することにより画像記憶を報知し(ステップS768)。そして、同じ図柄変動中において、遊技者により記憶ボタンが続けて複数回操作された場合、ステップS769において記憶操作カウンタC1の値が最大値nになるまで、上記ステップS761〜S769を繰り返す。
これにより記憶ボタン操作が複数回行われた場合には、その各時点のプレミアム画像に関する制御データが、制御RAM54の記憶用RAM領域541における別々のアドレスに記憶される。したがって、プレミアム画像が表示されている期間中において、遊技者が好みの記憶タイミング(カメラにおけるシャッタータイミング)で記憶ボタン10aを操作すると、それら複数回の操作時点におけるプレミアム画像の制御データが制御RAM54の記憶用RAM領域541に記憶される。また、このプレミアム画像の記憶操作がなされる度に、「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージが画面に表示される。かくして、同じ図柄変動中における画像データ記憶処理を終了する。
また、この実施形態の場合、図20の時刻t6〜t7の区間で示すように、時間軸上で離れた別々の図柄変動中にプレミアム画像が発生した場合にも、その発生の度にプレミアム画像を記憶することが可能となっている。すなわち液晶制御CPU52は、表示コマンドが切り替わったか否かをチェックし(ステップS764)、表示コマンドが新しくなる度に(ステップS764:YES)、履歴数カウンタC2を+1加算して行く。そして、この履歴数カウンタC2の値が最大値mと同じになった段階まで、上記の操作回数nを限度とするプレミアム画像の記憶操作を、各図柄変動中ごとに許す。履歴数カウンタC2の値が最大値mに達した場合は、履歴数カウンタC2の内容をクリアする(ステップS771)。かくして、別の図柄変動中における画像データ記憶処理を終了する。
図20の例では、履歴数カウンタC2の値が1の場合の図柄変動中において、記憶操作ボタン10aが記憶操作数カウンタC1の最大値nまで操作され、その後、同一の遊技者またはその後の遊技者により履歴数カウンタC2がその最大値mの段階まで繰り返され、その最大履歴mの段階でも、記憶操作ボタン10aが記憶操作数カウンタC1の最大値nまで操作される例を示している。
したがって、たとえばn=3、m=5の場合、プレミアム出現1回につき3回の操作(n=3)を許し、最大3回の履歴(m=5)を蓄積できることができる。この場合、操作回数nは3回まで許されるので、遊技者には3回(n=3)のシャッチャータンスが与えられることになる。また所定の履歴数mは5回であるので、5回分の履歴のプレミアム画像を再生表示することができる。通常、プレミアム演出は、大当り抽選に当選した際の予告演出として出現し、その上、プレミアム演出の出現確率は他の演出と比較して特に低確率に設定されている。このため、プレミアム画像が複数種類ある場合、個人ですべてのプレミアム画像を出現させてこれを収集するには多大な労力を要する。このように、プレミアム画像は稀にしか遭遇することができないため、これを収集したいと欲する遊技者は多い。上記事情に鑑みて、本発明では時間軸上で離れた別々の図柄変動中にプレミアム画像が発生した場合において、これらプレミアム画像を別個に記憶して再生可能に構成し、他人が出現させたプレミアム画像をも収集することができるようにしている。これにより、自己が出現させたプレミアム画像だけでなく、他人が出現させたプレミアム画像を観ることができ、あるいは両者を比較することができ、プレミアム画像を収集したいと欲する遊技者の要望に応える遊技機を提供することができる。
またプレミアム画像が短時間だけしか液晶表示装置36に表示されなかった場合であっても、記憶ボタン10aを押すだけで瞬時に記憶操作が完了するので、あわててカメラ付き携帯電話機を取り出す等の用意をする必要はない。また記憶したプレミアム画像は、後に図柄遊技中以外の期間で再生させることができるので、図柄遊技中であっても落ち着いてプレミアム画像を眺めて楽しんだり、携帯電話機に付属のカメラでシャッターチャンスの逃がすことなくこれを撮影して楽しむことができる。
また複数のシーンの連続からなるプレミアム演出の各シーンに対応するプレミアム画像は、好みのシャッタータイミングで記憶ボタンを複数回押すことで、複数枚記憶することができ、かつ、それらの記憶したプレミアム画像は、1枚ずつ任意に選択的に再生表示させることができることから、自己が最も好む構図のプレミアム画像を記憶再生し、その再生画像を確実にカメラ撮影して利用に供することができる。
(6−2.画像再生処理、図21〜図22)
図21に画像再生処理(ステップS755)の詳細を示す。
上記のようにして記憶したプレミアム画像を遊技者が再生して見るのに適した時期は、パチンコ遊技機本来の遊技である図柄遊技への影響がない期間、すなわち特別図柄ないし装飾図柄が変動表示を停止している図柄変動停止中の期間にあることである(図22(a)参照)。そこで、この図柄変動停止中の期間においてのみ、プレミアム画像の再生ボタン10bの操作を可能とする(図22(b)参照)。なお、この図柄変動停止中の期間は、遊技中の任意の時点で、遊技球を打ち出すのを止め、所定の待ち時間が経過するのを待つことで作り出すことができる。
図21において、液晶制御CPU52は、まず図柄変動中であるか否かを判断する(ステップS781)。図柄変動中の場合は(ステップS781:YES)、何もしないでこの処理を抜ける。
図柄変動中でない期間(図柄変動停止中)の場合(ステップS781:NO)、遊技者により再生ボタン10aが操作されたか否か、つまり演出制御基板24から液晶制御基板25に向けて送信される再生ボタン操作情報信号(再生ボタン操作コマンド)が受信されたか否か判断する(ステップS782)。なお、図柄変動停止中でない期間(図柄変動中)に再生ボタン10bが操作されても、そのボタン操作は受け付けされず、無効なボタン操作となる。また図柄変動停止中の期間内に遊技者が再生ボタン10aを操作しなかった場合は(ステップS782:NO)、何もしないでこの再生画像データ設定処理を抜ける。
これに対し、図22(b)に示すように、図柄変動停止中の時刻t2にて再生ボタン10bが操作されて再生ボタン操作コマンドが受信された場合は(ステップS782:YES)、制御用RAM54の記憶用RAM領域541にプレミアム画像に関する制御データが記憶されているか否かをチェックする(ステップS783)。本実施形態の場合、遊技者により記憶ボタン10aが最大操作回数nが最大履歴数mの各段階において操作されて、複数のプレミアム画像に関する制御データが制御用RAM54の記憶用RAM領域541に格納されているものとする。
制御用RAM54の記憶用RAM領域541にプレミアム画像に関する制御データが記憶されていると判断した場合(ステップS783:YES)、このプレミアム画像に関する制御データを読み出してVDP60に入力し、通常の画像表示の代わりに記憶したプレミアム画像を表示させる(ステップS786)。
これに先立ち、液晶制御CPU52は記憶画像選択画面を液晶表示装置36に表示させ(ステップS784)、記憶した複数のプレミアム画像のうちのいずれの画面を選択するのかを遊技者に問う。この記憶画像選択画面には、履歴の段階毎に記録したシーンの見出し画像が分かれて表示され、通常は、そのうちの最初の見出し画像が選択表示されている状態となる。
液晶制御CPU52は切替ボタン10cが操作されたか否かをチェックする(ステップS785)。
遊技者が切替ボタン10cを押さないでそのまま所定の待ち時間(たとえば5秒)だけ放置すると(ステップS785:NO)、切替前の見出し画像の選択状態が確定し、その選択されたプレミアム画像が表示される(ステップS786)。
遊技者が切替ボタン10cを押した場合には、切替後の見出し画像が表示され、そのまま所定の待ち時間(たとえば5秒)が経過するとその画像の選択状態が確定し、その選択されたプレミアム画像が表示される(ステップS787)。そして、画像表示終了条件が成立しない限り、ステップS785に戻る。従って、上記の所定の待ち時間(たとえば5秒)の時間幅内で連続的に切替ボタン10cを複数回操作すると、連続的に見出し画像の選択が切り替わり、一巡するともとの見出し画像の選択状態に戻る。このため遊技者は任意の見出し画像を循環式に探して選択し、自己の所望するプレミアム画像を表示させることができる。
図22には、時刻t3とt4の2回にわり切替ボタン10cが押され、別々のプレミアム画像が選択されて表示される例を示している。
本実施形態の場合、「画像表示終了条件」は、図柄遊技が開始されること、つまり停止中であった特別図柄の変動表示が開始されることである。しかし、上記終了条件に限らず、プレミアム画像の表示を終了させる専用の表示終了ボタン(図示せず)を設け、この表示終了ボタンが操作された場合、その操作入力を受けたことをプレミアム画像の表示を終了条件としても良い。また、図柄遊技が開始されてから所定時間が経過したことを条件としても良い。
画像表示終了条件が成立した場合は、記憶画像表示を終了させ(ステップS788)、再生画像データ設定処理を終了する。
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
<7.液晶制御基板25、図23>
図23は第2の実施形態に係る液晶制御基板25の構成を示すブロック図である。
(7−1.液晶制御基板25の構成)
液晶制御基板25には、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP60に出力する液晶制御CPU52と、液晶制御CPU52の動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROM53と、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAM54とが設けられている。
また、液晶制御基板25には、液晶制御CPU52に接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP60と、VDP60が画像展開する必要な画像データを格納した画像データROM55と、VDP60が展開した画像データを一時的に記憶する第1VRAM56と、図柄変動中に表示された予告画像、特にプレミアム画像の記憶/再生を可能とすべく、プレミアム画像データ(再生用データ)を遊技の進行に影響を与えることなく記憶しておくための第2VRAM57(予告画像用メモリ)およびメモリインターフェース制御回路58が設けられている。
画像データROM55には、図柄遊技における装飾図柄の変動パターンを構成する各シーンに係るフレーム画像データ(映像の表示に必要なデータ)群が予め記憶されている。
また画像データROM55には、メッセージ表示用データ領域が設けられ、ここには「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージ表示用データが格納されている。
制御ROM53は、液晶制御CPU52が実行する図柄表示制御プログラムの他に、変動パターンに含まれるシーンの組み合わせや各シーンの表示順序を定めた属性テーブルを不揮発的に記憶している。
液晶制御CPU52(表示制御手段)は、制御ROM53から制御RAM54に読み込んだ表示制御プログラムの動作によって、演出制御基板24からの液晶制御コマンドに基づきVDP60の動作を制御する。
また液晶制御CPU52は、さらに上記制御ROM53の属性テーブルの内容を参照して、各シーンの種類ごとに、そのシーンの表示に用いるフレーム画像を把握し、そのフレーム画像データを特定する。
メモリインターフェース制御回路58は、制御レジスタ群581、画像伸張回路582および展開データメモリコントローラ583を備えている。そして、液晶制御CPU52の制御によって、画像データROM55、第1VRAM56、および第2VRAM57と、VDP60との間のデータの受け渡しに関するインターフェースを制御する機能を有する。
制御レジスタ群581には、液晶制御CPU52が、転送元アドレス、転送先アドレスおよび転送バイト数等の設定値を書き込むことができ、画像伸張回路582は、この制御レジスタ群581を参照可能となっている。
画像伸張回路582は、制御レジスタ群581に書き込まれた設定値に従って、画像データROM55から、表示すべき変動パターンに含まれる各シーンを表示するための圧縮動画像データおよび圧縮スプライトデータを読み出す制御を行う。
展開データメモリコントローラ583は、液晶制御CPU52によって制御レジスタ群581に書き込まれた設定値に従って、第1VRAM56および第2VRAM57における書込状態(「展開状態」とも呼称する)と読出状態の切り替え条件が指定される。この切り替え条件に基づき、展開データメモリコントローラ583は、液晶制御CPU52の制御によって、第1VRAM56と第2VRAM57における書込状態と読出状態の切り替えを行う。
展開データメモリコントローラ583は、液晶制御CPU52の制御によって、通常は第1VRAM56に対して書込状態と読出状態の切り替えを行っている。
しかし、書込状態については、液晶制御CPU52が記憶再生切替の操作部10から記憶指示を受け、液晶制御CPU52から同時アクセス処理を実行すべき旨の転送指示が出力されたことを条件として、メモリインターフェース制御回路58は、第1VRAM56と第2VRAM57が同時に書込状態になるように、切り替えを行う。このため第1VRAM56と第2VRAM57には、双方に同一のシーンのフレーム画像データ(ここではプレミアム画像データ)が書き込まれる。つまりVDP60は、一方の第1VRAM56へフレーム画像データを展開すると共に、同じデータを第2VRAM57にも展開する。この結果、メモリインターフェース制御回路58は、通常の画像表示に影響がないように、第2VRAM57に予告画像を記憶させる機能を有することになる。
また、読出状態については、液晶制御CPU52が記憶再生切替の操作部10から再生指示を受けたことを条件として、メモリインターフェース制御回路58が、第1VRAM56に代えて、第2VRAM57が読出状態になるように、切り替えを行う。このため、第2VRAM57に記憶されているシーンのフレーム画像データ(ここではプレミアム画像データ)が第2VRAM57から読み出される。ここで、本実施形態では、上記プレミアム画像データが読み出されるのは、図柄遊技が行われていない期間中、つまり特別図柄の変動表示が行なわれていない期間である。この期間中であれば、通常の図柄遊技中の画像表示には影響を与えない。また、一定時間以上にわたって図柄遊技が行なわれなかった場合、デモ画面が表示されるデモ画面表示期間中に切り替わる。デモ画面とは、通常、一定時間(たとえば60秒)以上にわたって図柄遊技が行われていない状態において、遊技機における遊技の進行の説明やその紹介(デモンストレーション)のための演出表示である。この期間中であれば、通常の演出表示に替えてプレミアム画像が液晶表示装置36の画面に表示されても、通常の図柄遊技中の画像表示には影響を与えない。
このように展開データメモリコントローラ583は、液晶制御CPU52によって制御レジスタ群581に書き込まれた設定値に従い、第1VRAM56へのスプライトデータおよび動画像データの展開や読み出しを制御する機能を有する一方、第2VRAM57へのスプライトデータおよび動画像データの展開や読み出しを制御する機能を有する。
(7−2−1.同時アクセス処理に関する構成)
制御レジスタ群581には、液晶制御CPU52が転送元アドレスおよび転送先アドレスを書き込み可能な構成となっている。ここで、転送元アドレスとは、画像データROM55から第1VRAM56や第2VRAM57に転送すべきフレーム画像データの転送元アドレスを示している。また、転送先アドレスとは、画像データROM55から第1VRAM56や第2VRAM57に転送すべきフレーム画像データの転送先アドレスを示している。なお、1つの演出パターンは複数のシーンによる動画を指定することがあるが、その場合は、全シーンの各フレームに対応したフレーム画像データの転送バイト数が設定されて、フレーム単位ごとに転送可能になっている。
同時アクセス処理を実行すべき場合、メモリインターフェース制御回路58の展開データメモリコントローラ583は、第1VRAM56および第2VRAM57のチップセレクト信号をアクティブとすることで、第1VRAM56および第2VRAM57に対して同時にアクセス可能な状態とする。
そして、展開データメモリコントローラ583は、まず、液晶制御CPU52によって制御レジスタ群581に書き込まれた転送元アドレスおよび転送バイト数に従い、所望の圧縮フレーム画像データを読み出す。このとき、展開データメモリコントローラ583は、制御レジスタ群581に書き込まれた転送先アドレスをデコードして、第1VRAM56と第2VRAM57の双方についてチップセレクト信号をアクティブとすることで、伸張後のフレーム画像データを第1VRAM56に展開すると同時に、このフレーム画像データを第2VRAM57に展開する。
これら第1VRAM56および第2VRAM57には、それぞれ同一のフレーム画像データが展開される。ただし、第2VRAM57の格納エリアには、プレミアム画像を格納する回数毎に異なる記憶エリアのアドレスが指定される。つまり、第2VRAM57には、動画像の表示に用いたプレミアム画像データが、フレーム単位で分けたフレームデータとして複数展開されることになる。
(7−2−2.第2VRAMへの切り替え構成)
第1VRAM56および第2VRAM57は、それぞれ展開データメモリコントローラ583の制御によって、記憶済みのフレーム画像データを読み出す読出状態が、互いに切り替わる構成となっている。より具体的には、通常は、第1VRAM56に対してフレーム画像データが展開され、第1VRAM56からフレーム画像データが読み出されるよう制御されている。しかしプレミアム画像の再生時には、この展開データメモリコントローラ583は、液晶制御CPU52による設定に従い、第1VRAM56の代わりに第2VRAM57を対象とするように切り替え制御が行われ、第2VRAM57からフレーム画像データが読み出される。
(7−2−3.VDPの構成、図24)
図24は、映像表示プロセッサ(VDP)60の電気的な構成例を示すブロック図である。
VDP60は、CPUインターフェース61(図において「CPU I/F61」と略す)、ROMインターフェース63(図において「ROM I/F63」と略す)、バス62、VDPコントローラ67、ラインバッファ68、カラーパレットレジスタ66c、スプライト属性レジスタ66s、バックグラウンド(図において「BG」と略す)属性レジスタ66b、内蔵RAM65およびDMAコントローラ64を含んだ構成となっている。なお、内蔵RAM65は、VDP60の外部に設けられていても良い。VDP60(映像表示プロセッサ)は、液晶制御CPU52の制御によって、液晶表示装置36に映像を表示させるための描画データを生成する機能を有する。以下、このVDP60について具体的に説明する。
VDPコントローラ67は画像表示動作を制御しており、液晶制御CPU52の制御によってメモリインターフェース制御回路58を経由してフレーム画像データやスプライトデータを取得する。
また、カラーパレットレジスタ66c、スプライト属性レジスタ32およびBG属性レジスタ66bは、それぞれVDPコントローラ67による画像表示動作の制御に際し、このVDPコントローラ67が参照するレジスタである。
つまりVDPコントローラ67は、液晶制御CPU52の指示に基づいて、これらカラーパレットレジスタ66c、スプライト属性レジスタ32およびBG属性レジスタ66bを参照しつつ、描画データに基づいて、ラインバッファ68を経由して液晶表示装置36の演出表示動作を制御する。
ここで、上記液晶制御CPU52は、まず最初に制御ROM53のカラーパレットデータをカラーパレットレジスタ66cに書き込む。さらに液晶制御CPU52は、必要に応じて、制御ROM53のスケジューラデータから取得したスプライト属性データをスプライト属性レジスタ66sに書き込んだり、このスケジューラデータから取得したバックグラウンド属性データをバックグラウンド属性レジスタ32に書き込んだりする。
内蔵RAM65は、書き換え可能な揮発性のメモリであり、たとえばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)がその代表例である。ここで、制御ROM53から内蔵RAM65へのデータの書き込みは、液晶制御CPU52の制御により実行されても良いし、DMAコントローラ64の制御により実行されても良い。
ラインバッファ68は、VDPコントローラ67により生成された描画データを、表示すべき画像の走査線(ライン)単位で蓄積する機能を有し、この蓄積した走査線単位の描画データ69を出力する機能を有する。なお、このVDPコントローラ67は、描画データ69の出力の際、この描画データ69に同期させた同期信号SYNCも出力している。
<8.液晶制御側の通常処理、図25〜図34>
次に、図25〜図34を参照して、第2実施形態における液晶制御処理の内容について説明する。
(8−1.液晶演出処理、図25)
図25は、液晶制御基板25側における液晶演出処理を示すフローチャートである。この液晶演出処理は、図15の液晶演出メイン処理とその中のコマンド別実行処理(図18)においてなされる処理部分を包括的に示したものである。
図25において、液晶制御CPU52は、まず演出制御基板24から液晶制御コマンドにより演出パターンを表示すべき表示コマンドを受信したかどうかを確認する(図25のステップS801)。受信していない場合は(ステップS801:NO)、何もしないで液晶演出処理を抜ける。
表示コマンドを受信した場合(ステップS801:YES)、液晶制御CPU52は、この受信した表示コマンドを制御RAM54に記憶する。そして、画像記憶設定処理(ステップS802)を経て、展開制御テーブル(上述の属性テーブルに対応する)を確認する処理(ステップS803)、展開処理(ステップS804)へと進む。
液晶演出処理では、液晶制御コマンドの種類に応じた画像処理を行うが、ここでは、本発明と深く関係する「演出表示」コマンドを受信した場合について説明していく。以下では、まず、上記演出表示コマンドの内容として、プレミアム画像表示を伴わない演出パターンである場合の通常表示処理について説明する。
まず、受信した上記演出表示コマンドが、プレミアム画像表示を伴わない演出パターンであった場合、後述する画像記憶設定処理(ステップS802)においてプレミアム画像が表示されることがないので、これについての処理は何もしないでリターンし(図26のステップS812参照)、展開制御テーブル確認処理(ステップS803)に進む。
(8−2.展開制御テーブル確認処理)
この展開制御テーブル確認処理(ステップS803)において、液晶制御CPU52は、制御ROM53の展開制御テーブルを参照し、その液晶制御コマンドに対応した演出パターンに含まれる各シーンおよび各シーンの表示順序を確認する。
次いで、ステップS804の展開処理に進む。
(8−3.展開処理、図28)
図28に展開処理の詳細を示す。通常表示処理の場合は、記憶フラグ(詳細は追って説明する)はクリア(記憶フラグ=0)されており、ステップS821の判断はNOとなり、ステップS822の処理に進む。
このとき液晶制御CPU52は、演出パターンの各シーンを表示するために用いるフレーム画像データに関するアドレス等の情報についても併せて取得している。ここでいうアドレスは、画像データROM55の記憶領域におけるフレーム画像データを格納しているアドレス空間における位置(置き場)を意味している。
液晶制御CPU52は、ステップS803で参照した展開制御テーブルにおいて、所望の圧縮フレーム画像データが、それぞれ画像データROM55におけるどのアドレス空間に予め格納されているかを把握し、そのアドレス空間を示すアドレスを、メモリインターフェース制御回路58に対して指定する。
具体的には、液晶制御CPU52は、制御レジスタ群581に対して、読み出しアドレス等の設定値を書き込む。展開データメモリコントローラ583は、制御レジスタ群581に対してそれぞれ書き込まれた転送元アドレス等に基づいて、画像データROM55から圧縮フレーム画像データを読み出す(ステップS822)。
次いで、液晶制御CPU52は、画像伸張回路582のレジスタに対して、転送元アドレス(画像データROM55の記憶領域におけるアドレス)、読み出すべきバイト数および転送先アドレス(第1VRAM56の記憶領域におけるアドレス)を設定後、伸張開始を指示すべき旨の書き込みを行う。画像伸張回路582は、書き込まれた転送元アドレスに基づいて画像データROM55から圧縮フレーム画像データを読み出し、これに伸張処理を施してフレーム画像データを生成する(ステップS823)。
次いで、記憶カウンタの値C1が1以上であるか否かを判断する(ステップS824)。通常表示処理の場合は、C1=0であるので、何もしないでステップS826の処理に進む。
生成されたフレーム画像データは、展開データメモリコントローラ583に送られる。この展開データメモリコントローラ583は、液晶制御CPU52からの制御レジスタ群581への書き込みを契機として、シーン表示に必要なフレーム画像データについて、転送先である第1VRAM56に設けられた2つのフレームバッファへの展開処理を、バンク切替を行いながら実行する(ステップS826〜S829)。
ここで、VDP60には演出画像を表示する液晶表示装置36の1系統のフレームが設けられるのに対し、第1VRAM56には2系統のフレームバッファ領域(以下これらのフレームバッファ領域をフレームバッファ1、フレームバッファ2とする)が対応付けられている。
展開データメモリコントローラ583は、液晶制御CPU52から制御レジスタ群581への書き込みを契機として、バンク切替つまり転送先であるフレームバッファ1、2の切り替えと展開(および読み出し)を実行する。
具体的には、フレーム画像データを、バックグラウンド処理でフレームバッファ1およびフレームバッファ2に交互に展開して一時格納する。そしてこの一時格納したフレーム画像データを、フォアグラウンド処理でフレームバッファ1およびフレームバッファ2から交互に読み出す。すなわち、展開データメモリコントローラ583は、フレームバッファ1、2の一方にシーン表示に必要なフレーム画像データを展開するとともに、それらフレームバッファ1、2の他方から展開済みのシーン表示に必要なフレーム画像データを読み出すことを可能にするバンク切替制御を行っている。本実施形態では、このバンク切替期間の一方を「第1展開期間」と称し、他方を「第2展開期間」と称する。
図28に戻り、ステップS826において「第1展開期間」と判断された場合(ステップS826:YES)、展開データメモリコントローラ583は、フレームバッファ1にシーン表示に必要なフレーム画像データを展開するとともに、フレームバッファ2からシーン表示に必要なフレーム画像データを読み出し可能に切り替える(ステップS827)。一方、「第2展開期間」と判断された場合(ステップS828:YES)、展開データメモリコントローラ583は、フレームバッファ2にシーン表示に必要なフレーム画像データを展開するとともに、フレームバッファ1からシーン表示に必要なフレーム画像データを読み出し可能に切り替える(ステップS829)。
その後、図25のステップS805の処理に進む。
(8−4.全シーンの表示)
次いで、図25のステップS805では、VDPカウンタが2以上か否かを判定する。VDPカウンタは、1/60秒ごとに1加算されるカウンタであり、このカウンタが2となる、すなわち1/60秒+1/60秒=1/30秒が、バンク切替のタイミングである。
次いで、このVDPカウンタの1加算は、図17に示すVブランク割込処理、すなわちVDP60から1/60秒毎に送信されてくるクロック信号(垂直同期信号:いわゆるVブランク信号)を受信することに起因して呼び出される割込み処理でなされる。この割込み処理において、画像制御CPU82は、VDPカウンタであるVブランクカウンタの値に1を加算する(ステップS731)。
次いで、VDP60はステップS805の判断がNOの場合、つまりVDPカウンタが2未満の場合には、再度、ステップS805に戻る。即ち、VDPカウンタが2以上になるまで、ステップS805の判定処理を繰り返し行うことになる。
一方、VDP60は、VDPカウンタが2以上の場合(ステップS805:YES)、VDPカウンタをゼロに戻し(ステップS806)、VDP60にバンク切替えコマンドを送信する(ステップS807)。このコマンドを受信したVDP60がバンク切替を行うことになる。
次いで、今回の演出パターンについて表示すべき全シーンについての表示処理を終了したか否を判断する(ステップS808)。次のシーンがある場合は、ステップS802に戻る。そして上記ステップS802〜ステップS807の処理を繰り返し、演出パターンについての全シーンについての表示処理を終了した場合は、記憶カウンタの値C1(プレミアム画像表示中に再生ボタンが操作され、その操作回数に応じて1以上となっている場合がある)をゼロに戻し(ステップS809)、液晶演出処理を終了する。
このようにVDPカウンタが2以上となる表示タイミングの経過を条件に、画像再生開始からの画像再生時間を更新することによって、所定のタイミング毎に画像を生成することになる。
(8−5.描画処理、図34)
図34は描画処理の手順の一例を示す制御フローチャートである。なお、この描画処理は、16msごとに定常処理の一部として実行されている。
まず、液晶制御CPU52は、再生フラグ(図31のステップS854を参照)が“1”でないこと、つまりプレミアム画像演出を再生させる場合でない通常表示処理であることを確認した後(ステップS871:NO)、VDP60に対して表示態様を指定する(ステップS872)。具体的には、液晶制御CPU52は、演出パターンの表示動作にあたり、制御ROM53が管理する展開制御テーブルの展開情報やスケジューラデータ(表示情報)に基づいて、この表示態様を指定する。
この表示態様の指定が終了すると、まず、VDP60は、液晶制御CPU52の指示に基づいて、その表示態様に応じて表示されるフレーム画像データが展開されている第1VRAM56の記憶領域を示す転送先アドレスを、VDP60のROMインターフェース63(ROM I/F63)にセットし(ステップS873)、第1VRAM56のフレームバッファ1、2において該当する記憶領域からフレーム画像データを読み出す(ステップS874)。つまりVDP60は、液晶制御CPU52の指示に基づいて、メモリインターフェース制御回路58を経由して、第1VRAM56のフレームバッファ1、2からフレーム画像データ等を次々と読み出している。
ここで、VDP60が、これらフレームバッファ1、2のメモリ空間を参照した場合、同一のアドレスであるように見えるようになっている。このためVDP60は、フレームバッファ1、2のどちらに切り替えられた場合においても、同じ読み出し制御によって簡単にフレーム画像データを次々と読み出すことができる。そして、VDP60のVDPコントローラ67は、カラーパレットデータ、スプライト属性データ、およびバックグラウンド属性データを参照して、メモリインターフェース制御回路58を介して第1VRAM56から取得したフレーム画像データから描画データ69を生成する(ステップS880)。
VDPコントローラ67は、生成した描画データ69に基づいて、1フレームを表示するための映像信号を、たとえば走査線(ライン)単位で、いわゆるダブルバッファ構造を採用するラインバッファ68の一方に蓄積する。このVDPコントローラ67は、この描画データ69の蓄積と同時に、走査線単位で描画データ69を蓄積し終わったラインバッファ68の他方から、液晶表示装置36に対して同期信号SYNCに同期させつつ出力する。一方、液晶表示装置36においては、このように同期信号SYNCに同期させつつVDP60から描画データ69を受け取ると、この描画データ69に基づいて走査線(ライン)単位で表示する。
このようにして液晶表示装置36が1フレーム分の描画データ69を受け、フレームレートに合わせて次々と連続的に表示することを繰り返すと、この液晶表示装置36の表示領域にはシーンが表示される。
さらにVDP60は、次のシーンに関しても前シーンの表示中に第1VRAM56に展開されたフレーム画像データを取得し、1シーンを続けて表示する。このように各シーンが液晶表示装置36に表示されることで、この液晶表示装置36の表示領域には、これらシーンの連続表示により、視覚的に演出パターンが構成されて表示されることになる。
<9.プレミアム画像を伴った演出表示処理>
次に、プレミアム画像を伴った演出パターンの液晶制御コマンドを受信した場合のプレミアム画像記憶再生処理について説明する。
(9−1.プレミアム画像記憶処理)
図25の液晶演出処理において、液晶制御コマンドの一つとしてプレミアム画像を伴った演出表示コマンドが受信された場合(ステップS801:YES)、液晶制御CPU52は、上記ステップS802を経た後、展開制御テーブル確認処理(ステップS803)および展開処理(ステップS804)を行う。また受信された液晶制御コマンドの種類が、記憶ボタン10aが操作されたことを示す記憶ボタン操作コマンドである場合は、次に述べる画像記憶設定処理(ステップS802)において「記憶フラグ」をセットする。
(9−2.画像記憶設定処理、図26、図27)
図26に画像記憶設定処理(ステップS802)の詳細を示す。
液晶制御CPU52は、まず図柄変動中コマンドの受信の有無により、特別図柄の変動に基づいて装飾図柄が液晶表示装置36に変動表示されている期間中であるか否かを判断する(ステップS811)。
プレミアム画像が液晶表示装置36に表示されるのは、図柄変動中の期間である。プレミアム画像は、この図柄変動中において、液晶表示画面における装飾図柄とは別に、背景やキャラクタ(人物、物品等)等が重なり合うように表示される形態で様々な画像として表示される。図27(a)に示す例では、時刻t1で開始した図柄変動中の期間T内の時刻t2でプレミアム画像によるシーンが次々と表示され始め、時刻t3で最後のシーンのプレミアム画像の表示が終了する。
デモ画面表示中のように、図柄遊技中ではない期間、つまり特別図柄の変動が開始されず停止表示されている期間(図柄変動停止中)においては、プレミアム画像表示の発生はない。そこで、上記図柄変動中でなければ(ステップS811:NO)、何もしないで画像記憶設定処理を終了する。
これに対し、上記図柄変動中である場合は(ステップS811:YES)、プレミアム画像が表示される機会があるが、その発生確率が他の演出よりも相対的に低確率となるように定めているため、プレミアム画像には滅多に遭遇できない。このため、遊技者はこのプレミアム画像を、たとえば携帯電話機に付属のカメラで撮影したいと欲する。しかし、その画像表示期間は比較的短く、通常はその撮影準備が間に合わずに撮影できないことが多い。そこで本実施形態では、プレミアム画像が液晶表示画面に表示された場合、その表示されたプレミアム画像を、遊技者の意思に基づき、弾球遊技機本体に備わった記憶ボタンを押すことにより、一時的に遊技機内部のメモリーに保存しておき、図柄遊技中以外の期間内である図柄変動停止中、たとえばデモ画面表示中に、撮影準備を整えた上で、プレミアム画像を再生して見ることができるようにしている。
そこで液晶制御CPU52は、上記図柄変動中(ステップS811:YES)であることを条件として、プレミアム画像表示中(図27の時刻t2〜t3の斜線区間)であるか否かを判断する(ステップS812)。この判断は、たとえば、演出パターンがプレミアム演出を含むものであること、およびこれに基づき展開データメモリコントローラ583が第1VRAM56内のフレームバッファに展開または読取り中であることを条件とすることにより、VDP60がプレミアム画像によるシーンを画像表示している期間中であるか否かを判断することができる。
プレミアム画像を表示中である場合は(ステップS812:YES)、遊技者により記憶ボタン10aが操作されたか否か、つまり記憶ボタン操作コマンドが入力されたか否かを判断する(ステップS813)。記憶ボタン10aの操作が有効に受け付けられるのは、プレミアム画像が表示されている期間(記憶操作有効期間)(図27の時刻t2〜t3の区間)中だけであり、この期間外に記憶ボタン10aが操作されても無効な操作となる。
記憶ボタン10aの操作が確認できない場合(ステップS813:NO)、何もせずにこの画像記憶設定処理を終了する。
しかし、プレミアム画像が表示されている期間中、すなわち記憶操作有効期間(図27の時刻t2〜t3の区間)内に、記憶ボタン10aが操作された場合(ステップS813:YES:図27(c)参照)、その時点が液晶表示画面に表示されているプレミアム画像のデータ(プレミアム画像データ)を記憶したいと遊技者が欲したときである。そこで、プレミアム画像の表示中に記憶ボタン10aが操作された場合は、現在表示されているフレームの次のフレームのフレーム画像データを記憶するため、このフレーム画像データを第2VRAM57にも記憶すべきことを指示するフラグ(記憶フラグ)をセットし、「記憶フラグ=1」とする(ステップS814:図27(d)参照)。これによりプレミアム画像を記憶する動作モード(記憶モード)に移行する。図27の例では、プレミアム画像が表示されている期間中に希望するシーンを記憶するシャッタータイミングで2回記憶ボタンが操作され、それぞれのシーンのプレミアム画像データについて、その都度、記憶フラグがセットされる。
再び図25に戻り、続いて、展開制御テーブル確認処理(ステップS803)に進む。
(9−3.記憶モードでの展開制御テーブル確認処理、図25)
プレミアム画像を記憶する動作モード(記憶モード)に移行した場合は、上記ステップS842〜ステップS843で何もせずに、ステップS803の展開制御テーブル確認処理に進み、ここで制御ROM53の展開制御テーブルを参照し、その演出パターンに対応したプレミアム画像の各シーンおよび各シーンの表示順序を確認する(ステップS803)。
(9−4.記憶モードでの同時アクセス展開処理、図28)
次いでステップS804に進み、図28に詳細を示す記憶モードでの展開処理に入る。この展開処理では、まず記憶フラグが1か否かを判断し、その判断結果がYESとなるので、同時アクセス展開処理(ステップS830)に入る。
図29は、同時アクセス展開処理を示すフローチャートである。
液晶制御CPU52は、プレミアム画像の表示を伴う演出パターンに含まれる各シーンの表示に用いるフレーム画像データ群を画像データROM55から取得する。具体的には、ステップS803で参照した展開制御テーブルに従って、制御レジスタ群581に対して、画像データROM55における読み出しアドレス(転送元アドレス)等の設定値を書き込む。展開データメモリコントローラ583は、この転送元アドレス等に基づいて、画像データROM55からプレミアム画像の圧縮フレーム画像データを読み出す(ステップS831)。
液晶制御CPU52が、画像伸張回路582のレジスタに対して、転送元アドレス、読み出すべきバイト数および転送先アドレス等を設定後、伸張開始を指示すべき旨の書き込みを行う。これにより画像伸張回路582は、書き込まれた転送元アドレスに基づいて画像データROM55から読み出した圧縮フレーム画像データに伸張処理を施し、フレーム画像データを生成する(ステップS832)。
生成されたフレーム画像データは、展開データメモリコントローラ583に対して引き渡される。この展開データメモリコントローラ583は、液晶制御CPU52からの制御レジスタ群581への書き込みを契機として、第1VRAM56(フレームバッファ1またはフレームバッファ2)と第2VRAM57とに同時にアクセスする。
すなわち、現在が第1展開期間中である場合には(ステップS833:YES)、第1VRAM56のフレームバッファ1と第2VRAM57に同時にアクセス(同時アクセス処理)して、プレミアム画像のフレーム画像データを、第1VRAM56のフレームバッファ1に展開するのと同時に、第2VRAM57にも展開し保存する(ステップS834)。なお、この第1VRAM56のフレームバッファ1へフレーム画像データを展開している間に、フレームバッファ2からフレーム画像データの読み出しが行われる(ステップS834)。
一方、現在が第2展開期間中である場合には(ステップS835:YES)、第1VRAM56のフレームバッファ2と第2VRAM57に同時にアクセス(同時アクセス処理)して、プレミアム画像のフレーム画像データを、第1VRAM56のフレームバッファ2に展開するのと同時に第2VRAM57にも展開し保存する(ステップS836)。なお、この第1VRAM56のフレームバッファ2へフレーム画像データ画像データを展開している間に、フレームバッファ1からフレーム画像データの読み出しが行われる(ステップS836)。
次いで、プレミアム画像を記憶した旨のメッセージを画面表示して遊技者に報知するため、何回目の記憶操作であるかを保持する記憶カウンタの値C1を1加算する(ステップS837)。図27(d)の例では、2回の記憶操作となる。
また、再生時に利用可能とするため、プレミアム画像のフレーム画像データの展開先である第2VRAM57の記憶領域(保存先)のアドレスを、制御RAM54に保存する(ステップS838)。そして、記憶フラグを“0”に戻して(ステップS839)、図29の同時アクセス展開処理を終了する。
(9−5.記憶した旨のメッセージ表示)
図28の展開処理に戻り、次のフレームにおいて、ステップS821、S822、S803を経た後、記憶カウンタの値C1が1以上であるか否かをチェックする(ステップS824)。記憶カウンタの値C1が1以上の場合(ステップS824:YES)、n回を有効な操作回数限度として、記憶ボタン10aが複数回有効に押されたことを意味する。そこで、ステップS825の処理に進む。
ここで、「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージ表示用データを画像データROM55から読み出して第1VRAM67のバッファに一時的に保存する。そして、ステップS803の処理で伸張した次のフレームのフレーム画像データに、上記「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージ表示用データを重ね合わせる(ステップS825)。この画像データを、ステップS826〜ステップS829により第1VRAM67のフレームバッファ1、2に展開することにより、液晶表示画面に表示されているプレミアム画像のレイヤ上に「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージ表示のレイヤを重ね合わせた画像を表示させる。その他は、通常表示処理の場合と同じであり、第1VRAM56により所定の各シーンの展開処理がなされて行く(ステップS826〜S829)。
その後、図25に戻り、ステップS805に進む。これ以後のステップS805〜S809の処理および描画処理(図34)の仕方は、上記した通常処理の場合と同じであるので、説明を省略する。なおステップS809において、上記記憶カウンタの値C1は、全シーンについての処理が終わったときにゼロに戻される。したがって「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージ表示は、このステップS809において記憶カウンタがゼロに戻されるまで、つまり全シーンの表示が終了されるまで継続される。
(9−6.作用効果)
上記した第2の実施形態によれば、プレミアム画像の記憶は、VDP60が次回のフレーム画像として表示すべく展開したプレミアム画像データを、第1VRAM56に送って一時的に記憶する際に、同時に第2VRAM57に転送して記憶することで行われる。
このように第1VRAM56とは別の第2VRAM57を用意し、これにプレミアム画像データを記憶させることにより、図柄変動中(図柄遊技中)に表示されるプレミアム画像を、遊技の進行に伴って表示される液晶表示データと切り離して、つまり遊技進行の液晶表示に悪影響を与えることなく、記憶しておくことができる。
ここで、本実施形態では、演出シナリオに従った光、音、映像の演出制御のうちで、特に映像が連動して生起する表示コマンドに対して、演出制御基板24側で抽選により新たに予告演出が付加されて、液晶制御のための広義の演出パターンが作成されるとして説明した。この場合には、演出制御基板24側であらかじめ表示コマンドにより用意される演出パターン群の中には、予告演出を含むものと、予告演出を含まないものとが混在し、それらの演出パターンが次々と演出制御基板24から液晶制御基板25へ送信されることになる。
しかし、プレミアム演出を含む予告演出を表示させるか否かについての抽選は、演出制御基板24側ではなく液晶制御基板25側で行うこととし、演出制御基板24から送られてくる演出パターンには、常に予告演出を含ませない形態とすることもできる。すなわち、演出制御基板24側では、予告演出を含まない狭義の演出パターンを複数種類用意しておき、その中から抽選により選択した1つの演出パターンを表示コマンドにより液晶制御基板25に送信する。そして同時に、予告演出の表示を行うか否か(有無)についての情報も液晶制御基板25に送信し、予告演出の有りとする情報の場合、液晶制御基板25側において、新たに予告演出の内容を抽選する、という形態にすることができる。
また更なる変形例として、このような予告演出を行うか否か(有無)についての情報自体を液晶制御基板25側へ送信せず、表示コマンドにより特定されて液晶制御基板25に送られてくる演出パターンの種類に基づき、液晶制御基板25側で予告演出を行うか否かを抽選し、抽選に当選した場合には、その予告演出の内容について抽選により選択し、選択した予告演出を液晶表示装置36に表示させる形態としても良い。
<10.プレミアム画像再生処理>
次に、上記のように記憶したプレミアム画像を再生する場合について説明する。
(10−1.再生設定処理、図30)
図30は再生設定処理を示したものである。この再生設定処理は、図示してない液晶演出メイン処理に対して、所定時間毎に実施される割込処理であり、液晶制御基板25の液晶制御CPU52により実行される。
まず液晶制御CPU52は、演出制御基板24から液晶制御コマンドとして、再生ボタン操作コマンドや切替ボタン操作コマンドの「再生操作コマンド」を受信したかどうかを確認する(図30のステップS841)。受信していない場合は(ステップS841:NO)、何もしないで再生設定処理を終了する。再生操作コマンドを受信した場合は(ステップS841:YES)、画像再生設定処理(ステップS842)、再生画像切替設定処理(ステップS843)に進み、「再生フラグ」または「切替フラグ」をセットする。
(10−2.画像再生設定処理、図31、図33)
図31は、画像再生設定処理(ステップS842)を示すフローチャートである。
上記のようにして記憶したプレミアム画像を遊技者が再生して見るのに適した時期は、パチンコ遊技機本来の遊技である図柄遊技への影響がない期間、すなわち図柄変動停止中の期間である(図33(a)の時刻t1〜t4参照)。そこで、本実施形態でも、この図柄変動停止中の期間においてのみ、プレミアム画像の再生ボタン10bの操作入力を有効扱いとする(図33(b)の時刻t2参照)。
図31において、液晶制御CPU52は、まず図柄変動中(図柄遊技中)であるか否かを判断する(ステップS851)。図柄変動中の場合は(ステップS851:YES)、何もしないでこの画像再生設定処理を終了する。
図柄変動停止中の場合(ステップS851:NO)、遊技者により再生ボタン10bが操作されたか否か、つまり演出制御基板24から液晶制御基板25に向けて送信される再生ボタン操作コマンドが受信されたか否かを判断する(ステップS852)。なお、この図柄変動停止中でない期間(図柄変動中)に再生ボタン10bが操作されても、そのボタン操作入力は受け付けされず、無効扱いとする。また図柄変動停止中の期間内に遊技者が再生ボタン10bが操作しなかった場合は(ステップS852:NO)、何もしないでこの画像再生設定処理を終了する。
これに対し、図柄変動停止中に再生ボタン10bが操作されて再生ボタン操作コマンドが受信された場合(ステップS852:YES:図33(b)参照)、記憶されたプレミアム画像データがあるか否か、すなわち第2VRAM57にプレミアム画像データが記憶されているか否かチェックする(ステップS853)。
遊技者により記憶ボタン10aが複数回操作された場合には、その都度、プレミアム画像データが第2VRAM57に格納され、結果として複数のプレミアム画像データが第2VRAM57に記憶されている。また、それらの記憶場所のアドレスも制御RAM54に記憶されている。
第2VRAM57にプレミアム画像データが記憶されていると判断した場合(ステップS853:YES)、このプレミアム画像データを読み出すため、再生フラグをセットして「再生フラグ=1」とし(ステップS854、図33(c)参照)、画像再生設定処理を終了する。
続いて図25に戻り、ステップS843の再生画像切替設定処理に移行する。
(10−3.再生画像切替設定処理、図32)
図32は、再生画像切替設定処理(ステップS843)を示すフローチャートである。
この再生画像切替設定処理では、遊技者が画像切替ボタン10cを操作することにより、上記画像記憶設定処理(図26)で記憶された複数のプレミアム画像を切り替えて表示可能とする。
液晶制御CPU52は、まず、画像表示終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS861)。ここでの「画像表示終了条件」は、図柄遊技が開始される、つまり停止中であった特別図柄の変動表示が開始されることである。しかし、上記終了条件に限らず、プレミアム画像の表示を終了させる専用の表示終了ボタン(図示せず)が操作され、その操作入力を受けてプレミアム画像の表示を終了したことを条件としても良いし、図柄遊技が開始されてから所定時間が経過したことを条件としても良い。
画像表示終了条件が成立していない場合(ステップS861:NO)、液晶表示装置36の画面に表示する画像切替ボタン10cの操作があったか否か、すなわち画像切替ボタン操作コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS862)。画像切替ボタン操作コマンドを受信した場合は(ステップS862:YES)、制御RAM54に記憶されているアドレスに基づいて、第2VRAM57のプレミアム画像データ記憶領域に、他のプレミアム画像データ、つまり現在再生表示されているプレミアム画像以外のプレミアム画像データが記憶されているか否かを判断する(ステップS863)。他のプレミアム画像データが記憶されている場合には(ステップS863:YES)、その他のプレミアム画像の表示を行わせるため切替フラグをセットし、「切替フラグ=1」とする(ステップS864)。
図33では、図柄変動停止中(図33のt1〜t4)の時刻t3において、切替ボタン操作がなされ、これにより切替フラグ=1が発生した場合を例示している。
(10−4.再生描画処理、図34)
図34に示す描画処理において、液晶制御CPU52は、まず、再生フラグが1であるか否かを判断する(ステップS871)。再生フラグ=1の場合、つまりプレミアム画像演出を再生させるべき場合(ステップS871:YES)、続いて切替フラグが1であるか否かを判断する(ステップS875)。切替フラグ=1でない場合、つまり最初に記憶したプレミアム画像の再生である場合は(ステップS875:NO)、制御RAM54にプレミアム画像データの保存先として記憶した第2VRAM57の記憶領域のアドレスを当該制御RAM54から読み出し、VDP60にセットする(ステップS876)。
VDP60は、液晶制御CPU52の指示に基づいて、プレミアム画像データが保存されている第2VRAM57の記憶領域を示す保存先アドレスを、VDP60のROMインターフェース(ROM I/F)63にセットし、第2VRAM66において該当する記憶領域からプレミアム画像データを読み出す(ステップS877)。つまりVDP60は、液晶制御CPU52の指示に基づいて、メモリインターフェース制御回路58を経由して、第2VRAM57の該当する記憶領域からプレミアム画像データを読み出す。
そして、VDP60のVDPコントローラ67は、カラーパレットデータ、スプライト属性データ、およびバックグラウンド属性データを参照して、メモリインターフェース制御回路58を介して第2VRAM57から取得したプレミアム画像データから描画データ69を生成する。
VDPコントローラ67は、生成した描画データ69に基づいて、1フレームを表示するための映像信号を、走査線(ライン)単位でラインバッファ68に蓄積し、描画データ69を蓄積し終わったラインバッファ68から、走査線単位で液晶表示装置36に対して同期信号SYNCに同期させつつ描画データ69を出力する。液晶表示装置36は、このように同期信号SYNCに同期させつつVDP60から描画データ69を受け取ると、この描画データ69に基づいて走査線(ライン)単位で表示する。
このようにして液晶表示装置36が1フレーム分の描画データ69を受けると、その液晶表示画面に、記憶したプレミアム画像のシーンが再生表示される。したがってプレミアム画像は、液晶表示装置36による通常の画像表示の代わりに画面表示されることになる。
(10−5.切替再生描画処理、図34)
図34に示す描画処理のステップS875の判断において、液晶制御CPU52は、切替フラグ=1の場合、つまり次のプレミアム画像について、その再生画像の切替が指示されている場合は(ステップS875:YES)、制御RAM54から、当該制御RAM54に次のプレミアム画像データの保存先として記憶した、第2VRAM57の次の記憶領域のアドレスを読み出して、VDP60にセットする(ステップS878)。
VDP60は、液晶制御CPU52の指示に基づいて、プレミアム画像データが記憶されている第2VRAM57の次の記憶領域を示すアドレスを、VDP60のROMインターフェース63(ROM I/F63)にセットし、第2VRAM66において該当する記憶領域からプレミアム画像データを読み出す(ステップS879)。つまりVDP60は、液晶制御CPU52の指示に基づいて、メモリインターフェース制御回路58を経由して、第2VRAM57から次のプレミアム画像データを読み出す。
そして、VDP60のVDPコントローラ67は、カラーパレットデータ、スプライト属性データ、およびバックグラウンド属性データを参照して、メモリインターフェース制御回路58を介して第2VRAM57から取得した次のプレミアム画像データから描画データ69を生成する。
VDPコントローラ67は、生成した描画データ69に基づいて、1フレームを表示するための映像信号を、走査線(ライン)単位でラインバッファ68に蓄積し、描画データ69を蓄積し終わったラインバッファ68から、走査線単位で液晶表示装置36に対して同期信号SYNCに同期させつつ描画データ69を出力する。液晶表示装置36は、このように同期信号SYNCに同期させつつVDP60から描画データ69を受け取ると、この描画データ69に基づいて走査線(ライン)単位で表示する。
このようにして液晶表示装置36が1フレーム分の描画データ69を受けると、その液晶表示画面に、記憶した次のプレミアム画像のシーンが再生表示される。
上記のようにして、図柄変動停止中に、プレミアム画像の再生表示および表示切替が行われる。その後、図柄遊技が開始され特別図柄の変動が開始されれば、これにより図32の再生画像切替設定処理におけるステップS861で判断している画像表示終了条件が成立し(ステップS861:YES)、上記ステップS854でセットした再生フラグ、およびS864でセットした切替フラグをそれぞれクリアし(ステップS865)、プレミアム記憶再生処理を終了する。
(10−6.第2の実施形態の効果)
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞し、図柄遊技が開始され、液晶表示装置36での表示演出が進行してゆく。この時、液晶御基板25は、液晶表示画面に表示させる表示演出データを順次第1VRAM56に蓄積していく。
そして、図柄変動中にプレミアム画像が表示されていることを条件として、この画像を記憶しようとする遊技者が記憶ボタン10aを操作した場合には、その操作時点で表示されているプレミアム画像、正確にはその次のフレームのプレミアム画像の画像データが、第2VRAM57に記憶される。そして、このプレミアム画像データの記憶操作がなされる度に、「プレミアム画像を記憶した」旨のメッセージが表示される。
その後、図柄変動停止中(画像表示終了条件成立前)であることを条件に遊技者が再生ボタン10bを押すと、液晶表示装置36に表示される画像が、第2VRAM57に記憶されている他のプレミアム画像に切り替えられる。
したがって、第1の実施形態と同じく、プレミアム画像が短時間だけしか液晶表示装置36に表示されなかった場合であっても、記憶ボタン10aを押すだけで瞬時に記憶操作が完了するので、あわててカメラ付き携帯電話機を取り出す等の用意をする必要はない。また記憶したプレミアム画像は、後に図柄遊技中以外の期間で再生させることができるので、図柄遊技中であっても落ち着いてプレミアム画像を眺めて楽しんだり、携帯電話機に付属のカメラでシャッターチャンスの逃がすことなくこれを撮影して楽しむことができる。
また複数のシーンの連続からなるプレミアム演出の各シーンに対応するプレミアム画像は、好みのシャッタータイミングで記憶ボタンを複数回押すことで、複数枚記憶することができ、かつ、それらの記憶したプレミアム画像は、1枚ずつ任意に選択的に再生表示させることができることから、自己が最も好む構図のプレミアム画像を記憶再生し、その再生画像を確実にカメラ撮影して利用に供することができる。
[第2の実施形態の変形例]
上記した第2の実施形態では、1回の図柄変動中におけるプレミアム画像を記憶する場合を扱ったが、第1の実施形態の場合と同様に、複数回分の履歴数mだけ蓄積して残すように構成することもできる。
すなわち、図柄変動中の期間が切り替わった場合、切り替わり後の図柄変動中にプレミアム画像が表示された場合、その切り替わり後の図柄変動中に記憶ボタン10aが操作されたことを条件として、第2VRAM57の前回とは別の記憶領域を用いて第2VRAM57にプレミアム画像データを記憶しておく。その後、所定の図柄変動停止中の期間内で再生ボタン10bが操作されたことを条件として、今回記憶しておいたプレミアム画像データを第2VRAM57から読み出して再生させる。このようにすることにより、より多くのプレミアム画像を記憶することができ、過去の履歴のプレミアム画像を呼び出して、繰り返し観ることができる。
また、上記実施形態では、プレミアム画像の複数フレーム分のプレミアム画像データを第2VRAM57に記憶させたが、1フレーム分のプレミアム画像データを第2VRAM57に記憶させるだけの形態としても良い。
上記実施形態の場合、画像記憶設定処理(ステップS802)、画像再生設定処理(ステップS842)、再生画像切替設定処理(ステップS843)は、それぞれ液晶制御基板25側においておこなったが、演出制御基板24側で行い、その結果を液晶制御基板25側に送信するように構成しても良い。
[第3の実施形態]
次に本発明の第3の実施形態について説明する。図35は本発明の第3の実施形態に係る液晶制御基板25の構成を示すブロック図である。
また、この第3の実施形態では、第1VRAM56がフレームバッファ562の他に合成用のバッファ561を有している点、およびメモリーインターフェース制御回路58は存在しない点で、上記した第2の実施形態(図23)と異なる。なお、この実施形態では、合成用のバッファ561を第1VRAM56中に設けているが、独立したVRAMにより構成しても良い。
この第3の実施形態は、上記した第2の実施形態のように再生用データとしてフレーム画像(静止画像)を扱うのではなく、第1の実施形態と同様にフレーム画像を構成する素材データを取り扱っている点で、第2の実施形態と異なる。
この第3の実施形態では、図36に示すように、定常処理の場合、画像データROM55からスプライトや動画の二次元データまたは三次元データからなる画像データを読み出して演算し、一旦合成用バッファ(仮想スクリーン)561に展開して合成し、指示された演出パターンに対応するシーンの画像を形成する。そして、この合成後の画像データをフレームバッファ562に書き込む。このフレームバッファ562のフレーム画像データを読み出し、VDP60により映像信号となる描画データとして出力する。
図柄変動中にプレミアム画像が表示され記憶ボタン10aが押された場合は、その時点の合成後のプレミアム画像データを第1VRAM56のフレームバッファ562に書き込むと同時に、図36に点線で示すように、第2VRAM57にも書き込んで、当該プレミアム画像データを記憶する。
そして、変動停止中に再生ボタン10bが押された場合は、この第2VRAM57に記憶されているプレミアム画像データを読み出して、VDP60により映像信号となる描画データとして出力する。
このように合成用バッファ561を設けることで、三次元データをも含めた画像の素材データを扱うことを容易にし、フレーム画像を扱う場合に比べメモリ容量の減少化を図ることが可能となる。
[第4の実施形態]
次に本発明の第4の実施形態について説明する。この第4の実施形態は、第1〜第3の実施形態のようにVDP60に入力する前の制御信号または画像データを記憶するのではなく、VDP60から出力された後の映像信号となる描画データを再生用データとして扱い、記憶するようにした例である。
図37は本発明の第4の実施形態に係る液晶制御基板25の構成を示すブロック図である。第1の実施形態に係る図4と基本的に同じ構成であるが、制御RAM54に記憶用RAM領域541を設ける替わりに、VDP60から出力される描画データを記憶する第2VRAM71が設けられている。VRAM56を第1VRAMと称するが、単に第2VRAM71との識別のためにのみ用いられており、図4のVRAM56と同じものである。その他は図4と同じ構成である。
液晶制御CPU52は、この第2VRAM71への書込みと読み出しを制御する。この制御の下で、VDP60は、図柄変動中にプレミアム画像が表示され記憶ボタン10aが押された場合は、その時点のプレミアム画像の描画データを第2VRAM71に書き込んで、当該プレミアム画像を記憶する。記憶ボタン10aが複数回押された場合は、所定操作回数nを限度として、その都度の描画データを第2VRAM71の別の記憶エリアに格納する。
そして、図柄変動停止中に再生ボタン10bが押された場合は、この第2VRAM71に記憶されているプレミアム画像の描画データのうちの一つを循環式に選択して読み出し、VDP60から映像信号となる描画データとして出力し、当該プレミアム画像を再生する。
[第5の実施形態]
次に本発明の第5の実施形態について説明する。この第5の実施形態は、画面に表示されるプレミアム画像から装飾図柄だけを消し、その状態のプレミアム画像を記憶し再生することを可能としたものである。
プレミアム画像と装飾図柄とが重なるような演出画像の場合において、これをそのまま記憶してしまうと場合によっては、装飾図柄に隠れて見えない部分もプレミアム画像として記憶してしまう。遊技者の中には、表示されているありのままの演出画像としてのプレミアム画像を記憶したいと希望する遊技者がいる一方、装飾図柄に邪魔されずにプレミアム画像を撮影したいという遊技者も多い。本実施形態では、上記事情に鑑みて、画面に表示されるプレミアム画像から装飾図柄だけを消し、その状態のプレミアム画像を記憶し再生することを可能としている。
図38に、この形態の記憶処理の仕方を示す。前提となる液晶制御基板25の構成は、図4に示したものと同じである。
図柄変動中にプレミアム画像が表示され記憶ボタン10aが押された場合、液晶制御CPU52は、その時点のプレミアム画像の描画データ(記憶操作時のシーン背景とキャラクタのコマ番号および表示位置等)を制御RAM54の記憶用RAM領域541に書き込む。この点は第1の実施形態の場合と同じである。しかし、第5の実施形態においては、この書込み時に、装飾図柄表示コマンドを省略して書き込む。この点で、第5の実施形態は第1の実施形態と相違している。
そして、図柄変動停止中に再生ボタン10bが押された場合は、この制御RAM54の記憶用RAM領域541に記憶されているプレミアム画像に関する制御データのうちの一つを循環式に選択して読み出し、VDP60により当該プレミアム画像を再生する。
かくして再生したプレミアム画像は、装飾図柄を含まないため、通常ならば装飾図柄に隠れて見えない画像部分までも、くっきり鮮やかに表示される。このため携帯電話機に内蔵のカメラで撮影して保持し楽しめるだけでなく、たとえば携帯電話機のいわゆる待ち受け画面として利用し楽しむのに適した画像となる。
[第6の実施形態]
次に本発明の第6の実施形態について説明する。これも第5の実施形態と同じく、画面に表示されるプレミアム画像から装飾図柄だけを消し、その状態のプレミアム画像を記憶し再生することを可能としたものである。
図39に、この形態の記憶処理の仕方を示す。前提となる液晶制御基板25の構成は、図35および図36に示した第3の実施形態のものと同じである。
図柄変動中にプレミアム画像が表示され記憶ボタン10aが押された場合、液晶制御CPU52は、その時点で合成用バッファ561から得られるプレミアム画像データを、第1VRAM56のフレームバッファ562に書き込むのと同時に、第2VRAM57にも書き込む。この点は第3の実施形態の場合と同じである。しかし、第6の実施形態においては、この書込み時に、装飾図柄のスプライトについては非表示の状態にして書き込む。この点で、第6の実施形態は第3の実施形態と相違している。
そして、変動停止中に再生ボタン10bが押された場合は、この第2VRAM57に記憶されているプレミアム画像データを循環式に選択して読み出し、VDP60により当該プレミアム画像を再生する。
かくして再生したプレミアム画像も、装飾図柄を含まないため、通常ならば装飾図柄に隠れて見えない画像部分までも、くっきり鮮やかに表示される。このため携帯電話機のいわゆる待ち受け画面として利用し楽しむのに適した画像となる。
[変形例]
上記実施形態では、プレミアム画像を記憶/再生する場合を例について説明したが、他の予告画像を記憶/再生するために用いることもできる。たとえば、プレミアム画像以外の予告演出の発生時に記憶ボタン10aを操作して、当該予告画像に関する制御データまたは当該予告画像データを第2VRAM57に記憶し、この予告画像を後に再生して表示することもできる。
また上記実施形態では、記憶ボタン10aと再生ボタン10bが独立した操作ボタンであるとして説明したが、記憶ボタン10aと再生ボタン10bを1つのボタン(記憶/再生ボタン)で兼用することもできる。また、上記の記憶ボタン10aと再生ボタン10bと切替ボタン10cを1つのボタン(記憶/再生/切替ボタン)で兼用とすることができる。このように1つの操作ボタンによる兼用機能は、ボタン操作が許可される状況の違いにより、その機能を使い分ければよい。たとえば枠演出ボタン13を記憶/再生ボタンまたは記憶/再生/切替ボタンとして兼用させることとし、この枠演出ボタン13がプレミアム画像の表示中に操作されたことを条件として記憶ボタンとして機能させる構成とし、図柄遊技中以外の期間中に操作されたことを条件として、再生ボタンまたは画像切替ボタンとして機能させる構成とすることができる。
また記憶ボタン、再生ボタン、切替ボタンや、記憶/再生ボタンまたは記憶/再生/切替ボタンは、上記した枠演出ボタン13のような機械式のボタンとして設けてもよいし、必要に応じて画面中に画像により出現させたソフトキーによるタッチ方式の選択操作ボタンまたは循環式の選択操作ボタンとして構成することもできる。
なお、本実施形態では、演出制御基板24と液晶制御基板25とを別個の基板で遊技機に設けているが、これらの基板が担う機能を一体的に構成し、1つの基板に搭載して1チップマイクロコンピュータで制御する構成としても良い。
また、上記実施形態ではパチンコ機を例にして説明したが、本発明はパチンコ機だけでなく、回胴式遊技機(スロットマシン)のように抽選により遊技者に有利な特別遊技状態(いわゆる、ボーナス遊技)へ移行制御される遊技機であれば、等しく適用が可能である。
上記回胴式遊技機は、通常、機械式のリールが複数並列して設けられており、そのリールの外周に特別図柄に相当する図柄が配列され、これらリールの回転によって特別図柄変動表示ゲームが行われる。また、上記特別図柄の変動表示ゲームの進行状況に応じた演出画像の表示のために、液晶表示装置に代表される画像表示装置が設けてある。この種の回胴式遊技機において、遊技を行う過程でボーナス遊技への移行抽選が行われ、これに当選すればボーナス遊技、いわゆるビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームに代表される遊技者に有利な大当り遊技に移行する。
したがって、上記特別図柄の変動表示ゲーム中、すなわちリールが回転中の図柄変動中に、上記ボーナス遊技への当選時の予告演出として、プレミアム画像を表示させるような回胴式遊技機においては、本実施形態で取り上げたパチンコ機と同様に、プレミアム画像を記憶することが可能になる。そして、上記記憶したプレミアム画像の再生は、特別図柄の変動表示ゲーム中以外の期間内、すなわち全リールの停止中に行うように構成する。
[特許請求の範囲と実施形態との対応関係]
次に特許請求の範囲と本発明の実施形態との主な対応関係について説明する。
画像表示装置には、液晶表示装置36が相当する。演出制御手段には、主制御基板24および演出制御基板24が相当する。演出表示制御手段には、液晶制御基板25が相当する。
記憶手段には、図4および図38の記憶用RAM領域541、図23、図35および図39の第2VRAM57、図37の第2VRAM71が相当する。
記憶操作スイッチには記憶ボタン10aが、再生操作スイッチには再生ボタン10bが、切替操作スイッチには切替ボタン20cが相当する。
記憶制御手段には、液晶制御CPU52およびVDP60と、図19の画像データ記憶処理(ステップS761〜S768)、図26の画像記憶設定処理(ステップS811〜S814)、図29の同時アクセス展開処理(ステップS831〜S839)が相当する。
再生制御手段は、液晶制御CPU52およびVDP60と、図21の画像再生処理(ステップS781〜S789)、図31の画像再生設定処理(ステップS851〜S854)、図34の描画処理(ステップS871、S875〜S877)が相当する。