JP3695395B2 - 伝送線路および送受信装置 - Google Patents
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- H01P3/00—Waveguides; Transmission lines of the waveguide type
- H01P3/02—Waveguides; Transmission lines of the waveguide type with two longitudinal conductors
- H01P3/023—Fin lines; Slot lines
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばマイクロ波、ミリ波等の高周波信号を伝送する伝送線路および該伝送線路を用いて構成されるレーダ装置、通信装置等の送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高周波信号を伝送する伝送線路として、例えば誘電体基板の表面に導体層を設けると共に、該導体層に帯状のスロットを設けたもの(スロットライン)が知られている。このようなスロットラインでは、高周波信号はスロットの幅方向に平行な電界とスロットの長さ方向に平行な磁界とを有するモードを形成してスロットの長さ方向に伝搬する。
【0003】
また、他の従来技術による伝送線路として、誘電体基板の表面と裏面とにそれぞれ導体層を設けると共に、各導体層には高周波信号の伝搬方向に沿って帯状に延びるスロットを設け、これらのスロットを互いに対面させる構成としたものが知られている(特開平8−265007号公報等)。そして、このような従来技術による伝送線路では、高周波信号が2つのスロットに挟まれた誘電体基板の間を全反射を繰り返しながら伝搬する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による伝送線路(スロットライン)では、スロットを通じて高周波信号が放射し易いと共に、導体層のうちスロットの両端近傍に電流が集中して流れるから、伝送損失が増大するという問題がある。
【0005】
一方、他の従来技術による伝送線路では、高周波信号が誘電体基板の内部とその近傍に集中して伝搬するため、スロットラインに比べて伝送損失を低減することができる。しかし、誘電体基板の表面と裏面とにそれぞれ形成された2つのスロットが相互に位置ずれした場合には、誘電体基板の表面と裏面との両面から高周波信号が放射し、伝送損失が増大するという問題がある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、高周波信号の伝送損失を小さくすることができる伝送線路および送受信装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明による伝送線路は、誘電体基板と、該誘電体基板の裏面に設けられ高周波信号の伝送方向に沿って断面凸形状で連続して延びる隆起部と、前記誘電体基板の表面に設けられた表面側導体層と、前記隆起部の外面を含めて前記誘電体基板の裏面に設けられた裏面側導体層と、前記表面側導体層に設けられ前記隆起部に沿って延びるスロットとによって構成したことにある。
【0008】
このように構成したことにより、隆起部とスロットとによって導波路を形成することができ、この導波路を用いて高周波信号を伝搬することができる。また、隆起部は裏面側導体層によって覆われているから、誘電体基板の裏面側から高周波信号が放射することがなくなる。このため、隆起部とスロットとが位置ずれした場合であっても、誘電体基板の表面だけしか高周波信号が放射することがなく、放射による伝送損失を低減することができる。
【0009】
請求項2の発明は、誘電体基板には、隆起部を挟んだ両側に配置され厚さ方向に貫通して表面側導体層と裏面側導体層との間を導通させる複数のスルーホールルを設ける構成としたことにある。
【0010】
これにより、隆起部を挟んで配置したスルーホールによって高周波信号を隆起部とスロットとの間に閉じ込めることができる。このため、誘電体基板のうち隆起部の両側に向けて高周波信号が放射するのを防ぐことができ、伝送損失を低減することができる。
【0011】
請求項3の発明では、誘電体基板には、その表面に位置してスロットを覆うシールド部材を設ける構成としている。
【0012】
これにより、スロットを通じて放射する高周波信号をシールド部材によってスロットの周辺に閉じ込めることができ、高周波信号の伝送損失を低減することができると共に、外部への不用な高周波信号の放射を防ぐことができる。
【0013】
請求項4の発明は、隆起部には、断面凸形状の角部に湾曲状の円弧部を形成し、裏面側導体層は該円弧部を覆う構成としたことにある。
【0014】
これにより、隆起部の角部には円弧部を形成したから、隆起部の角部で裏面側導体層に隙間、亀裂等が生じることがなく、円弧部を覆って連続して形成することができる。このため、隆起部の全長に亘って円弧部を覆う裏面側導体層に電流を流すことができるから、電流集中を緩和し、伝送損失を低減することができる。
【0015】
請求項5の発明では、誘電体基板は、セラミックス材料、樹脂材料またはこれらの複合材料によって形成している。
【0016】
これにより、誘電体基板の耐熱性を向上することができるから、一括リフロー半田法を用いて表面実装部品を実装することができ、生産性を向上することができる。
【0017】
請求項6の発明のように、本発明による伝送線路を用いて送受信装置を構成してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による伝送線路を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
まず、図1ないし図3は第1の実施の形態による伝送線路を示し、図において、1は樹脂材料、セラミックス材料、またはこれらを混合して焼結した複合材料からなる誘電体基板で、該誘電体基板1は、例えば7.0程度の比誘電率εrで0.3mm程度の厚さ寸法T1をもった平板状に形成され、その表面1Aには後述のスロット5が設けられると共に、裏面1Bには断面凸形状をなして例えばマイクロ波、ミリ波等の高周波信号の伝送方向(矢示A方向)に沿って延びる隆起部2が形成されている。
【0020】
また、隆起部2は、その左,右方向に対して例えば0.45mm程度の幅寸法W1を有すると共に、例えば0.38mm程度の突出寸法T2をもって誘電体基板1の裏面1Bから突出している。
【0021】
3は誘電体基板1の表面1Aに形成された表面側導体層、4は誘電体基板1の裏面1Bに形成された裏面側導体層で、これらの導体層3,4は、誘電体基板1に対して導電性金属材料をスパッタ、真空蒸着等の手段を用いて薄膜状に形成されている。また、裏面側導体層4は、隆起部2の外面(左,右の側面および底面)を含めて誘電体基板1の裏面1Bを略全面に亘って覆っている。
【0022】
5は誘電体基板1の表面1Aに位置して表面側導体層3を貫通して設けられたスロットで、該スロット5は、隆起部2と対向した位置で隆起部2に沿って延び、帯状(溝状)の開口を形成している。また、スロット5は、その左,右方向に対して例えば0.45mm程度の幅寸法W2を有し、この幅寸法W2は隆起部2の幅寸法W1とほぼ等しい値に設定されている。
【0023】
本実施の形態による伝送線路は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0024】
まず、伝送線路に高周波信号を入力すると、隆起部2とスロット5との幅方向に対して電界Eが形成されると共に、スロット5の長さ方向と誘電体基板1の厚さ方向とに対して磁界Hが形成される。そして、高周波信号は、隆起部2の互いに対向する2つの側面をH面、隆起部2の底面および誘電体基板1の表面1AをE面とするTE10モードに準じたモードの電磁波をなしてスロット5に沿って伝搬する。このとき、高周波信号は、隆起部2の底面とスロット5が開口した誘電体基板1の表面1Aとでそれぞれ全反射を繰り返し、誘電体基板1の内部とその近傍に集中して伝搬する。
【0025】
然るに、本実施の形態では、誘電体基板1の裏面1B側に隆起部2を設けると共に、表面1A側に隆起部2と対向してスロット5を設けたから、隆起部2の底面とスロット5との間およびその近傍に集中して高周波信号を伝搬させることができる。このため、従来技術によるスロットラインに比べてスロット5からの高周波信号の放射を低減することができ、伝送損失を低減することができる。
【0026】
また、スロット5と対向して隆起部2を設けると共に、該隆起部2の裏面(底面)側を裏面側導体層4によって覆う構成としたから、誘電体基板1の裏面1B側から高周波信号が放射することがなくなる。このため、隆起部2とスロット5とが位置ずれした場合であっても、誘電体基板1の表面1Aだけしか高周波信号が放射することがないから、放射による伝送損失を低減することができる。
【0027】
さらに、誘電体基板1はセラミックス材料、樹脂材料またはこれらの複合材料によって形成したから、誘電体基板1の耐熱性を向上することができる。このため、一括リフロー半田法を用いて各種の表面実装部品を実装することができ、生産性を向上することができる。
【0028】
次に、図4ないし図7は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、隆起部を挟んだ左,右両側に誘電体基板を貫通して2つの導体層間を導通させる複数のスルーホールを設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0029】
11は隆起部2を挟んだ左,右両側(両脇)に位置して隆起部2の延びる方向に沿って設けられたスルーホールで、該スルーホール11は、例えば0.3mm程度の内径寸法φをもった略円形の貫通孔からなり、レーザ加工、パンチング加工等によって形成されている。そして、スルーホール11は、高周波信号の伝送方向(矢示A方向)に沿って左,右の片側に2列ずつ、合計4列をなして互いに平行に配置されている。また、隆起部2に近いスルーホール11と隆起部2から離れたスルーホール11とは、矢示A方向に対しても平行に配置されている。さらに、スルーホール11は、誘電体基板1を貫通すると共に、その内壁面が導電性の金属材料によって覆われ、表面側導体層3と裏面側導体層4との間を導通している。
【0030】
そして、高周波信号の伝送方向に対して隣合う2つのスルーホール11の間隔L1は、例えば使用周波数における高周波信号の誘電体基板1内の波長λgに対してλg/2以下に設定されている。また、隆起部2を挟んで両側に配置した2列のスルーホール11同士の間隔L2についても、例えば高周波信号の誘電体基板1内の波長λgに対してλg/2以下に設定されている。
【0031】
さらに、本実施の形態では、スルーホール11の高さ方向両端に位置する2つの導体層3,4の電位がほぼ等しい値となるように誘電体基板1の厚さ寸法T1、隆起部2の突出寸法T2等が設定されている。
【0032】
本実施の形態による伝送線路は上述の如き構成を有するもので、高周波信号の伝送方向に対するスルーホール11の間隔L1を例えば0.6mm、隆起部2を挟んで両側に配置した2列のスルーホール11同士の間隔L2を例えば0.65mm、誘電体基板1の厚さ寸法T1を例えば0.3mm、隆起部2の突出寸法T2を例えば0.38mm、隆起部2の幅寸法W1を例えば0.45mm、スロット5の幅寸法W2を例えば0.45mmにそれぞれ設定し、三次元電磁界シミュレーションを行った場合、図7に示す伝送特性を得ることができる。
【0033】
これにより、65GHz〜85GHz程度の高周波信号に対して反射係数S11が−30dBよりも小さくすることができると共に、透過係数S21をほぼ0dBに保持することができ、高周波信号を低損失で伝送することができる。
【0034】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができるが、本実施の形態では、隆起部2を挟んだ左,右両側に2つの導体層3,4間を導通させる複数のスルーホール11を設けたから、高周波信号を隆起部2とスロット5との間に閉じ込めることができ、誘電体基板1のうち隆起部2の左,右両側に向けて高周波信号が放射するのを抑制することができる。このため、放射に伴う高周波信号の伝送損失を低減することができる。
【0035】
また、誘電体基板1の裏面1Bには、断面凸形状で高周波信号の伝送方向に向けて延びる隆起部2を設け、該隆起部2の外面を含めて誘電体基板1の裏面1Bに裏面側導体層4を設けたから、スルーホール11に加えて隆起部2の側面にも電流を流すことができる。さらに、隆起部2は高周波信号の伝送方向に連続して設けられているから、誘電体基板1の厚さ方向のみならず、斜め方向に対しても電流を流すことができる。このため、隆起部2を省いた場合に比べて、スルーホール11内の電流集中を緩和でき、伝送損失を低減することができる。
【0036】
特に、本実施の形態では、スルーホール11の高さ方向両端に位置する2つの導体層3,4の電位がほぼ等しい値となるように誘電体基板1の厚さ寸法T1、隆起部2の突出寸法T2等が設定している。これにより、スルーホール11の高さ方向に電流が流れなくなるから、スルーホール11に電流が集中することによる損失をさらに低減することができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、隆起部2に近いスルーホール11と隆起部2から離れたスルーホール11とは、高周波信号の伝送方向に対して平行となる位置に配置するものとしたが、本発明はこれに限らず、図8に示す第1の変形例のように隆起部2に近いスルーホール11′と隆起部2から離れたスルーホール11′とは、矢示A方向に位置ずれした千鳥状(互い違い)に配置する構成としてもよい。
【0038】
次に、図9および図10は本発明の第3の実施の形態による伝送線路を示し、本実施の形態の特徴は、誘電体基板の表面にはスロットを覆うシールド部材を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0039】
21は第2の実施の形態と同様に隆起部2を挟んだ左,右両側(両脇)に位置して隆起部2の延びる方向に沿って設けられたスルーホールで、該スルーホール21は、例えば0.3mm程度の内径寸法φをもった略円形の貫通孔からなり、左,右の片側に2列ずつ、合計4列をなして互いに平行に配置されている。また、スルーホール21は、誘電体基板1を貫通すると共に、その内壁面が導電性の金属材料によって覆われ、導体層3,4間を導通している。
【0040】
22は誘電体基板1の表面1A側に取付けられたシールド部材で、該シールド部材22は、例えば導電性の金属板を断面コ字形状に屈曲することによって形成され、スロット5に沿って延びている。そして、シールド部材22は、その両端がスロット5を挟んで左,右両側の表面側導体層3に接続されると共に、スロット5との間に隙間を形成した状態でスロット5を覆っている。
【0041】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができるが、本実施の形態では、スロット5をシールド部材22によって覆う構成としたから、スロット5を通じて放射する高周波信号をシールド部材22によってスロット5の周辺に閉じ込めて、スロット5に沿って伝搬させることができる。このため、高周波信号の伝送損失を低減することができると共に、外部への不用な高周波信号の放射を防ぐことができる。
【0042】
なお、第3の実施の形態では、シールド部材22は誘電体基板1のうちスロット5近傍のみを覆う構成としたが、図11に示す第2の変形例のように略平面状をなすシールド部材22′によって誘電体基板1の表面1Aを全面に亘って覆う構成としてもよい。この場合、シールド部材22′には、スロット5と対面する位置に断面コ字形状に突出した突出部22A′を形成し、該突出部22A′によってスロット5を覆うものである。
【0043】
次に、図12は本発明の第4の実施の形態による伝送線路を示し、本実施の形態の特徴は、本実施の形態の特徴は、隆起部には断面凸形状の角部に湾曲状の円弧部を形成したことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0044】
31は誘電体基板1の裏面1Bに設けられた隆起部で、該隆起部31は、第1の実施の形態による隆起部2と同様に、断面凸形状をなして高周波信号の伝送方向に沿って延びている。また、隆起部31のうち断面凸形状の角部には、湾曲状をなす円弧部31Aが形成されている。これにより、隆起部31の外表面は、誘電体基板1の裏面1Bとの間を含めて滑らかに連続している。
【0045】
32は誘電体基板1の裏面1Bに形成された裏面側導体層で、該裏面側導体層32は、隆起部31の外面(左,右の側面および底面)を含めて誘電体基板1の裏面1Bを略全面に亘って覆い、円弧部31Aの表面で滑らかに連続している。
【0046】
33は隆起部31を挟んだ左,右両側(両脇)に位置して隆起部31の延びる方向に沿って設けられたスルーホールで、該スルーホール33は、誘電体基板1を貫通すると共に、その内壁面が導電性の金属材料によって覆われ、2つの導体層3,32間を導通している。
【0047】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができるが、本実施の形態では、隆起部31の角部に円弧部31Aを設け、該円弧部31Aを裏面側導体層32によって覆う構成としたから、隆起部31の角部が直角等のエッジ状をなしている場合に比べて裏面側導体層32に隙間、亀裂等が生じることがなく、円弧部31Aを覆って連続して形成することができる。このため、隆起部31の全長に亘って円弧部31Aを覆う裏面側導体層32に電流を流すことができるから、電流集中を緩和し、伝送損失を低減することができる。
【0048】
次に、図13および図14は本発明の第5の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、伝送線路を用いてレーダ装置を構成したことにある。
【0049】
41は本実施の形態による送受信装置としてのレーダ装置で、該レーダ装置41は、両面にそれぞれ表面側導体層42Aと裏面側導体層42Bが形成された誘電体基板42を用いて形成され、誘電体基板42の表面に設けた電圧制御発振器43と、該電圧制御発振器43に増幅器44、サーキュレータ45を介して接続されたスロットをなす開口部46と、該開口部46から受信した信号を中間周波信号IFにダウンコンバートするためにサーキュレータ45に接続されたミキサ47とによって概略構成されている。また、増幅器44とサーキュレータ45との間には方向性結合器48が接続して設けられ、この方向性結合器48によって電力分配された信号は、ミキサ47にローカル信号として入力される。
【0050】
そして、これら電圧制御発振器43、増幅器44、サーキュレータ45、ミキサ47等の間は、例えば第2の実施の形態と同様に誘電体基板42の裏面に設けられた隆起部(図示せず)と、隆起部に沿って誘電体基板42の表面に設けられたスロット42Cと、隆起部に沿って設けられた複数のスルーホール42Dとからなる導波路49によって接続され、これらのレーダ装置41は1枚の誘電体基板42に形成されるものである。
【0051】
本実施の形態によるレーダ装置は上述の如き構成を有するもので、電圧制御発振器43から出力された発振信号は増幅器44によって増幅され、方向性結合器48およびサーキュレータ45を経由して、送信信号として開口部46から送信される。一方、開口部46から受信された受信信号はサーキュレータ45を通じてミキサ47に入力されると共に、方向性結合器48によるローカル信号を用いてダウンコンバートされ、中間周波信号IFとして出力される。
【0052】
かくして、本実施の形態によれば、誘電体基板42には隆起部、スロット42C、スルーホール42D等からなる導波路49を形成すると共に、該導波路49を用いて電圧制御発振器43、増幅器44、サーキュレータ45、ミキサ47等の間を接続したから、従来技術によるスロットラインと同様に誘電体基板42の表面だけで導波路49に増幅器44等を容易に接続することができると共に、これらの導波路49と電圧制御発振器43等との間を低損失で接続することができ、レーダ装置全体の電力効率を高め、消費電力を低減することができる。
【0053】
なお、前記第5の実施の形態では、本発明による伝送線路をレーダ装置に適用した場合を例を挙げて説明したが、例えば送受信装置として通信装置等に適用してもよい。また、前記第5の実施の形態では、第2の実施の形態による伝送線路を用いて送受信装置を構成する場合を例に挙げて説明したが、第1,第3,第4の実施の形態による伝送線路を用いてもよい。
【0054】
また、第3ないし第5の実施の形態では、誘電体基板1,42にスルーホール21,33,42Dを設ける構成としたが、第1の実施の形態と同様にスルーホールを省く構成としてもよい。
【0055】
また、前記第2ないし第4の実施の形態では、誘電体基板1には隆起部2,31の両脇に2列ずつ合計4列に亘って複数のスルーホール11,21,33を配置するものとしたが、第5の実施の形態のように隆起部の両脇に1列ずつ合計2列に亘って複数のスルーホールを設ける構成としてもよく、合計6列以上に亘ってスルーホールを配置する構成としてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、誘電体基板の裏面に隆起部を設けると共に、表面側導体層には隆起部に沿って延びるスロットを設ける構成としたから、隆起部とスロットとによって導波路を形成することができ、この導波路を用いて高周波信号を伝搬することができる。また、隆起部は裏面側導体層によって覆われているから、隆起部とスロットとが位置ずれした場合であっても、誘電体基板の裏面から高周波信号が放射することがなく、放射による伝送損失を低減することができる。
【0057】
請求項2の発明によれば、誘電体基板には隆起部を挟んだ両側に複数のスルーホールを設ける構成としたから、隆起部を挟んで配置したスルーホールによって高周波信号を隆起部とスロットとの間に閉じ込めることができる。このため、誘電体基板のうち隆起部の両側に向けて高周波信号が放射するのを防ぐことができ、伝送損失を低減することができる。
【0058】
請求項3の発明によれば、誘電体基板の表面にはスロットを覆うシールド部材を設けたから、スロットを通じて放射する高周波信号をシールド部材によってスロットの周辺に閉じ込めることができ、高周波信号の伝送損失を低減することができると共に、外部への不用な高周波信号の放射を防ぐことができる。
【0059】
請求項4の発明によれば、隆起部の角部には湾曲状の円弧部を形成したから、隆起部の角部で裏面側導体層に隙間、亀裂等が生じることがなく、円弧部を覆って連続して形成することができる。このため、隆起部の全長に亘って円弧部を覆う裏面側導体層に電流を流すことができるから、電流集中を緩和し、伝送損失を低減することができる。
【0060】
請求項5の発明によれば、誘電体基板をセラミックス材料、樹脂材料またはこれらの複合材料によって形成したから、誘電体基板の耐熱性を向上することができる。このため、一括リフロー半田法を用いて表面実装部品を実装することができ、生産性を向上することができる。
【0061】
さらに、請求項6の発明によれば、本発明による伝送線路を用いて送受信装置を構成したから、送受信装置全体の損失を低減することができ、電力効率を高めて消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による伝送線路を示す斜視図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた伝送線路を示す拡大断面図である。
【図3】図1中の矢示III−III方向からみた伝送線路を示す拡大断面図である。
【図4】第2の実施の形態による伝送線路を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態による伝送線路を示す平面図である。
【図6】図4中の矢示VI−VI方向からみた伝送線路を示す拡大断面図である。
【図7】図4中の伝送線路による反射係数、透過係数と高周波信号の周波数との関係を示す特性線図である。
【図8】第1の変形例による伝送線路を示す斜視図である。
【図9】第3の実施の形態による伝送線路を示す斜視図である。
【図10】図9中の矢示X−X方向からみた伝送線路を示す拡大断面図である。
【図11】第2の変形例による伝送線路を示す斜視図である。
【図12】第4の実施の形態による伝送線路を示す図2と同様位置の拡大断面図である。
【図13】第5の実施の形態によるレーダ装置を示す平面図である。
【図14】第5の実施の形態によるレーダ装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,42 誘電体基板
2,31 隆起部
3,42A 表面側導体層
4,32,42B 裏面側導体層
5,42C スロット
11,11′,21,33,42D スルーホール
22,22′ シールド部材
31A 円弧部
41 レーダ装置(送受信装置)
Claims (6)
- 誘電体基板と、該誘電体基板の裏面に設けられ高周波信号の伝送方向に沿って断面凸形状で連続して延びる隆起部と、前記誘電体基板の表面に設けられた表面側導体層と、前記隆起部の外面を含めて前記誘電体基板の裏面に設けられた裏面側導体層と、前記表面側導体層に設けられ前記隆起部に沿って延びるスロットとによって構成してなる伝送線路。
- 前記誘電体基板には、前記隆起部を挟んだ両側に配置され厚さ方向に貫通して前記表面側導体層と裏面側導体層との間を導通させる複数のスルーホールを設けてなる請求項1に記載の伝送線路。
- 前記誘電体基板には、その表面に位置して前記スロットを覆うシールド部材を設けてなる請求項1または2に記載の伝送線路。
- 隆起部には断面凸形状の角部に湾曲状の円弧部を形成し、前記裏面側導体層は該円弧部を覆う構成としてなる請求項1,2または3に記載の伝送線路。
- 前記誘電体基板は、セラミックス材料、樹脂材料またはこれらの複合材料によって形成してなる請求項1,2,3または4に記載の伝送線路。
- 前記請求項1ないし5のうちいずれかに記載の伝送線路を用いた送受信装置。
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